説明

チェックシート及びこれを備えたノート

【課題】ノート等に印刷されている統計欄に予め印刷されているデータは勿論のこと、ユーザが統計欄に記入したデータであっても、これらを見やすくし、簡単にチェックすることができるチェックシート、及びこのチェックシートを備えたノートを提供する。
【解決手段】並列された複数の統計欄を有する紙面上に載置された際に、前記複数の統計欄の一つである第1の統計欄に対応する第1の領域と、前記紙面上に載置された際に、前記第1の統計欄に隣接する第2の統計欄に対応する第2の領域と、前記紙面上に載置された際に、前記第2の統計欄の前記第1の統計欄とは反対側に隣接する第3の統計欄に対応する第3の領域を有し、前記第1の領域及び第3の領域の透過率が、前記第2の領域の透過率よりも低いチェックシート10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェックシートに係り、特にノート等に印刷されている統計欄に記入したデータを見やすくし、簡単にチェックすることができるチェックシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、学習参考書等に記載されている単語や内容等を隠し、暗記等の学習効率を高める目的でチェックシートが使用されている。具体的には、例えば、学習参考書での学習効率を高めるため、重要語句を赤色で印刷し、赤色の透明なチェックシートを重ねてその重要語句を消し込み、反復的に学習できるようにした仕組みが広く知られている。また、これとは逆に、学習者がチェックシートを重ねることによって自ら消し込む語句を定めたい場合には、緑色のマーカーで所定の語句をマークし、赤色の透明なチェックシートを重ねて、その語句を判読不能とする方法もある。
【0003】
また、近年では、所定の色の透明又は半透明のチェックシートと、前記所定の色の補色を含む第1の色で形成された秘密情報部と、前記補色以外の第2の色で形成され、前記秘密情報部と交ざり合って、前記秘密情報部を判読困難にする地紋部とを備え、前記秘密情報部及び前記地紋部に前記チェックシートを重ねると、前記秘密情報部からの光の第1の色部分を前記チェックシートが透過し、前記地紋部からの光の第2の色部分を前記チェックシートが吸収し、前記秘密情報部が判読可能となる印刷物が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−82391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のチェックシートは、暗記等の学習効率を高める目的で使用されるため、当該チェックシートは、全体が同じ色(例えば、透明な赤色)で着色されており、当該チェックシートによって消し込みたい語句を当該チェックシートと同じ色で印刷する必要がある。すなわち、このチェックシートは、当該チェックシートと異なった色の文字が印刷されている印刷物では、チェックシートとしての機能を発揮することができない。
【0005】
また、引用文献1に記載されたチェックシートも学習効率を高める目的で使用されるため、当該チェックシートは全体が同じ色で着色されており、このチェックシートにより学習が進められる印刷物は、当該チェックシートによって消し込みたい部分(秘密情報部)を地紋部と交ぜ合わせた状態で印刷しておく必要がある。したがって、このチェックシートも、予め秘密情報部と地紋部とが交ぜ合わされている部分でのみしかチェックシートとしての機能を発揮することができない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、ノート等に印刷されている統計欄に予め印刷されているデータは勿論のこと、ユーザが統計欄に記入したデータであっても、これらを見やすくし、簡単にチェックすることができるチェックシート、及びこのチェックシートを備えたノートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するため本発明は、並列された複数の統計欄を有する紙面上に載置され、当該統計欄に記入されたデータをチェックするチェックシートであって、前記紙面上に載置された際に、前記複数の統計欄の一つである第1の統計欄に対応する第1の領域と、前記紙面上に載置された際に、前記第1の統計欄に隣接する第2の統計欄に対応する第2の領域と、前記紙面上に載置された際に、前記第2の統計欄の前記第1の統計欄とは反対側に隣接する第3の統計欄に対応する第3の領域とを有し、前記第1の領域及び第3の領域の透過率が、前記第2の領域の透過率よりも低いチェックシートを提供するものである。
【0008】
この構成を備えたチェックシートは、第1の統計欄の上に位置する第1の領域の透過率及び第3の統計欄の上に位置する第3の領域の透過率が、前記第2の統計欄の上に位置する第2の領域の透過率よりも低いため、紙面上に載置された際に、第1の統計欄及び第3の統計欄に記入(記載)されているデータよりも、第2の統計欄に記入されているデータを見やすくすることができる。なお、本発明でいうデータとは、数字や文字、記号等、様々な情報を含むものとする。
【0009】
ここで、本発明に係るチェックシートは、第2の領域の片側に第1の領域が位置し、当該第2の領域の前記片側とは反対側に第3の領域が位置しており、前記第2の領域は、当該第1の領域と第2の領域によって挟まれた配置となっているため、並列された第1の統計欄、第2の統計欄、第3の統計欄に、様々なデータが記入されていても、第2の統計欄に記入されているデータを、その両側の統計欄に記入されているデータに紛らわされることなく、読み取ることができる。
【0010】
また、本発明に係るチェックシートは、前記第1の領域及び第3の領域が所定の色で着色されており、前記第2の領域が透明であってもよい。あるいは、第2の領域は、前記第1の領域及び第3の領域とは異なる色で着色されていてもよい。このように、第2の領域を着色する場合は、チェックシートを紙面上に載置した際に、第1の領域及び第3の領域の下に位置するデータに比べ、第2の領域の下に位置するデータが見やすくなるような色を選択することが望ましい。
【0011】
そしてまた、本発明に係るチェックシートは、前記第1の領域及び第3の領域が半透明であってもよく、チェックシートを紙面上に載置した際に、前記第1の領域及び第3の領域の下に位置するデータを完全に隠すよう、不透明であってもよい。
【0012】
さらにまた、本発明に係るチェックシートは、前記第2の領域が貫通穴となっていてもよい。すなわち、前記第2の領域は、当該貫通穴を画定する縁によって囲まれた領域であってもよい。このように構成することで、前記利点に加え、チェックシートを紙面上に載置した際に、前記貫通穴を介して、前記第2の統計欄にデータを追記(書き込む)こともできる。
【0013】
また、本発明に係るチェックシートは、下敷きとしての機能を有することもできる。この構成の場合、例えば、複数の統計欄を有する紙面が複写式であり、この複写式の紙が複数枚重ねられているノートや伝票等であったとしても、紙面に記入する際の圧力を、複写の必要がない紙面にまで及ぼすことを防止することができる。
【0014】
また、本発明は、並列された複数の統計欄が印刷された紙面が複数綴じられてなるノートと、前述したチェックシートを備えてなるチェックシート付きノートを提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、紙面上にチェックシートを載置された際に、第1の統計欄及び第3の統計欄に記入(記載)されているデータよりも、第2の統計欄に記入されているデータを見やすくすることができる。この結果、並列された第1の統計欄、第2の統計欄、第3の統計欄に、様々なデータが記入されていても、第2の統計欄に記入されているデータを、その両側の統計欄に記入されているデータに紛らわされることなく、読み取ることができるチェックシート、及びチェックシート付きノートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の好適な実施の形態に係るチェックシート及びチェックシート付きノートについて図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施の形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係るチェックシートの平面図、図2は、本発明の実施の形態に係るノートの斜視図、図3及び図4は、図1に示すチェックシートを図2に示すノートの紙面上に置いた状態を示す斜視図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
【0018】
本実施の形態に係るノート50は、特に図2に示すように、ユーザ(例えば、糖尿病患者)が血糖値の値等を管理するために使用する自己管理ノートであり、普通紙と、当該普通紙の下に配設されたカーボン紙からなる複写式の頁のセットが複数積層された構成を有している。各々の紙面の上部には、名前や日付を記入する欄があり、その下側には、注射するインスリンの量等を記入する覚書欄51が設けられている。また、この覚書欄51の下側には、左側から順に、日付が記入された日付欄52、朝食前の血糖値を記入する朝前欄53、朝食後の血糖値を記入する朝後欄54、昼食前の血糖値を記入する昼前欄55、昼食後の血糖値を記入する昼後欄56、夕食前の血糖値を記入する夕前欄57、夕食後の血糖値を記入する夕後欄58、就寝前の血糖値を記入する就前欄59、例えば、食事・運動・低血糖等の備考を記入する備考欄60が設けられている。
【0019】
チェックシート10は、樹脂板から構成されており、ノート50の頁サイズとほぼ同様のサイズを有し、その右側上部には、ユーザが把持可能であると共に、ノート50に挟んだ際に、しおりの機能を果たす延出部11が形成されている。また、チェックシート10は、図3に示すように、ノート50の紙面上に載置した際に、覚書欄51と対応する領域(ほぼ重なる領域)となる第1の窓61と、朝後欄54と対応する領域となる第2の窓64と、昼後欄56と対応する領域となる第3の窓66と、夕後欄58と対応する領域となる第4の窓68と、備考欄60と対応する領域となる第5の窓70が透明であり、その他の領域(図1等で薄い網がけで示す領域)が半透明であり且つ所定の色(例えば、緑等)で着色されている。なお、半透明な領域の透過率は、透明な領域の透過率よりも低いため、チェックシート10をノート50の紙面上に載置した際には、透明な領域の下に位置する部分が見えやすくなり、半透明な領域の下に位置する部分が見えにくくなる。
【0020】
ここで、ユーザは、通常、朝食前及び朝食後の血糖値、昼食前及び昼食後の血糖値、夕食前及び夕食後の血糖値、就寝前の血糖値を測定し、これらの値をノート50の朝前欄53、朝後欄54、昼前欄55、昼後欄56、夕前欄57、夕後欄58、就前欄59に、各々記入するが、記入された血糖値(データ)の数が多くなると、欄毎のデータが見にくくなり、測定時毎や日々の血糖値の変化を認知することが困難となる。そこで、図3に示すように、このノート50の紙面上にチェックシート10を載置することで、朝前欄53、昼前欄55、夕前欄57、就前欄59が半透明な部分でほぼ隠された状態となり、朝後欄54、昼後欄56、夕後欄58上には、チェックシート10の透明な領域(窓領域)が重なるため、朝後欄54、昼後欄56、夕後欄58に記入された血糖値を、他の欄の血糖値に惑わされることなく読み取ることができる。
【0021】
また、例えば、図4に示すように、チェックシート10を右側にずらすことで、昼前欄55上に第2の窓64が位置し、夕前欄57上に第3の窓66が位置し、就前欄59に第4の窓68が位置し、その他の欄が半透明な部分でほぼ隠された状態となるため、昼前欄55、夕前欄57、就前欄59に記入された血糖値を、他の欄の血糖値に惑わされることなく読み取ることができる。このように、チェックシート10を任意にずらして、読み取りたい血糖値が記載されている欄上に透明な領域(窓)を位置させることで、読み取りたい欄に記入されている血糖値を他の欄の血糖値に惑わされることなく読み取ることができる。
【0022】
なお、ノート50は複写式であるため、所定の欄に血糖値や備考等を記入する際には、下敷きを用いて不必要な頁に筆圧がかからないようにする必要がある。この時、チェックシート10を下敷きとして使用することもできる。
【0023】
また、本実施の形態では、第1の窓61、第2の窓64、第3の窓66、第4の窓68、第5の窓70を透明な樹脂から構成した場合について説明したが、これに限らず、第1の窓61、第2の窓64、第3の窓66、第4の窓68、第5の窓70は、これ以外の領域よりも透過率が高ければ、着色された半透明な樹脂から構成されてもよい。この場合、各々の窓の透過率は、必ずしも同じでなくてもよく、また色も窓毎に各々決定することもできる。
【0024】
そしてまた、第1の窓61、第2の窓64、第3の窓66、第4の窓68、第5の窓70は、貫通孔から構成されてもよい。また、これらの窓のうちの少なくとも一つを貫通孔から構成してもよい。この場合は、チェックシート10を紙面上に載置した状態であっても、これらの窓を通してノート50の所定欄に血糖値や備考等を記入することができる。また、この構成の場合は、チェックシート10を下敷きとして用いずに、他の下敷きを使用することが好ましい。この他の下敷きは、独立した下敷きであってもよく、あるいは、例えば、ノート50の裏表紙の図2でいう右縁から連続して延出し、裏表紙の図2でいう右縁を折山として内側に折り畳み可能であると共に、ノート50の頁とほぼ同じサイズを有する延出部を設け、この延出部を下敷きとして使用してもよい。
【0025】
さらにまた、本実施の形態では、ノート50が自己管理ノートである場合について説明したが、これに限らず、3列(第1の統計欄、第2の統計欄、第3の統計欄)以上の統計欄を有する紙面を備えていれば、例えば、単票等であってもよい。また、加工統計欄の位置やサイズ、形状等は、任意に選択することができる。なお、本実施の形態の場合、例えば、朝前欄53を第1の統計欄に相当させ、朝後欄54を第2の統計欄に相当させ、昼前欄55を第3の統計欄に相当させる等、各々隣接した3列の統計欄のうち、データを読み取りたい欄を第2の統計欄とし、この第2の統計欄の両側に位置しており、データを目立たなくさせたい欄を、第1の統計欄、第3の統計欄とすればよい。
【0026】
さらにまた、チェックシート10の各々の窓の形成数や、サイズ、形状等は、チェックシート10が載置される紙面に応じて任意に選択することができる。
【0027】
また、本実施の形態では、窓以外の領域を、所定の色で着色された半透明な樹脂から形成した場合について説明したが、これに限らず、窓以外の領域は不透明であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係るチェックシートの平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るノートの斜視図である。
【図3】図1に示すチェックシートを図2に示すノートの紙面上に置いた状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示すチェックシートを図2に示すノートの紙面上に置いた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
10 チェックシート
50 ノート
51 覚書欄
52 日付欄
53 朝前欄
54 朝後欄
55 昼前欄
56 昼後欄
57 夕前欄
58 夕後欄
59 就前欄
60 備考欄
61 第1の窓
64 第2の窓
66 第3の窓
68 第4の窓
70 第5の窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列された複数の統計欄を有する紙面上に載置され、当該統計欄に記入されたデータをチェックするチェックシートであって、
前記紙面上に載置された際に、前記複数の統計欄の一つである第1の統計欄に対応する第1の領域と、
前記紙面上に載置された際に、前記第1の統計欄に隣接する第2の統計欄に対応する第2の領域と、
前記紙面上に載置された際に、前記第2の統計欄の前記第1の統計欄とは反対側に隣接する第3の統計欄に対応する第3の領域と、
を有し、
前記第1の領域及び第3の領域の透過率が、前記第2の領域の透過率よりも低いチェックシート。
【請求項2】
前記第1の領域及び第3の領域は、所定の色で着色されてなり、前記第2の領域は透明である請求項1記載のチェックシート。
【請求項3】
前記第2の領域は貫通穴である請求項1または請求項2記載のチェックシート。
【請求項4】
下敷きとしての機能を有する請求項1または請求項2記載のチェックシート。
【請求項5】
並列された複数の統計欄が印刷された紙面が複数綴じられてなるノートと、
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載されたチェックシートと、
を備えてなるチェックシート付きノート。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−131866(P2010−131866A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310033(P2008−310033)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000109015)アボットジャパン株式会社 (14)