説明

テレビ装置

【課題】テレビ装置1には所定時間操作しない場合に自動的に電源がオフになる、オートオフ機能が備えられている場合がある。このオートオフ機能が作動して電源がオフになると、使用者はテレビ装置1が故障して電源がオフになったのか、オートオフ機能が作動して電源がオフになったのかを直ちに判別できない。
【解決手段】オートオフ機能が作動してテレビ装置1の電源がオフになった場合には、原電がオフになった後も表示し続けることのできる副表示部3に、オートオフ機能によって電源がオフになった旨のメッセージを表示させることによって、使用者に対してオートオフが作動したことを知らせるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートオフ機能を備えたテレビ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のテレビ装置は、電源スイッチをオンにした時点、もしくは最後に操作を行った時点からカウントするタイマを備えており、このタイマがタイムアップするとテレビ画面を消し、あるいは電源をオフにするオートオフ機能を備えている。
【0003】
このオートオフ機能が作動してテレビ画面が消え、あるいは電源がオフになると、オートオフ機能が作動して、テレビ画面が消えたり、あるいは電源がオフになったのか、誤動作や故障によるものかが判別しづらい。そのため、使用者はその都度オートオフ機能によるものか、誤動作や故障によるものかを確認する必要が生じる。
【0004】
なお、このようなオートオフ機能については取扱説明書などで説明されているのが一般的ではあるが、使用者がその機能の存在を忘れたり、あるいは読み飛ばして機能の存在を知らない場合がある。このような場合には製造者や販売者に不要な問い合わせなどをする場合も生じる。
【0005】
このような不具合を解消するため、オートオフ機能が作動して電源がオフになった場合、次に電源スイッチをオンすると、前回の電源オフがオートオフ機能によるものであるメッセージを、電源の再投入後の最初にテレビ画面に表示させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−122554号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記公報記載の従来のテレビ装置では、オートオフ機能によって電源がオフになったことをテレビ画面に表示されるメッセージによって知ることはできるが、そのメッセージは次に電源をオンするまで表示されない。そのため、オートオフ機能が作動した後、次に電源をオンにするまでは、依然としてオートオフ機能による電源オフなのか、故障による電源オフなのかを知ることができない。
【0007】
また、例えばホテルに設置されているテレビ装置のように、使用者が不特定の複数人いる場合には、先の使用者がオートオフ機能をセットし作動させていれば、他の使用者が次にテレビ装置を使用するときに、先の使用者の存在を想起させるメッセージが最初に表示されることにより不快に感じる場合が少なからずある。
【0008】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、オートオフ機能が作動した場合には、その直後からその旨を知ることのできるテレビ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明によるテレビ装置は、テレビ画面を表示する主表示部を有し、かつ電源が投入されている状態の所定時点から所定時間経過後に少なくとも主表示部の作動を停止させるオートオフ機能を備えたテレビ装置において、上記主表示部とは別に副表示部を設け、オートオフ機能が作動した場合に、オートオフ機能が作動した旨を副表示部に表示させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
オートオフ機能が作動して主表示部に何も表示されない状態になっても、副表示部にオートオフ機能が作動した旨が表示されるので、使用者は故障ではなくオートオフ機能が作動したことを直ちに知ることができる。
【0011】
なお、上記副表示部は、表示状態を維持するための消費電力が主表示部の消費電力より小さいか、もしくはまったく電力を消費しないもので構成されていることが望ましい。
【0012】
ところで、テレビ装置は居間に設置されている場合が多いが、台所に設置され、調理中に主表示部に表示されるテレビ画像を鑑賞することができる、いわゆるキッチンテレビと呼ばれるものがある。このキッチンテレビは調理作業中に作動するので、調理完成後や他の用事で台所を離れた場合など、特にオートオフ機能を設けることが望まれる。そのため、本発明をこのキッチンテレビに適用することはきわめて有用である。
【発明の効果】
【0013】
以上の説明から明らかなように、本発明は、オートオフ機能を備えたテレビ装置が、オートオフ機能の作動によって、テレビ画面が消えたり、あるいは電源がオフになった場合に、オートオフ機能が作動したことが原因であることを副表示部によって知ることができる。そのため、使用者は安心してテレビ装置を使用し続けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1を参照して、1は本発明によるテレビ装置であり、正面にテレビ画像を表示するための主表示部2を備えている。この主表示部2は液晶式のものであり、図示しないが後方にバックライトを備えている。このバックライトは冷陰極放電管を用いており、テレビ装置全体の消費電力は数十ワットから大型のもので百数十ワットである。
【0015】
テレビ装置の操作は図示しないリモコンによって行われる。リモコンからは信号が重畳された赤外線が照射される。その赤外線は受光部5で受光され、テレビ装置1の操作がリモコンによって行われる。なお、本実施の形態ではリモコンにより操作を行うが、本体に操作ボタンを設けて操作をしてもよい。
【0016】
テレビの電源が入っている状態は、その他のテレビ装置1の作動状態を表示するため複数のランプ4がテレビ装置1の正面に設けられている。これらランプ4は発光ダイオード(LED)が用いられており、消費電力はきわめて小さい。また、主表示部2の左右両側にはスピーカ11が設けられている。
【0017】
3は副表示部であり、本実施の形態では電子粉粒体式のものを用いた。この電子粉粒体式の表示ユニットは文字や図形を自由に表示させることができ、かつ、表示内容を更新する際に電力を必要とするが、一旦表示させた内容を保持するための電力を必要としない。したがって、副表示部3に文字や図形を表示させた状態でテレビ装置1の電源をオフにしても副表示部3の表示は消えることがなく、そのまま表示された状態を保持する。
【0018】
このテレビ装置1にはオートオフ用のタイマが内蔵されており、本体またはリモコンで設定した時間が経過した時点でテレビ装置1の電源をオフにすることができる。また、このような時間設定がされなくても一定時間操作がされないと、操作ボタンが多くなる煩わしさや省エネの見地から、自動的に主表示部2の表示または電源をオフにする機能が備えられている。
【0019】
図2を参照して、最初に電源がオンされると副表示部3の表示をクリアした後タイマをスタートさせるようにした(S1,S2,S3)。そして一定時間が経過してタイムアップするまでに操作がされないと(S4,S5)、電源を自動的にオフにするようにした(S7)。
【0020】
但し、電源をオフにする前に副表示部3に、オートオフ機能によって電源が自動的にオフになったことを示すメッセージを表示させるようにした(S6)。副表示部3は上述のように、電源がオフになった後も、電力を消費することなくその表示を保持することができるので、使用者は故障によって電源がオフになったのではなく、オートオフ機能が正常に機能して電源がオフになったことを知ることができる。
【0021】
なお、上記実施の形態では副表示部3を用いて上記メッセージを表示させたが、例えばランプ4のいずれかを、オートオフ機能によって電源がオフになった後に点滅させてもよい。この場合、ランプ4のいずれかを点滅するためにテレビ装置1の電源を完全にオフにせず、ランプ4を点滅させるための電力を消費させなければいけないが、ランプ4は上記のようにLEDで構成されているので消費される電力はごくわずかであり、省エネの観点から問題はない。
【0022】
ところで、上記実施の形態ではテレビ装置1は居間に設置される形態で説明したが、本発明は台所に設置される、いわゆるキッチンテレビに適用してもよい。キッチンテレビの場合にはテレビを見ながら調理等の他の作動をする場合が多く、テレビ装置の電源をオンにしたことを忘れて台所を退出する場合もあり、オートオフ機能は特に有用である。そして、台所に戻ったときにキッチンテレビに、オートオフ機能が作動したことを告げるメッセージが表示されていれば、キッチンテレビが故障したのではないことを直ちに知ることができる。
【0023】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
【図2】オートオフ時の流れを示すフロー図
【符号の説明】
【0025】
1 テレビ装置
2 主表示部
3 副表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ画面を表示する主表示部を有し、かつ電源が投入されている状態の所定時点から所定時間経過後に少なくとも主表示部の作動を停止させるオートオフ機能を備えたテレビ装置において、上記主表示部とは別に副表示部を設け、オートオフ機能が作動した場合に、オートオフ機能が作動した旨を副表示部に表示させるようにしたことを特徴とするテレビ装置。
【請求項2】
上記副表示部は、表示状態を維持するための消費電力が主表示部の消費電力より小さいか、もしくはまったく電力を消費しないもので構成されていることを特徴とする請求項1に記載のテレビ装置。
【請求項3】
上記テレビ装置は台所に設置され、調理中に主表示部に表示されるテレビ画像を鑑賞することができるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテレビ装置。

【図1】
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【図2】
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