説明

チグリエン−3−オン誘導体

本発明は、チグリエン(tiglien)-3-オン化合物、ならびに原虫感染症、細菌感染症、寄生生物感染症、および細胞増殖障害の治療および予防法におけるそれらの使用に関する。チグリエン-3-オン化合物は、ヒト、動物、植物および環境における害虫の防除法においても使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、生体活性分子に関する。より詳細に述べると、本発明は、治療的恩恵の可能性のあるおよび/または医薬もしくは農業用化学物質としての使用の チグリエン(tiglien)-3-オン誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
植物、微生物、サンゴおよび他の海洋生物を含む天然環境から、生体活性のある天然の製品を調査およびスクリーニングする、バイオ関連の発見は成長分野である。生体活性のある天然の製品の探索において、生物学的物質は、例えば、癌の治療、抗原虫治療、抗寄生生物治療、抗生物質治療および抗炎症治療などの広範な治療における潜在的使用に関する治療的恩恵であり得る特性、または農薬活性を有する分子についてスクリーニングされる。
【発明の開示】
【0003】
発明の概要
本発明は、細胞毒性物質、抗原虫物質、抗寄生生物物質および抗生物質としての潜在的新規の治療的用途、または農業用途のための農薬物質としての可能性がある、新規チグリエン-3-オン誘導体の発見から生じる。
【0004】
本発明のひとつの局面は、式Iの化合物、またはそれらの薬学的、農学的または農薬的に許容される塩を提供する:

式中
Xは、-S-、-O-、-NH-または-N(C1-6アルキル)-から選択され;
各nは、1〜10から独立して選択され;
R1からR24は、各々、水素、-C1-C20アルキル、-C2-C20アルケニル、-C2-C20アルキニル、-C3-C8シクロアルキル、-C6-C14アリール、-C5-C14ヘテロアリール、C3-C14ヘテロシクリル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、ハロ、-CN、-NO2、-C1-C10ハロアルキル、-C1-C10ジハロアルキル、-C1-C10トリハロアルキル、-COR28、-CO2R28、-OR28、-SR28、-N(R28)2、-NR28OR28、-ON(R28)2、-SOR28、-SO2R28、-SO3R28、-SON(R28)2、-SO2N(R28)2、-SO3N(R28)2、-P(R28)3、-P(O)(R28)3、-OSi(R28)3、-OB(R28)2、-C(Z)R28および-ZC(Z)R28から選択され;
R28は、水素、-C1-C20アルキル、-C2-C20アルケニル、-C2-C20アルケニル、-C3-C8シクロアルキル、-C6-C14アリール、-C5-C14ヘテロアリール、-C3-C14ヘテロシクリル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、-C1-C10ハロアルキル、-C1-C10ジハロアルキルおよび-C1-C10トリハロアルキルから独立して選択され;または
1つもしくは複数のR1(もしくはR2)はR3(もしくはR4)に結合され、および/またはR3(もしくはR4)はR5(もしくはR6)に結合され、および/またはR5(もしくはR6)はR7に結合され、および/またはR7はR8(もしくはR9)に結合され、および/またはR8(もしくはR9)はR10(もしくはR11)に結合され、および/またはR10(もしくはR11)はR12へ結合され、および/またはR12はR13(もしくはR14)に結合され、および/またはR13はR14へ結合され、および/またはR13(もしくはR14)はR15へ結合され、および/またはR15はR17へ結合され、および/またはR18(もしくはR19もしくはR20)はR22(もしくはR21)へ結合され、および/またはR22(もしくはR21)はR23へ結合され、および/またはR23はR1(もしくはR2)へ結合され、および/またはR24はR7(もしくはR16)もしくはR8(もしくはR9)へ結合され、R28、-(C=Z)R28および-Z(C=Z)R28により更に置換された、-C1-C8二置換(縮合)飽和または不飽和の、炭素環および複素環を形成するか;または
1つもしくは複数のR1(もしくはR2)はR3(もしくはR4)に結合され、R3(もしくはR4)はR5(もしくはR6)に結合され、R5(もしくはR6)はR7へ結合され、R7はR24へ結合され、R8(もしくはR9)はR10(もしくはR11)へ結合され、R16はR24へ結合され、R22(もしくはR21)はR23へ結合され、R23はR1(もしくはR2)へ結合され、R24はR7(もしくはR16)もしくはR8(もしくはR9)へ結合され、二重結合、エポキシドまたはチオエポキシドを形成するか;または
1つまたは複数のR1およびR2、R3およびR4、R5およびR6、R8およびR9、R10およびR11、R18およびR19(もしくはR18およびR20)、R21およびR22は、Zへの二重結合を形成し、ならびに
Zは、硫黄、酸素および-NH-または-N(C1-C6アルキル)-から選択される。
【0005】
一部の態様において、R1からR24の1つまたは複数のいずれかが-C2-C20アルケニルである場合、このアルケニルユニットは、単数、複数、アレニル、および/または共役されるか、もしくは省かれ(skip)てよい。
【0006】
別の態様において、R1からR10の1つまたは複数のいずれかが-C2-C20アルキニルである場合、R1からR10の1つまたは複数は、アリール基またはヘテロアリール基を更に含んでよい。
【0007】
更に別の態様において、R1からR24の1つまたは複数のいずれかが-C2-C20アルキニルである場合、アルキニルユニットは、単数または複数のアルキニルユニットであってよい。
【0008】
別の本発明の局面において、式IIの化合物、ならびに、それらの幾何異性体または立体異性体、およびそれらの薬学的、農学的または農薬的に許容される塩が提供される:

式中
Xは、-O-、-S-および-NR25-から選択され;
R1およびR2は、水素、-OH、-OC1-C10アルキル、-OC2-C10アルケニル、-OC2-C10アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C10アルキル、-OC(O)C2-C10アルケニル、-OC(O)C2-C10アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C10アルキル、-OC(O)NHC2-C10アルケニル、-OC(O)NHC2-C10アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C10アルキル、-OC(S)NHC2-C10アルケニル、-OC(S)NHC2-C10アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから独立して選択されるか、またはR1およびR2は一緒に、=O、=S、=NHもしくは=N(C1-C6アルキル)であり;
R3は、水素、-C1-C10アルキル、-C2-C10アルケニルまたは-C2-C10アルキニルであり;
R4およびR5は、各々、水素、-C1-C10アルキル、-C2-C10アルケニル、-C2-C10アルキニル、-OH、-OC1-C10アルキル、-OC2-C10アルケニル、-OC2-C10アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C10アルキル、-OC(O)C2-C10アルケニル、-OC(O)C2-C10アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C10アルキル、-OC(O)NHC2-C10アルケニル、-OC(O)NHC2-C10アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C10アルキル、-OC(S)NHC2-C10アルケニル、-OC(S)NHC2-C10アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリール、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2もしくはN(R25)2であるか、あるいはR4およびR5は一緒に、二重結合を形成するか、または-O-、-S-、-NR25-もしくは-CR26R27-であり;
R6は、水素、-C1-C10アルキル、-C2-C10アルケニルおよび-C2-C10アルキニルから選択され;
R8は、水素、-C1-C10アルキル、-C2-C1Oアルケニルおよび-C2-C10アルキニルから選択され;
R10は、水素、-C1-C10アルキル、-C2-C10アルケニルおよび-C2-C10アルキニルから選択され;
R11は、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC2-C20アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C20アルキル、-OC(O)NHC2-C20アルケニル、-OC(O)NHC2-C20アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C20アルキル、-OC(S)NHC2-C20アルケニル、-OC(S)NHC2-C20アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから選択されるか、またはR10およびR11は一緒に、カルボニル基(=O)を形成し;
R12は、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC2-C20アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C20アルキル、-OC(O)NHC2-C20アルケニル、-OC(O)NHC2-C20アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C20アルキル、-OC(S)NHC2-C20アルケニル、-OC(S)NHC2-C20アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから選択され;
R13およびR14は、水素および-C1-C10アルキルから独立して選択され;
R18は、C1-C20アルキル、-C2-C20アルケニル、-C2-C20アルキニル、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC2-C20アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-NHC1-C20アルキル、-NHC2-C20アルケニル、-NHC2-C20アルキニル、-NHシクロアルキル、-NHアリール、-NHヘテロシクリル、-NHヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C20アルキル、-OC(O)NHC2-C20アルケニル、-OC(O)NHC2-C20アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C20アルキル、-OC(S)NHC2-C20アルケニル、-OC(S)NHC2-C20アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから選択され;
R19およびR20は、水素、-C1-C6アルキル、-C2-C6アルケニル、-C2-C6アルキニル、-OH、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC2-C6アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C6アルキル、-OC(O)C2-C6アルケニル、-OC(O)C2-C6アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリールから独立して選択されるか、またはR19およびR20は一緒に、カルボニル基もしくはチオカルボニル基を形成し;
R21は、水素、-C1-C10アルキル、-C2-C10アルケニルおよび-C2-C10アルキニルから選択され;
R22は、水素、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC2-C20アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C20アルキル、-OC(O)NHC2-C20アルケニル、-OC(O)NHC2-C20アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C20アルキル、-OC(S)NHC2-C2Oアルケニル、-OC(S)NHC2-C20アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから選択されるか、またはR21およびR22は一緒に、カルボニル基を形成し;
R23は、水素、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC2-C20アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C20アルキル、-OC(O)NHC2-C20アルケニル、-OC(O)NHC2-C20アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C20アルキル、-OC(S)NHC2-C20アルケニル、-OC(S)NHC2-C20アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから選択され;
R24は、水素、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC2-C20アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C20アルキル、-OC(O)NHC2-C20アルケニル、-OC(O)NHC2-C20アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C20アルキル、-OC(S)NHC2-C20アルケニル、-OC(S)NHC2-C20アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから選択され;
R25は、水素および-C1-C10アルキルから選択され;
R26およびR27は、水素、-C1-C10アルキル、-OH、-OC1-C10アルキルから独立して選択され;
ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは各々、置換されてもよい。
【0009】
ひとつの態様において、式(II)のタグリエノン(taglienone)誘導体は、式(III)の化合物、またはそれらの幾何異性体または立体異性体および薬学的、農学的または農薬的に許容される塩である:

式中
R3は、水素、-C1-C6アルキルまたは-C2-C6アルケニルであり;
R4およびR5は、各々独立して、水素、-C1-C6アルキル、-C2-C6アルケニル、-OH、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC(O)C1-C6アルキル、-OC(O)C2-C6アルケニル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、F、Cl、BrもしくはIであるか、またはR4およびR5は一緒に、二重結合を形成するかもしくは-O-であり;
R6は、水素、-C1-C6アルキルまたは-C2-C6アルケニルであり;
R8は、水素、-C1-C6アルキルまたは-C2-C6アルケニルであり;
R13およびR14は、各々独立して水素または-C1-C6アルキルであり;
Ra、Rb、Rc、Rd、ReおよびRfは、水素、-C1-C20アルキル、-C2-C20アルケニル、-C2-C20アルキニル、-C(O)C1-C20アルキル、-C(O)C2-C20アルケニル、-C(O)C2-C20アルキニル、-C(O)シクロアルキル、-C(O)アリール、-C(O)ヘテロシクリル、-C(O)ヘテロアリール、-C(O)NHC1-C20アルキル、-C(O)NHC2-C20アルケニル、-C(O)NHC2-C20アルキニル、-C(O)NHシクロアルキル、-C(O)NHアリール、-C(O)NHヘテロシクリル、-C(O)NHヘテロアリール、-C(S)NHC1-C20アルキル、-C(S)NHC2-C20アルケニル、-C(S)NHC2-C20アルキニル、-C(S)NHシクロアルキル、-C(S)NHアリール、-C(S)NHヘテロシクリルおよび-C(S)NHヘテロアリールから各々独立して選択され;
ここでアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基は各々、置換されてもよい。
【0010】
好ましい態様において、式(II)の化合物は、式IVの化合物、ならびにそれらの幾何異性体または立体異性体およびそれらの薬学的、農学的または農薬的に許容される塩である:

式中
R3は、水素、-C1-C6アルキルまたは-C2-C6アルケニルであり;
R4およびR5は、各々独立して、水素、-C1-C6アルキル、-C2-C6アルケニル、-OH、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC(O)C1-C6アルキル、-OC(O)C2-C6アルケニル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、F、Cl、BrもしくはIであるか、またはR4およびR5は一緒に、二重結合を形成するかもしくは-O-であり;
R6は、水素、-C1-C6アルキルまたは-C2-C6アルケニルであり;
R8は、水素、-C1-C6アルキルまたは-C2-C6アルケニルであり;
R10は、水素であり;
R11は、ヒドロキシ、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリールであるか;または、R10およびR11は一緒に、カルボニル基を形成し;
R12'は、水素、-C1-C20アルキル、-C2-C20アルケニル、-C(O)C1-C20アルキル、-C(O)C2-C20アルケニル、-C(O)アリール、-C(O)ヘテロシクリルまたは-C(O)ヘテロアリールであり;
R13およびR14は、各々独立して、水素または-C1-C6アルキルであり;
R18'は、水素、-C1-C6アルキル、-C2-C6アルケニル、-C(O)C1-C6アルキル、-C(O)C2-C6アルケニル、-C(O)アリール、-C(O)ヘテロシクリルまたは-C(O)ヘテロアリールであり;
R19およびR20は、水素、-OH、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニルから独立して選択されるか、またはR19およびR20は一緒に、カルボニル基を形成し;
R21は、水素であり;
R22は、ヒドロキシ、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC(O)C1-C6アルキル、-OC(O)C2-C6アルケニル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリールであるか、またはR21およびR22は一緒に、カルボニル基を形成し;
ここでアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは各々、置換されてもよい。
【0011】
式IIの好ましい態様において、以下の少なくともひとつが適用される:
R1およびR2は、水素もしくは-OHから独立して選択されるか、または一緒にカルボニル基を形成し;
R3は、水素または-C1-C3アルキル、特に水素またはメチルであり;
R4およびR5は、各々水素であるか、またはR4およびR5は、二重結合を形成するか、もしくは-O-であり;
R6は、水素または-C1-C3アルキル、特に水素であり;
R8は、水素または-C1-C3アルキル、特に水素またはメチルであり;
R10は、水素であり;
R11は、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、特に-OC(O)C1-C15アルキルまたは-OC(O)C2-C15アルケニルであり、ここで各アルケニル基は、1個または複数の二重結合を有し、これらの二重結合は、孤立されるかまたは共役されてよく;
R12は、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC(O)C1-C20アルキルまたは-OC(O)C2-C20アルケニル、特に-OC(O)C1-C10アルキル、-OC(O)C2-C10アルケニルであり;
R13およびR14は、各々独立して、水素または-C1-C3アルキル、特に水素またはメチルであり、より特定するとR13およびR14の両方はメチルであり;
R18は、-OH、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC(O)C1-C6アルキルまたは-OC(O)C2-C6アルケニル、特に-OHまたは-OC(O)C1-C3アルキルであり;
R19およびR20は、水素、-OH、-OC1-C3アルキル、-OC2-C3アルケニルから独立して選択されるか、またはR19およびR20は一緒に、カルボニル基を形成し、特に水素、ヒドロキシであるかもしくは一緒にカルボニル基を形成し;
R21は、水素であり;
R22は、-OH、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC(O)C1-C6アルキルまたは-OC(O)C2-C6アルケニル、特に-OHまたは-OC(O)C1-C3アルキルであり;
R23は、-OHまたは-OC1-C3アルキル、特に-OHであり;
R24は、-OHまたは-OC1-C3アルキル、特に-OHである。
【0012】
ひとつの特定の態様において、化合物は、式IIの化合物であり、これは12-チグロイル-13-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン(tigliaen)-3-オン(EBI-46)である:

【0013】
別の態様において、化合物は、12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-チグリアエン-3-オン(EBI-47)である:

【0014】
更に別の特定の態様において、化合物は、12-(ドデカ-2,4,6-トリエノイル)-13-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-59)である:

【0015】
なお更に別の特定の態様において、化合物は、12-(デカ-2,4-ジエノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-61)である:

【0016】
更に別の態様において、化合物は、12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-1,2-2H-1,2,6,7-ジエポキシ-6-カルボキシ-4,5,9,12,13-ペンタヒドロキシ-チグリアエン-3-オンである:

【0017】
更に別の態様において、化合物は、12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-5,20-ジ-アセトイル-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-チグリアエン-3-オンである:

【0018】
用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子を有する、置換されてもよい直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味する。アルキル基は、適宜、特定された数の炭素原子を有してよく、例えば直鎖または分枝鎖の配置で1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基を含む-C1-C6アルキルである。アルキル基の非限定的例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s-およびt-ブチル、ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-エチルブチル、3-エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルを含む。
【0019】
用語「アルケニル」は、2〜20個の炭素原子を有しかつ少なくとも1個の二重結合を有する、置換されてもよい不飽和の直鎖または分枝鎖の炭化水素を意味する。アルケニル基は、適宜、特定された数の炭素原子を有してよく、例えば直鎖または分枝鎖の配置で2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルケニル基を含む、C2-C6アルケニルである。アルケニル基の非限定的例は、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、s-およびt-ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプタ-1,3-ジエン、ヘキサ-1,3-ジエン、ノナ-1,3,5-トリエンなどを含む。
【0020】
用語「アルキニル」は、2〜20個の炭素原子を有し、少なくとも1個の三重結合を有する、置換されてもよい不飽和の直鎖または分枝鎖の炭化水素を意味する。アルキニル基は、適宜、特定された数の炭素原子を有してよく、例えば直鎖または分枝鎖の配置で2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキニル基を含む、C2-C6アルキニルである。非限定的例は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニルを含む。
【0021】
用語「シクロアルキル」および「炭素環式」は、置換されてもよい飽和または不飽和の単環、二環または三環の炭化水素基を意味する。シクロアルキル基は、適宜、特定された数の炭素原子を有してよく、例えばC3-C6シクロアルキルは、3、4、5または6個の炭素原子を有する炭素環基である。非限定的例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニルなどを含んでよい。
【0022】
「アリール」は、各環に最大7個の原子を有し、少なくとも1個の環は芳香族である、C6-C14員の単環、二環または三環の炭素環システムを意味する。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルおよびビフェニルを含むが、これらに限定されるものではない。アリールは、1〜3個のベンゼン環を含んでよい。2個またはそれよりも多い芳香環が存在する場合、これらの環は共に縮合し、隣接環は共通の結合を共有することができる。
【0023】
「複素環式」または「ヘテロシクリル」は、環に3〜8個の原子を有し、それらの原子の1〜4個はヘテロ原子である非芳香環であり、該環は、孤立されるか、または0〜4個のヘテロ原子を含む3-〜7-員の脂環式環から選択された第二の環に縮合されており、ここで該ヘテロ原子は、O、NおよびSから独立して選択されるものを意味する。複素環式は、部分的におよび完全に飽和された複素環式基を含む。複素環式システムは、別の部分へ、ラジカルのいくつかの炭素原子またはヘテロ原子を介して結合されてよく、ならびに全ての形の炭水化物部分を含む飽和および不飽和の両方であってよい。複素環式の非限定的例は、ピロリジニル、ピロリニル、ピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピラゾリニル、ジチオリル、オキサチオリル、ジオキサジニル、ジオキシニル、オキサジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、オキセピニルおよびチアピニル、イミダゾリニル、チオモルホリニルなどを含む。
【0024】
本明細書において使用される用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環は芳香族であり、ならびに少なくとも1個の環は、硫黄、酸素および窒素から選択された1〜4個のヘテロ原子を含む、各環内に最大7個の原子の、安定した単環または二環を意味する。ヘテロアリールは、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、フリル、1-イソベンゾフラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、プリニル、フタラジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3,4-オキサトリアゾリル、1,2,3,5-オキサトリアゾリル、1,3,5-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、チオナフテニル、イソチオナフテニル、インドレニニル、2-イソベンズアゾリル、1,5-ピリンジニル、ピラノ[3,4-b]ピロリル、イソインダゾリル、インドキサジニル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、ピリド[3,4-b]ピリジニル、ピリド[3,2-b]ピリジニル、ピリド[4,3-b]ピリジニル、アクリジニル、カルバゾリル、キナオキサリニル(quinaoxalinyl)、ピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、チオフェニル、イソキノリニル、ピリジニル、テトラヒドロキノリニル、ベンズアゼピニル、ベンゾジオキサジニル、ベンゾオキセピニル、ベンゾジアゼピニル、ベンゾチアゼピニルおよびベンゾチエピニルなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0025】
各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基は、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-CF3、-CO2R28、-COR28、-OR28、-SR28、-N(R28)2、-NO2、-NR28OR28、-ON(R28)2、-SOR28、-SO2R28、-SO3R28、-SON(R28)2、-SON(R28)2、-SO3N(R28)2、-P(R28)3、-P(=O)(R28)3、-OSi(R28)3、-OB(R28)2(式中、R28 は、先に定義されたものである)から独立して選択される、1個または複数の置換基により置換されてもよい。
【0026】
更に別の本発明の局面は、式(I)または式(II)の化合物の薬学的、農学的または農薬的に許容される塩を提供する。
【0027】
本明細書において使用される用語「薬学的に許容される塩」、「農学的に許容される塩」および「農薬的に許容される塩」は、ヒトもしくは動物への全身もしくは局所投与に関して毒性学的に安全である塩、または植物もしくは環境へ安全に適用することができる塩を意味する。薬学的、農学的または農薬的に許容される塩は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属、アンモニウム、アルミニウム、鉄、アミン、グルコサミン、クロリド、硫酸塩、スルホン酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ナプシル酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、テレフタル酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩およびs-メチルメチオニン塩、ピペラジンなどを含むが、これらに限定されるものではない群から選択されてよい。
【0028】
本発明の化合物は、不斉中心を有してよく、従って1種よりも多い立体異性型で存在することが可能であることも認識される。その結果、本発明は、1つまたは複数の不斉中心で実質的に純粋な異性体型、約90%よりも大きいee、例えば約95%もしくは97%ee、または99%よりも大きいeeの化合物、更にはそれらのラセミ混合物を含む混合物にも関する。このような異性体は、天然の供給源から分離することによるか、例えばキラル中間体を使用する、不斉合成によるか、またはキラル分割により得ることができる。本発明の化合物は、幾何異性体として存在してもよい。本発明は、実質的に純粋なシス(Z)もしくはトランス(E)型の化合物、またはそれらの混合物にも関する。
【0029】
本発明の化合物は、植物体または植物の一部から単離することによるか、または単離された化合物の誘導体化によるか、または関連化合物の誘導体化により得ることができる。
【0030】
更に本発明の別の局面は、式(I)から式(IV)の化合物を1種または複数単離する方法を提供し、この方法は、該1種または複数の化合物を植物体または植物の一部から抽出する工程を含む。
【0031】
この植物は、フォンテイネア(Fontainea)属またはハイランディア(Hylandia)属が好ましい。
【0032】
好ましい種は、フォンテイネア・パンケリ(Fontainea pancheri)、フォンテイネア・アウストラリス(Fontainea australis)、フォンテイネア・ボレアリス(Fontainea borealis)、フォンテイネア・フガックス(Fontainea fugax)、フォンテイネア・オラリア(Fontainea oraria)、フォンテイネア・ピクロスペルマ(Fontainea picrosperma)、フォンテイネア・ロストラタ(Fontainea rostrata)、フォンテイネア・サブパプアナ(Fontainea subpapuana)、フォンテイネア・ベノサ(Fontainea venosa)またはハイランディア・ドクリリ(Hylandia dockrillii)であり、特にフォンテイネア・ピクロスペルマ、フォンテイネア・ベノサまたはハイランディア・ドクリリである。
【0033】
植物の一部は、果実、種子、樹皮、葉、花、根および樹木である。
【0034】
好ましくは、この抽出物は、種子、樹皮および/または花から得られる。
【0035】
例えば、植物の種子、葉、花および樹皮から得られたバイオマスは、例えばメタノールのような極性溶媒による、最初の溶媒抽出に供せられる。次に最初の抽出物は、濃縮され、水で希釈され、例えば酢酸エチルなどの第二の溶媒による抽出に供せされる。第二の抽出からの溶媒試料はプールされ、分取用HPLC分画による分離に供せられる。これらの画分を、分析用HPLCにより分析し、試料中に認められた化合物の保持時間に応じてプールする。プールされた画分を、秤量し、バイオアッセイし、分析用HPLCにより分析する。1種または複数の分取用HPLCを用い更なる分画を行い、特定の化合物を単離する。各化合物を、バイオアッセイし、その構造を、UV、NMRおよび質量分析技術により同定する。
【0036】
本発明の他の化合物は、植物体または植物の一部から、特にフォンテイネア属から、特にフォンテイネア・ピクロスペルマ種から、特にフォンテイネア・ピクロスペルマの種子、樹皮および/または花から、単離された化合物を誘導体化することにより得ることができる。
【0037】
この天然の化合物の誘導体は、当技術分野において公知の技術により得ることができる。例えば、ヒドロキシ基は、クロム酸、ジョーンズ試薬、KMnO4、mCPBA(メタクロロ過安息香酸)のような過酸、またはジメチルジオキシラン(DMDO)およびメチル(トリフルオロメチル)ジオキシラン(TFDO)のようなジオキシランなどの酸化剤に曝すことにより、ケトン、アルデヒドまたはカルボン酸へ酸化されてよい。酸化剤は、その分子内の他の官能基が、酸化されるか、もしくは同じく酸化されないように、選択されてよい。例えば第1級アルコールは、第2級アルコールの存在下で、RuCl2(PPh3)3-ベンゼンなどの試薬を使用し、アルデヒドまたはカルボン酸へ選択的に酸化されてよい。第2級アルコールは、第1級アルコールの存在下で、Cl2-ピリジンまたはNaBrO3-セリック-アンモニウム硝酸を使用し、ケトンへ選択的に酸化されてよい。アルコールは、二重結合および三重結合の存在下で、隣接立体中心でのエピマー化を伴わずに、セライト(または塩化アンモニウム)を使うかまたは使わずに、ジョーンズ試薬を用いて、酸化されてよい。あるいは、選択された試薬は、より選択性が低く、1種よりも多い官能基の酸化を生じてもよい。
【0038】
ヒドロキシ基は、エーテル化またはアシル化によっても誘導体化されてよい。例えばエーテルは、塩基の存在下でのアルコキシドイオンの形成、およびアルコキシドの適当なハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アルキニル、またはハロゲン化アリールとの反応により、調製されてよい。同様にアシル化は、アルコキシドイオンの形成、および適当なカルボン酸または活性化されたカルボン酸(無水物など)との反応により達成されてよい。
【0039】
ヒドロキシ基は、誘導体化され、イソシアネートまたはイソチオシアネートとの反応により、カルバメートまたはチオカルバメートを提供してよい。
【0040】
カルボン酸は、ローソン試薬を用い、チオエステルまたはチオアミドへ転換され得る。
【0041】
アシル基は、当技術分野において公知の酸または塩基加水分解により、加水分解され、アルコールを提供してよく、これらのアルコールは更に先のように誘導体化され得る。
【0042】
α-不飽和のケトンを含む、ケトンは、二重結合の還元を伴うことなく、水素化アルミニウムリチウムおよび他の金属水素化物などの還元剤により、第2級アルコールへ還元される。
【0043】
二重結合および三重結合は、例えばH2/Pdのような触媒還元を用い、単結合へ還元されてよい。二重結合は、例えばmCPBAなどの過酸、またはDMDOおよびTFDOのようなジオキシランのような酸化剤を用い、エポキシドへ酸化されてもよい。二重結合は、ハロ基、ヒドロキシまたはアルコキシ基およびアミンなどの置換基を導入する、付加反応にも供され得る。
【0044】
当業者は、例えば合成法に関連する文献、例としてSmith M.B.およびMarch J.の「March's Advanced Organic Chemistry」第5版, John Wiley & Sons Inc., 2001、ならびにLarock R.C.の「Comprehensive Organic Transformations」、VCH Publishers Ltd., 1989などを参照し、単離された化合物の誘導体を得るための好適な条件を決定することができるであろう。更に官能基の選択的操作は、他の官能基の保護を必要とすることがある。望ましくない副反応を防止するための好適な保護基は、GreenおよびWutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」, John Wiley & Sons Inc., 第3版, 1999に記されている。
【0045】
本発明の更になお別の局面は、1種または複数の式(I)または式(II)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を有効量、ならびに薬学的に許容される担体、希釈剤および/または賦形剤を含有する、疾患または状態の治療または予防のための薬学的組成物を提供する。
【0046】
薬学的用途のための剤形および投薬率ならびに組成物は、当業者により容易に決定される。
【0047】
剤形は、錠剤、分散剤、懸濁剤、注射剤、液剤、シロップ剤、トローチ剤、カプセル剤、坐剤、エアロゾル、経皮貼付剤、クリーム剤、ゲル剤などを含む。これらの剤形は、薬学的組成物の制御放出のために特にデザインされた、または変更された器具を注入または埋込むことも含む。治療的物質の制御放出は、例えばアクリル樹脂、ワックス、高級脂肪族アルコール、ポリ乳酸(polyactic acid)およびポリグリコール酸およびある種のセルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む疎水性ポリマーによる、治療物質のコーティングにより実現されてもよい。加えて制御放出は、その他のポリマーマトリクス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを使用することにより実現されてもよい。
【0048】
薬学的に許容される担体および全身投与のために許容される担体も、本発明の組成物へ組込まれてよい。
【0049】
適当ならば、薬学的組成物は、薬学的に許容される賦形剤または許容される賦形剤を含有する。「薬学的に許容される賦形剤」とは、安全に使用することができる、固形または液体の充填剤、希釈剤または封入物質を意味する。特定の投与経路に応じて、当技術分野において周知の様々な担体を使用してよい。これらの担体または賦形剤は、糖類、デンプン、セルロースおよびその誘導体、麦芽、ゼラチン、タルク、硫酸カルシウム、植物油、合成油、ポリオール、アルギン酸、リン酸緩衝液、乳化剤、等張生理食塩水、およびパイロジェンフリー水を含む群から選択されてよい。
【0050】
本発明の薬学的組成物をヒトまたは非ヒト患者へ提供するために、いずれか好適な投与経路を使用してよい。例えば経口、経直腸、非経口、舌下、頬内、静脈内、関節内、筋肉内、皮内、皮下、吸入、眼内、腹腔内、脳室内、経皮などを使用してよい。
【0051】
投与に適した本発明の薬学的組成物は、本発明の薬学的活性化合物を1種または複数、予め決定された量、各々含有するバイアル、カプセル、サシェまたは錠剤のような個別の単位で、散剤もしくは顆粒剤として、または水性液体、非水性液体、水中油乳剤もしくは油中水乳剤の液剤もしくは懸濁剤として、またはクリーム剤もしくはゲル剤中の液剤もしくは懸濁剤として提供されてよい。このような組成物は、任意の調剤法により調製されてよいが、全ての方法は、1種または複数の本発明の薬学的活性化合物を、1種または複数の必要な成分を構成する担体と会合する工程を含む。一般にこれらの組成物は、本発明の作用物質を、液体担体、または微粉化された固形担体と、均質かつ密に混合し、次に必要ならば所望の形状に製品を造形することにより、調製される。
【0052】
散剤において、担体は微粉化された固形物であり、これは微粉化された活性成分との混合物中にある。
【0053】
錠剤において、活性成分は、好適な割合で必要な結合能を有する担体と混合され、所望の形状およびサイズに圧縮される。
【0054】
散剤および錠剤は、活性化合物を5または10%から約70%まで含むことが好ましい。好適な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオバターなどである。用語「調製」は、カプセル剤中で担体を伴うかまたは伴わない活性成分が、担体により取り囲まれ、その結果担体が活性成分と会合しているカプセル剤を提供する、担体としての封入物質を伴う活性化合物の製剤化を含むことを意図している。同様に、カシェ剤および舐剤が含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤および舐剤は、経口投与に適した固形の形状として使用することができる。
【0055】
坐剤の調製に関して、脂肪酸グリセリドまたはカカオバターの混合物のような、低融点ワックスが、最初に融解され、活性成分が攪拌によりその中で均質に分散される。融解した均質な混合物は次に、手頃なサイズの金型に注がれ、冷却され、これにより固化される。
【0056】
膣内投与に適した製剤は、活性成分に加え、適当であることが当技術分野において公知である担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、パスタ剤、泡剤または噴霧剤として提供されてよい。
【0057】
液体形状の調製物は、液剤、懸濁剤、および乳剤、例えば水または水-プロピレングリコール溶液を含む。例えば、非経口注射用液体調製物は、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液として製剤することができる。
【0058】
従って本発明の化合物は、非経口的投与(例えば、ボーラス注射または連続注入などの注射により)のために製剤化されてよく、ならびに、アンプル、事前充填式シリンジ、小容量の輸液の単位剤形で、または保存剤が添加された反復投与用容器で提供されてよい。これらの組成物は、油性または水性ビヒクル内の、懸濁剤、液剤または乳剤などの形をとってよく、ならびに懸濁化剤、安定剤および/または分散剤などの製剤用物質(formulatory agent)を含んでよい。あるいは活性成分は、使用前の例えば滅菌されたパイロジェンフリー水などの好適なビヒクルによる構成のために、滅菌固形物の無菌的単離によるか、または溶液の凍結乾燥により得られた粉末型であることができる。
【0059】
経口使用に適した水溶液は、活性成分を水に溶解し、ならびに望ましいならば、好適な着色剤、香料、安定化剤および増粘剤を添加することにより、調製することができる。
【0060】
経口使用に適した水性懸濁剤は、粘度のある材料、例えば天然もしくは合成のゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたは他の周知の懸濁化剤と共に、微粉化された活性成分を、水中に、分散することにより作製することができる。
【0061】
同じく経口投与のために使用直前に液体型調製物へ転換されることが意図された、固形型調製物も含まれる。このような液体型は、溶液、懸濁液および乳液を含む。これらの調製物は、活性成分に加え、着色剤、香料、安定化剤、緩衝剤、人工および天然の甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含んでよい。
【0062】
表皮への局所投与については、本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤もしくはローション剤に、または経皮貼付剤として製剤化されてもよい。軟膏剤およびクリーム剤は、好適な増粘剤および/またはゲル化剤の添加に加え、例えば水性または油性基剤と共に製剤化されてよい。ローション剤は、水性または油性基剤と共に製剤化されてよく、ならびに乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤または着色剤の1種または複数も通常含む。
【0063】
口内の局所投与に適した製剤は、通常ショ糖およびアカシアゴムまたはトラガントである、矯味矯臭された基剤中に、活性物質を含有する舐剤;ゼラチンおよびグリセリンまたはショ糖およびアカシアゴムなどの不活性基剤中に、活性成分を含有する、香錠;ならびに、好適な液体担体中に活性成分を含有する、含嗽剤を含む。
【0064】
液剤または懸濁剤は、例えば点滴注入器、ピペットまたはスプレーのような都合のよい手段により、鼻腔へ直接適用される。これらの製剤は、単回用量または反復用量の形で提供されてよい。点滴注入器またはピペットでの後者の場合、これは、患者による、適当な予め決められた容量の溶液または懸濁液の投与により実現されてよい。スプレーの場合、これは例えば計量噴霧スプレーポンプにより実現されてよい。経鼻送達および滞留を改善するために、本発明の化合物は、シクロデキストリンにより封入されるか、または鼻腔粘膜中での送達および滞留を増強すると期待される作用物質と共に製剤化されてよい。
【0065】
気道への投与も、活性成分が、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、またはジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の好適な気体などの好適な噴射剤と共に、加圧された容器中に提供されるエアロゾル製剤により実現されてよい。エアロゾルは、レシチンのような界面活性剤も好都合に含有してよい。薬物の投与量は、定量バルブの提供により、制御されてよい。
【0066】
あるいは、これらの活性成分は、乾燥散剤、例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドン(PVP)などの、好適な粉末基剤中の化合物の粉末混合物の形で提供されてよい。
【0067】
好都合なことに、この粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。この粉末組成物は、例えばゼラチンなどのカプセルまたはカートリッジ、またはそこから粉末が吸入器により投与されるブリスターパックとして、単位剤形で提供されてよい。
【0068】
鼻腔内製剤を含む、気道への投与が意図された製剤において、化合物は一般に、例えば1〜10ミクロンまたはそれ未満の桁である、小さい粒子サイズを有するであろう。このような粒子サイズは、例えば微粉化によるような、当技術分野において公知の手段により得ることができる。
【0069】
本発明の組成物の式(I)および式(II)の活性化合物は、疾患または状態を予防、阻害または改善するのに十分な量で存在する。式(I)または式(II)の化合物およびそれらを含有する薬学的組成物の好適な用量は、当業者は容易に決定することができる。
【0070】
なお更なる本発明の局面において、1種または複数の式(I)または式(II)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩を有効量、そのような治療を必要とする対象へ投与する工程を含む、疾患または状態を治療または予防する方法が提供される。
【0071】
更に別の本発明の局面において、疾患または状態の治療または予防のための医用薬剤の製造における、1種または複数の式(I)または式(II)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩の使用が提供される。
【0072】
疾患または状態の非限定的例は、細菌感染症、寄生生物侵入、および細胞増殖障害である。非限定的態様において、式(I)または式(II)の化合物は、抗寄生生物活性(例えば、ヘモンクス・コントルタス(Haemonchus contortus)のような、内寄生生物および/または外寄生生物に対して)、抗生物質活性(例えば、枯草菌(Bacillus subtilis)に対して)、抗原虫活性(例えば、ジアルジア属ポートランド(Portland)種に対して)、細胞毒性活性(例えば、基底細胞癌および/もしくは扁平上皮癌および/もしくはメラノーマに対して)、ならびに/または抗腫瘍活性(例えば、白血病、メラノーマ、前立腺癌、乳癌、卵巣癌および/もしくは他の固形腫瘍に対して)から選択される、1種または複数の活性を有する。
【0073】
本発明のひとつの局面において、式(I)または式(II)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を対象へ投与する工程を含む、対象において細菌感染症を治療または予防する方法が提供される。
【0074】
好ましい態様において、式(I)または式(II)の化合物は、12-チグロイル-13-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-46)である。
【0075】
細菌感染症は、グラム陽性菌またはグラム陰性菌、特にグラム陽性菌により引き起こされ得る。本発明の化合物により制御される細菌の非限定的例は、バチルス属(Bacillus)、例えば枯草菌、炭疽菌(B. anthracis)、B.セレウス(B. cereus)、B.ファーマス(B. firmis)、B.リケニフォルミス(B. licheniformis)、B.メガテリウム(B. megaterium)、B.プミルス(B. pumilus)、B.コアグランス(B. coagulans)、B.パントセンティカス(B. pantothenticus)、B.アルベイ(B. alvei)、B.ブレービス(B. brevis)、B.シルキュビンス(B. circubins)、B.ラテロスポラス(B. laterosporus)、B.マセランス(B. macerans)、B.ポリミクサ(B. polymyxa)、B.ステアロサーモフィルス(B. stearothermophilus)、B.チューリンゲンシス(B. thuringiensis)、およびB.スファエリカス(B. sphaericus);ブドウ球菌属(Staphlococcus)、例えば、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)、S.ヘモリディカス(S. haemolyticus)、腐性ブドウ球菌(S. saprophyticus);連鎖球菌属(Streptococcus)、例えば、化膿連鎖球菌(S. pyrogenes)、肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)、S.アガラクチアエ(S. alagactiae)、S.ディスガラクティエ(S. dysgalactiae)、S.エクイシミリス(S. equisimilis)、S.エクイ(S. equi)、S.ズーエピデミカス(S. zooepidemicus)、S.アンギノーサス(S. anginosus)、唾液連鎖球菌(S. salwarius)、S.ミレリ(S. milleri)、サングイス連鎖球菌(S. sanguis)、S.ミチオール(S. mitior)、S.ミュータンス(S. mutans)、糞便連鎖球菌(S. faecalis)、S.フェシウム(S. faecium)、S.ボビス(S. bovis)、S.エクイナス(S. equinus)、S.ユベリス(S. uberus)、およびS.アビウム(S. avium);アエロコッカス属(Aerococcus)種、双子菌属(Gemella)種、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)種、リステリア属(Listeria)種、カルシア属(Kurthia)種、乳酸桿菌属(Lactobacillus)種、エリジペロスリックス属(Erysipelothrix)種、アラクニア属(Arachnia)種、放線菌属(Actinomyces)種、プロピオン酸菌属(Propionibacterium)種、ロチア属(Rothia)種、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacteriun)種、クロストリジウム属(Clostridium)種、ユーバクテリウム属(Eubacterium)種、ノカルジア属(Nocardia)種、およびミコバクテリウム属(Mycobacterium)種である。
【0076】
別の本発明の局面において、式(I)または式(II)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を対象へ投与する工程を含む、対象または植物における寄生生物感染を治療または予防する方法が提供される。
【0077】
好ましい態様において、寄生生物は、ヘルミンス(蠕虫)、特に線虫、吸虫および条虫、例えばヘモンクス・コントルタス、旋毛虫(Trichinella spiralis)、H.プラセイ(H. placei)、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)、オステルタジア・サーカムシンクタ(Ostertagia circumcincta)、O.オステルタギ(O. ostertagi)、ウシ捻転胃虫(Mecistocirrus digitatus)、トリコストロンギラス・アクセイ(Trychostrongylus axei)、ヒト鞭虫(Trichuris trichiura)、イヌ鞭虫(T. vulpis)、T.カンパヌラ(T. campanula)、ブタ鞭虫(T. suis)、ヒツジ鞭虫(T. ovis)、ブノストマム・トリゴノセファラム(Bunostomum trigonocephalum)、B.フレボトマム(B. phleboyomum)、エソファゴストマム・コルンビアナム(Oesophagostomum columbianum)、O.ランヂアタム(O. radiatum)、クーペリア・クルチセイ(Cooperia curticei)、C.プンクタータ(C. punctata)、C.オンコホラ(C. oncophora)、C.ペクチナータ(C. pectinata)、ストロンギロイデス・パピローサス(Strongyloides papillosus)、シャベルチア・オビナ(Chabertia ovina)、ズビニ鉤虫(Ancylostoma duodenale)、ブラジル鉤虫(A. braziliense)、ネコ鉤虫(A. tubaeforme)、イヌ鉤虫(A. caninum)、アスカリス・ルンブリコイデス(Ascaris lumbricoides)、ヒト蟯虫(Enterobius vermicularis)、E.グレゴリー(E. gregorii)、アスカリス・ルンブリコイデス、ウェステルマン肺吸虫(Paragonimus Westermani)、肝吸虫(Clonorchis sinensis)、肝蛭(Fasciola hepatica)、有鉤条虫(Taenia solium)、無鉤条虫(T. saginata)、カピラリア・アエロフィラ(Capillaria aerophila)、アメリカ鉤虫(Necator americanus)、トリクリス属(Trichuris)、バイルサスカリス属(Baylisascaris)、アフェレンコイデス属(Aphelenchoides)、メリオドギン属(Meliodogyne)、ヘテロデラ属(Heterodera)、グロボデラ属(Globodera)、ナコブス属(Nacobbus)、プラチレンカス属(Pratylenchus)、ジチレンカス属(Ditylenchus)、キシフィネマ属(Xiphinema)、ロンギドラス属(Longidorus)、トリコドラス属(Trichodorus)、ネマトジラス属(Nematodirus)の種である。
【0078】
この態様において、好ましい化合物は、12-チグロイル-13-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-46)、12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-47)、および12-(デカ-2,4-ジエノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-61)である。
【0079】
更に別の本発明の局面において、式(I)または式(II)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を対象へ投与する工程を含む、対象において細胞増殖障害を治療または予防する方法が提供される。
【0080】
好ましい態様において、細胞増殖障害は、癌であり、特にこの場合の癌は、白血病、メラノーマ、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、基底細胞癌、扁平上皮癌、線維肉腫、結腸癌、肺癌、新生物形成および他の固形腫瘍から選択される。ひとつの態様において、細胞増殖障害は、皮膚の新生物形成、特にウマ類肉腫である。
【0081】
他の態様において、細胞増殖障害は、非癌性の増殖障害である。そのような非癌性の増殖障害の例は、疣贅、ケロイド、乾癬、肉芽障害などの皮膚の障害、ならびに瘢痕組織の脱落および美容リモデリング(cosmetic remodelling)も含む。
【0082】
皮膚の細胞増殖障害の治療または予防の好ましい態様において、療法は、限局性の作用を提供するために、局所または病巣内投与されることが好ましい。
【0083】
理論による拘束を欲するものではないが、本発明の化合物は、MAPキナーゼ経路のような、PKC活性化シグナル伝達経路のC1領域に結合し、サイトカイン放出を生じると考えられる(Challacombe et al., J. Immunol., 2006, 177:8123-32;Cozzi et al., Cancer Res., 2006, 66:10083-91)。この炎症反応に対する限局性の刺激は、望ましくない細胞を予防、低減または除去し、これにより細胞増殖障害を治療または予防する。従って別の本発明の局面において、式(I)または式(II)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を対象へ投与する工程を含む、限局性の炎症反応を刺激する方法が提供される。
【0084】
本発明の化合物が、細胞増殖障害を治療するために限局的に投与される場合、これは全身投与される場合よりもより高い用量レベルで投与されてよい。培養下で増殖阻害に対し高度に感受性がある腫瘍およびリンパ系新生物のサブセットを治療するための全身投与に関しては、例えばμg/kg用量のような、化合物の比較的低い投与量が投与される。それに対し限局性投与は、例えばmg/kgレベルで、最大1000倍より多くてよい。PKCアクチベーターの薬物クラスに関して、低い全身投与量での作用機序は、老化(Cozzi et al., 2006)またはアポトーシス(Hampson et al., Blood, 2005, 106:1362-8)を生じる腫瘍細胞への直接作用に関連する可能性があるのに対し;高い限局性投与量では、限局性炎症反応に関連している宿主反応も重要である(Challacombe et al., 2006)。
【0085】
場合によっては、望ましくない炎症反応を低減するために、本発明の化合物を、抗炎症薬と一緒に投与することが有利である。好適な抗炎症薬の例は、イブプロフェン、アスピリン、ペントキシフィリン、デキサメタゾン、プレドニソロン、プレドニソン、コルチゾン、ベクラメタゾン、フルチカゾン、ヒドロコルチゾン、メチル-プレドニソロン、トリアムシノロン、ブデソニド、ベタメタゾン、ナプロキセン、ナブメトン、ならびにCox-2阻害剤、例えばセレコキシブ、ロフェコキシブおよびバルデコキシブなどである。本発明の化合物は、抗炎症薬と同時に、個別にまたは連続して投与されてよい。
【0086】
この態様において、好ましい化合物は、12-チグロイル-13-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-46)、12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-47)、12-(デカ-2,4-ジエノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-61)、および12-(ドデカ-2,4,6-トリエノイル)-13-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-59)を含む。
【0087】
更に別の本発明の態様において、式(I)または式(II)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を対象へ投与する工程を含む、対象において原虫感染症を治療または予防する方法が提供される。
【0088】
好ましい態様において、原虫感染症は、ジアルジア属種、トリコモナス属種、アフリカトリパノソーマ病、アメーバ赤痢、バベシア症、バランチジウム腸炎、シャーガス病、コクシジウム症、マラリアおよびトキソプラズマ症から選択され、特にジアルジア属種およびトリコモナス属種の感染症である。
【0089】
この態様において、好ましい化合物は、12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-47)である。
【0090】
更に別の本発明の局面において、細菌感染症、寄生生物感染症、原虫感染症または細胞増殖障害を治療または予防するための医用薬剤の製造における、式(I)または式(II)の化合物の使用が提供される。
【0091】
本明細書において使用される用語「対象」は、ヒト、霊長類、家畜(例えば、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ロバ)、実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット)、伴侶動物(例えば、イヌ、ネコ)、鳥類(例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、オウム、コカトゥー、ハト、フィンチ、猛禽類、走鳥類、ウズラ、カラリヤ)、捕獲野生動物(例えば、キツネ、カンガルー、シカ)、および爬虫類(例えば、トカゲおよびヘビ)を含む。好ましい哺乳動物は、ヒト、家畜、伴侶動物、実験動物である。更により好ましい哺乳動物は、ヒト、家畜、または伴侶動物である。
【0092】
「有効量」は、望ましい反応を少なくとも部分的に達成するため、または治療される特定の状態の発症を遅延もしくは進行を阻害、もしくは発症もしくは進行を完全に停止するために必要な量を意味する。この量は、治療される個体の健康状態および生理的状態、治療される個体の分類群、望ましい保護の程度、組成物の製剤、医学的状況の評価、および他の関連因子に応じて変動する。この量は、慣習的試験により決定することができる比較的広い範囲に収まることが予想される。例えばヒト患者に関連した有効量は、約0.1ng/kg体重〜1g/kg体重/投与の範囲に収まり得る。この用量は、好ましくは1μg〜1g/kg体重/投与の範囲、例えば1mg〜1g/kg体重/投与の範囲である。ひとつの態様において、用量は、1mg〜500mg/kg体重/投与の範囲である。別の態様において、用量は、1mg〜250mg/kg体重/投与の範囲である。更に別の態様において、用量は、1mg〜100mg/kg体重/投与の範囲、例えば最大50mg/kg体重/投与である。更に別の態様において、用量は、1μg〜1mg/kg体重/投与の範囲である。用量用法は、最適な治療反応を提供するように、調節されてよい。例えば数回の分割投与量が、毎日、毎週、毎月または他の適当な間隔で投与されるか、または投与量は、状況の緊急性により示されたように漸減されてもよい。
【0093】
本明細書における「治療」および「予防」の参照は、その最も広範な状況であると考えられる。用語「治療」は、対象が全体的に回復するまで治療されることを必ずしも暗示しない。同様に「予防」は、対象が最終的に疾患状態に対抗することを必ずしも暗示しない。従って治療および予防は、特定の状態の症状を改善すること、または特定の状態の顕在化のリスクを予防もしくはそうでなければ低減することを含む。用語「予防」は、特定の状態の重症度または発症を低減すると考えられてよい。「治療」も、存在する状態の重症度を低減することができる。
【0094】
本発明の別の局面において、本発明の化合物は、農薬としての使用に適している。従って本発明は更に、式(I)または式(II)の化合物またはそれらの農学的もしくは農薬的に許容される塩、ならびに農薬的に許容される担体を含む農薬組成物を提供する。
【0095】
本農薬組成物は好ましくは、殺虫組成物であり、乳剤、フロアブル剤(flowable)、水和剤、水溶剤、液剤、エアロゾル、粉剤、粒剤または餌(bait)の形であってよい。農薬組成物の製剤化の当業者は、そのような製剤を調製することができると考えられる。
【0096】
農薬組成物に好適な担体は、油、特に石油、乳化剤、水または炭化水素などの溶媒、界面活性剤、CFCのようなエアロゾルスプレー成分、タルクまたはクレイを含むが、これらに限定されるものではない。
【0097】
更に別の本発明の局面において、害虫が蔓延した対象または環境へ農薬として有効量の式(I)または式(II)の化合物を適用する工程を含む、対象または環境における害虫の蔓延を防除する方法が提供される。
【0098】
農業の害虫は、昆虫、特にハエ、甲虫、バッタ、イナゴ、チョウおよびガ、ならびにそれらの幼虫または若虫、特にハエ目(双翅目(Diptera))、例えばトゥルーフライ(true fly)、ノミ、ダニ、シラミ、カ、ブヨおよびタマバエが好ましい。
【0099】
一部の態様において、害虫は、植物に蔓延する。そのような害虫の例は、コンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon kondoi, blue-green aphid)、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum, pea aphid)、ヤガ属(Agrotis)種(カブラヤガ)、アグリプナス・バリアビリス(Agrypnus variabilis)(オキナワカンシャクシコメツキムシ(sugarcane wireworm))、アノプロゴナサス属(Anoplognathus)種(クリスマスビートル)、アホジウス・タスマニア(Aphodius tasmaniae)(黒頭牧草コフキコガネ(blackhead pasture cockchafer))、アウストロアスカ・アルファルファ(Austroasca alfalfae)(ルーサンヨコバイ(lucerne leaf hopper))、バチトリカ・トランケート(Bathytricha truncate)(サトウキビおよびトウモロコシステムボーラー(stemborer))、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)(コナジラミ)、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helichrysi, leaf curl plum aphid)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae, cabbage aphid)、アルファルファタネコバチ(Bruchophagus roddi, lucerne seed wasp)、エンドウゾウムシ(Bruchus pisorum, pea weevil)、ブリオビア属(Bryobia)種(クローバーハダニ)、シアンパ・アリエタリア(Ciampa arietaria)(茶色牧草シャクトリムシ)、コルトイセテス・テルミニフェラ(Chortoicetes terminifera)(オーストラリアイナゴの大発生)、クリソデイチス・アンゼンチフェナ(Chrysodeitis angentifena)(タバコシャクトリムシ)、クリソデイチス・エリオゾーマ(Chrysodeitis eriosoma)(グリーンシャクトリムシ)、ソルガムタマバエ(Contarinia sorghicola, sorghum midge)、ノナメクジ属(Deroceras)種(ナメクジ)、ジアクリシア・オリカルセア(Diachrysia oricalcea)(アオムシ類(soybean looper))、ヒメイチモジマダラメイガ(Etiella behrii, lucerne seed-web moth)、フランクリニエラ・シュルツェイ(Frankliniella schultzei)(トマトアザミウマ)、グラフォグナサス・ロイコロマ(Graphognathus leucoloma)(ホワイトフリンジドゾウムシ(white fringed weevil))、ハロチデウス・デストラクター(Halotydeus destructor)(レッドレッグドアースダニ(redlegged earth mite))、ヘッドノータ・ペジノーマ(Hednota pedionoma)(牧草ウェブウォーム(pasture webworm))、オオタバコガ(Helicoverpa armigera, corn earworm)、ヘリコベルパ・プンクチゲラ(Helicoverpa punctigera)(自生のアオムシ(native budworm))、ヘリックス属(Helix)種(カタツムリ)、ヘテロニクス・アラター(Heteronychus arator)(アフリカブラックビートル)、ローカニア・コンベクタ(Leucania convecta)(一般的なアワヨトウ(common armyworm))、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi, turnip aphid)、リストロデレス・ジフィシリス(Listroderes difficilis)(ヤサイゾウムシ)、メラナカンサス・スカテラリス(Melanacanthus scutellaris)(ブラウンビーンバグ(brown bean bug))、メロフィアス・ジブルサナ(Merophyas divulsana)(ルーサンリーフローラー(lucerne leaf roller))、モモアカアブラムシ(Myzus persicae, green peach aphid)、ヒメハサミムシ(Nala lividipes, black field earwig)、ミシムナ・コンベクター(Mythimna convector)(一般的なアワヨトウ)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula, green vegetable bug)、ナイシアス・ビニター(Nysius vinitor)(ルーサーグレンバグ(rutherglen bug))、ナイシアス・クレベランデンシス(Nysius clevelandensis)(グレイクラスターバグ(grey cluster bug))、オンコペラ・ルフォブルネア(Oncopera rufobrunnea)(アンダーグラウンドグラスグラブ(underground grass grub))、オロンディナ属(Orondina)種(ニセコメツキムシ)、オスノニアス・バテシ(Othnonius batesi)(ブラックソイルスカラブ(black soil scarabs))、ムギダニ(Penthaleus major, blue oat mite)、ペルセクタニア・エウィンジー(Persectania ewingii)(サザンアワヨトウ)、ホモノハダニ(Petrobia lateens)(ブラウンホワイトダニ(brown white mite))、モンシロチョウ(Pieris rapae, cabbage white butterfly)、イチモンジカメムシ(Piezodorus hybneri, redbanded shield bug)、コナガ(Plutella xylostella)(キャベツガ/ダイヤモンドバックガ)、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis, corn aphid)、セリセスチス属(Sericesthis)種(チャイロコフキコガネ)、ケヒビコフキゾウムシ(Sitona discoideus, sitona weevil)、キマルトビムシ(Sminthurus viridis, lucerne flea)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)(レッサーアワヨトウ(lesser armyworm))、ハスモンヨトウ(Spodoptera letura, cluster caterpillar)、シロナヨトウ(Spodoptera mauritia, lawn armyworm)、ストモプテリクス・シンプレキセラ(Stomopteryx simplexella)(ダイズガ(soybean moth))、アシノワハダニ(Tetranychus ludeni)(ビーンクモダニ(bean spider mite))、ナミハダニ(Tetranychus urticae, two spotted mite)、アルファルファアブラムシ(Therioaphis trifolii f. maculata)(マダラアルファルファアブラムシ(spotted alfalfa aphid))、ネギアザミウマ(Thrips tabaci, onion thrips)、スリップス・イマジニス(Thrips imaginis)(アザミウマの大発生)、ジジナ・ラブラダス(Zizina labradus)(グラスブルーチョウ(grass blue butterfly))、サイグリタ・ディーバ(Zygrita diva)(ルーサンクラウンボーラー(lucerne crown borer))を含むが、これらに限定されるものではない。
【0100】
別の態様において、害虫は、植物以外の対象および/または環境に蔓延する。そのような害虫の例は、シラミ;オオアリ属(Camponotus)種、ヒメトビイロケアリ(Lasius alienus)、アカンソミオプス・インテルジェクタス(Acanthomyops interjectus)、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、ソレノプシス・モレスタ(Solenopsis molesta)、トビイロシロアリ(Tetramorium caepitum)、モノモリアム・ミニマム(Monomorium minimum)、プレノレピス・インパイルス(Prenolepis impairs)、クロヤマアリ(Formica exsectoides)、ルリアリ(Iridomyrmex pruinosus)、クレマストガステル・リネオラタ(Cremastogaster lineolata)、タピノマ・セサイル(Tapinoma sessile)、ヒゲナガアメイロアリ(Paratrechina longicornis)を含むアリ;ゴキブリ、カ;レプトグラサス・オシデンタリス(Leptoglassus occidentalis)、アクロステルナム・ヒラレ(Acrosternum hiare)、クロロクロア・サイ(Chlorochroa sayi), ポジサス・マクリベントリス(Podius maculiventris)、ムルガンチア・ヒストリオニカ(Murgantia histrionica)、オンコペルタス・ファシアタス(Oncopeltus fasciatus)、ナビス・オルタナタス(Nabis alternatus)、メクラカメムシ(Leptopterna dolabrata)、カスミカメムシ(Lygus lineolaris)、アデルプコリス・ラピダス(Adelpocoris rapidus)、ペシロカプサス・リネアタス(Poecilocapsus lineatus)、ハナカメムシ(Orius insidiosus)、プラタナスグンバイ(Corythucha ciliata)を含むカメムシ類;ハチ、カリバチ、クロゴケグモ、紙魚、トネリコバノカエデの虫、ドクイトグモ;コイガ属(Tineola)種、イガ属(Tinea)種、ヒロズコガ属(Trichophaga)種を含むイガ類;カツオブシムシ、ムカデ、クローバーダニ、クロバエおよびフェイスフライ(face fly)、タバコシバンムシおよびジンサンシバンムシ;アケタ属(Acheta)種、コオロギ属(Gryllus)種、コオロギ属種、ネモビウス属(Nemobius)種、オエカンタス属(Oecanthus)種、セウトフィラス属(Ceuthophilus)種、ネオクチラ属(Neocurtilla)種を含むコオロギ類;サトウグモ、イエバエ、ドレインハエ、ハサミムシ、ヨーロッパスズメバチ;ネコノミ(Ctenocephalides felis)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、クテノセファリデス属(Ctenocephalides)種、ヨーロッパネズミノミ(Nosopsyllus fasciatus)、ノソプシラス属(Nosopsyllus)種、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)、キセノプシラ属(Xenopsylla)種、ウサギノミ(Cediopsylla simplex)、セジオプシラ属(Cediopsylla)種を含むノミ類;キノコバエ、ゴミムシ、カワハラジドカツオブシムシおよびオビツオブシムシ、ウマ/ウシ/シカ/ブタにたかるハエ;コナヒョウダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)、デルマトファゴイデス属(Dermatophagoides)種を含むチリダニ;トリサシダニ(Ornithonyssus sylviarum)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)、イエダニ(Ornithonyssus bacoti)、リポニソイデス・サニネウス(Liponyssoides sanuineus)、ニキビダニ(Demodex folliculorum)、穿孔ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei hominis)、ムギシラミダニ(Pyemotes tritici)、コナダニ(Acarus siro)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、デルマトファゴイデス属(Dermatophagoides)種を含むダニ類;ヒトジラミ、ハンプバックドフライ、メシメマダラメイガ、ヤスデ、ジガバチ、ナミテントウ、キクイムシ(house borer)、コバエおよびガガンボ、17年ゼミおよび「ドッグデイ」ゼミ(“dog-day” cicada)、ヒラタキクイムシ、ラウンドヘッドおよびフラットヘッドボラー、ニセサソリ、キジラミ(psyllidsまたはjumping plant lice)、ヒョウヨンムシ、カバキコマチグモ、ケシキスイムシ、シロアリ、セイヨウシミおよびマダラシミ、ワラジムシおよびダンゴムシ、トビムシ、刺毛毛虫(stinging hair caterpillar)、タランチュラ、ショウジョウバエ、カリバチおよびスズメバチ、ハトバキクイムシ(wharf borer)、モリゴキブリ、イエロージャケットワスプ、コキノコムシ、サルゾウムシ、ノコギリヒラタムシおよびオオメノコギリヒラタムシ、ヒラタコクヌストモドキおよびコクヌストモドキ、グラナリヤコクゾウおよびコクゾウムシ、メシメマダラメイガ、ゴミムシダマシ、チョウバエ;カクマダニ属(Dermacentar)種、マダニ属(Ixodes)種、コイタマダニ属(Rhipicenphalus)種を含むダニ類;クマバチ、ノミ、吸血昆虫、ヒトジラミ、ツツガムシ、ミステリーバグ(mystery bug)、ヨーロッパスズメバチ、刺毛毛虫(stinging hair caterpillars)、クロアシマダニ、カゲロウ、クロバエ、ハリガネムシ、コオロギ、マイマイガ、キリギリス、ミッジ、バッタ;ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)、エーデス・カナデンシス(Aedes Canadensis)、エーデス・トリセリアートス(Aedes triseriatus)、Aedes tivittatus(エーデス・チビタタス)、キンイロヤブカ(Aedes vexans)、ヤブカ属(Aedes)種、アノフェレス・クアドリマクラツス(Anopheles quadrimaculatus)、ハマダラカ属(Anopheles)種、コンキレチジア・パーターバンス(Coquillettidia perturbans)、ヌマカ属(Coquillettidia)種、アカイエカ(Culex pipiens)、イエカ属(Culex)種を含むカ類を含むが、これらに限定されるものではない。
【0101】
農学的有効量は、公知の方法を用い当業者により決定されてよく、典型的には5g〜500g/ヘクタールの範囲である。
【0102】
本発明の化合物は、害虫が存在する環境へ適用されてよい。例えば、作物、樹木および他の商業的に重要な植物の栽培のような、農業が実行される環境である。農業環境は、単に植物それ自身を含むのみではなく、植物が生長する植物の周囲の土壌および区域、ならびに植物の一部、例えば種子、穀粒、葉または果実などが貯蔵される区域も含む。この環境は、家庭環境または産業環境も含む。
【0103】
「家庭環境」は、ヒトまたは動物が居住する環境を含み、カーペット、カーテン、カップボード、ベッドおよび室内の空気のような、室内環境を含んでよい。「産業環境」は、製品の製造、貯蔵、または販売などの、産業目的で使用される環境を含む。産業環境は、倉庫、製造プラント、店舗、貯蔵施設などを含む。
【0104】
この局面において、式(I)および式(II)の好ましい化合物は、12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-47)、12-(デカ-2,4-ジエノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-61)、および12-(ドデカ-2,4,6-トリエノイル)-13-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-59)を含む。
【0105】
本発明は更に、式(I)および式(II)の化合物の農薬としての使用を提供する。
【0106】
従って、式(I)および式(II)の化合物は、好ましくは1種または複数の害虫を軽減および/または根絶するために、対象、作物、牧草、森林および他の農業環境、または家庭環境もしくは産業環境へ送達するのに適当な様式で製剤されてよい。
【0107】
詳細な説明
活性スクリーニング
式(I)および式(II)の化合物を含有するフォンテイネア・ピクロスペルマからの溶媒抽出試料を試験し、(A)一連の微生物スクリーニング技術(MST)バイオアッセイ、特にNemaTOX、ProTOX、MycoTOX、ならびにCyTOXおよびDipteraTOX、ならびに(B)一連の抗癌アッセイにおいてスクリーニングすることにより、治療的活性を決定した。説明を簡略化するために、これらのバイオアッセイを、抽出および化学構造解明法の前に簡単に説明する。
【0108】
MSTバイオアッセイは以下を含む:
NemaTOX(あるいは本明細書ではNeと称される)は、自由生活の生活環ステージの全ての寄生線虫に適用可能である、殺寄生虫バイオアッセイであり、活性を検出し、ならびに寄生線虫に対する化合物の種スペクトルを規定し、および効能に関して他の殺寄生虫薬クラスに対する予め存在する抵抗の影響を試験するためのスクリーニングとして使用することができる。ヘモンクス・コントルタスを、このアッセイに使用した。
【0109】
Gill et al. (1995) Int. J. Parasitol. 25:463-470により説明された方法により、このアッセイにおいて、幼虫の発育に対する作用を決定した。簡単に述べると、このアッセイにおいて、線虫卵を、被験試料を含有する寒天マトリクスの表面に塗布し、L3、感染ステージ(6日間)へ発育させた。この時点で、幼虫の発育のステージに到達し、何らかの通常でない特徴(奇形、麻痺、毒性)を、顕微鏡試験により観察した。
【0110】
ProTOX(あるいは本明細書ではBsと称される)は、ほとんどの好気性菌および嫌気性菌に広範に適用可能である、抗菌バイオアッセイである。このバイオアッセイは、被験化合物が色素原と一緒に混入されている固相寒天基材を特徴としている。ウェル内で細菌が繁殖する時、色素原は、2段階プロセスで青色から無色の化合物へ代謝される。強力な殺菌活性を有する化合物は、細菌の色素原代謝を阻害するのに対し、静菌性化合物は、中間体のピンク色により示される、限定された代謝を誘導する。ProTOXは、好気性および微好気性の条件下で、一連のグラム陽性菌およびグラム陰性菌に広範に適用可能である。ProTOXアッセイは、枯草菌を用いて実行した。
【0111】
簡単に述べると、ProTOXにおいて、細菌(24時間ブロス)は、被験試料を含有する寒天マトリクスの表面に塗布し、48時間増殖させる。このアッセイは、24時間および48時間にモニタリングし、活性のあるウェルを観察した。公知の抗生物質は、濃度および時間に依存する、一貫した色の変遷を生じた。これらのパターンは、興味深い特性の早期の認識への重要な指針を提供する。殺菌活動(active)は、24時間および48時間の両時点での色の変化なしとして評価したのに対し、静菌活動は、24時間での活動が、48時間のそれよりも弱いかまたは失活しているとして評価した。
【0112】
MycoTOX(あるいは本明細書においてTrと称される)は、植物および動物の糸状菌病原体に対する活性を検出するために使用される、非色素原性バイオアッセイである。このバイオアッセイは、被験化合物が混入されている固相寒天基材を特徴としている。寒天表面で糸状菌の増殖パターンが容易に明らかな時、菌糸成長の程度、胞子形成(研究される種が関連する場合)および成熟に伴う色の変化を、測定する。強力な抗菌活性を伴う化合物は、真菌胞子の発芽を阻害し、かつ過剰な真菌成長を伴う不活性化合物を含有するウェルとは著しい対比を提供する。このような化合物の濃度がより低いか、または作用のより静菌様式を示す化合物は、菌糸成長、胞子形成の程度の低下、またはコロニー成熟の他の特徴的パターンの低下を示す。
【0113】
MycoTOXは、真菌(胞子浮遊液または菌糸断片)が、被験化学物質を含有する寒天マトリクスの表面に塗布され、最大1週間(種によって左右される)増殖されることに関する。このアッセイは、2回個別にモニタリングされ、生活環の重要な発育相(例えば菌糸成長および胞子形成の程度)を同定し、ならびに活動しているウェルを観察した。モニタリング時間は、研究されている真菌種によって決まる。
【0114】
MycoTOXアッセイは、トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)を用いて行った。あるいはMycoTOX試験は、トリコフィトン・ルブルムの使用を示すために、Trと称される。
【0115】
CyTOX(あるいは本明細書においてCyと称される)は、可能性のある抗腫瘍活動を同定するために、マイクロタイタープレートバイオアッセイを使用する。CyTOXは、幅広い範囲の腫瘍および非腫瘍細胞株に対する、広範な適用を伴う、色素原バイオアッセイである。CyTOXにおける色の変遷は、細胞の代謝および代謝回転に比例し、従って有用な認識パターンをもたらし、公知の細胞毒性活動および抗腫瘍活動のフレームワーク内の活動の診断的分類を支援する。
【0116】
CyTOXは、その中に新規色素原と共に被験化合物が混入されている液体培地を特徴としている。細胞が増殖しかつ分裂する時、色素原は、一段階プロセスで紫色から無色の代謝産物へ代謝される。CyTOXは、哺乳動物の細胞毒性の指針として、NS1マウス骨髄腫細胞株を使用し行った。
【0117】
簡単に述べると、CyTOXにおいて、これらの細胞は、被験化学物質を含有する培地に塗布され、72時間増殖される。アッセイは、24、48および72時間にモニタリングし、活動ウェルを同定した。
【0118】
DipteraTOX
DipteraTOXは、本明細書においてDipG、DipPおよびDipHと称される。DipGは、幼虫の採食(grazing)がないことを示している。DipPは、蛹形成がないことを表し、DipHは、ハエの孵化がないことを示している。DipG、DipPまたはDipHにおけるAの値は、非常に活動的であることを表し、Pの値は、活動的であることを表している、DipteraToxにおいて、ハエの卵は、被験化学物質250μg/mLを含有する寒天マトリクスの表面に塗布され、2週間の期間に、孵化、発育および蛹化することができる。アッセイは、2回個別にモニタリングし、1週目に寒天マトリクスの採食の程度、および2週目に成体ハエの存在を決定する。活性は、7日目および14日目の活動または非活動として、定量的にスコア化し、これらは各々、採食失敗および成体ステージへの発育失敗を意味している。
【0119】
TriTOX(あるいは本明細書においてGiと称す)は、例えばジアルジア属種およびトリコモナス属種の原虫の、病原性、好気性/微好気性の抗原虫活性をスクリーニングするための、マイクロタイタープレートベースの色素原バイオアッセイである。このバイオアッセイは、嫌気性条件下で試行し、種特異的色素原を特徴とする。最小阻害濃度(概算のLD99)は、以下の方法により決定される:未知のストック液を、1/2に連続希釈し、2,048倍の範囲にわたる12種の濃度を得る。各濃度のアリコートを、96-ウェルマイクロタイタープレートのウェルに塗布し、培地で希釈した。被験物質を、色素原の色の変化を基に、活動または非活動としてスコア化する。化合物が活動である最低濃度を、最小阻害濃度(MIC)として認める。加えて顕微鏡検査を行い、毒性の種類に、従って作用様式と一致する形態学的変化のあらゆるパターンを同定する。ジアルジア属種を、このアッセイにおいて使用する。
【0120】
抗癌アッセイは以下を含む:
単層として培養した細胞の増殖の阻害に関するSRBアッセイ
簡単に述べると、マウスメラノーマ、ヒトメラノーマ、マウス扁平上皮癌、ヒト乳癌、ヒト結腸癌、ヒト白血病およびヒト肺癌を含む一連の腫瘍細胞ならびに正常ヒト線維芽細胞を含む正常ヒト細胞を、2〜5,000個/マイクロタイターウェル(96-ウェルプレート)で、10%FCS-RPMI 1640培養培地中に播種し、処理し、対照がほぼ集密になるまで増殖した(5〜6日間)。その後これらのウェルを、PBSで2回洗浄し、エタノールで最低5分間固定し、水で洗浄した。SRB溶液(1%酢酸中0.4%溶液を50μL)を添加し、室温に最低15分間静置した。プレートを、水道水で迅速に洗浄し、その後1%酢酸で2回洗浄した。10mMトリス塩基(緩衝処理されていない、pH>9)の100μL/ウェルで添加した後、プレートを最低5分間静置し、次に先に3秒間振盪し、吸光度を、ELISAリーダーにおいて564nmで測定した。ブランク(細胞を含まないウェル、吸光度は典型的には約0.04)を減算し、増殖阻害を、未処理の対照の割合(%)として表し、投与量に対してプロットした。
【0121】
浮遊培養した細胞の増殖の阻害に関するQIMRアッセイ
簡単に述べると、マウスメラノーマ、ヒトメラノーマ、マウス扁平上皮癌、ヒト乳癌、ヒト結腸癌、ヒト白血病およびヒト肺癌を含む一連の腫瘍細胞ならびに正常ヒト線維芽細胞を含む正常ヒト細胞の浮遊液を、10%FCS-RPMI 1640培養培地の入った丸底マイクロタイタープレートに播種し、処理し、5〜6日間増殖した。細胞増殖を測定するために、96ウェルアッセイプレートの各ウェルに、一緒にしたMTS/PMS溶液(Promega Cell ProliferationAssay Kit カタログ番号G5430)20μLを添加した。1〜4時間後、プレートを、ELISAプレートリーダーに配置し、吸光度を490nmで測定した。ブランク(細胞を含まないウェル、吸光度は典型的には約0.4)を減算し、増殖阻害を、未処理の対照の割合(%)として表し、投与量に対してプロットした。
【0122】
マウスにおける腫瘍の局所治療:
腫瘍細胞(LK2細胞について50μL培養培地中200万個細胞/部位、B16について50万個細胞/部位)を、ヌードマウス(LK2細胞)またはC57BL/6マウス(B16マウスメラノーマ細胞)の側腹へ各4部位皮下注射した。細胞の注射後5〜10日目に腫瘍が視認可能になった時(直径2〜4mm)、イソプロパノールゲル25μL中のEBI-46 37μgを、各腫瘍部位に、3日間毎日塗布した。腫瘍サイズを、適当な間隔で、キャリパーを使い測定した。
【0123】
マウスにおける腫瘍部位での病巣内注射
扁平上皮癌(SCC)腫瘍を、薬物治療前に15日間増殖させた以外は、局所治療と同じ方法で確立した。生理食塩水20μL中のEBI-46 7μgを、腫瘍の3側に各々注射した。腫瘍サイズを、適当な間隔で、キャリパーを使い測定した。
【0124】
本発明が容易に理解されかつ実践的作用をもたらすために、特に好ましい態様をここで、以下の非限定的実施例により説明する。
【0125】
実施例1
方法
抽出
フォンテイネア・ピクロスペルマの種子、葉および樹皮を含むバイオマス試料を収集し、下記の抽出プロセスに供した。これらの試料およびそれらの引き続きの画分は、下記実施例においてEB548と称する。
【0126】
第1段階−抽出
前記バイオマスを、メタノールでたっぷり覆い、振盪し(〜2L、一晩)、引き続き濾過し、第一の抽出物を得た。このプロセスの2回目を繰り返し(〜2L、〜5時間)、第二の抽出物を生じた。各抽出物は、分析用HPLCにより試験し、バイオアッセイした(図1)。連続したメタノール抽出物を一緒にし、溶媒を回転蒸発により除去し、水性濃厚物を得た。
【0127】
第2段階−溶媒分配
抽出からの水性濃厚物を、水で400mLに希釈した。希釈した試料(コード‘Cr')から、HPLCおよびバイオアッセイのために副試料をとり、その後分液漏斗内で等量の酢酸エチル(EtOAc)と共に振盪し、個別の層EtOAc1およびH2O1を収集した。時には、いずれの層にも不溶性である沈殿物が形成されることに注意。この沈殿物を、濾過により収集し、メタノールに溶解した(コード‘Me')。下側水層(H2O1)を、酢酸エチルにより更に2回抽出し、EtOAc2およびEtOAc3を、残存するH2O3層と共に得た。全ての層の副試料を、分析用HPLCにより試験し、バイオアッセイした(図2A)。
【0128】
連続する酢酸エチル抽出物をプールし、溶媒を回転蒸発により除去し、残渣を得、これを秤量した。場合によっては、分析用HPLCは、EtOAc抽出物がかなりの量の極めて親油性の(RT>9分)材料を含有することを示した。この材料を除去するために、10:9:1-ヘキサン:メタノール:水分配を行った(図2B)。
【0129】
第3段階−分取用HPLC分画
溶媒分配からの残渣を、分析用HPLCにより調べ、存在する代謝産物の分離に最適のクロマトグラフィー条件をみつけた。これらの最適条件を使用し、残渣(〜2g)を、分取逆相HPLC(C18、単回注入)により、100画分へ分画した(図3)。100画分全ての副試料を、分析用HPLCにより試験した。HPLCトレースの分析後、これらの100画分を、20〜30のプールした画分へ集約し(プール)、その一部は純度>80%であることとする。これらのプールした画分を秤量し、バイオアッセイし、分析用HPLCにより分析した。
【0130】
EB548の溶媒分配の概要
フォンテイネア・ピクロスペルマのバイオマス試料を、先に説明された第1段階および第2段階を用い、抽出し、溶媒分配した。表1は、酢酸エチルによる溶媒分配後に得られた抽出可能な材料の量をまとめている。
【0131】
(表1)抽出物の酢酸エチル分配後の重量

1重量:供給されおよび試験に使用された植物材料の総試料重量(g)
2EtOAc:酢酸エチル抽出物
3抽出率(%):総試料重量の割合として表された酢酸エチル抽出物
【0132】
分取用HPLC
分取用HPLCは、静電ミキサーを備えた、2台のShimadzu LC-8A分取液体クロマトグラフ、Shimadzu SPD-M10AVPダイオードアレイ検出器およびShimadzu SCL-10AVPシステムコントローラーからなるシステム上で行った。使用したカラムは、C18白金EPS(Alltech)を充填した、50×100mm(直径×長さ)であった。
【0133】
酢酸エチル抽出した材料約2gを、ジメチルスルホキシド(4mL)中に溶解し、典型的条件は、60mL/分で、20分間かけた30%から100%までのアセトニトリル/水の勾配溶出、それに続くアセトニトリルで10分間溶出である、分取用HPLCに供した。100種の画分(20mL)を収集し、窒素下で蒸発させ、次にHPLC分析に基づき一緒にした。
【0134】
UV分析
UVスペクトルは、HPLCの間に、前述のShimadzu SPD-M10AVPダイオードアレイ検出器により得た。
【0135】
NMR分析
全てのNMRスペクトルは、d6-ジメチルスルホキシドにおいて入手し、残留ジメチルスルホキシドシグナルを参照した。1D NMRスペクトル、1Hおよび13C [APT]は、Varian Gemini 300BB (パロアルト, C.A. USA)分光計上で、各々300MHzおよび75MHzで得た。2D NMRスペクトル、HSQC、HMBC、COSYおよびTOCSY、ならびに1D NMR 1Hスペクトルは、Bruker DRX600(600MHz) NMR分光計において得た。
【0136】
NMRデータの解析は、Advanced Chemistry Development, Inc.(トロント, ON, カナダ)から入手した、ACD/SpecManagerおよびACD/Structure Elucidator(両方ともバージョン6.0)を用いて行った。
【0137】
エレクトロスプレー質量分析(ES-MS)
全てのポジティブエレクトロスプレー質量分析は、Finnigan/Mat TSQ7000 LCMS/MS(サンノゼ, C.A. USA)において行った。
【0138】
実施例2
EB548:抽出および溶媒分配
EB548の抽出および溶媒分配は、材料318gを生じた。抽出層および溶媒分配層の各々を、前記バイオアッセイを用い、生物活性について試験した。表2から、抽出物および溶媒分配の酢酸エチル層は全て、高いCyTOXおよびNemaTOX活性を含むことを認めることができる。
【0139】
(表2)抽出物および溶媒分配物の活性

4LD99 は、活性を伴う最後のウェル中の化学物質の重量として、μg/mLで算出したが、エンドポイントに到達していないので、実値はより低いことがある。
【0140】
連続する水性の濃縮した抽出物を、HPLCに供した。使用したカラムは、C18白金EPS(Alltech)を充填した50×100mm(直径×長さ)であった。抽出した材料約2gを、ジメチルスルホキシド(4mL)に溶解し、典型的条件は、60mL/分で、20分間かけた30%から100%までのアセトニトリル/水の勾配溶出、それに続くアセトニトリルで10分間の溶出である、分取用HPLCに供した。
【0141】
比較目的で、第一の酢酸エチル分配層および第三の水層を、HPLCにより分析した。第三の水/酢酸エチル溶媒分配の第三の水相中に残存する関心対象の化合物は、ほとんど存在しないか、または全く存在しなかった。
【0142】
第一の分取用HPLC分画
先に第3段階において説明した方式に類似した方式で、EB548酢酸エチル溶媒分配試料をプールし、更に分取用HPLCクロマトグラフを用いて後処理した。
【0143】
分取用HPLCを用い、100種の画分を生じた。これらの画分を、分取用HPLCクロマトグラフにおいて示された化合物の相対濃度に応じて、プールした。
【0144】
分取用HPLCから生じた各画分またはプールした画分の生物活性を、先のバイオアッセイ法を用い決定した。結果を、下記表3にまとめている。
【0145】
(表3)分取用HPLCのプールの活性


4LD99 は、活性を伴う最後のウェル中の化学物質の重量として、μg/mLで算出したが、エンドポイントに到達していないので、実値はより低いことがある。
5重量はmgでのものである。
【0146】
第二の分取用HPLC分画
追加の材料を調製するために、第二の分取用HPLC分画を行った。活動バンドは、第一の分取用HPLCから得たUVスペクトルを基に選択したので、第二の分取用HPLC画分からのHPLCプールのバイオアッセイは不要であった。
【0147】
第二の分取用HPLC分画を行う際に、画分EB548.LA3.139-22/24、-35/38、-41/43および-51/53が主要活性バンドであることがわかり、後者3種は実質的に不安定であることが示された。この不安定性は、窒素蒸発時に認められたが、室温でのアセトニトリル/水溶液中または真空蒸発時には認められなかった。分解を避けるために、第二の分取用HPLCからの活動代謝産物の同等な4本のバンドを、個々に酢酸エチル中で戻し抽出し、真空下で蒸発させた。これらの試料の分析用HPLCは、分解が最小であることを確認した。
【0148】
バンド2のバンド3との重複のために、バンド2の代謝産物の一部は、バンド3内に存在する。第二の分取分画の結果を、表4にまとめている。
【0149】
(表4)分取用HPLCのプールの活性

5重量はmgでのものである。
【0150】
実施例3
化学構造の解明
EBI-46
同様の材料のプール(画分22から24および画分36から41、各々第一および第二の勾配分取用HPLCの試行から得た、各々80.7mgおよび120.5mg)を、メタノール中に溶解し、分取用HPLCに供した(5μm Phenomenex Luna C18(2) 20×100mmカラムを通る、55%水/アセトニトリルで30分かけたアイソクラチック溶出による10mL/分)。
【0151】
画分17から20を一緒にし、真空下で濃縮し、凍結乾燥し、得られた生成物を、UV分光法、HPLC分析、ES-MSおよびNMRにより解析した(表5)。HPLC、ES-MSおよびNMR分析から、EB548.LA4.61-17/20は、本明細書においてEBI-46と称される、下記化合物(12-チグロイル-13-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアン-3-オン)を含有することが決定された:

【0152】
(表5)DMSO-d6中75/600MHzでのEBi-46に関するNMRデータ

【0153】
表6a、6bおよび6cのバイオアッセイの結果は、化合物EBI-46は、以下としての有効性を有することを明確に示している:(A)細胞毒性物質、従って腫瘍、白血病、リンパ腫のような細胞増殖疾患および関連障害の治療および予防に有用であろう、(B)抗寄生生物剤、従ってヒトおよび/または動物の外部寄生生物および/または内部寄生生物のような寄生生物の侵入の治療に有用であろう、ならびに(C)抗生物質、従ってヒトおよび/または動物の細菌による感染症の治療または予防に有用であろう。
【0154】
(表6a)EBI-46のインビトロバイオアッセイ

4LD99は、活性を伴う最後のウェル中の化学物質の重量として、μg/mLで算出したが、エンドポイントに到達していないので、実値はより低いことがある。
5重量はmgでの重量である。
【0155】
(表6b)EBI-46のインビトロバイオアッセイ

【0156】
(表6c)EBI-46のインビボバイオアッセイ

【0157】
EBI-47
先に概説された化学構造の解明と同様の方式で、画分29から32を一緒にし、真空下で濃縮し、凍結乾燥し、生じた生成物を、UV分光計、HPLC分析、ES-MSおよびNMRにより分析した(表7)。HPLC、ES-MSおよびNMR分析から、EB548.LA4.61-29/32は、本明細書においてEBI-47と称される、下記化合物(12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-チグリアエン-3-オン)を含有することが決定された:

【0158】
(表7)DMSO-d6中の75/600MHzでのEBI-47のNMRデータ

【0159】
表8aおよび8bのバイオアッセイの結果は、化合物EBI-47は、以下としての有効性を有することを明確に示している:(A)細胞毒性物質、従って腫瘍、白血病、リンパ腫のような細胞増殖疾患および関連障害の治療および予防に有用であろう、(B)抗寄生生物剤、従ってヒトおよび/または動物の外部寄生生物および/または内部寄生生物のような寄生生物の侵入の治療に有用であろう、(D)抗原虫剤、従ってヒトおよび/または動物の原虫による感染症の治療または予防に有用であろう、ならびに(C)殺虫剤、従って広範な昆虫種を含む昆虫の根絶および/または成長阻害における使用に有用であろう。
【0160】
(表8a)EBI-47のバイオアッセイ

4LD99は、活性を伴う最後のウェル中の化学物質の重量として、μg/mlで算出したが、エンドポイントに到達していないので、実値はより低いことがある。
5Wtはmgでの重量である。
【0161】
(表8b)EBI-47のバイオアッセイ

【0162】
EBI-59
第二の勾配分取用HPLC試行から得た画分62から66のプールの約1/4(100mg)を、メタノールに溶解し、分取用HPLCに供した(5μm Phenomenex Luna C18(2) 20×100mmカラムを通る、80%水/アセトニトリルで25分かけたアイソクラチック溶出による10mL/分)。分取用HPLCの画分14は、真空下で濃縮し、凍結乾燥し、得られた生成物を、UV分光法、HPLC分析、ES-MSおよびNMRにより解析した(表9)。HPLC、ES-MSおよびNMR分析から、EB548.LA4.85-14は、本発明においてEBI-59と称される下記化合物(12-(ドデカ-2,4,6-トリエノイル)-13-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-59))を含有することが決定された:

【0163】
(表9)DMSO-d6中75/600MHzでのEBI-59に関するNMRデータ

【0164】
表10のバイオアッセイの結果は、化合物EBI-59は、以下としての有効性を有することを明確に示している:(A)細胞毒性物質、従って腫瘍、白血病、リンパ腫のような細胞増殖疾患および関連障害の治療および予防に有用であろう、ならびに(B)殺虫剤、従って広範な昆虫種を含む昆虫の根絶および/または成長阻害における使用に有用であろう。
【0165】
(表10)EBI-59のバイオアッセイ

4LD99は、活性を伴う最後のウェル中の化学物質の重量として、μg/mLで算出したが、エンドポイントに到達していないので、実値はより低いことがある。
5重量はmgでの重量である。
【0166】
EBI-61
先に概説された化学構造の解明と同様の方式で、第二の勾配分取用HPLC試行からの、画分35から36のプール(19.7mg)をメタノールに溶解し、分取用HPLCに供した(5μm Phenomenex Luna C18(2) 20×100mmカラムを通る、80%水/アセトニトリルで20分かけたアイソクラチック溶出による10mL/分)。分取用HPLC試行の画分8は、真空下で濃縮し、凍結乾燥し、得られた生成物を、UV分光法、HPLC分析、ES-MSおよびNMRにより解析した(表11)。HPLC、ES-MSおよびNMR分析から、EB548.LA4.87-8は、本発明においてEBI-61と称される下記化合物12-(デカ-2,4-ジエノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン(EBI-61)を含有することが決定された:

【0167】
(表11)75/600MHzでのDMSO-d6中のEBI-61のNMRデータ

【0168】
表12のバイオアッセイの結果は、化合物EBI-61は、以下としての有効性を有することを明確に示している:(A)細胞毒性物質、従って腫瘍、白血病、リンパ腫のような細胞増殖疾患および関連障害の治療および予防に有用であろう、(B)抗寄生生物剤、従ってヒトおよび/または動物の外部寄生生物および/または内部寄生生物のような寄生生物の侵入の治療に有用であろう、ならびに(C)殺虫剤、従って広範な昆虫種を含む昆虫の根絶および/または成長阻害における使用に有用であろう。
【0169】
(表12)EBI-61のバイオアッセイ

4LD99は、活性を伴う最後のウェル中の化学物質の重量として、μg/mLで算出したが、エンドポイントに到達していないので、実値はより低いことがある。
5重量はmgでの重量である。
【0170】
12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-1,2-2H-1,2,6,7-ジエポキシ-6-カルボキシ-4,5,9,12,13-ペンタヒドロキシ-チグリアエン-3-オン

アセトン200μL中のEBI-47(1mg)を、DMDO溶液50μLで処理し、0℃で1時間、および室温で3時間攪拌し、12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-1,2-2H-1,2,6,7-ジエポキシ-6-カルボキシ-4,5,9,12,13-ペンタヒドロキシ-チグリアエン-3-オンを得た。MS (ESI) 617 (M+Na)。
【0171】
12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-5,20-ジ-アセトイル-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-チグリアエン-3-オン

EBI-47(1mg)は、無水酢酸およびピリジンの溶液(1:1)400μLで処理し、室温で17時間攪拌し、12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-5,20-ジ-アセトイル-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-チグリアエン-3-オンを得た。MS (ESI) 671 (M+Na)。
【0172】
実施例4
活性の様式
いずれかひとつの理論による拘束を欲するものではないが、化合物EBI-46は、ホルボールエステル(TPA)へのその類似したインビトロ増殖阻害プロファイル、K562白血病、MCF-7乳癌、Colo-205結腸癌ならびにD04およびSKMel-5メラノーマの、他のヒト腫瘍細胞株および正常ヒト線維芽細胞についてよりも約100倍低い投与量での、増殖の選択的阻害を基に、プロテインキナーゼCアクチベーターであると考えられる。加えて、PKCアクチベーターの典型である、MCF-7およびHT-29結腸癌細胞の散在が認められた。特定のヒトメラノーマ細胞株MM96Lは、TPAまたはEBI-46により処理した場合、二極形態学への特徴的変化を受ける。加えて、EBI-47、EBI-59およびEBI-61も、それらの構造の類似性を考えると、プロテインキナーゼCアクチベーターであると考えられる。
【0173】
実施例5
EBI-46による細胞毒性および腫瘍退縮
材料および方法
EBI-46および関連化合物の単離
フォンテイネア・ピクロスペルマ(EB548またはEB610)の生の植物材料を細断し、メタノールで抽出し、水と有機溶媒(ジエチルエーテルまたは酢酸エチル)の間で分配した。パイロット試験は、HPLCおよびHPTLC活性-ガイド分析、その後の生物活性の精製の条件の最適化、および安定性の確認を含んだ。バルクの分画は、揮発油/アセトン/メタノールまたは揮発油/酢酸エチル/メタノール中でシリカゲル60上で行い、引き続きHPLCを行った。後者は、C18 Phenomenex Lunar 5ミクロン、250×4.6mmカラム上でのメタノール-水中の逆相分離が関連している。
【0174】
下記の勾配(方法EB.M, フロー2mL/分)を、表12に報告された分離に用いた。
【0175】
(表12)

【0176】
生物活性アッセイ
ヒト腫瘍細胞株は以下である:MCF-7およびT47D、乳癌;DU145およびPC3、前立腺癌;CI80-13S、卵巣癌;MM96L、D04、SkMel5、メラノーマ;HT29、結腸癌。新生児包皮線維芽細胞(NFF)を、正常対照細胞として用いた。細胞を、10%ウシ胎仔血清を含有するRPMI 1640培地において、5%二酸化炭素/空気中で、37℃で培養した。
【0177】
増殖阻害アッセイについて、細胞(2000〜5000個/ウェル)を、2つ組で96-ウェルプレートに播種し、翌日薬物処理し、更に5〜6日間増殖させた。その後プレートを、PBS(リン酸緩衝生理食塩水、pH7.2)で洗浄し、エタノールで固定し、1%酢酸中0.4%SRB(スルホローダミン)50μLを添加し染色した。プレートを、室温で最低15分間放置し、水道水で迅速に洗浄し、その後1%酢酸で2回洗浄した。10mMトリス塩基(非緩衝、pH>9)の100μL/ウェルでの添加後、プレートを、最低5分間放置し、その後3秒間先に振盪し、吸光度を、ELISAリーダー上で564nmで読みとった。ブランク(細胞を含まないウェル、典型的には約0.04)の減算後、増殖阻害を、未処理の対照の割合(%)として算出し、投与量に対してプロットした。
【0178】
動物実験は、Queensland Institute of Medical Research(QIMR)の動物倫理委委員会の承認の下で行った。B16マウスメラノーマモデルを、雄C57BL/6マウスの2側腹に各々、B16マウスメラノーマ細胞50万個を皮下注射することにより得た。ヒト腫瘍異種移植片を、雄のヌードマウスの側腹の各4部位に、各腫瘍細胞株200万個を注射することにより得た(BALB/cバックグラウンド)。EBI-46を適用した:(a)アセトン中の濃溶液をイソプロパノールゲルへ希釈することにより、1日1回3日間局所的に;(b)25%プロピレングリコール-0.1M生理食塩水に溶解した薬物を腫瘍へ注射することにより、病巣内へ、(c)0.1M生理食塩水中の25%プロピレングリコール中に溶解した薬物を腹腔内注射することにより、全身へ。腫瘍サイズを、電気キャリパーでmmで測定し、下記式を用い容積(立方mm)に変換した:
腫瘍容積=長さ×幅×幅/2
【0179】
結果
1. EBI-46および関連化合物の精製
有機抽出物を、シリカ上のクロマトグラフィーにより分画し、高純度の生物活性ピークを含有する画分(548-35)を得た(RT:25.131分)。HPLCによる更なる精製は、植物材料2kgから、EBI-46(RT:25.262分)>2gを生じた。
【0180】
2. 純度、安定性および溶解度
EBI-46のバルク試料は、UVおよびNMRにより、それらの計器の測定限界である、純度>95%であることを認めた。
【0181】
抽出およびクロマトグラフィー工程を通じての生物活性の保持は、その構造は安定していることを暗示し、このことはエタノール中のEBI-46溶液が4℃で4週間生物活性を維持している程度により確認した。これは、37℃で維持した病巣内注射に好ましい送達ビヒクル(10%エタノール含有するPEG 400)中における安定性のHPLC試験により確認した。この構造は、そうでなければ不安定とみなされる反応性の基を簡単には有さない。
【0182】
ジテルペンエステルであるEBI-46は、アセトン、アルコールおよびPEG 400などの生体適合性溶媒を含む、有機溶媒中に非常に溶けやすい。水溶液を形成するためには、そのような溶媒が少量必要である。溶解度試験は、これまでに試験した3種全ての濃度での100%溶解度を明らかにしている:90%水中450μg/mL、99%水中50μg/mL、および99.9%水中5μg/mL。比較的高い溶解度は、十分実行可能である。
【0183】
EBI-46は、強力な薬物であり、かつ少量のみが必要とされることに留意のこと。従ってEBI-46の病巣内注射に関して、濃度は、400μg/mLである(およびこの場合水は不要である)。
【0184】
3. EBI-46および関連化合物のインビトロでの生物活性プロファイル:細胞増殖の停止
EB548粗抽出物(表13)、および精製したEBI-46(図4)の培養されたヒト腫瘍細胞株および正常株(ヒト二倍体線維芽細胞)の増殖を阻止する能力を、クローン形成型アッセイにおいて試験し、ここでは細胞増殖を測定(スルホローダミンタンパク質染色)する前に、多くの世代が経過させた(5〜6日間処理)。形態の変化もスコア化し、これらは、公知のプロテインキナーゼC(PKC)アクチベーターTPA(テトラデカノイルホルボール酢酸エステル)により誘導される値と同一であり、すなわちMM96L細胞株において際だった双極性形態およびMCF-7細胞クラスターの散在である。
【0185】
(表13) EBI-46-リッチな粗抽出物(EB548)による増殖阻害に対するヒト細胞の相対感受性
数値は、JAM細胞株(任意に100に設定)に対し、細胞株の増殖を50%阻害(IC50)するために必要である粗抽出物の量を表す。

これらの結果は、精製されたEBI-46に関して確認した(図4)。
【0186】
EBI-46/EB548-感受性細胞株(K562、HL60、MCF7、Colo205、MM127、D04、U937)は、他のヒト腫瘍細胞株および正常ヒト線維芽細胞およびPBMC(末梢血単核細胞)についてよりも約100倍低い投与量で、TPAによる増殖阻害(結果は示さず)に対し同程度感受性があった。更に、EBI-46は、TPAと同じ、MM96Lにおける双極性形態およびMCF-7の細胞散在を誘導した。そのような作用はPKC阻害剤により阻害されることが先に示されているので、EBI-46は、PKCアクチベーターであると考えられる。
【0187】
表14に示されているように、同様の生物活性を、EBI-47、EBI-61、EB610 p4011206およびEBI-59について認めた。
【0188】
(表14)
下記条件下でのフォンティネア・ピクロスペルマ分離株のHPLC:
カラム:Phenomenex Luna 5u 250×4.60mm C18
流量:2mL/分
溶媒システム:メタノール/水
勾配:


* MCF7乳癌細胞の散在および増殖阻害により規定される培養された腫瘍細胞中でのPKC活性化
* * C18 Lunaカラム上での試行、アイソクラチック80%アセトニトリル-水
* * * NMRにより規定
# 異なるHPLCカラム上で試行
【0189】
従ってこれらの化合物も、PKCアクチベーターであり、ならびに下記EBI-46について明らかにしたものと同じ適応症で有用性の可能性があると見なされる。
【0190】
4. マウスの皮下腫瘍の治療におけるEBI-46の有効性:局所適用
イソプロパノールゲル中のEBI-46の局所適用は、その天然の(同種同系)宿主であるC57BL/6マウスにおける浸潤性B16マウスメラノーマについて実行した(各部位に50万個腫瘍細胞を注射した)。
【0191】
PKCアクチベーターの局所適用に関する頻度(1日1回投与量を3日間のみ)および投与量レベルは、細胞株に対するインビトロ活性を基に選択した。これらの材料は、アセトンに溶解し、局所適用のためにイソプロパノールゲルに希釈した。
【0192】
浸潤性かつ迅速に増殖するB16マウスメラノーマは、抗癌剤を試験するための非常にストリンジェントな腫瘍モデルであると認められる。ストリンジェンシーは、動物において腫瘍を形成するために必要な最低量よりも少なくとも10倍多い腫瘍細胞の注射により、更に増大した。局所治療の効能の決定における混乱因子は、一部の腫瘍細胞は、初期段階で皮下部位から逃避し、薬物およびそれに関連する皮膚宿主反応が到達しないと推定される下側の筋肉内で確立し始めることである。このような腫瘍は、皮膚が動物の体の周りに引き寄せられる場合に、動かないことにより、皮下腫瘍から識別することができる。
【0193】
従って約150μg EBI-46/部位は、良好な反応を生じ(4匹のマウスおよび4匹の対照、2部位/マウス)、1部位は明らかに治癒したが、このマウスは他の部位の増殖のために、安楽死させたことは、非常に重要である。炎症反応は、軽度であった。これらの薬物のいずれによっても、全身毒性または肺転移の徴候は存在しなかった。
【0194】
10日後の腫瘍細胞の再増殖は驚くべきことではなく、このモデルのストリンジェンシー(図5)ならびに投与量および用法の若干任意の選択をもたらした。
【0195】
前述のことを、ヌードマウスにおいて増殖したUVB-誘導したマウス扁平上皮癌(SCC)を用い、ならびに部分的に精製したEBI-46により処置して繰り返した(図6)。この皮膚癌のより現実的なモデルは、長期間維持される極めて高い反応率を示した。
【0196】
再度、優れた結果が得られ、主に恐らく局所的薬物の到達外である下側筋肉からの腫瘍の増生のために、6週間後に再発が生じた。
【0197】
局所適用による最も最新の実験は、EBI-46の2種の異なる投与量を使用した(図7)。低投与量は、100μg/部位であり、高投与量は、350μg/部位/処置であった。
【0198】
この実験は、350μg EBI-46/部位で優れた結果を生じ、有効性を実現するためにある投与量レベルに達することは重要であることを示した。
【0199】
5. マウスの皮下腫瘍の治療におけるEBI-46の有効性:病巣内注射
パイロット試験は、ヌードマウスにおいて確立した6mm×6mm LK-2腫瘍で行った。20%アセトンを含有する生理食塩水中のEB548画分の溶液約50μL(EB548-35画分中EBI-46約20μg)を、各病巣辺縁部の周り3部位に注射した。これは1回のみ行った。
【0200】
結果は、目視可能な腫瘍の迅速なアブレーション(図8)および注射部位での炎症反応を示した。腫瘍増殖は、恐らく最適な送達でなかったために、最終的に回復した。
【0201】
次に前記手順を、ビヒクルとして10%エタノールを含有するPEG 400を使用することにより変更した。EBI-46は、この混合物に非常によく溶解し、上昇した粘度は、薬物の腫瘍部位への限定的送達に役だつ。
【0202】
PEG 400送達に関して、溶液25μL中のEBI-46 10μgを、ヌードマウスの左側腹のはっきり視認できる7mm×7mm腫瘍へ、0.5mLインスリン針により注射した(29ゲージ)。16時間までに、顕著な炎症部位が発生し、腫瘍塊は、より大きくなった。背中の隆線上の正常な皮膚の小さい領域が、偶然、この調製物で局所的に処置され、軽度の炎症反応を生じた。
【0203】
7日後、腫瘍部位は依然平坦であり、痂皮が形成された。背中の隆線上の正常に処置された皮膚も、痂皮を形成した。このマウスは、9ヶ月以上腫瘍が存在せず、最終的に無関係の状態(腫脹した陰茎)のために安楽死させた。
【0204】
PEG 400は、薬物の局在化に関する粘度の利点に加え、針を抜いた後の漏出の問題点もより減らした。PEG 400単独は、別のマウスにおいてLK2腫瘍へ注射された場合に、作用を有さなかった。
【0205】
第二のマウスモデルは、SCID-NODマウス頸部に皮下移植および増殖された直径8mmのヒト鼻咽頭腫瘍に関する、パイロット試験において試験した。EBI-46の最大3回の注射(25%プロピレングリコール-生理食塩水75μL中合計25μg)は、2匹のマウスのNPC腫瘍を生じた。1匹のマウスの処置部位から痂皮がとれ、残存する腫瘍の徴候はなかった。第二のマウスにおける腫瘍の成長は遅延したが、アブレーションしなかった。
【0206】
EBI-46の全身投与
培養された細胞を使用する様々な報告は、PKCアクチベーターは、リンパ系新生物の治療の可能性があることを示唆している。マウスB細胞リンパ腫株A20は、マウスにおいてよく増殖しかつヒトの状況に近いモデルであることが報告されているので、これを、実験モデルとして使用した。
【0207】
SCID-NODマウス(BALB/cバックグラウンド)を、剃毛し、10E7 A20細胞を皮下注射した(1匹のマウスに2部位)。腫瘍は、平坦にびまん性に増殖する傾向があり、約15日後に10E7部位でのみ隆起しかつ測定可能となり始めた。次に10E7腫瘍を伴う1匹のマウスに、18日目から、25%プロピレングリコール-生理食塩水中のEBI-46 20〜25μgの投与量を合計5回、腹腔内注射した。この溶液は、4℃で数週間安定であり、この濃度(250μg/mL)では不溶性の徴候はなかった。
【0208】
これらの結果は、注射されたマウスにおける腫瘍増殖は、未処置の10E7マウスと比べ、EBI-46により強力に阻害されたことを示唆している。処置を中止した時点で、増殖は増大し、マウスは27日目に安楽死させた。
【0209】
EBI-46の送達ビヒクル
EBI-46の構造および安定性の考察は、生体適合性であるプロトン性溶媒の使用につながる。ベンジルアルコールおよびCremaphorが可能性があるが、これらは試験されていない。一般にPEG 400が使用されるので、これが選択されたが、同様の溶媒は良く適しているであろう;ならびに比較的大きい針の使用は、わずかなエタノールによる希釈の必要性を予め排除するであろう。前記材料は、免疫無防備状態のヌードマウスにおいて使用するにもかかわらず、故意に滅菌しなかった。
【0210】
安全性の問題
操作者は、いずれの強力な薬物でもそうであるように、身体保護物(グローブ、コート/ガウン、眼球保護)を身につけなければならない。EBI-46は、皮膚の炎症を引き起こし得る。これは、炭酸ナトリウム溶液により失活することができる。動物は、体重減少、窮迫の徴候または副作用を示さなかった。解剖時に、内臓は正常であるように見えたが、組織学または正式な毒性学の検査は行わなかった。
【0211】
考察
EBI-46は、EB548材料から溶媒抽出可能であり、同様の活性を有する他の化合物が存在するにもかかわらず、EBI-46は、クロマトグラフの整理された領域へ移動し、従って比較的容易に精製される。これの生物活性は、粗抽出物から精製された構造まで得られた。その医薬として可能性のある用途に関連した特性である利用可能性、純度、安定性および送達ビヒクル中の溶解度は、これまでのところ見込みがある。
【0212】
PKCアクチベーターであるEBI-46に関連した細胞増殖阻害プロファイルは、固形腫瘍および白血病細胞株のサブセットに関して、正常細胞およびいくつかの他の腫瘍細胞株と比べ、非常に高い選択性を示す。病巣への局所クリーム剤または病巣内注射などの限局性適用は、これらの部位を清掃すると考えられ、その理由は、適用部位での初期炎症反応により証明される宿主の生得免疫応答による、直接殺傷(高い局所投与量)および周辺部腫瘍細胞の排除の組合せのためである。
【0213】
病巣内注射は、著しい反応を得るために、局所適用よりもより少ない薬物、および1回のみの処置を必要とした。例えば原発病巣の一方側で再発が生じたとしても、反復注射が可能であろう。注射は、様々な厚さの皮膚部位への局所適用に頼るよりも、より積極的な送達も提供する。
【0214】
局所治療の有効性は、EBI-46に本質的に感受性がある標的腫瘍が不要であることに留意することは重要である。例えば浸潤性B16マウスメラノーマ細胞は、培養物においてかなり抵抗性であるが、このマウスにおいて局所的なこの薬物には反応する。推定するに、活発な宿主反応が主要要因である。このC57BL/6系統は、ヌードマウスBALB/cバックグラウンドとは大きく異なり、異なる系統も適切なT-細胞免疫の欠如も、両方共EBI-46の有効性を阻害しないことを指摘している。
【0215】
EBI-46局所治療のマウス以外の種に作用する能力は、未だ評価されていない。マウス皮膚は非常に薄く(ヒト皮膚の厚さの半分)、従って病巣内注射をより魅力的なものにしている。PEG 400は、薬物送達に広範に使用され、かつその粘度(注射可能性を実現するために10%エタノールでわずかに低下させる)は注射部位から遠位へ広がることを制限するので、これがビヒクルとして選択された。
【0216】
EBI-46は、正常皮膚において炎症反応を引き起こすことに留意のこと。疣贅を治療するために使用される様々な植物体の樹液の事例報告がある。これは、ケロイド瘢痕、乾癬、疣贅、肉芽およびその他の皮膚の悪性でない状態をアブレーションするためにEBI-46を用いる可能性を生じる。
【0217】
局所治療は、皮膚病巣を超えた重大な適用を認めることができる。注射または好適に製剤された局所用調製物による、口腔、食道および腸の腫瘍のような命を脅かすような腫瘍の局所的治療は実現可能であろう。これは、循環系への薬物の逃避を制限する物理的または薬学的手段と組合せて実行することができる。
【0218】
本明細書を通じ、別に状況が必要としない限りは、用語「を含む(comprises)」および「を含む(comprise)」または「を含んでいる(comprising)」のような変形は、言及された整数値または整数値の群または段階を包含することを暗示するが、いずれか他の整数値または整数値の群を排除するものではないことは理解されるであろう。
【0219】
本明細書を通じ、本発明をいずれかひとつの態様または具体的特徴の集合に限定することなく、好ましい本発明の態様を説明することを目的としている。従って当業者は、本開示を考慮し、本発明の範囲から逸脱することなく、例証された特定の態様に、様々な改変および変更を行うことができることを理解するであろう。
【0220】
本明細書において言及された全てのコンピュータプログラム、アルゴリズム、特許および科学文献は、本明細書に参照として組入れられている。
【図面の簡単な説明】
【0221】
【図1】式(I)の化合物の最初の溶媒抽出に関するフローチャートである。
【図2】図2A:図1に示された抽出から得られた水性濃厚物の溶媒分配を示すフローチャートである。図2B:図1に示された抽出から得られた酢酸エチル残渣の溶媒分配を示すフローチャートである。
【図3】分取用HPLCクロマトグラフィーの工程を示すフローチャートである。
【図4】EBI-46による培養物中の細胞増殖の選択的阻害の結果を図示する。
【図5】EBI-46によるC57/B6マウスにおけるB16腫瘍の局所治療の結果を図示する(5日目から開始し、1日1回3日間適用)。
【図6】ヌードマウスにおけるLK2マウスSCCの局所治療の結果を図示する。
【図7】EBI-46の局所適用による、LKC SSC腫瘍の増殖の阻害を図示する。
【図8】注射されたEBI-46の、LK-2 SCC腫瘍に対する作用を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)の化合物、ならびにそれらの幾何異性体または立体異性体、およびそれらの薬学的、農学的または農薬的に許容される塩:

式中
Xは、-O-、-S-および-NR25-から選択され;
R1およびR2は、水素、-OH、-OC1-C10アルキル、-OC2-C10アルケニル、-OC2-C10アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C10アルキル、-OC(O)C2-C10アルケニル、-OC(O)C2-C10アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C10アルキル、-OC(O)NHC2-C10アルケニル、-OC(O)NHC2-C10アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C10アルキル、-OC(S)NHC2-C10アルケニル、-OC(S)NHC2-C10アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから独立して選択されるか、またはR1およびR2は一緒に、=O、=S、=NHもしくは=N(C1-C6アルキル)であり;
R3は、水素、-C1-C10アルキル、-C2-C10アルケニルまたは-C2-C10アルキニルであり;
R4およびR5は、各々、水素、-C1-C10アルキル、-C2-C10アルケニル、-C2-C10アルキニル、-OH、-OC1-C10アルキル、-OC2-C10アルケニル、-OC2-C10アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C10アルキル、-OC(O)C2-C10アルケニル、-OC(O)C2-C10アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C10アルキル、-OC(O)NHC2-C10アルケニル、-OC(O)NHC2-C10アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C10アルキル、-OC(S)NHC2-C10アルケニル、-OC(S)NHC2-C10アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリール、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2もしくはN(R25)2であるか、あるいはR4およびR5は一緒に、二重結合を形成するか、または-O-、-S-、-NR25-もしくは-CR26R27-であり;
R6は、水素、-C1-C10アルキル、-C2-C10アルケニルおよび-C2-C10アルキニルから選択され;
R8は、水素、-C1-C10アルキル、-C2-C1Oアルケニルおよび-C2-C10アルキニルから選択され;
R10は、水素、-C1-C10アルキル、-C2-C10アルケニルおよび-C2-C10アルキニルから選択され;
R11は、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC2-C20アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C20アルキル、-OC(O)NHC2-C20アルケニル、-OC(O)NHC2-C20アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C20アルキル、-OC(S)NHC2-C20アルケニル、-OC(S)NHC2-C20アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから選択されるか、またはR10およびR11は一緒に、カルボニル基(=O)を形成し;
R12は、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC2-C20アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C20アルキル、-OC(O)NHC2-C20アルケニル、-OC(O)NHC2-C20アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C20アルキル、-OC(S)NHC2-C20アルケニル、-OC(S)NHC2-C20アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから選択され;
R13およびR14は、水素および-C1-C10アルキルから独立して選択され;
R18は、C1-C20アルキル、-C2-C20アルケニル、-C2-C20アルキニル、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC2-C20アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-NHC1-C20アルキル、-NHC2-C20アルケニル、-NHC2-C20アルキニル、-NHシクロアルキル、-NHアリール、-NHヘテロシクリル、-NHヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C20アルキル、-OC(O)NHC2-C20アルケニル、-OC(O)NHC2-C20アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C20アルキル、-OC(S)NHC2-C20アルケニル、-OC(S)NHC2-C20アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから選択され;
R19およびR20は、水素、-C1-C6アルキル、-C2-C6アルケニル、-C2-C20アルキニル、-OH、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC2-C6アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C6アルキル、-OC(O)C2-C6アルケニル、-OC(O)C2-C6アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリールから独立して選択されるか、またはR19およびR20は一緒に、カルボニル基もしくはチオカルボニル基を形成し;
R21は、水素、-C1-C10アルキル、-C2-C10アルケニルおよび-C2-C10アルキニルから選択され;
R22は、水素、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC2-C20アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C20アルキル、-OC(O)NHC2-C20アルケニル、-OC(O)NHC2-C20アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C20アルキル、-OC(S)NHC2-C2Oアルケニル、-OC(S)NHC2-C20アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから選択されるか、またはR21およびR22は一緒に、カルボニル基を形成し;
R23は、水素、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC2-C20アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C20アルキル、-OC(O)NHC2-C20アルケニル、-OC(O)NHC2-C20アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C20アルキル、-OC(S)NHC2-C20アルケニル、-OC(S)NHC2-C20アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから選択され;
R24は、水素、-OH、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC2-C20アルキニル、-Oシクロアルキル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-OC(O)シクロアルキル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、-OC(O)NHC1-C20アルキル、-OC(O)NHC2-C20アルケニル、-OC(O)NHC2-C20アルキニル、-OC(O)NHシクロアルキル、-OC(O)NHアリール、-OC(O)NHヘテロシクリル、-OC(O)NHヘテロアリール、-OC(S)NHC1-C20アルキル、-OC(S)NHC2-C20アルケニル、-OC(S)NHC2-C20アルキニル、-OC(S)NHシクロアルキル、-OC(S)NHアリール、-OC(S)NHヘテロシクリル、-OC(S)NHヘテロアリールから選択され;
R25は、水素および-C1-C10アルキルから選択され;
R26およびR27は、水素、-C1-C10アルキル、-OH、-OC1-C10アルキルから独立して選択され;
ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは各々、置換されてもよい。
【請求項2】
化合物が、式(III)の化合物、またはそれらの幾何異性体もしくは立体異性体、および薬学的、農学的もしくは農薬的に許容される塩である、請求項1記載の化合物:

式中
R3は、水素、-C1-C6アルキルまたは-C2-C6アルケニルであり;
R4およびR5は、各々独立して、水素、-C1-C6アルキル、-C2-C6アルケニル、-OH、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC(O)C1-C6アルキル、-OC(O)C2-C6アルケニル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、F、Cl、BrもしくはIであるか、またはR4およびR5は一緒に、二重結合を形成するかもしくは-O-であり;
R6は、水素、-C1-C6アルキルまたは-C2-C6アルケニルであり;
R8は、水素、-C1-C6アルキルまたは-C2-C6アルケニルであり;
R13およびR14は、各々独立して水素または-C1-C6アルキルであり;
Ra、Rb、Rc、Rd、ReおよびRfは、水素、-C1-C20アルキル、-C2-C20アルケニル、-C2-C20アルキニル、-C(O)C1-C20アルキル、-C(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)C2-C20アルキニル、-C(O)シクロアルキル、-C(O)アリール、-C(O)ヘテロシクリル、-C(O)ヘテロアリール、-C(O)NHC1-C20アルキル、-C(O)NHC2-C20アルケニル、-C(O)NHC2-C20アルキニル、-C(O)NHシクロアルキル、-C(O)NHアリール、-C(O)NHヘテロシクリル、-C(O)NHヘテロアリール、-C(S)NHC1-C20アルキル、-C(S)NHC2-C20アルケニル、-C(S)NHC2-C20アルキニル、-C(S)NHシクロアルキル、-C(S)NHアリール、-C(S)NHヘテロシクリルおよび-C(S)NHヘテロアリールから各々独立して選択され;
ここでアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基は各々、置換されてもよい。
【請求項3】
化合物が、式(IV)の化合物、ならびにそれらの幾何異性体または立体異性体、およびそれらの薬学的、農学的または農薬的に許容される塩である、請求項1記載の化合物:

式中
R3は、水素、-C1-C6アルキルまたは-C2-C6アルケニルであり;
R4およびR5は、各々独立して、水素、-C1-C6アルキル、-C2-C6アルケニル、-OH、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC(O)C1-C6アルキル、-OC(O)C2-C6アルケニル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリール、F、Cl、BrもしくはIであるか、またはR4およびR5は一緒に、二重結合を形成するかもしくは-O-であり;
R6は、水素、-C1-C6アルキルまたは-C2-C6アルケニルであり;
R8は、水素、-C1-C6アルキルまたは-C2-C6アルケニルであり;
R10は、水素であり;
R11は、ヒドロキシ、-OC1-C20アルキル、-OC2-C20アルケニル、-OC(O)C1-C20アルキル、-OC(O)C2-C20アルケニル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリールであるか;または、R10およびR11は一緒に、カルボニル基を形成し;
R12'は、水素、-C1-C20アルキル、-C2-C20アルケニル、-C(O)C1-C20アルキル、-C(O)C2-C20アルケニル、-C(O)アリール、-C(O)ヘテロシクリルまたは-C(O)ヘテロアリールであり;
R13およびR14は、各々独立して、水素または-C1-C6アルキルであり;
R18'は、水素、-C1-C6アルキル、-C2-C6アルケニル、-C(O)C1-C6アルキル、-C(O)C2-C6アルケニル、-C(O)アリール、-C(O)ヘテロシクリルまたは-C(O)ヘテロアリールであり;
R19およびR20は、水素、-OH、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニルから独立して選択されるか、またはR19およびR20は一緒に、カルボニル基を形成し;
R21は、水素であり;
R22は、ヒドロキシ、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC(O)C1-C6アルキル、-OC(O)C2-C6アルケニル、-OC(O)アリール、-OC(O)ヘテロシクリル、-OC(O)ヘテロアリールであるか、またはR21およびR22は一緒に、カルボニル基を形成し;
ここでアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは各々、置換されてもよい。
【請求項4】
R1およびR2が、水素、ヒドロキシ、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC(O)C1-C6アルキルもしくは-OC(O)C2-C6アルケニルから独立して選択されるか、またはR1およびR2は一緒に、カルボニル基を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
R4およびR5が、二重結合を形成するか、またはR4およびR5は、水素であるか、もしくは一緒に-O-である、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
R8が、水素または-C1-C3アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R11およびR12が、ヒドロキシ、-C1-C20アルキルオキシ、-C2-C20アルケニルオキシ、-OC(O)C1-C20アルキルまたは-OC(O)C2-C20アルケニルから独立して選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
R13およびR14が、水素および-C1-C3アルキルから独立して選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
Xが、-O-である、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
R19およびR20が、水素、ヒドロキシ、-OC1-C3アルキル、-OC2-C3アルケニルであるか、またはR19およびR20が一緒に、カルボニル基を形成し、ならびにR18が、ヒドロキシ、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC(O)C1-C6アルキルまたは-OC(O)C2-C6アルケニルから選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
R22が、ヒドロキシ、-OC1-C6アルキル、-OC2-C6アルケニル、-OC(O)C1-C6アルキルまたは-OC(O)C2-C6アルケニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
R23およびR24が、各々ヒドロキシである、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
(12-チグロイル-13-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアン-3-オン);
(12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-チグリアエン(tigliaen)-3-オン);
12-(ドデカ-2,4,6-トリエノイル)-13-(2-メチルブタノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン;
12-(デカ-2,4-ジエノイル)-6,7-エポキシ-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-1-チグリアエン-3-オン;
12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-1,2-2H-1,2,6,7-ジエポキシ-6-カルボキシ-4,5,9,12,13-ペンタヒドロキシ-チグリアエン-3-オン;および
12,13-ジ-(2-メチルブタノイル)-5,20-ジ-アセトイル-4,5,9,12,13,20-ヘキサヒドロキシ-チグリアエン-3-オンである、請求項1記載の化合物。
【請求項14】
請求項1記載の化合物、および薬学的、農学的または農薬的に許容される担体を含む、薬学的または農薬組成物。
【請求項15】
請求項1記載の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を対象へ投与する工程を含む、細菌、寄生生物または原虫感染症を治療または予防する方法。
【請求項16】
請求項1記載の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を対象へ投与する工程を含む、細胞増殖障害を治療または予防する方法。
【請求項17】
細胞増殖障害が、白血病または固形腫瘍癌である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
固形腫瘍癌が、メラノーマ、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、基底細胞癌、扁平上皮癌、線維肉腫、結腸癌もしくは肺癌または他の固形腫瘍である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
細胞増殖障害が、類肉腫である、請求項16記載の方法。
【請求項20】
細胞増殖障害が、ウマ類肉腫である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
抗炎症薬を投与する工程を更に含む、請求項16記載の方法。
【請求項22】
請求項1記載の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を対象へ投与する工程を含む、限局性の炎症反応を刺激する方法。
【請求項23】
請求項1記載の化合物の農薬としての有効量を、害虫が蔓延した環境へ適用する工程を含む、農業害虫を防除する方法。
【請求項24】
式(I)の化合物、またはそれらの薬学的もしくは農学的に許容される塩:

式中
Xは、-S-、-O-、-NH-または-N(C1-6アルキル)-から選択され;
各nは、1〜10から独立して選択され;
R1からR24は、各々、水素、-C1-C20アルキル、-C2-C20アルケニル、-C2-C20アルキニル、-C3-C8シクロアルキル、-C6-C14アリール、-C5-C14ヘテロアリール、C3-C14ヘテロシクリル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、ハロ、-CN、-NO2、-C1-C10ハロアルキル、-C1-C10ジハロアルキル、-C1-C10トリハロアルキル、-COR28、-CO2R28、-OR28、-SR28、-N(R28)2、-NR28OR28、-ON(R28)2、-SOR28、-SO2R28、-SO3R28、-SON(R28)2、-SO2N(R28)2、-SO3N(R28)2、-P(R28)3、-P(O)(R28)3、-Si(R28)3、-B(R28)2、-C(Z)R28および-ZC(Z)R28から独立して選択され;
R28は、水素、-C1-C20アルキル、-C2-C20アルケニル、-C2-C20アルケニル、-C3-C8シクロアルキル、-C6-C14アリール、-C5-C14ヘテロアリール、-C3-C14ヘテロシクリル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、-C1-C10ハロアルキル、-C1-C10ジハロアルキルおよび-C1-C10トリハロアルキルから選択されるか;または
1つもしくは複数のR1(もしくはR2)はR3(もしくはR4)に結合され、および/またはR3(もしくはR4)はR5(もしくはR6)に結合され、および/またはR5(もしくはR6)はR7に結合され、および/またはR7はR8(もしくはR9)に結合され、および/またはR8(もしくはR9)はR10(もしくはR11)に結合され、および/またはR10(もしくはR11)はR12へ結合され、および/またはR12はR13(もしくはR14)に結合され、および/またはR13はR14へ結合され、および/またはR13(もしくはR14)はR15へ結合され、および/またはR15はR17へ結合され、および/またはR18(もしくはR19もしくはR20)はR22(もしくはR21)へ結合され、および/またはR22(もしくはR21)はR23へ結合され、および/またはR23はR1(もしくはR2)へ結合され、および/またはR24はR7(もしくはR16)もしくはR8(もしくはR9)へ結合され、R28、-(C=Z)R28および-Z(C=Z)R28により更に置換された、-C1-C8二置換(縮合)飽和または不飽和の、炭素環および複素環を形成するか;または
1つもしくは複数のR1(もしくはR2)はR3(もしくはR4)に結合され、R3(もしくはR4)はR5(もしくはR6)に結合され、R5(もしくはR6)はR7へ結合され、R7はR24へ結合され、R8(もしくはR9)はR10(もしくはR11)へ結合され、R16はR24へ結合され、R22(もしくはR21)はR23へ結合され、R23はR1(もしくはR2)へ結合され、R24はR7(もしくはR16)もしくはR8(もしくはR9)へ結合され、二重結合を形成するか;または
1つもしくは複数のR1およびR2、R3およびR4、R5およびR6、R8およびR9、R10およびR11、R18およびR19(もしくはR18およびR20)、R21およびR22は、-Zへの二重結合を形成し、ならびに
Zは、硫黄、酸素および-NH-または-N(C1-C6アルキル)-から選択される。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−520699(P2009−520699A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546041(P2008−546041)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/AU2006/002001
【国際公開番号】WO2007/070985
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(508186761)キューバイオティクス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】