説明

スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーを製造する方法

【課題】スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーを製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明はスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーを製造する方法に関する。本発明は、スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー、燃料電池用の膜、燃料電池および燃料電池を製造する方法に更に関連する。本発明による方法は以下の工程を含む。
−ポリ燐酸中でヒドラジンスルフェート塩と1種以上のジカルボン酸またはジカルボン酸誘導体を混合することにより溶液を製造する工程、
−前記溶液を不活性ガス雰囲気下で加熱する工程、
−塩基性溶液中に前記ポリマーを沈殿させる工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー(poly(1,3,4-oxadiazol)-polymer)を製造する方法に関する。本発明は、スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー、燃料電池用の膜、燃料電池および燃料電池を製造する方法に更に関連する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は陽子伝導膜を必要とする。こうした膜は、例えば、ポリマー電解質膜(PEM)である。パーフルオロカーボンポリマー電解質膜をベースとする公知のPEMは、デュポン(特許文献1)によって開発された「ナフィオン(Nafion)」膜である。
【0003】
PEM燃料電池の2つのタイプ、すなわち、約90℃までで運転される低温電池および約180℃までで運転される高温電池が開発されつつある。
【0004】
「ナフィオン(Nafion)」膜は、80℃を上回る温度で使用できないように十分な耐熱性をもたない(特許文献2も参照すること)。低温燃料電池は一酸化炭素に敏感に反応する。このガスはアノード触媒を遮断することが可能であり、それはパワーの損失につながる。膜の加湿は陽子が伝導できるように必須である。更に、合成または処分中の環境影響は大きい。大量のフッ素を用いるからである。
【0005】
近年、高い耐熱性および高い耐薬品性を有するのみでなく、電導性も有する高度に機能性のポリマー材料に関する研究が行われてきた。電導性を有する材料を製造する1つの方法として、イオン交換可能な官能基(例えば、スルホ基)をポリマーに導入するために実験が行われた。かくして、特許文献3は、主鎖の芳香族環に直接結合されたスルホ基を有するポリアリーレンエーテルスルホンを開示している。(特許文献4)は、主鎖の芳香族環に直接結合されたスルホアルキル基を有するポリベンズイミダゾールを更に開示している。SPEEK(スルホン化ポリ(エーテルエーテルケトン))、SPEES(スルホン化ポリ(エーテルエーテルスルホン))、SPI(スルホン化ポリイミド)、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルスルホンなどは更なる例である。
【0006】
ポリオキサジアゾールは、高い化学安定性および熱安定性に加えて高いガラス転移温度を有する。高い電導性を必要とする燃料電池、限外濾過、電気透析用の膜における用途のために、スルホ基などのイオン交換可能な官能基をこれらのポリマーに導入することが可能である。
【0007】
イワカワ(Iwakawa)ら非特許文献1は、ヒドラジンスルフェートとジカルボン酸の反応に基づくポリオキサジアゾールを製造する方法を最初に開示した。この発表後、作られたポリオキサジアゾールの特性と合成パラメータとの間の相関は長期間にわたって不明確なままであった。現在に至るまで、ポリ燐酸中での高い分子量を有するポリオキサジアゾールの合成に関する多くの態様は徹底的に研究されておらず、理解もされていない。
【0008】
ゴメス(Gomes)ら非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4は、ポリマーの主鎖に接続されているジフェニルエーテル基を有するポリオキサジアゾールの最終特性に及ぼす様々な合成パラメータの影響に関する系統的な研究を行った。この研究は、統計的実験計画の助けで、ポリマーの特性、例えば分子量および残りのヒドラジト基の最適化を行った。
【0009】
特許文献5には、高い効率でポリオキサジアゾールを製造する方法であって、縮合手段として五酸化燐とメタンスルホン酸を用いてジカルボン酸およびヒドラジンスルフェートを縮合させることを特徴とする方法が開示されている。
【0010】
(特許文献6)には、分子量60,000〜450,000Daのポリ(1,3,4−オキサジアゾール)を製造する方法が開示されている。ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)を高度に熱安定性で、化学安定性で、機械的に安定な材料の開発において用いることが可能である。この方法は、3〜7時間の持続期間にわたって溶媒中で行われ、トリフェニルホスフィットの存在下で行われる190℃〜220℃の温度でのジカルボン酸とヒドラジン誘導体またはジカルボン酸ジヒドラジドの重縮合反応を含む。
【0011】
ゴメス(Gomes)ら(非特許文献3、上参照)は、高い分子量、有機溶媒中の高い溶解度および低い残留ヒドラジド基を有する再生産性ポリオキサジアゾールサンプルをトリフェニルホスフィットの添加なしで調製できる実験要件を最適化した。しかし、140℃を超える温度でのヒドラジンスルフェートによるポリオキサジアゾールのスルホン化を調べなかった。それは文献においても完全に見落とされていた。
【0012】
ハンセマ(Hansema)ら非特許文献5、非特許文献6は、元素分析を通して0.9重量%までの硫黄を検出した。しかし、残りの硫黄が遊離HSOとして存在し、ポリマーに結合されていなかったと仮定した。実験値と理論値の間の元素分析の相違をおそらく燐酸の形態を取った残留不純物として解釈した。
【0013】
ゴメス(Gomes)ら(公表される予定の非特許文献7)は、ポリ燐酸中のヒドラジンスルフェートを用いてポリオキサジアゾールの合成中にポリオキサジアゾールのスルホン化を実験的に証明した。ポリマーの構造は、元素分析、H−NMRおよびFTIRを通して定性的且つ定量的に特性分析した。高い分子量(358,000g/モル)を有するポリマーを酸化に対する高い安定性を伴って製造した。ポリマーは、高い貯蔵弾性率(100℃で約4GPa)を有する機械的に安定な膜の製造を可能にする。非特許文献3によって記載され最適化された合成条件を用いてスルホン化ポリマーを製造したけれども、17〜18の低いスルホン化率を4.1重量%の硫黄で0.065の硫黄対炭素(S/C)のモル比で測定した。
【0014】
レーダー(Roeder)ら非特許文献8は、赤外線分光分析法およびインピーダンス分光分析法の助けで、スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)膜の特性に及ぼすスルホン酸プロトン化の影響を調べた。非特許文献3の公表に基づいて、ヒドラジンスルフェート塩および芳香族ジカルボン酸をポリ燐酸中で3時間にわたり用いた。ここで、合成条件の最適化をスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)の合成のために行った。15〜17の低いスルホン化レベルを0.0573〜0.0637の硫黄対炭素(S/C)のモル比で決定した。
【0015】
優れた化学安定性および陽子伝導度のゆえに、「ナフィオン(Nafion)」膜などの過フッ素化ポリマー電解質膜は燃料電池のためのポリマー電解質(PEFC)として実際に大いに用いられてきた。これらの膜の欠点は、高いコストおよび100℃より高い温度および低い湿度の場合の陽子伝導度の減少である。従って、より低いコストで安定であり、高い温度および低い湿度でさえ陽子伝導度を保持することもできる複数の新規ポリマー電解質材料が近年開発された。
【0016】
最新技術による電気化学電池の中で用いられる過フッ素化ポリマーに競争できるために、スルホン化ポリマーは、スルホン化レベルの増加を通して達成され得る高いイオン伝導度値を達成しなければならない。
【0017】
イオン伝導度の増加に加えて、ポリマーのスルホン化は、他の特性、例えば、湿潤性、汚れ防止特性およびポリマーの使用のための溶液中の溶解度も改善することが可能であり、より高い気体透過性および陽子伝導度につながる。
【0018】
ポリマーのスルホン化のために、スルホン化モノマーを合成中に用いることが可能であるか、または代案として硫酸、三酸化硫黄、トリメチルシリルクロロスルホネート、クロロスルホン酸またはこられの試薬の混合物などのスルホン化手段とポリマーを様々な条件下で組み合わせる。スルホン化条件の選択は、様々な要素、例えば、ポリマーおよびスルホン化手段の反応性、スルホン化時間、スルホン化ポリマーの均質性、分解、架橋および溶解度のためにねらいを定めた官能価レベルに応じて異なる。
【0019】
特許文献7には、ポリ燐酸中での(ヘテロ)芳香族モノマー(テトラアミノ化合物およびポリカルボン酸またはジアミノカルボン酸、それらの少なくとも数種はスルホン酸基を有する)の混合物を加熱することにより得られたポリアゾールに基づく陽子伝導性ポリマー膜が開示されており、自立膜の後の生産が記載されている。
【0020】
特許文献8には、陽子交換膜材料、スルホン化ポリ(フタラジノン)の新規クラスが記載されている。酸比が異なる95%〜98%の濃塩酸と27%〜33%の発煙塩酸の混合物を用いてスルホン化反応を室温で行った。
【0021】
米国特許公報(特許文献9)には、プレファブ半透過性ポリベンズイミダゾール膜の化学変性のための方法が記載されている。この方法は、スルホン化剤への接触を通して膜をスルホン化する工程を含んでいた。その後、接触工程において形成されたイオン結合を永続的な共有結合に変換するのに十分な持続期間にわたって、変換するのに十分な温度に不活性雰囲気下で膜を加熱し、共有結合されたスルホン化ポリベンズイミダゾールから製造された半透過性膜を製造した。
【0022】
特許文献10には、スルホン化ポリベンズイミダゾールを製造する方法であって、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸リチウムから構成された群から選択された触媒の少なくとも1種の存在下で重合を行うことを特徴とする方法が開示されている。
【0023】
当該技術のこの状況を想定すれば、本発明の目的は、電気化学機器中で用いるためのポリマー電解質であって、高温および/または低湿度で高い陽子伝導度を有し、動作において安定であり、容易に管理可能であり、低コストで製造できるポリマー電解質を製造することである。
【0024】
【特許文献1】特開平11−204119A号公報
【特許文献2】米国特許第4,330,654号明細書
【特許文献3】特開平11−116679A号公報
【特許文献4】特開平09−073908A号公報
【特許文献5】特開昭63−118331A号公報
【特許文献6】RU第2263685号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第第10246373A1号明細書
【特許文献8】CA第2499946A1号明細書
【特許文献9】米国特許第4,634,530A号明細書
【特許文献10】KR第102006001626A号明細書
【非特許文献1】イワクラ(Y.Iwakura),ウノ(K.Uno),ハラ(S.Hara),J.Polym.Sci.:パートA,1965,3,45〜54
【非特許文献2】ゴメス(D.Gomes),ボルゲス(C.P.Borges),ピント(J.C.Pinto),Polymer2001,42,851〜865
【非特許文献3】ゴメス(D.Gomes),ボルゲス(C.P.Borges),ピント(J.C.Pinto),Polymer2004,45,4997〜5004
【非特許文献4】ゴメス(D.Gomes),ヌンズ(S.P.Nunes),ピント(J.C.Pinto),ボルゲス(C.P.Borges),Polymer,2003,44,3633〜3639
【非特許文献5】ハンセマ(E.R.Hansema),ブーム(J.P.Boom),ムルダー(M.H.V.Mulder),スモールダーズ(C.A.Smolders),Polym.Sci.パートA:Polym. Chem.1994,32,513〜525
【非特許文献6】ハンセマ(E.R.Hansema),セナ(M.E.R.Sena),ムルダー(M.H.V.Mulder),スモールダーズ(C.A.Smolders),J.Polym.Sci.:パートA;Polym.Chem.1994,32,527〜537
【非特許文献7】ゴメス(D.Gomes),レーダー(J.Roeder),ポンス(M.L.Ponce),ヌンズ(S.P.Nunes),J.Membre.Sci.2007
【非特許文献8】レーダー(J.Roeder),ゴメス(D.Gomes),ポンス(M.L.Ponce),アベルツ(V.Abertz)およびヌンズ(S.P.Nunes),Makromol.Chem.Phys.2007,208,467〜473
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の目的は、ポリ燐酸中でのヒドラジンスルフェート塩と非スルホン化ジカルボン酸またはそれら非スルホン化ジカルボン酸の非スルホン化誘導体との単一段重縮合反応においてスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーを製造する方法であって、
−ポリ燐酸中でヒドラジンスルフェート塩と1種以上のジカルボン酸またはジカルボン酸誘導体を混合することにより溶液を製造する工程、
−前記溶液を不活性ガス雰囲気下で加熱する工程、
−塩基性溶液中に前記ポリマーを沈殿させる工程
による方法を通して達成される。
【0026】
ポリマーは塩基性溶液中で有利に中和される。
【0027】
22を上回るスルホン化レベル、0.085〜0.38の範囲内の硫黄対炭素(S/C)のモル比およびほぼ10g/モルの分子量を有するスルホン化ポリオキサジアゾールであって、低湿度で高い陽子伝導度および優れた機械的特性を有するとともに酸化安定性、化学安定性および熱安定性であるスルホン化ポリオキサジアゾールを製造することが本発明による方法により可能である。かかるポリマーは前もって合成され得る。
【0028】
単一段重縮合反応は時間およびコストを節約し、より高いスルホン化度につながる。
【0029】
本発明による方法における非スルホン化ジカルボン酸またはその非スルホン化誘導体は、好ましくは、芳香族ジカルボン酸および/またはヘテロ芳香族ジカルボン酸またはその誘導体を含む。ジカルボン酸またはジカルボン酸とジカルボン酸ジエステルの混合物の使用も提供される。
【0030】
好ましくは、芳香族基またはヘテロ芳香族基、すなわち、芳香族ジカルボン酸および/またはヘテロ芳香族ジカルボン酸またはその誘導体は、好ましくは少なくとも1個の電子供与体置換基または芳香族環の間で少なくとも1個の−O−接続連結を有する多環系を有する。
【0031】
加熱は、好ましくは160℃〜200℃、特に好ましくは160℃〜180℃の間の温度範囲内で行われる。
【0032】
加熱は、好ましくは4時間〜24時間、特に好ましくは16時間まで、最も好ましくは6時間〜8時間の間の持続時間にわたって行われる。より多い量のモノマーを用いる時、方法の変動は減少し、分子量は増加する。従って、ヒドラジンスルフェート塩の量が少なくとも12gである場合は有利である。
【0033】
ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)は、2個の窒素原子および1個の酸素原子を有する少なくとも1つの共役環を有するポリマーとして本発明に関連して定義される。使用できる特定のポリ(1,3,4−オキサジアゾール)には、ポリ(エーテルスルホンオキサジアゾール)、ポリ(エーテルケトンオキサジアゾール)、ポリ(エーテルアミドオキサジアゾール)、ポリ(エーテルイミドオキサジアゾール)が挙げられる。好ましいポリマーは以下の構造式の反復単位を有する。
【化1】

【0034】
残りのR、R’は、好ましくは、スルホン化反応の利益になるために、少なくとも1個の電子供与体置換基を有する芳香族基またはヘテロ芳香族基、または芳香族環の間で少なくとも1個の−O−接続連結を有する多環系を有する。
【0035】
本発明の目的は、本発明による前述した方法で得ることができるスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー、特にホモポリマーおよび/またはコポリマーを通しても達成される。繰り返しを避けるために「前述した」を使用する。
【0036】
スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーは、好ましくは、スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ホモポリマーおよび/またはスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)コポリマーであるか、またはそのホモポリマーおよび/またはコポリマーを含有する。
【0037】
有利なことに、特に高い陽子伝導度のために、スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーは、23〜100、好ましくは28〜100の間、より好ましくは35〜100の間のスルホン化度を有する。ここで、ポリマー鎖の各フェニレン環がフェニレン環に化学結合されたスルホン酸基を有する時、スルホン化度は100として定義される。スルホン化度は元素分析、NMR、赤外線分光分析法または滴定によって決定される。この文脈において、化学結合は特に共有結合である。
【0038】
スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーは、好ましくは、ほぼ10g/モルの分子量を有する。
【0039】
スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーは、好ましくは0.85〜0.38の間、特に好ましくは0.1〜0.38の間、なおより好ましくは0.125〜0.38の間の硫黄対酸素(S/C)のモル比も有する。硫黄対炭素比(S/C)を元素分析によって決定することが可能である。
【0040】
ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)は、好ましくは、ポリ(エーテル)スルホンオキサジアゾール)、ポリ(エーテルケトンオキサジアゾール)、ポリ(エーテルアミドオキサジアゾール)、ポリ(エーテルイミドオキサジアゾール)である。本発明によるスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーは高い酸化安定性を有する。ポリマーは、特に好ましくは、80℃でフェントンの試薬中で1時間浸漬させた後にポリマー重量の少なくとも98%を保持する。
【0041】
本発明の目的は、上述した通り製造されるとともに前述した特性を有し、スルホン酸基がポリマーの主鎖に結合されているスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーから製造された燃料電池用の膜であって、フィード側と透過側を有する膜を通しても達成される。
【0042】
膜は、好ましくは、スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーと他のポリマーの混合物またはコポリマーを含有する分離層を有する。
【0043】
好ましくは、膜は、酸および/または官能性酸基を有するオリゴマーおよび/または官能性酸基を有するポリマーでドープされている。よって膜の特性を更に調節することが可能である。
【0044】
膜は、有利なことに、80℃で少なくとも4.9×10−2S/cmの陽子伝導率および15%の相対湿度を有する。
【0045】
最後に、本発明の目的は、前述した膜による燃料電池を通しても達成される。よって燃料電池は、好ましくは20%未満の相対湿度で作動する。
【0046】
本発明による燃料電池の製造は、
−フィード側と透過側を有する膜を製造する工程、
−白金または白金の合金から製造された2つの多孔質触媒電極の間に電解質膜を置く工程であって、膜のフィード側がアノードに接触し、膜の透過側がカソードに接触している工程、
−反応性成分を含有する燃料をアノードにフィードする工程(但し、陽子は膜を通って移行することができる)、
−酸化物質、好ましくは酸素がカソードを有する空間を満たす工程、
−この方式で得られた成分を後でカソード空間に引き戻す工程
を含む。
【0047】
膜は、スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーおよび/またはスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーから誘導されるコポリマーによるポリマー電解質から製造された層を含む。ここで、スルホン酸基は、ポリマー電解質層中の主ポリマー鎖に化学結合または共有結合されている。分離層は、上で定義されたポリマーと他のポリマーの混合物またはコポリマーも有することが可能である。
【0048】
アノードに供給される燃料として水素、メタノールまたはエタノールを用いることが可能である。ここで、液体としてまたは水と気体状のメタノールまたはエタノールの混合物としてメタノールおよびエタノールを用いることが可能である。
【0049】
図面を参照して例示的な実施形態に基づいて本発明の一般的意図を制限せずに本発明を以下で記載する。よって、本発明者らは、テキストでより詳しく説明されていない本発明によるすべての詳細の開示に関して図面に明示的に言及する。
【実施例】
【0050】
実施例1
スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)の合成
直接合成
ポリ燐酸(PPA)を最初にフラスコに添加し、乾燥窒素雰囲気下で100℃に加熱した。その後、ヒドラジンスルフェート塩(HS、>99%、アルドリッチ(Aldrich))をポリ燐酸に添加し、反応媒体の攪拌および加熱を通して均質化した。
【0051】
反応温度に達した後、ジカルボン酸ジアジド4,4’−ジフェニルエーテル、DPE(99%、アルドリッチ(Aldrich))をフラスコに添加した。モル希釈比(PPA/HS)およびモルモノマー比(HS/DPE)をそれぞれ10および1.2で一定に保持した。ポリ(エーテル1,3,4−オキサジアゾール)の合成を統計的実験計画(ゴメス(Gomes)ら,2001,上参照)の助けで最適化した早期研究によりモル希釈比(PPA/HS)およびモルモノマー比(HS/DPE)を選択した。
【0052】
6時間のDPEとHSの反応時間後、5%w/vの水酸化ナトリウム(99%、ベテック(Vetec))と合わせて反応媒体を水に添加して、ポリマーを沈殿させた。このポリマー懸濁液のPH値をゴメス(Gomes)ら,2004(上参照)により確認した。ポリマーの化学構造は次の通りである。
【化2】

【0053】
1.24の硫黄対炭素(S/C)のモル比を有するスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)を5.7重量%硫黄および32.5%のスルホン化度で元素分析により得た。ここで、硫黄対炭素(S/C)のモル比が0.38に等しい時、スルホン化度は100である。スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)は溶媒NMRおよびDMSOに可溶性であり、470,000g/モルの平均分子量を有していた。
【0054】
平均分子量をSECによって測定した。8×300mmのサイズを有する通し番号HC286および1515161の「ユーロゲル(Eurogel)」カラムSEC10,000およびPSSグラム100、1000を備えた「ビスコテック(Viscotek)」SEC装置を用いてポリマーサンプルの重量平均分子量を決定した。309〜944,000g/モルの範囲内の重量平均分子量を有するポリスチレン標準(メルク(Merck))を用いて装置を較正した。DMAc中に0.05Mの臭化リチウムを有する溶液をキャリアとして用いた。
【0055】
図1は、元素分析によって測定された0.124の硫黄対炭素(S/C)のモル比を有するスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)の赤外線スペクトルを示している。グラフは、スルホン酸基がポリマー鎖に化学結合、すなわち、共有結合されていることを示している。芳香族基のC=C拡張から生じる1,600〜1,487cm−1での分布最大に加えて、1,467cm−1および1,413cm−1での最大はオキサジアゾール環基のC=N拡張と相関し、1,085cm−1での最大は−C−O−C−拡張と相関する。非対称SO拡張は1,394cm−1で最大を有する。
【0056】
共有スルホネートR−SO−ORにおいて、非対称拡張振動帯は1,420cm−1〜1,310cm−1で現れる。スルホン酸塩(SO)の対称SO拡張振動帯は1,070cm−1〜1,030cm−1で現れる。この帯は、HSからPPA中で合成されたポリオキサジアゾールに関して1,030cm−1で観察される。
【0057】
ポストスルホン化
スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーを様々な持続期間にわたってポストスルホン化して、スルホン化レベルを増加させた。
【0058】
元素分析、赤外線分光分析およびNMRによると、ゴメス(Gomes)ら(2004,2007,上参照)による条件下で合成された、出発材料として用いられたスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーは、0.057〜0.072の硫黄対炭素(S/C)のモル比を有し、4.1重量%の硫黄を含有していた。スルホン化度は15%〜18.9%であった。ポリマーは溶媒NMPに可溶性であり、SECによる358,000の平均分子量を有していた。
【0059】
このスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーの1グラムを15mlの濃塩酸(95%〜98%)に溶解させ、45℃で激しく攪拌した。この処理を1日(24時間)〜40日(960時間)の範囲の期間にわたり行った。その後、ポリマー溶液を中和PH値に達するまで機械的攪拌下で氷−冷KCO含有水中に徐々に沈殿させた。
【0060】
ポリマー沈殿物を濾過し、蒸留水で多数回洗浄し、80℃で12時間にわたり乾燥させた。図2は、元素分析を用いて決定されたポスト処理の様々な継続時間後に達成されたスルホン化度を示している。
【0061】
図2は持続時間ごとにスルホン化度がよく制御されていたことを示している。しかし、本発明による直接合成に対するこの方法の1つの欠点は、同じスルホン化度を達成するのにより長い持続時間を必要としたことである。例えば、32.5%のスルホン化度を11日後に達成したのみであった。
【0062】
もう1つの欠点は、0.12を上回る硫黄対炭素(S/C)のモル比または31%を上回るスルホン化度を達成するために、9日を上回るポストスルホン化反応時間でほぼ10g/モルのより低い分子量を達成したことである。
【0063】
従って、最適化スルホン化反応条件下で、直接スルホン化反応は、ポストスルホン化反応より短い反応時間および高い分子量でスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)を製造する効率的な方法に相当する。
【0064】
膜の製造
濃度4重量%のスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー溶液から製造された均質膜をDMSOに注ぎ込んだ。注ぎ込んだ後に、DMSOを真空炉内で60℃で24時間にわたり蒸発させた。残りの他の溶媒の除去のために、膜を水浴に60℃で48時間にわたり浸漬させ、真空炉内で60℃で24時間にわたり乾燥させた。膜の最終厚さは30μmであった。
【0065】
スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)膜を1.6MのHPO中に室温で24時間にわたり浸漬させ、後で水浴に2回24時間にわたり浸漬させることを通して酸形態に変換して、残りの燐酸の完全な除去を確実にした。
【0066】
実施例2
水吸収安定性および酸化安定性
測定の前に膜を真空で80℃で24時間にわたり乾燥させた。乾燥させた膜の重量の測定後に、サンプルを脱イオン水に25℃および60℃で24時間にわたり浸漬させた。
【0067】
水和された膜の重量の測定前に、紙タオルで軽く押し当てることにより水を膜表面から除去した。水吸収を以下の式により計算した。
水吸収(重量%)=(mwet−mdry)/mdry×100
式中、mwetおよびmdryは、乾燥膜および水和された膜の重量である。
【0068】
膜をフェントンの試薬(2ppmのFeSOを有する3%H)に80℃で1時間にわたり浸漬させる点で膜の酸化安定性を調べた。結果を表1に示している。
【0069】
【表1】

【0070】
予想されたように、水吸収はスルホン化度と温度の増加につれて増加する。スルホン化度の増加につれて、スルホン酸基の数の増加はより高い水吸収につながる。膜内の水は陽子のためのキャリアに相当し、高い陽子伝導率値につながり、それは、硫黄対炭素(S/C)のより高いモル比またはより高いスルホン化度を有する膜に付随する。
【0071】
膜をフェントンの試薬に80℃で1時間にわたり浸漬させる点で酸化に対する膜の安定性を調べた。燃料電池の運転中のラジカル(HO・およびHOO・)の攻撃を通した酸化反応を模擬するためにこの方法を用いた。
【0072】
スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)膜は高い酸化安定性を示した。ここで、膜は試験において膜重量の98%を保持した。ポリマー鎖の化学安定性を複素環を通して増加させる点でスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)膜の高い化学安定性を説明することが可能である。
【0073】
硫黄対炭素のモル比は元素分析を通して決定した。酸化試験後の残留物も元素分析を通して決定した。第3のカラムのデータはゴメス(Gomes)ら,(2007)から由来する。
【0074】
実施例3
陽子伝導率の測定
100mV以下の信号振幅で10〜10Hzの間の周波数でACインピーダンス分光分析法を用いて陽子伝導率を測定し、高周波数側の消失位相ずれでのインピーダンスモデュラスから決定された。サンプルの陽子伝導率を80℃および15%〜100%の間の相対湿度で決定した。インピーダンス測定を5つに至る膜の積重ね上で行った。ここで、積重ねはそれぞれ約500μmの似た総合厚さを有していた。20℃〜80℃の間の適する温度に加熱された水を通して窒素ガスを吹き込むことにより相対湿度を確認した。
【0075】
図3は温度の関数としてのスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)膜の陽子伝導率を示している。膜は、80℃および15%〜100%の相対湿度で測定された0.124のS/Cを有していた。
【0076】
図3は、高い陽子伝導率が達成され、特にスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)の構造により説明できることを示している。スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)は、それらのアニオン対イオンからの電離を通して陽子を伝導できるドナー水素原子とアクセプター水素原子の両方をそれらの構造内に含有する。
【0077】
高い陽子伝導率に関するもう1つの説明は、主鎖に結合されたジフェニルエーテル基に基づくポリマー鎖の親水性および柔軟性であり、それは、低湿度であってもピリジン様N−位置およびスルホン酸基を通した陽子ジャンプにおそらく役立つ。
【0078】
80℃および100%の相対湿度で、ゴメス(Gomes)ら,2007(上参照)により製造されたS/C=0.065のスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)膜は10mS/cmの陽子伝導率に達した一方で、それに反して、同じ条件下で、S/C=0.124のスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)膜は120mS/cmの陽子伝導率を有していた。この結果は、S/C=0.124のスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)のより高いスルホン化度によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)膜のFTIRスペクトルを示している。
【図2】スルホン化後の反応時間の関数としてスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)サンプルのスルホン化度を示している。
【図3】温度の関数としてスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)膜の陽子伝導率を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ燐酸中でのヒドラジンスルフェート塩と非スルホン化ジカルボン酸または非スルホン化ジカルボン酸の非スルホン化誘導体との単一段の重縮合反応にてスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーを製造する方法であって、
− ポリ燐酸中でヒドラジンスルフェート塩と1種以上のジカルボン酸またはジカルボン酸誘導体を混合することにより溶液を製造する工程、
− 前記溶液を不活性ガス雰囲気下で加熱する工程、
− 塩基性溶液中にポリマーを沈殿させる工程
を有する方法。
【請求項2】
前記ポリマーを前記塩基性溶液中で中和させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非スルホン化ジカルボン酸または前記非スルホン化ジカルボン酸の非スルホン化誘導体が、芳香族ジカルボン酸および/またはヘテロ芳香族ジカルボン酸またはそれらジカルボン酸の誘導体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記芳香族ジカルボン酸および/またはヘテロ芳香族ジカルボン酸またはそれらジカルボン酸の誘導体が、少なくとも1個の電子供与体置換基、または芳香族環の間に少なくとも1個の-O-接続連結を有する多環系を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記加熱が160℃〜200℃、特に160℃〜180℃の間の温度範囲で行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記加熱が4時間〜24時間、特に16時間まで、特に6〜8時間の間の持続期間にわたって行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ヒドラジンスルフェート塩の量が少なくとも12gであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法で得ることができる、スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー、特にホモポリマーおよび/またはコポリマー。
【請求項9】
前記ポリマーがスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ホモポリマーであるか、またはスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ホモポリマーを含有することを特徴とする請求項8に記載のスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー。
【請求項10】
前記ポリマーがスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)コポリマーであるか、またはスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)コポリマーを含有することを特徴とする請求項8または9に記載のスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー。
【請求項11】
前記スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーが23〜100、特に28〜100の間、特に35〜100の間のスルホン化度を有することを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー。
【請求項12】
前記スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーがほぼ10g/モルの分子量を有することを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー。
【請求項13】
前記スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーが0.085〜0.38の間、特に0.1〜0.38の間、特に0.125〜0.38の間の炭素に対する硫黄のモル比を有することを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー。
【請求項14】
前記ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)がポリ(エーテルスルホンオキサジアゾール)、ポリ(エーテルケトンオキサジアゾール)、ポリ(エーテルアミドオキサジアゾール)またはポリ(エーテルイミドオキサジアゾール)であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー。
【請求項15】
前記ポリマーが、80℃でフェントン試薬に1時間浸漬させた後に前記ポリマーの重量の少なくとも98%を保持することを特徴とする請求項8〜14のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー。
【請求項16】
請求項8〜15のいずれか一項に記載のスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーから製造された燃料電池用の膜であって、スルホン酸基が前記ポリマーの主鎖に結合されており、膜がフィード側と透過側を有することを特徴とする膜。
【請求項17】
前記膜が前記スルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーと他のポリマーの混合物またはコポリマーを含有する分離層を含むことを特徴とする請求項16記載の膜。
【請求項18】
前記膜が、酸、および/または官能性酸基を有するオリゴマー、および/または官能性酸基を有するポリマーでドープされていることを特徴とする請求項16または17に記載の膜。
【請求項19】
前記膜が80℃で少なくとも4.9×10−2S/cmの陽子伝導率および15%の相対湿度を有することを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項に記載の膜。
【請求項20】
請求項16〜19のいずれか一項に記載の膜を有する燃料電池。
【請求項21】
前記燃料電池が20%未満の相対湿度で作動することを特徴とする請求項20に記載の燃料電池。
【請求項22】
燃料電池を製造する方法であって、
− フィード側と透過側を有する請求項16〜19のいずれか一項に記載の膜を製造する工程、
− 白金または白金合金から製造された2つの多孔質触媒電極の間に前記膜を置く工程であって、前記膜のフィード側がアノードに接触し、前記膜の透過側がカソードに接触している工程、
を有する方法。
【請求項23】
前記膜がスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマー、および/またはスルホン化ポリ(1,3,4−オキサジアゾール)ポリマーから誘導されるコポリマーによるポリマー電解質から製造された層を含み、スルホン酸基がポリマー電解質層中の主ポリマー鎖に化学結合または共有結合されていることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記層が請求項8〜15のいずれか一項に記載のポリマーと他のポリマーとの混合物またはコポリマーを有することを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記アノードが、反応されるべき成分を含有する燃料で満たされ、陽子が前記膜を通って移行することが可能であることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記アノードに供給される燃料が水、メタノールまたはエタノールであることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
メタノールまたはエタノールが、液体として、または水と気体状メタノールまたはエタノールの混合物として用いられることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
カソードを有する空間が酸化手段、特に酸素で満たされることを特徴とする請求項22〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
得られた成分がカソード空間に引き戻されることを特徴とする請求項22〜28のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−1800(P2009−1800A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163119(P2008−163119)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(504187593)ゲーカーエスエス・フォルシュングスツェントルム ゲーストアハト ゲーエムベーハー (14)
【Fターム(参考)】