説明

チャンバ装置および極端紫外光生成装置

【課題】安定してEUV光を生成する。
【解決手段】チャンバ装置は、EUV光の生成が内部の所定の領域で行われるチャンバと、前記チャンバ内に配置され、前記所定の領域で生成されたEUV光を集光する集光ミラーと、前記集光ミラーに付着したデブリのエッチングが可能なエッチングガスを供給する少なくとも1つのエッチングガス供給部と、を備えてもよい。前記集光ミラーは、該集光ミラーのミラー面の中央部から外れた領域で該集光ミラーを貫通するように開口する少なくとも1つの第1貫通孔を含んでもよい。前記集光ミラーは、前記少なくとも1つの第1貫通孔が前記オブスキュレーション領域に実質的に対応する領域内に位置するように前記チャンバ内に固定されてもよい。前記エッチングガス供給部は、前記第1貫通孔の少なくとも1つに配置されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チャンバ装置および極端紫外光生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセスのさらなる集積化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、たとえば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度のEUV光を生成するための装置と縮小投影反射光学系とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
【0003】
極端紫外光生成装置としては、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマが用いられるLPP(Laser Produced Plasma)式装置と、放電によって生成されるプラズマが用いられるDPP(Discharge Produced Plasma)式装置と、軌道放射光が用いられるSR(Synchrotron Radiation)式装置との3種類が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7671349号明細書
【概要】
【0005】
本開示の一態様によるチャンバ装置は、オブスキュレーション領域を有する外部装置と共に用いられるチャンバ装置であって、EUV光の生成が内部の所定の領域で行われるチャンバと、前記チャンバ内に配置され、前記所定の領域で生成されたEUV光を集光する集光ミラーと、前記集光ミラーに付着したデブリのエッチングが可能なエッチングガスを供給する少なくとも1つのエッチングガス供給部と、を備えてもよい。前記集光ミラーは、該集光ミラーのミラー面の中央部から外れた領域で該集光ミラーを貫通するように開口する少なくとも1つの第1貫通孔を含んでもよい。前記集光ミラーは、前記少なくとも1つの第1貫通孔が前記オブスキュレーション領域に実質的に対応する領域内に位置するように前記チャンバ内に固定されてもよい。前記エッチングガス供給部は、前記第1貫通孔の少なくとも1つに配置されてもよい。
【0006】
本開示の他の態様による極端紫外光生成装置は、上記のチャンバ装置と、レーザ光を出力するレーザ装置と、前記レーザ装置から出力された前記レーザ光を前記チャンバ装置へ導く光学系と、を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図1】図1は、実施の形態1にかかるLPP方式のEUV光生成システムの概略構成を模式的に示す。
【図2】図2は、本開示の実施の形態2にかかるEUV光生成装置のチャンバをEUV光の中心軸を含む面で切断した際の構成を概略的に示す。
【図3】図3は、図2に示されるチャンバをEUV光の中心軸を含み且つ図2とは異なる面で切断した際の構成を概略的に示す。
【図4】図4は、露光装置内に投影されるEUV光のファーフィールドパターンの一例を示す。
【図5】図5は、本開示の実施の形態3にかかるチャンバの構成を概略的に示す。
【図6】図6は、図5に示されるミラー台の一例を示す。
【図7】図7は、図5に示されるコーン状フードの一例を示す。
【図8】図8は、プラズマ生成領域25側からミラー面123aを見た際の図5のEUV光集光ミラー123を模式的に示す。
【図9】図9は、プラズマ生成領域25側からミラー面123aを見た際の図5のEUV光集光ミラー123と、ラジカル供給部42のヘッド部400とコーン状フード50のコーン部51とを模式的に示す。
【図10】図10は、変形例1としてEUV光集光ミラーの一例を示す。
【図11】図11は、変形例2としてEUV光集光ミラーの一例を示す。
【図12】図12は、変形例3としてEUV光集光ミラーの一例を示す。
【図13】図13は、プラズマ生成時に発生したイオンデブリをトラップする磁場生成器とともに用いられるチャンバの一例を示す。
【図14】図14は、本開示の実施の形態4にかかるチャンバの構成を概略的に示す。
【図15】図15は、変形例1としてEUV光集光ミラーの一例を示す。
【図16】図16は、変形例2としてEUV光集光ミラーの一例を示す。
【図17】図17は、タングステンフィラメントを用いたラジカル生成器の一例を示す。
【図18】図18は、タングステンフィラメントを用いたラジカル生成器の他の一例を示す。
【図19】図19は、タングステンシリンダを用いたラジカル生成器の一例を示す。
【図20】図20は、マイクロ波を用いたラジカル生成器の一例を示す。
【図21】図21は、第1例によるヘッド部の概略構成を示す。
【図22】図22は、図21に示されるヘッド部をシリンダの中心軸と垂直な面で切断した際の断面構成を概略的に示す。
【図23】図23は、第2例によるヘッド部の概略構成を示す。
【図24】図24は、第3例によるヘッド部の概略構成を示す。
【図25】図25は、ラジカル生成器が移動可能に構成されたチャンバの構成を概略的に示す。
【実施の形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。なお、以下の説明では、下記目次の流れに沿って説明する。
【0009】
目次
1.概要
2.用語の説明
3.EUV光生成システムの全体説明
3.1 構成
3.2 動作
4.H生成器を含むEUV光生成装置
4.1 構成
4.2 動作
4.3 作用
5.H生成器を含むEUV光生成チャンバ
5.1 EUV光集光ミラーの変形例
5.1.1 変形例1
5.1.2 変形例2
5.1.3 変形例3
6.磁場生成器とともに用いられるEUV光生成チャンバ
6.1 EUV光集光ミラーの変形例
6.1.1 変形例1
6.1.2 変形例2
7.H生成器
7.1 タングステンフィラメントによるH生成器
7.2 タングステンフィラメントによるH生成器の他の例
7.3 タングステンシリンダによるH生成器
7.4 マイクロ波によるH生成器
8.ヘッドバリエーション
8.1 第1例
8.2 第2例
8.3 第3例
9.その他
9.1 H生成器の設置
【0010】
1.概要
以下で例示する実施の形態は、主として、極端紫外光生成装置におけるデブリのエッチングに関する。
【0011】
2.用語の説明
本開示において使用される用語を、以下のように定義する。「ドロップレット」とは、溶融したターゲット物質の液滴である。その形状は、表面張力によって略球形であり得る。「プラズマ生成領域」とは、プラズマが生成される空間として予め設定された3次元空間である。レーザ光の光路において、レーザ光の生成源側を「上流」とし、レーザ光の到達目標側を「下流」とする。「所定繰返し周波数」とは、必ずしも一定の繰返し周波数でなくてもよい。Hは、水素ラジカルを意味する。オブスキュレーション領域とは、集光ミラーによって集光されるEUV光の立体空間のうち露光装置において利用されない角度範囲に対応する空間領域のことをいう。したがって、露光装置における露光に影響を与えることなく、このオブスキュレーション領域内に部材を配置したり、集光ミラーの反射面におけるオブスキュレーション領域と対応する領域を変形したりすることが可能である。
【0012】
3.EUV光生成システムの全体説明
以下、実施の形態1にかかるLLP方式のEUV光生成装置を、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
3.1 構成
図1に、LPP方式のEUV光生成装置1の概略構成を模式的に示す。EUV光生成装置1は、少なくとも1つのレーザ装置3と共に用いられてもよい(EUV光生成装置1及びレーザ装置3を含むシステムを、以下、EUV光生成システム11と称する)。図1に示し、かつ以下に詳細に説明するように、EUV光生成装置1は、チャンバ2を含んでもよい。チャンバ2は、密閉可能であってもよい。EUV光生成装置1は、ターゲット供給装置(例えばドロップレット生成器26)を更に含んでもよい。ターゲット供給装置は、例えばチャンバ2に取り付けられていてもよい。ターゲット供給装置から供給されるターゲットの材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、又はそれらのうちのいずれか2つ以上の組合せ等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0014】
チャンバ2の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられていてもよい。その貫通孔をレーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31が通過してもよい。或いは、チャンバ2には、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31が透過する少なくとも1つのウィンドウ21が設けられてもよい。チャンバ2の内部には例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV光集光ミラー23が配置されてもよい。EUV光集光ミラー23は、第1及び第2の焦点を有し得る。EUV光集光ミラー23の表面には例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されていてもよい。EUV光集光ミラー23は、例えば、その第1の焦点がプラズマ生成位置又はその近傍(プラズマ生成領域25)に位置し、その第2の焦点が露光装置の仕様によって規定される所望の集光位置(中間焦点(IF)292)に位置するように配置されるのが好ましい。EUV光集光ミラー23の中央部には、パルスレーザ光33が通過することができる貫通孔24が設けられてもよい。
【0015】
EUV光生成装置1は、EUV光生成制御システム5に接続されていてもよい。また、EUV光生成装置1は、ターゲットセンサ4を含むことができる。ターゲットセンサ4は、ターゲットの存在、軌道、位置等を検出してもよい。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有してもよい。
【0016】
更に、EUV光生成装置1は、チャンバ2内部と露光装置6内部とを連通させる接続部29を含んでもよい。接続部29内部には、アパーチャが形成された壁291が設けられてもよい。壁291は、そのアパーチャがEUV光集光ミラー23の第2の焦点位置に位置するように配置されてもよい。
【0017】
更に、EUV光生成装置1は、レーザ光進行方向制御部34、レーザ光集光光学系22、ドロップレット27を回収するためのターゲット回収部28等を含んでもよい。レーザ光進行方向制御部34は、レーザ光の進行方向を規定するための光学素子と、この光学素子の位置や姿勢等を調整するためのアクチュエータとを備えてもよい。
【0018】
3.2 動作
図1を参照すると、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御部34を経てウィンドウ21を透過し、その後、チャンバ2に入射してもよい。パルスレーザ光31は、少なくとも1つのレーザ光経路に沿ってチャンバ2内に進み、レーザ光集光光学系22で反射されて、パルスレーザ光33として少なくとも1つのドロップレット27に照射されてもよい。
【0019】
ドロップレット生成器26からは、ドロップレット27がチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力されてもよい。ドロップレット27には、パルスレーザ光33に含まれる少なくとも1つのパルスレーザ光が照射され得る。パルスレーザ光が照射されたドロップレット27はプラズマ化し、そのプラズマからEUV光251が放射され得る。EUV光251は、EUV光集光ミラー23によって集光されるとともに反射されてもよい。EUV光集光ミラー23で反射されたEUV光252は、中間焦点292を通って露光装置6に出力されてもよい。なお、1つのドロップレット27に、パルスレーザ光33に含まれる複数のパルスレーザ光が照射されてもよい。
【0020】
EUV光生成制御システム5は、EUV光生成システム11全体の制御を統括してもよい。EUV光生成制御システム5はターゲットセンサ4によって撮像されたドロップレット27のイメージデータ等を処理してもよい。EUV光生成制御システム5は、例えば、ドロップレット27を出力するタイミングやドロップレット27の出力方向等を制御してもよい。また、EUV光生成制御システム5は、例えば、レーザ装置3のレーザ発振タイミングやパルスレーザ光31の進行方向やパルスレーザ光33の集光位置等を制御してもよい。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御を追加することもできる。
【0021】
4.H生成器を含むEUV光生成装置
つぎに、本開示の実施の形態2にかかるEUV光生成装置を、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、上述と同様の構成については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
【0022】
4.1 構成
図2は、実施の形態2にかかるEUV光生成装置のチャンバ2AをEUV光252の中心軸を含む面で切断した際の構成を概略的に示す。図3は、図2に示されるチャンバ2AをEUV光252の中心軸を含み且つ図2とは異なる面で切断した際の構成を概略的に示す。図2および図3では、図1と同様の構成については、必要に応じてその図示が簡略化または省略されている。図4は、露光装置6内に投影されるEUV光252のファーフィールドパターンFFPの一例を示す。
【0023】
図2に示されるように、チャンバ2Aは、ウィンドウ21と、EUV光集光ミラー123と、ダンパ100と、少なくとも1つのラジカル供給部42と、を備えてもよい。チャンバ2Aは、連通部29を介して、露光装置6に対して少なくとも光学的に連通していてもよい。また、図3に示されるように、チャンバ2Aは、ドロップレット生成器26と、2軸移動機構26aと、ターゲット回収部28とをさらに備えてもよい。
【0024】
露光装置6は、それ自体がオブスキュレーション領域253を備えてもよい。その結果、露光装置6に投影されるEUV光252のファーフィールドパターンFFPは、図4に示されるように、EUV光252の投影像E252の他、オブスキュレーション領域253の投影像E253を含んでいてもよい。
【0025】
EUV光集光ミラー123には、そのミラー面123aの中央部に形成された貫通孔24以外に、ミラー面123aから貫通する少なくとも1つの貫通孔124が形成されていてもよい。貫通孔124は、ミラー面123aにおけるオブスキュレーション領域253と対応する領域に配置されていてもよい。
【0026】
1つ以上のラジカル供給部42は、EUV光集光ミラー123に設けられた貫通孔124に配置されていてもよい。各ラジカル供給部42の先端部は、貫通孔124を通じてミラー面123aからプラズマ生成領域25側に突出していてもよい。各ラジカル供給部42は、ガス管41を介して水素ガス供給装置40に接続されていてもよい。ラジカル供給部42は、不図示の電力供給部に接続されていてもよい。
【0027】
4.2 動作
水素ガス供給装置40は、ガス管41を介してラジカル供給部42へ水素ガスを供給してもよい。電力供給部は、たとえばEUV光生成制御システム5の制御の下、ラジカル供給部42へ電力を供給してもよい。ラジカル供給部42は、ガス管41を介して流入した水素ガスを、供給された電力を用いてラジカル化してもよい。これにより生成された水素ラジカルFHは、ラジカル供給部42の先端部からミラー面123aへ向けて放出されてもよい。
【0028】
4.3 作用
ラジカル供給部42からミラー面123aに向けて放出された水素ラジカルFHは、ミラー面123aの表面を流れる際、ミラー面123aの表面に付着したSnデブリと反応し得る。水素とSnとの反応性生物はSnHガスであってもよい(4H+Sn→SnH)。ミラー面123aに付着したデブリがガスとして除去され得る。その結果、EUV光集光ミラー123の反射率の低下を抑制することが可能となる。
【0029】
その際、ミラー面123aにおけるオブスキュレーション領域253と対応する領域に形成された貫通孔124にラジカル供給部42を配置するとよい。これにより、露光装置6における露光に影響を与えることなく、ミラー面123aに近い位置にラジカル供給部42を配置することが可能となる。ミラー面123aに近い位置にラジカル供給部42が配置されることで、水素ラジカルFHが効果的にミラー面123aに到達し得る。その結果、EUV光集光ミラー123の反射率の低下を効果的に抑制することが可能となる。
【0030】
なお、ラジカル供給部42から放出されるガスは、水素ラジカルFHに限らず、ミラー面123aに付着したデブリのエッチングが可能なガスであれば如何様にも変形可能である。
【0031】
5.H生成器を含むEUV光生成チャンバ
つぎに、上述した実施の形態におけるチャンバ2Aの具体例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
図5は、実施の形態3にかかるチャンバ2Bの構成を概略的に示す。図5に示されるように、チャンバ2Bは、ウィンドウ21と、EUV光集光ミラー123と、ミラー台23aと、コーン状フード50とを備えてもよい。また、チャンバ2Bは、ラジカル供給部42および142と、スライドステージ43と、支持傾斜台44と、ガス管41と、水素ガス供給装置40と、電力供給装置45とを備えてもよい。さらに、チャンバ2Bは、排気装置150を備えてもよい。
【0033】
図6に、ミラー台23aの一例を示す。図6に示されるように、ミラー台23aは、円錐台の形状であってもよい。ミラー台23aの内部は中空であってもよい。EUV光集光ミラー123は、チャンバ2B内に固定されたミラー台23aに固定されてもよい。ミラー台23aには、貫通孔24および124にそれぞれ連通する穴231および232が形成されていてもよい。ミラー台23aは、EUV光集光ミラー123の貫通孔124がオブスキュレーション領域253に位置するように、チャンバ2B内に固定されてもよい。
【0034】
ラジカル供給部42は、ヘッド部400を備えてもよい。ラジカル供給部42は、水素ガス供給装置40からガス管41を介してラジカル供給部42に供給された水素ガスを、電力供給装置45から供給された電力を用いてラジカル化してもよい。生成された水素ラジカルFHは、ヘッド部400からEUV光集光ミラー123のミラー面123aへ向けて放出されてもよい。ラジカル供給部42は、ヘッド部400がEUV光集光ミラー123のミラー面123aから突出するように、ミラー台23aの穴から貫通孔124にかけて配置されていてもよい。ラジカル供給部42のヘッド部400と反対側の端は、ミラー台23aの内部で、スライドステージ43に保持されていてもよい。スライドステージ43は、ミラー台23aの内部でチャンバ2Bに固定された支持傾斜台44に保持されていてもよい。
【0035】
図7に、コーン状フード50の一例を示す。図7に示されるように、コーン状フード50は、中空の円筒部52と、中空のコーン部51とを備えてもよい。コーン部51は、内径の大きい側で円筒部52に連続していてもよい。円筒部52内の空間とコーン部52内の空間とは連通していてもよい。円筒部52におけるコーン部51と反対側の面には、開口52aが形成されていてもよい。コーン部51における内径の小さい側には、開口51aが形成されていてもよい。
【0036】
コーン状フード50は、円筒部52の開口52aがウィンドウ21を覆うように、チャンバ2Bの内部に配設されてもよい。コーン状フード50の円筒部52は、ミラー台23aの内部に収容されてもよい。コーン部51は、ミラー台23aの穴231および貫通孔24を介してミラー面123a側に突出していてもよい。コーン部51の開口51aは、プラズマ生成領域25に向いているとよい。
【0037】
図8は、プラズマ生成領域25側からミラー面123aを見た際のEUV光集光ミラー123を模式的に示す。図8に示されるように、EUV光集光ミラー123は、ミラー面123aの中央に開口する貫通孔24と、ミラー面123aの中央から外れた位置に開口する1つ以上の貫通孔124とを備えてもよい。EUV光集光ミラー123は、貫通孔24および124がオブスキュレーション領域253内に位置するように、ミラー台23aに保持されてもよい。
【0038】
図9は、プラズマ生成領域25側からミラー面123aを見た際のEUV光集光ミラー123と、ラジカル供給部42のヘッド部400とコーン状フード50のコーン部51とを模式的に示す。
【0039】
図9に示されるように、コーン部51は、貫通孔24からミラー面123a側に突出していてもよい。ウィンドウ21を介してチャンバ2B内に進入したパルスレーザ光33は、円筒部52内およびコーン部51内を通過し、コーン部51先端の開口51aからプラズマ生成領域25へ向けて出射してもよい。また、コーン部51の開口51aからは、コーン状フード50内に供給された水素ラジカルFHなどのガスが吹き出してもよい。
【0040】
また、ラジカル供給部42のヘッド部400は、貫通孔124からミラー面123a側に突出していてもよい。ヘッド部400には、ラジカル供給部42を貫通孔124内に配置した状態でミラー面123aと実質的に平行な方向を向く吹き出し口401が形成されていてもよい。あるいは、吹き出し口401は、ミラー面123aに水素ラジカルFHを吹き付けるように、ミラー面123aに向けて傾いた方向に開口していてもよい。これにより、ヘッド部400から放出した水素ラジカルFHがミラー面123aに沿って流れ得る。その際、水素ラジカルFHとミラー面123aに付着したSnデブリとが反応して、SnHガスが生成され得る。その結果、ミラー面123aに付着したSnデブリが除去され得る。ヘッド部400の吹き出し口401は、ミラー面123a側に傾いた方向に開口していてもよい。
【0041】
生成されたSnHガス、反応しなかった水素ラジカルFHおよび水素ラジカルFHが失活した水素ガスは、排気装置150によってチャンバ2B外に排気されてもよい。また、コーン部51の開口51aから吹き出したSnHガスや水素ラジカルFHや水素ガス等も、排気装置150によってチャンバ2B外に排気されてもよい。
【0042】
5.1 EUV光集光ミラーの変形例
また、図8に示されるEUV光集光ミラー123の変形例を、以下に例を挙げて説明する。
【0043】
5.1.1 変形例1
図10は、変形例1としてEUV光集光ミラー223の一例を示す。図10に示されるように、EUV光集光ミラー223は、ミラー面123aの中央に形成された貫通孔24からオブスキュレーション領域253の延在方向に沿って互いに反対方向に延びる2つの溝224を備えてもよい。ラジカル供給部42は、図9と同様に、溝224内に配置されてもよい。
【0044】
5.1.2 変形例2
図11は、変形例2としてEUV光集光ミラー323の一例を示す。図11に示されるように、貫通孔24からオブスキュレーション領域253に沿って延びる溝224は、片側だけでもよい。
【0045】
5.1.3 変形例3
図12は、変形例3としてEUV光集光ミラー423の一例を示す。図12に示されるように、オブスキュレーション領域253内であってミラー面123aの中央から外れた位置に開口する貫通孔124は、複数設けられてもよい。ラジカル供給部42は、複数ある貫通孔124の少なくとも1つに配置されてもよい。
【0046】
6.磁場生成器とともに用いられるEUV光生成チャンバ
図13は、実施の形態4にかかるチャンバ2Cの構成を概略的に示す。図13に示されるように、チャンバ2Cは、プラズマ生成時に発生したイオンデブリをトラップする磁場生成器とともに用いられてもよい。チャンバ2Cは、図5に示されたチャンバ2Bと同様の構成を備えてもよい。ただし、チャンバ2Cは、EUV光集光ミラー123の代わりに、EUV光集光ミラー523を備えてもよい。また、チャンバ2Cは、イオンデブリをトラップする磁場Bを生成する一対のコイル161aおよび161bと、磁場Bにトラップされたイオンデブリを回収するデブリ回収部162とをさらに備えてもよい。
【0047】
コイル161aおよび161bは、それぞれの中心を結ぶ直線がプラズマ生成領域25を通るように、チャンバ2C外(またはチャンバ2C内)に配置されてもよい。コイル161aおよび161bは、不図示の電源に接続されてもよい。電源は、EUV光生成制御システム5の制御の下で、コイル161aおよび161bへ電力を供給してもよい。これにより、コイル161aおよび161を結ぶ空間に、プラズマ生成領域25を通る磁場Bが形成されてもよい。
【0048】
磁場Bにトラップされたイオンデブリは、磁場Bに沿ってコイル161aおよび161bの何れかの方向へ移動してもよい。デブリ回収部162は、磁場Bにトラップされたイオンデブリが移動する方向に配置されてもよい。これにより、磁場Bに沿って移動するイオンデブリをデブリ回収部162で回収することができる。
【0049】
図14に、EUV光集光ミラー523の一例を示す。図14に示されるように、EUV光集光ミラー523は、たとえば図8に示されるEUV光集光ミラー123と同様の構成を備えてもよい。ただし、EUV光集光ミラー523のミラー面123aの外周端のうち、デブリ回収部162と近接配置される端には、切欠き部524が形成されていてもよい。切欠き部524は、磁場Bに沿って移動するイオンデブリがEUV光集光ミラー523のミラー面123aをスパッタするのを抑制するために設けられてもよい。切欠き部524はオブスキュレーション領域253内に形成されるとよい。
【0050】
6.1 EUV光集光ミラーの変形例
また、図14に示されるEUV光集光ミラー523の変形例を、以下に例を挙げて説明する。
【0051】
6.1.1 変形例1
図15は、変形例1としてEUV光集光ミラー623の一例を示す。図15に示されるように、EUV光集光ミラー623は、貫通孔124および切欠き部524の代わりに、ミラー面123aの外周端から中央へ向かって延びる切り込み部624を備えてもよい。切り込み部624の位置は、デブリ回収部162に対応する位置であってもよい。この切り込み部624は、ラジカル供給部42が配置されるとともに、磁場Bに沿って流れるイオンデブリがミラー面123aをスパッタするのを抑制するために設けられてもよい。イオンデブリがミラー面123aをスパッタすると、ミラー面123aが加熱されて歪み、ミラー面123aによって反射されるEUV光の波面が乱れことがある。波面が乱れたEUV光では適正な露光ができない場合がある。なお、切り込み部624はオブスキュレーション領域253内に形成されるとよい。
【0052】
6.1.2 変形例2
図16は、変形例2としてEUV光集光ミラー723の一例を示す。図16に示されるように、EUV光集光ミラー723は、2つの半円凹面ミラー723aおよび723bと、半円凹面ミラー723aおよび723bを互いに離間した状態で保持するリング状ミラー結合プレート725とを備えてもよい。半円凹面ミラー723aと723bとによってはさまれた空間726は、貫通孔24および124と切欠き部524との機能を有してもよい。すなわち、この空間726に、コーン状フード50のコーン部51およびラジカル供給部42が配置されてもよい。また、空間726を設けることによって、磁場Bに沿って流れるイオンデブリがミラー面123aをスパッタするのを抑制してもよい。
【0053】
7.H生成器
ここで、上述した実施の形態におけるラジカル供給部について、具体例を挙げて説明する。
【0054】
7.1 タングステンフィラメントによるH生成器
図17は、タングステンフィラメントを用いたラジカル供給部の一例を示す。図17に示されるように、ラジカル供給部42Aは、ボックス423と、シリンダ421と、キャップ状のヘッド部400とを含んでもよい。ボックス423の内部空間は、ガス管41を介して水素ガス供給装置40と接続されていてもよい。ボックス423の内部には、電源451に接続された電極424aおよび424bが配設されていてもよい。電源451は、EUV光生成制御システム5の制御の下、電極424aおよび424bへ電力を供給してもよい。
【0055】
シリンダ421は、ボックス423から突出するように設けられてもよい。シリンダ421におけるボックス423と反対側の端には、ヘッド部400が取り付けられてもよい。シリンダ421内の空間は、ボックス423内の空間およびヘッド部400内の空間とそれぞれ連続していてもよい。これにより、水素ガス供給装置40からガス管41を介してボックス423内に供給された水素ガスFhが、シリンダ421内を介してヘッド部400内へ流れ込んでもよい。シリンダ421内のヘッド部400側には、タングステンフィラメント426等の励起源が配設されてもよい。
【0056】
タングステンフィラメント426は、シリンダ421内の配線425aおよび425bを介して、ボックス423内の電極424aおよび424bとに接続されていてもよい。タングステンフィラメント426は、電源451から電力が供給されることで、たとえば1800度以上に加熱されてもよい。タングステンフィラメント426をたとえば1800度以上に加熱した場合、タングステンフィラメント426付近を通過した水素ガスFhが励起され、水素ラジカルFHが生成されてもよい。
【0057】
シリンダ421内に流れ込んだ水素ガスFhは、タングステンフィラメント426付近を通過することで水素ラジカルFHとして励起された後、ヘッド部400内に流れ込んでもよい。ヘッド部400には、たとえばシリンダ421の延在方向に対して垂直な方向に開口する吹き出し口401が形成されていてもよい。これにより、ヘッド部400内に流れ込んだ水素ラジカルFHがシリンダ421の延在方向に対して垂直な方向へ放出されてもよい。その結果、水素ラジカルFHがミラー面123aに沿って流れてもよい。
【0058】
7.2 タングステンフィラメントによるH生成器の他の例
図18は、タングステンフィラメントを用いたラジカル供給部の他の一例を示す。図18に示されるように、ラジカル供給部42Bは、図17に示されたラジカル供給部42Aと同様の構成を備えてもよい。ただし、ラジカル供給部42Bでは、タングステンフィラメント426がヘッド部400内に配置されてもよい。タングステンフィラメント426を吹き出し口401のより近傍に配置することで、吹き出し口401から放出する水素ガスFhに対する水素ラジカルFHの割合を増大させることができる。その結果、ミラー面123aに付着するSnデブリをより多くエッチング除去することが可能となる。
【0059】
7.3 タングステンシリンダによるH生成器
図19は、タングステンシリンダを用いたラジカル供給部の一例を示す。図19に示されるように、ラジカル供給部42Cは、タングステンフィラメント426の代わりに、ヒータ522と、タングステンシリンダ523とを備えてもよい。
【0060】
タングステンシリンダ523は、シリンダ421の内側に配置されてもよい。シリンダ421の内壁とタングステンシリンダ523との間には、筒状の空間が形成されていてもよい。ヒータ522は、シリンダ421の内壁とタングステンシリンダ523との間の空間内において、タングステンシリンダ523にらせん状に巻きつけるように配置されてもよい。
【0061】
ヒータ522は、電源451に接続されてもよい。ヒータ522に電力を供給することで、タングステンシリンダ523がたとえば1800度以上に加熱されてもよい。これにより、ボックス423内からシリンダ421内に流入した水素ガスFhが、タングステンシリンダ523内を通過する際に水素ラジカルFHに励起されてもよい。その結果、ヘッド部400の吹き出し口401から、水素ラジカルFHが放出され得る。なお、ヒータ522はタングステンヒータであってもよい。
【0062】
7.4 マイクロ波によるH生成器
図20は、マイクロ波を用いたラジカル供給部の一例を示す。図20に示されるように、ラジカル供給部42Dは、ボックス423の代わりに、中空のマイクロ波生成器623を備えてもよい。なお、ラジカル供給部42Dでは、タングステンフィラメント426が省略されてもよい。
【0063】
マイクロ波生成器623の内部空間は、ガス管41を介して水素ガス供給装置40に接続されていてもよい。また、マイクロ波生成器623の内部空間は、シリンダ421の内部空間に連続していてもよい。
【0064】
マイクロ波生成器623は、マイクロ波電源452に接続されていてもよい。マイクロ波電源452は、マイクロ波生成器623へ電力を供給してもよい。マイクロ波生成器623へ電力を供給することで、マイクロ波生成器623内に流入した水素ガスFhがマイクロ波により水素ラジカルFHに励起され得る。水素ラジカルFHは、シリンダ421を介してヘッド400の吹き出し口401から放出されてもよい。
【0065】
8.ヘッドバリエーション
つぎに、上述したヘッド部400の具体例を、以下に図面を参照して詳細に説明する。
【0066】
8.1 第1例
図21は、第1例によるヘッド部410の概略構成を示す。図22は、図21に示されるヘッド部410を、吹き出し口401を含み、シリンダ421の中心軸と垂直な面で切断した際の断面構成を概略的に示す。図21および図22に示されるように、ヘッド部410は、円筒キャップ状の形状を有してもよい。円筒キャップの底面は、シリンダ421と連結されてもよい。ヘッド部410の側面には、1つの吹き出し口401が形成されていてもよい。この吹き出し口401は、たとえばミラー面123aおいてSnデブリの付着量が多い部位に向けて配置されてもよい。そのようにすることで、EUV集光ミラーの一部の反射率が低下するのを抑制できる。例えば、吹き出し口401はミラー面123aにおいてパルスレーザ光33が通過する貫通孔24へ向くように配置されてもよい。Snデブリは、ドロップレット27におけるパルスレーザ光33の入射方向に多く拡散することが分かっている。このため、吹き出し口401を、ミラー面123aにおけるパルスレーザ光33の通過孔24に向けることで、Snデブリが多く飛来する部位の反射率低下を抑制してもよい。または、ミラー面123aにおけるオブスキュレーション領域253以外の部分に向けて配置されてもよい。オブスキュレーション領域253以外のミラー面123aは露光に使用されるEUV光を反射するため、この部分の反射率低下を抑制するようにしてもよい。あるいは、吹き出し口401は、実施の形態4においてイオンデブリがミラー面123aに到達する部位及びその周辺部に向けて配置されてもよい。実施の形態4のようにイオンデブリの進路付近のEUV集光ミラーに切欠き部524を設けても、切欠き部524の周辺は僅かなイオンデブリによりスパッタされる場合がある。そのような場合、スパッタ後に失活したSnデブリがスパッタされた部分の周辺部に付着することがある。そのため、吹き出し口401をこの部分に向けることで、反射率低下を抑制するようにしてもよい。例えば、吹き出し口401は切欠き部524の縁部に向くように配置されてもよい。
【0067】
8.2 第2例
図23は、第2例によるヘッド部411の概略構成を示す。なお、図23では、図22と同様に、吹き出し口401および402を含み、ヘッド部411をシリンダ421の中心軸と垂直な面で切断した際の断面構成を概略的に示す。図23に示されるように、ヘッド部411は、円筒キャップ状の形状を有してもよい。円筒キャップの底面は、シリンダ421と連結されてもよい。ヘッド部411の側面には、2つの吹き出し口401および402が形成されていてもよい。各吹き出し口401および402は、たとえば図14に示されるように、ミラー面123aの外周端(切欠き部524、切り込み部624および空間726を含んでもよい)付近を向くように配設されてもよい。ただし、これに限らず、吹き出し口401および402がミラー面123aにおけるパルスレーザ光33の通過孔24付近へ向くように配設されてもよい。
【0068】
8.3 第3例
図24は、第3例によるヘッド部412の概略構成を示す。なお、図24では、図22と同様に、吹き出し口401〜404を含み、ヘッド部412をシリンダ421の中心軸と垂直な面で切断した際の断面構成を概略的に示す。図24に示されるように、ヘッド部412は、円筒キャップ状の形状を有してもよい。円筒キャップの底面は、シリンダ421と連結されてもよい。ヘッド部412の側面には、複数(たとえば4つ)の吹き出し口401〜404が形成されていてもよい。各吹き出し口401〜404の間隔は、均等であってもよい。これにより、たとえば図9に示されるように、ミラー面123a全体に対して水素ラジカルFHが流れるように、吹き出し口401〜404を配設することが可能となる。
【0069】
9.その他
9.1 H生成器の設置
上述した実施の形態におけるEUV光集光ミラーの取り出しについて、以下に図面を用いて説明する。以下では、図5に示されたチャンバ2Bを例に挙げるが、これに限るものではない。
【0070】
図25に示されるように、貫通孔124は、貫通孔24に対して傾斜する方向に延在してもよい。ただし、その場合、ラジカル供給部42を貫通孔124内に配置した状態では、EUV光集光ミラー123をミラー台23aから取り外そうとするとラジカル供給部42がEUV光集光ミラー123に干渉する場合がある。そこで、ラジカル供給部42を貫通孔124に対して容易に抜き差し可能な構成を設けるとよい。図25に示される例では、たとえば支持傾斜台44Aの外側面の一部が、ミラー台23aに設置した状態のEUV光集光ミラー123の貫通孔124の延在方向と同じ方向に延在してもよい。また、スライドステージ43Aが、支持傾斜台44Aの外側面の一部に沿って移動可能であってもよい。スライドステージ43Aを支持傾斜台44Aの外側面の一部に沿って移動し、EUV光集光ミラー123をミラー台23aから取り外す際に、ラジカル供給部42が干渉しないように退避させることで、EUV光集光ミラー123をミラー台23aから容易に取り外すことが可能となる。なお、スライドステージ43Aは、不図示の移動機構によってチャンバ2B外部から操作可能であってもよいし、手動によって移動させる機構であってもよい。
【0071】
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0072】
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書、及び添付の特許請求の範囲に記載される修飾句「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0073】
1 EUV光生成装置
2、2A〜2C チャンバ
21 ウィンドウ
22 レーザ光集光光学系
23、123、223、323、523、623、723 EUV光集光ミラー
23a ミラー台
123a ミラー面
161a、161b コイル
231、232 穴
24、124 貫通孔
224 溝
524 切欠き部
624 切り込み部
723a、723b 半円凹面ミラー
726 空間
725 リング状ミラー結合プレート
25 プラズマ生成領域
251 EUV光
252 反射されたEUV光
253 オブスキュレーション領域
26 ドロップレット生成器
26a 2軸移動機構
27 ドロップレット
28 ターゲット回収部
29 接続部
291 壁
292 中間焦点(IF)
3 レーザ装置(メインパルスレーザ装置)
31、33 パルスレーザ光(メインパルスレーザ光)
34 レーザ光進行方向制御部
4 ターゲットセンサ
5 EUV光生成制御システム
6 露光装置
61 露光装置コントローラ
40 水素ガス供給装置
41 ガス管
42、42A〜42D ラジカル供給部
43、43A スライドステージ
44、44A 支持傾斜台
400、411〜413 ヘッド部
401〜404 吹き出し口
421 シリンダ
423 ボックス
424a、424b 電極
425a、425b 配線
426 タングステンフィラメント
451 電源
522 ヒータ
523 タングステンシリンダ
623 マイクロ波生成器
452 マイクロ波電源
50 コーン状フード
51 コーン部
51a、52a 開口
52 円筒部
100 ダンパ
150 排気装置
B 磁場
FFP ファーフィールドパターン
Fh 水素ガス
FH 水素ラジカル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブスキュレーション領域を有する外部装置と共に用いられるチャンバ装置であって、
EUV光の生成が内部の所定の領域で行われるチャンバと、
前記チャンバ内に配置され、前記所定の領域で生成されたEUV光を集光する集光ミラーと、
前記集光ミラーに付着したデブリのエッチングが可能なエッチングガスを供給する少なくとも1つのエッチングガス供給部と、
を備え、
前記集光ミラーは、該集光ミラーのミラー面の中央部から外れた領域で該集光ミラーを貫通するように開口する少なくとも1つの第1貫通孔を含み、
前記集光ミラーは、前記少なくとも1つの第1貫通孔が前記オブスキュレーション領域に実質的に対応する領域内に位置するように前記チャンバ内に固定され、
前記エッチングガス供給部は、前記第1貫通孔の少なくとも1つに配置される、
チャンバ装置。
【請求項2】
前記エッチングガス供給部は、前記エッチングガスを放出する吹き出し口を有し、
前記吹き出し口は、前記集光ミラーの前記ミラー面と実質的に平行な方向、もしくは、前記ミラー面に前記エッチングガスを吹き付けるように、前記ミラー面に向けて傾いた方向に開口している、
請求項1記載のチャンバ装置。
【請求項3】
前記所定の領域を通り且つ前記オブスキュレーション領域の長手方向と一部が実質的に平行な方向の磁場を形成する磁場生成装置をさらに備え、
前記吹き出し口は、前記オブスキュレーション領域と前記ミラー面の外周端とが交わる部分へ向けて開口している、
請求項2記載のチャンバ装置。
【請求項4】
前記エッチングガス供給部は、前記エッチングガスを生成する生成部と、生成された前記エッチングガスを放出する前記吹き出し口を含む放出部とを含む、請求項1記載のチャンバ装置。
【請求項5】
前記エッチングガス供給部は、前記生成部へ水素ガスを供給する水素ガス供給部と、前記生成部に接続された電源とをさらに含み、
前記生成部は、フィラメントであり、
前記エッチングガスは、前記水素ガスを前記電源から供給される電力で前記フィラメントを加熱することにより励起した水素ラジカルを含む、
請求項4記載のチャンバ装置。
【請求項6】
前記所定の領域へターゲット物質を供給するターゲット供給部をさらに備え、
前記デブリは、前記ターゲット物質をプラズマ化することで発生したデブリである、
請求項5記載のチャンバ装置。
【請求項7】
前記ターゲット物質は、Snである、請求項6記載のチャンバ装置。
【請求項8】
前記所定の領域へターゲット物質を供給するターゲット供給部をさらに備え、
前記ターゲット物質に外部から供給するレーザ光を照射することでプラズマ化し、該プラズマからEUV光を生成するチャンバ装置であって、
前記集光ミラーは、前記ミラー面と反対側から当該集光ミラーを介して前記所定の領域へレーザ光を通過させるための第2貫通孔を備え、
前記第1貫通孔は、前記第2貫通孔とは異なる位置に配置されている、
請求項1記載のチャンバ装置。
【請求項9】
前記エッチングガス供給部を保持するスライドステージと、
前記スライドステージをスライド可能に支持する支持部と、
を備え、
前記支持部は、前記第1貫通孔の延在方向と平行な方向に沿って前記スライドステージをスライド可能である、請求項1記載のチャンバ装置。
【請求項10】
請求項1記載のチャンバ装置と、
レーザ光を出力するレーザ装置と、
前記レーザ装置から出力された前記レーザ光を前記チャンバ装置へ導く光学系と、
を備える、極端紫外光生成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2013−109854(P2013−109854A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251786(P2011−251786)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(300073919)ギガフォトン株式会社 (227)
【Fターム(参考)】