説明

テ−プ残量表示機能を有するカメラ一体型画像記録装置

【目的】テ−プ残量表示を図案化して電子ビュ−ファインダ内に表示し、撮影者が一見してその表示が何の表示を表わすかを認識することができ、撮影の際の操作性の向上を図ることができるテ−プ残量表示機能を有するカメラ一体型画像記録装置を提供すること。
【構成】被写体をモニタ表示するEVFユニット211と、テ−プ残量を図案化してEVF内に表示させる処理を行うシステムコントロ−ル回路13とを具備して構成される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラ一体型画像記録装置に設けられた電子ビュ−ファインダ内にテ−プ残量を表示する装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来、被写体を確認するための電子ビュ−ファインダ内には、現在のモ−ド表示の他、テ−プ残量、現在時刻表示等がなされ、撮影者の便宜に供されていた。中でも、テ−プ残量表示は図4に示すように数字等の文字にてなされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、テ−プ残量の数字による表示は時計等の時刻表示と紛らわしく、撮影者が表示内容を誤って認識してしまう虞があった。本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、テ−プ残量表示を図案化して電子ビュ−ファインダ内に表示し、撮影者が一見してその表示が何の表示を表わすかを認識することができ、撮影の際の操作性の向上を図ることができるテ−プ残量表示機能を有するカメラ一体型画像記録装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明のテ−プ残量表示機能を有するカメラ一体型画像記録装置は、被写体をモニタ表示する電子ビュ−ファインダと、テ−プ残量を図案化して電子ビュ−ファインダ内に表示させる処理を行う情報処理手段とを具備して構成されている。
【0005】
【作用】本発明のテ−プ残量表示機能を有するカメラ一体型画像記録装置によれば、情報処理手段により処理されて図案化されたテ−プ残量情報が電子ビュ−ファインダ内に表示される。
【0006】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係るテ−プ残量表示機能を有するカメラ一体型画像記録装置の一実施例を示す構成ブロック図である。記録時には、入力端子6から入力されたビデオ信号は、ビデオ信号入力回路5と記録信号処理回路4等の周知回路で所定の処理が施され、スイッチ3の端子3aと磁気ヘッド2を介して磁気テ−プ1に記録される。
【0007】再生時には、磁気ヘッド2を介して磁気テ−プ1から読み出された再生信号が、スイッチ3の端子3bを通って再生信号処理回路7と再生信号検波回路11に送出される。再生信号処理回路7で所定の再生処理を施された再生信号は、混合回路8において文字信号発生回路12から発生された文字信号と混合され、ビデオ信号出力回路9を介して出力端子10に出力ビデオ信号として送出される。
【0008】再生信号検波回路11は、上記映像信号の記録部と未記録部を判別するための信号を出力するもので検波信号をシステムコントロ−ル回路13に送出する。操作部18は、再生、早送り、巻戻し等の各種動作を操作により指示するもので、操作信号をシステムコントロ−ル回路13に送出する。システムコントロ−ル回路13には、バッテリ−22からの電源が電源電圧インタフェ−ス回路21を介して供給され、また内部時計動作用のバックアップ電源20が供給されるとともに、バ−コ−ド入力インタフェ−ス回路19からの各種指示デ−タが供給されている。
【0009】システムコントロ−ル回路13は、検出されたFG信号に基づいてキャプスタンモ−タ駆動回路14を介してキャプスタンモ−タ15を駆動し、同様に、FG、PG信号に基づいてシリンダモ−タ駆動回路16を介してシリンダモ−タ17を駆動する。リモコン受信部23は、リモコンからの各種指示を示す信号を含む赤外線等を受信して、電気信号に変換してシステムコントロ−ル回路13に送出する。
【0010】バ−コ−ド入力インタフェ−ス回路19は、設定すべきモ−ド等の命令に対応するバ−コ−ド情報を入力し、システムコントロ−ル回路13に送出する。図2は、本発明の実施例に係るシステムコントロ−ル回路(CPU)の基本動作処理手順を示すフロ−チャ−トである。同図(A)において、リセットスタ−ト後、初期設定処理が行われて(ステップS1)、メイン処理がスタ−トする。先ず、OSD(オンスクリ−ンディスプレイ)表示処理サブル−チンが呼び出され(ステップS2)、続いて時計処理(ステップS3)、操作キ−入力装置(ステップS4)、リモコン入力処理(ステップS5)、バ−コ−ド入力処理(ステップS6)、モ−ド変更処理(ステップS7)の各サブル−チンが順次呼び出された後、メインプログラムの終了を待って(ステップS8)、ステップ2の処理に戻る。
【0011】リモコン割り込み処理は、同図(B)に示すように、リモコンバッファデ−タ設定サブル−チンを呼び出して(ステップS9)、処理を終了する。図3には、本発明の実施例に係るカメラの外観例が示されている。カメラ本体201には、EVFユニット211、バ−コ−ドリ−ダコネクタ212、バ−コ−ド部材220を収納する収納部213、レンズ部214、マイク部15、リモコン受光部216、TELE/WIDEスイッチ217等が装備されている。リモコン装置30は、各種操作キ−31と、リモコン光送出部32を備える。また、バ−コ−ドリ−ダ40には、バ−コ−ド読み取りのための光を送出したり、バ−コ−ド部からの反射光を受光する窓部41と、読み取りを指示するための読み取りスイッチ42と、読み取りが完了したとき点灯する確定ランプ43が装着されている。
【0012】バ−コ−ド部材220は、図示の如く、例えば、プラスチック部材から成るバ−コ−ド部220Aと説明文が記載されている説明部220Bから成り、両部はその境界で折り曲がり自在の構成であり、例えば、説明図220B上に時計(時刻)設定モ−ドが表示されているときには、バ−コ−ド部220Aには時刻設定モ−ドに対応するバ−コ−ド表示がされるように構成されている。つまり、バ−コ−ド部材220は、取り扱い説明書とバ−コ−ドが一体化されているものである。バ−コ−ド部材220は、可撓性を持つので段差分221、222を収納部213に押し込むことよって堅固に収納される。
【0013】図4には電子ビュ−ファインダ(以下「EVF」という)モニタ画面表示例が示されている。画面上にはモニタ画の他に、ホワイトバランスロック(WB LOCK)、シャッタ−速度(高速シャッタ−1/1000)、感度UP(GAIN UP)、外部入力のライン入力(LINE IN)、録画や再生動作(一時停止)、テ−プ残量(残10分)、カウンタ表示(1:23:45)、各種警告(TAPE、BATT、DEW)、時刻(AM10:20)、日付(1993.7.10)の各表示が行われる。
【0014】図5は、本発明の実施例に係るEVF(モニタ)上の表示例であり、図4における数字等の文字表示に代えてテ−プ残量やモ−ド表示をキャラクタ表示、即ち図案化して表示する例を示す図である。同図(A)に示すように、テ−プ残量及び走行方向が画面上の右端部にキャラクタ表示される。このキャラクタ表示においては、テ−プ走行開始時は同図(B)のB1、B2及びB3に示すように、テ−プ残量とテ−プ走行方向をフィ−ルド毎に順次表示し、テ−プ走行が続行し、中間位置にあるときには同図(C)のC1、C2及びC3のようにフィ−ルド毎に順次表示し、テ−プ残量が殆どなくなる状態では、同図(D)のD1、D2及びD3のようにフィ−ルド毎に順次表示し、テ−プ残量がなくなるEND時には(D)の表示が点滅表示される。従って、このような表示方法によって、あたかもテ−プリ−ルが回転しているかのように表示可能となる。ENDの検出はテ−プ終端部の透明部を光学的に検出することにより行うことができ、またテ−プリ−ルの回転状態は、FGパルスやリ−ルモ−タの回転情報に基づいて判定できる。上記表示は、各モ−ドの表示変化を録音(REC)/再生(PLAY)時は、順次2フィ−ルド毎に出画し、早送り(FF)/巻戻し(REW)時は順次1フィ−ルド毎に出画する。
【0015】図6には前述処理のステップS2におけるOSD表示処理の手順が示されている。この処理は、情報処理手段であるシステムコントロ−ル回路13により行われる。先ず、カセットテ−プ検出処理を実行し(ステップS201)、カセット有無を判定し(ステップS202)、有りであればカセット状態を検出し(ステップS203)、無しであれば空白を出画した後(ステップS204)、メインル−チンに戻る。ステップS203のおいてカセット状態を検出した後、図5の各テ−プ表示に対応した出画カウンタ(#1H、#2H、#3H)をインクリメント、フィ−ルドのカウンタをインクリメントし(ステップS205)、モ−ドがPLAYやRECであるかどうかを判定する(ステップS206)。ここで、PLAYやRECであればカウンタが2フィ−ルドか否かを判定する(ステップS207)。NOであればメインル−チンに戻り、YESであれば出画カウンタの数値を判定する(ステップS208)。ステップS206において、PLAYやRECモ−ドでなければFFやREWモ−ドであるか否かを判定し(ステップS209)、YESであればカウンタをリセットして(ステップS210)、ステップS208の処理に移行し、FFやREWモ−ドでなければ空白を出画して(ステップS211)、メインル−チンに戻る。
【0016】ステップS208において、出画カウンタの数値が#1Hのとき、カセット状態を判定し(ステップS212)、テ−プ走行の初め位置で図5のB1を出画し(ステップS213)、途中ではC1を出画し(ステップS214)、終了近くではD1を出画し(ステップS215)、終点位置ではD1の表示を点滅表示せしめる(ステップS216)。また、ステップS208において、出画カウンタの値が#2Hのときは、カセット状態を判定し(ステップS218)、初め位置で図13のB2を出画し(ステップS219)、途中ではC2を出画し(ステップS220)、終了近くではD2を出画し(ステップS221)、終点位置ではD2を点滅表示する(ステップS222)。更に、ステップS208において、出画カウンタの値が#3Hのときは、同時にカセット状態を判定し(ステップS223)、テ−プの初め位置で図13のB3を出画し(ステップS224)、途中ではC3を出画し(ステップS225)、終了近くではD3を出画し(ステップS226)、終点位置ではB3の点滅表示を行う(ステップS227)。また、ステップS208において、出画カウンタの数値が#1、#2、#3でないときは、出画カウンタをリセットし(ステップS228)、カウンタをリセットして(ステップS229)、メインル−チンに戻る。
【0017】上記キャラクタ表示をビットイメ−ジパタ−ンとして示した例が図7である。図7に示すような表示パタ−ンをビットイメ−ジパタ−ンとして、例えば図1の文字信号発生回路12のRAMエリアに初期設定時にマイコン(システムコントロ−ル回路13)からの信号により書き込んだり、マスクROMパタ−ンをキャラクタジェネレ−タ素子上に書き込む際にあるキャラクタを上記の如く所望のパタ−ンにしておく。
【0018】以上のように、本実施例に係るテ−プ残量表示機能を有するカメラ一体型画像記録装置においては、テ−プ残量及びテ−プ走行モ−ドが図案化して表示されるので、撮影者は一見してそれがテ−プ走行に関する表示であると認識できる。また、テ−プ残量表示とテ−プ走行モ−ド表示を兼用しているので、それぞれ表示する場合に比べてEVF内での表示スペ−スが小さくなり、撮影の際に被写体確認の妨げとなることもない。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、EVF内にテ−プ残量を図案化して表示するようにしたので、撮影者が一見してその情報を認識でき、撮影の際の操作性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るテ−プ残量表示機能を有するカメラ一体型画像記録装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係るテ−プ残量表示機能を有するカメラ一体型画像記録装置におけるシステムコントロ−ル回路の処理手順を示すフロ−チャ−トである。
【図3】本発明の実施例に係るテ−プ残量表示機能を有するカメラ一体型画像記録装置の斜視図である。
【図4】本発明の実施例に係るテ−プ残量表示機能を有するカメラ一体型画像記録装置におけるEVFの画面表示例を示す図である。
【図5】本発明の実施例に係るテ−プ残量モ−ド表示をキャラクタ表示する例を説明する図である。
【図6】本発明の実施例に係る表示処理手順を示すフロ−チャ−トである。
【図7】図5に示す例におけるキャラクタ表示を実現するためのビットイメ−ジパタ−ンを示す図である。
【符号の説明】
12 文字信号発生回路
13 システムコントロ−ル回路
201 カメラ本体
211 EVFユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】被写体をモニタ表示する電子ビュ−ファインダと、テ−プ残量を図案化して電子ビュ−ファインダ内に表示させる処理を行う情報処理手段と、を具備したことを特徴とするテ−プ残量表示機能を有するカメラ一体型画像記録装置。

【図3】
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【図5】
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【図1】
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【図4】
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【図7】
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【図2】
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【図6】
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【公開番号】特開平7−131686
【公開日】平成7年(1995)5月19日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−94257
【分割の表示】特願平5−39500の分割
【出願日】平成5年(1993)2月3日
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)