スラッジ自動排出バルブ
【課題】常時スプリングにより、もち上げられている可動弁は開放状態にあるが、流量の推移による流体圧の増加により、可動弁に加わる圧力がスプリングの引張力より大きくなったときに閉じるスラッジ自動排出バルブの提供。
【解決手段】バルブ本体1内に、スプリング5によるもち上げ式可動弁4を設置する。可動弁4は常時スプリング5によってもち上げられた状態にあり、流体の通過は可能である。ポンプ起動により、流体が配管内を流れ始めスラッジ自動排出バルブに到達した場合、一定時間流体は通過する、と同時にスラッジも排出する。流体量の増加すなわち可動弁4に加わる流体圧の増加により、可動弁4は閉じられる。ポンプ停止した場合流体圧の減少により、可動弁4はスプリング5によってもち上げられ初期の状態となる。
【解決手段】バルブ本体1内に、スプリング5によるもち上げ式可動弁4を設置する。可動弁4は常時スプリング5によってもち上げられた状態にあり、流体の通過は可能である。ポンプ起動により、流体が配管内を流れ始めスラッジ自動排出バルブに到達した場合、一定時間流体は通過する、と同時にスラッジも排出する。流体量の増加すなわち可動弁4に加わる流体圧の増加により、可動弁4は閉じられる。ポンプ停止した場合流体圧の減少により、可動弁4はスプリング5によってもち上げられ初期の状態となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配管内のスラッジを自動的に排出するバルブである。
【背景技術】
【0002】
主たる用途としては、融雪設備として雪国に設置されている消雪パイプ施設である。
【0003】
従来の配管は末端部にゲートバルブ等を設置していた。
【0004】
配管内にスラッジが蓄積することにより、管口径が挟まれ流体通過機能が著しく損なわれる。
消雪パイプ施設の場合、冬期間使用時は常時ゲートバルブを閉めておく為、スラッジ蓄積が送水側に累積することにより、散水ノズル穴を閉塞し融雪機能を低下させる。
【0005】
従来は配管内にスラッジ蓄積という現象を認知してから、あるいは消雪パイプ設備の場合、散水ノズルから水がでないという不具合が発生してから、ゲートバルブ等を開放し、手作業又は機械作業等で除去していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に述べたよう従来の方法では、スラッジ蓄積による様々の弊害を取り除く為に資材、労力、加えて時間を費やしていた。
【0007】
保守点検作業を怠った場合、管自体が閉塞し、交換あるいは修繕せざるを得ないということになる。
設備を停止して作業をする為、消雪施設の場合生活道路が確保できない等、様々な問題が発生する。
【0008】
本発明は以上の問題点を解決しようとするものであり、配管内にスラッジが滞留せぬよう施設の一稼動毎に、自動的にスラッジを排出しようとすることが目的のバルブである。
【課題を解決する為の手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成する為にバルブ本体内部にスプリングによる、もち上げ式可動弁を設置する。
【0010】
流体量の推移に伴い、可動弁に加わる流体圧も増減する。
常時スプリングにより、もち上げられている可動弁は開放状態にあるが、流量の推移による流体圧の増加により、可動弁に加わる圧力がスプリングの引張力より大きくなったとき、可動弁は閉じる。
可動弁が開放状態から閉の状態に移行する時間帯域を利用して流体と共にスラッジを排出する。
【0011】
バルブ本体にスラッジが滞留せぬようバルブ本体底部をフラット状にし、尚かつ可動弁動作限界位置受部の下部にスリットを設ける。
【発明の効果】
【0012】
上述したように、本発明のスラッジ自動排出バルブは、自動的にスラッジが排出されることにより、配管内スラッジ蓄積に伴う様々な弊害が解決される。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0013】
以下本発明の実施の形態を図1〜図14及び図表に基づいて説明する。
【0014】
図1は、図2のA−A断面図であり、バルブ本体1より上蓋8を取外した状態図である。
【0015】
図2は、バルブ本体1に上蓋8及び円形可動弁、ヒンジ支持用ボルト付ピン3(以下ピンと呼ぶ)をセットした状態の平面図である。
【0016】
図3は、バルブ本体1に上蓋8及びピン3をセットした状態の立面図である。
【0017】
図4は、バルブ本体1に上蓋8及びピン3をセットした状態の左側面図である。
バルブ本体1内部の円形可動弁4(以下弁と呼ぶ)をセットしていない図であり、バルブ本体1と一体構造の円形可動弁動作限界位置受部7(以下弁ストッパーと呼ぶ)の下部にスリットを設ける。
【0018】
図5は、バルブ本体1より上蓋8及びピン3をセットした状態の右側面図である。
【0019】
図6は、バルブ本体1より上蓋8を取外しピン3をセットした状態の平面図である。
バルブ本体1と一体構造のピン3固定用突起部9に設けた雌ネジによりピン3は固定される。
ボルト固定用突起部9は、ピン3の固定が容易になるようボルトに接する面をフラット状にする。
【0020】
図7は、バルブ本体1より上蓋8及びピン3を取外した状態の平面図である。
ピン3は、セット時にヒンジ2と弁4の穴の通過を容易にする為、先端部に角度をもたせる。
バルブ本体1との固定を強固にする為、雄ネジ六角ボルト構造とする。
【0021】
図8は、図3のB−B断面でありバルブ本体1より上蓋8及びピン3を取外し、弁4を取付けた状態図である。
【0022】
図9は、図13のC−C右側面図である。
スラッジ排出動作の時スラッジが滞留せぬよう下部にスリットを設ける。
【0023】
図10は、弁4の立面図である。
【0024】
図11は、弁4の右側面図である。
【0025】
図12は、弁4の左側面図である。
【0026】
図1の詳細について下記に述べる。
【0027】
図1は、バルブ本体より上蓋8を取外した状態図であり、バルブ本体との脱着はネジ構造とする。
【0028】
図1において右側が送水方向、左側がスラッジ排出方向である。
【0029】
バルブ本体1の底部は、スラッジが滞留せぬようフラット状とし、尚かつバルブ本体1と一体構造化した弁ストッパー7の下部にスリットを設ける。
【0030】
バルブ本体1と他の管との接続については、本体をネジ接続雄タイプ、雌タイプ、又は接着接合雄タイプ、雌タイプ、あるいは、ゴム輪接合受口タイプ、ストレートタイプと選定できる。
【0031】
弁4は、バルブ本体1と一体構造のヒンジ2及び外部より差し込むピン3により支持されている。
【0032】
弁4に設けたスプリング取付突起部6及びバルブ本体1に設けたスプリング取付突起部6との間にスプリング5を取付ける。
【0033】
図13、図14は図2のA−A断面図であり弁4の開閉状態を表す図である。
【0034】
図13は、弁4がスプリング5の引張力により上方にもち上げられ流体は右側より左方向へ通過できる状態図である。
【0035】
図14は、配管内流量の推移による流体圧の増加により、弁4に加わる圧力がスプリングの引張力により大きくなった時、弁4が移動し始め、最終的には閉じた状態となり流体は通過できない状態図である。
【0036】
図表は、弁4の開閉及びそれに伴うスラッジ排出の工程を横軸に時間、縦軸に管内流量等を表示した図である。
【0037】
図表において、弁4の動作について述べる。
バルブ本体1内に設置された弁4は、スプリング5の引張力≧弁4に加わる流体圧、の状態では、スプリング5により上方にもち上げられ流体は通過できる。
流量が増加し、スプリング5の引張力<弁4に加わる流体圧、の状態になった時弁4は移動し始め、最終的には閉じた状態となり、流体は通過できない。
弁4が開放状態から、閉の状態へ移動する時間帯域を利用して流体とともにスラッジを排出する。
ポンプを停止すると流体圧の減少により弁4はスプリング5によって持ち上げられ初期の状態になる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図2におけるA−A断面図
【図2】上蓋を取付けた状態の平面図
【図3】上蓋を取付けた状態の立面図
【図4】上蓋を取付けた状態の左側面図
【図5】上蓋を取付けた状態の右側面図
【図6】上蓋を取外した状態の平面図
【図7】ピンを取外した状態の平面図
【図8】図3におけるB−B断面図
【図9】図13におけるC−C右側面図
【図10】円形可動弁の立面図
【図11】図10における右側面図
【図12】図10における左側面図
【図13】図2におけるA−A断面図、円形可動弁開の状態
【図14】図2におけるA−A断面図、円形可動弁閉の状態
【符号の説明】
【0039】
1 バルブ本体
2 ヒンジ
3 円形可動弁、ヒンジ支持用ボルト付ピン
4 円形可動弁
5 スプリング
6 スプリング取付用突起部
7 円形可動弁動作限界位置受部
8 上蓋
9 ピン固定用突起部
【技術分野】
【0001】
本発明は配管内のスラッジを自動的に排出するバルブである。
【背景技術】
【0002】
主たる用途としては、融雪設備として雪国に設置されている消雪パイプ施設である。
【0003】
従来の配管は末端部にゲートバルブ等を設置していた。
【0004】
配管内にスラッジが蓄積することにより、管口径が挟まれ流体通過機能が著しく損なわれる。
消雪パイプ施設の場合、冬期間使用時は常時ゲートバルブを閉めておく為、スラッジ蓄積が送水側に累積することにより、散水ノズル穴を閉塞し融雪機能を低下させる。
【0005】
従来は配管内にスラッジ蓄積という現象を認知してから、あるいは消雪パイプ設備の場合、散水ノズルから水がでないという不具合が発生してから、ゲートバルブ等を開放し、手作業又は機械作業等で除去していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に述べたよう従来の方法では、スラッジ蓄積による様々の弊害を取り除く為に資材、労力、加えて時間を費やしていた。
【0007】
保守点検作業を怠った場合、管自体が閉塞し、交換あるいは修繕せざるを得ないということになる。
設備を停止して作業をする為、消雪施設の場合生活道路が確保できない等、様々な問題が発生する。
【0008】
本発明は以上の問題点を解決しようとするものであり、配管内にスラッジが滞留せぬよう施設の一稼動毎に、自動的にスラッジを排出しようとすることが目的のバルブである。
【課題を解決する為の手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成する為にバルブ本体内部にスプリングによる、もち上げ式可動弁を設置する。
【0010】
流体量の推移に伴い、可動弁に加わる流体圧も増減する。
常時スプリングにより、もち上げられている可動弁は開放状態にあるが、流量の推移による流体圧の増加により、可動弁に加わる圧力がスプリングの引張力より大きくなったとき、可動弁は閉じる。
可動弁が開放状態から閉の状態に移行する時間帯域を利用して流体と共にスラッジを排出する。
【0011】
バルブ本体にスラッジが滞留せぬようバルブ本体底部をフラット状にし、尚かつ可動弁動作限界位置受部の下部にスリットを設ける。
【発明の効果】
【0012】
上述したように、本発明のスラッジ自動排出バルブは、自動的にスラッジが排出されることにより、配管内スラッジ蓄積に伴う様々な弊害が解決される。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0013】
以下本発明の実施の形態を図1〜図14及び図表に基づいて説明する。
【0014】
図1は、図2のA−A断面図であり、バルブ本体1より上蓋8を取外した状態図である。
【0015】
図2は、バルブ本体1に上蓋8及び円形可動弁、ヒンジ支持用ボルト付ピン3(以下ピンと呼ぶ)をセットした状態の平面図である。
【0016】
図3は、バルブ本体1に上蓋8及びピン3をセットした状態の立面図である。
【0017】
図4は、バルブ本体1に上蓋8及びピン3をセットした状態の左側面図である。
バルブ本体1内部の円形可動弁4(以下弁と呼ぶ)をセットしていない図であり、バルブ本体1と一体構造の円形可動弁動作限界位置受部7(以下弁ストッパーと呼ぶ)の下部にスリットを設ける。
【0018】
図5は、バルブ本体1より上蓋8及びピン3をセットした状態の右側面図である。
【0019】
図6は、バルブ本体1より上蓋8を取外しピン3をセットした状態の平面図である。
バルブ本体1と一体構造のピン3固定用突起部9に設けた雌ネジによりピン3は固定される。
ボルト固定用突起部9は、ピン3の固定が容易になるようボルトに接する面をフラット状にする。
【0020】
図7は、バルブ本体1より上蓋8及びピン3を取外した状態の平面図である。
ピン3は、セット時にヒンジ2と弁4の穴の通過を容易にする為、先端部に角度をもたせる。
バルブ本体1との固定を強固にする為、雄ネジ六角ボルト構造とする。
【0021】
図8は、図3のB−B断面でありバルブ本体1より上蓋8及びピン3を取外し、弁4を取付けた状態図である。
【0022】
図9は、図13のC−C右側面図である。
スラッジ排出動作の時スラッジが滞留せぬよう下部にスリットを設ける。
【0023】
図10は、弁4の立面図である。
【0024】
図11は、弁4の右側面図である。
【0025】
図12は、弁4の左側面図である。
【0026】
図1の詳細について下記に述べる。
【0027】
図1は、バルブ本体より上蓋8を取外した状態図であり、バルブ本体との脱着はネジ構造とする。
【0028】
図1において右側が送水方向、左側がスラッジ排出方向である。
【0029】
バルブ本体1の底部は、スラッジが滞留せぬようフラット状とし、尚かつバルブ本体1と一体構造化した弁ストッパー7の下部にスリットを設ける。
【0030】
バルブ本体1と他の管との接続については、本体をネジ接続雄タイプ、雌タイプ、又は接着接合雄タイプ、雌タイプ、あるいは、ゴム輪接合受口タイプ、ストレートタイプと選定できる。
【0031】
弁4は、バルブ本体1と一体構造のヒンジ2及び外部より差し込むピン3により支持されている。
【0032】
弁4に設けたスプリング取付突起部6及びバルブ本体1に設けたスプリング取付突起部6との間にスプリング5を取付ける。
【0033】
図13、図14は図2のA−A断面図であり弁4の開閉状態を表す図である。
【0034】
図13は、弁4がスプリング5の引張力により上方にもち上げられ流体は右側より左方向へ通過できる状態図である。
【0035】
図14は、配管内流量の推移による流体圧の増加により、弁4に加わる圧力がスプリングの引張力により大きくなった時、弁4が移動し始め、最終的には閉じた状態となり流体は通過できない状態図である。
【0036】
図表は、弁4の開閉及びそれに伴うスラッジ排出の工程を横軸に時間、縦軸に管内流量等を表示した図である。
【0037】
図表において、弁4の動作について述べる。
バルブ本体1内に設置された弁4は、スプリング5の引張力≧弁4に加わる流体圧、の状態では、スプリング5により上方にもち上げられ流体は通過できる。
流量が増加し、スプリング5の引張力<弁4に加わる流体圧、の状態になった時弁4は移動し始め、最終的には閉じた状態となり、流体は通過できない。
弁4が開放状態から、閉の状態へ移動する時間帯域を利用して流体とともにスラッジを排出する。
ポンプを停止すると流体圧の減少により弁4はスプリング5によって持ち上げられ初期の状態になる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図2におけるA−A断面図
【図2】上蓋を取付けた状態の平面図
【図3】上蓋を取付けた状態の立面図
【図4】上蓋を取付けた状態の左側面図
【図5】上蓋を取付けた状態の右側面図
【図6】上蓋を取外した状態の平面図
【図7】ピンを取外した状態の平面図
【図8】図3におけるB−B断面図
【図9】図13におけるC−C右側面図
【図10】円形可動弁の立面図
【図11】図10における右側面図
【図12】図10における左側面図
【図13】図2におけるA−A断面図、円形可動弁開の状態
【図14】図2におけるA−A断面図、円形可動弁閉の状態
【符号の説明】
【0039】
1 バルブ本体
2 ヒンジ
3 円形可動弁、ヒンジ支持用ボルト付ピン
4 円形可動弁
5 スプリング
6 スプリング取付用突起部
7 円形可動弁動作限界位置受部
8 上蓋
9 ピン固定用突起部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ本体内にスプリングによる跳ね上げ式可動弁を設置し、バルブ内を通過する流体量の推移に伴う流体圧に反応して、弁そのものを開閉するバルブ
【請求項2】
可動弁が開の状態から閉の状態に移行する、時間帯域を利用し流体とともにスラッジを排出する請求項1記載のバルブ。
【請求項3】
本体内にスラッジが滞留せぬよう本体内部底面をフラット状とし、加えて升受け部にスリットを設ける請求項1記載のバルブ
【請求項1】
バルブ本体内にスプリングによる跳ね上げ式可動弁を設置し、バルブ内を通過する流体量の推移に伴う流体圧に反応して、弁そのものを開閉するバルブ
【請求項2】
可動弁が開の状態から閉の状態に移行する、時間帯域を利用し流体とともにスラッジを排出する請求項1記載のバルブ。
【請求項3】
本体内にスラッジが滞留せぬよう本体内部底面をフラット状とし、加えて升受け部にスリットを設ける請求項1記載のバルブ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−292156(P2006−292156A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135392(P2005−135392)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(303057550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(303057550)
【Fターム(参考)】
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