説明

スライドファスナー

【課題】低温度下にも拘わらず硬くならず操作性に優れ、しかも効果的な防水機能が発揮されるスライドファスナー用の噛合エレメントを提供することである。
【解決手段】夫々の噛合エレメント105は、第1形状を有する第1面113と第2形状を有する第2面115と含み、第2面115は、第1面113から離れて反対側にある。第1形状は、実質的に三角形又は台形である。第2形状は、実質的にギアの歯の形状を呈している。第1群と第2群の噛合エレメント105が分離自在に噛合した時に、第1面から第2面まで水が浸入するのが実質的に防止される。ストリンガーテープ101,103には噛合エレメント105が配されている。噛合エレメント105の第1面113近傍のストリンガーテープ101,103の面は、防水材料によってラミネートされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐水性のスライドファスナー及びその噛合エレメントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
耐水性スライドファスナーは、通常、ストリンガーテープに取り付けられているコイル状噛合エレメントを備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、コイル状噛合エレメントとともに使用されたジッパーは、低温度において硬くなり操作が難しくなる傾向があるので、低温度下において着用する可能性のあるアウトドア衣料品とともに使用することが不適切であった。また、これらのジッパーは、砂、破片又は氷に晒された時に操作が難しかった。
【0004】
プラスチック成型された噛合エレメントは、低温度下や、砂、破片又は氷に晒された時にも然程硬くなるような傾向は無いが、従来のプラスチック成型された噛合エレメントは、効果的な防水機能がなかった。
【0005】
従って、当該技術分野においては、耐水性のある改良スライドファスナーを求める要請があったのである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、スライドファスナー100に使用するための複数の噛合エレメント105であって、これらの噛合エレメント105の夫々は、ストリンガーテープ101,103の第1面109側に配された第1基部135と、ストリンガーテープ101,103の第1面109の反対側である第2面111側に配された第2基部125と、第1基部135と第2基部125から外方向に延びており、第1面113と第2面115を有する係合部137であって、係合部137の第1面113は、係合部137の第2面115から離れて当該第2面115に対して反対側にあり、係合部137の第1面113は、第1形状を有しており、係合部137の第2面115は、第2形状を有しており、係合部137の前方側終端部153近傍にある第2面115の一部は、当該終端部153近傍の第1面113の一部の幅寸法W2よりも大きい幅寸法W1を有しており、当該幅寸法W1,W2の夫々は、係合部137の第1面113と第2面115に対して実質的に平行である係合部137と、係合部137の前方側終端部153に配されており、係合部137の第1面113と第2面115との間に延びている前面121とからなる噛合エレメント105であって、第1基部135と第2基部125は、その間にストリンガーテープ101,103の縦縁部107を収容するためのチャネル151を形成しており、第1群の噛合エレメント105は、第1ストリンガーテープ101に配されており、第2群の噛合エレメント105は、第2ストリンガーテープ103に配されており、第2群の二つの隣接する噛合エレメント105の係合部137のそれぞれの第1面113によって、第1ギャップ155が形成されており、第2群の二つの隣接する噛合エレメント105の係合部137のそれぞれの第2面115によって、第2ギャップ157が形成されており、 第1群の二つの隣接する噛合エレメント105の係合部137のそれぞれの第1面113によって、第3ギャップ159が形成されており、第1群の二つの隣接する噛合エレメント105の係合部137のそれぞれの第2面115によって、第4ギャップ161が形成されており、第1群の噛合エレメント105は、第2群の噛合エレメント105と分離自在に噛合した時に、第1群の第1噛合エレメント105aの係合部137の第1面113は、少なくともその一部が第1ギャップ内部に配され、第1噛合エレメント105aの係合部137の第2面115は、少なくともその一部が第2ギャップ内部に配され、第2群の第2噛合エレメント105bの係合部137の第1面113は、少なくともその一部が第3ギャップ内部に配され、当該第2噛合エレメント105bの係合部137の第2面115は、少なくともその一部が第4ギャップ内部に配されており、第1噛合エレメント105aの前面121は、第2ストリンガーテープ103の縦縁部107と対向し接するように配されており、第2噛合エレメント105bの前面121は、第1ストリンガーテープ101の縦縁部107と対向し接するように配されていることを特徴とする。
【0007】
当該噛合エレメントにおいて、当該チャネル151は、第1チャネルであり、前面121は、第2チャネル123を形成しており、第1群の噛合エレメント105が第2群の噛合エレメント105と分離自在に連結された時に、第1噛合エレメント105aの第2チャネル123は、第2群の二つの隣接する噛合エレメント105の間において第2支持テープの縦縁部107の一部117を収容し、第2エレメントの第2チャネル123は、第1群の二つの隣接する噛合エレメント105の間に第1ストリンガーテープ101の縦縁部107の一部117を収容する。
【0008】
当該噛合エレメントにおいて、第1形状の幅は、基部135,125から前面121に向けて減少しており、第2形状は、首部127と頭部129とからなり、頭部129は、係合部137の終端部153近傍にあり、そして、首部127は、基部135,135と頭部129との間に配されており、首部127の幅は、頭部129の幅よりも小さく、第1群の噛合エレメント105が、第2群の噛合エレメント105と分離自在に噛合した時に、第1噛合エレメント105aの頭部129は、第2群の二つの隣接する噛合エレメント105の首部127の間に配され、第2噛合エレメント105bの頭部129は、第1群の二つの隣接する噛合エレメント105の首部127の間に配されている。
【0009】
当該噛合エレメントにおいて、第1形状は、実質的に三角形であってもよい。また、第1形状は、実質的に台形であってもよい。
【0010】
当該噛合エレメントにおいて、噛合エレメント105は、プラスチック材料から成型されている。
【0011】
当該噛合エレメントにおいて、係合部137は、シーリング部139とファスニング部145とからなり、シーリング部139とファスニング部145は、境界面141において、互いに当接しており、シーリング部139は、第1面113から境界面141まで延びており、当該ファスニング部145は、第2面115から境界面141まで延びている。
【0012】
当該噛合エレメントにおいて、境界面141は、第1面113と第2面115に対して実質的に平行な面にある。
【0013】
当該噛合エレメントにおいて、シーリング部139は、第1係合面144aと第2係合面144bを有し、ファスニング部145は、第1ファスニング面147aと第2ファスニング面147bとを有する。
【0014】
当該噛合エレメントにおいて、噛合エレメント105は、第1群にある第3噛合エレメントと、第2群にある第4噛合エレメントとを更に含み、第3噛合エレメントは、第1ストリンガーテープ101の第1噛合エレメント105a近傍に配されており、第4噛合エレメントは、第2ストリンガーテープ101の第2噛合エレメント105b近傍に配されており、第2噛合エレメント105bの第1係合面144aと第4噛合エレメントの第2係合面144bとによって第1ギャップが更に形成されており、第2噛合エレメント105bの第1ファスニング面147aと第4噛合エレメントの第2ファスニング面147bによって第2ギャップが更に形成されており、第2噛合エレメント105bの第1噛合エレメント105aの第2係合面144bによって第3噛合エレメントの第1係合面144aによって第3ギャップが更に形成されており、第1噛合エレメント105aの第2ファスニング面147bと第3噛合エレメントの第1ファスニング面147aとによって第4ギャップが更に形成されている。
【0015】
更に、本発明によれば、夫々縦縁部107と、第1面109と、当該第1面の反対側にある第2面111とを有する第1ストリンガーテープ101と第2ストリンガーテープ103と、当該第1ストリンガーテープ101近傍に配された第1群の噛合エレメント105と第2ストリンガー近傍に配された第2群の噛合エレメント105とからなるスライドファスナー100であって、夫々の第1群噛合エレメント105は、第1ストリンガーテープ101の第1面109側に配された第1基部135と第1ストリンガーテープ101の第2面111側に配された第2基部125と、第1及び第2基部135,125から外方向に延びている係合部137であって、当該係合部137は、第1面113と第2面115とを含み、係合部137の第1面113は、係合部137の第2面115から離れてその反対側にあり、係合部137の第1面113は第1形状を有しており、係合部137の第2面115は第2形状を有しており、係合部137の前方側終端部153の近傍の第2形状の一部は当該終端部153の近傍の第1形状の一部の幅寸法W2よりも大きい幅寸法W1を有しており、幅寸法W1、W2の夫々は、係合部137の第1面113と第2面115に対して実質的に平行である幅面において測定される係合部137と、当該係合部137の前方側終端部153に配され、その第1面113と第2面115の間に延びている前面121とを有しており、第1基部135と第2基部125は、その間に第1ストリンガーテープ101の縦縁部107を収容するためのチャネル151を形成しており、夫々の第2群噛合エレメント105は、第2ストリンガーテープ101の第1面109側に配された第1基部135と第2ストリンガーテープ101の第2面111側に配された第2基部125と、第1及び第2基部135,125から外方向に延びている係合部137であって、当該係合部137は、第1面113と第2面115を含み、係合部137の第1面113は、係合部137の第2面115から離れて当該第2面115の反対側にあり、係合部137の第1面113は第1形状を有し、係合部137の第2面115は第2形状を有し、係合部137の終端部153近傍の第2形状の一部は当該終端部153近傍の第1形状の一部の幅寸法W2よりも大きい幅寸法W1を有しており、幅寸法W1,W2の夫々は係合部137の第1面113と第2面115に対して実質的に平行である幅面において測定される係合部137と、当該係合部137の終端部153に配され、その第1面113と第2面115との間に延びている前面121とを有し、第1基部135と第2基部125は、その間に、第2ストリンガーテープ101の縦縁部107を収容するためのチャネル123を形成しており、第2群の二つの隣接する噛合エレメント105の係合部137のそれぞれの第1面113によって第1ギャップが形成され、第2群の二つの隣接する噛合エレメント105の係合部137のそれぞれの第2面115によって第2ギャップが形成され、第1群の二つの隣接する噛合エレメント105の係合部137のそれぞれの第1面113によって第3ギャップが形成され、第1群の二つの隣接する噛合エレメント105の係合部137のそれぞれの第2面115によって第4ギャップが形成されており、第1群の噛合エレメント105が第2群の噛合エレメント105と分離自在に噛合した時に、第1群の第1噛合エレメント105aの係合部137の第1面113は、少なくともその一部が第1ギャップ内部に配されており、第1噛合エレメント105aの係合部137の第2面115は、少なくともその一部が当該第2ギャップ内部に配されており、第2群の第2噛合エレメント105bの係合部137の第1面113は、少なくともその一部が第3ギャップ内部に配されており、第2噛合エレメント105bの係合部137の第2面115は、少なくともその一部が当該第4ギャップ内部に配されており、第1噛合エレメント105aの前面121は、第2ストリンガーテープ101の縦縁部107と対向し接しており、そして、第2噛合エレメント105bの前面121は、第1ストリンガーテープ101の縦縁部107と対向し接していることを特徴とする。
【0016】
当該スライドファスナーにおいて、第1及び第2ストリンガーテープ101,103の第1面109は、耐水性材料でラミネートされている。
【0017】
当該スライドファスナーにおいて、当該チャネルは第1チャネル151であり、前面121は第2チャネル123を形成しており、第1群の噛合エレメント105が、第2群の噛合エレメント105と分離自在に噛合した時に、第1噛合エレメント105aの第2チャネル123は、第2群の二つの隣接する噛合エレメント105の間にある第2ストリンガーテープ101の縦縁部107の一部117を収容し、そして、第2噛合エレメント105bの第2チャネル123は、第1群の二つの隣接する噛合エレメント105の間にある第1ストリンガーテープ101の縦縁部107の一部117を収容する。
【0018】
当該スライドファスナーにおいて、第1形状の幅は、基部から前面121に向けて減少しており、第2形状は、首部127と頭部129とを含み、頭部129は、係合部137の終端部153近傍にあり、首部127は、基部と頭部129との間に配されており、首部127の幅は、頭部129の幅よりも小さくなっており、第1群の噛合エレメント105が第2群の噛合エレメント105と分離自在に噛合した時に、第1噛合エレメント105aの頭部129は第2群の二つの隣接する噛合エレメント105の首部127の間に配され、第2噛合エレメント105の頭部129は、第1群の二つの隣接する噛合エレメント105の首部127の間に配されている。
【0019】
当該スライドファスナーにおいて、第1形状は実質的に三角形であってもよい。第1形状は実質的に台形であってもよい。
【0020】
当該スライドファスナーにおいて、噛合エレメント105は、プラスチック材料から成型される。
【0021】
当該スライドファスナーにおいて、第1及び第2ストリンガーテープ101,103の夫々の縦縁部107は、第1縦縁部107であり、第1及び第2ストリンガーの夫々は、更に、当該第1縦縁部107の反対側にある第2縦縁部107を含み、第2縦縁部107は、物品に取り付けられるような構成になっているので、第1及び第2ストリンガーテープ101,103の第1面109は、物品の外面近傍に配されており、第1及び第2ストリンガーテープ101,103の第2面111は、物品の内面近傍に配されている。
【0022】
当該スライドファスナーにおいて、噛合エレメント105の係合部137は、シーリング部139とファスニング部145とからなり、シーリング部139とファスニング部145は、境界面141において、互いに当接しており、シーリング部139は、第1面113から境界面141まで延びており、当該ファスニング部145は、第2面115から境界面141まで延びている。
【0023】
当該スライドファスナーにおいて、境界面141は、第1面113と第2面115に対して実質的に平行である面にある。
【0024】
当該スライドファスナーにおいて、シーリング部139は、第1係合面144aと第2係合面144bとからなり、ファスニング部145は、第1ファスニング面147aと第2ファスニング面147bとからなる。
【0025】
当該スライドファスナーにおいて、噛合エレメント105は、第1群にある第3噛合エレメントと第2群にある第4噛合エレメントとを更に含み、第3噛合エレメントは、第1ストリンガーテープ101の第1噛合エレメント105a近傍に配されており、第4噛合エレメントは、第2ストリンガーテープ103の第2噛合エレメント105b近傍に配されており、第2噛合エレメント105bの第1係合面144aと第4噛合エレメントの第2係合面144bとによって第1ギャップが更に形成されており、第2噛合エレメント105bの第1ファスニング面147aと第4噛合エレメントの第2ファスニング面147bとによって第2ギャップが更に形成されており、第1噛合エレメントの第2係合面144bと第3噛合エレメントの第1係合面144aとによって第3ギャップが更に形成されており、第1噛合エレメントの第2ファスニング面147bと第3噛合エレメントの第1ファスニング面147aとによって第4ギャップが更に形成されている。
【発明の効果】
【0026】
以上説明した本発明によれば、低温度下にも拘わらず硬くならず操作性に優れ、しかも効果的な防水機能が発揮されるスライドファスナー用の噛合エレメントが得られたのである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】 図1(a)は、本発明の一つの実施例によるスライドファスナーの第1面の平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示されたスライドファスナーの第2面の底面図であり、図1(c)は、図1(a)の切断線1c−1cで切った断面図である。
【図2】 図2(a)は、図1(a)に示されたスライドファスナーの第1面の斜視図であり、図2(b)は、図1(b)に示されたスライドファスナーの第2面の斜視図である。
【図3】 図3(a)は、図1(a)に示されたスライドファスナーの第1面に成型された噛合エレメントの部分平面図であり、図3(b)は、図3(a)に示された噛合エレメントの側面図であり、図3(c)は、図3(a)に示された噛合エレメントの端面図である。
【図4】 図4(a)は、本発明のもう一つの実施例によるスライドファスナーの第1面の平面図であり、図4(b)は、図4(a)に示されたスライドファスナーの第2面の底面図である。
【図5】 図5(a)は、図4(a)に示されたスライドファスナーの第1面の斜視図であり、図5(b)は、図4(a)に示されたスライドファスナーの第2面の斜視図である。
【図6】 図6(a)乃至6(d)は、図1(a)乃至図5(b)に示されたスライドファスナーの耐水性をテストするためのテスト装置の例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の色々な実施例を、添付図面を参照にして以下に具体的に説明する。ここにおいて、本発明の全ての実施例ではないが、本発明のいくつかの実施例を図面で示すことにする。これらの発明は、色々な形で具現することはできるので、ここに示された実施例だけに限定されると解釈されてはならない。むしろ、これらの実施例は、これを開示して法的開示要件を満たす目的のために提供されたものである。
【0029】
図1(a)、1(b)、2(a)及び2(b)には、色々な実施例によるスライドファスナーが示されている。スライドファスナー100は、第1ストリンガーテープ101に配された第1群の噛合エレメント105と第2ストリンガーテープ103に配された第2群の噛合エレメント105とを有する。これらのストリンガーテープ101,103は、夫々、互いに反対側にある第1面109と第2面111とを有し、そのストリンガーテープ101,103には、対向する縁部に膨大状でテープ長手方向に延びる縦縁部107を形成している。
【0030】
なお、本実施例の説明では、噛合エレメント105のストリンガーテープ101,103の長さ方向を幅方向とし、その幅方向と直交する方向を前後方向とし(噛合エレメント105が対向する噛合エレメント105に向かう方向を前方、噛合エレメント105の係合部に対して第1、第2基部135,125に向かう方向を後方とする)、ストリンガーテープ101,103および噛合エレメント105の表裏方向を高さ方向とし、スライドファスナー100において、スライダー119を摺動してファスナーを閉じる方向を上方、スライダー119を摺動してファスナーを閉じる方向を下方とする。
【0031】
夫々の噛合エレメント105は、第1基部135と、第2基部125と、係合部137と、前面121とを有する。第1基部135は、ストリンガーテープ101、103の第1面109側で縦縁部107の近傍に配されており、第2基部125は、ストリンガーテープ101、103の第2面111側で縦縁部107の近傍に配されている。更に、第1基部135と、第2基部125は、ストリンガーテープ101,103の縦縁部107を収容するためそれらの間にチャネル151を形成し、噛合エレメントがストリンガーテープ101,103に取り付けられている。
【0032】
係合部137は、第1基部135と第2基部125からストリンガーテープの外方向(対向するストリンガーテープに向かう方向)に延びており、第1面113と第2面115とを有している。係合部137の第1面113は、係合部137の第2面115から離れて配されており、互いに反対側に位置する。係合部137の第1面113は、第1形状をしており、ストリンガーテープ101,103の第1面109側に配されており、係合部137の第2面115は、第1形状と異なる第2形状をしており、ストリンガーテープ101,103の第2面111側に配されている。係合部137の第2面115の一部は、当該係合部137の終端部153(前側)の近傍において、当該終端部153の近傍における係合部137の第1面113の幅寸法W2よりも大きな幅寸法W1を有している。当該幅寸法(ストリンガーテープの長さ方向)は、係合部137の第1面113と第2面115に実質的に平行である幅面において測定される。図1(a)乃至図3(c)に示された実施例において、第1面113の第1形状は、ストリンガーテープ101,103の第1面109から観た場合、実質的に三角形であり、第2面115の第2形状は、ストリンガーテープ101,103の第2面111から観た場合、実質的にギア即ち歯車の歯の形状である。
【0033】
図4(a)乃至図5(c)に示されたもう一つの実施例において、噛合エレメント205の係合部237は第1基部235と第2基部225から外方向(対向するストリンガーテープに向かう方向)に延びており、その係合部237の第1面213の第1形状は、ストリンガーテープ201,203の第1面209から見た場合、実質的に台形である。台形とは、噛合エレメント205の第1面213の前方側に向けて幅方向の寸法が小さくなり、かつ前端に幅方向に平坦な面とした形状である。一つの実施例によれば、実質的に台形の第1面213を有する噛合エレメント205は、実質的に三角形状の第1面115を有する噛合エレメント105よりもより良好な耐水性を提供すると思われる。しかし、実質的に三角形状の第1面115を有する噛合エレメント105は、一つの実施例に拠れば、実質的に台形の第1面213を有する噛合エレメント205よりもストリンガーテープ101,103を含む面においてより柔軟性を提供するものと思われる。
【0034】
図1(a)乃至図3(c)に示されている実施例において、係合部137は、シーリング部139とファスニング部(噛合部)145とからなり、シーリング部139とファスニング部145は、境界面141で互いに当接している。特に、シーリング部139は、第1面113と境界面141の間に延びている。一方、ファスニング部145は、第2面115と境界面141との間で延びている。一つの実施例において、当該境界面141は、第1面113と第2面115に実質的に平行である面に存在する。
【0035】
図1(a)及び図3(b)乃至図3(c)に示されているように、シーリング部139は、第1係合面144aと第2係合面144bを有する。第1係合面144aと第2係合面144bとは、係合部137の第1面113から境界面141に延び、第1係合面144aはスライドファスナー100の下方側に形成され、第2係合面144bはスライドファスナー100の上方側に形成され、スライドファスナー100が閉じた状態で、第1群の噛合エレメント105の第1係合面144aは、第2群の噛合エレメントの第2係合面144bと対面し、第1群の噛合エレメント105の第2係合面144bは、第2郡の噛合エレメント105の第1係合面144aと対面している。
【0036】
図1(b)及び図3(b)乃至図3(c)に示された実施例に拠れば、ファスニング部145は、首部127と頭部129とを有する。頭部129は、前面121を有し、首部127は、第2基部125と頭部129との間に配されている。首部127は、頭部129と第2基部125の幅寸法よりも小さい幅寸法を有する。図1(a)乃至図3(c)に示された実施例によれば、頭部129の少なくとも一部143は、第1面113の終端部153よりも幅面において広くなっており、これによって、ストリンガーテープ101,103の第1面109側からスライドファスナーを見たときに頭部129の当該一部143が見えるのである。更に、第1ファスニング面147aと第2ファスニング面147bは、第2面115から境界面141まで延びている。更に、前面121は、係合部137の終端部153に配されており、係合部137の第1面113と第2面115との間に延びている。つまり、第1ファスニング面147aと第2ファスニング面147bとは、頭部129の噛合エレメント105の高さ方向に延びる面である。
【0037】
第2群の二つの隣接する噛合エレメント105の第1面113と係合面144a,144bとによって第1ギャップ155が形成されており、第2群の二つの隣接する噛合エレメント105の第2面115とファスニング面147a,147bとによって第2ギャップ157が形成されている。更に、第1群の二つの隣接する噛合エレメント105の第1面113と係合面144a,144bとによって第3ギャップ159が形成されており、第1群の二つの隣接する噛合エレメント105の第2面115とファスニング面147a,147bとによって第4ギャップ161が形成されている。
【0038】
第1群の噛合エレメント105が第2群の噛合エレメント105と分離自在に係合したときに、第1群の第1噛合エレメント105aの係合部137の第1面113とシーリング部139は、少なくともその一部が、第1ギャップ155の内部に配されており、第1噛合エレメント105aの係合部137の第2面115とファスニング部145は、少なくともその一部が、第2ギャップ157の内部に配されている。更に、第2群の第2噛合エレメント105bの係合部137の第1面113とシーリング部139は、少なくともその一部が、第3ギャップ159の内部に配されており、第2噛合エレメント105bの係合部137の第2面115とファスニング部145は、少なくともその一部が、第4ギャップ161の内部に配されている。特に、第1群の噛合エレメント105の頭部129は、第2群の噛合エレメント105の隣接する首部127の間に配されており、第2群の噛合エレメント105の頭部129は、第1群の噛合エレメント105の隣接する首部127の間に配されている。頭部129が首部127の間で係合し、このとき、頭部129の係合は、ファスニング面147a,147bが対向する噛合エレメント105のファスニング面147a,147bと対面していることによって、噛合エレメント105の係合が誤まって外れることが防止されるのである。
【0039】
更に又、第1群の噛合エレメント105は、第2群の噛合エレメント105と分離自在に連結した時に、第1噛合エレメント105aの前面121は、第2ストリンガーテープ103の縦縁部107の近傍に配され、これと対面して縦縁部107を前面121に形成した第2チャネル123に収容しており、第2噛合エレメント105bの前面121は、第1ストリンガーテープ101の縦縁部近傍に配され、これと対面して縦縁部107を前面121に形成した第2チャネル123に収容している。さらに、縦縁部107がチャネル123内部で接触するとより好ましい。
【0040】
図1(a)乃至図3(c)に示されているような特定の実施例において、第1ストリンガーテープ101の隣接する噛合エレメント105の係合部137は、互いに離隔しており、これによって、第1ストリンガーテープ101の縦縁部107の一部117は、隣接する噛合エレメント105の間に晒されている。同様に、第2ストリンガーテープ103の隣接する噛合エレメント105の係合部137は、互いに離隔しており、これによって、第2ストリンガーテープ103の縦縁部107の一部117は、隣接する噛合エレメント105の間に露出している。つまり第1、第2ストリンガーテープ101,103の前記一部117は第1、第2、第3、第4ギャップ155,157,159,161における縦縁部107部分と等しい。そして、第1群の噛合エレメント105が、第2群の噛合エレメント105と分離自在に噛合した時に、第1噛合エレメント105aの第1形状の前面121の幅は、第1ギャップ155よりも小さく形成され、第2噛合エレメント105bの第1形状の前面121の幅は、第3ギャップ159よりも小さく形成され、これにより、それぞれの噛合エレメント105の第1形状がストリンガーテープ101,103の縦縁部107と対向し接している。
【0041】
更に、図1(a)乃至図3(c)における実施例に示されているように、第1ストリンガーテープ101の隣接する噛合エレメント105の第1基部135は互いに離隔してもよく、第1ストリンガーテープ101の隣接する噛合エレメント105の第2基部125は互いに離隔してもよい。同様に、第2ストリンガーテープ103の隣接する噛合エレメント105の第1基部135は、互いに離隔しても良く、そして、第2ストリンガーテープ103の隣接する噛合エレメント105の第2基部125は、互いに離隔してもよい。しかし、(図示していない)代替的な実施例においては、夫々のストリンガーテープ101,103の第1基部135と第2基部125は、連続して形成されていても良い。
【0042】
更に、図3(a)及び図3(b)に示されている実施例において、前面121は、チャネル151から離隔したチャネル123を形成しており、当該チャネル123は、縦縁部107と実質的に平行(ストリンガーテープ101,103の長さ方向に平行)である。当該チャネル123は、ストリンガーテープ101,103の噛合エレメント105が連結するときに、対向するストリンガーテープ101,103の縦縁部107の一部117を収容するような構成となっている。
【0043】
一般的には、夫々の噛合エレメント105は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリアミドのようなプラスチック材料から成型されている。しかし、実施例によっては、噛合エレメントは、例えば、金属、セラミック、木材又はこれらの組合せを含むその他の材料で作られてもよい。
【0044】
第1群の噛合エレメント105は、第1ストリンガーテープ101に成型されており、第2群の噛合エレメント105は、第2ストリンガーテープ103に成型されている。例えば、噛合エレメント105は、射出成型プロセスを使用してストリンガーテープ101、103に成型される。別の実施例においては、噛合エレメントは、別個に形成された後、ストリンガーテープに取り付けられても良い。
【0045】
特定の実施例によれば、夫々のストリンガーテープ101,103の第1面109は、耐液体コーティングでもってラミネートされていてもよい。耐液体コーティングは、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニール、その他の種類の材料のフィルムであってもよい。更に、特定の実施例によれば、夫々のストリンガーテープ101,103の第1面109は、ストリンガーテープ101,103に噛合エレメント105を成型する前にラミネートされている。つまり、ストリンガーテープ101,103の縦縁部107を含む第1面109がラミネートされている。しかし、ラミネートプロセスにおいて柔軟で伸縮性があるフィルムが使用される別の実施例においては、噛合エレメント105がストリンガーテープ101,103に成型された後でラミネート工程を行っても良い。
【0046】
ストリンガーテープ101,103は、互いに連結される二つの縫い目を持つ物品(例えば、衣料品例えばバッグ)に取り付けられ、これによって、ストリンガーテープ101,103の第1面109と噛合エレメント105の第1面113は、物品の外側近傍に配され、ストリンガーテープ101,103の第2面111と噛合エレメント105の第2面115が物品の内側近傍に配される。夫々のストリンガーテープ101,103の噛合エレメント105を互いに係合させるために、スライダー119は、噛合エレメント105上を第1方向(上方)に移動される。夫々のストリンガーテープ101,103の噛合エレメント105の係合を外すためには、スライダー119は、第1方向と反対の第2方向(下方)に移動される。
【0047】
図1(a)乃至図5(b)に示された実施例は、実質的に耐水性である。特に、噛合エレメント105、205が係合された時に、夫々のストリンガーテープ101,103,201,203の第1面109,209及び夫々の噛合エレメント105,205の第1面113,213から夫々のストリンガーテープ101,103,201,203の第2面111,213及び夫々の噛合エレメント105,205の第2面115,215に液体(例えば水)が浸入することが実質的に防止される。特に、図1(a)乃至図5(b)に示された実施例によれば、ストリンガーテープ101,103,201,203の第1面109,209の耐液体コーティングは水のような液体がストリンガーテープ101,103,201,203を通って浸入するのを実質的に防ぐのである。噛合エレメント105,205のシーリング部139,239の係合面144a,144b,244a,244bを係合することによって対向するストリンガーテープ101,103,201,203に配された隣接する噛合エレメント105,205の間において水が浸入することも防止される。更に、噛合エレメント105,205の隣接する係合面144a,144b,244a,244bの間から浸入するかもしれない液体は、シーリング部139,239とファスニング部145,245との間にある境界面141,241近傍の頭部129,229の当該一部143,243によってストリンガーテープ101,103,201,203の第2面111,121と噛合エレメント105,205の第2面115,215まで浸入することが防止される。また、第1ファスニング面247aと第2ファスニング面247bは、第2面215から境界面まで延びている。境界面は、シーリング部239とファスニング部145が互いに当接する部分で、当該境界面は、第1面213と第2面215に実質的に平行である面に存在する。更にまた、チャネル123,237が隣接する係合部137,237の間に露出した縦縁部107,207の当該一部117,217と係合することによって、夫々の噛合エレメント105,205の前面121,221と対向するストリンガーテープ101,103,201,203の縦縁部107,207の間の境界面を通って液体が浸入することが実質的に防止される。さらに好ましくは、噛合エレメント105,205を備えるストリンガーテープ101,103,201,203に撥水処理を行うことで、より液体の浸入を防止できるようになる。
【0048】
図1(a)乃至図5(b)に示されたスライドファスナー100,200の実施例は、耐水性テストを受けた。そして、双方の実施例のスライドファスナー100,200とも、15分当たり0.5cc未満の水が当該スライドファスナー100,200を通過したという防水効果が認められた。特に、図6(a)乃至6(d)に示されているように、耐水性テストは、箱300の開口部301にスライドファスナー100,200を固定する工程を含む。この工程を行うことによって、夫々のストリンガーテープ101,103,201,203の第1面109,209が箱300の外側に面し、夫々のストリンガーテープ101,103,201,203の第2面111,121が箱300の内側に面した。開口部301は、箱300の側面303に形成され、箱300の当該側面303は、箱300の上面に対して直角に配された。シャワーのような水源320が箱300の近傍に配され、水源320から流出する水は、実質的に45度の角度で側面303に向けられた。水源320は、1時間当たり約100mmの速度で水を放出した。約15分後に、スライドファスナー100,200の水の浸入を防ぐ能力を判断するために、箱300の内部の水が測定された。上に記載したように、テストの間、スライドファスナーを0.5cc未満の水が通過した
【0049】
本発明は、上に開示した実施例を参考に具体的且つ詳細に記載したけれども、添付された特許請求の範囲に記載された本発明の精神と範囲の中で色々な変形例及び修正例が可能であると理解される。
【符号の説明】
【0050】
100 スライドファスナー
101 第1ストリンガーテープ
103 第2ストリンガーテープ
105 噛合エレメント
105a 第1噛合エレメント
105b 第2噛合エレメント
107 縦縁部
109 第1面 (ストリンガーテープの)
111 第2面 (ストリンガーテープの)
113 第1面 (エレメント係合部の)
115 第2面 (エレメント係合部の)
117 一部 (縦縁部107の)
119 スライダー
121 前面 (噛合エレメント105の)
123 第2チャネル (前面121の)
125 第2基部
127 首部
129 頭部
135 第1基部
137 係合部
139 シーリング部
141 境界面
143 一部 (頭部129の)
144a 第1係合面
144b 第2係合面
145 ファスニング部
147a 第1ファスニング面
147b 第2ファスニング面
153 前方側終端部 (係合部の)
151 第1チャネル
155 第1ギャップ
157 第2ギャップ
159 第3ギャップ
161 第4ギャップ
200 スライドファスナー
205 噛合エレメント
207 縦縁部
213 第1面
237 係合部
300 箱
301 開口部
303 側面
320 水源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドファスナー(100)に使用するための複数の噛合エレメント(105)であって、これらの噛合エレメント(105)の夫々は、
ストリンガーテープ(101,103)の第1面(109)側に配された第1基部(135)と、ストリンガーテープ(101,103)の第1面(109)の反対側である第2面(111)側に配された第2基部(125)と、
第1基部(135)と第2基部(125)から外方向に延びており、第1面(113)と第2面(115)を有する係合部(137)であって、係合部(137)の第1面(113)は、係合部(137)の第2面(115)から離れて当該第2面(115)に対して反対側にあり、係合部(137)の第1面(113)は、第1形状を有しており、係合部(137)の第2面(115)は、第2形状を有しており、係合部(137)の前方側終端部(153)近傍にある第2面(115)の一部は、当該終端部(153)近傍の第1面(113)の一部の幅寸法W2よりも大きい幅寸法W1を有しており、当該幅寸法W1,W2の夫々は、係合部(137)の第1面(113)と第2面(115)に対して実質的に平行である係合部(137)と、
係合部(137)の前方側終端部(153)に配されており、係合部(137)の第1面(113)と第2面(115)との間に延びている前面(121)とからなる噛合エレメント(105)であって、
第1基部(135)と第2基部(125)は、その間にストリンガーテープ(101,103)の縦縁部(107)を収容するためのチャネル(151)を形成しており、
第1群の噛合エレメント(105)は、第1ストリンガーテープ(101)に配されており、第2群の噛合エレメント(105)は、第2ストリンガーテープ(103)に配されており、
第2群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の係合部(137)のそれぞれの第1面(113)によって、第1ギャップ(155)が形成されており、
第2群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の係合部(137)のそれぞれの第2面(115)によって、第2ギャップ(157)が形成されており、
第1群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の係合部(137)のそれぞれの第1面(113)によって、第3ギャップ(159)が形成されており、
第1群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の係合部(137)のそれぞれの第2面(115)によって、第4ギャップ(161)が形成されており、
第1群の噛合エレメント(105)は、第2群の噛合エレメント(105)と分離自在に噛合した時に、第1群の第1噛合エレメント(105a)の係合部(137)の第1面(113)は、少なくともその一部が第1ギャップ内部に配され、第1噛合エレメント(105a)の係合部(137)の第2面(115)は、少なくともその一部が第2ギャップ内部に配され、第2群の第2噛合エレメント(105b)の係合部(137)の第1面(113)は、少なくともその一部が第3ギャップ内部に配され、当該第2噛合エレメント(105b)の係合部(137)の第2面(115)は、少なくともその一部が第4ギャップ内部に配されており、第1噛合エレメント(105a)の前面(121)は、第2ストリンガーテープ(103)の縦縁部(107)と対向し接するように配されており、第2噛合エレメント(105b)の前面(121)は、第1ストリンガーテープ(101)の縦縁部(107)と対向し接するように配されていることを特徴とする前記噛合エレメント(105)。
【請求項2】
当該チャネル(151)は、第1チャネルであり、前面(121)は、第2チャネル(123)を形成しており、第1群の噛合エレメント(105)が第2群の噛合エレメント(105)と分離自在に連結された時に、第1噛合エレメント(105a)の第2チャネル(123)は、第2群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の間において第2支持テープの縦縁部(107)の一部117を収容し、第2エレメントの第2チャネル(123)は、第1群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の間に第1ストリンガーテープ(101)の縦縁部(107)の一部117を収容することを特徴とする請求項1に記載された噛合エレメント(105)。
【請求項3】
第1形状の幅は、基部(135,125)から前面(121)に向けて減少しており、第2形状は、首部(127)と頭部(129)とからなり、頭部(129)は、係合部(137)の終端部(153)近傍にあり、そして、首部(127)は、基部(125,135)と頭部(129)との間に配されており、首部(127)の幅は、頭部(129)の幅よりも小さく、第1群の噛合エレメント(105)が、第2群の噛合エレメント(105)と分離自在に噛合した時に、第1噛合エレメント(105a)の頭部(129)は、第2群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の首部(127)の間に配され、第2噛合エレメント(105b)の頭部(129)は、第1群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の首部(127)の間に配されていることを特徴とする請求項1に記載された噛合エレメント(105)。
【請求項4】
第1形状は、実質的に三角形であることを特徴とする請求項3に記載された噛合エレメント(105)。
【請求項5】
第1形状は、実質的に台形であることを特徴とする請求項3に記載された噛合エレメント(105)。
【請求項6】
噛合エレメント(105)は、プラスチック材料から成型されていることを特徴とする請求項1に記載された噛合エレメント(105)。
【請求項7】
係合部(137)は、シーリング部(139)とファスニング部(145)とからなり、シーリング部(139)とファスニング部(145)は、境界面(141)において、互いに当接しており、シーリング部(139)は、第1面(113)から境界面(141)まで延びており、当該ファスニング部(145)は、第2面(115)から境界面(141)まで延びていることを特徴とする請求項1に記載された噛合エレメント(105)。
【請求項8】
境界面(141)は、第1面(113)と第2面(115)に対して実質的に平行な面にあることを特徴とする請求項7に記載された噛合エレメント(105)。
【請求項9】
シーリング部(139)は、第1係合面(144a)と第2係合面(144b)を有し、ファスニング部(145)は、第1ファスニング面(147a)と第2ファスニング面(147b)とを有することを特徴とする請求項7に記載された噛合エレメント(105)。
【請求項10】
噛合エレメント(105)は、第1群にある第3噛合エレメントと、第2群にある第4噛合エレメントとを更に含み、第3噛合エレメントは、第1ストリンガーテープ(101)の第1噛合エレメント(105a)近傍に配されており、第4噛合エレメントは、第2ストリンガーテープ(101)の第2噛合エレメント(105b)近傍に配されており、
第2噛合エレメント(105b)の第1係合面(144a)と第4噛合エレメントの第2係合面(144b)とによって第1ギャップが更に形成されており、
第2噛合エレメント(105b)の第1ファスニング面(147a)と第4噛合エレメントの第2ファスニング面(147b)によって第2ギャップが更に形成されており、
第2噛合エレメント(105b)の第1噛合エレメント(105a)の第2係合面(144b)によって第3噛合エレメントの第1係合面(144a)によって第3ギャップが更に形成されており、
第1噛合エレメント(105a)の第2ファスニング面(147b)と第3噛合エレメントの第1ファスニング面(147a)とによって第4ギャップが更に形成されていることを特徴とする請求項9に記載された噛合エレメント(105)。
【請求項11】
夫々縦縁部(107)と、第1面(109)と、当該第1面の反対側にある第2面(111)とを有する第1ストリンガーテープ(101)と第2ストリンガーテープ(103)と、
当該第1ストリンガーテープ(101)近傍に配された第1群の噛合エレメント(105)と第2ストリンガー近傍に配された第2群の噛合エレメント(105)とからなるスライドファスナー(100)であって、
夫々の第1群噛合エレメント(105)は、第1ストリンガーテープ(101)の第1面(109)側に配された第1基部(135)と第1ストリンガーテープ(101)の第2面(111)側に配された第2基部(125)と、第1及び第2基部(135,125)から外方向に延びている係合部(137)であって、当該係合部(137)は、第1面(113)と第2面(115)とを含み、係合部(137)の第1面(113)は、係合部(137)の第2面(115)から離れてその反対側にあり、係合部(137)の第1面(113)は第1形状を有しており、係合部(137)の第2面(115)は第2形状を有しており、係合部(137)の前方側終端部(153)の近傍の第2形状の一部は当該終端部(153)の近傍の第1形状の一部の幅寸法W2よりも大きい幅寸法W1を有しており、幅寸法W1、W2の夫々は、係合部(137)の第1面(113)と第2面(115)に対して実質的に平行である幅面において測定される係合部(137)と、当該係合部(137)の前方側終端部(153)に配され、その第1面(113)と第2面(115)の間に延びている前面(121)とを有しており、
第1基部(135)と第2基部(125)は、その間に第1ストリンガーテープ(101)の縦縁部(107)を収容するためのチャネル(151)を形成しており、
夫々の第2群噛合エレメント(105)は、第2ストリンガーテープ(101)の第1面(109)側に配された第1基部(135)と第2ストリンガーテープ(101)の第2面(111)側に配された第2基部(125)と、第1及び第2基部(135,125)から外方向に延びている係合部(137)であって、当該係合部(137)は、第1面(113)と第2面(115)を含み、係合部(137)の第1面(113)は、係合部(137)の第2面(115)から離れて当該第2面(115)の反対側にあり、係合部(137)の第1面(113)は第1形状を有し、係合部(137)の第2面(115)は第2形状を有し、係合部(137)の終端部(153)近傍の第2形状の一部は当該終端部(153)近傍の第1形状の一部の幅寸法W2よりも大きい幅寸法W1を有しており、幅寸法W1,W2の夫々は係合部(137)の第1面(113)と第2面(115)に対して実質的に平行である幅面において測定される係合部(137)と、当該係合部(137)の終端部(153)に配され、その第1面(113)と第2面(115)との間に延びている前面(121)とを有し、
第1基部(135)と第2基部(125)は、その間に、第2ストリンガーテープ(101)の縦縁部(107)を収容するためのチャネル(123)を形成しており、
第2群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の係合部(137)のそれぞれの第1面(113)によって第1ギャップが形成され、
第2群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の係合部(137)のそれぞれの第2面(115)によって第2ギャップが形成され、
第1群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の係合部(137)のそれぞれの第1面(113)によって第3ギャップが形成され、
第1群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の係合部(137)のそれぞれの第2面(115)によって第4ギャップが形成されており、
第1群の噛合エレメント(105)が第2群の噛合エレメント(105)と分離自在に噛合した時に、第1群の第1噛合エレメント(105a)の係合部(137)の第1面(113)は、少なくともその一部が第1ギャップ内部に配されており、第1噛合エレメント(105a)の係合部(137)の第2面(115)は、少なくともその一部が当該第2ギャップ内部に配されており、第2群の第2噛合エレメント(105b)の係合部(137)の第1面(113)は、少なくともその一部が第3ギャップ内部に配されており、第2噛合エレメント(105b)の係合部(137)の第2面(115)は、少なくともその一部が当該第4ギャップ内部に配されており、第1噛合エレメント(105a)の前面(121)は、第2ストリンガーテープ(101)の縦縁部(107)と対向し接しており、そして、第2噛合エレメント(105b)の前面(121)は、第1ストリンガーテープ(101)の縦縁部(107)と対向し接していることを特徴とする前記スライドファスナー(100)。
【請求項12】
第1及び第2ストリンガーテープ(101,103)の第1面(109)は、耐水性材料でラミネートされていることを特徴とする請求項11に記載されたスライドファスナー(100)。
【請求項13】
当該チャネルは第1チャネル(151)であり、前面(121)は第2チャネル(123)を形成しており、第1群の噛合エレメント(105)が、第2群の噛合エレメント(105)と分離自在に噛合した時に、第1噛合エレメント(105a)の第2チャネル(123)は、第2群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の間にある第2ストリンガーテープ(101)の縦縁部(107)の一部117を収容し、そして、第2噛合エレメント(105b)の第2チャネル(123)は、第1群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の間にある第1ストリンガーテープ(101)の縦縁部(107)の一部117を収容することを特徴とする請求項11に記載されたスライドファスナー(100)。
【請求項14】
第1形状の幅は、基部から前面(121)に向けて減少しており、
第2形状は、首部(127)と頭部(129)とを含み、頭部(129)は、係合部(137)の終端部(153)近傍にあり、首部(127)は、基部と頭部(129)との間に配されており、首部(127)の幅は、頭部(129)の幅よりも小さくなっており、
第1群の噛合エレメント(105)が第2群の噛合エレメント(105)と分離自在に噛合した時に、第1噛合エレメント(105a)の頭部(129)は第2群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の首部(127)の間に配され、第2噛合エレメント(105)の頭部(129)は、第1群の二つの隣接する噛合エレメント(105)の首部(127)の間に配されていることを特徴とする請求項11に記載されたスライドファスナー(100)。
【請求項15】
第1形状は実質的に三角形であることを特徴とする請求項14に記載されたスライドファスナー(100)。
【請求項16】
第1形状は実質的に台形であることを特徴とする請求項14に記載されたスライドファスナー(100)。
【請求項17】
噛合エレメント(105)は、プラスチック材料から成型されることを特徴とする請求項11に記載されたスライドファスナー(100)。
【請求項18】
第1及び第2ストリンガーテープ101,103の夫々の縦縁部(107)は、第1縦縁部(107)であり、第1及び第2ストリンガーの夫々は、更に、当該第1縦縁部(107)の反対側にある第2縦縁部(107)を含み、第2縦縁部(107)は、物品に取り付けられるような構成になっているので、第1及び第2ストリンガーテープ101,103の第1面(109)は、物品の外面近傍に配されており、第1及び第2ストリンガーテープ101,103の第2面(111)は、物品の内面近傍に配されていることを特徴とする請求項11に記載されたスライドファスナー(100)。
【請求項19】
噛合エレメント(105)の係合部(137)は、シーリング部(139)とファスニング部(145)とからなり、シーリング部(139)とファスニング部(145)は、境界面(141)において、互いに当接しており、シーリング部(139)は、第1面(113)から境界面(141)まで延びており、当該ファスニング部(145)は、第2面(115)から境界面(141)まで延びていることを特徴とする請求項11に記載されたスライドファスナー(100)。
【請求項20】
境界面(141)は、第1面(113)と第2面(115)に対して実質的に平行である面にあることを特徴とする請求項19に記載されたスライドファスナー(100)。
【請求項21】
シーリング部(139)は、第1係合面(144a)と第2係合面(144b)とからなり、ファスニング部(145)は、第1ファスニング面(147a)と第2ファスニング面(147b)とからなることを特徴とする請求項19に記載されたスライドファスナー(100)。
【請求項22】
噛合エレメント(105)は、第1群にある第3噛合エレメントと第2群にある第4噛合エレメントとを更に含み、第3噛合エレメントは、第1ストリンガーテープ(101)の第1噛合エレメント(105a)近傍に配されており、第4噛合エレメントは、第2ストリンガーテープ(103)の第2噛合エレメント(105b)近傍に配されており、第2噛合エレメント(105b)の第1係合面(144a)と第4噛合エレメントの第2係合面(144b)とによって第1ギャップが更に形成されており、第2噛合エレメント(105b)の第1ファスニング面(147a)と第4噛合エレメントの第2ファスニング面(147b)とによって第2ギャップが更に形成されており、第1噛合エレメントの第2係合面(144b)と第3噛合エレメントの第1係合面(144a)とによって第3ギャップが更に形成されており、第1噛合エレメントの第2ファスニング面(147b)と第3噛合エレメントの第1ファスニング面(147a)とによって第4ギャップが更に形成されていることを特徴とする請求項21に記載されたスライドファスナー(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−12246(P2010−12246A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135528(P2009−135528)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000006828)YKK株式会社 (263)
【Fターム(参考)】