説明

デジタルアイソレータおよびフィールド機器

【課題】低消費電力化を図る。
【解決手段】入力側電源3と1次側回路1との間にスイッチ部6を設け、従来は1次側回路1の入力信号端子TINに与えるようにしていた入力信号DINをスイッチ部6へ与えるようにし、入力信号DINのレベルに応じてスイッチ部6のオン/オフを行わせるようにする。また、入力信号端子TINには入力信号DINに代えて、1次側回路1への電源電圧VDD1の供給遮断時に強制的に固定される2次側回路2からの出力信号DOUTのレベルとは逆のレベルの信号(出力信号「H」強制固定の場合は「L」レベルの信号、出力信号「L」強制固定の場合は「H」レベルの信号)を与えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、1次側回路と2次側回路との間の入出力信号の電気的絶縁を確保するデジタルアイソレータおよびこのデジタルアイソレータを用いたフィールド機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、上位側制御装置より一対の電線を介して送られてくる所定の電流範囲の信号(制御信号電流)を受けて動作する装置として、CPUやROMを搭載した電空ポジショナ等のフィールド機器が用いられている。
【0003】
このフィールド機器は、4〜20mAの電流範囲で変化する制御信号電流を受けて動作し、この制御信号電流から自己の動作電源を生成する動作電源回路を備え、この動作電源回路が生成する動作電源を自己の内部回路へ送るようにしている。この場合、最低4mAであっても動作しなければならないので、自己の内部回路に必要な動作電流を定電流回路により、4mA以下に抑えている。
【0004】
一方、電空ポジショナには調節弁の弁開度制御という本来の機能に加えて、調節弁の異常診断や自己の異常診断等を行って、その診断結果や実際の弁開度をパーソナルコンピュータなどの外部機器へ通信によって出力する機能も求められている。
【0005】
このような外部機器との間で通信を行う2線式のフィールド機器では、機器内部のCPUなどで構成される制御部と、外部機器との通信を行う通信回路との間に、アイソレータを介装させて入出力信号間の電気的絶縁を確保している。
【0006】
このアイソレータとして、従来、絶縁回路として広く使われてきたフォトカプラに対して、絶縁部の通信方式としてパルストランスや静電容量などの方式を用いたデジタルアイソレータが使用されることが多くなっている。デジタルアイソレータは、発光効率の低下、発光電流不足による伝達ミスがない、回路面積が小さい、消費電力が低い等の長所を有したデバイスである(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
図15に従来より用いられているデジタルアイソレータ100の要部のブロック図を示す。同図において、1は1次側回路、2は2次側回路であり、1次側回路1は入力側電源3からの電源電圧VDD1の供給を受けて動作し、2次側回路2は出力側電源4からの電源電圧VDD2の供給を受けて動作する。
【0008】
1次側回路1は量子化部(ロジック変換部)1−1と、送信部1−2と、更新パルス発生部1−3とを備え、2次側回路2は受信部2−1と、出力部2−2と、更新パルス監視部(フェールセーフ回路)2−3とを備え、1次側回路1の送信部1−2と2次側回路2の受信部2−1との間に絶縁部5が設けられている。
【0009】
〔通常の動作〕
このデジタルアイソレータ100において、1次側回路1の入力信号端子TINには、その信号レベルが「H」レベルと「L」レベルとの間で変化するデジタル信号DINが入力信号として与えられる(図16(a)参照)。量子化部1−1はこの入力信号DINの信号レベルの変化を受け取って、「H」/「L」レベルのロジック信号に変換し、送信部1−2へ送る。
【0010】
この送信部1−2へ送られた信号は、絶縁部5を通して、2次側回路2の受信部2−1で受信され、出力部2−2へ送られる。出力部2−2は、受信部2−1から送られてきた信号を2次側回路2からの出力信号DOUTとして、出力信号端子TOUTより出力する(図16(b)参照)。
【0011】
なお、図16(c)は1次側回路1への入力側電源3からの電源電圧VDD1の供給状態を示し、図16(d)は2次側回路2への出力側電源4からの電源電圧VDD2の供給状態を示し、電源電圧VDD1およびVDD2は1次側回路1および2次側回路2へ常に供給されている。
【0012】
〔フェールセーフ時の動作〕
上述した通常の動作中、1次側回路1における更新パルス発生部1−3は、量子化部1−1からの送信部1−2への信号を監視し、この信号に一定時間以上変化がみられない場合、送信部1−2へ更新パルスを出力する。この更新パルスは送信部1−2より絶縁部5を通して2次側回路2の受信部2−1へ送られる。
【0013】
更新パルス監視部2−3は、受信部2−1が受信する更新パルスを監視し、更新パルスが受信されない場合、1次側回路1への電源電圧VDD1が遮断されているか、1次側回路1が非動作状態であると判断し、出力部2−2からの出力信号DOUTすなわち2次側回路2からの出力信号DOUTを強制的に「H」レベルあるいは「L」レベルに固定する。
【0014】
図17に1次側回路1への電源電圧VDD1が遮断された場合のタイムチャートを示す。この例では、t1点で1次側回路1への電源電圧VDD1が遮断されたことにより(図17(c):t1点)、2次側回路2からの出力信号DOUTが強制的に「H」レベルに固定されている(図17(b):t1点)。なお、逆の方式として、図18に示すように、2次側回路2からの出力信号DOUTを強制的に「L」レベルに固定する場合もある。
【0015】
図19にこのデジタルアイソレータ100のフェールセーフ時の動作も含めた入出力の真理値表を示す。この真理値表からも分かるように、1次側回路1への電源電圧VDD1が遮断された場合、入力信号DINの信号レベルに拘わらず、出力信号DOUTは「H」レベルまたは「L」レベルに強制的に固定される。
【0016】
図20にこのデジタルアイソレータ100を1つのIC(集積回路)で構成した場合の図を示す。このデジタルアイソレータ100を構成する集積回路IC1において、1次側のピンP1とピンP3とは内部で接続されており、ピンP1に電源電圧VDD1を与え、ピンP2に入力信号DINを与えるようにする。このピンP2がデジタルアイソレータ100の入力信号端子TINとされる。
【0017】
なお、ピンP4は接地し、ピンP3とピンP4との間にはコンデンサC1を接続する。また、2次側のピンP6とP8とは内部で接続されており、ピンP5に電源電圧VDD2を与え、ピンP7より出力信号DOUTを得るようにする。このピンP7がデジタルアイソレータ100の出力信号端子TOUTとされる。なお、ピンP8は接地し、ピンP5とピンP6との間にはコンデンサC2を接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2007−123650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
2線式のフィールド機器において、このようなデジタルアイソレータを用いると、消費電力を低減することができる。しかしながら、2線式のフィールド機器では、動作電力に大きな制約があるので、低消費電力型のデジタルアイソレータを採用するにしても、制御周期を長くしたりする等しない限り余剰電力はなく、制御周期を長くすれば、制御性の低下を招いてしまう。このため、デジタルアイソレータに対して、さらなる低消費電力化が求められている。
【0020】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、さらなる低消費電力化を図ることができるデジタルアイソレータおよびこのデジタルアイソレータを用いたフィールド機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
このような目的を達成するために、本発明に係るデジタルアイソレータは、第1の電源の供給を受けて動作する1次側回路と、第2の電源の供給を受けて動作する2次側回路とを備え、その信号レベルが第1のレベルと第2のレベルとの間で変化するデジタル信号を入力信号とし、この入力信号を1次側回路を通して非接触で2次側回路へ送り当該2次側回路からの出力信号とする一方、1次側回路への第1の電源の供給が遮断された場合、2次側回路からの出力信号のレベルを第1および第2のレベルの何れか一方のレベルに強制的に固定するデジタルアイソレータにおいて、入力信号のレベルに応じて1次側回路への第1の電源の供給をオン/オフするスイッチ手段を設け、1次側回路の入力信号端子に入力信号に代えて、1次側回路への第1の電源の供給遮断時に強制的に固定される2次側回路からの出力信号のレベルとは逆のレベルの信号を与えるようにしたものである。
【0022】
この発明において、例えば、第1のレベルを「H」レベル、第2のレベルを「L」レベル、1次側回路への第1の電源の供給遮断時に強制的に固定される2次側回路からの出力信号のレベルを「H」レベルとした場合、入力信号のレベルに応じて1次側回路への第1の電源の供給がオン/オフされる一方、1次側回路の入力信号端子に入力信号に代えて、「L」レベルの入力信号が入力される。
【0023】
この場合、入力信号のレベルに応じて1次側回路への第1の電源の供給がオンとされると、1次側回路の入力信号端子に入力されている「L」レベルの入力信号が非接触で2次側回路へ送られ、2次側回路からの出力信号として出力される。一方、入力信号のレベルに応じて1次側回路への第1の電源の供給がオフとされると、2次側回路からの出力信号のレベルが「H」レベルに固定される。これにより、1次側回路への第1の電源の供給のオン/オフに応じて、すなわち入力信号のレベルに応じて、2次側回路からの出力信号のレベルが「L」/「H」レベルに変化する。この場合、「L」レベルの信号を伝達する場合にのみ1次側回路への第1の電源の供給が行われ、「H」レベルの信号を伝達する場合には1次側回路への第1の電源の供給が遮断されるので、1次側回路における電力消費が低減される。
【0024】
また、この発明において、例えば、第1のレベルを「H」レベル、第2のレベルを「L」レベル、1次側回路への第1の電源の供給遮断時に強制的に固定される2次側回路からの出力信号のレベルを「L」レベルとした場合、入力信号のレベルに応じて1次側回路への第1の電源の供給がオン/オフされる一方、1次側回路の入力信号端子に入力信号に代えて、「H」レベルの入力信号が入力される。
【0025】
この場合、入力信号のレベルに応じて1次側回路への第1の電源の供給がオンとされると、1次側回路の入力信号端子に入力されている「H」レベルの入力信号が非接触で2次側回路へ送られ、2次側回路からの出力信号として出力される。一方、入力信号のレベルに応じて1次側回路への第1の電源の供給がオフとされると、2次側回路からの出力信号のレベルが「L」レベルに固定される。これにより、1次側回路への第1の電源の供給のオン/オフに応じて、すなわち入力信号のレベルに応じて、2次側回路からの出力信号のレベルが「H」/「L」レベルに変化する。この場合、「H」レベルの信号を伝達する場合にのみ1次側回路への第1の電源の供給が行われ、「L」レベルの信号を伝達する場合には1次側回路への第1の電源の供給が遮断されるので、1次側回路における電力消費が低減される。
【0026】
本発明では、1次側回路の入力信号端子に入力信号に代えて、1次側回路への第1の電源の供給遮断時に強制的に固定される2次側回路からの出力信号のレベルとは逆のレベルの信号を与えるようにするが、スイッチ手段による1次側回路への第1の電源の供給のオン/オフに拘わらず常に逆のレベルの信号を与えるようにしてもよく、スイッチ手段が1次側回路への第1の電源の供給をオンとしている間のみ逆のレベルの信号を与えるようにしてもよい。
【0027】
また、2次側回路からの出力信号を保持する信号保持回路を設け、2次側回路に、1次側回路を通して非接触で送られてくる信号のレベルが前回と同じであった場合に信号出力を停止する信号出力停止手段を設けるようにしてもよい。
【0028】
また、本発明に係るデジタルアイソレータは、上位側制御装置より一対の電線を介して送られてくる所定の電流範囲の信号を受け、この信号から自己の動作電源を生成する動作電源回路と、この動作電源回路が生成する動作電源の供給を受けて所定の動作を行う制御部と、この制御部から外部機器へ情報を発信するための通信回路と、制御部と通信回路との間に介装されて電気的絶縁を確保するアイソレータとを備えたフィールド機器として、例えばバルブポジショナ(電空ポジショナ)におけるアイソレータとして用いられる。なお、本発明に係るデジタルアイソレータを用いるフィールド機器は、バルブポジショナに限られるものではなく、2線式電磁流量計や2線式温度発信器などにおけるアイソレータとして用いるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、入力信号のレベルに応じて1次側回路への第1の電源の供給をオン/オフするスイッチ手段を設け、1次側回路の入力信号端子に入力信号に代えて、1次側回路への第1の電源の供給遮断時に強制的に固定される2次側回路からの出力信号のレベルとは逆のレベルの信号を与えるようにしたので、1次側回路への第1の電源を間欠的に遮断しながら2次側回路へ信号を伝達するようにして、1次側回路における電力消費を低減し、さらなる低消費電力化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るデジタルアイソレータの一実施の形態(実施の形態1)の要部を示すブロック図である。
【図2】この実施の形態1のデジタルアイソレータの動作を説明するためのタイムチャートである。
【図3】この実施の形態1のデジタルアイソレータを2つのIC(集積回路)で構成した場合の図である。
【図4】本発明に係るデジタルアイソレータの他の実施の形態(実施の形態2)の要部を示すブロック図である。
【図5】この実施の形態2のデジタルアイソレータの動作を説明するためのタイムチャートである。
【図6】この実施の形態2のデジタルアイソレータを2つのIC(集積回路)で構成した場合の図である。
【図7】図6に示したデジタルアイソレータの変形例(実施の形態3)を示す図である。
【図8】この実施の形態3のデジタルアイソレータの動作を説明するためのタイムチャートである。
【図9】図7に示したデジタルアイソレータの変形例(実施の形態4)を示す図である。
【図10】この実施の形態4のデジタルアイソレータの動作を説明するためのタイムチャートである。
【図11】2次側回路からの出力信号を保持する信号保持回路を設けた例(実施の形態5)を示す図である。
【図12】本発明に係るデジタルアイソレータを2線式のフィールド機器(バルブポジショナ)に用いた例(実施の形態6)を示す図である。
【図13】本発明に係るデジタルアイソレータを2線式のフィールド機器(2線式電磁流量計)に用いた例(実施の形態7)を示す図である。
【図14】本発明に係るデジタルアイソレータを2線式のフィールド機器(2線式温度発信器)に用いた例(実施の形態8)を示す図である。
【図15】従来より用いられているデジタルアイソレータの要部のブロック図である。
【図16】従来のデジタルアイソレータの通常の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図17】従来のデジタルアイソレータのフェールセーフ時の動作(出力信号を「H」レベルに強制的に固定する例)を説明するためのタイムチャートである。
【図18】従来のデジタルアイソレータのフェールセーフ時の動作(出力信号を「L」レベルに強制的に固定する例)を説明するためのタイムチャートである。
【図19】従来のデジタルアイソレータのフェールセーフ時の動作も含めた入出力の真理値表を示す図である。
【図20】従来のデジタルアイソレータを1つのIC(集積回路)で構成した場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1はこの発明に係るデジタルアイソレータの一実施の形態(実施の形態1)の要部を示すブロック図である。同図において、図15と同一符号は図15を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。この実施の形態1のデジタルアイソレータを符号101で示す。
【0032】
このデジタルアイソレータ101の従来のデジタルアイソレータ100と異なる点は、入力側電源3と1次側回路1との間にスイッチ部6を設け、従来は1次側回路1の入力信号端子TINに与えるようにしていた入力信号DINをスイッチ部6へ与えるようにし、入力信号DINのレベルに応じてスイッチ部6のオン/オフを行わせるようにしたところにある。また、入力信号端子TINには入力信号DINに代えて、1次側回路1への電源電圧VDD1の供給遮断時に強制的に固定される2次側回路2からの出力信号DOUTのレベルとは逆のレベルの信号を常に与えるようにしたところにある。
【0033】
この例では、1次側回路1への電源電圧VDD1の供給遮断時、2次側回路2からの出力信号DOUTのレベルは、「H」レベルに強制的に固定されるものとする。また、スイッチ部6は、入力信号DINが「L」レベルとなった場合にオンとされ、入力信号DINが「H」レベルとなった場合にオフとされるものとする。また、1次側回路1の入力信号端子TINには、上述した1次側回路1への電源電圧VDD1の供給遮断時における出力信号DOUTのレベルとは逆のレベルの信号として「L」レベルの信号が常に与えられるものとする。
【0034】
このデジタルアイソレータ101では、入力信号DINがスイッチ部6へ与えられ、この入力信号DINのレベルに応じてスイッチ部6がオン/オフされる。この場合、入力信号DINが「L」レベルとなると、スイッチ部6がオンとされ、1次側回路1へ電源電圧VDD1が供給される。入力信号DINが「H」レベルとなると、スイッチ部6がオフとされ、1次側回路1への電源電圧VDD1の供給が遮断される。
【0035】
入力信号DINが「L」レベルとなって(図2(a)に示すt1点)、1次側回路1へ電源電圧VDD1が供給されると(図2(f)に示すt1点)、入力信号端子TINに与えられている「L」レベルの信号が送信部1−2へ送られる。
【0036】
送信部1−2へ送られた「L」レベルの信号は、絶縁部5を通して、2次側回路2の受信部2−1で受信され、出力部2−2へ送られる。出力部2−2は、受信部2−1から送られてきた「L」レベルの信号を2次側回路2からの出力信号DOUTとして、出力信号端子TOUTより出力する(図2(b)に示すt1点)。
【0037】
入力信号DINが「H」レベルとなって(図2(a)に示すt2点)、1次側回路1への電源電圧VDD1の供給が遮断されると(図2(f)に示すt2点)、2次側回路2の更新パルス監視部2−3は、2次側回路2からの出力信号DOUTを強制的に「H」レベルに固定する(図2(b)に示すt2点)。
【0038】
以下同様にして、1次側回路1への電源電圧VDD1の供給のオン/オフに応じて、すなわち入力信号DINの「L」/「H」レベルに応じて、2次側回路1からの出力信号DOUTのレベルが「L」/「H」レベルに変化する。
【0039】
この場合、「L」レベルの信号を伝達する場合にのみ1次側回路1への電源電圧VDD1の供給が行われ、「H」レベルの信号を伝達する場合には1次側回路1への電源電圧VDD1の供給が遮断されるので、1次側回路1における電力消費が低減される。これにより、1次側回路1へ電源電圧VDD1を常に供給する従来のデジタルアイソレータ100(図15)に対して、さらなる低消費電力化を図ることができるようになる。
【0040】
図3にこのデジタルアイソレータ101を2つのIC(集積回路)で構成した場合の図を示す。このデジタルアイソレータ101は、図20に示した従来の集積回路IC1と、図1におけるスイッチ部6の役目を果たす集積回路IC2とにより構成されている。
【0041】
集積回路IC2は、ピンP9〜P14を備えており、ピンP13とピンP12およびピン14との間の接続状態が内部で選択的に切り替えられるようになっている。この例では、ピンP10およびピンP12に電源電圧VDD1を、ピンP9に入力信号DINを与えるようにし、入力信号DINのレベルが「L」レベルとなった場合にピンP13をピンP12側に接続させ、入力信号DINが「H」レベルとなった場合にピンP13をピンP14側に接続させるようにしている。なお、ピンP10とピンP11との間にはコンデンサC3を接続し、ピンP14は接地させている。
【0042】
また、集積回路IC1と集積回路IC2とは、集積回路IC1のピンP1と集積回路IC2のピンP13との間に抵抗R1を挿入して接続している。また、集積回路IC1は、ピンP1への電源電圧VDD1の供給遮断時に、ピンP7(出力信号端子TOUT)からの出力信号DOUTのレベルが強制的に「H」レベルに固定されるタイプとされている。また、集積回路IC1の入力信号DINの入力用として設けられているピンP2(入力信号端子TIN)を、抵抗R2を介して接地させている。
【0043】
すなわち、集積回路IC1の入力信号端子TINに、入力信号DINを与える代わりに、常に「L」レベルの信号(電源電圧VDD1の供給遮断時に強制的に固定される出力信号DOUTのレベルとは逆のレベルの信号)を与えている。これにより、集積回路IC1の入力信号端子TINのレベルが常に「L」レベルに固定され、図2を用いて説明した動作と同じ動作が得られる。
【0044】
〔実施の形態2〕
実施の形態1では、2次側回路2からの出力信号DOUTのレベルが1次側回路1への電源電圧VDD1の供給遮断時に強制的に「H」レベルに固定されるものとしたが、実施の形態2では、2次側回路2からの出力信号DOUTのレベルが1次側回路1への電源電圧VDD1の供給遮断時に強制的に「L」レベルに固定されるものとする。
【0045】
この場合、図4に示すように、1次側回路1の入力信号端子TINに、1次側回路1への電源電圧VDD1の供給遮断時に強制的に固定される2次側回路2からの出力信号DOUTのレベルとは逆のレベルの信号として、「H」レベルの信号を常に与えるものとする。また、スイッチ部6は、入力信号DINが「H」レベルとなった場合にオンとされ、入力信号DINが「L」レベルとなった場合にオフとされるものとする。この実施の形態2のデジタルアイソレータを符号102で示す。
【0046】
このデジタルアイソレータ102では、入力信号DINがスイッチ部6へ与えられ、この入力信号DINのレベルに応じてスイッチ部6がオン/オフされる。この場合、入力信号DINが「H」レベルとなると、スイッチ部6がオンとされ、1次側回路1へ電源電圧VDD1が供給される。入力信号DINが「L」レベルとなると、スイッチ部6がオフとされ、1次側回路1への電源電圧VDD1の供給が遮断される。
【0047】
入力信号DINが「H」レベルとなって(図5(a)に示すt1点)、1次側回路1へ電源電圧VDD1が供給されると(図5(f)に示すt1点)、入力信号端子TINに与えられている「H」レベルの信号が送信部1−2へ送られる。
【0048】
送信部1−2へ送られた「H」レベルの信号は、絶縁部5を通して、2次側回路2の受信部2−1で受信され、出力部2−2へ送られる。出力部2−2は、受信部2−1から送られてきた「H」レベルの信号を2次側回路2からの出力信号DOUTとして、出力信号端子TOUTより出力する(図5(b)に示すt1点)。
【0049】
入力信号DINが「L」レベルとなって(図5(a)に示すt2点)、1次側回路1への電源電圧VDD1の供給が遮断されると(図5(f)に示すt2点)、2次側回路2の更新パルス監視部2−3は、2次側回路2からの出力信号DOUTを強制的に「L」レベルに固定する(図5(b)に示すt2点)。
【0050】
以下同様にして、1次側回路1への電源電圧VDD1の供給のオン/オフに応じて、すなわち入力信号DINの「H」/「L」レベルに応じて、2次側回路1からの出力信号DOUTのレベルが「H」/「L」レベルに変化する。
【0051】
この場合、「H」レベルの信号を伝達する場合にのみ1次側回路1への電源電圧VDD1の供給が行われ、「L」レベルの信号を伝達する場合には1次側回路1への電源電圧VDD1の供給が遮断されるので、1次側回路1における電力消費が低減される。これにより、1次側回路1へ電源電圧VDD1を常に供給する従来のデジタルアイソレータ100(図15)に対して、さらなる低消費電力化を図ることができるようになる。
【0052】
図6にこのデジタルアイソレータ102を2つのIC(集積回路)で構成した場合の図を示す。このデジタルアイソレータ102は、図20に示した従来の集積回路IC1と、図4におけるスイッチ部6の役目を果たす集積回路IC2とにより構成されている。
【0053】
集積回路IC2は、ピンP9〜P14を備えており、ピンP13とピンP12およびピンP14との間の接続状態が内部で選択的に切り替えられるようになっている。この例では、ピンP10およびピンP12に電源電圧VDD1を、ピンP9に入力信号DINを与えるようにし、入力信号DINのレベルが「H」レベルとなった場合にピンP13をピンP12側に接続させ、入力信号DINが「L」レベルとなった場合にピンP13をピンP14側に接続させるようにしている。なお、ピンP10とピンP11との間にはコンデンサC3を接続し、ピンP14は接地させている。
【0054】
また、集積回路IC1と集積回路IC2とは、集積回路IC1のピンP1と集積回路IC2のピンP13との間に抵抗R1を挿入して接続している。また、集積回路IC1は、ピンP1への電源電圧VDD1の供給遮断時に、集積回路IC1のピンP7(出力信号端子TOUT)からの出力信号DOUTのレベルが強制的に「L」レベルに固定されるタイプとされている。また、集積回路IC1の入力信号DINの入力用として設けられているピンP2(入力信号端子TIN)には、電源電圧VDD1を常に与えている。
【0055】
すなわち、集積回路IC1の入力信号端子TINに、入力信号DINを与える代わりに、常に「H」レベルの信号(電源電圧VDD1の供給遮断時に強制的に固定される出力信号DOUTのレベルとは逆のレベルの信号)を与えている。これにより、集積回路IC1の入力信号端子TINのレベルが常に「H」レベルに固定され、図5を用いて説明した動作と同じ動作が得られる。
【0056】
〔実施の形態3〕
図6では、集積回路IC1の入力信号端子TINに「H」レベルの信号を常に与えるようにしたが、図7に示すように、集積回路IC2のピンP13と集積回路IC1の入力信号端子TINとの間を直接接続し、ピンP13に生じる信号のレベルを入力信号端子TINへ与えるようにしてもよい。このデジタルアイソレータを実施の形態3として符号103で示す。
【0057】
このデジタルアイソレータ103では、入力信号DINが集積回路IC2のピンP9へ与えられ、この入力信号DINのレベルに応じてピンP13とピンP12およびピンP14との間の接続状態が選択的に切り替えられる。この場合、入力信号DINが「H」レベルとなると、ピンP13がピンP12側に接続され、集積回路IC1のピンP1へ電源電圧VDD1が供給される。
【0058】
この時、集積回路IC1の入力信号端子TINには、集積回路IC2のピンP13を通して「H」レベルの信号が与えられる。入力信号DINが「L」レベルとなると、ピンP13がピンP14側に接続され、集積回路IC1のピンP1への電源電圧VDD1の供給が遮断される。この時、集積回路IC1の入力信号端子TINには、集積回路IC2のピンP13を通して「L」レベルの信号が与えられる。
【0059】
入力信号DINが「H」レベルとなって(図8(a)に示すt1点)、集積回路IC1のピンP1へ電源電圧VDD1が供給されると(図8(f)に示すt1点)、集積回路IC1の入力信号端子TINに与えられている「H」レベルの信号(図8(e))が2次側へ送られ、出力信号DOUTとして出力される(図8(b)に示すt1点)。
【0060】
入力信号DINが「L」レベルとなって(図8(a)に示すt2点)、集積回路IC1のピンP1への電源電圧VDD1の供給が遮断されると(図8(f)に示すt2点)、集積回路IC1のフェールセーフ機能によって、出力信号DOUTが強制的に「L」レベルに固定される(図8(b)に示すt2点)。
【0061】
以下同様にして、集積回路IC1のピンP1への電源電圧VDD1の供給のオン/オフに応じて、すなわち集積回路IC2のピンP9への入力信号DINの「H」/「L」レベルに応じて、出力信号DOUTのレベルが「H」/「L」レベルに変化する。
【0062】
このように、集積回路IC1のピンP1への電源電圧VDD1の供給を行っている間だけ、集積回路IC1の入力信号端子TINに「H」レベルの信号(電源電圧VDD1の供給遮断時に強制的に固定される出力信号DOUTのレベルとは逆のレベルの信号)を与えるようにしても、実施の形態2と同様の動作を行わせることができる。
【0063】
〔実施の形態4〕
実施の形態3では、集積回路IC2のピンP13と集積回路IC1の入力信号端子TINとの間を直接接続するようにしたが、図9に示すように、集積回路IC2のピンP13と集積回路IC1の入力信号端子TINとの間をインバータINV1を介して接続するようにしてもよい。なお、この場合、集積回路IC1は、入力信号端子TINへの電源電圧VDD1の供給遮断時に、出力信号端子TOUTからの出力信号DOUTのレベルが強制的に「H」レベルに固定されるタイプとする。このデジタルアイソレータを実施の形態4として符号104で示す。
【0064】
このデジタルアイソレータ104では、入力信号DINが集積回路IC2のピンP9へ与えられ、この入力信号DINのレベルに応じてピンP13とピンP12およびピンP14との間の接続状態が選択的に切り替えられる。この場合、入力信号DINが「L」レベルとなると、ピンP13がピンP12側に接続され、集積回路IC1のピンP1へ電源電圧VDD1が供給される。
【0065】
この時、集積回路IC1の入力信号端子TINには、集積回路IC2のピンP13およびインバータINV1を通して「L」レベルの信号が与えられる。入力信号DINが「H」レベルとなると、ピンP13がピンP14側に接続され、集積回路IC1のピンP1への電源電圧VDD1の供給が遮断される。この時、集積回路IC1の入力信号端子TINには、集積回路IC2のピンP13およびインバータINV1を通して「H」レベルの信号が与えられる。
【0066】
入力信号DINが「L」レベルとなって(図10(a)に示すt1点)、集積回路IC1のピンP1へ電源電圧VDD1が供給されると(図10(f)に示すt1点)、集積回路IC1の入力信号端子TINに与えられている「L」レベルの信号(図10(e))が2次側へ送られ、出力信号DOUTとして出力される(図10(b)に示すt1点)。
【0067】
入力信号DINが「H」レベルとなって(図10(a)に示すt2点)、集積回路IC1のピンP1への電源電圧VDD1の供給が遮断されると(図10(f)に示すt2点)、集積回路IC1のフェールセーフ機能によって、出力信号DOUTが強制的に「H」レベルに固定される(図10(b)に示すt2点)。
【0068】
以下同様にして、集積回路IC1のピンP1への電源電圧VDD1の供給のオン/オフに応じて、すなわち集積回路IC2のピンP9への入力信号DINの「L」/「H」レベルに応じて、出力信号DOUTのレベルが「L」/「H」レベルに変化する。
【0069】
このように、集積回路IC1のピンP1への電源電圧VDD1の供給を行っている間だけ、集積回路IC1の入力信号端子TINに「L」レベルの信号(電源電圧VDD1の供給遮断時に強制的に固定される出力信号DOUTのレベルとは逆のレベルの信号)を与えるようにしても、実施の形態1と同様の動作を行わせることができる。
【0070】
〔実施の形態5〕
図11に2次側回路からの出力信号を保持する信号保持回路を設けた例を実施の形態4として示す。この実施の形態5のデジタルアイソレータ105では、実施の形態1に示したデジタルアイソレータ101の構成に加え、2次側回路2からの出力信号DOUTを保持する信号保持回路7を設けている。また、2次側回路2に、1次側回路1から非接触で送られてくる信号のレベルを前回の信号のレベルと比較し、その信号のレベルが前回と同じであった場合に信号出力を停止する信号出力停止部2−4を設けている。
【0071】
このデジタルアイソレータ105では、2次側回路2からの出力信号DOUTが信号保持回路7によって保持されるので、1次側回路1から非接触で送られてくる信号のレベルが前回と同じままであればその信号の出力を信号出力停止部2−4で停止することにより、省エネルギーを図ることができる。
【0072】
なお、実施の形態1だけではなく、実施の形態2〜4についても、信号保持回路7や信号出力停止部2−4を設けた構成としてもよい。
【0073】
〔実施の形態6〕
図12に本発明に係るデジタルアイソレータを2線式のフィールド機器に用いた例を示す。この例では、2線式のフィールド機器として、バルブポジショナ(電空ポジショナ)への適用例を示している。
【0074】
同図において、200はバルブポジショナ、300は上位制御装置、400はバルブ、500は外部電源、600はパーソナルコンピュータなどの外部機器である。バルブポジショナ200は、信号入力ブロック201と、電源ブロック202と、制御部203と、開度調整部(電空変換部)204と、開度検出センサ205と、通信回路206と、デジタルアイソレータ207とを備えている。
【0075】
バルブポジショナ200において、信号入力ブロック201は、上位側制御装置300より一対の電線を介して送られてくる4〜20mAの電流範囲で変化する制御信号電流を受け取る。電源ブロック202は、信号入力ブロック201が受け取った制御信号電流から自己の動作電源を生成し、制御部203やデジタルアイソレータ207へ供給する。
【0076】
制御部203は、電源ブロック202が生成する動作電源の供給を受けて、信号入力ブロック201からの制御信号電流値を上位制御装置300からの開度信号として、開度調整部204を介してバルブ400の開度を制御する。この開度制御は制御部203における制御ブロック203Aが行う。
【0077】
また、制御部203(出力ブロック203B、通信ブロック203C)は、バルブ400の異常診断や自己の異常診断等を行って、その診断結果や実際の弁開度(開度信号)を外部機器600へ通信回路206(出力ブロック206A、通信ブロック206B)を介して出力する。
【0078】
この外部機器600への診断結果や開度信号の出力は、4〜20mAの電流信号によって行うが、バルブポジショナ200に供給される上位側制御装置300からの電流では出力分が足りないため、外部電源500からの電流の供給を受ける。この際、通信回路206と制御部203との間の電気的絶縁を確保するために、通信回路206と制御部203との間にデジタルアイソレータ207を介装している。
【0079】
本実施の形態では、この通信回路206と制御部203との間に介装するデジタルアイソレータ207として、実施の形態1〜5として示したデジタルアイソレータ101〜105を用いる。
【0080】
これにより、デジタルアイソレータ207での消費電力を減らし、その消費電力の減少分を制御部203などに割り振るようにして、制御性の向上や他機能の追加などが可能となる。また、外部機器600との通信に際して電力不足に陥ったり、バルブ400の制御動作を犠牲にしたりすることが避けられる。
【0081】
〔実施の形態7〕
図13に本発明に係るデジタルアイソレータを2線式のフィールド機器に用いた他の例を示す。この例では、2線式のフィールド機器として、2線式電磁流量計への適用例を示している。
【0082】
この2線式電磁流量計700は、変換部701と検出器702とを備え、変換部701は、電源ブロック703と、トランス704と電源(アナログ用)705と、デジタル回路部(マイコン)706と、デジタルアイソレータ707と、タイミングブロック708と、サンプリング回路ブロック709と、信号処理回路ブロック710と、デジタルアイソレータ(レベルシフト)711と、タイミングブロック712とを備え、検出器702は、電極部713と、コイル部714とを備えている。電極部713は流体に晒され、コイル部714には励磁電流が供給される。
【0083】
この2線式電磁流量計700において、検出器702の流体側は、配管アースが基準電位となり、外部電源500のグランドとは電位が異なることと、流体からの起電力信号は、配管アースを基準とした信号処理をすることが流体ノイズ処理に効果があることから、流体側と外部電源500側とはアイソレーションが必要とされる。このために、デジタル回路部706とタイミングブロック708との間にデジタルアイソレータ707を介装している。また、検出器702のコイル部714側は、消費電流の効率化からコイル電源を上位、回路電源を下位にした直列接続方式にしているため、デジタル回路部706とタイミングブロック712との間にレベルシフトのデジタルアイソレータ711を介装している。本実施の形態では、このデジタルアイソレータ707,711として、実施の形態1〜5として示したデジタルアイソレータ101〜105を用いる。
【0084】
〔実施の形態8〕
図14に本発明に係るデジタルアイソレータを2線式のフィールド機器に用いた他の例を示す。この例では、2線式のフィールド機器として、2線式温度発信器への適用例を示している。
【0085】
この2線式温度発信器800は、回路ブロック801と温度センサ部802とを備え、回路ブロック801は、電源ブロック803と、トランス804と電源(アナログ用)805と、デジタル回路部(マイコン)806と、デジタルアイソレータ807と、タイミングブロック808と、信号処理回路ブロック809とを備え、温度センサ部802は、電極部810を備えている。電極部810は流体に晒される。
【0086】
この2線式温度発信器800において、温度センサ部802は、プロセス側のアースに設置される可能性があるため、外部電源500のグランドとはアイソレーションが必要とされる。このために、デジタル回路部806とタイミングブロック808との間にデジタルアイソレータ807を介装している。本実施の形態では、このデジタルアイソレータ807として、実施の形態1〜5として示したデジタルアイソレータ101〜105を用いる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明のデジタルアイソレータは、2線式のフィールド機器における制御部と通信回路との間など、1次側回路と2次側回路との間の入出力信号の電気的絶縁を確保するデジタルアイソレータとして、各種の分野で利用することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
1…1次側回路、1−1…量子化部(ロジック変換部)、1−2…送信部、1−3…更新パルス発生部、2…2次側回路、2−1…受信部、2−2…出力部、2−3…更新パルス監視部(フェールセーフ回路)、2−4…信号出力停止部、3…入力側電源、4…出力側電源、5…絶縁部、6…スイッチ部、7…信号保持回路、TIN…入力信号端子、DIN…入力信号、TOUT…出力信号端子、DOUT…出力信号、IC1,IC2…集積回路、P1〜P14…ピン、R1,R2…抵抗、C1,C2,C3…コンデンサ、INV1…インバータ、101〜105…デジタルアイソレータ、200…バルブポジショナ、201…信号入力ブロック、202…電源ブロック、203…制御部、203A…制御ブロック、203B…出力ブロック、203C…通信ブロック、204…開度調整部、205…開度検出センサ、206…通信回路、206A…出力ブロック、206B…通信ブロック、207…デジタルアイソレータ、300…上位側制御装置、400…バルブ、500…外部電源、600…外部機器、700…2線式電磁流量計、701…変換部、702…検出器、703…電源ブロック、704…トランス、705…電源(アナログ用)、706…デジタル回路部(マイコン)、707…デジタルアイソレータ、708…タイミングブロック、709…サンプリング回路ブロック、710…信号処理回路ブロック、711…デジタルアイソレータ(レベルシフト)、712…タイミングブロック、713…電極部、714…コイル部、800…2線式温度発信器、801…回路ブロック、802…温度センサ部、803…電源ブロック、804…トランス、805…電源(アナログ用)、806…デジタル回路部(マイコン)、807…デジタルアイソレータ、808…タイミングブロック、809…信号処理回路ブロック、810…電極部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源の供給を受けて動作する1次側回路と、第2の電源の供給を受けて動作する2次側回路とを備え、その信号レベルが第1のレベルと第2のレベルとの間で変化するデジタル信号を入力信号とし、この入力信号を前記1次側回路を通して非接触で前記2次側回路へ送り当該2次側回路からの出力信号とする一方、前記1次側回路への前記第1の電源の供給が遮断された場合、前記2次側回路からの出力信号のレベルを前記第1および第2のレベルの何れか一方のレベルに強制的に固定するデジタルアイソレータにおいて、
前記入力信号のレベルに応じて前記1次側回路への前記第1の電源の供給をオン/オフするスイッチ手段を備え、
前記1次側回路は、
前記入力信号の入力用として設けられた入力信号端子を備え、
前記1次側回路の前記入力信号端子に前記入力信号に代えて、前記1次側回路への前記第1の電源の供給遮断時に強制的に固定される前記2次側回路からの出力信号のレベルとは逆のレベルの信号が与えられる
ことを特徴とするデジタルアイソレータ。
【請求項2】
請求項1に記載されたデジタルアイソレータにおいて、
前記スイッチ手段による前記1次側回路への前記第1の電源の供給のオン/オフに拘わらず、前記1次側回路の前記入力信号端子に前記逆のレベルの信号が常に与えられる
ことを特徴とするデジタルアイソレータ。
【請求項3】
請求項1に記載されたデジタルアイソレータにおいて、
前記スイッチ手段が前記1次側回路への前記第1の電源の供給をオンとしている間のみ、前記1次側回路の前記入力信号端子に前記逆のレベルの信号が与えられる
ことを特徴とするデジタルアイソレータ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載されたデジタルアイソレータにおいて、
前記第1のレベルは「H」レベルであり、
前記第2のレベルは「L」レベルであり、
前記1次側回路への前記第1の電源の供給遮断時に強制的に固定される前記2次側回路からの出力信号のレベルは「H」レベルである
ことを特徴とするデジタルアイソレータ。
【請求項5】
請求項1〜3の何れか1項に記載されたデジタルアイソレータにおいて、
前記第1のレベルは「H」レベルであり、
前記第2のレベルは「L」レベルであり、
前記1次側回路への前記第1の電源の供給遮断時に強制的に固定される前記2次側回路からの出力信号のレベルは「L」レベルである
ことを特徴とするデジタルアイソレータ。
【請求項6】
請求項1〜3の何れか1項に記載されたデジタルアイソレータにおいて、
前記2次側回路からの出力信号を保持する信号保持回路を備え、
前記2次側回路は、
前記1次側回路を通して非接触で送られてくる信号のレベルが前回と同じであった場合に信号出力を停止する信号出力停止手段
を備えることを特徴とするデジタルアイソレータ。
【請求項7】
上位側制御装置より一対の電線を介して送られてくる所定の電流範囲の信号を受け、この信号から自己の動作電源を生成する動作電源回路と、この動作電源回路が生成する動作電源の供給を受けて所定の動作を行う制御部と、この制御部から外部機器へ情報を発信するための通信回路と、前記制御部と前記通信回路との間に介装されて電気的絶縁を確保するアイソレータとを備えたフィールド機器において、
前記アイソレータは、請求項1〜6の何れか1項に記載されたデジタルアイソレータである
ことを特徴とするフィールド機器。
【請求項8】
請求項7に記載されたフィールド機器において、
前記フィールド機器は、バルブポジショナである
ことを特徴とするフィールド機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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