説明

チラシ作成システム、チラシ作成方法、及びプログラム

【課題】 消費者の消費性向に細かく対応したチラシの送付が可能であり、且つ、広告主にとって、利用効率を高めることが可能な広告作成システム等を提供する。
【解決手段】 チラシの原稿作成の際に必要な情報を出力するチラシ管理サーバ2と、各広告主の情報に基づいてチラシの原稿データを登録するチラシ原稿登録サーバ3と、各顧客の基本情報及びチラシの希望情報が記憶された顧客データベース4と、顧客情報に基づき、チラシ管理サーバに登録されている複数の広告主の中から適当な広告主を選定し、選定結果を印刷データ出力装置に送信するチラシ編集装置5と、共同チラシの印刷データを生成して印刷機に送信する印刷データ出力装置6とを備え、複数の広告主のチラシを顧客毎に選別して作成して配布する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個々の条件に応じてチラシ等の印刷物を作成するチラシ作成システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の新聞の折り込みチラシは、地域単位で配られるため、消費者の選択の余地が無く、各消費者にとって不要なチラシも多く含む場合が多い。その結果、折り込みチラシの受領者(消費者)は、必要なチラシを探し難かったり、不快な思いをしたりすることがあった。その一方で、広告主は、一律に折り込みチラシを配布するため、広告の印刷枚数が多く必要となるが、需要が見込めない消費者にも配布することとなり、費用に対する効果の向上が図れず、広告費に非効率が生じていた。
【0003】
この他、通信販売会社等の場合、登録された会員に対し、カタログ等の広告を送付する場合がある。また、店頭販売の事業主の場合、過去に来店した顧客に会員登録等により顧客情報を取得し、その会員に対し、来店、購買誘導を図る目的で、チラシ等を作成して送付する場合がある。
【0004】
このように、スーパーマーケットや百貨店、通信販売会社等の商品流通業が頒布するチラシは、日々の特売情報、イベント情報等が掲載されており、顧客の購買意欲を促進する効果がある。そして、このようなチラシ類の原稿は、DTP(Desk Top Publishing)の技術を利用して作成されるのが一般的である。
【0005】
例えば、特許文献1には、ダイレクトメール等の印刷物として、1つの紙面パターンを多数印刷する際に、広告の共通データであるフォームデータに、付加データを合成する合成手段を有し、1枚毎に紙面の一部が差し替えられるバリアブル印刷システム等に関する発明が開示されている。具体的には、印刷物1枚毎に差し替えられる顧客情報(顧客の名前、住所、電話番号等)がバリアブルデータとしてデータベースに保存され、バリアブルデータに含まれる地域情報等の特定情報を抽出し、この特定情報に対応する付加データを選択してフォームデータに合成して広告データを作成し、印刷装置に送信するバリアブル印刷システムが開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、同一紙面上に複数の広告を同時掲載する共同広告の作成に関し、通信ネットワークを介して通信可能に接続されたユーザ端末を用いて広告依頼を受注できる共同広告印刷受注システムが開示されている。具体的には、予め蓄積された共同広告の企画情報をユーザ端末に表示させることにより、共同広告への掲載を希望する応募者が企画情報を確認し、所望の企画情報に関する応募情報を入力すると、応募情報が企画毎に受注情報として蓄積され、受注情報が所定数に達すれば、その企画について共同広告の製版、刷版、印刷加工を行い、印刷物を所定の場所に配送する共同広告印刷受注システムが開示されている。
【0007】
さらに、特許文献3には、いずれかのグループに属するユーザ端末がネットワークを介して広告作成サーバに接続され、グループ毎のユーザに関する情報に基づいて広告商品を選定し、グループ毎に個別の広告を作成し、各グループに属するユーザのユーザ端末に個別の広告を送信する個別広告作成システム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−33635号公報
【特許文献2】特開2002−99794号公報
【特許文献3】特開2002−230414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示の技術では、複数の広告主から原稿を集めることができないため、宅配代金の軽減につながらない。また、特許文献1及び特許文献2に開示の技術では、顧客が広告の内容を選別することができず、顧客の消費性向に応じた広告の提供ができず、顧客にとっては望まない広告を受領することとなり、広告主は、広告による十分な効果を得ることが難しかった。
【0010】
さらに、特許文献2に開示の技術では、所定の広告スペース埋まらないと広告が発行できない恐れがあり、ニーズに対する細かい対応ができない。また、特許文献3の技術では、広告をユーザ端末で所定のWebサイトにアクセスすることにより確認する手法であるため、顧客がユーザ端末を能動的に利用しないと広告を見ることができず、広告主の期待する効果が十分に得られない。
【0011】
すなわち、特許文献1〜特許文献3に開示されたような従来技術では、広告主または顧客のいずれかのニーズにある程度対応した広告の一部差し替えが可能であるが、広告主及び顧客双方の個別のニーズに具体的に対応することが難しかった。
【0012】
また、折り込みチラシや、ダイレクトメールによる広告において、チラシの受領者である顧客が掲載内容を見ずに廃棄することを防ぐため、広告内容を読み、購買につながるような訴求力のある紙面が望まれる。しかし、広告主が望む訴求力のある紙面を顧客毎のニーズに対応して個別に作成するのは多大なコストが必要であった。
【0013】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、消費者の消費性向、個別の行動範囲等に細かく対応したチラシの送付が可能であり、且つ、広告主にとって、広告の利用効率を高めることが可能な広告作成システム、広告作成方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した課題を解決するため、第1の発明は、複数の広告主のチラシを顧客毎に選別して作成して配布するチラシ作成システムであって、広告主の基本情報及び広告情報を入力し、チラシの原稿作成の際に必要な情報を出力するチラシ管理サーバと、前記チラシ管理サーバから取得された各広告主の情報に基づいてチラシの要約部の商品データ及び詳細部の原稿データを登録するチラシ原稿登録サーバと、各顧客の基本情報及びチラシの希望情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された情報に基づき、前記チラシ管理サーバに登録されている複数の広告主の中から適当な広告主を選定するチラシ選定手段と、前記選定結果に該当する広告主のチラシの原稿データを前記チラシ原稿登録サーバから取得し、選定された広告主の前記商品データ及び前記原稿データに基づき、チラシの詳細部表示欄の他に、各広告主のチラシの要約部を一覧可能に表示する要約表示欄を含む個別共同チラシの印刷データを作成して印刷機に送信する印刷データ生成手段とを備えることを特徴とするチラシ作成システムである。
【0015】
第1の発明によれば、顧客によるチラシの希望情報を含む顧客情報と、広告主の広告情報との適合度合の高いチラシが作成され、顧客に提供することが可能となる。その結果、広告内容が確認されずに廃棄されるチラシを削減でき、効率的なチラシの作成と提供が可能となる。
そして、顧客にとっては、顧客が関心を持つ可能性の高いチラシを受領して、関心が無い広告主のチラシの受領を抑制できる。また、顧客の希望に合致したチラシだけが作成されるので、広告主にとっては、顧客の消費性向に関わらず地域単位で全戸に配布される新聞折り込みチラシやポスティングされるチラシ等の広告に比べて、印刷枚数を必要数に絞ることができ、印刷代等の広告コストを大幅に低減できる。また、広告主が単独でチラシを企画、作成して宅配するダイレクトメールの場合、広告主が独自にエリアマーケティングを検討する必要があるが、本発明では、広告主のエリアマーケティングの手間を省くことができるため、特に、エリアマーケティングの手間が負担となりやすい中小規模の広告主の負担を軽減できる。
【0016】
また、第1の発明によれば、選定された広告主の広告の詳細部表示欄の他に、要約部を一覧可能に表示した要約表示欄も印刷するので、チラシに掲載された詳細部の概要を顧客が把握しやすいチラシを容易に作成できる。そして、広告主にとっては、広告の詳細部に注目して貰えるような訴求力の高いチラシを提供でき、広告の効果を高めることができる。
【0017】
さらに、第1の発明において、前記チラシ選定手段は、前記記憶手段に記憶された情報に適応する広告主の適応度を算出して、その適応度の高い順に任意の数の広告主を選定することが望ましい。
【0018】
このように、適応度の高い順に広告主の数が限られることにより、関心を持つ可能性が高いチラシから優先的に印刷されることとなり、不要なチラシが減少するとともに、顧客の関心を喚起しやすく、情報を見ずに捨てられる廃棄物が減少する。
【0019】
さらに、第1の発明において、前記印刷データ生成手段は、前記記憶手段に記憶されたチラシの希望情報に基づいて、要約部に掲載する商品を選定して印刷データを作成する要約表示選定手段を備えることが望ましい。
これにより、例えば、個々の顧客が購入を検討している商品等、顧客がチラシに望む情報と合致する商品をチラシの要約部に掲載することが可能となる。その結果、顧客にとっては分かり易く、広告主にとっては、顧客に関心を示してもらえるチラシを提供できる。
【0020】
また、第1の発明において、前記印刷データ生成手段は、チラシの詳細部の印刷位置を抽出する印刷位置取得手段を備え、前記印刷データは、抽出したチラシの詳細部の印刷位置情報を前記要約部の掲載事項として含むことが望ましい。
【0021】
個別の顧客に対応する共同広告チラシの場合、各広告主の広告の詳細部の掲載位置はチラシ毎に異なるが、本発明によれば、要約部に掲載する情報として、チラシの詳細部の印刷位置情報を含む印刷データを生成することができる。その結果、見やすいチラシを容易に作成して提供することができる。
【0022】
第2の発明は、複数の広告主のチラシを顧客毎に選別して作成して配布するチラシ作成方法であって、チラシ管理サーバが、広告主の基本情報及び広告情報を入力し、チラシの原稿作成の際に必要な情報を出力するステップと、チラシ原稿登録サーバが、前記チラシ管理サーバから取得された各広告主の情報に基づいてチラシの要約部の商品データ及び詳細部の原稿データを登録するステップと、記憶手段が、各顧客の基本情報及びチラシの希望情報を記憶するステップと、チラシ選定手段が、前記記憶手段に記憶された情報に基づき、前記チラシ管理サーバに登録されている複数の広告主の中から適当な広告主を選定するステップと、印刷データ生成手段が、前記選定結果に該当する広告主のチラシの原稿データを前記チラシ原稿登録サーバから取得し、選定された広告主の前記商品データ及び前記原稿データに基づき、チラシの詳細部の表示欄の他に、各広告主のチラシの要約部を一覧可能に表示する要約表示欄を含む個別共同チラシの印刷データを作成して印刷機に送信するステップと、を備えることを特徴とするチラシ作成方法である。
【0023】
第2の発明によれば、顧客にとって関心が無い広告主のチラシを配布することが無いため配布の効率が良く、顧客が関心の無いチラシに有益なチラシが埋没する恐れがなく、チラシのレスポンス率を高めることが期待できる。また、広告主は、広告費用の低減を図るとともに、広告費用に対する効果を高めることができる。
【0024】
第3の発明は、第1の発明のチラシ作成システムにおいて実行され、コンピュータにより読み取り可能な形式で記述されたプログラムであって、各コンピュータを、前記チラシ管理サーバ、前記チラシ原稿登録サーバ、前記記憶手段、前記チラシ選定手段、及び前記印刷データ生成手段として機能させるためのプログラムである。
【0025】
第3の発明により、汎用のコンピュータによって第1の発明のチラシ作成システムを構築することが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、広告主が提供したい広告と顧客の受領したい広告とを個別具体的に適合させることが可能であり、且つ、その個別に対応した広告を掲載する他、その広告の要約部を一覧可能に表示したチラシを自動作成可能なチラシ作成システム、チラシ作成方法、及びプログラムを提供できる。この結果、広告主及び顧客のニーズに個別に対応し、且つ、見やすいチラシを作成することが可能であり、非常に効率の良いチラシの提供が可能となる。
すなわち、従来は作成するためには多大な労力が必要であるため、実現が困難であった個々の顧客に細やかに対応した訴求力の高いチラシを、容易に作成して提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るチラシ作成システム1の概略構成図
【図2】コンピュータのハードウエア構成を示すブロック図
【図3】本発明に係るチラシ作成システム1の機能ブロック図
【図4】チラシ作成システム1において実行される顧客のデータ登録処理の流れを説明するフローチャート
【図5】チラシ作成システム1において実行される広告主のデータ登録処理の流れを説明するフローチャート
【図6】チラシ作成の手順を説明するフローチャート
【図7】顧客毎のチラシ情報の選定の手順を説明するフローチャート
【図8】印刷データ出力装置がチラシの印刷データを生成する手順を説明するフローチャート
【図9】作成される要約表示欄の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0029】
まず、図1を参照して、本発明を適用するチラシ作成システム1について説明する。
図1は、本発明に係るチラシ作成システム1の概要を示す図である。
チラシ作成システム1は、チラシ管理サーバ2と、チラシ原稿登録サーバ3と、顧客データベース4と、チラシ編集装置5と、印刷データ出力装置6と、印刷機7と、顧客の情報を入力する端末(顧客端末又は顧客管理者端末)8と、広告主の情報を入力する端末(広告主端末又は広告主管理者端末)9とを備え、必要に応じてネットワーク10a,10bを介して通信接続されて構成される。
【0030】
本発明に係るチラシ作成システムは、複数の広告主のチラシを顧客毎に選別して作成して配布するチラシ作成システムである。
ここで、本発明にいうチラシとは、例えば、カタログ、安売り情報、イベントの案内等の広告情報を含む印刷物を言い、一枚の印刷物の他、複数頁の印刷物を綴じて冊子状にしたものや、複数頁の印刷物を新聞の形態のように折り込んでまとめたもの、葉書等であってもよい。
また、本発明では、チラシのうち、特に、複数の広告主の広告をまとめて一部のチラシに掲載する共同チラシに適用される。
【0031】
チラシ管理サーバ2は、広告主の基本情報及び広告情報が入力され、チラシの原稿作成の際に必要な情報を出力するコンピュータである。チラシ管理サーバ2は、広告主端末9から入力される各広告主の名称、所在地、識別番号(ID)、取扱商品ジャンル、広告主が広告したい営業情報(営業日、特売日等)、商品情報(特売商品、お勧め商品等)等を記載したチラシ基本情報を記憶している。
【0032】
チラシ原稿登録サーバ3には、「チラシ原稿データ」と、要約部(ダイジェスト版)に掲載する「商品データ」が広告主毎に登録される。本発明に係るチラシ作成システムでは、予め用意されている要約部(ダイジェスト版)のテンプレートにユーザの条件に合致する広告主の商品データを配置して要約部(ダイジェスト版)を作成し、要約部(ダイジェスト版)とチラシ原稿データを合わせてチラシデータを作成する。
【0033】
次に、顧客データベース4(記憶手段)は、顧客端末8から入力された各顧客の基本情報及びチラシの希望情報を蓄積して記憶するデータベースである。顧客とは、本発明に係るチラシ作成システムにより作成される個別共同チラシの配送サービスを受けることを希望した顧客であり、サービスの利用に際し、顧客登録を行う。顧客データベース4は、例えば、DBMS(DataBase Management System:データベース管理システム)のソフトウエアがインストールされたコンピュータとして実現される。尚、記憶手段は、顧客データベース4に限定されるものではなく、例えば、単なるファイルでも良い。
【0034】
顧客の基本情報は、チラシの配送に必要な住所、氏名、識別番号(ID)が挙げられ、必要に応じて年齢、性別等、チラシの提供に際し、参照できる情報が付加されてもよい。
また、顧客の希望情報は、顧客が受領するチラシに望む情報であり、例えば、利用意向の高い店舗、利用意向の高い地域、購買意向のある商品、チラシの受け取り優先度の低い広告主や業種等、顧客が任意に登録可能な情報である。
【0035】
顧客端末8及び広告主端末9はウェブブラウザ、またはチラシ作成システムを利用するためのアプリケーションがインストールされているコンピュータである。また、広告主端末9は、チラシ管理サーバ2へログインすると、広告主操作画面情報を受信し、表示部に表示する。広告主端末9及びチラシ管理サーバ2は、広告主用操作画面を利用して、チラシ管理サーバ2からの広告主データの検索及び取得、広告情報リストの確認、広告情報リストの追加、訂正等に関する種々の処理を実行する。
同様の方法で、顧客端末8においても、顧客情報の登録、確認、追加、訂正等に関する種々の処理を実行する。
【0036】
なお、顧客端末8及び広告主端末9は、汎用的なコンピュータに代えて、デジタルテレビ、携帯電話、モバイル端末、通信機能搭載のゲーム機などで実現することもできる。
また、上述した顧客端末8及び広告主端末9は、顧客自身あるいは広告主自身がネットワーク10a,10bを介して操作する場合に限定されるものではない。例えば、顧客が、サービスの利用に必要な情報を印刷会社に提供し、印刷会社の顧客管理者が端末を操作して登録してもよい。広告主に関しても同様である。
【0037】
次に、チラシ編集装置5は、顧客データベース4に記憶された情報に基づき、チラシ管理サーバ2に登録されている複数の広告主の中から適当な広告主を選定する機能と、選定結果を印刷データ出力装置6に送信する機能を備えるコンピュータである。
【0038】
印刷データ出力装置6は、チラシ編集装置5から送信された選定結果に該当する広告主のチラシの原稿データをチラシ原稿登録サーバ3から取得する機能と、選定結果に該当する広告主の原稿データに基づき広告の詳細部と要約部を作成する機能と、各広告主の広告の詳細部と要約部の印刷位置を編集し印刷データを作成する機能と、作成した共同チラシの印刷データを生成して印刷機7に送信する機能を備えるコンピュータである。また、印刷データ出力装置6は、チラシの原稿を制作するDTP作業機能を有し、DTPアプリケーションプログラム等がインストールされ、原稿制作処理を行う。
【0039】
印刷機7は、制御部、操作部、通信部、両面印刷装置等を有し、入力された印刷出力データに応じて印刷を行う。印刷データ出力装置6は、画像を出力する印刷機7のような出力機器に対応して、画像に組み込まれたプロファイル、あるいは、関連付けられたプロファイルを用いて、複数の画像を含む情報を一括して変換出力する。
【0040】
次に、図2は、コンピュータ(チラシ管理サーバ2、チラシ原稿登録サーバ3、チラシ編集装置5、印刷データ出力装置6、顧客端末8、広告主端末9等)のハードウエア構成図である。なお、図2のハードウエア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
図2に示すように、コンピュータ100は、制御部101、記憶部102、入力部103、表示部104、メディア入出力部105、通信制御部106、周辺機器I/F部107等が、バス109を介して接続される。
【0041】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。CPUは、記憶部102、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス109を介して接続された各装置を駆動制御し、コンピュータ100が行う処理を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータ100のブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部102、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部101が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0042】
記憶部102は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部101が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラムや、後述する処理をコンピュータに実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。
【0043】
入力部103は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。入力部103を介して、コンピュータ100に対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
表示部104は、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
【0044】
メディア入出力部15(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置を有する。
通信制御部106は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータ100とネットワーク10a,10b間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワーク10a,10bを介して、他のコンピュータ100間との通信制御を行う。
【0045】
周辺機器I/F(インタフェース)部107は、コンピュータ100に周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部17を介してコンピュータ100は周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部17は、USBやIEEE1394やRS−232C等で構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
バス109は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0046】
次に、図3〜図8を参照して、チラシ作成システム1における個別共同チラシの作成の流れについて説明する。
図3は、チラシ作成システム1における個別共同チラシの作成機能の概要を説明するブロック図、図4は、チラシ作成システム1において実行される顧客のデータ登録処理の流れを説明するフローチャート、図5は、チラシ作成システム1において実行される広告主のデータ登録処理の流れを説明するフローチャート、図6は、チラシ作成の手順を説明するフローチャート、図7は、顧客毎のチラシ情報の選定の手順を説明するフローチャートである。また、図8は、印刷データ出力装置がチラシの印刷データを生成する手順を説明するフローチャートである。
【0047】
(1)顧客情報の登録
本発明のチラシ作成システムによる個別共同チラシの配送を希望する顧客は、図3及び図4に示すように、顧客データが未登録の場合(ステップS1のYes)、顧客端末8は、顧客情報、顧客ID等を顧客データベース4に登録する(ステップS2)。
顧客の基本情報は、チラシの配送に必要な住所、氏名、識別番号(ID)が挙げられ、必要に応じて年齢、性別等、チラシの提供に際し、参照できる情報が付加されてもよい。
また、顧客の希望情報は、顧客が受領するチラシに望む情報であり、例えば、利用意向の高い店舗、購買意向のある商品、購買頻度の高い商品分野等、顧客が任意に登録可能な情報である。
【0048】
(2)広告主情報、チラシ原稿データ及び商品データの登録
図3及び図5に示すように、広告主情報が未登録の場合(ステップS11のYes)、広告主端末(広告主管理者端末)9は、各広告主の名称、所在地、識別番号(ID)、取扱商品ジャンル等の基本情報と、広告主が広告したい営業情報(営業日、特売日等)、商品情報(特売商品、お勧め商品等)をチラシ管理サーバ2に登録する(ステップS12)。
【0049】
広告主端末9は、「チラシ原稿データ」と、要約部(ダイジェスト版)に掲載する「商品データ」をチラシ原稿登録サーバ3に登録する。
入力された「チラシ原稿データ」と「商品データ」から、チラシの配送時期に応じて、印刷会社が指定した期日までに、指定された紙面サイズのチラシの原稿データと、要約部(ダイジェスト版)に掲載する商品データがチラシ原稿登録サーバ3で作成され、広告主IDが付与されて登録される。あるいは、広告主端末(広告主管理者端末)9からDTP印刷可能なDTPデータ(ai、indd、pdf形式等)のチラシの原稿データと、要約部(ダイジェスト版)に掲載する商品データを広告主IDと関連付けて送信して、チラシ原稿登録サーバ3に登録される(ステップS13)。また、要約部(ダイジェスト版)に掲載する「商品データ」は、商品情報(特売商品、お勧め商品等)と結び付けられて登録される。これは、後述する図7のステップS210、S212において、顧客や広告主の意向を要約部(ダイジェスト版)に反映させるためである。
【0050】
(3)チラシ作成処理
図1、図3及び図6を用いて、各顧客情報に適合する個別のチラシの作成処理の手順を説明する。なお、顧客情報と広告主情報を照合する処理(ステップS105)については、さらに図7を用いて説明する。
【0051】
まず、個別共同チラシのDTPデータ作成指示情報が入力される(ステップS101)。ここで、個別共同チラシの作成頁数、印刷用紙の大きさ、チラシの形態(両面印刷1枚、冊子の形態、大型用紙を折り畳む形態等)が指定される。さらに、広告の掲載箇所、複数頁のチラシの場合は表紙、一枚の用紙を折り畳む形態の場合は外側から見える部分と見えなくなる部分といったチラシのレイアウトの基本構成に関する情報が入力される。
【0052】
次に、チラシ編集装置5は、チラシの送付対象となる顧客IDを指定する(ステップS102)。チラシの送付対象となる顧客は、印刷会社の端末を用いて特定の顧客を指定することも可能である。しかし、より多くの個別共同チラシを迅速に作成するためには、チラシ編集装置5の制御部101が、所定の条件に従って、顧客データベース4に格納された顧客情報のリストから順次顧客IDを指定する処理を行うことが望ましい。また、例えば、定期的に輪番で選出する方法や、広告主の希望に応じた企画や、お中元やお歳暮といった特定の需要を想定した企画、マーケティングによる企画等、任意の条件に応じて、送付対象となる顧客をある程度絞り込んだ後、顧客IDを指定する処理を行うことも考えられる。
【0053】
次に、チラシ編集装置5は、顧客IDに対応する顧客の住所及び希望情報を顧客データベース(顧客DB)4から取得する(ステップS103)。顧客の住所の情報は、作成した個別共同チラシを送付する送付状を作成するための情報に用いる他、広告主の絞り込み条件に使用することも可能である。
【0054】
次に、チラシ編集装置5は、チラシ管理サーバ2から、広告主の基本情報、広告データを取得する(ステップS104)。
【0055】
続いて、取得した顧客情報と広告主情報とを照合し、顧客IDごとにチラシ掲載情報を選定する(ステップS105)。
このステップS105について、図7を用いて詳述する。
【0056】
まず、図7に示すように、チラシ編集装置5は、取得した顧客の住所及び希望情報を元に広告主の絞り込み条件として地域を設定する(ステップS201)。
例えば、取得した顧客の住所が関東地方である場合、北海道や九州のような遠隔地の広告主の広告を提供しても、来店を誘導できる可能性が低いと考えられることから、全広告主の店舗の所在地情報から、遠隔地域に属するものを除外する設定を行うことにより、広告主の絞り込みを行う。
ここで、例えば、顧客がこのような遠隔地への旅行を計画しており、顧客の希望情報に、この遠隔地の広告主の情報の提供を希望する旨が登録されている場合は、広告主の絞り込みにおいても、その希望情報を反映させて個別共同チラシを作成すればよい。
【0057】
一方、顧客の希望情報は、顧客が受領するチラシに望む情報であり、例えば、利用意向の高い店舗、利用意向の高い地域、購買意向のある商品、チラシの受け取り優先度の低い広告主や業種等、顧客が任意に登録可能な情報である。具体例として、利用意向の高い店舗の指定は、チラシ作成システムのサービスを利用している広告主のリストから特定の広告主の店舗から選択する場合や、利用意向の高い業種を指定した場合、顧客が頻繁に訪れる地域を指定した場合等が考えられる。
【0058】
なお、従来の新聞折り込みチラシやポスティングによるチラシでは、顧客の住所周辺に店舗を有する広告主のチラシを配布している。しかし、顧客によっては、居住地から離れた地域での買い物を頻繁に行う場合があり、居住地の地理的な距離や、行政的な地域区分と関係の無い地域でもチラシの広告効果が得られる可能性がある。従来、このような遠方地域の商圏へのチラシの配布は、配布地域の判断が難しいうえに、レスポンス率が低下するため行われておらず、顧客が利用した経験のある店舗において、直接顧客登録した場合に、その店舗からチラシが直接配送される程度であった。
しかし、本発明では、顧客自身が希望する広告主を指定できるので、広告主の店舗所在地と顧客の住所との距離に関わらず、希望に該当する広告主の広告をチラシで一括して受領できる。
【0059】
このようにして、顧客住所、希望地域を元に、広告主の店舗所在地の地域を設定したら、次に、チラシ編集装置5は、絞り込み条件に合致する広告主データをチラシ管理サーバ2から取得する処理を行う(ステップS202)。
【0060】
チラシ編集装置5は、顧客の希望情報に受け取り優先度の低い広告主及び受け取り優先度の高い広告主の指定の有無を判断する処理を行う(ステップS203〜ステップS208)。
ここで、広告主データは、顧客の条件に合致する全ての広告主のチラシを作成すると、膨大な量となる場合がある。そこで、本発明は、絞り込み条件に合致する広告主データは、顧客データベース4に記憶された顧客情報に適応する広告主の適応度を算出して、その適応度の高い順に任意の数の広告主を選定することが望ましい。
個別共同チラシとして受領できる広告主を、適応度の高い順に優先順位を付け、優先順位の上位から任意の数の広告主を選定することにより、顧客が関心を持つ可能性の高いチラシから優先的に印刷されるので、顧客が情報を見ないままに捨てられるチラシを減らすことができ、また、提供する個別共同チラシの質を高めることができる。
【0061】
まず、顧客の希望情報に受け取り優先度の低い広告主の指定がある場合(ステップS203のYes)、チラシ編集装置5は、その希望情報を元に、絞り込み後に取得された広告主において、該当する広告主の出力優先順位を下げ、これを記憶する処理を行う(ステップS204)。
【0062】
さらに、チラシ編集装置5は、顧客の希望情報に、利用意向の高い広告主や業種の指定の有無を判断する(ステップS205)。
すなわち、顧客の希望情報に利用意向の高い広告主の指定がある場合(ステップS205のYes)、チラシ編集装置5は、取得された広告主リストにおいて、その希望情報を元に、該当する広告主の出力優先順位を上げ、これを記憶する処理を行う(ステップS206)。
【0063】
さらに、チラシ編集装置5は、顧客の希望情報に、購買意欲の高い商品やそのジャンル等の指定の有無を判断する(ステップS207)。
すなわち、顧客の希望情報に、今後購買計画のある商品の指定がある場合(ステップS207のYes)、チラシ編集装置5は、取得された広告主リストにおいて、その希望情報を元に、該当する商品を扱う広告主の出力優先順位を上げ、これを記憶する処理を行う(ステップS208)。
【0064】
チラシ編集装置5は、ステップS203からステップS208の処理を顧客の希望情報の数に応じて行い、広告主の出力適合度を算出して順位を付け、出力優先順位が上位n件(1位からn位)の広告主を個別共同チラシに掲載する広告主として選定する。
【0065】
次に、チラシ編集装置5は、更に、選定された広告主が取り扱う商品等と、顧客データベース4に記憶された対象顧客の希望情報とを照合する。
例えば、チラシ編集装置5は、顧客IDに関連付けられた希望情報に利用意向の高い店舗の指定がある場合、n件の広告主の基本情報と照合する(ステップS209)。選定された対象広告主が、顧客が指定した利用意向の高い店舗に該当する場合(ステップS209のYes)、チラシ編集装置5は、チラシ管理サーバ2に記憶された広告情報リストに含まれる広告掲載対象商品のうち、広告主が予め広告掲載の優先度が高い商品として指定した商品の広告データを取得する(ステップS210)。
【0066】
また、チラシ編集装置5は、顧客の購買意向の高い商品と広告主の取扱う商品とを照合する(ステップS211)。すなわち、顧客データベース4に記憶されている顧客情報のうち、チラシの送付対象である顧客の希望情報に購買意向の高い商品が含まれ、その購買意向の高い商品が、チラシ管理サーバ2に記憶された対象広告主が取扱う商品に含まれる場合(ステップS211のYes)、チラシ編集装置5は、チラシ管理サーバ2からその商品の広告データを取得する(ステップS212)。以上で、図6に示すステップS105の処理を終える。
【0067】
次に、図6に示すように、チラシ編集装置5は、選定された広告主の広告主IDを顧客IDと関連付けて印刷データ出力装置6に送信して(ステップS106)、チラシ編集装置5の処理を終了する。
【0068】
次に、図1、図3及び図6を用いて、印刷データ出力装置6における印刷データの生成処理について説明する。
まず、印刷データ出力装置6は、チラシ編集装置5から受信した顧客IDに該当する顧客の住所、氏名を顧客データベース4から取得し(ステップS107)、個別共同チラシの送り状の印刷データを作成する(ステップS108)。
【0069】
次に、印刷データ出力装置6は、取得したn件の広告主の広告主IDに基づいて、チラシ原稿登録サーバ3の広告情報リストから、該当する広告主のチラシの原稿データを取得する(ステップS109)。
【0070】
印刷データ出力装置6は、取得した原稿データに基づき、チラシ印刷データを生成する(ステップS110)。すなわち、作成すべき個別共同チラシの紙面サイズや、各広告主に割り当てられる印刷位置や範囲等、所定の印刷条件に従って、DTP処理により、チラシの原稿データをレイアウトしてチラシの印刷データを生成する。図8を用いて印刷データ出力装置6がチラシの印刷データを生成する手順を説明する。
【0071】
個別共同チラシは、同一のチラシが大量に印刷されるチラシと異なり、顧客毎に異なる複数の広告主の広告をまとめて掲載する。そのため、印刷データ出力装置6には、広告の詳細部表示欄、要約表示欄の掲載位置等、個別共同チラシの基本的な編集条件が予め登録される(ステップS301)。
【0072】
次に、印刷データ出力装置6は、選定された各広告主のチラシの原稿データをチラシ原稿登録サーバ3から取得し(ステップS302)、広告主毎に割り当てられる領域に表示されるチラシの詳細部表示欄の位置を決定する(ステップS303)。
印刷データ出力装置6には詳細部表示欄の割り当て処理の所定の条件が登録され、印刷データ出力装置6は、その条件に従って処理する。詳細部表示欄の割り当て方法は、図7のステップS203からステップS208の処理で登録された広告主の出力優先順位に従って配置を決める方法等が考えられる。
【0073】
また、チラシの詳細部表示欄は、各広告主に割り当てられた領域に、広告主の店舗名、所在地、営業時間等の基本的な情報の他、新商品情報、特売情報等、広告主が掲載を希望する情報が表示される。印刷データ出力装置6は、図6に示すステップS101〜ステップS105の処理により、チラシ編集装置5がチラシ管理サーバ2から取得した広告情報を、印刷データ出力装置6が受信し、受信した広告情報に基づき、詳細部表示欄の印刷データを生成する(ステップS304)。
【0074】
次に、各広告主の要約部の掲載位置を決定する(ステップS305)。
ここで、要約部及び要約表示欄について説明する。
要約部は、例えば、各広告主の名称(店舗名)の他、広告主が告知したい事項の概要、特別価格商品の価格や名称、商品画像、各広告がチラシに掲載される場所に関する情報の要部等が掲載され、書籍にある目次や索引としての役割を果たす。そして、要約表示欄とは、各広告主の要約部を一覧可能に一か所にまとめて掲載したものをいう。要約表示欄は、詳細部表示欄に掲載された広告を確認するように顧客を誘導する効果も期待できる。そのため、個別共同チラシが複数頁の場合や、大判の用紙を折り畳む形態の場合、要約表示欄は、表紙のように個別共同チラシの外側となる面などに表示するものとすれば、顧客が個別共同チラシの内容を認識し易くなる。要約部のテンプレートは、予め用意されている。印刷データ出力装置6は、ユーザの条件に合致する広告主の商品データを配置して要約部を作成し、チラシ原稿データを合わせてチラシデータを作成する。
【0075】
図9(a)、(b)に、要約表示欄11の例を示す。
図9(a)に示す要約表示欄11の例は、個別共同チラシが複数頁からなり、詳細部表示欄が広告主毎に異なる場合であり、要約表示欄11には、店舗名(A店、B店、D店)、各店の広告商品名(エアコン、お惣菜)や商品の画像、価格、各店舗の広告の詳細部表示欄の掲載位置(P1、P2、P3)が掲載される。
図9(b)に示す要約表示欄11の例は、広告の詳細部表示欄が一枚の用紙にまとめて掲載される例であり、店舗名(A店、B店、C店、D店)、各店舗の広告の見出し(「おすすめはエアコン」、「生鮮食品大安売り」、「16時以降お惣菜がお得」)や商品の画像、価格、各店舗の広告の詳細部表示欄の掲載位置が掲載される。図9(b)に示す例では、各店舗の広告の詳細部表示欄のレイアウトと同じ位置に各店舗の要約部12を配置して、各店舗の広告の詳細部表示欄の掲載位置を伝える構成としている。
【0076】
印刷データ出力装置6は、詳細部の表示欄の割り当てと同様に、予め登録された所定の条件に従って、要約部12の掲載位置を決定する処理を行う(ステップS306)。要約部12の掲載位置の条件は、図9(b)に示すように、その詳細部表示欄の掲載位置に従う方法の他に、各広告主の出力優先順位、顧客の希望情報に従う方法等が考えられる。
【0077】
次に、印刷データ出力装置6は、各要約部12の掲載情報を選定する(ステップS307)。ここで、印刷データ出力装置6は、図7に示したステップS209からステップS212に示す処理でチラシ編集装置5が得た商品のデータを取得し、これを参照する。
すなわち、要約部12は、顧客が詳細部を確認するための糸口となる情報を提供する効果がある。そのため、広告主が顧客に特に告知したい内容として、要約部12に掲載する優先度の高い商品等の情報を、広告主端末9から予めチラシ原稿登録サーバ3に登録しておく。そして、印刷データ出力装置6は、チラシ原稿登録サーバ3に要約部に掲載する優先度の高い商品等の情報があれば、その内容を優先的に要約部12に表示する処理を行う。
さらに、印刷データ出力装置6は、図7に示したステップS211の結果、顧客データベース4の対象顧客の希望情報に購買意欲のある商品と合致する商品を取り扱う広告主の広告主ID及び商品データがあれば、広告主が指定した出力優先度の高い商品に替えて、購買意欲のある商品に関する情報を要約部12に表示する情報として選定する。
【0078】
さらに、要約部12には、詳細部表示欄の掲載位置情報を掲載することができる。個別共同チラシは、上述の手順に従って選定されたn件の広告主の広告がまとまって掲載されたものであるため、チラシ毎に、広告主及び広告の詳細部表示欄は異なる。そこで、印刷データ出力装置6は、広告主及び広告の詳細部表示欄の掲載位置を決定した後、チラシの詳細部の印刷位置を抽出する印刷位置取得手段を備え、抽出したチラシの詳細部の印刷位置情報を要約部12の掲載事項に加える処理を行う。
【0079】
続いて、印刷データ出力装置6は、抽出された要約部12の情報に基づき、各広告主のチラシの印刷データを生成する処理を行う(ステップS307)。
【0080】
上述の処理により、印刷データ出力装置6は、詳細部表示欄及び要約部12を含むチラシ印刷データ及び送り状印刷データを併合して印刷データとする(ステップS308)。以上がチラシ印刷データを生成する処理(ステップS110)の詳細である。
【0081】
続いて、印刷データ出力装置6は、印刷データを印刷機7に出力して(ステップS111)、処理を終了する。
印刷データ出力装置6から送信された印刷データを受信した印刷機7は、オンデマンド印刷により、個別共同チラシと、送付先の顧客の住所、氏名等を含む送り状を印刷する。そして、個別共同チラシは、印刷会社により顧客宛てに発送される。
印刷会社は、発送した個別共同チラシに使われた印刷データの回数や印刷スペース等の情報を広告主毎に集計して、広告主に印刷料金、宅配料金を請求する。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態のチラシ作成システム1によれば、顧客毎の希望に適合した顧客の関心の高いチラシのみを印刷して配送するので、宅配チラシの損失を抑え、レスポンス率の上昇が期待でき、広告費用に対する効率の良いサービスを提供することができる。
また、顧客毎に内容が異なる個別共同チラシの作成は、編集者の編集作業により行うと多大な労力が必要であるため、従来、実用化は困難であった。しかし、本発明では、広告主と顧客との適合性の判断、広告の掲載事項、要約表示欄の掲載内容の選定等の処理を広告作成システムにより迅速に処理することができ、顧客と広告主の希望に細やかに対応可能であり、顧客への訴求力が高い個別共同チラシを提供するサービスの実用化を図ることができる。
【0083】
なお、上述の実施形態に記載されるものは本発明の一適用例であり、これに限定されない。その他、当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0084】
1・・・チラシ作成システム
2・・・チラシ管理サーバ
3・・・チラシ原稿登録サーバ
4・・・顧客データベース
5・・・チラシ編集装置
6・・・印刷データ出力装置
7・・・印刷機
8・・・顧客端末(顧客管理者端末)
9・・・広告主端末(広告主管理者端末)
10a,10b・・・ネットワーク
11・・・要約表示欄
12・・・要約部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の広告主のチラシを顧客毎に選別して作成して配布するチラシ作成システムであって、
広告主の基本情報及び広告情報を入力し、チラシの原稿作成の際に必要な情報を出力するチラシ管理サーバと、
前記チラシ管理サーバから取得された各広告主の情報に基づいてチラシの要約部の商品データ及び詳細部の原稿データを登録するチラシ原稿登録サーバと、
各顧客の基本情報及びチラシの希望情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された情報に基づき、前記チラシ管理サーバに登録されている複数の広告主の中から適当な広告主を選定するチラシ選定手段と、
前記選定結果に該当する広告主のチラシの原稿データを前記チラシ原稿登録サーバから取得し、選定された広告主の前記商品データ及び前記原稿データに基づき、チラシの詳細部表示欄の他に、各広告主のチラシの要約部を一覧可能に表示する要約表示欄を含む個別共同チラシの印刷データを作成して印刷機に送信する印刷データ生成手段と、
を備えることを特徴とするチラシ作成システム。
【請求項2】
前記チラシ選定手段は、前記記憶手段に記憶された情報に適応する広告主の適応度を算出して、その適応度の高い順に任意の数の広告主を選定することを特徴とする請求項1に記載のチラシ作成システム。
【請求項3】
前記印刷データ生成手段は、前記記憶手段に記憶されたチラシの希望情報に基づいて、要約部に掲載する商品を選定して印刷データを作成する要約表示選定手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチラシ作成システム。
【請求項4】
前記印刷データ生成手段は、チラシの詳細部の印刷位置を抽出する印刷位置取得手段を備え、
前記印刷データは、抽出したチラシの詳細部の印刷位置情報を前記要約部の掲載事項として含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のチラシ作成システム。
【請求項5】
複数の広告主のチラシを顧客毎に選別して作成して配布するチラシ作成方法であって、
チラシ管理サーバが、広告主の基本情報及び広告情報を入力し、チラシの原稿作成の際に必要な情報を出力するステップと、
チラシ原稿登録サーバが、前記チラシ管理サーバから取得された各広告主の情報に基づいてチラシの要約部の商品データ及び詳細部の原稿データを登録するステップと、
記憶手段が、各顧客の基本情報及びチラシの希望情報を記憶するステップと、
チラシ選定手段が、前記記憶手段に記憶された情報に基づき、前記チラシ管理サーバに登録されている複数の広告主の中から適当な広告主を選定するステップと、
印刷データ生成手段が、前記選定結果に該当する広告主のチラシの原稿データを前記チラシ原稿登録サーバから取得し、選定された広告主の前記商品データ及び前記原稿データに基づき、チラシの詳細部の表示欄の他に、各広告主のチラシの要約部を一覧可能に表示する要約表示欄を含む個別共同チラシの印刷データを作成して印刷機に送信するステップと、
を備えることを特徴とするチラシ作成方法。
【請求項6】
請求項1に記載のチラシ作成システムにおいて実行され、コンピュータにより読み取り可能な形式で記述されたプログラムであって、
各コンピュータを、前記チラシ管理サーバ、前記チラシ原稿登録サーバ、前記記憶手段、前記チラシ選定手段、及び前記印刷データ生成手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−114448(P2013−114448A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260029(P2011−260029)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)