説明

データ集録装置

【課題】煩雑な作業を行うことなく測定データの保存が可能となるとともに、パソコン等の外部装置において容易に測定データの波形表示、加工或いは解析を行うことが可能となるデータ集録装置を提供する。
【解決手段】本発明のデータ集録装置においては、アナログ信号が入力される信号入力部と、信号入力部より入力される測定データをインターフェース部を介してこれに接続される記憶手段に格納する中央演算部を有し、中央演算部は、信号入力部より入力される測定データに対しUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠したデータを付加するとともにこれに準拠した通信手順により記憶手段に格納するよう設けて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧,温度等アナログ信号の測定データを集録し、波形表示或いは波形記録等を行うデータ集録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のデータ集録装置、測定装置或いは波形記録計においては、外部から入力されたアナログ信号の測定データを記憶手段に格納し、データの取り込み後、測定データを記憶手段から読み出して、波形表示、記録或いは加工、解析するよう設けられており、複数の信号入力チャンネルCH1,CH2,CH3,〜CHnと、これら信号入力チャンネルを順次切り換えるスイッチング回路であるマルチプレクサ、スキャナ或いはロータリースイッチと、このマルチプレクサ等より出力されるアナログ信号を増幅し、デジタルデータに変換するアンプおよびA/D変換器と、このデジタルデータを記憶するメモリとを有して構成されている。
従来の装置においては、測定データの記憶手段としては装置本体に内蔵される揮発性のメモリが用いられ、測定した入力信号は直接この装置本体の内蔵メモリに格納され、波形表示或いはデータの加工、解析を行う際には、このメモリに格納されたデータに基づいて行うよう設けられている。
更に、この測定したデータをパソコン等の外部装置により波形表示或いはデータの加工、解析を行うといった場合には、データ集録装置本体に搭載された磁気ディスク、PCカード或いは光磁気ディスク等といった電子記憶媒体にデータを集録する、或いは上記装置本体に内蔵されるメモリからデータを移し替える、またはコピーし、パソコン等の外部装置において、この磁気ディスク、PCカード或いはメモリカード等といった電子記憶媒体より測定データを読み出すよう構成されている。
【特許文献1】特開2002−162420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の従来のデータ集録装置においては、測定毎にデータを更新するために記憶手段として揮発性のメモリが用いられており、このため、装置本体の電源を落とすとメモリのデータも消去されることとなる。従って、データを保存する場合は、測定動作後に内蔵メモリのデータを磁気ディスク、PCカード或いはメモリカード等といった電子記憶媒体にコピーする必要があり、この作業が煩雑になるといった不具合が生じていた。また、磁気ディスク、PCカード或いはメモリカード等といった電子記憶媒体には種々の規格が存在し、パソコン等の外部装置においては、対応する媒体にデータを移し替えるか、或いは媒体に応じた各種ドライブ装置またはインターフェース機器をそれぞれ追加する必要があるので、汎用性に著しく欠けるという不具合も生じていた。
本願発明は、これら不具合を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のデータ集録装置においては、アナログ信号が入力される信号入力部と、信号入力部より入力される測定データをインターフェース部を介してこれに接続される記憶手段に格納する中央演算部を有し、中央演算部は、信号入力部より入力される測定データに対しUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠したデータを付加するとともにこれに準拠した通信手順により記憶手段に格納するよう設けて構成した。
【発明の効果】
【0005】
本発明のデータ集録装置によれば、記憶手段としてUSB規格に準拠したデバイスを用いることができるとともに、中央演算部は信号入力部より入力される測定データをこのUSBデバイスよりなる記憶手段に直接格納するので、パソコン等の外部機器により測定データの解析、波形表示等行う場合はこの記憶手段をデータ集録装置より取り外し、これを直接接続して測定データの読み出しを行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面に基づいて本発明のデータ集録装置を説明する。
図1は本発明のデータ集録装置の構成を示すブロック図であり、図において1は信号入力部、2は信号入力部1より入力される測定データを一時格納するレジスタ、3はレジスタ2より所定のタイミングで測定データを読み出すとともにこれをUSB規格に準拠したデータで書き出す中央演算部であるCPU、4はUSBインターフェース部、5はUSBインターフェース部4を経由してCPU3より出力される測定データを格納する記憶手段としてのUSBメモリ、6は各種設定指示等を行う操作部、7はCRT或いは液晶等よりなる表示部8に表示させるデータを作成する表示制御部である。
【0007】
本発明のデータ集録装置における記憶手段5は、USBインターフェース部4に接続されるUSBメモリにより構成され、コネクタを介してUSBインターフェース部4(データ集録装置本体)に対して着脱可能に設けられている。
このデータ集録装置により測定データの集録を行う場合、信号入力部1に入力される測定データは、所定の周期でサンプリングされてレジスタ2に時間経過の順に格納される。CPU3は、このレジスタ2より測定データを読み出し、これをUSB規格に準拠したデータでUSBインターフェース部4に順次出力し、この測定データはUSBインターフェース部4を経由してUSBメモリ5に時間データとともに格納される。
本願発明のデータ集録装置は、測定データの記憶手段としてUSBデバイスを用い、CPU3は信号入力部1から入力される測定データを直接USBデバイスであるメモリ5に格納するよう構成したので、測定終了後にこのUSBメモリ5を取り外すだけで測定データの保存が可能であり、また、パソコン等の外部装置による測定データの波形表示、記録或いは加工、解析を行うといった場合には、このUSBメモリ5を直接パソコンに接続して測定データの読み取りが可能となり、また、測定データをUSB規格に準拠したデータで格納するよう構成することにより、測定すべきデータの量に応じてUSBデバイスの容量を選択する、或いはより大量(長時間)のデータを格納するといった必要がある場合には、USBデバイスとして大容量のメモリのみならず、ハードディスクなどのストレージ機器を接続することも可能となり、より高い汎用性を有するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のデータ集録装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0009】
1 信号入力部
2 レジスタ
3 CPU
4 USBインターフェース部
5 USBメモリ
6 操作部
7 表示制御部
8 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ信号が入力される信号入力部と、信号入力部より入力される測定データをインターフェース部を介してこれに接続される記憶手段に格納する中央演算部を有するデータ集録装置において、
上記中央演算部は、上記信号入力部より入力される測定データに対しUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠したデータを付加するとともにこれに準拠した通信手順により上記記憶手段に格納することを特徴とするデータ集録装置。
【請求項2】
上記記憶手段はデータ集録装置に対して取り外し可能に設けられるUSB規格に準拠したデバイスであることを特徴とする請求項1記載のデータ集録装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−205953(P2007−205953A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−26460(P2006−26460)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(000105062)グラフテック株式会社 (31)
【Fターム(参考)】