説明

チューブポンプ

【課題】チューブの張り方を一定にできて吐出量のばらつきを低減できるチューブポンプを提供すること。
【解決手段】チューブポンプ1は、ポンプ本体2と、ポンプ本体2に着脱可能に取り付けられるチューブホルダ6とを備える。チューブホルダ6は、可撓性チューブ5を受ける受け部材62と、チューブ保持部であるチューブ継ぎ手615およびアダプタ617とを備える。ポンプ本体2には、チューブホルダ6の可撓性チューブ5を挟んで受け部材62に対して反対側に配置され、かつ、可撓性チューブ5に向かって進退駆動される複数の押圧部材17A〜17Cを備える。押圧部材17A〜17Cで押圧されるチューブ5は、チューブホルダ6の各チューブ保持部間に配置されるため、チューブ6に加わる張力を一定にでき、チューブ6を押圧した際の吐出量のばらつきを低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
チューブポンプは、合成樹脂製のチューブを用いることで、送る液にダメージを与えず、各種フィラー入りの液体の吐出も可能となり、液漏れ防止用のシール材を用いる必要がなく、液が金属に触れない構造も可能などの利点があり、化学・薬品、半導体、印刷などの広い分野で使用されている。
このようなチューブポンプとして、可撓性チューブに沿って設けられた複数の押圧部材と、これらの押圧部材に対し、チューブを挟んで配置された受け部材とを有し、前記押圧部材を受け部材に向かって進退して可撓性チューブを押圧して液体を所定量ずつ移送するチューブポンプが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−327685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、可撓性チューブは、ポンプ本体に設けられた上下の保持部材の切溝に直接挿入して挟持しているだけであるため、チューブに加わる張力は、チューブを切溝に挿入するたびに変化してしまい、その影響で吐出量が変動するという課題もあった。
すなわち、作業者が可撓性チューブを取り付ける際に、チューブの張り方によって、チューブに加わる張力の大きさが変動し、可撓性チューブが撓んで配置されてしまうことがあった。このため、押圧部材でチューブを押し潰した際に、吐出量が変動してしまうという課題があった。
特に、チューブは、洗浄するためや、押圧部材で常時押し潰されていると劣化しやすいため、定期的にポンプ本体から着脱する必要があり、その都度、チューブの張り方がばらつくと吐出量も変動してしまうという課題があった。
【0005】
本発明の目的は、チューブの張り方を一定にできて吐出量のばらつきを低減できるチューブポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のチューブポンプは、ポンプ本体と、前記ポンプ本体に着脱可能に取り付けられるチューブホルダと、このチューブホルダに保持される可撓性チューブとを備え、前記チューブホルダは、前記可撓性チューブを受ける受け部と、前記可撓性チューブの前記受け部に当接する部分よりも液供給側に位置する部分を保持する液供給側チューブ保持部と、前記可撓性チューブの前記受け部に当接する部分よりも液吐出側に位置する部分を保持する液吐出側チューブ保持部とを備え、前記ポンプ本体には、前記チューブホルダの可撓性チューブを挟んで前記受け部に対して反対側に配置され、かつ、前記可撓性チューブに向かって進退駆動される複数の押圧部材を備えることを特徴とする。
【0007】
このような本発明によれば、ポンプ本体に対して着脱可能に取り付けられるチューブホルダを備え、このチューブホルダに可撓性チューブを取り付けているので、チューブホルダをポンプ本体に着脱することで、可撓性チューブもポンプ本体に容易に着脱できる。
この際、押圧部材で押圧される可撓性チューブは、チューブホルダの液供給側チューブ保持部および液吐出側チューブ保持部間に予め取り付けられているため、チューブの張り方も一定し、チューブに加わる張力の大きさも一定にでき、可撓性チューブが撓んで配置されることもないため、押圧部材でチューブを押し潰した際の吐出量も一定に維持できる。
すなわち、本発明は、特許文献1のように、チューブを直接ポンプに組み込むのではなく、ポンプ本体に着脱可能なチューブホルダに可撓性チューブを取り付けている。このため、可撓性チューブは、チューブホルダごとポンプ本体から取り外したり、ポンプ本体に取り付けることができる。そして、可撓性チューブをチューブホルダに取り付けていることで、ポンプ本体からチューブホルダを着脱しても、可撓性チューブに加わる張力は一定にでき、チューブが撓んで配置されることも防止でき、吐出量も一定に維持することができる。
【0008】
この際、前記チューブホルダは、ホルダ本体と、受け部材とを備え、前記ホルダ本体は、接続部と、この接続部から突出されて互いに平行に配置された一対の突出部とを備えて形成され、前記各突出部には、前記液供給側チューブ保持部および液吐出側チューブ保持部がそれぞれ設けられ、前記受け部材は、前記ホルダ本体の接続部に対して着脱可能に組み込まれていることが好ましい。
【0009】
このような本発明によれば、チューブホルダの加工製造が容易になり、かつ、可撓性チューブの取り付けも容易に行うことができる。すなわち、押し部材で可撓性チューブを押圧した際に可撓性チューブが受け部にただちに当接するように、受け部は可撓性チューブに接触して配置することが望ましい。この場合、ホルダ本体と受け部材とが一体のチューブホルダを用いた場合、可撓性チューブを装着しにくい。
これに対し、ホルダ本体に対して着脱可能な受け部材を用いれば、可撓性チューブを装着後に受け部材を取り付けることができるため、可撓性チューブの取り付けを容易に行うことができる。
また、ホルダ本体と受け部材とを一体に形成すると、形状が複雑になって加工製造が難しくなるが、ホルダ本体と受け部材とを別体にすると、各部品の形状は簡易になり、加工製造も容易になる。
なお、前記各チューブ保持部は、各突出部に一体に形成されたものでもよいし、突出部に対して着脱可能に設けられて別部材で形成されたものでもよい。特に、別部材で形成したほうが、チューブホルダの形状が簡易となって、加工製造もより一層容易になる。
【0010】
本発明において、前記ポンプ本体から突出された一対の支持部材を備え、前記チューブホルダは、一対の支持部材に挟持されて支持部材に当接する方向への移動が規制され、前記ポンプ本体の押圧部材が露出する面に当接することでポンプ本体側への移動が規制され、前記ポンプ本体の複数の押圧部材が並ぶ方向に対して直交する面に当接することで押圧部材が並ぶ方向に対する移動が規制されるとともに、支持部材に対して係合してチューブホルダが支持部材の突出方向に移動することを規制する係合部材を備えることが好ましい。
【0011】
このような本発明によれば、チューブホルダを所定位置に配置してポンプ本体および支持部材に当接させるとともに、係合部材を支持部材に係合させることでチューブホルダをポンプ本体に固定することができる。また、係合部材の支持部材との係合を解除すれば、チューブホルダをポンプ本体から容易に外すことができる。
このため、簡単な操作でチューブホルダの着脱を行うことができ、可撓性チューブの交換作業も容易に行うことができる。
【0012】
また、前記ポンプ本体は、前記チューブホルダに装着された可撓性チューブを押圧する押圧部材と、各押圧部材を個別に進退移動する駆動手段と、前記駆動手段で駆動される押圧部材の移動量を調整する移動量調整手段とを備え、前記押圧部材は、可撓性チューブを押圧する入口バルブ用の押圧部材と、可撓性チューブを押圧する出口バルブ用の押圧部材と、これらの各押圧部材間に配置された液吐出用の押圧部材とを備え、前記移動量調整手段は、前記液吐出用の押圧部材の後端に設けられた当接部に当接して、液吐出用の押圧部材の可撓性チューブ側への移動ストロークエンド位置を設定する位置決め部材と、この位置決め部材の位置を設定するマイクロメータとを備えることが好ましい。
なお、入口バルブ用の押圧部材は、液吐出用の押圧部材に対して、液供給側チューブ保持部側に配置され、出口バルブ用の押圧部材は、液吐出側チューブ保持部側に配置されている。
【0013】
本発明では、入口バルブおよび出口バルブ用の各押圧部材によって、可撓性チューブの開閉が行われ、液吐出用の押圧部材が可撓性チューブを押圧し始めてからの移動量によって液体の吐出量が調整される。
ここで、マイクロメータによって位置決め部材の位置を調整して、前記液吐出用の押圧部材の移動ストロークエンド位置を設定しているので、予め、マイクロメータの目盛と、実際に吐出した液体の量との相関関係を確認しておけば、吐出量の調整をマイクロメータの目盛によって簡便に行うことができる。
【0014】
この際、前記移動量調整手段は、前記ポンプ本体に対して回動可能に取り付けられた回動板と、前記回動板に固定されたマイクロ軸と、前記回動板に固定された前記位置決め部材と、前記ポンプ本体に取り付けられ、かつ、スピンドル先端が前記マイクロ軸に当接可能に配置された前記マイクロメータとを備え、前記マイクロメータのスピンドルを進退させて前記マイクロ軸がスピンドル先端に当接する位置を調整することで、前記位置決め部材の位置を調整することが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、例えば、回動板の回転軸に対して、位置決め部材と、マイクロ軸とを互いに90度交差する方向に配置することもできる。このため、位置決め部材に対するマイクロメータの配置位置の自由度を高めることができ、チューブポンプをコンパクトに形成できる。
【0016】
本発明において、前記液供給側チューブ保持部および液吐出側チューブ保持部は、前記可撓性チューブの各端部が取り付けられる液供給ポートおよび液吐出ポートで構成されていることが好ましい。
【0017】
このような構成によれば、ポンプ部分に配置される可撓性チューブを独立して設け、液供給側とは液供給側チューブ保持部を介して連通し、液吐出側とは液吐出側チューブ保持部を介して連通することになる。このため、可撓性チューブは、チューブホルダの各チューブ保持部間に配置されるので、可撓性チューブに加わる張力を容易に一定にでき、チューブが撓んで配置されることを防止し、吐出量も一定に維持することができる。
【0018】
本発明において、前記液供給側チューブ保持部および液吐出側チューブ保持部は、前記可撓性チューブを挿通した状態で可撓性チューブを固定可能に構成されていることが好ましい。
【0019】
このような構成によれば、各チューブ保持部は可撓性チューブを挿通した状態で固定できるため、液供給側のタンクやシリンジ等から、チューブホルダを介して、液吐出側の吐出針等までを連続する一体の可撓性チューブで連結することができる。
このため、チューブホルダ部分に取り付けられる可撓性チューブの他に、液供給タンクなどから液供給側チューブ保持部までを連結する供給側チューブや、液吐出側チューブ保持部から液吐出針などまでを連結する吐出側チューブの別体のチューブを設ける場合に比べて、チューブの接続部からの液漏れなどを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下に、本発明の第1実施形態を図1〜5に基づいて説明する。
図1には、本実施形態のチューブポンプ1が示されている。チューブポンプ1は、特に、薬液等の各種液体を一定量毎に吐出するディスペンサとして用いられるものである。
なお、以下の説明においては、便宜上、図1の上側を上方、下側を下方として説明する。但し、チューブポンプ1の使用時の向きは図1のものに限らず、水平方向に向けて用いたり、上下を逆にして用いてもよいが、この場合、チューブポンプ1に対して液体を加圧して圧送する等の工夫が必要となる。
また、図2はチューブポンプ1の上面図であり、図3は後述するシリンダブロック10をバネケース20との接合面側から見た図であり、図4は後述するバネケース20をシリンダブロック10との接合面側から見た図であり、図5は後述するチューブホルダ6の分解斜視図である。
【0021】
チューブポンプ1は、駆動機構を有するポンプ本体2と、可撓性チューブ5を保持するチューブホルダ6と、チューブホルダ6を支持する支持部材7とを備えている。なお、本実施形態の駆動機構は、後述するように、圧縮空気(エア)と、コイルバネとを組み合わせて実現している。
【0022】
[ポンプ本体の構成]
ポンプ本体2は、シリンダブロック10と、バネケース20とを備えている。
【0023】
[シリンダブロックの構成]
シリンダブロック10には、図2,3にも示すように、3本のシリンダ孔11A〜11Cが貫通して形成されている。各シリンダ孔11A〜11Cは、小径部と大径部とを備える。小径部は断面円形に形成され、大径部は断面楕円形状に形成されている。大径部を断面楕円形状に形成することで、シリンダ孔を同面積の円形にした場合に比べて、各シリンダ孔11A〜11Cを上下方向に並べた際の寸法を短くできる。
【0024】
各シリンダ孔11A〜11Cは、シリンダブロック10の上面に形成された3つのエア供給ポート12A〜12Cにそれぞれ連通されている。
シリンダ孔11A〜11Cの小径部には、図1に示すように、円筒状のガイド部材13が配置されている。そして、シリンダ孔11A,11Cには、バルブ用のシャフト14A,14Cがガイド部材13を介して挿通されている。また、シリンダ孔11Bには、液吐出用のシャフト14Bがガイド部材13を介して挿通されている。
【0025】
[押圧部材の構成]
各シャフト14A〜14Cの突出方向側の先端部には、可撓性チューブ5を押圧するフィンガ(鍵盤)15A〜15Cがそれぞれ取り付けられている。
そして、図5にも示すように、これらの各シャフト14A〜14Cおよびフィンガ15によって、可撓性チューブ5を押圧する3つの押圧部材17A〜17Cが構成されている。
すなわち、シャフト14Aおよびフィンガ15Aによって、入口バルブ用の押圧部材17Aが構成され、シャフト14Cおよびフィンガ15Cによって、出口バルブ用の押圧部材17Cが構成され、シャフト14Bおよびフィンガ15Bによって、液吐出用の押圧部材17Bが構成されている。
【0026】
また、各シャフト14A〜14Cには、シリンダ孔11A〜11Cの大径部に配置される断面略楕円形状のピストン16がそれぞれ取り付けられている。このピストン16は、シャフト14A〜14Cに形成された溝に固定されたストップリングによって、シャフト14A〜14Cの後端部側への移動が規制されている。
【0027】
ピストン16の外周面にはOリングなどからなるシール材が装着されている。また、シリンダ孔11A〜11Cの小径部にもOリングなどからなるシール材が配置されている。これらのシール材によって、シリンダ孔11A〜11Cに供給されたエアが漏れることが防止されている。
このため、各エア供給ポート12A〜12Cからエアを供給すると、各シャフト14A〜14Cはピストン16を介してバネケース20側に移動する。このシャフト14A〜14Cのバネケース20側への移動を、以後、後退方向への移動という。
また、シリンダブロック10において、各押圧部材17A〜17Cのフィンガ15A〜15Cが露出する面には、スペーサブロック18が配置されている。
【0028】
[バネケースの構成]
バネケース20は、前記シリンダブロック10に対し、ピンで位置決めされるとともに、ボルトで固定されている。
バネケース20には、図4にも示すように、前記シリンダ孔11A〜11Cに連通する断面円形の孔20A〜20Cが形成されている。
なお、バネケース20のシリンダブロック10が取り付けられた面とは反対側の面には、上下に2本の取付部材8がねじ止めされている。チューブポンプ1は、取付部材8を介して製造装置のアームなどに取り付けられる。
【0029】
図1に示すように、バルブ用のシャフト14A,14Cが挿通される孔20A,20Cは貫通されておらず、その底面にはバネ座21が配置されている。このバネ座21は、バネケース20の外側から挿入されたネジ22によって移動可能に構成されている。すなわち、ネジ22は、バネケース20に形成された雌ねじに螺合され、かつ、薄ナットにも螺合されることで、シリンダブロック10側に向かって進退移動可能に、かつ、所定位置で固定可能に設けられている。
【0030】
[バルブ用押圧部材の駆動機構]
一方、バルブ用のシャフト14A,14Cには、ストップリングに隣接してバネ座23が挿通され、さらに、各バネ座21,23間の最小間隔を維持するためのスペーサパイプ24が挿通されている。
そして、各バネ座21,23間にはコイルバネ25が配置されている。
【0031】
このため、各シャフト14A,14Cは、エア供給ポート12A,12Cからエアを供給されていない状態では、前記コイルバネ25により、バネ座23、ストップリングを介してシリンダブロック10側に向かう方向(以下、突出方向という)に移動する。
一方、エア供給ポート12A,12Cからエアを供給し、前記コイルバネ25による付勢力よりも大きな力を前記ピストン16に加えた場合には、ピストン16および各シャフト14A,14Cは後退方向に移動する。
【0032】
この際、各シャフト14A,14Cは、突出方向には、前記可撓性チューブ5を押圧して閉塞できる位置、具体的には、可撓性チューブ5を介してチューブホルダ6に当接する位置まで移動する。
一方、後退方向には、スペーサパイプ24がバネ座21に当接する位置まで移動する。従って、前記ネジ22でバネ座21を突出方向側に移動すれば、その分、各シャフト14A,14Cの後退方向のストロークエンド位置がシリンダブロック10側に移動する。この位置を調整することで、シリンダ孔11A,11Cへのエア供給を停止すると、フィンガ15が直ちに可撓性チューブ5を押圧するように設定できるとともに、シリンダ孔11A,11Cにエアを供給して各押圧部材17A,17Cを後退方向に移動してバルブを開けた際の吸い戻し量を少なくすることができる。
【0033】
[液吐出用押圧部材の駆動機構]
また、液吐出用のシャフト14Bが挿通される孔20Bはバネケース20を貫通して形成されている。そして、孔20Bの後端部は、雌ねじが形成され、戻り調整ネジ26が螺合されている。この調整ネジ26にはロックナットが螺合され、調整ネジ26は、シリンダブロック10側に向かって進退移動可能に、かつ、所定位置で固定可能に設けられている。
【0034】
シャフト14Bは、シャフト14A,14Cに比べて長さ寸法が長く形成されている。そして、シャフト14Bの後端側は、ブッシュ27を介して調整ネジ26に挿通され、バネケース20の外側に突出されている。このバネケース20の外側に突出したシャフト14Bの端部には、リング状のストッパ(当接部)28が固定されている。
また、シャフト14Bには、ストップリングに隣接してバネ座23が挿通され、さらに、スペーサパイプ24が挿通されている。そして、バネ座23およびブッシュ27間にはコイルバネ25が配置されている。
【0035】
このため、シャフト14Bも、エア供給ポート12Bからエアを供給されていない状態では、前記コイルバネ25により、バネ座23、ストップリングを介してシリンダブロック10側に向かう突出方向に移動する。
一方、エア供給ポート12Bからエアを供給し、前記コイルバネ25による付勢力よりも大きな力を前記ピストン16に加えた場合には、ピストン16および各シャフト14Bは後退方向に移動する。
この際、各シャフト14Bも、後退方向には、スペーサパイプ24がブッシュ27に当接する位置まで移動する。従って、前記調整ネジ26でバネ座21を突出方向側に移動すれば、その分、シャフト14Bの後退方向のストロークエンド位置がシリンダブロック10側に移動する。この位置を調整することで、シリンダ孔11Bへのエア供給を停止すると、シャフト14Bに取り付けられたフィンガ15Bが直ちに可撓性チューブ5を押圧するように設定できるとともに、シリンダ孔11BCにエアを供給して各押圧部材17Bを後退方向に移動してバルブを開けた際の吸い戻し量を少なくすることができる。。
【0036】
以上のとおり、各押圧部材17A〜17Cを個別に進退移動する駆動手段は、シリンダ孔11A〜11C、エア供給ポート12A〜12C、ピストン16、バネ座21,23、コイルバネ25、調整ネジ26、ブッシュ27を備えて構成されている。
【0037】
[吐出量調整手段(移動量調整手段)の構成]
バネケース20には、チューブポンプ1の吐出量を設定する吐出量調整手段40が設けられている。
吐出量調整手段40は、液吐出用の押圧部材17Bの突出方向の移動量を規定することで、突出量を調整するものであるため、押圧部材17Bの移動量調整手段として機能する。
この吐出量調整手段40は、図1,2に示すように、バネケース20の両側面にそれぞれボルト止めされた一対の調整側板41と、調整側板41間に架け渡されて固定されたマイクロホルダ42と、このマイクロホルダ42に取り付けられたマイクロメータ43と、調整側板41の内側に配置されて各調整側板41に対して回動軸44を介して回動自在に配置された一対の回動板45と、各回動板45間に架け渡されたマイクロ軸46と、各回動板45間に架け渡された位置決め部材47とを備えている。
【0038】
回動板45は平面略直角三角形状に形成され、マイクロ軸46および位置決め部材47は回動板45の各角部に配置されている。従って、マイクロ軸46および位置決め部材47は、回動板45の回動軸44に対して互いに約90度異なる方向に配置されている。
マイクロメータ43は、スピンドルがマイクロ軸46に当接可能に配置されている。
位置決め部材47は、中心に貫通孔が形成され、この貫通孔には前記シャフト14Bが挿通されている。この位置決め部材47は、ストッパ28と調整ネジ26との間に配置されており、シャフト14Bが突出方向に移動した際に、ストッパ28が位置決め部材47に当接するように設定されている。
【0039】
以上の構成の吐出量調整手段40においては、マイクロメータ43を操作してスピンドルの突出量(進退位置)を制御することで、チューブポンプ1の吐出量が調整されるようになっている。
すなわち、シャフト14Bが突出方向に移動し、ストッパ28が位置決め部材47に当接すると、回動板45には、回動軸44を中心として、図1において反時計回り方向の力が加わる。回動板45の反時計回り方向への回動は、マイクロ軸46がマイクロメータ43のスピンドルに当接することで規制される。従って、マイクロメータ43を操作してスピンドルの位置を調整すれば、マイクロ軸46がスピンドルに当接する位置も調整され、回動板45の回転角度位置も調整されるため、位置決め部材47のシャフト14Bに沿った位置も調整される。このため、シャフト14Bの突出方向のストロークエンド位置も調整することができ、これによりフィンガ15Bが可撓性チューブ5を押圧する量も調整できるため、液体の吐出量を調整することができる。
【0040】
なお、調整側板41には、位置決め部材47が配置された位置に対応して覗き穴41Aが形成され、ストッパ28を取り外した状態で、シャフト14Bに位置決め部材47を挿通した後、位置決め部材47を回動板45にねじ止めすることができるように構成されている。
【0041】
[チューブホルダの構成]
チューブホルダ6は、図5にも示すように、ホルダ本体61と、本発明の受け部として機能する受け部材62とを備える。
[ホルダ本体の構成]
ホルダ本体61は、上下方向に離れて配置され、互いに平行に配置された一対の突出部611と、これらの突出部611を接続する接続部612と、突出部611に沿って配置された位置決め部613とを備えている。このため、ホルダ本体61は側面略コ字状に形成されている。
【0042】
各突出部611には、割溝614が形成されている。
そして、突出部611のうち、上方の突出部611Aの割溝614には、チューブ継ぎ手615が挿入されて割り締めによって取り付けられている。このチューブ継ぎ手615には、シリンジホルダ616がねじ止めされている。このシリンジホルダ616には、液体が充填されたシリンジ(図示略)が接続される。
一方、下方の突出部611Bの割溝614には、アダプタ617が挿入されて割締めによって取り付けられている。このアダプタ617には、液体の吐出針(図示略)が接続される。
本実施形態では、前記チューブ継ぎ手615によって液供給ポート(液供給側チューブ保持部)が構成され、アダプタ617によって液吐出ポート(液吐出側チューブ保持部)が構成されている。また、本実施形態では、チューブ継ぎ手615にはシリンジホルダ616を介してシリンジが取り付けられるものとしたが、液供給タンクなどに接続されたチューブを取り付けてもよい。さらに、アダプタ617には吐出針が接続されるものとしたが、液吐出側に接続されたチューブを取り付けてもよい。
【0043】
チューブ継ぎ手615およびアダプタ617には、図1に示すように、可撓性チューブ5の各端部が装着されている。
なお、可撓性チューブ5をホルダ本体61に装着する手順としては、例えば次のように行えばよい。まず、前記チューブ継ぎ手615、アダプタ617に可撓性チューブ5を取り付ける。次に、各チューブ継ぎ手615、アダプタ617を、各割溝614に挿通し、ネジで割溝614を締め付けて各チューブ継ぎ手615、アダプタ617を割り締めによって固定すればよい。
【0044】
接続部612は、互いに平行に配置されたフランジ618を備えている。この接続部612間において、上方の位置決め部613の下面高さ位置から下方の位置決め部613の上面高さ位置まで開口619が形成されている。
位置決め部613は、図1にも示すように、接続部612からシリンダブロック10側に突出する方向の長さが、突出部611よりも短く形成されている。また、位置決め部613には、前記可撓性チューブ5が挿通される貫通孔が形成されている。
【0045】
[受け部材の構成]
受け部材62は、図5に示すように、略直方体状に形成されたブロックである。受け部材62は、ホルダ本体61のフランジ618間に挿入配置され、このフランジ618に当接されている。これにより、受け部材62は、左右方向(フランジ618の対向面に直交する方向)に移動不能にホルダ本体61に装着されている。
【0046】
また、受け部材62のシリンダブロック10側の面は、2段の凸形状とされ、1段目の凸部621が前記開口619に嵌合される。これにより、受け部材62は、上下方向(可撓性チューブ5の延長方向)およびシリンダブロック10側に向かう方向(押圧部材17A〜17Cの後退方向)に移動不能にホルダ本体61に装着される。
また、受け部材の2段目の凸部622のシリンダブロック10に対向する面は、図1に示すように、可撓性チューブ5が押し付けられる受け面623とされている。
受け部材62の前記受け面623とは反対側の面には、穴624が形成されている。
【0047】
受け部材62には、チューブホルダ6をポンプ本体2に取り付けるために用いられるホルダ取付ネジ63が回転自在に取り付けられている。
すなわち、受け部材62の前記穴624には、底面側から順に押ブッシュ64、ワッシャ65、プッシュナット66が挿入されている。プッシュナット66は、穴624の内周面に形成された溝に押し込まれて穴624から外れないようにされている。
そして、前記ホルダ取付ネジ63の先端軸部631は、これらの押ブッシュ64、ワッシャ65、プッシュナット66に挿入されている。従って、ホルダ取付ネジ63は、押ブッシュ64で回転自在に支持され、かつ、プッシュナット66で受け部材62から脱落しないように取り付けられている。
【0048】
ホルダ取付ネジ63の軸部に形成されたネジ部分には、固定ステー(係合部材)67がねじ込まれている。固定ステー67は、略板状に形成されている。そして、固定ステー67のネジの形成方向と平行な4つの側面のうち、幅寸法(ネジ軸に直交する方向の寸法)が短い2つの面671は湾曲面とされている。この面671の幅寸法は、前記側板71間の幅寸法よりも小さくされている。
一方、前記4つの側面のうち、他の2つの面672の幅寸法は前記側板71間の幅寸法よりも大きくされている。
【0049】
[支持部材の構成]
支持部材7は、シリンダブロック10の両側面に取り付けられた一対の側板71を備えて構成されている。
各側板71は、平面略矩形状に形成され、所定位置にチューブホルダ6を固定する際に用いられる係合孔72が形成されている。この係合孔72は矩形状に開口されている。
各側板71間の幅寸法は、前記ホルダ本体61の幅寸法と一致されており、各側板71間にホルダ本体61を配置した際に、ホルダ本体61は側板71に当接することで、側板71の対向面に直交する方向つまり左右方向への移動が規制されている。
【0050】
[チューブホルダの着脱方法]
チューブポンプ1は、夜間などの生産ラインが停止し、エア供給ポート12A〜12Cからエアを供給できない状態では、コイルバネ25で各押圧部材17A〜17Cが可撓性チューブ5を押圧し続けることになる。この場合、可撓性チューブ5の劣化が早まってしまう。
従って、1日の作業終了時には、チューブホルダ6を取り外し、翌日の作業開始時に取り付けることが好ましい。
また、吐出する液体の種類を変更する場合や、可撓性チューブ5を洗浄する場合にも、チューブホルダ6を脱着する必要がある。
従って、チューブホルダ6をポンプ本体2から容易に着脱できることが望ましく、本実施形態では以下に説明するような簡単な作業で容易に着脱できるように構成している。
【0051】
[チューブホルダの装着方法]
まず、本実施形態のチューブホルダ6の装着方法について説明する。
最初に、ホルダ本体61に可撓性チューブ5、チューブ継ぎ手615、アダプタ617を割り締めによって取り付けておく。
このホルダ本体61を、側板71間に挿入し、シリンダブロック10のスペーサブロック18に当接させる。この際、図1に示すように、突出部611A,611B間の寸法は、上側のスペーサブロック18の上端面から下側のスペーサブロック18の下端面までの長さと一致しており、チューブホルダ6の突出部611で前記スペーサブロック18つまりシリンダブロック10を上下方向に挟み込むように配置される。このため、チューブホルダ6はポンプ本体2に対して上下方向に移動不能に装着される。
【0052】
また、ホルダ本体61の位置決め部613がスペーサブロック18に当接することで、チューブホルダ6はポンプ本体2に対して押圧部材17A〜17Cの後退方向に移動不能に装着される。
さらに、ホルダ本体61は、各側板71に当接されるため、左右方向に移動不能に装着される。
【0053】
次に、ホルダ取付ネジ63および固定ステー67が取り付けられている受け部材62をフランジ618間に挿入し、凸部621を開口619に挿入する。これにより、上述したように、受け部材62は、ホルダ本体61に対して上下方向、左右方向およびシャフト14A〜14Cの後退方向に移動不能に装着される。
【0054】
その後、ホルダ取付ネジ63を固定ステー67に対してねじ込む方向に回し、固定ステー67の面671側が前記係合孔72内に挿入されるようにする。そして、ホルダ取付ネジ63を前記ねじ込み方向に回すと、固定ステー67が受け部材62から離れる方向(押圧部材17A〜17Cの突出方向)に移動し、係合孔72の端面に当接する。これにより、図1に示すように、チューブホルダ6は押圧部材17A〜17Cの突出方向への移動も規制され、ポンプ本体2に対して移動不能に固定される。この際、受け面623も位置合わせされた状態とされ、本実施形態では可撓性チューブ5に密着している。
【0055】
なお、チューブホルダ6をポンプ本体2に装着する場合には、各エア供給ポート12A〜12Cからエアを供給しておき、各押圧部材17A〜17Cを後退させて可撓性チューブ5に接触しない状態に配置しておくことが、チューブホルダ6を容易に装着できる点で好ましい。
【0056】
以上のように、チューブホルダ6をポンプ本体2に装着するには、ホルダ本体61、受け部材62を順次セットし、ホルダ取付ネジ63を回して固定ステー67を係合孔72に係合するだけでよく、チューブホルダ6を容易に装着できる。
【0057】
[チューブホルダ6の取り外し方法]
次に、チューブホルダ6を取り外す方法について説明する。
チューブホルダ6の取り外しは、ホルダ取付ネジ63を緩める方向(前記ねじ込み方向と反対方向)に回し、係合孔72から固定ステー67を外す。
その後、受け部材62、ホルダ本体61を順次突出方向に移動して取り外してもよいし、受け部材62ごとホルダ本体61を突出方向に移動して取り外してもよい。
【0058】
以上のように、チューブホルダ6をポンプ本体2から取り外すには、ホルダ取付ネジ63を回して固定ステー67を係合孔72から外し、ホルダ本体61、受け部材62を取り外すだけでよく、チューブホルダ6を容易に取り外すことができる。
【0059】
[バルブ開閉用の押圧部材の位置調整]
次に、上記の作業でチューブホルダ6をポンプ本体2に装着した際に、各押圧部材17A〜17Cのストロークエンド位置を調整する方法について説明する。
すなわち、各押圧部材17A,17Cは、可撓性チューブ5を受け面623に押圧してチューブ内部を閉じたり、可撓性チューブ5の押圧を解除してチューブ内部を開いたりすることで、入口バルブおよび出口バルブとして機能する。従って、エア供給ポート12A,12Cからのエア供給を解除した際には、コイルバネ25によって可撓性チューブ5を確実に押圧して前記各バルブを確実に閉じることができ、かつ、エア供給ポート12A,12Cにエアを供給した際には、可撓性チューブ5の押圧を解除して前記各バルブを確実に開くことができるようにする必要がある。
また、エア供給ポート12A,12Cにエアを供給して、各押圧部材17A,17Cが後退方向のストロークエンド位置にあるとき、フィンガ15A,15Cが可撓性チューブ5から離れすぎていると、エア供給を解除してコイルバネ25で押圧部材17A,17Cが受け面623側に移動した際に、可撓性チューブ5を押圧して閉じるまでに時間が掛かることになる。
従って、ネジ22を回してバネ座21を進退させ、エアを供給した際の押圧部材17A,17Cの後退方向ストロークエンド位置を、フィンガ15A,15Cが可撓性チューブ5に近接した位置になるように調整すればよい。そして、前記コイルバネ25は、この後退方向ストロークエンド位置に押圧部材17A,17Cが存在する状態でエア供給を停止した際に、コイルバネ25のばね力で押圧部材17A,17Cを突出方向に移動させ、前記可撓性チューブ5を確実に押し潰して閉じることができるように設定すればよい。
【0060】
[液吐出用の押圧部材の移動量調整]
次に、可撓性チューブ5の押圧量つまり液吐出量を調整する押圧部材17Bのストローク調整について説明する。チューブポンプ1では、入口バルブおよび出口バルブを閉じて、各バルブ間に液体を区画した後、出口バルブを開き、押圧部材17Bで可撓性チューブ5を押圧すると、押圧部材17Bの移動量に対応して可撓性チューブ5を押し潰す量が変化し、液体の吐出量も変化する。従って、押圧部材17Bが可撓性チューブ5に当接した後の移動量、具体的には突出方向のストロークエンド位置を調整することで吐出量を調整できる。
【0061】
このため、前記各押圧部材17A,17Cと同様に、調整ネジ26を回して進退させ、エアを供給した際の押圧部材17Bの後退方向ストロークエンド位置を調整する。
次に、マイクロメータ43を操作してスピンドルの位置を調整し、押圧部材17Bの突出方向ストロークエンド位置を調整する。すなわち、押圧部材17Bが突出方向に移動すると、ストッパ28が位置決め部材47に当接する。この場合、回動板45および位置決め部材47は、回動軸44を中心に、図1において反時計方向の力を受ける。この際、マイクロ軸46がマイクロメータ43のスピンドルに当接していれば、回動板45および位置決め部材47は反時計回り方向に移動できないため、位置決め部材47の位置が設定される。従って、マイクロメータ43のスピンドルの位置を調整しておけば、ストッパ28が位置決め部材47に当接して停止する位置、つまり突出方向のストロークエンド位置を設定できる。
【0062】
[動作説明]
次に、チューブポンプ1の動作に関して説明するが、チューブポンプ1の動作は、基本的には、特許文献1などのフィンガを用いた従来のチューブポンプと同じであるため、簡単に説明する。
すなわち、エア供給ポート12A〜12Cにエアを供給して各押圧部材17A〜17Cを後退方向のストロークエンド位置に配置した状態から、エア供給ポート12Cへのエア供給のみを停止し、押圧部材17Cのみをコイルバネ25で突出方向に移動して出口バルブを閉じる(出口バルブ閉鎖工程)。
続いて、エア供給ポート12Aへのエア供給を停止し、押圧部材17Aをコイルバネ25で突出方向に移動して入口バルブを閉じる(入口バルブ閉鎖工程)。
これにより、入口バルブおよび出口バルブ間の可撓性チューブ5内に液体が区画され、計量が行われる(計量工程)。
【0063】
次に、エア供給ポート12Cにエアを供給して、押圧部材17Cを後退方向に移動して出口バルブを開く(出口バルブ開放工程)。
続いて、エア供給ポート12Bへのエア供給を停止し、押圧部材17Bをコイルバネ25で突出方向に移動して可撓性チューブ5を押し潰す。すると、可撓性チューブ5内の液体は、出口バルブ側から前記押し潰された容積に応じた量だけ吐出する(液体吐出工程)。
この際、押圧部材17Bの突出方向の移動量は、マイクロメータ43で調整された位置決め部材47にストッパ28が当接する位置までに設定されている。これにより吐出量も調整されている。
【0064】
次に、エア供給ポート12Cへのエア供給を停止し、押圧部材17Cをコイルバネ25で突出方向に移動して出口バルブを閉じる(出口バルブ閉鎖&液体吐出終了工程)。
そして、エア供給ポート12Aにエアを供給して、押圧部材17Aを後退方向に移動して入口バルブを開き、さらに、エア供給ポート12Bにエアを供給して、押圧部材17Bを後退方向に移動し、入口バルブ側から可撓性チューブ5内に液体を吸入させる(入口バルブ開放&液体吸入工程)。
そして、液体吸入工程が終われば、前記出口バルブ閉鎖工程と同じ状態に戻るため、上記の各工程を繰り返すことで、一定量毎の液体を繰り返し吐出できる。
【0065】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)本実施形態では、ポンプ本体2に対して着脱可能に取り付けられるチューブホルダ6を設け、このチューブホルダ6に可撓性チューブ5を取り付けているので、チューブホルダ6をポンプ本体2に対して着脱すれば、可撓性チューブ5もポンプ本体2に対して容易に着脱できる。
特に、本実施形態では、チューブホルダ6をシリンダブロック10のスペーサブロック18および支持部材7の側板71に当接させることで上下方向、左右方向、後退方向に移動不能に位置決めし、突出方向の移動はホルダ取付ネジ63で固定ステー67を係合孔72に係合させるだけで規制しているので、非常に簡単な作業でチューブホルダ6を着脱でき、交換作業性を向上できる。
【0066】
(2)また、押圧部材17A〜17Cで押圧される可撓性チューブ5は、チューブホルダ6のチューブ継ぎ手615、アダプタ617間に予め取り付けられている。従って、チューブホルダ6をポンプ本体2から取り外した場合でも、チューブホルダ6に対する可撓性チューブ5の取付状態は変化せず、可撓性チューブ5に加わる張力の大きさも一定に維持できる。このため、再度、チューブホルダ6をポンプ本体2に装着した場合には、可撓性チューブ5が撓んで配置されることもないため、押圧部材17A〜17Cで可撓性チューブ5を押し潰した際の吐出量も一定に維持できる。従って、従来のチューブポンプ1に比べて吐出精度の高いチューブポンプ1を実現できる。
【0067】
(3)また、チューブ継ぎ手615、アダプタ617は、割り締めによって突出部611に固定されているので、容易に取り付けることができる。このため、予めチューブ継ぎ手615、アダプタ617に可撓性チューブ5を取り付けてから、各チューブ継ぎ手615、アダプタ617をチューブホルダ6の突出部611に取り付けることができ、洗浄などのために可撓性チューブ5のみを交換する場合も容易に行うことができる。
そして、この場合も、チューブ継ぎ手615、アダプタ617を割溝614部分に配置して割溝614を締め付ければ、可撓性チューブ5も容易に元の状態に戻すことができる。このため、チューブホルダ6から可撓性チューブ5を取り外した後、再度チューブホルダ6に可撓性チューブ5を装着した場合も、可撓性チューブ5が撓んで配置されることもない。このため、この可撓性チューブ5を装着したチューブホルダ6を再度ポンプ本体2に取り付ければ、押圧部材17A〜17Cで可撓性チューブ5を押し潰した際の吐出量も一定に維持できる。
【0068】
(4)チューブホルダ6において、ホルダ本体61および受け部材62を別体で構成しているので、チューブホルダ6の加工がしやすくなり、かつ、可撓性チューブ5のセットも容易に行うことができる。
すなわち、可撓性チューブ5が受け面623から離れていると、押圧部材17A〜17Cで可撓性チューブ5を押し潰す際に、より長いストロークが必要となり、動作時間も長くなる。このため、可撓性チューブ5は受け面623に密着していることが好ましいが、受け面623が可撓性チューブ5に密着する位置に配置された状態では、可撓性チューブ5を取り付ける作業が煩雑になる。
一方、本実施形態では、ホルダ本体61に対して受け部材62を取り外した状態で可撓性チューブ5をホルダ本体61に取り付けることができ、その後に受け部材62を装着しているので、可撓性チューブ5を容易にセットできるとともに、可撓性チューブ5が受け面623に密着する状態にセットできる。
さらに、受け面623と、各突出部611とを有するチューブホルダ6を一体に製造する場合、形状が複雑であるため、加工が難しい。これに対し、本実施形態では、ホルダ本体61および受け部材62を別体にしているので、容易に加工でき、生産性も向上できる。
その上、突出部611と、チューブ保持部であるチューブ継ぎ手615、アダプタ617とを別体に形成したので、可撓性チューブ5を取り付けるポートを突出部611に一体に形成する場合に比べて容易に加工できる。
【0069】
(5)さらに、ホルダ本体61および受け部材62が別体であっても、受け部材62をフランジ618間に配置し、凸部621を開口619に挿入しているので、受け部材62をホルダ本体61に対して突出方向以外に移動不能に装着できる。
このため、本実施形態では、受け部材62にホルダ取付ネジ63を軸支し、固定ステー67を係合孔72に係合するだけで、ホルダ本体61および受け部材62をまとめてポンプ本体2に固定することができる。このため、ホルダ本体61に受け部材62を取り付けた後に、別途、チューブホルダ6をポンプ本体2に取り付ける場合に比べて、チューブホルダ6の着脱作業をより一層簡単に行うことができる。
【0070】
(6)チューブホルダ6を固定する構造として、固定ステー67を係合孔72に係合するという非常に簡単な構造を採用できるため、製造コストも低減でき、かつ、確実にチューブホルダ6をポンプ本体2に取り付けることができる。
【0071】
(7)さらに、マイクロメータ43で位置が設定される位置決め部材47に、ストッパ28を当接させることで押圧部材17Bの突出方向の移動量を設定しているので、マイクロメータ43によって吐出量を調整できる。
このため、予めマイクロメータ43の目盛と、その際の吐出量との関係を測定しておけば、その後は、マイクロメータ43を操作することで吐出量を簡単に設定できる。このため、吐出量の調整が容易なチューブポンプ1を提供できる。
その上、本実施形態では、調整側板41に対して回動する回動板45に、マイクロ軸46および位置決め部材47を取り付け、位置決め部材47およびマイクロ軸46を互いに約90度交差する方向に配置している。このため、位置決め部材47に対するマイクロメータ43の配置位置の自由度を高めることができ、チューブポンプ1をコンパクトに形成できるとともに、マイクロメータ43を操作しやすい位置に配置できて操作性を向上できる。
【0072】
(8)コイルバネ25のばね力で押圧部材17A〜17Cを突出方向に移動し、エア供給ポート12A〜12Cに供給される空気で押圧部材17A〜17Cを後退方向に移動しているので、可撓性チューブ5を押す力の変化を無くすことができ、かつ、押すスピードも調整することができる。
すなわち、空気圧で押圧部材17A〜17Cを突出方向に移動した場合、空気圧の変動で可撓性チューブ5を押す力も変動してしまうため、空気圧を一定に維持しなければならず、制御が難しくなる。これに対し、本実施形態は、コイルバネ25を用いているので、可撓性チューブ5を押す力の変動を無くすことができる。
また、供給していた空気圧を低下させるスピードをコントロールすれば、コイルバネ25で押される押圧部材17A〜17Cの移動スピードつまり可撓性チューブ5を押すスピードを容易に調整できる。
【0073】
(9)また、エアシリンダおよびピストン16の形状を、図3に示すように楕円形にしたので、各シリンダを一列に並べた際にその並び方向の寸法を、同じ面積の円形のシリンダを用いた場合に比べて小さくできる。
さらに、楕円形状にすれば、ピストン16の回り止めも自動的に防止できる。
【0074】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について図6を参照して説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一または同様の構成には適宜同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態のチューブポンプ1は、支持部材7として第1実施形態の側板71の代わりに、2本の支持棒75を用いるとともに、固定ステー67の代わりに、前記支持棒75に係合する係合部材68を用いた点が相違するが、他の構造は前記第1実施形態と同じである。
【0075】
支持棒75は、シリンダブロック10の側面に固定された丸棒状の部材であり、先端には係合部材68が係合する段部(溝部)751が形成されている。各支持部材7間の幅寸法は、ホルダ本体61の幅寸法とほぼ同じとされ、ホルダ本体61を支持部材7間に配置した際に、ホルダ本体61が左右方向に移動しないように構成されている。
また、係合部材68には、支持棒75の段部751に係合する溝681が形成されている。
【0076】
このような第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の方法でチューブホルダ6を着脱できる。すなわち、ホルダ本体61、受け部材62をセットした後、ホルダ取付ネジ63を回して係合部材68の溝681を支持棒75の段部751に係合することで、チューブホルダ6をポンプ本体2に装着できる。
一方、ホルダ取付ネジ63を逆方向に回して係合部材68を支持棒75から取り外すと、チューブホルダ6をポンプ本体2から取り外すことができる。
従って、このような第2実施形態においても、前記第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
【0077】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態について図7を参照して説明する。なお、第3実施形態は、前記各実施形態に対し、可撓性チューブ5のチューブ保持部の構成が相違する。このため、可撓性チューブ5およびチューブホルダ6のみを図示して説明する。なお、第1、2実施形態と同一または同様の構成には適宜同一符号を付し、説明を省略または簡略する。また、図7では、受け部材62はホルダ本体61に取り付けられる手前の位置であるため、受け面623は可撓性チューブ5に当接していない。
【0078】
図7に示すように、第3実施形態では、各チューブ保持部は、可撓性チューブ5が貫通された状態で配置固定されている。このため、液供給側チューブ保持部80Aおよび液吐出側チューブ保持部80Bは、ナット部材81と、チューブ固定部材82と、ネジ部材83とで構成されている。
【0079】
ナット部材81は、内部に貫通孔が形成され、貫通孔にはテーパ面811と、雌ねじ812とが形成されている。
チューブ固定部材82は樹脂材で構成され、内部に可撓性チューブ5が挿通される貫通孔が形成され、かつ、前記テーパ面811に当接するテーパ面が形成されている。
ネジ部材83は、内部に可撓性チューブ5が挿通される貫通孔が形成され、かつ、前記雌ねじ812に螺合する雄ねじが形成されている。
【0080】
そして、チューブ固定部材82およびネジ部材83の貫通孔に可撓性チューブ5を挿通した状態で、ネジ部材83をナット部材81にねじ込むと、チューブ固定部材82のテーパ面がナット部材81のテーパ面811に押し付けられる。このため、可撓性チューブ5はチューブ固定部材82に締め付けられて固定される。
また、ネジ部材83をナット部材81から緩めれば、チューブ固定部材82による締め付けが解除され、可撓性チューブ5をチューブ固定部材82、ネジ部材83の貫通孔から抜き取ることができる。
【0081】
このような本実施形態においては、可撓性チューブ5に各ナット部材81、チューブ固定部材82、ネジ部材83からなるチューブ保持部80A,80Bを取り付けておく。この際、各チューブ保持部80A,80B間の距離は予め設定した間隔にしておく。
次に、各チューブ保持部80A,80Bを各突出部611A,611Bの割溝614に配置し、ネジで割溝614を締め付けて各チューブ保持部80A,80Bを割り締めによって固定する。これにより、チューブホルダ6に可撓性チューブ5を一定の張力で取り付けることができ、前記実施形態と同様に、このチューブホルダ6をポンプ本体2に着脱して用いればよい。
【0082】
このような第3実施形態においても前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、各チューブ保持部80A,80Bを、可撓性チューブ5を挿通して固定できる構成としたので、液供給側のタンクやシリンジ等から、チューブホルダ6を介して、液吐出側の吐出針等までを連続する一体の可撓性チューブ5で連結することができる。
このため、チューブホルダ6部分に取り付けられる可撓性チューブ5の他に、液供給タンクなどから液供給側チューブ保持部までを連結する供給側チューブや、液吐出側チューブ保持部から液吐出針などまでを連結する吐出側チューブの別体のチューブを設ける場合に比べて、チューブの接続部からの液漏れなどを確実に防止できる。
【0083】
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態について図8を参照して説明する。なお、第4実施形態は、第3実施形態に対し、可撓性チューブが分割されている点が相違する。
すなわち、本実施形態では、可撓性チューブ5は、受け面623に当接して各押圧部材17A〜17Cで押圧される可撓性チューブ51と、可撓性チューブ51の各端部内に挿入された連結用の可撓性チューブ52とで構成されている。
【0084】
図8に示すように、各チューブ保持部90A,90Bは、可撓性チューブ5が貫通された状態で配置固定されている。このため、液供給側チューブ保持部90Aおよび液吐出側チューブ保持部90Bは、ナット部材91と、チューブ固定部材92と、ネジ部材93とで構成されている。
【0085】
ナット部材91は、内部に貫通孔が形成され、貫通孔にはテーパ面911と、雌ねじ912とが形成されている。
チューブ固定部材92は樹脂材で構成され、内部に可撓性チューブ51,52が挿入される段付きの貫通孔が形成され、かつ、前記テーパ面911に当接するテーパ面が形成されている。
ネジ部材93は、内部に可撓性チューブ52が挿通される貫通孔が形成され、かつ、前記雌ねじ912に螺合する雄ねじが形成されている。
【0086】
そして、チューブ固定部材92およびネジ部材93の貫通孔に可撓性チューブ51,52を挿通した状態で、ネジ部材93をナット部材91にねじ込むと、チューブ固定部材92のテーパ面がナット部材91のテーパ面911に押し付けられる。このため、可撓性チューブ51,52はチューブ固定部材92に締め付けられて固定される。
また、ネジ部材93をナット部材91から緩めれば、チューブ固定部材92による締め付けが解除され、可撓性チューブ51,52をチューブ固定部材92、ネジ部材93の貫通孔から抜き取ることができる。
【0087】
このような本実施形態においても、可撓性チューブ51,52に各ナット部材91、チューブ固定部材92、ネジ部材93からなるチューブ保持部90A,90Bを取り付けておく。この際、各チューブ保持部90A,90B間の距離は予め設定した間隔にしておく。
次に、各チューブ保持部90A,90Bを各突出部611A,611Bの割溝614に配置し、ネジで割溝614を締め付けて各チューブ保持部90A,90Bを割り締めによって固定する。これにより、チューブホルダ6に可撓性チューブ51を一定の張力で取り付けることができ、前記実施形態と同様に、このチューブホルダ6をポンプ本体2に着脱して用いればよい。
【0088】
このような第4実施形態においても前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、可撓性チューブ5において、押圧部材17A〜17Cで押圧される部分は可撓性チューブ51で構成し、その他の部分を可撓性チューブ52で構成したので、各可撓性チューブ51、52をそれぞれの用途に適した材質の樹脂材で構成できる。例えば、押圧部材17A〜17Cで押圧される可撓性チューブ51は、耐久性などに優れた樹脂で構成すればよいし、可撓性チューブ52は、湾曲しやすくて取り回し易いなどの他の特徴を有する材質の樹脂で構成することもでき、コスト面や機能面を考慮して選択すればよい。
【0089】
[変形例]
なお、本発明は前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲の変形は本発明に含まれるものである。
例えば、ポンプ本体2や、チューブホルダ6の形状、構造などは前記各実施形態のものに限らない。例えば、ポンプ本体2としては、押圧部材17A〜17Cが3本のものに限らず、液吐出用の押圧部材を2本以上設け、合計で押圧部材を4本以上設けてもよい。
また、チューブホルダ6は、ホルダ本体61と受け部材62とが別体のものに限らず、一体で形成してもよい。
また、押圧部材17A〜17Cの駆動機構は、前記実施形態のような空気圧およびばね力を用いたものに限らず、例えば、圧電素子や各種モータを用いたリニアアクチュエータなどを利用してもよい。
【0090】
さらに、押圧部材17Bの移動量を調整する吐出量調整手段40としては、回動板45や位置決め部材47を用いたものに限らない。要するに、押圧部材17Bの突出方向のストロークエンド位置を設定できるものであればよい。特に、マイクロメータ43を用いてその目盛と吐出量の関係を把握できるものであれば、吐出量を容易に調整できる点で好ましい。
【0091】
また、チューブホルダ6のポンプ本体2への取付構造も前記各実施形態に限らない。但し、前記各実施形態の構造であれば、チューブホルダ6を容易に着脱でき、操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1実施形態のチューブポンプを示す断面図である。
【図2】前記第1実施形態のチューブポンプを示す図である。
【図3】前記第1実施形態のシリンダブロックを示す図である。
【図4】前記第1実施形態のバネケースを示す図である。
【図5】前記第1実施形態のチューブホルダを示す分解斜視図である。
【図6】前記第2実施形態のチューブホルダを示す分解斜視図である。
【図7】前記第3実施形態のチューブホルダを示す断面図である。
【図8】前記第4実施形態のチューブホルダを示す断面図である。
【符号の説明】
【0093】
1…チューブポンプ、2…ポンプ本体、5…可撓性チューブ、6…チューブホルダ、7…支持部材、10…シリンダブロック、11A〜11C…シリンダ孔、12A〜12C…エア供給ポート、14A〜14C…シャフト、15A〜15C…フィンガ、16…ピストン、17A〜17C…押圧部材、18…スペーサブロック、20…バネケース、25…コイルバネ、28…ストッパ、40…吐出量調整手段、41…調整側板、42…マイクロホルダ、43…マイクロメータ、44…回動軸、45…回動板、46…マイクロ軸、47…位置決め部材、51,52…可撓性チューブ、61…ホルダ本体、62…受け部材、63…ホルダ取付ネジ、67…固定ステー、68…係合部材、71…側板、75…支持棒、80A…液供給側チューブ保持部、80B…液吐出側チューブ保持部、81,91…ナット部材、82,92…チューブ固定部材、83,93…ネジ部材、615…チューブ継ぎ手、617…アダプタ、623…受け面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ本体と、前記ポンプ本体に着脱可能に取り付けられるチューブホルダと、このチューブホルダに保持される可撓性チューブとを備え、
前記チューブホルダは、前記可撓性チューブを受ける受け部と、前記可撓性チューブの前記受け部に当接する部分よりも液供給側に位置する部分を保持する液供給側チューブ保持部と、前記可撓性チューブの前記受け部に当接する部分よりも液吐出側に位置する部分を保持する液吐出側チューブ保持部とを備え、
前記ポンプ本体には、前記チューブホルダの可撓性チューブを挟んで前記受け部に対して反対側に配置され、かつ、前記可撓性チューブに向かって進退駆動される複数の押圧部材を備えることを特徴とするチューブポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載のチューブポンプにおいて、
前記チューブホルダは、ホルダ本体と、受け部材とを備え、
前記ホルダ本体は、接続部と、この接続部から突出されて互いに平行に配置された一対の突出部とを備えて形成され、
前記各突出部には、前記液供給側チューブ保持部および液吐出側チューブ保持部がそれぞれ設けられ、
前記受け部材は、前記ホルダ本体の接続部に対して着脱可能に組み込まれていることを特徴とするチューブポンプ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のチューブポンプにおいて、
前記ポンプ本体から突出された一対の支持部材を備え、
前記チューブホルダは、
前記一対の支持部材に挟持されて支持部材に当接する方向への移動が規制され、
前記ポンプ本体の押圧部材が露出する面に当接することでポンプ本体側への移動が規制され、
前記ポンプ本体の複数の押圧部材が並ぶ方向に対して直交する面に当接することで押圧部材が並ぶ方向に対する移動が規制されるとともに、
支持部材に対して係合してチューブホルダが支持部材の突出方向に移動することを規制する係合部材を備えることを特徴とするチューブポンプ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のチューブポンプにおいて、
前記ポンプ本体は、
前記チューブホルダに装着された可撓性チューブを押圧する押圧部材と、
各押圧部材を個別に進退移動する駆動手段と、
前記駆動手段で駆動される押圧部材の移動量を調整する移動量調整手段とを備え、
前記押圧部材は、
可撓性チューブを押圧する入口バルブ用の押圧部材と、
可撓性チューブを押圧する出口バルブ用の押圧部材と、
これらの各押圧部材間に配置された液吐出用の押圧部材とを備え、
前記移動量調整手段は、
前記液吐出用の押圧部材の後端に設けられた当接部に当接して、液吐出用の押圧部材の可撓性チューブ側への移動ストロークエンド位置を設定する位置決め部材と、
この位置決め部材の位置を設定するマイクロメータとを備えることを特徴とするチューブポンプ。
【請求項5】
請求項4に記載のチューブポンプにおいて、
前記移動量調整手段は、
前記ポンプ本体に対して回動可能に取り付けられた回動板と、
前記回動板に固定されたマイクロ軸と、
前記回動板に固定された前記位置決め部材と、
前記ポンプ本体に取り付けられ、かつ、スピンドル先端が前記マイクロ軸に当接可能に配置された前記マイクロメータとを備え、
前記マイクロメータのスピンドルを進退させて前記マイクロ軸がスピンドル先端に当接する位置を調整することで、前記位置決め部材の位置を調整することを特徴とするチューブポンプ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のチューブポンプにおいて、
前記液供給側チューブ保持部および液吐出側チューブ保持部は、前記可撓性チューブの各端部が取り付けられる液供給ポートおよび液吐出ポートで構成されていることを特徴とするチューブポンプ。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のチューブポンプにおいて、
前記液供給側チューブ保持部および液吐出側チューブ保持部は、前記可撓性チューブを挿通した状態で可撓性チューブを固定可能に構成されていることを特徴とするチューブポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−197654(P2009−197654A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38957(P2008−38957)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000111373)ノイベルク有限会社 (10)
【Fターム(参考)】