説明

チゼル

【課題】騒音が快音のチゼルを提供する。
【解決手段】ウエイト部材321〜323が特定の位置に付加されており、2000Hz以上8000Hz以下の特定周波数帯内にある特定の振動モードの固有周波数の振幅低下が極小となる位置にウエイト部材321〜323が付加されているので、発生する騒音が人間にとって快適な音質である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーカ装置に着脱自在に装着されて破砕作業に利用されるチゼルに関し、特に、作業時に無視できない騒音を発生するチゼルに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、コンクリートの破砕作業などにブレーカ装置が利用されている。このようなブレーカ装置の一従来例を図8および図9を参照して以下に説明する。なお、ここでは説明を簡単とするため、図示するように、上下方向を規定する。
【0003】
ブレーカ装置100は、図8に示すように、円筒状の装置本体101を有している。この装置本体101の内部には、上下方向にスライド自在なピストン部材と、このピストン部材を往復移動させる駆動機構と、が内蔵されている(図示せず)。
【0004】
ブレーカ装置100の装置本体101の下端には、チゼル110が交換自在に装着される。チゼル110は、高硬度の鋼材などにより軸状に形成されている。チゼル110は、上下方向に変位自在な状態で、その上端である末端にピストン部材が当接するように、装置本体101に支持される。
【0005】
ブレーカ装置100は、図9に示すように、例えば、油圧パワーショベル等の建設車両120の可動アーム121にブラケット122により装着される。
【0006】
建設車両120がチゼル110の下端である先端を破砕対象に当接させた状態で、ブレーカ装置100が駆動される。すると、上下方向に往復移動されるピストン部材がチゼル110の上端を繰り返し打撃する。
【0007】
これでチゼル110の末端から先端まで圧縮の応力波が縦波として伝播する。そこで、このチゼル110の先端が圧接されている破砕対象が破砕される。
【0008】
現在、上述のようなチゼルの各種の提案がある(例えば、特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】実開昭58−40382号
【特許文献2】特開2002−103247号
【特許文献3】特開2002−331472号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のようなブレーカ装置100は、破砕対象に当接しているチゼル110を繰り返し打撃するので、当然ながら多大な騒音を発生する。
【0010】
この課題を解決するため、装置本体を半密閉構造のボックス状のブラケットに収容したブレーカ装置(図示せず)もある。しかし、実際には装置本体から発生する騒音よりチゼルから発生する騒音の方が大きい。
【0011】
この課題を解決するためには、チゼルも遮音構造のハウジング内に収容することが想定できる。しかし、チゼルは破砕対象に圧接される必要がある。また、チゼルは破砕作業とともに摩滅して先端の位置が後退する。このため、チゼルをハウジングなどの内部に配置することは困難である。
【0012】
さらに、一般的に音質の評価因子として、金属因子、迫力因子、美的因子、明暗因子、などがある。そして、前述のようにチゼルは高硬度の鋼材などで形成されており、コンクリートなどを破砕対象とする。
【0013】
このため、チゼルが発生する騒音の音質は、高周波域の金属因子や低周波域の迫力因子が支配的である。このような音質の騒音は、人間にとって極めて不快である。つまり、従来のチゼルは、多大な騒音を人間にとって不快な音質で発生している。
【0014】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、人間にとって不快な音質の騒音を発生しないチゼルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のチゼルは、ブレーカ装置に装着されて破砕作業に利用されるチゼルであって、質量が特定の位置に付加されており、特定周波数帯内にある特定の振動モードの固有周波数の振幅低下が極小となる位置に質量が付加されている。従って、本発明のチゼルでは、質量の付加により振動が全体的に低減されても、人間が不快でないと感じる特定周波数帯の振動の低減は抑制される。
【0016】
なお、本発明で云うチゼルとは、ブレーカ装置に装着されて破砕作業に利用される軸状の工具を意味しており、例えば、ウエッジ、アッシ、等と呼称されているものも内包している。
【0017】
また、本発明で云う各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が1個の部材として形成されていること、1つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明のチゼルでは、特定周波数帯内にある特定の振動モードの固有周波数の振幅低下が極小となる位置に質量が付加されていることにより、質量の付加により振動が全体的に低減されても、人間が不快でないと感じる特定周波数帯の振動の低減は抑制されるので、発生する騒音が人間に快適と感じられる音質となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の一形態を、図1ないし図7を参照して以下に説明する。なお、本実施の形態に関して前述した一従来例と同一の部分は、同一の名称を使用して詳細な説明は省略する。
【0020】
また、本実施の形態では図示するように上下方向を規定して説明する。ただし、これは説明を簡単とするために便宜的に規定するものであり、本発明を実施する場合の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態のブレーカ装置200は、装置本体210とチゼル300とを有しており、装置本体210にチゼル300が装着されている。ブレーカ装置200の装置本体210は、下端が開口した円筒状に形成されている。
【0022】
この装置本体210の内部下方には、チゼル300を交換自在に保持するシャンク機構211が形成されている。装置本体210の内部には、ピストン部材212が上下方向にスライド自在に挿入されている。
【0023】
ブレーカ装置200の装置本体210には駆動機構(図示せず)も内蔵されており、この駆動機構がピストン部材212を上下方向に往復移動させる。また、本実施の形態のブレーカ装置200は、防音ブラケット220も有しており、この防音ブラケット220の内部に装置本体210が収容されている。
【0024】
本実施の形態のチゼル300は、チゼル本体310と、質量である三個のウエイト部材321〜323からなる。チゼル本体310は、クロムモリブデン鋼などの鋼材により軸状に形成されている。
【0025】
チゼル本体310の下端近傍は、破砕作業に使用されて摩滅する先端部311となっている。チゼル本体310の上端近傍は、シャンク機構211により保持される末端部312となっている。
【0026】
そして、チゼル本体310の先端部311から末端部312まで中間部313が連続している。この中間部313は、軸心方向と直交する断面形状が一様な軸状に形成されている。
【0027】
ウエイト部材321〜323は、例えば、チゼル本体310と同一のクロムモリブデン鋼により円環状に形成されている。ウエイト部材321〜323は、チゼル本体310とは別体に形成されており、その中間部313の外周面に別体のまま密着状態で装着されている。
【0028】
ウエイト部材321〜323は、チゼル本体310に別体でありながらも相対移動しないように強固に装着されている必要がある。このため、ウエイト部材321〜323は、チゼル本体310に、圧入、焼きばめ、等で装着されている。なお、円環状のウエイト部材321〜323の重心は、円柱形の軸状のチゼル本体310の軸心上に位置している。
【0029】
本実施の形態のチゼル300は、図2および図3に示すように、2000Hz以上8000Hz以下の特定周波数帯である快音周波数帯内にある特定の振動モードの固有周波数の振幅低下が極小となる位置に、ウエイト部材321〜323が付加されている。
【0030】
より具体的には、本実施の形態のチゼル300では、二次曲げと三次曲げとの固有周波数の振幅低下の合計が極小となる位置にウエイト部材321〜323が付加されている。
【0031】
上述の快音周波数帯とは、その周波数帯内に統計的に人間が不快でないと感じる固有周波数が離散的に分布している周波数帯を意味しており、実際にチゼルの騒音を複数の被験者に試聴させて多数決により特定される。
【0032】
そして、詳細には後述するが、本発明者が実際にチゼル本体310を試作して各種の振動モードを調査したところ、図2に示すように、主要な振動モードとしては、一次曲げ、二次曲げ、三次曲げ、伸縮、があった。
【0033】
一次曲げの固有周波数は約1000Hzなので、その固有周波数に音圧のピークが発生している。同様に、二次曲げの固有周波数は約3200Hz、三次曲げの固有周波数は約5600Hz、伸縮の固有周波数は約7000Hz、なので、これらの固有周波数に音圧のピークが発生している。
【0034】
そして、被験者の試聴により、騒音の音質には二次曲げと三次曲げとの固有周波数が支配的であることが確認された。
【0035】
そこで、本発明者は、快音周波数帯を3200Hz付近から5600Hz付近と特定した。そして、本実施の形態のチゼル300では、上述の快音周波数帯にある二次曲げと三次曲げとの固有周波数の振幅低下の合計が極小となるチゼル本体310の位置に、ウエイト部材321〜323が付加されている。
【0036】
上述のような構成において、本実施の形態のブレーカ装置200も、従来のブレーカ装置100と同様に、チゼル300の先端を破砕対象(図示せず)に圧接させた状態で、チゼル300の末端をピストン部材212で打撃する。
【0037】
これでチゼル300の末端から先端まで応力波が縦波として伝搬するので、その応力波により破砕対象が破砕される。このようにブレーカ装置200がチゼル300を打撃して破砕対象を破砕するとき、当然ながらチゼル300から多大な騒音が発生する。
【0038】
しかし、本実施の形態のチゼル300は、快音周波数帯にある二次曲げと三次曲げとの固有周波数の振幅低下の合計が極小となるチゼル本体310の位置にウエイト部材321〜323が付加されている。このため、本実施の形態のチゼル300は、人間にとって快適な周波数の騒音を発生することができる。
【0039】
つまり、本実施の形態のチゼル300は、ウエイト部材321〜323の付加により騒音の音圧を低減するのではなく、騒音の音質を改善している。音質が良好ならば、人間は感覚的に騒音の音圧を低く感じる。このため、本実施の形態のチゼル300では、音質の改善により、人間の感覚的に騒音を低減することができる。
【0040】
なお、本発明者が実際に試作したチゼル300では、チゼル本体310の重量は、例えば、5kgである。チゼル本体310の先端に近接した第一のウエイト部材321の重量は、例えば、1kgである。
【0041】
一方、中央に位置する第二のウエイト部材322と、チゼル本体310の末端に近接した第三のウエイト部材323との重量は、例えば、各々0.5kgである。このため、チゼル本体310とウエイト部材321〜323との重量の比率は、10:2:0.5(×2)、となっている。
【0042】
さらに、チゼル本体310の外形はφ45mm、ウエイト部材321〜323の外形はφ80mmである。このため、第二および第三のウエイト部材322,323の軸心方向の板厚は、第一のウエイト部材321の半分である。
【0043】
そして、チゼル本体310の全長は420mmであり、本実施の形態のチゼル300では、チゼル本体310の末端から、200mm、260mm、360mm、の位置にウエイト部材321〜323の中心が位置している。
【0044】
なお、チゼル300の騒音の音質改善のためには、ウエイト部材321〜323の重量が大きいほど効果がある。しかし、ウエイト部材321〜323の重量が大きいと、破砕対象を破砕するチゼル300の本来の性能は阻害される。
【0045】
そこで、本実施の形態のチゼル300では、上述のようにウエイト部材321〜323を装着するチゼル本体310の位置を特定することにより、必要最小限の重量のウエイト部材321〜323で騒音の音質改善の効果を最大としている。
【0046】
ここで、ウエイト部材321〜323を付加するチゼル本体310の位置を特定するチゼル300の設計方法を、本発明が実行した実験結果とともに以下に説明する。まず、本発明者は複数種類の全長のチゼル本体310の騒音を複数の被験者に試聴させ、不快か快適かの統計を取ることにより、騒音の音質が最良のチゼル本体310の全長を特定した。
【0047】
なお、被験者に騒音を試聴させる具体的な手法としては、実際に複数種類の全長のチゼル本体310を製造して駆動することの他、その騒音を録音してから再生すること、コンピュータシミュレーションにより騒音を生成すること、等でもよい。
【0048】
これで騒音が最良のチゼル本体310の全長が特定されたので、図2に示すように、このチゼル本体310の周波数特性を測定した。この周波数特性は、周波数ごとの音圧からなる。この周波数特性から、騒音の音質が最良のチゼル本体310の音質に影響が大きい固有周波数fnが特定された。
【0049】
より具体的には、チゼル本体310の騒音には、振動モードごとの固有周波数に対応して音圧にピークが発生する。チゼル本体310の主要な振動モードとしては、一次曲げ、二次曲げ、三次曲げ、伸縮、があった。
【0050】
一次曲げの固有周波数は約1000Hzなので、その固有周波数に音圧のピークが発生している。同様に、二次曲げの固有周波数は約3200Hz、三次曲げの固有周波数は約5600Hz、伸縮の固有周波数は約7000Hz、なので、これらの固有周波数に音圧のピークが発生している。
【0051】
そして、被験者の試聴により、騒音の音質には二次曲げと三次曲げとの固有周波数が支配的であることが確認された。
【0052】
そこで、本発明者は、快音周波数帯にある二次曲げと三次曲げとの固有周波数の振幅低下が極小となるチゼル本体310の位置にウエイト部材321〜323の付加位置を特定することとした。
【0053】
そこで、図4および図7に示すように、例えば、破砕対象に当接される先端を基準として、チゼル本体310に複数の位置i(i=1,2,3,…)が設定される(ステップS1)。
【0054】
そして、図5に示すように、チゼル本体310の複数の位置iごとに、二次曲げと三次曲げとの振幅が特定される(ステップS3〜S5)。この確認は、実際に試作したチゼル本体310から測定することでもよく、チゼル本体310の各種データに基づいてコンピュータシミュレーションにより算出することでもよい。
【0055】
上述のようにすることで、二次曲げと三次曲げとの振幅が極大の位置が特定される(ステップS6)。図5に例示する実験結果では、二次曲げの振幅が極大の位置は、1,8、であり、三次曲げの振幅が最大の位置は、1,6,12、である。
【0056】
つぎに、図6に示すように、位置iに質量を付加したときの振幅低下が、上述の二次曲げと三次曲げとの振幅が極大の位置で算出される(ステップS8〜S10)。そこで、これらの振幅低下の合計が極小の位置が特定される(ステップS11,S12)。
【0057】
さらに、二次曲げと三次曲げとの振幅が極大の位置ごとに、その振幅低下の合計の大小が特定される。そして、この振幅低下の合計の大小と相反するようにウエイト部材321〜323の質量の大小が決定される(ステップS13)。
【0058】
図6に例示する実験結果では、二次曲げと三次曲げとの振幅低下の合計が極小となる位置は、4,9,12、である。さらに、これらの位置での振幅低下の合計の数値は、0.14、0.52、0.45、である。
【0059】
つまり、位置4は、位置9,12、よりも、振幅低下の合計が極小である。そこで、本実施の形態のチゼル300では、図3に示すように、位置4には1kgと重いウエイト部材321が装着され、位置9,12には0.5kgと軽いウエイト部材322,323が装着される。
【0060】
上述のように設計された本実施の形態のチゼル300は、快音周波数帯にある二次曲げと三次曲げとの固有周波数の振幅低下の合計が極小となる位置にウエイト部材321〜323が付加されている。このため、人間にとって快適な周波数の騒音を発生することができる。
【0061】
しかも、本実施の形態のチゼル300は、上述のようにチゼル本体310の複数の位置にウエイト部材321〜323が装着されているが、振幅低下が小さい位置のウエイト部材321の質量は、振幅低下が大きい位置のウエイト部材322,323の質量より大きい。このため、必要最小限の重量のウエイト部材321〜323で騒音の音質改善の効果が最大となっている。
【0062】
しかも、本実施の形態のチゼル300は、ウエイト部材321〜323がチゼル本体310とは別体に形成されて密着されている。そして、チゼル本体310は、少なくとも中間部313と先端部311とが一様な断面形状に形成されており、末端部312も略一様な断面形状に形成されている。
【0063】
このため、チゼル本体310の末端がピストン部材212に打撃されると、その応力波はウエイト部材321〜323の位置で発散されることなく、チゼル本体310の先端まで伝搬される。従って、本実施の形態のチゼル本体310は、ウエイト部材321〜323がチゼル本体310に装着されているが、破砕対象を良好に破砕することができる。
【0064】
なお、前述した特許文献1〜3には、チゼル本体の外周面に別体の部材が装着されているチゼルが開示されている(図示せず)。しかし、上述のようにチゼルの騒音の音質を改善する位置を特定して質量を付加することは、特許文献1〜3には示唆すら記載されていない。このため、特許文献1〜3のチゼルでは、その騒音を快音とすることができない。
【0065】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では特定の振動モードとして二次曲げと三次曲げとを例示した。しかし、その振動モードは四次以上の曲げや伸縮などでもよい。
【0066】
また、特定の振動モードの固有周波数がある快音周波数帯が3200Hz付近から5600Hz付近であることを例示した。しかし、本発明者が調査したところ、快音周波数帯はチゼル300の外形や材質などの各種の条件によっても変化することが確認された。このため、例えば、上述の快音周波数帯の下限は2000Hzでもよく、上限は7000Hzないし8000Hzでもよい。
【0067】
さらに、上記形態ではチゼル本体310に三個のウエイト部材321〜323が装着されていることを例示したが、これを二個以下または四個以上とすることもできる(図示せず)。
【0068】
また、上記形態ではウエイト部材321〜323がチゼル本体310に圧入や焼きばめにより強固に装着されていることを例示した。しかし、チゼル本体にウエイト部材がボルトで固定されていてもよく、チゼル本体の外周面に形成した凸部とウエイト部材の内周面に形成した凹部とを係合させてもよい(ともに図示せず)。
【0069】
また、上記形態ではチゼル本体310に別体のウエイト部材321〜323が密着されていることを例示したが、チゼル本体に質量が一体に形成されていてもよい(図示せず)。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施の形態のチゼルがブレーカ装置に装着されている状態を示す縦断正面図である。
【図2】チゼルの騒音の周波数特性と各種の振動モードとの関係を示す特性図である。
【図3】チゼルの複数の位置と振幅低下の合計との関係を示す模式図である。
【図4】チゼル本体に複数の位置を設定した状態を示す模式図である。
【図5】チゼル本体の複数の位置と振動振幅との関係を示す特性図である。
【図6】チゼル本体の複数の位置と振幅低下との関係を示す特性図である。
【図7】チゼルの設計方法を示すフローチャートである。
【図8】一従来例のブレーカ装置を示す側面図である。
【図9】ブレーカ装置が装着されている重機を示す側面図である。
【符号の説明】
【0071】
200 ブレーカ装置
300 チゼル
310 チゼル本体
321〜323 ウエイト部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーカ装置に装着されて破砕作業に利用されるチゼルであって、
質量が特定の位置に付加されており、
特定周波数帯内にある特定の振動モードの固有周波数の前記質量の付加による振幅低下が極小となる前記位置に前記質量が付加されているチゼル。
【請求項2】
前記特定周波数帯内にある複数の前記固有周波数の振幅低下の合計が極小となる前記位置に前記質量が付加されている請求項1に記載のチゼル。
【請求項3】
前記振幅低下が極小となる複数の前記位置の各々に前記質量が個々に付加されている請求項1または2に記載のチゼル。
【請求項4】
前記振幅低下が小さい位置の前記質量は前記振幅低下が大きい位置の前記質量より大きい請求項3に記載のチゼル。
【請求項5】
前記特定周波数帯が2000Hz以上8000Hz以下である請求項1ないし4の何れか一項に記載のチゼル。
【請求項6】
チゼルが交換自在に装着されているブレーカ装置であって、
請求項1ないし5の何れか一項に記載のチゼルが装着されているブレーカ装置。
【請求項7】
ブレーカ装置に装着されて破砕作業に利用されるチゼルを設計するための設計方法であって、
前記チゼルの特定の位置に質量を付加したときに特定周波数帯内にある特定の振動モードの固有周波数の振幅低下が極小となる前記位置を特定する設計方法。
【請求項8】
前記チゼルの騒音を複数の被験者に試聴させた統計結果から前記特定周波数帯を特定する請求項7に記載の設計方法。
【請求項9】
前記チゼルの特定の振動モードの騒音を複数の前記被験者に試聴させた統計結果から前記振動モードの前記特定周波数帯を特定する請求項8に記載の設計方法。
【請求項10】
前記特定周波数帯が2000Hz以上8000Hz以下である請求項7ないし9の何れか一項に記載の設計方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−237370(P2007−237370A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66719(P2006−66719)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(599011687)学校法人 中央大学 (110)
【出願人】(000165974)古河機械金属株式会社 (211)
【Fターム(参考)】