説明

テーブル取外用治具

【課題】立設型のテーブルの周囲の部材・ユニット等を装置から分離せずに、そのテーブルの着脱を行うことができ、これにより時間ロスを大幅に減少させることができるテーブル取外用治具を提供する。
【解決手段】テーブル取外用治具100は、装置本体におけるテーブルの外部に取り付けられる治具本体110を備え、治具本体110には、水平方向に延在する一対の着脱バー131および一対の機外引出バー141が設けられている。着脱バー131は、テーブルの取外時にテーブルの前面に取り付けられ、テーブルを所定位置まで水平方向に移動させるために用いられる。機外引出バー141は、所定位置からテーブルを水平方向に移動させるために用いられる。着脱バー131をテーブルの上側と下側に配置し、機外引出バー141をテーブルの上側に配置することが好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械においてワークが固定されるテーブルを取り外すためのテーブル取外用治具に係り、特に立設型のテーブルの取り外しに好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械は、ワークを加工する加工装置と、ワークが固定されるテーブルを有するワーク固定装置を備えている。ワーク固定装置では、その装置のメンテナンス等をするために、テーブルを取り外す必要がある。
【0003】
たとえば特許文献1は、ワーク固定装置であるテーブルユニットが加工装置と一体化された工作機械を開示している。その工作機械は、水平方向から所定角度傾斜するとともに旋回可能に配置された旋回テーブルを有するテーブルユニットを備え、そのようなテーブルユニットを水平方向に引き出すことにより工作機械から取り外すことを可能とする治具が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−160584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように旋回テーブルを有する工作機械では、テーブルユニットが水平方向に取り外される。しかしながら、たとえば複雑な構造を有する工作機械において、特に立設型のテーブル取り外すことは容易ではない。これについて、図6に示す立設型のテーブルを有する工作機械の具体例を用いて説明する。図6は、工作機械のワーク固定装置の概略構成を表し、(A)はワーク固定装置の前面図、(B)はワーク固定装置におけるテーブルを含む部分の側断面図である。
【0006】
ワーク固定装置10は、基台11を備え、基台11上に装置本体12が固定されている。装置本体12は、底部12Aおよび一対の柱部12Bを有してコ字状をなしている。装置本体12のコ字状の開口部上方には、天板13が設けられている。装置本体12と天板13により形成される空間内には、テーブル21が配置されている。
【0007】
テーブル21の前面にワークWが取り付けられ、テーブル21の後面の中央部には、テーブル21を垂直方向に移動させるシフトシリンダ22が設けられ、テーブル21の後面の上下端部には、テーブル21を垂直方向に案内するリニアガイド23が設けられている。天板13上には、垂直方向に延在する軸線回りにテーブル21を回転させるためのドライブユニット24が設けられている。このようなワーク固定装置10には、ワークWを加工する加工装置(図示略)が対向して配置される。
【0008】
ワーク固定装置10では、重要な構成部品であるシフトシリンダ22およびリニアガイド23のメンテナンスを行うために、テーブル21を取り外す必要がある。しかしながら、テーブル21は、装置本体12と天板13により形成される空間内で各部位に囲まれ、しかも、天板13上にドライブユニット24が設けられているため、テーブル21をクレーン等を用いて上方へ引き出すことが困難である。そのため、従来では、テーブル21の上方に配置されている部材・ユニット等を取り外した後、装置本体12を床面に降ろし、そこで装置本体12を倒した状態でテーブル21の着脱を行っていた。
【0009】
このようにテーブル21の取り外しにはテーブルの周囲の部材・ユニット等を装置から分離する必要があり、テーブル21の取り付けにはテーブルの周囲の部材・ユニット等を装置に組み付ける必要があるため、テーブル21の着脱に大きな時間ロスが生じる。また、テーブル21をワーク固定装置10に取り付けて元の状態に戻した後、テーブル周囲の部材・ユニット等について精度の確認が必要となるため、大きな時間ロスが生じる。
【0010】
したがって、本発明は、立設型のテーブルの周囲の部材・ユニット等を装置から分離せずに、そのテーブルの着脱を行うことができ、これにより時間ロスを大幅に減少させることができるテーブル取外用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のテーブル取外用治具は、工作機械における装置本体からテーブルを取り外すための治具であって、装置本体におけるテーブルの外部に取り付けられる治具本体と、治具本体に設けられて水平方向に延在する一対の第1バーおよび一対の第2バーとを備え、第1バーは、テーブルの取外時にテーブルの一面に取り付けられ、テーブルを所定位置まで水平方向に移動させるために用いられ、第2バーは、所定位置から水平方向にテーブルを移動させるために用いられることを特徴とする。
【0012】
本発明のテーブル取外用治具では、装置本体におけるテーブルの外部に治具本体を取り付け、水平方向に延在する一対の第1バーを、テーブルの取外時にテーブルの一面に取り付け、そのような第1バーを用いることにより、テーブルを水平方向に沿って所定位置まで移動させることができる。次いで、水平方向に延在する第2バーを用いることにより、その所定位置からテーブルを移動させることができる。このように第1バーおよび第2バーを用いてテーブルを水平方向に移動させることができるから、テーブルを装置本体から容易に取り外すことができる。この場合、テーブルの周囲の部材・ユニット等の装置本体からの分離が不要であるから、時間ロスを大幅に減少させることができる。
【0013】
また、たとえばテーブルを所定位置まで移動させて装置本体から離間させた状態で装置本体のメンテナンスを行うことができる。さらに、テーブルを装置本体の外部に移動させた場合、そこでクレーンを使用することができる。また、第1バーおよび第2バーを用いてテーブルの取外時と逆の操作を行うことにより、テーブルを装置本体に取り付けて元の状態に戻すことができる。この場合、テーブルの取外時にテーブル周囲の部材・ユニット等を装置本体から分離していないから、部材・ユニット等の装置本体への組み付けが不要となり、しかも、それらについての精度の確認が不要となるから、時間ロスを大幅に減少させることができる。
【0014】
また、テーブル取外用治具の構成部品を軽量とすることにより、テーブル取外用治具の装置本体への取り付けは、クレーン等を使用せずに行うことができる。以上のような本発明のテーブル取外用治具を用いた着脱手法は、テーブルを水平方向に移動させることにより着脱を行うことができるから、特に立設型のテーブルに有効である。
【0015】
本発明のテーブル取外用治具は種々の構成を用いることができる。たとえば治具本体は、柱部と柱部の両端部に固定された上側梁部および下側梁部とを有してコ字状をなし、第1バーは、上側梁部および下側梁部のそれぞれに配置され、第2バーは、上側梁部に並んで配置されている態様を用いることができる。
【0016】
この態様では、第1バーをテーブルの上側と下側に配置することができるとともに、第2バーをテーブルの上側で水平方向に配置することができる。これにより、第1バーを用いてテーブルの上側および下側を確実に支持することができるので、所定位置までのテーブルの引き出しを容易に行うことができる。また、所定位置からのテーブルの移動では、水平方向に配置された第2バーを用いてテーブルの上側を支持することができるので、テーブルの水平方向移動を安定的に行うことができる。
【0017】
また、上側梁部には、上側バー設置部が設けられ、下側梁部には、下側バー設置部が設けられ、第1バーは、上側バー設置部および下側バー設置部の第1バー用孔部内に摺動可能に設けられる態様を用いることができる。上側バー設置部は、上側梁部に着脱自在に設けられ、第2バーは、上側バー設置部の第2バー用孔部内を貫通して設けられ、第2バーによるテーブルの移動時、デーブルは上側バー設置部に固定され、上側バー設置部は第2バーに案内される態様を用いることができる
【発明の効果】
【0018】
本発明のテーブル取外用治具によれば、立設型のテーブルの周囲のユニットを装置から分離せずに、そのテーブルの着脱を行うことができ、これにより時間のロスを大幅に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係るテーブル取外用治具が適用される工作機械のワーク固定装置の概略構成を表す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るテーブル取外用治具の概略構成を表す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るテーブル取外用治具を用いたテーブルの取外作業を説明するための図であって、テーブル取外用治具によるテーブルの取外開始状態の斜視図である。
【図4】図3に続くテーブルの取外作業状態を表し、テーブル取外用治具の着脱バーによるテーブルの引出状態を表す斜視図である。
【図5】図4に続くテーブルの取外作業状態を表し、テーブル取外用治具の機外引出バーによるテーブルの機外引出状態を表す斜視図である。
【図6】工作機械のワーク固定装置の概略構成を表し、(A)はワーク固定装置の前面図、(B)はワーク固定装置におけるテーブルを含む部分の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(1)実施形態の構成
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るテーブル取外用治具が適用されるワーク固定装置の概略構成を表す図である。図2は、本発明の一実施形態に係るテーブル取外用治具の構成を表す斜視図である。図1では、テーブル取外用治具100は、着脱バー131およびバー用ガイド131Aが取り外された状態である。ワーク固定装置10は、たとえば図6に示すものと同様な構成を有している。本実施形態での方向の表記は、図1に示すワーク固定装置10にテーブル取外用治具100を取り付けた態様に基づき記載しており、前後方向において、前側は図1の手前側に対応し、後側は図1の奥側に対応し、左右方向において、左側は図1の左側に対応し、右側は図1の右側に対応している。
【0021】
テーブル取外用治具100は、たとえばワーク固定装置10の左側テーブル21を取り外すための治具である。テーブル21は、たとえば上端部および下端部の中央部に孔部21Aが形成されている。テーブル取外用治具100は、治具本体110を備えている。治具本体110は、たとえば柱部111、上側梁部112、下側梁部113、上側支持部114、および、下側支持部115を有している。
【0022】
柱部111は、たとえば垂直方向に延在している。上側梁部112は、たとえば柱部111の上端部に設けられ、下側梁部113は、たとえば下側支持部115を介して柱部111の下端部に着脱可能に設けられている。梁部112,113は、たとえば柱部111から右方向に延在している。
【0023】
上側梁部112の右端部には、たとえば上側バー設置部121が着脱自在に設けられている。上側バー設置部121は、たとえば横方向部121Aおよび縦方向部121Bを有してT字状をなしている。横方向部121Aは、上側梁部112上に着脱自在に設けられている。横方向部121Aには、バー用ガイド141A,141Aが並んで設けられている。縦方向部121Bは、横方向部121Aと一体的に形成され、横方向部121Aから下方に延在している。縦方向部121Bには、上側バー用ガイド131Aが設けられている。下側梁部113の右端部には、たとえば下側バー設置部122が設けられている。下側バー設置部122には、下側バー用ガイド131Aが設けられている。バー設置部121,122のバー用ガイド131Aは、たとえば上下方向において互いに対向するように配置されている。
【0024】
上側支持部114は、たとえば柱部111の上端部に固定され、下側支持部115は、たとえば柱部111の下端部に固定されている。上側支持部114は、たとえば柱部111から後方向に延在している。下側支持部115は、たとえば柱部111から前後方向に延在している。下側支持部115の前端部には下側梁部113が着脱可能に設けられている。上側支持部114および下側支持部115の後端部は、ワーク固定装置10に対するテーブル21の着脱時、装置本体12の左側柱部12Bに固定される。
【0025】
一対の着脱バー131(第1バー)は、上側バー設置部121および下側バー設置部122に配置されている。具体的には、上側着脱バー131は、上側バー設置部121の縦方向部121Bの孔部内および上側バー用ガイド131Aの孔部内に挿脱自在に設けられている。下側着脱バー131は、下側バー設置部122の孔部内および下側バー用ガイド131Aの孔部内に挿脱自在に設けられている。着脱バー131は、水平方向の前後側に延在し、着脱バー131の前端部は、バー用ガイド131Aより前側に位置し、着脱バー131の後端部は、バー用ガイド131Aより後側に位置している。
【0026】
着脱バー131は、バー用ガイド131Aの孔部内で案内されて前後方向に移動することができる。着脱バー131は、テーブル21の取外時に、固定手段を適宜用いて、テーブル21の前面の孔部21Aに固定される。固定手段としては、たとえば孔部21Aの内周面に形成された雌ネジ部と、着脱バー131の後端部外周面に形成された雌ネジ部に雄ネジ部とからねじ手段を用いることができ、この場合、孔部21Aの雌ネジ部に着脱バー131の雄ネジ部に螺合させることにより、テーブル21に着脱バー131を固定することができる。テーブル21は、着脱バー131によって、前後方向における上側梁部112の配置位置(所定位置)まで引き出すことが可能である。
【0027】
一対の機外引出バー141(第2バー)は、たとえば上側梁部112の右端部に並んで配置され、上側バー設置部121の横方向部121Aの孔部およびバー用ガイド141Aの孔部を貫通して水平方向の前側に延在している。機外引出バー141の後端部は、上側梁部112の右端部に固定され、機外引出バー141の前端部は、バー用ガイド141Aより前側に位置している。バー用ガイド141Aおよび上側バー設置部121は、機外引出バー141に案内されて移動可能である。テーブル21は、機外引出バー141によって、前後方向における上側梁部112の配置位置(所定位置)から前側へ引き出すことが可能である。この場合、テーブル21の上端部は、たとえば上側バー設置部121の縦方向部121Bの後面に当接した状態となる。
【0028】
テーブル取外用治具100は、ワーク固定装置10の左側テーブル21を取り外すための治具であるから、治具本体110の柱部111から梁部112,113を右方向に延在させる形態を用いた。これに対して、ワーク固定装置10の右側テーブル21を取り外すための治具としてテーブル取外用治具100を用いる場合、テーブル取外用治具100は、治具本体110の柱部111から梁部112,113を左方向に延在させる形態とする。
【0029】
(2)実施形態の動作
テーブル取外用治具100を用いてワーク固定装置10からテーブル21を取り出す手法について図面を参照して説明する。
【0030】
まず、テーブル取外用治具100の治具本体110をワーク固定装置10に取り付ける。具体的には、図1に示すように、着脱バー131およびバー用ガイド141Aが設けられていない状態のテーブル取外用治具100を準備し、治具本体110の上側支持部114および下側支持部115の後端面部を、ワーク固定装置10の装置本体12の左側柱部12Bに固定する。次いで、たとえば必要に応じて引き上げボルト(図示略)を用いてテーブル21を所定距離持ち上げる。これにより、テーブル21の下端部のストッパ等の損傷を防止することができる。
【0031】
続いて、上側バー用ガイド131Aを、上側バー設置部121の縦方向部121Bに取り付けるとともに、下側バー用ガイド131Aを、下側バー設置部122に取り付ける。続いて、上側着脱バー131を上側バー設置部121の上側バー用ガイド131Aに挿通させ、たとえば上側着脱バー131の後端部をテーブル21の上側孔部21Aに固定する。下側着脱バー131を下側バー設置部122の下側バー用ガイド131Aに挿通させ、下側着脱バー131の後端部をテーブル21の下側孔部21Aに固定する。この場合、たとえばワーク固定装置10におけるテーブル21とリニアガイド23との固定を解除する。これにより、図3に示すテーブル21の取外開始状態となる。
【0032】
続いて、上下の着脱バー131の前端部を把持して前側に移動させると、着脱バー131は、バー用ガイド131A内を摺動する。これにより、 たとえば図4に示すように上下の着脱バー131の後端部で支持されたテーブル21は、前側に引き出される。この場合、テーブル21が上側バー設置部121の縦方向部121Bの後面に当接するまで、テーブル21を上下の着脱バー131により引き出すことができる。たとえば図4に示すテーブル引出状態では、テーブル21は、図1に示す装置本体12から離間しているから、たとえばテーブル21と装置本体12との間隔を適宜設定することにより、ワーク固定装置10のメンテナンスを行うことができる。具体的には、シフトシリンダ22やリニアガイド23等の点検作業および交換作業を行うことができる。
【0033】
次に、テーブル21を機外に取り出す場合、テーブル21の上端部が上側バー設置部121の縦方向部121Bの後面に当接させ、たとえば固定手段(図示略)を用いて、テーブル21の上端部を上側バー設置部121の縦方向部121Bの後面に固定する。また、治具本体110の下側支持部115に対する下側梁部113の固定を解除し、下側梁部113および下側バー用ガイド131Aを下側着脱バー131から取り外す。
【0034】
続いて、上下の着脱バー131の前端部を把持して前側に移動させると、上側バー設置部121およびバー用ガイド141Aは左右の機外引出バー141に案内され、上側バー設置部121の後面に固定されたテーブル21は、前側に引き出される。上側バー設置部121を左右の機外引出バー141の前端部まで移動させると、テーブル21を機外に位置させることができ、たとえば図5に示すテーブル21の機外取外状態となる。この場合、テーブル21は機外に位置しているから、たとえばクレーン等を用いてテーブル21を持ち上げることができる。
【0035】
ワーク固定装置10から取り外されたテーブル21をワーク固定装置10に取り付ける場合、テーブル21の取外時と逆の操作を行うことにより、テーブル21を元の状態に戻すことができる。また、ワーク固定装置10の右側テーブル21を取り外す場合、治具本体110の柱部111から上側梁部112および下側梁部113を左方向に延在させた形態を有するテーブル取外用治具100を用い、治具本体110の柱部111を装置本体12の右側柱部12Bに固定し、上記と同様な操作を行う。
【0036】
以上のように本実施形態では、上下一対の着脱バー131および左右一対の機外引出バー141を用いてテーブル21を水平方向に移動させることができるから、テーブル21を工作機械のワーク固定装置10の装置本体12から容易に取り外すことができる。この場合、テーブル21の周囲の部材・ユニット等の装置本体12からの分離が不要であるから、時間ロスを大幅に減少させることができる。また、たとえばテーブル21を所定位置まで移動させて固定装置10の装置本体12から離間させた状態で装置本体12のメンテナンスを行うことができる。さらに、テーブル21を装置本体12の外部に移動させた場合、そこでクレーンを使用することができる。
【0037】
また、着脱バー131および機外引出バー141を用いてテーブル21の取外時と逆の操作を行うことにより、テーブル21を装置本体12に取り付けて元の状態戻すことができる。この場合、テーブル21の取外時にテーブル21周囲の部材・ユニット等を装置本体12から分離していないから、部材・ユニット等の装置本体12への組み付けが不要となり、しかも、それらについての精度の確認が不要となるから、時間ロスを大幅に減少させることができる。また、テーブル取外用治具100を固定装置10の装置本体12に取り付ける場合、テーブル取外用治具100の各構成部品の軽量化を図ることにより、テーブル取外用治具100の装置本体12への取り付けを容易に行うことができる。
【0038】
特に、着脱バー131をテーブル21の上側と下側に配置することができるから、着脱バー131を用いてテーブル21の上側および下側を確実に支持することができ、その結果、所定位置までのテーブル21の引き出しを容易に行うことができる。また、機外引出バー141をテーブル21の上側で水平方向に配置することができるから、所定位置からのテーブル21の移動では、そのような機外引出バー141によりテーブル21の上側を支持することができるので、テーブル21の水平方向移動を安定的に行うことができる。
【符号の説明】
【0039】
100…テーブル取外用治具、110…治具本体、111…柱部、112…上側梁部、113…下側梁部、114…上側支持部、115…下側支持部、121…上側バー設置部、121A…横方向部、121B…縦方向部、122…下側バー設置部、131…着脱バー(第1バー)、131A…バー用ガイド、141…機外引出バー(第2バー)、141A…バー用ガイド、10…ワーク固定装置、12…装置本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械における装置本体からテーブルを取り外すための治具であって、
前記装置本体における前記テーブルの外部に取り付けられる治具本体と、
前記治具本体に設けられて水平方向に延在する一対の第1バーおよび一対の第2バーとを備え、
前記第1バーは、前記テーブルの取外時に前記テーブルの一面に取り付けられ、前記テーブルを所定位置まで水平方向に移動させるために用いられ、
前記第2バーは、前記所定位置から水平方向に前記テーブルを移動させるために用いられることを特徴とするテーブル取外用治具。
【請求項2】
前記治具本体は、柱部と前記柱部の両端部に固定された上側梁部および下側梁部とを有してコ字状をなし、
前記第1バーは、前記上側梁部および前記下側梁部のそれぞれに配置され、
前記第2バーは、前記上側梁部に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載のテーブル取外用治具。
【請求項3】
前記上側梁部には、上側バー設置部が設けられ、
前記下側梁部には、下側バー設置部が設けられ、
前記第1バーは、前記上側バー設置部および前記下側バー設置部の第1バー用孔部内に摺動可能に設けられることを特徴とする請求項2に記載のテーブル取外用治具。
【請求項4】
前記上側バー設置部は、前記上側梁部に着脱自在に設けられ、
前記第2バーは、前記上側バー設置部の第2バー用孔部内を貫通して設けられ、
前記第2バーによる前記テーブルの移動時、前記デーブルは前記上側バー設置部に固定され、前記上側バー設置部は前記第2バーに案内されることを特徴とする請求項3に記載のテーブル取外用治具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−22662(P2013−22662A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157814(P2011−157814)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】