説明

タブレット型コンピュータ用保持具

【課題】タブレット型コンピュータの使用に便利なる保持具を提供する。
【解決手段】側面の一部を開放した平面視略三角形の保持体を、該開放部分を対向させて一対設け、該保持体間に適宜支持部材を介して引張ベルトを張設するとともに、該引張ベルト下面に保持板を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タブレット型コンピュータ(小型板状のコンピュータで、画面に触れる指先にて操作するもの)を保持するための保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
タブレット型コンピュータは小型板状のため、手に持って使用することとなるが、このコンピュータを片手に保持することができ、手からの脱落を防止するための保持具は現在のところ見あたらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のコンピュータは、マウスとキーボードが付帯したものであるが、タブレット型コンピュータは指で画面に触れて操作する点において画期的なものである。
これは小型板状のため、通常は手に持って保持して利用するが、それなりの重量感があり、長時間の使用ともなれば手に負担となる。また、不用意に落下させる恐れもある上に、手の不自由な人にとっては扱いにくいという問題を有している。
本発明は、以上のような課題を解決するために発明されたもので、タブレット型コンピュータに装着することにて該コンピュータの手に対する保持を可能とし、その持ち運びにも便利なる保持具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。
すなわち、側面の一部を開放した平面視略三角形の保持体を、該開放部分を対向させて一対設け、該保持体間に適宜支持部材を介して引張ベルトを張設するとともに、該引張ベルト下面に保持板を設ける。本発明は以上の構成よりなるタブレット型コンピュータ用保持具である。
【発明の効果】
【0005】
本発明は以下の効果を有する。
1.タブレット型コンピュータの隅部間裏面に主要部分を装着する方式のため、表示画面 を覆うことなく該コンピュータを使用することができる。
2.タブレット型コンピュータ裏面に、引張ベルトによる適宜な引張力にて保持板を位置 させる方式のため、片手をこの保持板と該コンピュータ裏面間に差し込むだけで該コン ピュータと手を一体化させることができる。
3.引張ベルトはその引張力調節が可能のため、任意の引張力に調整して用いることがで きる。
4.下げひもを付加することにて、該コンピュータの運搬が容易となり、この下げひもを 手首に取り付けることにより、該コンピュータの不用意な落下事故を防止することがで きる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は保持体で、平面視略三角形状の合成樹脂製中空体で、その長辺方向は開放され、内面全面にクッション材2としての発泡ゴム板による内張が施されている。
この保持体上面の長辺近傍には、短管による接続管3が該長辺と平行に固着される。
4は金属棒にて平面視略四角形に形成されたリングで、その一部は該接続管に遊動可能に位置している。以上の保持体およびリングは一対が用意され、該リング間には布引平ゴムによる引張ベルト5が張設される。この引張ベルトは双方のリング間に環状に掛け渡され、市販の留め具によるベルト固定具6を介して適宜長に固定される。
このベルト固定具は、平面視四角枠状で、その中央に棒状部分が2本平行に架設一体化された合成樹脂製部材で、この枠の一部には、その端部をループ状にした引張ベルトが、ループ内に枠部を位置させて設けられ、引張ベルト他端は他方の枠部下方より枠内に入り込み、架設棒状部分に巻回された後、該固定具端下面に接して外方に突出する仕組みのものであり、引張力にて引張ベルトは該枠体に強く押圧されてその脱落を防ぐ機能を有するものである。引張ベルトはこのベルト固定具部分での調整にてその引張力の調節が可能である。
7は保持板である。この保持板は、上面は軟質合成樹脂による円板形で、その下面全面にはループ状合成糸の植毛によるクッション材8が形成され、該保持板のほぼ全域にわたる多数の貫通孔9が穿設される。また、前記引張ベルト下面要部は保持板上面に固着される。なお、固着に代えて、リベットその他の手段にて一体化してもよい。また、植毛に代えて、発泡ゴムなど高摩擦係数素材を用いてもよい。
【0007】
本発明を使用するには、まず一方の保持体の開放部をタブレット型コンピュータの任意に選択した隅にあてがい、挿入する。同様に他方の保持体を前記保持体と対角の隅にあてがって挿入する。このとき、保持板と引張ベルトはタブレット型コンピュータの裏面に位置させる。この状態にて、該コンピュータ裏面に保持板と引張ベルトが位置し、双方の保持体間には引張ベルトによる引張力が働き、該コンピュータからの保持体の脱落は阻止される。片手を保持板とコンピュータ裏面との間に差し込むと、引張ベルトの引張による押圧力と、保持板裏面と手の摩擦にて、手はコンピュータと一体化するので、該コンピュータを指で保持しなくともコンピュータを保持することができる。引張ベルトはベルト固定具に巻回押圧されて固定されているので、この個所を緩めてベルト位置を変更することにて引張力を変えることができる。なお、保持板には多数の孔が穿設されているので、多時間使用による手の汗ばみや蒸れが防止される。
前記保持体内面にはクッション材が位置しているので、コンピュータにしっかりと保持され、かつコンピュータ面を傷つけることがない。また、保持体はコンピュータの隅の一部のみを覆うため、画面表示部分全面を視認することができる。
なお、図4の仮想線にて示すように、下げひも10を適宜部材を介してリングに取り付けることにて、該コンピュータの運搬に便利であり、また、この下げひもを手首に通して該コンピュータを使用することで、コンピュータの不用意な落下事故を防止することができる。なお、この下げひも中間部に市販の調整具11(ボタンを押すことにて孔内のひもに対して該調整具がスライド可能となり、押圧解除にてひもの移動が阻止されるもの)を設けることにて、手首近傍に環状ひも部分を設定することができる。
【0008】
図5〜図6は本発明の他例を示すものである。20は指保持部である。この指保持部は適宜サイズと形状の布体の一部に孔21を有する短管状部分を連設して形成され、図のごとく保持板適所に固着されたものである。この指保持部は、前例の保持板に付加して用いられ、この指保持部の孔に指を挿入して使用し、保持板に対する手指の安定保持を目的としたものであり、その他の構成は前例同様である。なお、既述の例において、保持体適所に補助孔12を設けることにて、タブレット型コンピュータ上側面左部に位置するイヤホン用挿入孔を塞ぐことなく利用することができる。また、孔に代えて長穴あるいは切除部としてもよい。
以上、本発明について記したが、本発明はタブレット型コンピュータを簡易に保持するものであり、該コンピュータの安全かつ容易な使用を可能とするものである。
このタブレット型コンピュータは、最近発売となったものであり、小型板状のために手に持って使用することを前提として製作されている。コンピュータは精密装置のため、丁寧な取扱が必要となるが、以前から存在するデスクトップ型コンピュータは据え置きタイプであるため、落下事故の恐れは極少である。一方、ラップトップ型は運搬可能であるが、使用時は机上等に載置して使用するものであり、不用意な落下の可能性は低いと考えられる。しかし、既述のタブレット型コンピュータにおいては、手に持って使用するためにこの落下事故が懸念される。しかし、このコンピュータは発売直後のこともあって、記述のような問題に対する対策が示されていない。本発明は、この問題に対する一つの解決案を提示するものであり、タブレット型コンピュータ使用時の安心感が得られるものである。
なお、既述の例は、現在市販されているタブレット型コンピュータサイズを想定して表現したものであるが、縮小サイズの本品製作にて、より小型のタブレット型コンピュータにも対応可能である。
以上のごとく、本発明によって安心かつ使用しやすいタブレット型コンピュータのための保持具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 本発明の平面図
【図2】 本発明の正面図
【図3】 本発明の装着状態正面図
【図4】 本発明の装着状態背面図
【図5】 本発明の他例正面図
【図6】 本発明の他例底面図
【符号の説明】
【0010】
1 保持体
2 クッション材
3 接続管
4 リング
5 引張ベルト
6 ベルト固定具
7 保持板
8 クッション材
9 貫通孔
10 下げひも
11 調整具
12 補助孔
20 指保持部
21 孔
30 タブレット型コンピュータ
31 画面表示境界表示線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面の一部を開放した平面視略三角形の保持体を、該開放部分を対向させて一対設け、該保持体間に適宜支持部材を介して引張ベルトを張設するとともに、該引張ベルト下面に保持板を設けたことを特徴とするタブレット型コンピュータ用保持具。
【請求項2】
一方の保持体に関わる支持部材に、下げひもを設けてなる請求項1記載のタブレット型コンピュータ用保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−14666(P2012−14666A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−164325(P2010−164325)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【特許番号】特許第4676570号(P4676570)
【特許公報発行日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(592170879)
【Fターム(参考)】