説明

データ信号品質評価装置

【課題】データ信号のアイパターンに関する品質評価をより効率的に行う。
【解決手段】品質評価手段34は、基準マスク設定手段32で設定された基準マスクの大きさを拡大させつつ、アイパターンを形成する波形データの表示ポイントのうち基準マスクの領域内に入る数を計数し、その計数値と基準マスクの拡大率とに基づいてデータ信号の基準マスクに対するマージンに関する品質評価を行い、その評価結果を表示器40に表示させる。この品質評価手段34は、波形データ取得部21で所定時間幅のアイパターンの表示に最低限必要な数のデータが取得される毎に、その取得したデータに対するマージン測定を行うリアルタイム測定モード34bを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種デジタル機器や伝送システムが扱う0、1の2値のデータ信号の波形情報を取得し、そのデータ信号のアイパターンに関する品質評価を、より効率的に行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル機器や伝送システムの評価を行う場合、その評価対象が出力するデータ信号のビット誤り率を測定する方法の他に、データ信号の位相の揺らぎ(ジッタ)や振幅の揺らぎがどの程度あるかを、波形観測しながら直感的に把握する方法も多く採用されている。
【0003】
このようなデータ信号の位相や振幅の揺らぎを、波形で直感的に観測できるようにするための手法として、従来からアイパターン(Eye Pattern)表示が用いられている。
【0004】
アイパターンは、データ信号の各ビット波形を同一時間軸上に重ね合わせて表示したものであり、例えば図7の(a)のようなNRZ形式のデータ信号x(t)に対し、そのデータ信号x(t)の基準のビット周期TcのN倍の周期をもつトリガ信号(同図(b))に同期したタイミングで所定ビット分(ここでは2ビット分)の波形データ(H1、H2、……)を取得し、それらの波形データを同一時間軸上に重ね合わせることで図7の(c)のようなアイパターンPeが得られる。なお、実際のアイパターンは各波形データの大きさに対応した位置をポイント表示したものであるが、ここでは波形データのポイントが存在する確率が高い領域をハッチングで模式的に示しており、アイパターンを形成する全てのポイントがこのハッチング部分に含まれるわけではない(以下同様)。
【0005】
このようにして得られたアイパターンPeで囲まれた領域Aの時間軸方向の長さLaは、データ信号x(t)の位相揺らぎの大小(データのレベル遷移部の太さ)に依存し、電圧軸方向の長さLbはデータ信号の振幅揺らぎの大小(時間軸方向に伸びたラインの太さ)に依存する。
【0006】
したがって、データ信号x(t)のアイパターンとそのアイパターンで囲まれた領域Aの広さとの関係を定量的に測定することでデータ信号の品質評価が行える。
【0007】
その評価方法の一つとして、図8のように、アイパターンPeで囲まれる領域の形状に対応した多角形(ここでは6角形とする)でその大きさがデータ信号のビットレートや設計上の振幅値と余裕度によって決まるマスクMを用い、そのマスクMをアイパターンで囲まれた領域内の中央付近の所定位置に固定配置し、そのマスクMを標準の大きさから順次拡大させつつ、アイパターンを形成する波形データがそのマスク内に何ポイント入るかを計数し、計数値とマスクの拡大率との関係から、データ信号の品質が、標準の大きさのマスクに対してどの程度の余裕があるかをテストするものがある(マージン測定)。
【0008】
このテスト結果で、アイパターンを形成する波形データの総数P個に対してマスクにQ個まで入ることを許容すると定義し、何パーセントの拡大でマスク内に入るポイントがQ個を越えるかを判定する。
【0009】
なお、データ信号の品質評価をそのアイパターンとマスクとの関係に基づいて行う技術の例は、例えば次の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−061207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記マージン測定において、アイパターンを形成する波形データの数が多い程、ジッタや振幅揺らぎによる分散が増えるから、マスク領域に入る表示ポイント数も多くなる。
【0012】
つまり、測定結果はアイパターンを形成している波形データの数に依存する。したがって、通常は2UIの範囲のアイパターンを表示するための波形データの総数として例えば100000個を基準値とし、この基準値で形成されるアイパターンに対して、前記したマージン測定を行い、基準値に対して設定したリミットが拡大したマスク領域に入る数を数えて評価を行っている。
【0013】
しかしながら、高速データのサンプリングは、通常、等価時間サンプリング方式で行うため、上記のような多くのデータを取得するのに長い時間を要してしまう。
【0014】
しかも、データ信号の品質が悪い場合、少ないサンプリングでもリミット値を越える場合があり、そのような低品質のデータ信号に対して、上記のように100000個のデータを取得してからマージン測定をするのは無駄である。
【0015】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、マージン測定を効率的に行い、低品質のデータ信号に対する無駄なデータ取得をしないで済むデータ信号品質評価装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1のデータ信号品質評価装置は、
評価対象のデータ信号に対するサンプリングを行い、該データ信号の波形データを取得する波形データ取得部(21)と、
表示器(40)と、
前記波形データ取得部によって得られた波形データに基づいて前記データ信号のアイパターンを前記表示器に表示させるアイパターン表示手段(31)と、
前記データ信号のアイパターンで囲まれる領域の形とほぼ相似な多角形で、前記データ信号のビットレートおよび振幅に対応した大きさを有するマスクを、前記データ信号の品質評価用の基準マスクとして設定する基準マスク設定手段(32)と、
前記基準マスク設定手段で設定された基準マスクを、前記データ信号のアイパターンで囲まれる領域と重なりあう特定位置に表示するマスク表示手段(33)と、
前記基準マスクの大きさを拡大させつつ、前記アイパターンを形成する波形データの表示ポイントのうち前記基準マスクの領域内に入る数を計数し、該計数値と前記基準マスクの拡大率とに基づいてデータ信号の前記基準マスクに対するマージンに関する品質評価を行い、該評価結果を前記表示器に表示させる品質評価手段(34)とを有するデータ信号品質評価装置であって、
前記品質評価手段は、前記波形データ取得部で所定時間幅のアイパターンの表示に最低限必要な数のデータが取得される毎に、該取得したデータに対するマージン測定を行うリアルタイム測定モード(34b)を有している。
【0017】
また、本発明の請求項2のデータ信号品質評価装置は、請求項1記載のデータ信号品質評価装置において、
前記品質評価手段は、前記リアルタイム測定を繰り返しつつ該測定結果を保存して、マージン測定で規定されたデータ数についてのマージン測定結果を得ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
このように、本発明のデータ信号品質評価装置は、波形データ取得部で所定時間幅のアイパターン表示に最低限必要な数のデータが取得される毎に、その取得データに対するマージン測定を行うリアルタイム測定モードを有しているため、マージン測定を効率的に行うことができ、低品質のデータ信号に対する無駄なデータ取得をしないで済む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す図
【図2】実施形態の波形取得動作の一例を説明するための図
【図3】実施形態の波形取得動作の一例を説明するための図
【図4】実施形態の要部の処理手順を示すフローチャート
【図5】実施形態のマージン測定の説明図
【図6】実施形態の要部の処理手順を示すフローチャート
【図7】データ信号からアイパターン波形を生成する工程を示す図
【図8】アイパターンにマスクを重ねた測定画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用したデータ信号評価装置20の構成を示している。
【0021】
このデータ信号品質評価装置20は、NRZ形式で入力される測定対象のデータ信号x(t)を波形データ取得部21で受けて、その波形データを取得する。
【0022】
ここで、波形データ取得部21は、リアルタイムサンプリング方式では取得困難な高速のデータ信号の波形データを取得するために等価時間サンプリング方式を採用しており、そのデータ取得モードには、入力されたデータ信号x(t)の波形を単純に時系列に表示するために必要なデータを取得する第1モードの他に、アイパターン波形を表示するために必要な第2モードがある。
【0023】
波形データ取得部21は、サンプリング部22、サンプリング制御部23および波形データメモリ24によって構成されている。
【0024】
サンプリング部22は、A/D変換器22aとサンプリングクロック発生器22bによって構成され、A/D変換器22aに入力するデータ信号x(t)に対するサンプリングを、サンプリングクロック発生器22bから周期Tsで出力されるサンプリングクロックCsに同期して行い、そのサンプリングで得られたサンプル値をデジタルのデータX(k)に順次変換する。
【0025】
サンプリング制御部23は、サンプリング部22のサンプリング周期Tsを上記モードに応じて設定する。
【0026】
即ち、第1モードが指定されている場合には、例えば図2の(a)のデータ信号x(t)に対して、あるタイミングt0から等価時間サンプリング方式により、ΔTの時間分解能でデータX(1)、X(2)、……を取得させて、これを波形データメモリ24にサンプリング順に記憶させる。
【0027】
即ち、データ信号x(t)が、ビット周期Tcで符号長Mの擬似ランダム信号が繰り返される信号列の場合、サンプリングクロックの周期Tsを、図2の(b)のように繰り返しの周期(M・Tc)の整数Q(Qは1も含む)倍に時間分解能ΔTだけ差のある値(例えばQ・M・Tc+ΔT)に設定する。
【0028】
このように設定すると、データ信号の繰り返しの1周期目のあるタイミングt0の値x(t0)をサンプリングした後、繰り返しのQ周期目で前のタイミングよりΔT遅れた位置t1の値x(t1)をサンプリングすることになり、以下、Q周期毎にΔTだけずれた位置をサンプリングする。したがって、波形の繰り返しが続いていれば、図2の(c)のように、データ信号x(t)の繰り返し波形のデータを所望分解能ΔTで取得することができる。
【0029】
また、アイパターンを表示するための第2モードが指定されている場合には、図3の(a)のデータ信号x(t)に対して、サンプリングクロックの周期Tsを、図3の(b)のように、ビット周期Tcに前記Q・Mと等しくない整数U(例えばQ・M+1)を乗じた値に時間分解能ΔTだけ差のある値(例えばU・Tc+ΔT)に設定する。
【0030】
このように設定すると、データ信号x(t)のUビット毎(繰り返し周期内で異なるビット位置)にΔTだけずれた位置をサンプリングする。したがって、このサンプリングを例えばアイパターン表示に最低限必要な2ビット分(2Tc/ΔT回)行えば、図3の(c)のような、データ信号x(t)のアイパターン波形のデータを得ることができる。なお、図3では動作の理解がしやすいようにビット周期Tcに対する時間分解能ΔTの割合を比較的大きく(1/5程度)示しているため、アイパターンを形成するデータの間隔が開いているが、実際にはビット周期Tcに対する時間分解能ΔTの割合が十分小さい(例えば1/500)ので、アイパターンを形成するデータ間隔の十分小さくなり、アイパターン表示に最低限必要な2ビット分の数K(例えば1000個)のデータで、図3の(c)の破線に近い波形が得られる。このアイパターン表示に最低限必要なK個のデータを波形データの1取得単位とする。
【0031】
サンプリング制御部23は、データ信号x(t)からそのクロック成分を抽出して、前記ビット周期Tcを求め、さらに後述の演算処理部30から入力されるデータ信号のビット長M、所望の時間分解能ΔT等のパラメータ情報を受けて、サンプリングクロックCsの周期Tsを決定し、その決定した周期Tsでサンプリングを行わせる。
【0032】
このようにして取得されたアイパターンの波形データは、演算処理部30によって読み出され、表示器40に波形表示されるとともに、そのアイパターンの波形データに対して設定された基準マスクの領域と波形データとの関係から、データ信号の評価演算処理が行なわれる。
【0033】
演算処理部30は、各種処理に必要な情報を表示器40に表示するとともに操作部50の操作等により、測定項目やパラメータを入力させ、波形表示処理、マスクに関する処理、評価演算処理等を行う。
【0034】
図1には、この演算処理部30が行う処理の要部として、アイパターン表示手段31、基準マスク設定手段32、マスク表示手段33、品質評価手段34を示している。
【0035】
アイパターン表示手段31は、この装置の測定モードがアイパターンに関わるモードのときに、波形データ取得部21によって得られた波形データに基づいてデータ信号x(t)のアイパターンを表示器40に表示させる。
【0036】
基準マスク設定手段32は、データ信号のアイパターンに関する品質評価用の基準マスクを設定する。ここで基準マスクとは、データ信号のアイパターンで囲まれた領域の外形とほぼ相似な多角形(例えば上下の対向する2辺が平行な6角形、4角形、8角形)で、横軸(時間軸)方向の大きさが、データ信号のビットレートに対応(例えば公称周期Tcの0.6倍)し、縦軸(振幅軸)方向の大きさが、データ信号の振幅に対応(例えばデータ信号の公称振幅の1/2)したマスクであり、この基準マスクの形状データは、図示しないメモリに予め記憶されていて、評価対象のデータ信号のビットレートや振幅を入力させて、その入力情報に対応した基準マスクを選択する方式が望ましい。
【0037】
また、利用者が任意の形状のマスクの外形を決定するパラメータ(少なくともマスクの高さ、長さおよび前部、後部のエッジ角など)を設定登録できる機能を持っていて、その登録したものから選択して用いるようにしてもよい。なお、この装置ではビット周期Tcを1UI(ユニットインターバル)としている。
【0038】
マスク表示手段33は、基準マスク設定手段32で設定された基準マスクをアイパターンの品質評価に適した特定位置に表示する。
【0039】
ここで、アイパターンに対する基準マスクの表示位置は、標準的には、時間方向についてはアイパターンの中央ビットの半周期(Tc/2)の位置で、振幅方向についてはデータ信号のデータ「0」の設計電圧V(例えば0ボルト)とデータ「1」の設計電圧V(例えば3ボルト)の中心の電圧(V−V)/2の位置に基準マスクのセンタ位置が一致するように設定する。また、測定の準備段階として、実際のアイパターンの波形データに基づいて位相方向(横方向)および振幅方向(縦方向)の余裕が均等となる最適位置を見付けて固定してもよい。
【0040】
品質評価手段34は、データ信号に対する種々の品質評価処理を行うものであり、操作部等の操作によりアイパターンとマスクを用いたマージン測定が指定された場合、設定された基準マスクの大きさを順次拡大させつつ、その大きさが異なる基準マスクの領域に、アイパターンを形成する波形データの所定数P個の表示ポイントのうちいくつが入るかを計数し、その計数値とマスク拡大率との関係からデータ信号の基準マスクに対するマージンに関する品質評価を行い、その評価結果を表示器40に表示させる。
【0041】
このマージン測定には二つのモードがある。その一つは標準測定モード34aであり、アイパターン表示に使用する波形データの総数Pとして規定数(例えば100000個)を取得して、そのデータで表示されるアイパターンに対し、基準マスクを拡大していき、基準マスクに入るデータ数がリミットを越えない最大の大きさをマスクマージンとして求める。
【0042】
この標準測定モード34aにおいては、図4のフローチャートに示すように、K個の波形データを前記した1取得単位とし、これを規定回数A回(例えば1000回)繰り返し、波形データ取得部21にP=K・A個のデータを取得させる(S1、S2)。
【0043】
そして、これらのデータに対しマージン測定を行い(S4)、その結果を表示する(S5)。即ち、図5に示しているように、設定された基準マスクを拡大しつつ、アイパターンを形成するデータのうち、各マスクに入るデータ数を求め、基準マスクに入るデータ数がリミットを越えない最大の大きさをマスクマージンとして求め、その結果を表示する。
【0044】
もう一つのモードは、波形データ取得部21で所定時間幅(2UI)のアイパターン表示に最低限必要な数のデータが取得される毎に、その取得データに対するマージン測定を行うリアルタイム測定モード34bである。
【0045】
このリアルタイム測定モード34bでは、図6のフローチャートに示すように、K個の波形データを前記した1取得単位とし、これを1単位取得する毎に、マージン測定を行い、その結果を表示する(S11〜S13)。
【0046】
このマージン測定は、規定数K・Aより格段に少ないK個のデータに対し、前記図5で示したように、設定された基準マスクを拡大していき、各マスクに入るデータ数を求め、マスクに入るデータ数が予め設定したリミットを越えない最大の大きさをマスクマージンとして求め、その結果を表示する。このモードにおけるリミットとしては、規定数K・A個のデータに対するリミットより小さい値(例えば1/A倍)が設定される。
【0047】
このリアルタイム測定モードのマージン測定の結果としては、マスクの拡大率とそのマスクに含まれるデータの数との関係が把握できるものであればよく、上記のようなリミットおよびそれを満たす最大の拡大率を表示する方式だけでなく、マスクサイズ毎のデータヒストグラムをグラフ表示する方法であってもよい。また、リミットによる合否判定をしないでもよい。
【0048】
このように波形データ1単位取得する毎にマージン測定を行えば、データ信号の基準マスクに対するマージンを効率的に得ることができる。
【0049】
また、前記した標準測定モードに移行する前の予備測定として上記処理S11〜S13を任意の回数単純に繰り返す(図6の点線の処理経路参照)ことで、データ信号の品質の概略を容易に把握することができる。また、基準マスクの位置を操作部50の操作で可変できるようにし、リアルタイム測定モードを用いてマージン最大となる位置を探して、これを基準マスクの基準位置に決定することもできる。
【0050】
また、図6において実線に示しているように、処理S11〜S13を繰り返しつつ、各回の波形データおよびマスクサイズ毎のデータ数を積算しておけば、A回目の測定が終了した時点で規定数(例えば100000個のデータ)についてのマージン測定の結果を得ることができる(S14〜S16)。この場合には、データを規定数取得するまでの間の各途中段階でのマージン測定結果と、規定数についての測定結果を得ることができる。また、マスクサイズ毎のデータ数を積算する毎に、規定数について設定したリミット値による判定を行い、データ信号の品質が低く、少ない拡大率でリミットを越えてしまう場合にはその段階で測定を終了することで、無駄な測定を省くことができる。
【0051】
なお、処理S11〜S13を単純に繰り返す場合のアイパターン表示は、K個の取得データによって形成されるアイパターンを毎回新規に書き込むことで得られるが、これとは別にS14〜S16の処理を行う場合には、K個の取得データによって形成される1単位のアイパターンをA回分保存して重書きする方式を採ればよく、測定結果等の表示方式は任意である。
【0052】
このように、実施形態のデータ信号品質評価装置21は、波形データ取得部21で所定時間幅(この例では2UI)のアイパターン表示に最低限必要な数Kのデータが取得される毎に、その取得データに対するマージン測定を行うリアルタイム測定モードを有しているため、マージン測定を効率的に行うことができ、低品質のデータ信号に対する無駄なデータ取得をしないで済む。
【符号の説明】
【0053】
20……データ信号品質評価装置、21……波形データ取得部、22……サンプリング部、23……サンプリング制御部、24……波形データメモリ、30……演算処理部、31……アイパターン表示手段、32……基準マスク設定手段、33……マスク表示手段、34……品質評価手段、34a……標準測定モード、34b……リアルタイム測定モード、40……表示器、50……操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象のデータ信号に対するサンプリングを行い、該データ信号の波形データを取得する波形データ取得部(21)と、
表示器(40)と、
前記波形データ取得部によって得られた波形データに基づいて前記データ信号のアイパターンを前記表示器に表示させるアイパターン表示手段(31)と、
前記データ信号のアイパターンで囲まれる領域の形とほぼ相似な多角形で、前記データ信号のビットレートおよび振幅に対応した大きさを有するマスクを、前記データ信号の品質評価用の基準マスクとして設定する基準マスク設定手段(32)と、
前記基準マスク設定手段で設定された基準マスクを、前記データ信号のアイパターンで囲まれる領域と重なりあう特定位置に表示するマスク表示手段(33)と、
前記基準マスクの大きさを拡大させつつ、前記アイパターンを形成する波形データの表示ポイントのうち前記基準マスクの領域内に入る数を計数し、該計数値と前記基準マスクの拡大率とに基づいてデータ信号の前記基準マスクに対するマージンに関する品質評価を行い、該評価結果を前記表示器に表示させる品質評価手段(34)とを有するデータ信号品質評価装置であって、
前記品質評価手段は、前記波形データ取得部で所定時間幅のアイパターンの表示に最低限必要な数のデータが取得される毎に、該取得したデータに対するマージン測定を行うリアルタイム測定モード(34b)を有していることを特徴とするデータ信号品質評価装置。
【請求項2】
前記品質評価手段は、前記リアルタイム測定を繰り返しつつ該測定結果を保存して、マージン測定で規定されたデータ数についてのマージン測定結果を得ることを特徴とする請求項1記載のデータ信号品質評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−232217(P2011−232217A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103634(P2010−103634)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】