デジタルカメラ
【課題】 ハーフミラーを備えた一眼レフタイプのデジタルカメラにおいて、撮影時にハーフミラーを上げていても、ファインダからの迷光が逆に入射しないようにする。
【解決手段】 撮影レンズと、ファインダと、撮像素子と、透過率を変化させることができるとともに、撮影レンズを透過した光を撮像素子とファインダとに分光する分光手段と、観察時には撮像素子と観察用ファインダとに分光する位置に分光手段を移動させる一方、撮影時には退避して撮像素子のみに光を与える位置に分光手段を移動させる分光手段駆動手段と、観察時には分光手段を半透光状態にして光を撮像素子と観察用ファインダとに導き、撮影時には分光手段を遮光状態に制御する制御手段とを有する。
【解決手段】 撮影レンズと、ファインダと、撮像素子と、透過率を変化させることができるとともに、撮影レンズを透過した光を撮像素子とファインダとに分光する分光手段と、観察時には撮像素子と観察用ファインダとに分光する位置に分光手段を移動させる一方、撮影時には退避して撮像素子のみに光を与える位置に分光手段を移動させる分光手段駆動手段と、観察時には分光手段を半透光状態にして光を撮像素子と観察用ファインダとに導き、撮影時には分光手段を遮光状態に制御する制御手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、跳ね上げミラーとしてハーフミラーを用いた一眼レフタイプのデジタルカメラに関し、特に、撮影時にファインダを通してカメラ内に導入される迷光を遮光する機能を有する跳ね上げハーフミラーを備えた一眼レフデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルカメラには種々のタイプのものがあるが、レンズシャッタタイプのデジタルカメラにおいて、撮影しようとする画像は、撮影光学系を通して観察されるのではなく、別体に設けられたファインダ光学系を通して観察されている。ところが、このようなタイプのカメラでは、変倍比が大きくなったり、近距離撮影の場合、パララックスにより撮影時に観察した画像と実際に撮影された画像との範囲がずれてしまうという問題がある。このような問題を解消するために、一眼レフタイプのデジタルカメラも提供されている。
【0003】一眼レフデジタルカメラには種々のタイプのものがあるが、跳ね上げミラーとしては、一般に、全反射ミラーを採用している。このタイプの一眼レフデジタルカメラにおいて、この全反射ミラーは、撮影者がファインダを通して観察している間、光軸に対して45度傾斜した位置(ファインダ観察位置)に配置されている。全反射ミラーがファインダ観察位置にある場合、撮影レンズを通った光が撮像素子に到達しないので、撮像素子によってオートフォーカスしたり、露出を確認したり、ホワイトバランスを調整したりすることができないという問題がある。
【0004】また、上記の全反射ミラーの代りにハーフプリズムを採用した一眼レフデジタルカメラも提供されている。このタイプの一眼レフデジタルカメラでは、撮影レンズを通った光を撮像素子とファインダとに常に分光することもできるが、この場合、撮影素子への光量が約半分になってしまい、画像が暗くなったり、撮影条件が制限されるという問題がある。
【0005】このような問題に対して、跳ね上げミラーとしてハーフミラーを採用した一眼レフデジタルカメラが提案されている。このタイプのカメラを図1に示す。図1において、撮影レンズ1を通った光は、ハーフミラー2によって、固体撮像素子3に対する画像形成用の光と、ファインダの接眼部9を通した画像観察用の光との2つに分割される。そして、撮影者は、撮影しようとする画像をファインダを通して観察することができるとともに、固体撮像素子3から取り込まれた画像データに基づいて種々の調整や設定を行うことができる。その後、実際に撮影する際には、図2に示すように、ハーフミラー2が矢印aの方向に跳ね上げられて、撮影レンズ1からの全光量が固体撮像素子3に導かれて撮影に利用される。その結果、利用される光量が、プリズムを使用した場合の約2倍となるので、撮影条件が制限されにくくなり、より広い撮影条件での撮影が可能になる。
【0006】しかしながら、跳ね上げミラーとしてハーフミラー2を用いた一眼レフデジタルカメラには、次のような問題がある。
【0007】すなわち、図2に示すように、日中において撮影するとき、太陽Sの光は、矢印bで示すように、ファインダの接眼部9から有害な外光、すなわち迷光としてカメラ内に入射される。撮影時には、ハーフミラー2は跳ね上げられた位置にあるので、迷光は、半透光であるハーフミラー2を透過したあと、カメラボディ20の内壁面で反射して固体撮像素子3にも到達する。したがって、このような迷光は、ゴーストやフレアーとして撮影された画像に悪影響を与えたり、露出誤差要因になったりする。特に、セルフタイマを使用して撮影する場合、あるいは、背面に設けられた背面液晶表示部5を観察しながら撮影する場合には、撮影者の顔がファインダの接眼部9から離れて接眼部9が撮影者の顔で覆われることがなくなるために、このような迷光現象が顕著になる。
【0008】また、撮影中にハーフミラー2を上げている間は、撮影レンズ1を通った光が撮像素子3のみに導かれてファインダに導かれることがないので、当然のことながら、撮影者は撮影中の画像をファインダを通して観察できないという問題を有している。すなわち、撮影者は、撮影中の画像に撮影ミスがないかどうかをファインダを通して直ちに視認できないという問題を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の解決すべき主たる技術的課題は、跳ね上げハーフミラーを備えた一眼レフデジタルカメラにおいて、撮影する際に跳ね上げハーフミラーが跳ね上げられた時に、ファインダからの迷光が逆入射しないようにすることである。
【0010】また、本発明の解決すべき他の技術的課題は、撮影中に跳ね上げハーフミラーが跳ね上げられていても、ファインダを通して画像を観察できるようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用・効果】上記技術的課題を解決するために、本発明によれば、以下の構成のデジタルカメラが提供される。
【0012】本発明に係るデジタルカメラは、撮影レンズと、撮影レンズを通った光を観察するファインダと、撮影レンズを透過した光を光電変換する撮像素子と、透過率を変化させることができるとともに、撮影レンズを透過した光を撮像素子とファインダとに分光する分光手段と、観察時には撮像素子と観察用ファインダとに分光する位置に分光手段を移動させる一方、撮影時には退避して撮像素子のみに光を与える位置に分光手段を移動させる分光手段駆動手段と、観察時には分光手段を半透光状態にして光を撮像素子と観察用ファインダとに導き、撮影時には分光手段を遮光状態に制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】上記構成によれば、撮影時に分光手段が退避位置に移動しているときに、分光手段が遮光状態になっているので、ファインダの接眼部から入射した外光が分光手段によってそれ以上カメラ内部に進入することが阻止される。その結果、外光が撮像素子に進入することがないので、ゴーストあるいはフレアーの発生を防止することができる。
【0014】好ましくは、上記分光手段は、透過率可変の液晶板からなる。
【0015】上記構成によれば、液晶板の透過率を変化させることによって、分光手段を半透光状態又は遮光状態に切り換えることができる。すなわち、液晶板の各画素に対する印加電圧を制御することにより、分光手段としての液晶板の透光状態を半透光状態及び遮光状態に変えることができるので、分光手段の簡略化、小型化、及び低消費電力化を図ることができる。
【0016】上記分光手段は、透過率可変の液晶板をハーフミラー上に設けた構成とすることができる。
【0017】上記構成によれば、液晶板の透過率を変化させることによって、分光手段を半透光状態又は遮光状態に切り換えることができる。すなわち、液晶板の各画素に対する印加電圧を制御することにより、液晶板とハーフミラーとからなる分光手段を半透光状態及び遮光状態に変えることができるので、分光手段の簡略化、小型化、及び低消費電力化を図ることができる。
【0018】好ましくは、上記分光手段は、退避状態にあるときには、撮像素子に取り込まれた画像を表示する。
【0019】上記構成によれば、撮影者は、分光手段が退避位置に位置している間、常に、ファインダを通して撮影画像を確認することができ、ブラックアウトすることがないため、安心感を得ることができる。
【0020】好ましくは、複数枚の撮影を連続的に行う連続撮影手段を有し、分光手段駆動手段は、連続撮影が終了するまで分光手段を退避位置に保持する。
【0021】上記構成によれば、連続撮影する際に、分光手段が分光手段駆動手段により退避位置に保持されているので、分光手段が連続撮影中に分光手段を分光位置と退避位置との間を往復する場合と比較して、機械的に駆動されることがない分だけ、高速連続撮影が可能になるとともに、連続撮影システムの信頼性を高めたり、消費電力を低減させたりすることができる。また、液晶への表示を連続的に切換えた場合には、そのとき撮影しようとする被写体像を表示することになるため、被写体像をファインダで連続的に確認することができる。
【0022】好ましくは、分光手段駆動手段は、撮影した画像の表示された分光手段を退避させているときに、その退避位置に所定時間保持する。
【0023】上記構成によれば、任意の設定時間、撮影した画像が分光手段に表示されているので、設定時間の間いつでも、撮影者はファインダを通して、撮影画像のスミアー、輝度、色、ピント等が所望のものになっているのか否かを確認することができる。その結果、不要な画像を撮影することがなくなるので、撮影者は快適に撮影ができて、撮影ミスが少なくなる。
【0024】好ましくは、分光手段復帰指示手段を有し、分光手段駆動手段は、分光手段を退避させているときに、分光手段復帰指示手段の指示に基づいて分光手段を復帰させる。
【0025】上記構成によれば、撮影画像のスミアー、輝度、色、ピント等が所望のものになっているのか否かをファインダを通して確認した後、撮影者が分光手段復帰指示手段を操作することにより、撮影者の意図する任意のタイミングで分光手段を退避位置から分光位置に復帰させて、次の撮影準備に直ちに移ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態に係るデジタルカメラについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】図3は、本発明に係るデジタルカメラの要部断面図である。その基本構造は周知であり、図1及び2に示した従来の構成と比較して、通常のハーフミラーの代りに液晶ハーフミラー22を用いているところが異なっている。
【0028】図3において、20はカメラボディである。カメラボディ20の前面には、撮影レンズ1が、その背面には、ファインダ9及び背面液晶表示部19が、上面には、不図示の撮影用ボタンが、それぞれ、設けられている。
【0029】カメラボディ20内には、撮影光学系とファインダ光学系とが収納されている。
【0030】撮影光学系は、撮影レンズ1と、絞り7と、シャッター8と、分光手段としての液晶ハーフミラー22と、固体撮像素子3とを備え、それらが光軸上に配置されている。
【0031】ファインダ光学系は、液晶ハーフミラー22と、ファインダ反射ミラー15と、ファインダレンズ4と、ファインダ接眼部9とを備え、液晶ハーフミラー22で分割された撮影レンズ1からの光を撮影者の目Eに導くためのものである。
【0032】分光手段としての液晶ハーフミラー22は、種々の構成のものを用いることができる。例えば、液晶ハーフミラー22としては、微小な画素が多数形成された透過率可変の液晶板を用いることができる。透過率可変の液晶板は、その各画素に対する印加電圧を制御することによって、液晶板が半透光状態及び遮光状態に変化する。その結果、液晶ハーフミラー22が半透光状態及び遮光状態に変化する。すなわち、遮光状態の画素部分と、透光状態の画素部分とが略均一に分散されて、液晶板の透過率が全体として半透光状態になるように印加電圧を個別に制御することができる。また、微小画素のそれぞれが半透光状態になるように印加電圧を制御して、液晶板を全体として半透光状態にすることもできる。このように、各画素に対する印加電圧を制御することにより、分光手段としての液晶板を半透光状態及び遮光状態に変えることができるので、分光手段の簡略化、小型化、及び低消費電力化に有効である。
【0033】さらに、液晶ハーフミラー22は、ハーフミラーの上方又はハーフミラー上に(すなわち、ファインダ側に)、上記と同様の液晶板を設けた構成にすることができる。また、液晶ハーフミラー22は、液晶板のガラス部上に半透光膜を形成した構成にすることができる。透過率可変の液晶板とハーフミラーとを備える液晶ハーフミラー22においては、液晶板の各画素に対する印加電圧を制御することにより、液晶板の透光状態が変化し、その結果、液晶ハーフミラー22が半透光状態及び遮光状態に変化する。したがって、各画素に対する印加電圧を制御することにより、液晶ハーフミラー22を半透光状態及び遮光状態に変えることができるので、分光手段の簡略化、小型化、及び低消費電力化に有効である。
【0034】液晶ハーフミラー22は、シャッターボタンの押下前及び撮影終了時に、通常のハーフミラーとして働くように制御される。すなわち、撮影レンズ1から入射した光は、絞り7及びシャッター8を通過したあと、略半分の光は、液晶ハーフミラー22を透過し、固体撮像素子3上に結像される。残りの略半分の光は、液晶ハーフミラー22で反射されて、さらにファインダ反射ミラー15で反射されたあと、ファインダレンズ4で集光されて、撮影者の目Eに結像される。
【0035】液晶ハーフミラー22は、液晶ハーフミラー駆動手段25によって、図3に示すように、光軸に対して45度の角度に傾斜して撮影レンズ1からの光をファインダと固体撮像素子3とに分光する位置(分光位置)と、図4に示すように、跳ね上げられて撮影レンズ1からの光をファインダに分光しない位置(退避位置)とを取るようにミラー駆動回路12によって制御されている。
【0036】液晶ハーフミラー駆動手段25は、種々の形態のものを用いることができる。例えば、図3及び4に示すように、液晶ハーフミラー駆動手段25は、例えば、ソレノイドやばねチャージ機構により回転又は進退する駆動機構の先端に取り付けられたウォーム25aと、これに係合するウォームホィール25bとで構成することができる。液晶ハーフミラー駆動手段25において、液晶ハーフミラー22がウォームホィール25bと一体的に回転するように、液晶ハーフミラー22がウォームホィール25bと連結されている。したがって、液晶ハーフミラー駆動手段25の作動スイッチをオンにすると、図3のように、光軸に対して45度の角度に傾斜した位置、すなわち分光位置にある液晶ハーフミラー22は、ウォームホィール25bの回転軸を回転中心として回転して、矢印aの方向に跳ね上げられ、図4のように、光軸に対して平行位置、すなわち退避位置を取る。
【0037】カメラの種々の動作は、図5に示すように、マイコン10によって制御されている。マイコン10には、固体撮像素子3からの電気信号を処理する画像処理回路6と、液晶ハーフミラー22の液晶の透光状態(全透光状態、半透光状態、遮光状態等)を制御したり、画像処理回路6で得られた画像を表示する液晶駆動回路11と、液晶ハーフミラー22を分光位置と退避位置とに高速で駆動するミラー駆動回路12と、測定された露出条件から得られた最適なシャッター速度と絞り値に制御するシャッター・絞り駆動回路13と、撮影レンズ1の焦点を自動調整するためのAF回路14と、画像処理回路6で得られた画像を表示する背面液晶表示部19とが接続されている。また、マイコン10には、撮影準備のために測光、測距、演算処理、撮影レンズ1のAF制御を行うためのスイッチS1、露光動作を行うためのスイッチS2、連写モードを設定するためのスイッチScが接続されている。スイッチS1は、さらに、液晶ハーフミラー22に表示された本撮影画像を非表示に復帰させるためのスイッチを兼用することができる。
【0038】このデジタルカメラの動作は、マイコン10及びこれに接続されたROM(不図示)内に格納されたプログラムにより制御される。
【0039】図8〜12は、各種撮影モードのフローチャートを示す。すなわち、図8はメインフローチャートである通常撮影モード(第1撮影モード)のフローチャートを、図9は液晶ハーフミラーが退避位置にあるときに画像を表示させるモード(第2撮影モード)のフローチャートを、図10は連写撮影モード(第3撮影モード)のフローチャートを、図11は画像の表示された液晶ハーフミラーを所定時間後に非表示状態に自動復帰させるモード(第4撮影モード)のフローチャートを、図12は液晶ハーフミラーに表示された画像を復帰スイッチで非表示状態に復帰させるモード(第5撮影モード)のフローチャートを、それぞれ示している。
【0040】次に、図3、4、5及び8を参照して、第1の実施形態に係るデジタルカメラの第1撮影モードについて説明する。
【0041】撮影前において、液晶ハーフミラー22は、図3に示すように、光軸に対して45度に傾斜した分光位置に保持されている。液晶板からなる液晶ハーフミラー22は、各画素に対する印加電圧が個別に制御されて略半透光状態になり、通常のハーフミラーと同じように、入射光の略半分が透過及び残りの略半分が反射する。すなわち、撮影レンズ1を通った光の略半分は、液晶ハーフミラー22を透過して固体撮像素子3上に導かれる。残りの略半分の光は、液晶ハーフミラー22により上方に反射され、この反射光は、ファインダミラー15で反射したあとファインダレンズ4を通ってファインダの接眼部9に導かれる。
【0042】撮影準備としてシャッタボタンを軽く押す(半押しする)とスイッチS1が閉じられて、固体撮像素子3からの画像データがマイコン10に入力されたあと、所定の演算式に従って演算されて、適正な露出値が決定される。この露出値に基づいて、絞り7の開口径、シャッター8の速度、ホワイトバランス値等の最適パラメータが決定される。
【0043】また、撮影レンズ1の一部を光軸方向にわずかに駆動させたときに、固体撮像素子3に取り込まれた画像データをもとに、合焦点の度合いが評価される。この評価値に基づいて撮影レンズ1の一部を合焦点位置に移動させることによって、ピントを合わすことができる。それと同時に、撮影レンズ1を通った光の一部は、上述したように、液晶ハーフミラー22で反射したあとファインダレンズ4を通ってファインダの接眼部9に導かれているので、撮影者は、ファインダの接眼部9を通して、撮影しようとする画像をリアルタイムに確認することができる。なお、この時、固体撮像素子3からの画像データにより、ボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。
【0044】この後、観察者がシャッタボタンをさらに押す(全押しする)と、スイッチS2が閉じられて、本撮影モードに入る。
【0045】本撮影モードに入ると、液晶ハーフミラー駆動手段25におけるモータが作動して、液晶ハーフミラー22の取り付けられたウォームホィール25bの回転軸を中心にして、液晶ハーフミラー22の撮影レンズ1側の端部が矢印aの方向、すなわち上向きに回転する。液晶ハーフミラー22は、図4に示すように、跳ね上げられて、略水平な状態、すなわち退避位置に保持される(#110)。このとき、不図示の液晶ハーフミラー22の位置検出手段によって、液晶ハーフミラー22が完全に退避した位置にあることが確認される。その後、マイコン10からの信号によって、液晶板が遮光状態になるように、液晶駆動回路11が駆動されて、液晶ハーフミラー22が遮光状態になる(#112)。この結果、図4に示すような、矢印bのような迷光がファインダの接眼部9からカメラ内部に入射しても、迷光が液晶ハーフミラー22のところで遮光される。したがって、外部からの迷光が液晶ハーフミラー22よりカメラ内部に進入することが防止されて、固体撮像素子3に迷光が入射することはない。
【0046】図4のように、液晶ハーフミラー22が遮光状態で跳ね上げられているとき、デジタルカメラは、上述したように、最適化された露光条件に基づいて、絞り7が開口し、シャッタースピードで撮影される(#114)。このとき、撮影レンズ1を通った光は、全て、固体撮像素子3に導かれて、撮影に利用されるので、撮影可能な範囲が広がる。
【0047】撮影が終わると、マイコン10からの信号によって、液晶ハーフミラー22が半透光・半反射状態になるように、液晶駆動回路11が駆動される(#116)。そのあと、液晶ハーフミラー駆動手段25におけるモータが上記と逆方向に作動して、液晶ハーフミラー22は、図3に示すように、光軸に対して45度に傾斜した分光位置(ミラーダウン位置)に再び保持される(#118)。
【0048】なお、液晶ハーフミラー22として、透過率可変の液晶板をハーフミラー上に設けた構成のものを用いた場合、液晶板の各画素に対する印加電圧を個別に制御することにより、液晶ハーフミラー22を半透光状態又は遮光状態にすることができる。また、液晶板の全ての画素に対して所定の電圧を一括して印加する制御方法を用いることができる。この場合、液晶板が透光状態又は遮光状態になるように印加電圧を一括制御すると、ハーフミラーを備えた液晶ハーフミラー22は、それぞれ、半透光状態又は遮光状態になる。したがって、印加電圧を一括制御する方法は、印加電圧を個別制御する場合と比較して、制御方法が簡単であり、制御回路が簡略化される。
【0049】次に、図3、4、5及び9を参照して、第1の実施形態に係るデジタルカメラの第2撮影モードについて説明する。
【0050】第2撮影モードでは、第1撮影モードで説明したのと大略同じ構成のデジタルカメラが使用されるが、固体撮像素子3からの画像データを液晶板上に表示させる。このとき、液晶板は、TN型液晶あるいはTFT型液晶を用いることができるとともに、白黒表示あるいはカラー表示とすることができる。
【0051】図9は、退避位置にある液晶ハーフミラー22に画像を表示させるモードのフローチャートを示している。まず、液晶ハーフミラー22は図3に示す分光位置にあり、撮影準備としてシャッタボタンを半押しするとスイッチS1が閉じられて、固体撮像素子3に導かれた光が光電変換され、画像処理回路6により撮影前の画像データが形成される。この画像データに基づいて撮影条件が設定される。次に、シャッタボタンを全押しするとスイッチS2が閉じられて、本撮影モードに入り、図4のように、液晶ハーフミラー22を退避位置に移動させる(#120)。その直後、ファインダからは撮影レンズ1からの画像が見えなくなるが、マイコン10からの信号によって、液晶駆動回路11が駆動されて、画像データが液晶ハーフミラー22の液晶板に表示される(#122)。この時、固体撮像素子からの画像データにより、ボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。
【0052】次に、第1撮影モードで示したような本撮影動作(#124)を行い、本撮影(#124)が終わると、マイコン10からの信号によって、画像の表示は消されて液晶ハーフミラー22が半透光・半反射状態になるように、液晶駆動回路11が駆動される(#126)。すなわち、画像が表示されるのは、ミラーアップ後から、液晶ハーフミラー22が分光位置に戻るまでの間といった短時間である。そのあと、液晶ハーフミラー駆動手段25によって駆動され、液晶ハーフミラー22は、図3に示すように、光軸に対して45度に傾斜した分光位置(ミラーダウン位置)に再び保持される(#128)。撮影された画像は、ボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19に表示される。このような撮影モードでは、常にファインダを通して撮影画像を確認することができ、ブラックアウトすることがないため、安心感を得ることができる。
【0053】図3、4、5及び10を参照して、第1の実施形態に係るデジタルカメラの第3撮影モードについて説明する。第3撮影モードでは、第2撮影モードのところで用いたのと同じ構成のデジタルカメラを使用する。
【0054】図10は、退避位置にある液晶ハーフミラー22に画像を表示させるとともに連続撮影するモードのフローチャートを示している。まず、液晶ハーフミラー22は図3に示す分光位置にあり、撮影準備として連写モードを設定するためのスイッチScをオンにした後に連写する枚数をセットする。シャッタボタンを半押しするとスイッチS1が閉じられて、撮影レンズ1からの光が固体撮像素子3で光電変換され、画像処理回路6により画像データが形成される。この画像データに基づいて撮影条件が設定される。次に、シャッタボタンを全押しするとスイッチS2が閉じられて、本撮影モードに入り、図4に示すように、液晶ハーフミラー22を退避位置に移動させる(#140)。その直後、ファインダからは撮影レンズ1からの画像が見えなくなるが、マイコン10からの信号によって、液晶駆動回路11が駆動されて、画像データが液晶ハーフミラー22の液晶板に表示される(#142)。この時、固体撮像素子3からの画像データによりボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。次に、撮影動作が行われ(#144)、所定枚数の連写撮影が行われたか否かが判断される(#146)。所定枚数に達していなければ、所定枚数になるまで、液晶ハーフミラー22を退避位置に保持した状態で、所定枚数の画像が連続撮影される。
【0055】連続撮影が終わると、マイコン10からの信号によって、画像の表示は消されて液晶ハーフミラー22が半透光・半反射状態になるように、液晶駆動回路11が駆動される(#148)。すなわち、画像が表示されるのは、ミラーアップ後から、液晶ハーフミラー22が分光位置に戻るまでの間の連続撮影枚数に応じた所定時間である。そのあと、液晶ハーフミラー駆動手段25によって、液晶ハーフミラー22は、図3に示すように、光軸に対して45度に傾斜した分光位置(ミラーダウン位置)に再び保持される(#150)。この連続撮影モードでは、液晶ハーフミラー22が液晶ハーフミラー駆動手段25により退避位置に保持された状態で連続撮影を行っている。したがって、連続撮影中に液晶ハーフミラー22が分光位置と退避位置との間を往復する場合と比較して、液晶ハーフミラー22が物理的に移動しない分だけ、高速連続撮影が可能になるとともに、連続撮影システムの信頼性を高めたり、消費電力を低減させたりすることができる。また、撮影画像のスミアー、輝度、色、ピント等が所望のものになっているのか否かをファインダを通して確認することができる。その結果、不要な画像を撮影することがなくなるので、撮影ミスが減って、画像保存メモリを節約することができる。また、撮影準備及び本撮影のときも、ファインダだけを集中して覗くことによって画像を確認することができるので、ファインダや背面液晶表示部19に対して視線を撮影前後で動かすことが不要になり撮影作業が非常に楽になる。また、液晶への表示を連続撮影に応じて連続的に切換えた場合には、そのとき撮影しようとする被写体像を表示することになるため、被写体像をファインダで連続的に確認することができる。
【0056】図3、4、5及び11を参照して、第1の実施形態に係るデジタルカメラの第4撮影モードについて説明する。第4撮影モードでは、第2撮影モードのところで用いたのと同じ構成のデジタルカメラを使用する。
【0057】図11は、退避位置にある液晶ハーフミラー22に本撮影画像を所定時間表示させるモードのフローチャートを示している。まず、液晶ハーフミラー22は図3に示す分光位置にあり、撮影者が撮影した画像を表示する時間を予めセットする。そして、シャッタボタンを半押しするとスイッチS1が閉じられて、固体撮像素子3に導かれた光が光電変換され、画像処理回路6により画像データが形成される。この画像データに基づいて撮影条件が設定される。次に、シャッタボタンを全押しするとスイッチS2が閉じられて、本撮影モードに入り、図4のように、液晶ハーフミラー22を退避位置に移動させる(#160)。その直後、ファインダからは撮影レンズ1からの画像が見えなくなるが、マイコン10からの信号によって、液晶駆動回路11が駆動されて、画像データが液晶ハーフミラー22の液晶板に表示される(#162)。この時、固体撮像素子3からの画像データによりボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。本撮影(#164)が終わると、本撮影された画像が液晶ハーフミラー22上に表示される(#166)。本撮影画像が所定時間表示されたか否かが判断される(#168)。所定時間に達していなければ、さらに液晶ハーフミラー22上に表示される。この時、固体撮像素子からの画像データにより、ボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。
【0058】本撮影画像が所定時間表示されると、マイコン10からの信号によって、画像の表示は消されて液晶ハーフミラー22が半透光・半反射状態になるように、液晶駆動回路11が駆動される(#170)。すなわち、画像が表示されるのは、ミラーアップ後から、液晶ハーフミラー22が分光位置に戻るまでの設定された所定時間である。そのあと、液晶ハーフミラー駆動手段25によって駆動され、液晶ハーフミラー22は、図3に示すように、光軸に対して45度に傾斜した分光位置(ミラーダウン位置)に再び保持される(#172)。このような本撮影画像表示モードでは、任意の設定時間の間、本撮影画像が液晶ハーフミラー22に表示されているので、設定時間の間いつでも、撮影者はファインダを通して撮影画像を確認することができ、撮影画像のスミアー、輝度、色、ピント等が所望のものになっているのか否かをファインダを通して確認することができる。その結果、不要な画像を撮影することがなくなるので、撮影ミスが減って、画像保存メモリを節約することができる。また、撮影準備及び本撮影のときも、ファインダだけを集中して覗くことによって画像を確認することができるので、ファインダや背面液晶表示部19に対して視線を撮影前後で動かすことが不要になり撮影作業が非常に楽になる。
【0059】図3、4、5及び12を参照して、第1の実施形態に係るデジタルカメラの第5撮影モードについて説明する。第5撮影モードでは、第2撮影モードのところで用いたのと同じ構成のデジタルカメラを使用する。
【0060】図12は、退避位置にある液晶ハーフミラー22に本撮影画像を表示し、その表示時において復帰スイッチS1を押すことにより非表示状態に復帰させるモードのフローチャートを示している。まず、液晶ハーフミラー22は図3に示す分光位置にある。シャッタボタンを半押しするとスイッチS1が閉じられて、固体撮像素子3に導かれた光が光電変換され、画像処理回路6により画像データが形成される。この画像データに基づいて撮影条件が設定される。次に、シャッタボタンを全押しするとスイッチS2が閉じられ、本撮影モードに入り、図4のように、液晶ハーフミラー22を退避位置に移動させる(#180)。その直後、ファインダからは撮影レンズ1からの画像が見えなくなるが、マイコン10からの信号によって、液晶駆動回路11が駆動されて、画像データが液晶ハーフミラー22の液晶板に表示される(#182)。この時、固体撮像素子からの画像データにより、ボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。本撮影(#184)が終わると、本撮影された画像が液晶ハーフミラー22上に表示される(#186)。次に、復帰スイッチとしてのスイッチS1が押されたか否かが判断される(#188)。復帰スイッチS1が押されていなければ、本撮影画像が所定時間表示されたか否かが判断される(#189)。これは、もし復帰スイッチS1が押されなければ表示し続けることになるため、所定時間(予めカメラにセットされていても、撮影者がセットしてもよい)が経過したら、液晶ハーフミラー22を強制的に復帰されるようにしているのである。所定時間に達していなければ、本撮影画像はさらに液晶ハーフミラー22上に表示される。所定時間に達していれば、液晶ハーフミラー22上に本撮影画像を表示することが中止され、次のステップに進む。一方、画像の表示中に撮影者が復帰スイッチS1を押せば、次のステップに進む。この時、固体撮像素子からの画像データにより、ボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。
【0061】次に、マイコン10からの信号によって、液晶ハーフミラー22が半透光・半反射状態になるように、液晶駆動回路11が駆動される(#190)。すなわち、画像が表示されるのは、ミラーアップ後から、液晶ハーフミラー22が分光位置に戻るまでの、撮影後にスイッチS1が押されるまで、あるいは押されない場合には所定時間である。そのあと、液晶ハーフミラー駆動手段25によって、液晶ハーフミラー22は、図3に示すように、光軸に対して45度に傾斜した分光位置(ミラーダウン位置)に再び保持される(#192)。このような撮影モードでは、撮影者の意図する任意のタイミングで、本撮影画像の表示された液晶ハーフミラー22を表示状態から非表示状態に復帰させて、次の撮影に移ることができる。したがって、撮影画像のスミアー、輝度、色、ピント等が所望のものになっているのか否かをファインダを通して確認することができる。その結果、不要な画像を撮影することがなくなるので、撮影ミスが減って、画像保存メモリを節約することができる。また、撮影準備及び本撮影のときも、ファインダだけを集中して覗くことによって画像を確認することができるので、ファインダや背面液晶表示部19に対して視線を撮影前後で動かすことが不要になり撮影作業が非常に楽になる。なお、ここでは、液晶ハーフミラー22の復帰手段として、スイッチS1を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、別部材を設けても良い。
【0062】次に、図6及び7を参照して、デジタルカメラの他の実施形態について説明する。
【0063】図6は、本発明の他の実施形態に係るデジタルカメラの要部断面図であり、液晶ハーフミラー22が分光位置にあることを表わしている。また、図7は、図6の液晶ハーフミラーが退避位置にあることを示す要部断面図である。図6及び7に示した実施形態のデジタルカメラは、基本的に、第1の実施形態と同一に構成されるが、カメラのボディ20の背面に背面液晶表示板19を備えていない点が、第1の実施形態と異なっている。
【0064】この実施形態のデジタルカメラにおいても、上記の第1の実施形態のデジタルカメラのところで説明したのと同様に、上述した第1撮影モード〜第5撮影モードに従って各種撮影を行うことができる。本実施形態のデジタルカメラは背面液晶表示板19を備えていないので、固体撮像素子3に取り込まれた画像は、全て、退避位置にある液晶ハーフミラー22の液晶板に表示される。したがって、第1の実施形態のデジタルカメラのところで説明した第2撮影モード〜第5撮影モードにおいて、撮影前の画像及び本撮影画像は、いずれも、退避位置にある液晶ハーフミラー22の液晶板に表示され、撮影者はその表示画像のみに注視すればよい。背面液晶表示板19を備えていないので、デジタルカメラを小型・軽量化できるとともに、消費電力を少なくすることができる。また、撮影者は撮影時にファインダの覗くだけでよいので、撮影者は撮影に集中することができるために、撮影ミスが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のデジタルカメラの要部断面図である。
【図2】 第1図において液晶ハーフミラーを退避させた状態を示す要部断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの要部断面図である。
【図4】 第3図において液晶ハーフミラーを退避させた状態を示す要部断面図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラのブロック回路図である。
【図6】 本発明の他の実施形態に係るデジタルカメラの要部断面図である。
【図7】 第6図において液晶ハーフミラーを退避させた状態を示す要部断面図である。
【図8】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの通常撮影時のフローチャートである。
【図9】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラにおいて、液晶ハーフミラーが退避位置にあるときに画像を表示するフローチャートである。
【図10】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラにおいて、連写撮影時のフローチャートである。
【図11】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラにおいて、画像の表示された液晶ハーフミラーを所定時間後に非表示状態に自動復帰する時のフローチャートである。
【図12】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラにおいて、画像の表示された液晶ハーフミラーを復帰スイッチで非表示状態に復帰する時のフローチャートである。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
3 固体撮像素子
4 ファインダレンズ
6 画像処理回路
7 絞り
8 シャッター
9 接眼部
10 マイコン
11 液晶駆動回路
12 ミラー駆動回路
13 シャッター・絞り駆動回路
14 AF回路
15 ファインダミラー
19 背面液晶表示部
20 ボディ
22 液晶ハーフミラー
25 液晶ハーフミラー駆動手段
25a ウォーム
25b ウォームホィール
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、跳ね上げミラーとしてハーフミラーを用いた一眼レフタイプのデジタルカメラに関し、特に、撮影時にファインダを通してカメラ内に導入される迷光を遮光する機能を有する跳ね上げハーフミラーを備えた一眼レフデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルカメラには種々のタイプのものがあるが、レンズシャッタタイプのデジタルカメラにおいて、撮影しようとする画像は、撮影光学系を通して観察されるのではなく、別体に設けられたファインダ光学系を通して観察されている。ところが、このようなタイプのカメラでは、変倍比が大きくなったり、近距離撮影の場合、パララックスにより撮影時に観察した画像と実際に撮影された画像との範囲がずれてしまうという問題がある。このような問題を解消するために、一眼レフタイプのデジタルカメラも提供されている。
【0003】一眼レフデジタルカメラには種々のタイプのものがあるが、跳ね上げミラーとしては、一般に、全反射ミラーを採用している。このタイプの一眼レフデジタルカメラにおいて、この全反射ミラーは、撮影者がファインダを通して観察している間、光軸に対して45度傾斜した位置(ファインダ観察位置)に配置されている。全反射ミラーがファインダ観察位置にある場合、撮影レンズを通った光が撮像素子に到達しないので、撮像素子によってオートフォーカスしたり、露出を確認したり、ホワイトバランスを調整したりすることができないという問題がある。
【0004】また、上記の全反射ミラーの代りにハーフプリズムを採用した一眼レフデジタルカメラも提供されている。このタイプの一眼レフデジタルカメラでは、撮影レンズを通った光を撮像素子とファインダとに常に分光することもできるが、この場合、撮影素子への光量が約半分になってしまい、画像が暗くなったり、撮影条件が制限されるという問題がある。
【0005】このような問題に対して、跳ね上げミラーとしてハーフミラーを採用した一眼レフデジタルカメラが提案されている。このタイプのカメラを図1に示す。図1において、撮影レンズ1を通った光は、ハーフミラー2によって、固体撮像素子3に対する画像形成用の光と、ファインダの接眼部9を通した画像観察用の光との2つに分割される。そして、撮影者は、撮影しようとする画像をファインダを通して観察することができるとともに、固体撮像素子3から取り込まれた画像データに基づいて種々の調整や設定を行うことができる。その後、実際に撮影する際には、図2に示すように、ハーフミラー2が矢印aの方向に跳ね上げられて、撮影レンズ1からの全光量が固体撮像素子3に導かれて撮影に利用される。その結果、利用される光量が、プリズムを使用した場合の約2倍となるので、撮影条件が制限されにくくなり、より広い撮影条件での撮影が可能になる。
【0006】しかしながら、跳ね上げミラーとしてハーフミラー2を用いた一眼レフデジタルカメラには、次のような問題がある。
【0007】すなわち、図2に示すように、日中において撮影するとき、太陽Sの光は、矢印bで示すように、ファインダの接眼部9から有害な外光、すなわち迷光としてカメラ内に入射される。撮影時には、ハーフミラー2は跳ね上げられた位置にあるので、迷光は、半透光であるハーフミラー2を透過したあと、カメラボディ20の内壁面で反射して固体撮像素子3にも到達する。したがって、このような迷光は、ゴーストやフレアーとして撮影された画像に悪影響を与えたり、露出誤差要因になったりする。特に、セルフタイマを使用して撮影する場合、あるいは、背面に設けられた背面液晶表示部5を観察しながら撮影する場合には、撮影者の顔がファインダの接眼部9から離れて接眼部9が撮影者の顔で覆われることがなくなるために、このような迷光現象が顕著になる。
【0008】また、撮影中にハーフミラー2を上げている間は、撮影レンズ1を通った光が撮像素子3のみに導かれてファインダに導かれることがないので、当然のことながら、撮影者は撮影中の画像をファインダを通して観察できないという問題を有している。すなわち、撮影者は、撮影中の画像に撮影ミスがないかどうかをファインダを通して直ちに視認できないという問題を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の解決すべき主たる技術的課題は、跳ね上げハーフミラーを備えた一眼レフデジタルカメラにおいて、撮影する際に跳ね上げハーフミラーが跳ね上げられた時に、ファインダからの迷光が逆入射しないようにすることである。
【0010】また、本発明の解決すべき他の技術的課題は、撮影中に跳ね上げハーフミラーが跳ね上げられていても、ファインダを通して画像を観察できるようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用・効果】上記技術的課題を解決するために、本発明によれば、以下の構成のデジタルカメラが提供される。
【0012】本発明に係るデジタルカメラは、撮影レンズと、撮影レンズを通った光を観察するファインダと、撮影レンズを透過した光を光電変換する撮像素子と、透過率を変化させることができるとともに、撮影レンズを透過した光を撮像素子とファインダとに分光する分光手段と、観察時には撮像素子と観察用ファインダとに分光する位置に分光手段を移動させる一方、撮影時には退避して撮像素子のみに光を与える位置に分光手段を移動させる分光手段駆動手段と、観察時には分光手段を半透光状態にして光を撮像素子と観察用ファインダとに導き、撮影時には分光手段を遮光状態に制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】上記構成によれば、撮影時に分光手段が退避位置に移動しているときに、分光手段が遮光状態になっているので、ファインダの接眼部から入射した外光が分光手段によってそれ以上カメラ内部に進入することが阻止される。その結果、外光が撮像素子に進入することがないので、ゴーストあるいはフレアーの発生を防止することができる。
【0014】好ましくは、上記分光手段は、透過率可変の液晶板からなる。
【0015】上記構成によれば、液晶板の透過率を変化させることによって、分光手段を半透光状態又は遮光状態に切り換えることができる。すなわち、液晶板の各画素に対する印加電圧を制御することにより、分光手段としての液晶板の透光状態を半透光状態及び遮光状態に変えることができるので、分光手段の簡略化、小型化、及び低消費電力化を図ることができる。
【0016】上記分光手段は、透過率可変の液晶板をハーフミラー上に設けた構成とすることができる。
【0017】上記構成によれば、液晶板の透過率を変化させることによって、分光手段を半透光状態又は遮光状態に切り換えることができる。すなわち、液晶板の各画素に対する印加電圧を制御することにより、液晶板とハーフミラーとからなる分光手段を半透光状態及び遮光状態に変えることができるので、分光手段の簡略化、小型化、及び低消費電力化を図ることができる。
【0018】好ましくは、上記分光手段は、退避状態にあるときには、撮像素子に取り込まれた画像を表示する。
【0019】上記構成によれば、撮影者は、分光手段が退避位置に位置している間、常に、ファインダを通して撮影画像を確認することができ、ブラックアウトすることがないため、安心感を得ることができる。
【0020】好ましくは、複数枚の撮影を連続的に行う連続撮影手段を有し、分光手段駆動手段は、連続撮影が終了するまで分光手段を退避位置に保持する。
【0021】上記構成によれば、連続撮影する際に、分光手段が分光手段駆動手段により退避位置に保持されているので、分光手段が連続撮影中に分光手段を分光位置と退避位置との間を往復する場合と比較して、機械的に駆動されることがない分だけ、高速連続撮影が可能になるとともに、連続撮影システムの信頼性を高めたり、消費電力を低減させたりすることができる。また、液晶への表示を連続的に切換えた場合には、そのとき撮影しようとする被写体像を表示することになるため、被写体像をファインダで連続的に確認することができる。
【0022】好ましくは、分光手段駆動手段は、撮影した画像の表示された分光手段を退避させているときに、その退避位置に所定時間保持する。
【0023】上記構成によれば、任意の設定時間、撮影した画像が分光手段に表示されているので、設定時間の間いつでも、撮影者はファインダを通して、撮影画像のスミアー、輝度、色、ピント等が所望のものになっているのか否かを確認することができる。その結果、不要な画像を撮影することがなくなるので、撮影者は快適に撮影ができて、撮影ミスが少なくなる。
【0024】好ましくは、分光手段復帰指示手段を有し、分光手段駆動手段は、分光手段を退避させているときに、分光手段復帰指示手段の指示に基づいて分光手段を復帰させる。
【0025】上記構成によれば、撮影画像のスミアー、輝度、色、ピント等が所望のものになっているのか否かをファインダを通して確認した後、撮影者が分光手段復帰指示手段を操作することにより、撮影者の意図する任意のタイミングで分光手段を退避位置から分光位置に復帰させて、次の撮影準備に直ちに移ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態に係るデジタルカメラについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】図3は、本発明に係るデジタルカメラの要部断面図である。その基本構造は周知であり、図1及び2に示した従来の構成と比較して、通常のハーフミラーの代りに液晶ハーフミラー22を用いているところが異なっている。
【0028】図3において、20はカメラボディである。カメラボディ20の前面には、撮影レンズ1が、その背面には、ファインダ9及び背面液晶表示部19が、上面には、不図示の撮影用ボタンが、それぞれ、設けられている。
【0029】カメラボディ20内には、撮影光学系とファインダ光学系とが収納されている。
【0030】撮影光学系は、撮影レンズ1と、絞り7と、シャッター8と、分光手段としての液晶ハーフミラー22と、固体撮像素子3とを備え、それらが光軸上に配置されている。
【0031】ファインダ光学系は、液晶ハーフミラー22と、ファインダ反射ミラー15と、ファインダレンズ4と、ファインダ接眼部9とを備え、液晶ハーフミラー22で分割された撮影レンズ1からの光を撮影者の目Eに導くためのものである。
【0032】分光手段としての液晶ハーフミラー22は、種々の構成のものを用いることができる。例えば、液晶ハーフミラー22としては、微小な画素が多数形成された透過率可変の液晶板を用いることができる。透過率可変の液晶板は、その各画素に対する印加電圧を制御することによって、液晶板が半透光状態及び遮光状態に変化する。その結果、液晶ハーフミラー22が半透光状態及び遮光状態に変化する。すなわち、遮光状態の画素部分と、透光状態の画素部分とが略均一に分散されて、液晶板の透過率が全体として半透光状態になるように印加電圧を個別に制御することができる。また、微小画素のそれぞれが半透光状態になるように印加電圧を制御して、液晶板を全体として半透光状態にすることもできる。このように、各画素に対する印加電圧を制御することにより、分光手段としての液晶板を半透光状態及び遮光状態に変えることができるので、分光手段の簡略化、小型化、及び低消費電力化に有効である。
【0033】さらに、液晶ハーフミラー22は、ハーフミラーの上方又はハーフミラー上に(すなわち、ファインダ側に)、上記と同様の液晶板を設けた構成にすることができる。また、液晶ハーフミラー22は、液晶板のガラス部上に半透光膜を形成した構成にすることができる。透過率可変の液晶板とハーフミラーとを備える液晶ハーフミラー22においては、液晶板の各画素に対する印加電圧を制御することにより、液晶板の透光状態が変化し、その結果、液晶ハーフミラー22が半透光状態及び遮光状態に変化する。したがって、各画素に対する印加電圧を制御することにより、液晶ハーフミラー22を半透光状態及び遮光状態に変えることができるので、分光手段の簡略化、小型化、及び低消費電力化に有効である。
【0034】液晶ハーフミラー22は、シャッターボタンの押下前及び撮影終了時に、通常のハーフミラーとして働くように制御される。すなわち、撮影レンズ1から入射した光は、絞り7及びシャッター8を通過したあと、略半分の光は、液晶ハーフミラー22を透過し、固体撮像素子3上に結像される。残りの略半分の光は、液晶ハーフミラー22で反射されて、さらにファインダ反射ミラー15で反射されたあと、ファインダレンズ4で集光されて、撮影者の目Eに結像される。
【0035】液晶ハーフミラー22は、液晶ハーフミラー駆動手段25によって、図3に示すように、光軸に対して45度の角度に傾斜して撮影レンズ1からの光をファインダと固体撮像素子3とに分光する位置(分光位置)と、図4に示すように、跳ね上げられて撮影レンズ1からの光をファインダに分光しない位置(退避位置)とを取るようにミラー駆動回路12によって制御されている。
【0036】液晶ハーフミラー駆動手段25は、種々の形態のものを用いることができる。例えば、図3及び4に示すように、液晶ハーフミラー駆動手段25は、例えば、ソレノイドやばねチャージ機構により回転又は進退する駆動機構の先端に取り付けられたウォーム25aと、これに係合するウォームホィール25bとで構成することができる。液晶ハーフミラー駆動手段25において、液晶ハーフミラー22がウォームホィール25bと一体的に回転するように、液晶ハーフミラー22がウォームホィール25bと連結されている。したがって、液晶ハーフミラー駆動手段25の作動スイッチをオンにすると、図3のように、光軸に対して45度の角度に傾斜した位置、すなわち分光位置にある液晶ハーフミラー22は、ウォームホィール25bの回転軸を回転中心として回転して、矢印aの方向に跳ね上げられ、図4のように、光軸に対して平行位置、すなわち退避位置を取る。
【0037】カメラの種々の動作は、図5に示すように、マイコン10によって制御されている。マイコン10には、固体撮像素子3からの電気信号を処理する画像処理回路6と、液晶ハーフミラー22の液晶の透光状態(全透光状態、半透光状態、遮光状態等)を制御したり、画像処理回路6で得られた画像を表示する液晶駆動回路11と、液晶ハーフミラー22を分光位置と退避位置とに高速で駆動するミラー駆動回路12と、測定された露出条件から得られた最適なシャッター速度と絞り値に制御するシャッター・絞り駆動回路13と、撮影レンズ1の焦点を自動調整するためのAF回路14と、画像処理回路6で得られた画像を表示する背面液晶表示部19とが接続されている。また、マイコン10には、撮影準備のために測光、測距、演算処理、撮影レンズ1のAF制御を行うためのスイッチS1、露光動作を行うためのスイッチS2、連写モードを設定するためのスイッチScが接続されている。スイッチS1は、さらに、液晶ハーフミラー22に表示された本撮影画像を非表示に復帰させるためのスイッチを兼用することができる。
【0038】このデジタルカメラの動作は、マイコン10及びこれに接続されたROM(不図示)内に格納されたプログラムにより制御される。
【0039】図8〜12は、各種撮影モードのフローチャートを示す。すなわち、図8はメインフローチャートである通常撮影モード(第1撮影モード)のフローチャートを、図9は液晶ハーフミラーが退避位置にあるときに画像を表示させるモード(第2撮影モード)のフローチャートを、図10は連写撮影モード(第3撮影モード)のフローチャートを、図11は画像の表示された液晶ハーフミラーを所定時間後に非表示状態に自動復帰させるモード(第4撮影モード)のフローチャートを、図12は液晶ハーフミラーに表示された画像を復帰スイッチで非表示状態に復帰させるモード(第5撮影モード)のフローチャートを、それぞれ示している。
【0040】次に、図3、4、5及び8を参照して、第1の実施形態に係るデジタルカメラの第1撮影モードについて説明する。
【0041】撮影前において、液晶ハーフミラー22は、図3に示すように、光軸に対して45度に傾斜した分光位置に保持されている。液晶板からなる液晶ハーフミラー22は、各画素に対する印加電圧が個別に制御されて略半透光状態になり、通常のハーフミラーと同じように、入射光の略半分が透過及び残りの略半分が反射する。すなわち、撮影レンズ1を通った光の略半分は、液晶ハーフミラー22を透過して固体撮像素子3上に導かれる。残りの略半分の光は、液晶ハーフミラー22により上方に反射され、この反射光は、ファインダミラー15で反射したあとファインダレンズ4を通ってファインダの接眼部9に導かれる。
【0042】撮影準備としてシャッタボタンを軽く押す(半押しする)とスイッチS1が閉じられて、固体撮像素子3からの画像データがマイコン10に入力されたあと、所定の演算式に従って演算されて、適正な露出値が決定される。この露出値に基づいて、絞り7の開口径、シャッター8の速度、ホワイトバランス値等の最適パラメータが決定される。
【0043】また、撮影レンズ1の一部を光軸方向にわずかに駆動させたときに、固体撮像素子3に取り込まれた画像データをもとに、合焦点の度合いが評価される。この評価値に基づいて撮影レンズ1の一部を合焦点位置に移動させることによって、ピントを合わすことができる。それと同時に、撮影レンズ1を通った光の一部は、上述したように、液晶ハーフミラー22で反射したあとファインダレンズ4を通ってファインダの接眼部9に導かれているので、撮影者は、ファインダの接眼部9を通して、撮影しようとする画像をリアルタイムに確認することができる。なお、この時、固体撮像素子3からの画像データにより、ボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。
【0044】この後、観察者がシャッタボタンをさらに押す(全押しする)と、スイッチS2が閉じられて、本撮影モードに入る。
【0045】本撮影モードに入ると、液晶ハーフミラー駆動手段25におけるモータが作動して、液晶ハーフミラー22の取り付けられたウォームホィール25bの回転軸を中心にして、液晶ハーフミラー22の撮影レンズ1側の端部が矢印aの方向、すなわち上向きに回転する。液晶ハーフミラー22は、図4に示すように、跳ね上げられて、略水平な状態、すなわち退避位置に保持される(#110)。このとき、不図示の液晶ハーフミラー22の位置検出手段によって、液晶ハーフミラー22が完全に退避した位置にあることが確認される。その後、マイコン10からの信号によって、液晶板が遮光状態になるように、液晶駆動回路11が駆動されて、液晶ハーフミラー22が遮光状態になる(#112)。この結果、図4に示すような、矢印bのような迷光がファインダの接眼部9からカメラ内部に入射しても、迷光が液晶ハーフミラー22のところで遮光される。したがって、外部からの迷光が液晶ハーフミラー22よりカメラ内部に進入することが防止されて、固体撮像素子3に迷光が入射することはない。
【0046】図4のように、液晶ハーフミラー22が遮光状態で跳ね上げられているとき、デジタルカメラは、上述したように、最適化された露光条件に基づいて、絞り7が開口し、シャッタースピードで撮影される(#114)。このとき、撮影レンズ1を通った光は、全て、固体撮像素子3に導かれて、撮影に利用されるので、撮影可能な範囲が広がる。
【0047】撮影が終わると、マイコン10からの信号によって、液晶ハーフミラー22が半透光・半反射状態になるように、液晶駆動回路11が駆動される(#116)。そのあと、液晶ハーフミラー駆動手段25におけるモータが上記と逆方向に作動して、液晶ハーフミラー22は、図3に示すように、光軸に対して45度に傾斜した分光位置(ミラーダウン位置)に再び保持される(#118)。
【0048】なお、液晶ハーフミラー22として、透過率可変の液晶板をハーフミラー上に設けた構成のものを用いた場合、液晶板の各画素に対する印加電圧を個別に制御することにより、液晶ハーフミラー22を半透光状態又は遮光状態にすることができる。また、液晶板の全ての画素に対して所定の電圧を一括して印加する制御方法を用いることができる。この場合、液晶板が透光状態又は遮光状態になるように印加電圧を一括制御すると、ハーフミラーを備えた液晶ハーフミラー22は、それぞれ、半透光状態又は遮光状態になる。したがって、印加電圧を一括制御する方法は、印加電圧を個別制御する場合と比較して、制御方法が簡単であり、制御回路が簡略化される。
【0049】次に、図3、4、5及び9を参照して、第1の実施形態に係るデジタルカメラの第2撮影モードについて説明する。
【0050】第2撮影モードでは、第1撮影モードで説明したのと大略同じ構成のデジタルカメラが使用されるが、固体撮像素子3からの画像データを液晶板上に表示させる。このとき、液晶板は、TN型液晶あるいはTFT型液晶を用いることができるとともに、白黒表示あるいはカラー表示とすることができる。
【0051】図9は、退避位置にある液晶ハーフミラー22に画像を表示させるモードのフローチャートを示している。まず、液晶ハーフミラー22は図3に示す分光位置にあり、撮影準備としてシャッタボタンを半押しするとスイッチS1が閉じられて、固体撮像素子3に導かれた光が光電変換され、画像処理回路6により撮影前の画像データが形成される。この画像データに基づいて撮影条件が設定される。次に、シャッタボタンを全押しするとスイッチS2が閉じられて、本撮影モードに入り、図4のように、液晶ハーフミラー22を退避位置に移動させる(#120)。その直後、ファインダからは撮影レンズ1からの画像が見えなくなるが、マイコン10からの信号によって、液晶駆動回路11が駆動されて、画像データが液晶ハーフミラー22の液晶板に表示される(#122)。この時、固体撮像素子からの画像データにより、ボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。
【0052】次に、第1撮影モードで示したような本撮影動作(#124)を行い、本撮影(#124)が終わると、マイコン10からの信号によって、画像の表示は消されて液晶ハーフミラー22が半透光・半反射状態になるように、液晶駆動回路11が駆動される(#126)。すなわち、画像が表示されるのは、ミラーアップ後から、液晶ハーフミラー22が分光位置に戻るまでの間といった短時間である。そのあと、液晶ハーフミラー駆動手段25によって駆動され、液晶ハーフミラー22は、図3に示すように、光軸に対して45度に傾斜した分光位置(ミラーダウン位置)に再び保持される(#128)。撮影された画像は、ボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19に表示される。このような撮影モードでは、常にファインダを通して撮影画像を確認することができ、ブラックアウトすることがないため、安心感を得ることができる。
【0053】図3、4、5及び10を参照して、第1の実施形態に係るデジタルカメラの第3撮影モードについて説明する。第3撮影モードでは、第2撮影モードのところで用いたのと同じ構成のデジタルカメラを使用する。
【0054】図10は、退避位置にある液晶ハーフミラー22に画像を表示させるとともに連続撮影するモードのフローチャートを示している。まず、液晶ハーフミラー22は図3に示す分光位置にあり、撮影準備として連写モードを設定するためのスイッチScをオンにした後に連写する枚数をセットする。シャッタボタンを半押しするとスイッチS1が閉じられて、撮影レンズ1からの光が固体撮像素子3で光電変換され、画像処理回路6により画像データが形成される。この画像データに基づいて撮影条件が設定される。次に、シャッタボタンを全押しするとスイッチS2が閉じられて、本撮影モードに入り、図4に示すように、液晶ハーフミラー22を退避位置に移動させる(#140)。その直後、ファインダからは撮影レンズ1からの画像が見えなくなるが、マイコン10からの信号によって、液晶駆動回路11が駆動されて、画像データが液晶ハーフミラー22の液晶板に表示される(#142)。この時、固体撮像素子3からの画像データによりボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。次に、撮影動作が行われ(#144)、所定枚数の連写撮影が行われたか否かが判断される(#146)。所定枚数に達していなければ、所定枚数になるまで、液晶ハーフミラー22を退避位置に保持した状態で、所定枚数の画像が連続撮影される。
【0055】連続撮影が終わると、マイコン10からの信号によって、画像の表示は消されて液晶ハーフミラー22が半透光・半反射状態になるように、液晶駆動回路11が駆動される(#148)。すなわち、画像が表示されるのは、ミラーアップ後から、液晶ハーフミラー22が分光位置に戻るまでの間の連続撮影枚数に応じた所定時間である。そのあと、液晶ハーフミラー駆動手段25によって、液晶ハーフミラー22は、図3に示すように、光軸に対して45度に傾斜した分光位置(ミラーダウン位置)に再び保持される(#150)。この連続撮影モードでは、液晶ハーフミラー22が液晶ハーフミラー駆動手段25により退避位置に保持された状態で連続撮影を行っている。したがって、連続撮影中に液晶ハーフミラー22が分光位置と退避位置との間を往復する場合と比較して、液晶ハーフミラー22が物理的に移動しない分だけ、高速連続撮影が可能になるとともに、連続撮影システムの信頼性を高めたり、消費電力を低減させたりすることができる。また、撮影画像のスミアー、輝度、色、ピント等が所望のものになっているのか否かをファインダを通して確認することができる。その結果、不要な画像を撮影することがなくなるので、撮影ミスが減って、画像保存メモリを節約することができる。また、撮影準備及び本撮影のときも、ファインダだけを集中して覗くことによって画像を確認することができるので、ファインダや背面液晶表示部19に対して視線を撮影前後で動かすことが不要になり撮影作業が非常に楽になる。また、液晶への表示を連続撮影に応じて連続的に切換えた場合には、そのとき撮影しようとする被写体像を表示することになるため、被写体像をファインダで連続的に確認することができる。
【0056】図3、4、5及び11を参照して、第1の実施形態に係るデジタルカメラの第4撮影モードについて説明する。第4撮影モードでは、第2撮影モードのところで用いたのと同じ構成のデジタルカメラを使用する。
【0057】図11は、退避位置にある液晶ハーフミラー22に本撮影画像を所定時間表示させるモードのフローチャートを示している。まず、液晶ハーフミラー22は図3に示す分光位置にあり、撮影者が撮影した画像を表示する時間を予めセットする。そして、シャッタボタンを半押しするとスイッチS1が閉じられて、固体撮像素子3に導かれた光が光電変換され、画像処理回路6により画像データが形成される。この画像データに基づいて撮影条件が設定される。次に、シャッタボタンを全押しするとスイッチS2が閉じられて、本撮影モードに入り、図4のように、液晶ハーフミラー22を退避位置に移動させる(#160)。その直後、ファインダからは撮影レンズ1からの画像が見えなくなるが、マイコン10からの信号によって、液晶駆動回路11が駆動されて、画像データが液晶ハーフミラー22の液晶板に表示される(#162)。この時、固体撮像素子3からの画像データによりボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。本撮影(#164)が終わると、本撮影された画像が液晶ハーフミラー22上に表示される(#166)。本撮影画像が所定時間表示されたか否かが判断される(#168)。所定時間に達していなければ、さらに液晶ハーフミラー22上に表示される。この時、固体撮像素子からの画像データにより、ボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。
【0058】本撮影画像が所定時間表示されると、マイコン10からの信号によって、画像の表示は消されて液晶ハーフミラー22が半透光・半反射状態になるように、液晶駆動回路11が駆動される(#170)。すなわち、画像が表示されるのは、ミラーアップ後から、液晶ハーフミラー22が分光位置に戻るまでの設定された所定時間である。そのあと、液晶ハーフミラー駆動手段25によって駆動され、液晶ハーフミラー22は、図3に示すように、光軸に対して45度に傾斜した分光位置(ミラーダウン位置)に再び保持される(#172)。このような本撮影画像表示モードでは、任意の設定時間の間、本撮影画像が液晶ハーフミラー22に表示されているので、設定時間の間いつでも、撮影者はファインダを通して撮影画像を確認することができ、撮影画像のスミアー、輝度、色、ピント等が所望のものになっているのか否かをファインダを通して確認することができる。その結果、不要な画像を撮影することがなくなるので、撮影ミスが減って、画像保存メモリを節約することができる。また、撮影準備及び本撮影のときも、ファインダだけを集中して覗くことによって画像を確認することができるので、ファインダや背面液晶表示部19に対して視線を撮影前後で動かすことが不要になり撮影作業が非常に楽になる。
【0059】図3、4、5及び12を参照して、第1の実施形態に係るデジタルカメラの第5撮影モードについて説明する。第5撮影モードでは、第2撮影モードのところで用いたのと同じ構成のデジタルカメラを使用する。
【0060】図12は、退避位置にある液晶ハーフミラー22に本撮影画像を表示し、その表示時において復帰スイッチS1を押すことにより非表示状態に復帰させるモードのフローチャートを示している。まず、液晶ハーフミラー22は図3に示す分光位置にある。シャッタボタンを半押しするとスイッチS1が閉じられて、固体撮像素子3に導かれた光が光電変換され、画像処理回路6により画像データが形成される。この画像データに基づいて撮影条件が設定される。次に、シャッタボタンを全押しするとスイッチS2が閉じられ、本撮影モードに入り、図4のように、液晶ハーフミラー22を退避位置に移動させる(#180)。その直後、ファインダからは撮影レンズ1からの画像が見えなくなるが、マイコン10からの信号によって、液晶駆動回路11が駆動されて、画像データが液晶ハーフミラー22の液晶板に表示される(#182)。この時、固体撮像素子からの画像データにより、ボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。本撮影(#184)が終わると、本撮影された画像が液晶ハーフミラー22上に表示される(#186)。次に、復帰スイッチとしてのスイッチS1が押されたか否かが判断される(#188)。復帰スイッチS1が押されていなければ、本撮影画像が所定時間表示されたか否かが判断される(#189)。これは、もし復帰スイッチS1が押されなければ表示し続けることになるため、所定時間(予めカメラにセットされていても、撮影者がセットしてもよい)が経過したら、液晶ハーフミラー22を強制的に復帰されるようにしているのである。所定時間に達していなければ、本撮影画像はさらに液晶ハーフミラー22上に表示される。所定時間に達していれば、液晶ハーフミラー22上に本撮影画像を表示することが中止され、次のステップに進む。一方、画像の表示中に撮影者が復帰スイッチS1を押せば、次のステップに進む。この時、固体撮像素子からの画像データにより、ボディ20の背面に設けられた背面液晶表示部19にファインダで確認できるものと同様の画像を表示している。
【0061】次に、マイコン10からの信号によって、液晶ハーフミラー22が半透光・半反射状態になるように、液晶駆動回路11が駆動される(#190)。すなわち、画像が表示されるのは、ミラーアップ後から、液晶ハーフミラー22が分光位置に戻るまでの、撮影後にスイッチS1が押されるまで、あるいは押されない場合には所定時間である。そのあと、液晶ハーフミラー駆動手段25によって、液晶ハーフミラー22は、図3に示すように、光軸に対して45度に傾斜した分光位置(ミラーダウン位置)に再び保持される(#192)。このような撮影モードでは、撮影者の意図する任意のタイミングで、本撮影画像の表示された液晶ハーフミラー22を表示状態から非表示状態に復帰させて、次の撮影に移ることができる。したがって、撮影画像のスミアー、輝度、色、ピント等が所望のものになっているのか否かをファインダを通して確認することができる。その結果、不要な画像を撮影することがなくなるので、撮影ミスが減って、画像保存メモリを節約することができる。また、撮影準備及び本撮影のときも、ファインダだけを集中して覗くことによって画像を確認することができるので、ファインダや背面液晶表示部19に対して視線を撮影前後で動かすことが不要になり撮影作業が非常に楽になる。なお、ここでは、液晶ハーフミラー22の復帰手段として、スイッチS1を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、別部材を設けても良い。
【0062】次に、図6及び7を参照して、デジタルカメラの他の実施形態について説明する。
【0063】図6は、本発明の他の実施形態に係るデジタルカメラの要部断面図であり、液晶ハーフミラー22が分光位置にあることを表わしている。また、図7は、図6の液晶ハーフミラーが退避位置にあることを示す要部断面図である。図6及び7に示した実施形態のデジタルカメラは、基本的に、第1の実施形態と同一に構成されるが、カメラのボディ20の背面に背面液晶表示板19を備えていない点が、第1の実施形態と異なっている。
【0064】この実施形態のデジタルカメラにおいても、上記の第1の実施形態のデジタルカメラのところで説明したのと同様に、上述した第1撮影モード〜第5撮影モードに従って各種撮影を行うことができる。本実施形態のデジタルカメラは背面液晶表示板19を備えていないので、固体撮像素子3に取り込まれた画像は、全て、退避位置にある液晶ハーフミラー22の液晶板に表示される。したがって、第1の実施形態のデジタルカメラのところで説明した第2撮影モード〜第5撮影モードにおいて、撮影前の画像及び本撮影画像は、いずれも、退避位置にある液晶ハーフミラー22の液晶板に表示され、撮影者はその表示画像のみに注視すればよい。背面液晶表示板19を備えていないので、デジタルカメラを小型・軽量化できるとともに、消費電力を少なくすることができる。また、撮影者は撮影時にファインダの覗くだけでよいので、撮影者は撮影に集中することができるために、撮影ミスが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のデジタルカメラの要部断面図である。
【図2】 第1図において液晶ハーフミラーを退避させた状態を示す要部断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの要部断面図である。
【図4】 第3図において液晶ハーフミラーを退避させた状態を示す要部断面図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラのブロック回路図である。
【図6】 本発明の他の実施形態に係るデジタルカメラの要部断面図である。
【図7】 第6図において液晶ハーフミラーを退避させた状態を示す要部断面図である。
【図8】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの通常撮影時のフローチャートである。
【図9】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラにおいて、液晶ハーフミラーが退避位置にあるときに画像を表示するフローチャートである。
【図10】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラにおいて、連写撮影時のフローチャートである。
【図11】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラにおいて、画像の表示された液晶ハーフミラーを所定時間後に非表示状態に自動復帰する時のフローチャートである。
【図12】 本発明の一実施形態に係るデジタルカメラにおいて、画像の表示された液晶ハーフミラーを復帰スイッチで非表示状態に復帰する時のフローチャートである。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
3 固体撮像素子
4 ファインダレンズ
6 画像処理回路
7 絞り
8 シャッター
9 接眼部
10 マイコン
11 液晶駆動回路
12 ミラー駆動回路
13 シャッター・絞り駆動回路
14 AF回路
15 ファインダミラー
19 背面液晶表示部
20 ボディ
22 液晶ハーフミラー
25 液晶ハーフミラー駆動手段
25a ウォーム
25b ウォームホィール
【特許請求の範囲】
【請求項1】 撮影レンズと、撮影レンズを通った光を観察するファインダと、撮影レンズを透過した光を光電変換する撮像素子と、透過率を変化させることができるとともに、撮影レンズを透過した光を撮像素子とファインダとに分光する分光手段と、観察時には撮像素子と観察用ファインダとに分光する位置に分光手段を移動させる一方、撮影時には退避させて撮像素子のみに光を与える位置に分光手段を移動させる分光手段駆動手段と、観察時には分光手段を半透光状態にして光を撮像素子と観察用ファインダとに導き、撮影時には分光手段を遮光状態に制御する制御手段と、を有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】 上記分光手段は、透過率可変の液晶板からなることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項3】 上記分光手段は、透過率可変の液晶板をハーフミラー上に設けた構成であることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項4】 上記分光手段は、退避位置にあるときには、上記撮像素子に取り込まれた画像を表示することを特徴とする請求項1、2又は3記載のデジタルカメラ。
【請求項5】 さらに、複数枚の撮影を連続的に行う連続撮影手段を有し、上記分光手段駆動手段は、連続撮影が終了するまで上記分光手段を退避位置に保持することを特徴とする請求項1〜4記載のデジタルカメラ。
【請求項6】 上記分光手段駆動手段は、上記分光手段を退避させているときに、その退避位置に上記分光手段を所定時間保持することを特徴とする請求項4記載のデジタルカメラ。
【請求項7】 上記分光手段を上記分光位置に復帰させる分光手段復帰指示手段を有し、上記分光手段駆動手段は、上記分光手段を退避させているときに、該分光手段復帰指示手段の指示に基づいて上記分光手段を復帰させることを特徴とする請求項6記載のデジタルカメラ。
【請求項1】 撮影レンズと、撮影レンズを通った光を観察するファインダと、撮影レンズを透過した光を光電変換する撮像素子と、透過率を変化させることができるとともに、撮影レンズを透過した光を撮像素子とファインダとに分光する分光手段と、観察時には撮像素子と観察用ファインダとに分光する位置に分光手段を移動させる一方、撮影時には退避させて撮像素子のみに光を与える位置に分光手段を移動させる分光手段駆動手段と、観察時には分光手段を半透光状態にして光を撮像素子と観察用ファインダとに導き、撮影時には分光手段を遮光状態に制御する制御手段と、を有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】 上記分光手段は、透過率可変の液晶板からなることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項3】 上記分光手段は、透過率可変の液晶板をハーフミラー上に設けた構成であることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項4】 上記分光手段は、退避位置にあるときには、上記撮像素子に取り込まれた画像を表示することを特徴とする請求項1、2又は3記載のデジタルカメラ。
【請求項5】 さらに、複数枚の撮影を連続的に行う連続撮影手段を有し、上記分光手段駆動手段は、連続撮影が終了するまで上記分光手段を退避位置に保持することを特徴とする請求項1〜4記載のデジタルカメラ。
【請求項6】 上記分光手段駆動手段は、上記分光手段を退避させているときに、その退避位置に上記分光手段を所定時間保持することを特徴とする請求項4記載のデジタルカメラ。
【請求項7】 上記分光手段を上記分光位置に復帰させる分光手段復帰指示手段を有し、上記分光手段駆動手段は、上記分光手段を退避させているときに、該分光手段復帰指示手段の指示に基づいて上記分光手段を復帰させることを特徴とする請求項6記載のデジタルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2001−189880(P2001−189880A)
【公開日】平成13年7月10日(2001.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−373718
【出願日】平成11年12月28日(1999.12.28)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成13年7月10日(2001.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年12月28日(1999.12.28)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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