説明

タイヤ情報を取得装置、タイヤ状態監視システム及びパンク修理液の回収方法

【課題】パンク修理剤を用いてタイヤのパンクを修理しても、タイヤの空気圧情報等のタイヤ情報を適切に取得できるとともに、パンク修理剤を容易に回収できる取得装置、タイヤ状態監視システム及びパンク修理剤の回収方法を提供する。
【解決手段】取得装置は、タイヤ空洞領域内の気体の状態をタイヤ情報として検出するセンサと、バルブと、センサをタイヤ空洞領域から画された状態で格納するための内部空間と、内部空間とタイヤ空洞領域を連通する通気孔と、バルブのタイヤ空洞領域側の端部の空洞領域側開口部と接続し、空洞領域側開口部とタイヤ空洞領域とを連通する連通孔とを含む筐体とを有する。連通孔の直径及びバルブの内径の最小値は2.5mm以上であり、通気孔は、連通孔のタイヤ空洞領域側の端部の開口における連通孔の延在方向を中心方向としたとき、連通孔の開口の位置を中心位置とした見込み角度が140°未満となる範囲外の位置に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ空洞領域内に設けられ、タイヤの状態に関するタイヤ情報を取得する取得装置、タイヤ状態監視システム及びパンク修理液の回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に装着されたタイヤの空気圧を点検管理することが、タイヤの耐久性向上、耐摩耗性向上、燃費の向上、あるいは、乗り心地の向上、さらには、操縦性能の向上の点で望まれている。このため、タイヤの空気圧を監視するシステムが種々提案されている。このシステムは、一般的に、車輪に装着されたタイヤの空気圧の情報を取得し、その情報を送信する取得装置を各車輪のタイヤ空洞領域に設けるとともに、各タイヤの空気圧の情報を取得装置から取得してタイヤの空気圧を監視する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の取得装置は、タイヤ空洞領域の空気圧を測定して送信するTPMS(Tire Pressure Monitoring System)バルブと、リムを貫通するL字型エアーバルブとを互いに接続可能に有している。両バルブが接続されたときに両バルブにそれぞれ設けられた空気通路が接続されることによって、タイヤ空洞領域とタイヤの外部の大気とが通気される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−1222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、タイヤがパンクしたときに、タイヤとリムとにより挟まれたタイヤ空洞領域内に注入するパンク修理剤がよく用いられている。このパンク修理剤は液体であるため、パンク修理剤がタイヤ空洞領域に注入されると、タイヤ空洞領域に面するタイヤ内表面の他、タイヤ空洞領域に設けられた取得装置にもパンク修理剤が付着し、場合によっては固化して取得装置に設けられた開口部を塞ぎ、空気圧の計測に影響を与えるといった問題がある。
【0006】
この問題を解消するためには、タイヤバルブからタイヤ空洞領域にチューブを挿入し、チューブを介してタイヤ空洞領域内のパンク修理液を排出することが考えられる。
しかしながら、特許文献1の取得装置では、L字型エアーバルブを有しているので、当該エアーバルブを介してチューブをタイヤ空洞領域に挿入することが困難である。このため、パンク修理材を回収することができないおそれがある。
また、特許文献1の取得装置では、タイヤ空洞領域に面するTPMSバルブの表面に形成された空気通路の開口部近傍に、タイヤ空洞領域の空気圧を検出するセンサユニットが露出して設けられているため、パンク修理液をタイヤ空洞領域に注入したときに、パンク修理液がセンサユニットに付着するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術とは異なる新たな方式により、パンク修理剤を用いてタイヤのパンクを修理しても、タイヤの空気圧情報等のタイヤ情報を適切に取得できるとともに、パンク修理剤を容易に回収できる取得装置、タイヤ状態監視システム及びパンク修理剤の回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの態様は、タイヤ空洞領域に設けられ、タイヤの状態に関するタイヤ情報を取得する取得装置である。
当該取得装置は、
前記タイヤ空洞領域に充填される気体の状態を、タイヤ情報として検出するセンサと、
前記タイヤ空洞領域とタイヤの外部の大気とを通気するバルブと、
前記センサを前記タイヤ空洞領域から画された状態で格納するための内部空間と、前記内部空間とタイヤ空洞領域とを連通する通気孔と、前記バルブのタイヤ空洞領域側の端部における開口部と接続し、前記バルブの前記開口部と前記タイヤ空洞領域とを連通する連通孔とを含む筐体とを有し、
前記連通孔の直径及び前記バルブの内径の最小値は2.5mm以上であり、
前記通気孔は、前記連通孔の前記タイヤ空洞領域側の端部の開口における前記連通孔の延在方向を中心方向としたときに、前記連通孔の前記開口の位置を中心位置とした見込み角度が140°未満となる範囲外の位置に設けられる。
【0009】
前記連通孔の孔断面積は、前記バルブの内径が最小となる部分における前記バルブの孔断面積よりも大きい、ことが好ましい。
また、前記バルブの孔断面積が前記開口部から前記バルブのタイヤ外部側の端部における外部開口部に向かって大きくなるように、前記バルブの内壁に内壁面から突出する段差が設けられる場合には、段差の高さが1mm以下である、ことが好ましい。
【0010】
さらに、前記連通孔のタイヤ空洞領域側の端部の開口における前記連通孔の延在方向はタイヤの径方向外側に向くとともに、連通孔の両端部の開口における連通孔の延在方向同士のなす角度が25°以下である、ことが好ましい。
また、前記筐体には、前記バルブを前記連通孔に挿入して着脱自在に保持するように着脱機構が設けられている、ことが好ましい。
【0011】
本発明の他の態様は、タイヤ状態監視システムである。
当該システムは、取得装置と、受信装置と、監視部と、を備える。
前記取得装置は、
タイヤ空洞領域に充填される気体の状態を、タイヤ情報として検出するセンサと、
前記センサにより検出された前記タイヤ情報を無線により送信する送信機と、
前記タイヤ空洞領域とタイヤの外部の大気とを通気するバルブと、
前記センサを前記タイヤ空洞領域から画された状態で格納するための内部空間と、前記内部空間とタイヤ空洞領域とを連通する通気孔と、前記バルブのタイヤ空洞領域側の端部における開口部と接続し、前記バルブの前記開口部と前記タイヤ空洞領域とを連通する連通孔とを含む筐体とを有し、
前記連通孔の直径及び前記バルブの内径の最小値は2.5mm以上であり、
前記通気孔は、前記連通孔の前記タイヤ空洞領域側の端部の開口における前記連通孔の延在方向を中心方向としたときに、前記連通孔の前記開口の位置を中心位置とした見込み角度が140°未満となる範囲外の位置に設けられる。
一方、前記受信装置は、前記取得装置の送信機から送信された前記タイヤ情報を受信し、
前記監視部は、前記受信装置に受信された前記タイヤ情報に基づいて、タイヤの異常の有無を判定し、判定結果を報知する。
【0012】
本発明の他の態様は、パンク修理液の回収方法である。
当該方法は、
上記取得装置がタイヤ空洞領域に設けられ、且つ、前記タイヤ空洞領域にパンク修理液が注入されたタイヤに対し、前記取得装置のバルブのバルブコアを取り外すステップと、
前記タイヤ空洞領域の空気が前記バルブを介してタイヤの外部に排出されているときに、チューブを、前記取得装置のバルブからタイヤ空洞領域のパンク修理液に達するまで挿入するステップとを有する。
【発明の効果】
【0013】
上述の取得装置、タイヤ状態監視システム及びパンク修理液の回収方法は、パンク修理剤を用いてタイヤのパンクを修理しても、タイヤの空気圧情報等のタイヤ情報を適切に取得することができるとともに、パンク修理剤を容易に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】タイヤ状態監視システムの一実施形態であるタイヤ空気圧モニタリングシステムの全体概要を示す図である。
【図2】図1に示す取得装置がタイヤ空洞領域内に固定される方法の一例を説明する図である。
【図3】図2に示す取得装置の全体を示す斜視図である。
【図4】図3に示すA−A線に沿った取得装置の矢視断面図である。
【図5】図3に示すB−B線に沿った取得装置の矢視断面図である。
【図6】図5に示す取得装置の他の例を示す断面図である。
【図7】(a),(b)は、連通孔の空洞領域側開口部と、通気孔の外側開口部との位置関係を説明する図である。
【図8】図1に示す取得装置の回路構成図である。
【図9】図1に示す監視装置の回路構成図である。
【図10】パンク修理液の回収に用いられるチューブの使用態様を説明する図である。
【図11】パンク修理液の回収処理を説明する図である。
【図12】図5に示す貫通孔の他の例を説明する図である。
【図13】図5に示す貫通孔の他の例を説明する図である。
【図14】(a),(b)は、図5に示す連通孔の他の例を説明する図である。
【図15】タイヤバルブを筐体に取り付ける方法の一例を説明する図である。
【図16】(a),(b)は、タイヤバルブを筐体に取り付ける方法の他の例を説明する図である。
【図17】(a)〜(c)は、タイヤバルブを筐体に取り付ける方法の他の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の取得装置、タイヤ状態監視システム及びパンク修理液の回収方法について詳細に説明する。
【0016】
(タイヤ状態モニタリングシステムの概要)
図1は、タイヤ状態監視システムの実施形態であるタイヤ状態モニタリングシステム10の全体概要を示す図である。
タイヤ状態モニタリングシステム(以下、システムという)10は、車両1に搭載されている。システム10は、車両1の各タイヤ2a,2b,2c,2d(タイヤ2a,2b,2c,2dをまとめて説明するとき、タイヤ2a,2b,2c,2dを総称してタイヤ2という)のタイヤ空洞領域に設けられたタイヤ情報取得装置(以下、取得装置という)100a,100b,100c,100dと、監視装置200と、を有する。
【0017】
取得装置100a,100b,100c,100dのそれぞれは、タイヤ2とリム3(図2参照)で囲まれたタイヤ空洞領域に充填される気体の状態を、タイヤの状態に関するタイヤ情報として検出し、このタイヤ情報を監視装置200に無線で送信する。以降、取得装置100a,100b,100c,100dをまとめて説明するとき、取得装置100a,100b,100c,100dを総称して取得装置100という。
【0018】
(取得装置の構成)
図2は、取得装置100がタイヤに固定される方法の一例を説明する図である。図3は、図2に示す取得装置100の全体を示す斜視図である。
取得装置100は、タイヤ空洞領域内に配置される筐体102と、タイヤ空洞領域とタイヤ2の外部の大気とを通気するタイヤバルブ104とを有している。筐体102は、略板状に形成され、タイヤ周方向(図2のX方向)に延びるように設けられている。タイヤバルブ104は、タイヤ幅方向(図2のY方向)に延びる筒型形状をなし、リム3をタイヤ幅方向に貫通するように設けられている。すなわち、タイヤバルブ104の延在方向(図2のY方向)の一端は、タイヤ空洞領域に位置している。筐体102は、タイヤ空洞領域において、タイヤバルブ104の延在方向一端に接続され、図2に示すように、タイヤバルブ104がリム3に機械的に固定されることにより、タイヤ空洞領域内に固定されて配置される。
また、筐体102の上面、すなわちタイヤ径方向外側の表面には、上方、すなわちタイヤ径方向外側に向かって突出する凸部102a(図3に示す)が設けられている。
ここで、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸の周りにタイヤ2のトレッド部を回転させたときのトレッド部の回転方向、すなわちタイヤ2の回転方向をいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸から放射状に延びる方向をいう。
【0019】
図4は、図3に示すA−A線に沿った筐体102の矢視断面図である。図4に示すように、筐体102は、筐体102の内部に設けられた回路106を有する。回路106は、基板108と、基板108に設けられたセンサユニット110と、送信機112と、処理ユニット114と、電源部116と、アンテナ118(図7に示す)と、を有する。また、筐体102の内部には、回路106をタイヤ空洞領域から画された状態で格納するための内部空間120が設けられている。
センサユニット110は、タイヤ空洞領域に充填される気体の状態をタイヤ情報として検出するセンサである。本実施形態では、センサユニット110は、タイヤ空洞領域に充填される気体の空気圧をタイヤ情報として検出する。また、センサユニット110は、空気圧を検出するためのセンサ面を有し、センサ面は、内部空間120に面している。
筐体102には、筐体102の内部空間120とタイヤ空洞領域の間を連通する通気孔122が、筐体102の壁を貫通するように設けられている。通気孔122がタイヤ空洞領域に面した筐体102の表面には、通気孔122の外側開口部122aが設けられている。すなわち、外側開口部122aは、タイヤ径方向の外側に向かって開口するように設けられている。一方、通気孔122が内部空間120に面した筐体102の表面には、通気孔122の内側開口部122bが設けられている。
【0020】
図4に示したように、通気孔122は、外側開口部122aから内側開口部122bに進むにつれて、通気孔122の断面積が拡大している。すなわち、通気孔122の内側開口部122bは、外側開口部122aに比べて開口面積が広い。内側開口部122bの開口面積を外側開口部122aの開口面積より広く形成することにより、従来のように通気孔の外側開口部及び内側開口部の開口面積が一様な場合と比較して毛細管現象が作用し難くなる。このため、外側開口部122aにパンク修理剤等の液体が付着した場合であっても、パンク修理剤等の液体は、通気孔122、さらには、内部空間120内に流入し難くなる。
通気孔122の外側開口部122aの開口面積は、例えば0.4mm2以下である。外側開口部122aの開口面積を0.4mm2以下とすることにより、タイヤパンク修理剤等の液体が通気孔122に流入し難くなる。
さらに、内側開口部122bの開口面積は、外側開口部122aの開口面積と対比して、例えば4倍以上であることが、通気孔122へのパンク修理剤の流入防止及び通気孔122がパンク修理剤によって塞がれることを防止する点で、好ましい。
【0021】
筐体102の壁で覆われる内側の領域には、内部空間120を残して封止樹脂124が内部部材として充填されている。すなわち、内部空間120は、筐体102の壁面と、筐体102に設けられた内部部材の内壁とにより、タイヤ空洞領域から画される。また、内部空間120は、筐体102の壁で覆われる内側の領域より狭い。さらに、図4に示されるように、内部空間120は通気孔122の内側開口部122bから断面が拡大している。
筐体102には、通気孔122が、タイヤ空洞領域と内部空間120とを連通する通路として唯一設けられている。これは、例えば通気孔122が複数設けられた場合に、パンク修理剤等の液体が、通気孔122から内部空間120に容易に流入しやすくなるからである。
なお、内部空間120の壁面の少なくとも1つは、封止樹脂124により作られるが、内部部材は封止樹脂124に限られない。内部部材として所定の形状に成形された樹脂材等が配置されてもよい。
【0022】
図5は、図3に示すB−B線に沿った取得装置100の矢視断面図である。図5に示すように、筐体102の凸部102aには、タイヤバルブ104との接続方向(図5のY方向)に延びるとともに、タイヤバルブ104とタイヤ空洞領域とを連通する連通孔126が設けられている。連通孔126にタイヤバルブ104の先端が挿入されることにより、連通孔126とタイヤバルブ104とが接続されている。また、連通孔126のタイヤ空洞領域側の端部における凸部102aの表面には、連通孔126の空洞領域側開口部126aが設けられている。また、連通孔126のタイヤバルブ104側の端部における凸部102aの表面には、連通孔126のバルブ側開口部126b(図7(a),(b)に示す)が設けられている。このようにして、タイヤバルブ104の開口は、連通孔126と接続されている。
一方、タイヤバルブ104には、タイヤバルブ104の延在方向(図5のY方向)に延びる筒状の貫通部128が設けられており、貫通部128の内部には、タイヤバルブ104の延在方向に延びる貫通孔130が形成されている。貫通部128のタイヤ空洞領域側の端部表面には、貫通孔130の筐体側開口部130aが設けられている。この場合、タイヤバルブ104の筐体側開口部130aは、連通孔126と接続されている。また、貫通部128のタイヤ2の外部側の端部表面には、貫通孔130の外部開口部130bが設けられている。さらに、貫通孔130には、貫通孔130を開閉するためのバルブコア132が、貫通部128の内壁にネジ留めされて設けられている。
【0023】
連通孔126は、貫通孔130の筐体側開口部130aが連通孔126内に位置するように、貫通部128をバルブ側開口部126bから挿入可能に形成されている。貫通部128が挿入されることにより、連通孔126は、タイヤバルブ104の筐体側開口部130aとタイヤ空洞領域とを連通する。また、図5に示すように、連通孔126は、筐体側開口部130aから、筐体側開口部130aにおけるタイヤバルブ104の延在方向(図5のE1方向)に少なくとも延びるように形成されていることが好ましい。
なお、図6に示すように、貫通孔130の筐体側開口部130aは、連通孔126の空洞領域側開口部126aと同じ位置に配置されてもよい。
【0024】
連通孔126の直径は、連通孔126の延在方向に沿って一定に形成されてもよいし、あるいは連通孔126の延在方向に沿って変化するように形成されてもよい。また、タイヤバルブ104の内径、すなわち貫通孔130の直径は、貫通孔130の延在方向に沿って一定に形成されてもよいし、あるいは貫通孔130の延在方向に沿って変化するように形成されてもよい。連通孔126の直径及びタイヤバルブ104の内径の最小値は、2.5mm以上、好ましくは2.8mm以上、より好ましくは3.0mm以上であって、5.0mm以下である。後述するように、タイヤ空洞領域内に溜まったパンク修理液を回収する場合には、連通孔126の直径及びタイヤバルブ104の内径の最小値を上記のように設定することにより、チューブ20(図10に示す)を、タイヤバルブ104の貫通孔130及び筐体102の連通孔126を介してタイヤ空洞領域に容易に挿入することができる。このため、パンク修理液を効率良く回収することができる。
また、連通孔126の孔断面積は、タイヤバルブ104の内径が最小となる部分(例えば、図5を参照した場合、バルブコア132が貫通孔130の内壁に接触する部分)におけるタイヤバルブ104の貫通孔130の孔断面積よりも大きく形成されることが好ましい。これにより、タイヤバルブ104の内径が最小となる部分における貫通孔130の孔断面と比較して、連通孔126の孔断面を広く形成することができる。従って、チューブ20を、タイヤバルブ104の貫通孔130及び筐体102の連通孔126を介してタイヤ空洞領域に容易に挿入することができる。このため、パンク修理液を効率良く回収することができる。
【0025】
図7(a),(b)は、連通孔126の空洞領域側開口部126aと、通気孔122の外側開口部122aとの位置関係を説明する図である。図7(a)は筐体102の平面図であり、図7(b)は筐体102の側面図である。図7(a),(b)に示すように、通気孔122の外側開口部122aは、空洞領域側開口部126aにおける連通孔126の延在方向(図7(a),(b)のE2方向)を中心方向としたときに、空洞領域側開口部126aの位置を中心位置とした見込み角度が140°未満、好ましくは160°未満、より好ましくは180°未満となる範囲外の位置に設けられている。すなわち、空洞領域側開口部126aにおける連通孔126の延在方向に対して通気孔122の位置が限定されている。このため、タイヤバルブ104に流入されたパンク修理剤等の液体が、空洞領域側開口部126aからタイヤ空洞領域に流出した場合であっても、当該液体が通気孔122に付着するのを防ぐことができる。したがって、パンク修理剤を用いてタイヤのパンクを修理しても、タイヤの空気圧情報等のタイヤ情報を適切に取得することができる。
【0026】
図8は、取得装置100の回路構成図である。
センサユニット110は、空気圧センサ110aとA/D変換器110bを有する。空気圧センサ110aは、筐体102内の内部空間120の空気圧を感知し、圧力信号を出力する。ここで、内部空間120は、通気孔122を介してタイヤ空洞領域と連通しているため、空気圧センサ110aは、タイヤ空洞領域の空気圧を感知することができる。
A/D変換器110bは、空気圧センサ110aから出力された圧力信号をデジタル変換し、圧力データを出力する。
【0027】
処理ユニット114は、中央処理部114aと記憶部114bとを有する。中央処理部114aは、記憶部114bの半導体メモリに格納されているプログラムに基づいて動作する。中央処理部114aは、電力が供給されて駆動すると、センサユニット110から送られてくる圧力データを所定時間間隔、例えば5分毎に、送信機112を介して監視装置200に空気圧の情報である圧力データを送信するように制御する。記憶部114bには取得装置100に固有の識別情報が予め記憶されており、中央処理部114aは圧力データと共に識別情報を監視装置200に送信するように制御する。
【0028】
記憶部114bは、中央処理部114aを動作するプログラムが記録されているROMと、例えばEEPROM等の書き換え可能な不揮発性のメモリとを備える。取得装置100の固有の識別情報は、記憶部114bの書き換え不可領域に記憶されている。
【0029】
送信機112は、発振回路112aと、変調回路112bと、増幅回路112cとを有する。
発振回路112aは、搬送波信号、例えば315MHz帯の周波数のRF信号を生成する。
変調回路112bは、中央処理部114aから送られた圧力データと取得装置100に固有の識別情報とを用いて、搬送波信号を変調して送信信号を生成する。変調方式は、振幅偏移変調(ASK)、周波数変調(FM)、周波数偏移変調(FSK)、位相変調(PM)、位相偏移変調(PSK)等の方式を用いることができる。
増幅回路112cは、変調回路112bで生成された送信信号を増幅する。増幅された送信信号は、アンテナ118を介して、監視装置200に無線で送信される。
電源部116は、例えば二次バッテリが用いられ、センサユニット110と、送信機112と、処理ユニット114と、に電力を供給する。
【0030】
(監視装置の構成)
図9は、監視装置200の回路構成図である。
監視装置200は、例えば車両1の運転席の位置に配置され、運転者に空気圧の情報を報知する。監視装置200は、アンテナ202と、受信部204と、受信バッファ206と、中央処理部208と、記憶部210と、操作部212と、スイッチ214と、表示制御部216と、表示部218と、電源部220と、を有する。
【0031】
アンテナ202は、取得装置100の送信周波数と同じ周波数に整合され、受信部204に接続されている。
受信部204は、取得装置100から送信された所定の周波数の送信信号を受信し、復調処理をして圧力データと識別情報のデータを取り出す。これらのデータは、受信バッファ206に出力される。
受信バッファ206は、受信部204から出力された圧力データと識別情報のデータを一時的に格納する。格納された圧力データと識別情報のデータは、中央処理部208からの指示にしたがって、中央処理部208に出力される。
【0032】
中央処理部208は、主にCPUで構成され、記憶部210に記憶されているプログラムに基づいて動作する。中央処理部208は、受信した圧力データと識別情報のデータに基づいて、識別情報毎にタイヤ2a〜2dの空気圧を監視する。具体的には、圧力データに基づいて、タイヤ2a〜2dの異常の有無を判定し、判定結果を運転者に報知する。タイヤの異常の有無を判定するとは、例えば、空気圧が異常に低くなり、あるいは短時間に急激に低下し、タイヤがパンクしているか否かを判定することをいう。
【0033】
中央処理部208は、判定結果を表示制御部216に出力し、表示制御部216を介して判定結果を表示部218に出力させる。
さらに、中央処理部208は、操作部212からの情報やスイッチ214からの情報に応じて、取得装置100との間の通信方式等の初期設定を行う。また、操作部212からの情報により、中央処理部208においてタイヤの異常の有無の判定を行うための判定条件を設定することもできる。
記憶部210は、中央処理部208のCPUを動作するプログラムが記憶されたROMと、EEPROM等の不揮発性メモリとを有する。この記憶部210には、製造段階で、取得装置100との間の通信方式のテーブルが記憶されている。取得装置100と監視装置200は、初期段階において予め設定されている通信方式で通信する。通信方式テーブルには、取得装置100のそれぞれの固有の識別情報に対応して、通信プロトコル、転送ビットレート、データフォーマット等の情報が含まれている。これらの情報は、操作部212からの入力により自在に設定変更をすることができる。
【0034】
操作部212は、キーボード等の入力デバイスを含み、各種情報や条件を入力するために用いられる。スイッチ214は、初期設定の開始を中央処理部208に指示するために用いられる。
表示制御部216は、中央処理部208からの判定結果に応じて、タイヤ2a〜2dの装着位置に対応させてタイヤの空気圧を表示部218に表示させるように制御する。その際、表示制御部216は、タイヤがパンク状態にあるといった判定結果も、表示部218に同時に表示させるように制御する。
電源部220は、車両1に搭載されているバッテリから供給された電力を、監視装置200の各部分に適した電圧に制御して、図示されない電源ラインを通して電力を供給する。
このように、取得装置100と監視装置200は構成される。
【0035】
(パンク修理液の回収方法)
次に、本実施形態のパンク修理液の回収方法について説明する。図10は、パンク修理液の回収に用いられるチューブの使用態様を説明する図である。
本実施形態のパンク修理液の回収方法では、図10に示すように、タイヤバルブ104の貫通孔130から筐体102の連通孔126を介してタイヤ空洞領域に挿入される、可撓性を有するチューブ20を用いる。このチューブ20は、タイヤバルブ104の外部側開口部130bからタイヤ空洞領域に挿入されたときに、少なくともタイヤ径方向最外部のタイヤ内周面に到達する長さを有する。
チューブ20の材質は特に限定されるものではないが、シリコーンゴム等のゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミド、フッ素樹脂等の合成樹脂、金属等を使用することができる。
チューブ20の外径は2.4mm〜4.9mmの範囲内で、かつ、タイヤバルブ104の内径よりも小さく形成されると好ましい。チューブ20の外径が4.9mmより大きくなると、チューブ20を、タイヤバルブ104の貫通孔130及び筐体102の連通孔126に通すことが難しくなり、逆にチューブ20の外径が2.4mmより小さくなると、パンク修理液の回収に多大な時間を要することになる。
【0036】
図11は、パンク修理液の回収処理を説明する図である。
先ず、タイヤ空洞領域に取得装置100が設けられ、且つ、タイヤ空洞領域にパンク修理液4が注入されたタイヤ2に対し、取得装置100のタイヤバルブ104からバルブコア132が取り外される。これにより、タイヤ空洞領域はタイヤ2の外部の大気と連通する。このとき、タイヤ空洞領域内の空気圧はタイヤの外部の空気圧よりも高いため、タイヤ空洞領域に充填された空気が、筐体102の連通孔126及びタイヤバルブ104の貫通孔130を介してタイヤ2の外部に排出される。
次に、タイヤ空洞領域の空気が、筐体102の連通孔126及びタイヤバルブ104の貫通孔130を介してタイヤ2の外部に排出されているときに、チューブ20が、タイヤバルブ104からタイヤ空洞領域のパンク修理液4に達するまで挿入される。この場合、タイヤ空洞領域内の空気圧によって、パンク修理液4がチューブ20内に押し上げられることにより、パンク修理液4がチューブ20を介してタイヤ2の外部に排出される。
そして、タイヤ2の外部に排出されたパンク修理液4が、適度な容量を有する容器5に回収される。
【0037】
上記の回収方法では、タイヤ空洞領域に充填された空気がタイヤ2の外部に排出されている間に、チューブ20がタイヤ空洞領域内のパンク修理液4に到達するまでチューブ20を挿入する必要がある。
ここで、本実施形態では、連通孔126の直径の最小値が制限されることにより、チューブ20を、貫通孔130及び連通孔126を介してタイヤ空洞領域に容易に挿入することができる。このため、タイヤ空洞領域に充填された空気がタイヤ2の外部に排出されている間に、チューブ20を、パンク修理液4に容易に到達させることができる。したがって、パンク修理液4を容易に回収することができる。
【0038】
上述したように、本実施形態の取得装置20、システム10及びパンク修理液の回収方法によれば、パンク修理剤を用いてタイヤのパンクを修理しても、タイヤの空気圧情報等のタイヤ情報を適切に取得することができるとともに、パンク修理剤を容易に回収することができる。
【0039】
(変形例1)
次に、図12及び図13を参照して、図5に示す貫通孔130と異なる貫通孔130の例(変形例1)を説明する。
図12及び図13に示すように、タイヤバルブ104の貫通孔130の孔断面積が、筐体側開口部130aから外部開口部130bに向かって大きくなるように、貫通孔130の内壁に内壁面から突出し、且つ、貫通孔130の連通方向に延びる段差を設けてもよい。この場合、段差の高さHが1mm以下であることが好ましい。また、図12に示すように、タイヤバルブ104の貫通孔130の孔断面積が筐体側開口部130aから外部開口部130bに向かって徐々に大きくなるように、段差を形成した場合には、貫通孔130に挿入されたチューブ20を、段差の表面に沿って筐体側開口部130aに案内することができるので、好ましい。このようにして、タイヤ空洞領域へのチューブ20の挿入性を向上させることができる。
なお、段差は、図12に示すように、貫通孔130の内壁の周上の一部に設けられてもよいし、図13に示すように貫通孔130の内壁の周上の全面に設けられてもよい。また、図13に示すように、高さが貫通孔130の段差の高さH以下であって、且つ、連通孔126の連通方向に延びるように形成された段差を、連通孔126に設けてもよい。
【0040】
(変形例2)
図14(a),(b)は、図5に示す連通孔126と異なる連通孔126の例(変形例2)を説明する図である。図14(a),(b)に示す連通孔126の断面形状は、図5に示す連通孔126と異なっている。
図14(a),(b)に示すように、連通孔126の空洞領域側開口部126aにおける連通孔126の延在方向(図14(a),(b)のE2方向)は、タイヤの径方向外側に向くように形成されてもよい。この場合、タイヤバルブ104に挿入されたチューブ20は、貫通孔130及び連通孔126を介して、空洞領域側開口部126aからタイヤ径方向外側に向かうように案内される。これにより、チューブ20をタイヤ空洞領域のタイヤ径方向外側に容易に到達させることができるので、タイヤ空洞領域のタイヤ径方向外側に溜まったパンク修理液4を容易に回収することができる。
また、連通孔126の空洞領域側開口部126aにおける連通孔126の延在方向(図14(a),(b)のE2方向)と、連通孔126のバルブ側開口部126bにおける連通孔126の延在方向(図14(a),(b)のE3方向)とのなす角度は、0°以上25°以下であることが好ましい。当該構成により、タイヤ空洞領域へのチューブ20の挿入性を向上させることができる。
なお、図14(b)に示すように、連通孔126の空洞領域側開口部126a側は溝状に形成されてもよい。
【0041】
(変形例3)
図15〜17は、上記実施形態と異なる他の取得装置100の例(変形例3)を説明する図である。図15〜17にそれぞれ示す取得装置100が上記実施形態の取得装置100と異なる点は、タイヤバルブ104の貫通部128を連通孔126に挿入して着脱自在に保持する着脱機構が、筐体102に設けられている点にある。
筐体102とタイヤバルブ104とを着脱自在に形成することにより、例えば、パンク修理の際にパンク修理液4がタイヤバルブ104に付着した場合であっても、タイヤバルブ104のみを取り外して交換することができる。
図15は、変形例3の一例を説明する図である。図15に示す貫通部128の外周面には雄ネジが形成され、連通孔126のバルブ側開口部126b側の内壁には雌ネジが形成されている。ここで、連通孔126に形成された雌ネジは、着脱機構の一例である。貫通部128の雄ネジと連通孔126の雌ネジとを嵌合させ、あるいは外すことにより、タイヤバルブ104を筐体102に着脱することができる。
【0042】
図16(a),(b)は、図15に示す例とは異なる他の一例を説明する図である。図16(a)は筐体102の平面図であり、図16(b)は筐体102の外部から連通孔126のバルブ側開口部126bをみた図である。図16(a),(b)に示すように、筐体102の凸部102aには、連通孔126の側面から貫通部128を挿入可能に形成された溝102bが設けられている。この溝102bは、着脱機構の一例である。溝102bに挿入された貫通部128が連通孔126の孔の位置と位置合わせされて係止されることにより、タイヤバルブ104が筐体102に取り付けられる。
図17(a)〜(c)は、図15及び16に示す例とは異なる他の一例を説明する図である。図17(a)に示すように、筐体の凸部102aの側面には、連通孔126の延在方向に延びるとともに、連通孔126の延在方向と直交する方向に弾性変形するように形成された係止片102cが設けられている。この係止片102cは、着脱機構の一例である。係止片102cには、連通孔126の内壁から連通孔126の中心軸に向かって突出する係止突起が設けられている。図17(b)に示すように、貫通部128を連通孔126に挿入すると、係止片102cは、係止突起が貫通部128に接触しながら、連通孔126の径方向外側に向かって弾性変形する。そして、図17(c)に示すように、貫通部128をさらに挿入して、係止突起が貫通部128に設けられた凹部に接触すると、係止片102cの弾性変形が復元する。このとき、貫通部128は、係止突起によって連通孔126の延在方向に係止される。このようにして、タイヤバルブ104が筐体102に取り付けられる。
【0043】
[実施例]
以下、本発明の取得装置、タイヤ状態監視システム及びパンク修理液の回収方法の効果を調べるために、種々の取得装置を作製した。作製した取得装置をタイヤ空洞領域内に設置して、パンク修理液をタイヤバルブの貫通孔から注入した後に、通気孔表面にパンク修理液が付着しているか否かを調べた。
なお、作製した取得装置における連通孔126の直径及びタイヤバルブの内径の最小値は2.5mmである。
【0044】
下記表1は、比較例1〜2、実施例1〜3のそれぞれについて、通気孔の表面にパンク修理液が付着しているか否かを示す。
なお、比較例は、連通孔126の空洞領域側開口部126aにおける連通孔126の延在方向を中心方向としたときに、連通孔126の空洞領域側開口部126aの位置を中心位置とした見込み角度が140°未満となる範囲内の位置に通気孔122を設けた取得装置である。実施例1〜3では、前記見込み角度を140°〜180°の範囲で変化させた。
【0045】
【表1】


比較例1〜2、実施例1〜3の比較より、前記見込み角度が140°未満となる範囲外内の位置に通気孔122を設けることにより、通気孔122の表面にパンク修理液が付着しないことがわかった。
以上より、本実施形態の取得装置、タイヤ状態監視システム及びパンク修理液の回収方法の効果は明らかである。
【0046】
以上、本発明の取得装置、タイヤ状態監視システム及びパンク修理液の回収方法について詳細に説明したが、本発明の取得装置、タイヤ状態監視システム及びパンク修理液の回収方法は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0047】
1 車両
2,2a,2b,2c,2d タイヤ
3 リム
4 パンク修理液
10 タイヤ空気圧モニタリングシステム
100,100a,100b,100c,100d タイヤ情報取得装置
200 監視装置
102 筐体
102a 凸部
102b 溝
102c 係止片
104 タイヤバルブ
110 センサユニット
112 送信機
120 内部空間
122 通気孔
122a 外側開口部
122b 内側開口部
126 連通孔
126a 空洞領域側開口部
126b バルブ側開口部
130 貫通孔
130a 筐体側開口部
130b 外部開口部
132 バルブコア
200 監視装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ空洞領域に設けられ、タイヤの状態に関するタイヤ情報を取得する取得装置であって、
前記タイヤ空洞領域に充填される気体の状態を、タイヤ情報として検出するセンサと、
前記タイヤ空洞領域とタイヤの外部の大気とを通気するバルブと、
前記センサを前記タイヤ空洞領域から画された状態で格納するための内部空間と、前記内部空間とタイヤ空洞領域とを連通する通気孔と、前記バルブのタイヤ空洞領域側の端部における開口部と接続し、前記バルブの前記開口部と前記タイヤ空洞領域とを連通する連通孔とを含む筐体とを有し、
前記連通孔の直径及び前記バルブの内径の最小値は2.5mm以上であり、
前記通気孔は、前記連通孔の前記タイヤ空洞領域側の端部の開口における前記連通孔の延在方向を中心方向としたときに、前記連通孔の前記開口の位置を中心位置とした見込み角度が140°未満となる範囲外の位置に設けられる、
ことを特徴とする取得装置。
【請求項2】
前記連通孔の孔断面積は、前記バルブの内径が最小となる部分における前記バルブの孔断面積よりも大きい、請求項1に記載の取得装置。
【請求項3】
前記バルブの孔断面積が前記開口部から前記バルブのタイヤ外部側の端部における外部開口部に向かって大きくなるように、前記バルブの内壁に内壁面から突出する段差が設けられる場合には、段差の高さが1mm以下である、請求項1に記載の取得装置。
【請求項4】
前記連通孔のタイヤ空洞領域側の端部の開口における前記連通孔の延在方向はタイヤの径方向外側に向くとともに、連通孔の両端部の開口における連通孔の延在方向同士のなす角度が25°以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の取得装置。
【請求項5】
前記筐体には、前記バルブを前記連通孔に挿入して着脱自在に保持するように着脱機構が設けられている、請求項1〜4の何れか1項に記載の取得装置。
【請求項6】
タイヤ状態監視システムであって、
前記システムは、取得装置と、受信装置と、監視部と、を備え、
前記取得装置は、
タイヤ空洞領域に充填される気体の状態を、タイヤ情報として検出するセンサと、
前記センサにより検出された前記タイヤ情報を無線により送信する送信機と、
前記タイヤ空洞領域とタイヤの外部の大気とを通気するバルブと、
前記センサを前記タイヤ空洞領域から画された状態で格納するための内部空間と、前記内部空間とタイヤ空洞領域とを連通する通気孔と、前記バルブのタイヤ空洞領域側の端部における開口部と接続し、前記バルブの前記開口部と前記タイヤ空洞領域とを連通する連通孔とを含む筐体とを有し、
前記連通孔の直径及び前記バルブの内径の最小値は2.5mm以上であり、
前記通気孔は、前記連通孔の前記タイヤ空洞領域側の端部の開口における前記連通孔の延在方向を中心方向としたときに、前記連通孔の前記開口の位置を中心位置とした見込み角度が140°未満となる範囲外の位置に設けられ、
前記受信装置は、前記取得装置の送信機から送信された前記タイヤ情報を受信し、
前記監視部は、前記受信装置に受信された前記タイヤ情報に基づいて、タイヤの異常の有無を判定し、判定結果を報知する、ことを特徴とするタイヤ状態監視システム。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか1項の取得装置がタイヤ空洞領域に設けられ、且つ、前記タイヤ空洞領域にパンク修理液が注入されたタイヤに対し、前記取得装置のバルブのバルブコアを取り外すステップと、
前記タイヤ空洞領域の空気が前記バルブを介してタイヤの外部に排出されているときに、チューブを、前記取得装置のバルブからタイヤ空洞領域のパンク修理液に達するまで挿入するステップとを有する、
ことを特徴とするパンク修理液の回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−52739(P2013−52739A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191824(P2011−191824)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】