説明

トルク変動吸収装置

【課題】スペースやコストを低減しつつダンパ部の偏芯の発生を低減させること。
【解決手段】ライニングプレート22に固定された摩擦材72がカバープレート71とプレッシャプレート70で挟持されたリミッタ部と、ライニングプレート22及び摩擦材72と一体に回転するとともにトルク変動を吸収するダンパ部と、を備えるトルク変動吸収装置において、カバープレート71及びプレッシャプレート70の一方又は両方は、摩擦材72がカバープレート71及びプレッシャプレート70と滑りが生じた時にダンパ部の偏芯を規制するように摩擦材72をガイドする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルク変動吸収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トルク変動吸収装置は、例えば、エンジンと電動モータを動力源として備えているハイブリッド駆動装置においては、エンジンまたは/および電動モータの出力軸に設けられており、エンジンと電動モータによる変動トルクを吸収(抑制)する。トルク変動吸収装置の基本的な構成として、エンジンのクランクシャフトに連結されるフライホイールと、フライホイールと摩擦係合される摩擦材を備えるリミッタ部と、リミッタ部を外周側に有するとともに内周側にて変速機の入力軸に連結されるダンパ部とを備える。そのようなトルク変動吸収装置の従来技術として、以下のものがある。
【0003】
従来例1として、フライホイールへダンパ部が取り付けられる前の状態で摩擦材を駆動軸の軸方向において狭持して摩擦材を摩擦係合状態とする狭持機構を設けたトルク変動吸収装置がある(特許文献1参照)。従来例1によれば、リミッタ部の摩擦材を露出させることなくトルク変動吸収装置を搬送することができ、摩擦材に埃や油等が付着するのを可及的に少なくできるというものである。
【0004】
従来例2として、クランクシャフトと、ダンパ部におけるプレートとの間にベアリングが配置されたトルク変動吸収装置や、ダンパ部におけるドリブンプレートのハブと、ドライブプレートとの間にブッシュが配置されたトルク変動吸収装置がある(特許文献2参照)。従来例2によれば、ベアリングやブッシュによってフライホイールやダンパ部における各プレートが同心となり、組付け時にリミッタ部に偏芯が生じることを防止できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−194095号公報
【特許文献2】特許第3683165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、リミッタ部が作動したとき(フライホイールと摩擦材の間に滑りが生じたとき)には、ダンパ部の偏芯が発生する可能性があるが、従来例1では、偏芯量を低減するのが困難であった。また、トルク変動吸収装置は、クラッチ装置等のように摩擦面と相手面を離す機会がないため、従来例1では、組付け精度の要求が厳しいものであった。
【0007】
従来例2では、ベアリングやブッシュによってフライホイールやダンパ部における各プレートが同心となり、リミッタ部に偏芯の発生を低減できるが、ベアリングやブッシュの追加によって、スペースやコストの低減の面で不利になるおそれがある。
【0008】
本発明の主な課題は、スペースやコストを低減しつつダンパ部の偏芯の発生を低減させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一視点においては、ライニングプレートに固定された摩擦材がカバープレートとプレッシャプレートで挟持されたリミッタ部と、前記ライニングプレート及び前記摩擦材と一体に回転するとともにトルク変動を吸収するダンパ部と、を備えるトルク変動吸収装置において、前記カバープレート及び前記プレッシャプレートの一方又は両方は、前記摩擦材が前記カバープレート及び前記プレッシャプレートと滑りが生じた時に前記ダンパ部の偏芯を規制するように前記摩擦材をガイドすることを特徴とする。
【0010】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記ガイド部は、前記摩擦材との摩擦面にて前記摩擦材側に突出した凸部であり、前記凸部は、摩擦面全周に渡って設定され、前記摩擦材は、前記凸部と対応する凹部を有することが好ましい。
【0011】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記摩擦材は、外周角部の全周にテーパ部を有し、前記ガイド部は、前記摩擦材の前記テーパ部に対応することが好ましい。
【0012】
本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記摩擦材の両摩擦面は、外周に行くにしたがい互いに間隔が小さくなるように構成され、前記カバープレート及び前記プレッシャプレートの摩擦面は、前記摩擦材の各摩擦面に対応するように構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明(請求項1−4)によれば、リミッタ部の摩擦面にてダンパ部の偏心量を規制することで、スペースやコストを低減しつつダンパ部の偏芯を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置の構成を模式的に示した切欠き平面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置の構成を模式的に示した図1のX−X´間の断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの構成を模式的に示した部分正面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの構成を模式的に示した図3のY−Y´間の断面図である。
【図5】本発明の実施形態2に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの構成を模式的に示した部分正面図である。
【図6】本発明の実施形態2に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの構成を模式的に示した図5のY−Y´間の断面図である。
【図7】本発明の実施形態2に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの変形例の構成を模式的に示した断面図である。
【図8】本発明の実施形態3に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの構成を模式的に示した部分正面図である。
【図9】本発明の実施形態4に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図10】本発明の実施形態4に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の摩擦相手材の構成を模式的に示した部分平面図である。
【図11】本発明の実施形態4に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の変形例の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図12】本発明の実施形態5に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図13】本発明の実施形態5に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の変形例の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図14】本発明の実施形態5に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の変形例の構成を模式的に示した図13の矢視Aから見たときの部分平面図である。
【図15】本発明の実施形態6に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図16】本発明の実施形態6に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成の変形例1を模式的に示した部分断面図である。
【図17】本発明の実施形態6に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレートの変形例2の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図18】本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図19】本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成の変形例1を模式的に示した部分断面図である。
【図20】本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成の変形例2を模式的に示した部分断面図である。
【図21】本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成の変形例3を模式的に示した部分断面図である。
【図22】本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成の変形例4を模式的に示した部分断面図である。
【図23】本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成の変形例5を模式的に示した部分断面図である。
【図24】本発明の実施形態8に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図25】本発明の実施形態9に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図26】本発明の実施形態9に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図27】本発明の実施形態9に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレートと摩擦材の組立体の製造方法を模式的に示した工程図である。
【図28】本発明の実施形態9に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレートと摩擦材の組立体の製造方法を模式的に示した(A)部分正面図(B)断面図である。
【図29】本発明の実施形態10に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図30】本発明の実施形態10に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の変形例1の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図31】本発明の実施形態10に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の変形例2の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図32】本発明の実施形態11に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の構成を模式的に示した部分断面図である。
【図33】本発明の実施形態11に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の変形例の構成を模式的に示した部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置の構成を模式的に示した切欠き平面図である。図2は、本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置の構成を模式的に示した図1のX−X´間の断面図である。なお、図1ではボルト28を省略している。
【0016】
実施形態1に係るトルク変動吸収装置1は、例えば、ハイブリッド駆動装置においては、エンジン(図示せず)の出力軸(図示せず)に設けられており、エンジン(図示せず)と電動モータ(図示せず)による変動トルクを吸収(抑制)する装置である。トルク変動吸収装置1は、捩れ緩衝機能を有し、ハブ部材3と、サイドプレート4と、サイドプレート5と、スラスト部材6と、皿バネ7と、中間プレート8と、皿バネ9と、コントロールプレート10と、皿バネ11と、スラスト部材12と、スラスト部材13と、コントロールプレート14と、スラスト部材15と、ピン部材16と、スプリングシート17と、スプリングシート18と、コイルスプリング19と、弾性部材20と、リベット21と、ライニングプレート22と、摩擦材23と、摩擦材24と、回転部材25と、サポートプレート26と、カバープレート27と、ボルト28と、プレシャプレート29と、皿バネ30と、ボルト31と、を有する。
【0017】
ハブ部材3は、径方向内側にて、例えば、電動モータ(図示せず)の回転軸(図示せず)とスプライン係合する部材であり、ダンパ部の構成部品である。ハブ部材3は、径方向外側に延在したフランジ部3aを有する。フランジ部3aは、中間部分にてコイルスプリング19、スプリングシート17、18、及び弾性部材20を収容するための窓部を有し、当該窓部の周方向端面がスプリングシート17、18と接離可能に接している。フランジ部3aは、サイドプレート4側の面にてスラスト部材12と摺動可能に接している。フランジ部3aは、サイドプレート5側の面にてスラスト部材15と摺動可能に接している。フランジ部3aは、ピン部材16を挿通するための窓部3bを有する。窓部3bは、ピン部材16の中間部分の径よりも大きく形成されており、フランジ部3aとピン部材16との相対回転をガイドする。
【0018】
サイドプレート4は、所定の形状に形成された環状の部材であり、ダンパ部の構成部品である。サイドプレート4は、フランジ部3aの軸方向右側(図2の右側)に配されている。サイドプレート4は、内周端部に複数の凹部を有し、当該凹部にスラスト部材6の回り止め部6aが装着され、スラスト部材6に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に構成されている。サイドプレート4は、フランジ部3a側の面にて皿バネ9の一端と接している。サイドプレート4は、皿バネ9との当接部分よりも径方向外側にてスラスト部材6の抜け防止部6bを挿通するための穴部4aを有する。サイドプレート4は、中間部分にてスプリングシート17、18、コイルスプリング19、及び弾性部材20を収容するための窓部を有し、当該窓部の周方向端面がスプリングシート17、18と接離可能に接している。サイドプレート4は、コイルスプリング19よりも径方向外側にて、サイドプレート5及びライニングプレート22とともにリベット21にて固定されている。
【0019】
サイドプレート5は、所定の形状に形成された環状で板状の部材であり、ダンパ部の構成部品である。サイドプレート5は、フランジ部3aの軸方向左側(図2の左側)に配されている。サイドプレート5は、内周端部ないしフランジ部3a側の面の内周近傍部分にてスラスト部材13と接している。サイドプレート5は、スラスト部材13に対して回転不能かつ軸方向移動可能にするための穴部を有し、当該穴部にスラスト部材13の回り止め部が装着されている。サイドプレート5は、中間部分にてスプリングシート17、18、コイルスプリング19、及び弾性部材20を収容するための窓部を有し、当該窓部の周方向端面がスプリングシート17、18と接離可能に接している。サイドプレート5は、コイルスプリング19よりも径方向外側にて、サイドプレート4及びライニングプレート22とともにリベット21にて固定されている。
【0020】
スラスト部材6は、ハブ部材3の外周であって皿バネ7とコントロールプレート10の間に配され、コントロールプレート10と摺動可能に接している。スラスト部材6は、皿バネ7によってコントロールプレート10側に付勢されている。スラスト部材6は、内周のサイドプレート4側に延在した部分に、サイドプレート4、皿バネ7、中間プレート8、及び皿バネ9に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能にするための回り止め部6aを有する。スラスト部材6は、サイドプレート4の穴部4aを挿通して延在する抜け防止部6bを有する。抜け防止部6bは、サイドプレート4から抜けるのを防止するための爪が形成されている。
【0021】
皿バネ7は、スラスト部材6の外周であってスラスト部材6と中間プレート8の間に配されている。皿バネ7は、スラスト部材6をコントロールプレート10側に付勢する。皿バネ7は、内周端部にスラスト部材6の回り止め部6aと対応する凹部を有し、当該凹部に回り止め部6aが装着され、スラスト部材6に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に構成されている。
【0022】
中間プレート8は、スラスト部材6の外周であって皿バネ7と皿バネ9の間に配されたリング状の部材である。中間プレート8は、皿バネ9の付勢を受けて皿バネ7をスラスト部材6側に押すように作用する。中間プレート8は、内周端部にスラスト部材6の回り止め部6aと対応する凹部を有し、当該凹部に回り止め部6aが装着され、スラスト部材6に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に構成されている。
【0023】
皿バネ9は、スラスト部材6の外周であって中間プレート8とサイドプレート4の間に配されている。皿バネ9は、中間プレート8を介して皿バネ7をコントロールプレート10側に付勢する。皿バネ9は、内周端部にスラスト部材6の回り止め部6aと対応する凹部を有し、当該凹部に回り止め部6aが装着され、スラスト部材6に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に構成されている。
【0024】
コントロールプレート10は、スラスト部材12の外周であって皿バネ11とスラスト部材6の間に配されたリング状のプレートである。コントロールプレート10は、皿バネ11によってスラスト部材6側に付勢され、スラスト部材6と摺動可能に接している。コントロールプレート10は、内周端部にスラスト部材12の回り止め部と対応する凹部を有し、当該凹部にスラスト部材12の回り止め部が装着され、スラスト部材12に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に構成されている。コントロールプレート10は、外周端部近傍にてピン部材16にカシメ固定され、ピン部材16を介してコントロールプレート14と一体に構成されている。
【0025】
皿バネ11は、スラスト部材12の外周であってコントロールプレート10とスラスト部材12の間に配されている。皿バネ11は、コントロールプレート10をスラスト部材6側に付勢する。皿バネ11は、内周端部にスラスト部材12の回り止め部と対応する凹部を有し、当該凹部にスラスト部材12の回り止め部が装着され、スラスト部材12に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に構成されている。
【0026】
スラスト部材12は、ハブ部材3の外周であって皿バネ11とフランジ部3aの間に配されている。スラスト部材12は、皿バネ11によってフランジ部3a側に付勢され、フランジ部3aと摺動可能に接している。スラスト部材12は、内周のスラスト部材6側に延在した部分に、皿バネ11、及びコントロールプレート10に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能にするための回り止め部を有する。
【0027】
スラスト部材13は、ハブ部材3の外周であってサイドプレート5とコントロールプレート14の間に配され、コントロールプレート14と摺動可能に接している。スラスト部材13は、内周のサイドプレート5側に延在している。スラスト部材13は、サイドプレート5に形成された穴部と対応する位置に回り止め部を有し、当該回り止め部がサイドプレート5の穴部に装着され、サイドプレート5に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に構成されている。
【0028】
コントロールプレート14は、ハブ部材3の外周であってスラスト部材13とスラスト部材15の間に配されたリング状のプレートである。コントロールプレート14は、スラスト部材13及びスラスト部材15と摺動可能に接している。コントロールプレート14は、外周端部近傍にてピン部材16にカシメ固定され、ピン部材16を介してコントロールプレート10と一体に構成されている。
【0029】
スラスト部材15は、ハブ部材3の外周であってコントロールプレート14とフランジ部3aの間に配されている。スラスト部材15は、コントロールプレート14及びフランジ部3aと摺動可能に接している。
【0030】
ピン部材16は、コントロールプレート10、及びコントロールプレート14を一体に固定するための部材である。ピン部材16には、サイドプレート5側の端部にてコントロールプレート14がカシメ固定されている。ピン部材16には、サイドプレート4側の端部にてコントロールプレート10がカシメ固定されている。ピン部材16は、中間部分の径が大きく構成されており、フランジ部3aに固定されておらず、フランジ部3aに形成された窓部3b内にて移動可能である。
【0031】
スプリングシート17、18は、ダンパ部の構成部品であり、サイドプレート4、サイドプレート5、及びフランジ部3aに形成された窓部に収容され、当該窓部とコイルスプリング19の端部との間に配されている。
【0032】
コイルスプリング19は、ダンパ部の構成部品であり、サイドプレート4、サイドプレート5、及びフランジ部3aに形成された窓部に収容され、両端に配設されたスプリングシート17、18と接している。コイルスプリング19は、サイドプレート4、サイドプレート5とフランジ部3aとが相対移動したときに収縮し、サイドプレート4、サイドプレート5とフランジ部3aの回転差によるショックを吸収する。
【0033】
弾性部材20は、ダンパ部の構成部品であり、コイルスプリング19の内周側に配設され、コイルスプリング19が収縮したときに対向する2つのスプリングシート17、18と当接し、サイドプレート4、サイドプレート5とフランジ部3aの回転差によるショックを吸収する。
【0034】
リベット21は、サイドプレート4、サイドプレート5、及びライニングプレート22を一体に固定するための部材である。
【0035】
ライニングプレート22は、サイドプレート4とサイドプレート5の間にて、サイドプレート4及びサイドプレート5とともにリベット21で固定された環状のディスク部材であり、ダンパ部と一体に回転するリミッタ部の構成部品である。ライニングプレート22は、径方向外側部分がカバープレート27とプレシャプレート29の間まで延在しており、径方向外側部分の両面に摩擦材23、24がリベット(図示せず)によって固定されている。
【0036】
摩擦材23は、ライニングプレート22とカバープレート27の間に配され、リベット(図示せず)によってライニングプレート22に固定された環状の部材であり、ダンパ部と一体に回転するリミッタ部の構成部品である。摩擦材23は、摩擦面にてカバープレート27と摺動可能に接している。
【0037】
摩擦材24は、ライニングプレート22とプレシャプレート29の間に配され、リベット(図示せず)によってライニングプレート22に固定された環状の部材であり、ダンパ部と一体に回転するリミッタ部の構成部品である。摩擦材24は、摩擦面にてプレシャプレート29と摺動可能に接している。
【0038】
回転部材25は、例えば、エンジン(図示せず)の回転軸(図示せず)にボルト31によって固定される環状の部材である。回転部材25は、軸方向外側近傍の部分にボルト28と螺合する螺孔を有する。回転部材25は、サポートプレート26と接する。
【0039】
サポートプレート26は、所定の形状に形成された環状で板状の部材である。サポートプレート26は、外周近傍にて、回転部材25とカバープレート27の間に配され、リベット(図示せず)によってカバープレート27と固定され、ボルト28によってカバープレート27とともに回転部材25に固定されている。サポートプレート26は、プレシャプレート29の凸部29aと対応する位置に開口部26aが形成されている。開口部26aは、プレシャプレート29に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能になるように構成されている。サポートプレート26は、カバープレート27と離間している。サポートプレート26は、カバープレート27側の面にて皿バネ30の一端と接している。
【0040】
カバープレート27は、所定の形状に形成された環状で板状の部材であり、リミッタ部の構成部品である。カバープレート27は、外周近傍にてサポートプレート26の回転部材25側の面の反対面に配されている。カバープレート27は、回転部材25に取付ける外周の取付部(図3の27c)に、ボルト28を挿通するボルト穴27dを有し、リベット(図示せず)を挿通するリベット穴27eを有する。カバープレート27は、リベット(図示せず)によってサポートプレート26と固定され、ボルト28によってサポートプレート26とともに回転部材25に固定されている。カバープレート27は、内周側にてサポートプレート26と離間している。カバープレート27は、摩擦材23と摺動可能に接しており、摩擦材23に対する摩擦相手材である。カバープレート27は、摩擦材23と摩擦する摩擦部(図3の27b)と取付部(図3の27c)の間の部位にて、弾性変形可能にするための複数の孔27aを有する。カバープレート27の詳細な構成については、後述する。
【0041】
ボルト28は、サポートプレート26及びカバープレート27を回転部材25に固定するための部材であり、サポートプレート26及びカバープレート27に形成された穴を挿通し、回転部材25と螺合する。
【0042】
プレシャプレート29は、皿バネ30と摩擦材24の間に配された環状の部材であり、リミッタ部の構成部品である。プレシャプレート29は、皿バネ30によって摩擦材24側に付勢されている。プレシャプレート29は、外周端部に凸部29aが形成されている。凸部29aは、サポートプレート26の開口部26aに対して相対回転不能かつ軸方向移動可能になるように構成されている。プレシャプレート29は、摩擦材24と摺動可能に接しており、摩擦材24に対する摩擦相手材である。
【0043】
皿バネ30は、サポートプレート26とプレシャプレート29の間に配され、プレシャプレート29を摩擦材24側に付勢する部材であり、リミッタ部の構成部品である。
【0044】
次に、本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの詳細な構成について図面を用いて説明する。図3は、本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの構成を模式的に示した部分正面図である。図4は、本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの構成を模式的に示した図3のY−Y´間の断面図である。
【0045】
ダンパ部(図2の3、4、5、17、18、19、20等)の偏芯荷重は、リミッタ部における摩擦材23、24やライニングプレート22の剛性、摩擦相手材となるカバープレート27やプレシャプレート29の剛性に影響を受ける。そのため、実施形態1では、摩擦相手材となるカバープレート27の剛性を低減する(弾性変形可能にする)ために、カバープレート27における摩擦部27bと取付部27cの間の部位にて、弾性変形可能にするための複数の孔27aを形成している。孔27aの個数は、等ピッチで12個以上にすることが好ましい。また、孔27aの形状は、円周方向の幅をAとし、ダンパ径方向の幅をBとした場合、『B/A≧2』となる形状(例えば、角丸四角)とすることが好ましい。さらに、カバープレート27は、回転部材(図2の25)に組み付けていないときに取付部27cの取付面に対して摩擦部27bの摩擦面が角度θ撓むように摩擦面と取付面の間の部位に曲げ部27fを設定し、図2のように組み付けたときに摩擦面と取付面がフラットになるように設定することが好ましい。
【0046】
実施形態1によれば、カバープレート27の剛性を低減させているので、ダンパ部の偏芯荷重がカバープレート27で緩和され、ダンパ部の偏芯を低減させることができる。
【0047】
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図5は、本発明の実施形態2に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの構成を模式的に示した部分正面図である。図6は、本発明の実施形態2に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの構成を模式的に示した図5のY−Y´間の断面図である。図7は、本発明の実施形態2に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの変形例の構成を模式的に示した断面図である。
【0048】
実施形態2では、摩擦材(図2の23に相当)の摩擦相手材となるカバープレート33の剛性を低減する(弾性変形可能にする)ために、カバープレート33における摩擦部33bと取付部33cの間の部位にて、弾性変形可能にするための曲げ部33fを設定している。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0049】
カバープレート33の曲げ部33fは、複数回曲げた構成となっている。曲げ部33fの曲げ回数は、弾性変形の必要量に応じて設定されるが、図7のように曲げ回数を減らしてもよい。カバープレート33は、回転部材(図2の25)に組み付けていないときに曲げ部33fにて取付部33cの取付面に対して摩擦部33bの摩擦面が角度θ撓み、図2のように組み付けたときに曲げ部33fを除く摩擦面と取付面がフラットになるように設定する。カバープレート33は、摩擦部33bと取付部33cの板厚をAとし、曲げ部33fの板厚をBとした場合、『B/A≦0.8』になるように設定することが好ましい。また、曲げ部33fには、弾性変形の必要量に応じて複数のスリット孔33aを形成してもよい。スリット孔33aの個数は、等ピッチで12個以上とすることができる。なお、弾性変形の必要量が小さい場合は、図7のようにスリット孔を形成しない構成としてもよい。
【0050】
実施形態2によれば、実施形態1と同様に、カバープレート33の剛性を低減させているので、ダンパ部の偏芯荷重がカバープレート33で緩和され、ダンパ部の偏芯を低減させることができる。
【0051】
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図8は、本発明の実施形態3に係るトルク変動吸収装置におけるカバープレートの構成を模式的に示した部分正面図である。
【0052】
実施形態3では、摩擦材(図2の23に相当)の摩擦相手材となるカバープレート35の剛性を低減する(弾性変形可能にする)ために、カバープレート35における摩擦部35b以外の部分にて弾性変形可能にするために、取付部35cの端部側から切り欠いた切欠き部35gを形成している。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0053】
切欠き部35gは、カバープレート35の回転軸の中心(図示せず)から切欠き部35gの凹部底面までの径をAとし、同じく回転軸の中心(図示せず)からボルト穴35dの中心までの径をBとした場合、『B/A≧1.03』となるようにすることが好ましい。カバープレート35は、弾性変形の必要量に応じて、回転部材(図2の25)に組み付けていないときに曲げ部33fにて取付部33cの取付面に対して摩擦部33bの摩擦面が角度θ撓むように摩擦面と取付面の間の部位に曲げ部35fを設定し、図2のように組み付けたときに摩擦面と取付面がフラットになるように設定することができる。
【0054】
実施形態3によれば、実施形態1と同様に、カバープレート35の剛性を低減させているので、ダンパ部の偏芯荷重がカバープレート35で緩和され、ダンパ部の偏芯を低減させることができる。
【0055】
(実施形態4)
本発明の実施形態4に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図9は、本発明の実施形態4に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の構成を模式的に示した部分断面図である。図10は、本発明の実施形態4に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の摩擦相手材の構成を模式的に示した部分平面図である。図11は、本発明の実施形態4に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の変形例の構成を模式的に示した部分断面図である。
【0056】
実施形態4では、摩擦材23の摩擦相手材となるカバープレート40の剛性を低減する(弾性変形可能にする)ために、カバープレート40を支持プレート41で摩擦プレート42を支持するように両プレートを一体化した構成とし、摩擦プレート42における取付部42aと摩擦部42eの間の部位にて弾性変形可能にするための曲げ部42cを設定し、摩擦部42eの摩擦面の反対面が支持プレート41と離間した構成をしている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0057】
カバープレート40は、支持プレート41と摩擦プレート42がリベット(図示せず)により連結された環状の部材であり、リミッタ部の構成部品である。
【0058】
支持プレート41は、摩擦プレート42の摩擦材23側の反対面側で摩擦プレート42を支持するプレートである。支持プレート41は、回転部材(図2の25)に取付ける外周の取付部41aに、ボルト(図2の28)を挿通するボルト穴41bを有し、リベット(図示せず)を挿通するリベット穴(図示せず)を有する。支持プレート41は、リベット(図示せず)によって摩擦プレート42とともにサポートプレート26と固定され、ボルト(図2の28)によって摩擦プレート42及びサポートプレート26とともに回転部材(図2の25)に固定される。支持プレート41は、摩擦プレート42の摩擦材23側の反対面側に摩擦プレート42の摩擦部42eと離間するように延在した支持部41cを有する。支持部41cは、摩擦プレート42の摩擦部42eの外周及び内周に形成された曲げ部42c、42fと当接する。
【0059】
摩擦プレート42は、摩擦材23と摺動可能に接しており、摩擦材23に対する摩擦相手材である。摩擦プレート42は、回転部材(図2の25)に取付ける外周の取付部42aに、ボルト(図2の28)を挿通するボルト穴42bを有し、リベット(図示せず)を挿通するリベット穴(図示せず)を有する。摩擦プレート42は、リベット(図示せず)によって支持プレート41とともにサポートプレート26と固定され、ボルト(図2の28)によって支持プレート41及びサポートプレート26とともに回転部材(図2の25)に固定される。摩擦プレート42は、摩擦材23と摩擦する摩擦部42eと取付部42aの間の部位にて、弾性変形可能にするための曲げ部42cを設定している。曲げ部42cは、複数回曲げた構成となっており、一部が支持プレート41の支持部41cと当接する。摩擦部42eが少なくとも0.3mm以上弾性変形可能にするために、曲げ部42cに複数の孔42dを有する。摩擦プレート42は、摩擦部42eの内周側の部位に、支持プレート41の支持部41cと当接させるための曲げ部42fを有する。摩擦プレート42には、防錆効果の高い材料(例えば、ステンレス等)を用いたり、熱処理、化学的表面処理を施した部材を用いることが好ましい。これにより、錆による影響を防止することができる。なお、摩擦プレート42は薄いため、錆対応の高級材を使用してもコストアップを抑えることができる。
【0060】
なお、図9及び図10のカバープレート40では、摩擦プレート42の摩擦部42eと、支持プレート41の支持部41cとを離間させるために、摩擦プレート42に曲げ部42c、42fを特殊な形状にしているが、図11のように摩擦プレート42の摩擦部42eの外周及び内周近傍を摩擦部42eと同様に平坦にし、支持プレート41の支持部41cに凹部42dを設定してもよい。
【0061】
実施形態4によれば、実施形態1と同様に、カバープレート40における摩擦プレート42の剛性を低減させているので、ダンパ部の偏芯荷重が摩擦プレート42で緩和され、ダンパ部の偏芯を低減させることができる。
【0062】
(実施形態5)
本発明の実施形態5に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図12は、本発明の実施形態5に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の構成を模式的に示した部分断面図である。図13は、本発明の実施形態5に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の変形例の構成を模式的に示した部分断面図である。図14は、本発明の実施形態5に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の変形例の構成を模式的に示した図13の矢視Aから見たときの部分平面図である。
【0063】
実施形態5では、摩擦材23の摩擦相手材となるカバープレート43の剛性を低減する(弾性変形可能にする)ために、カバープレート43を支持プレート44で摩擦プレート45を支持するように両プレートを一体化した構成とし、摩擦プレート45における摩擦部45eと支持プレート44の間に、摩擦プレート45を摩擦材23側に付勢する弾性部材46を設定している。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0064】
カバープレート43は、支持プレート44と摩擦プレート45がリベット(図示せず)により一体化され、摩擦プレート45における摩擦部45eと支持プレート44の間に、摩擦プレート45を摩擦材23側に付勢する弾性部材46を配置した環状の部材であり、リミッタ部の構成部品である。
【0065】
支持プレート44は、摩擦プレート45の摩擦材23側の反対面側で摩擦プレート45を支持するプレートである。支持プレート44は、回転部材(図2の25)に取付ける外周の取付部44aに、ボルト(図2の28)を挿通するボルト穴44bを有し、リベット(図示せず)を挿通するリベット穴(図示せず)を有する。支持プレート44は、リベット(図示せず)によって摩擦プレート45とともにサポートプレート26と固定され、ボルト(図2の28)によって摩擦プレート45及びサポートプレート26とともに回転部材(図2の25)に固定される。支持プレート44は、摩擦プレート45の摩擦材23側の反対面側に摩擦プレート45の摩擦部45eと離間するように延在した支持部44cを有する。支持部44cは、摩擦プレート45の摩擦部45eと対向する面にて弾性部材46と当接する。
【0066】
摩擦プレート45は、摩擦材23と摺動可能に接しており、摩擦材23に対する摩擦相手材である。摩擦プレート45は、回転部材(図2の25)に取付ける外周の取付部45aに、ボルト(図2の28)を挿通するボルト穴45bを有し、リベット(図示せず)を挿通するリベット穴(図示せず)を有する。摩擦プレート45は、リベット(図示せず)によって支持プレート44とともにサポートプレート26と固定され、ボルト(図2の28)によって支持プレート44及びサポートプレート26とともに回転部材(図2の25)に固定される。摩擦プレート45は、摩擦材23と摩擦する摩擦部45eと取付部44aの間の部位にて、弾性変形可能にするための曲げ部44cを設定している。摩擦プレート45は、摩擦材23と当接する摩擦部45eの支持プレート44側の面にて弾性部材46と当接し、弾性部材46によって摩擦材23側に付勢されている。
【0067】
弾性部材46は、摩擦プレート45の摩擦部45eと支持プレート44との間に配置された弾性変形可能な部材である。弾性部材46は、摩擦プレート45の摩擦部45eを摩擦材23側に付勢する。弾性部材46には、ゴム、エラストマ、皿ばね、ウェーブワッシャを用いることができる。
【0068】
なお、図12では摩擦プレート45と支持プレート44を一体化したカバープレート43としているが、図13及び図14のように摩擦プレート49と支持プレート48を一体化しないカバープレート47とすることができる。支持プレート48には、取付部48aと支持部48cの間の部位に穴部48dが形成されている。摩擦プレート49の外周の一部には、穴部48dに挿通される回り止め部49aが形成されている。摩擦プレート49とは、回り止め部49aが穴部48dに挿通されることで、支持プレート48に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能になる。摩擦プレート49と支持プレート48と支持部48cとの間には、摩擦プレート49を摩擦材23側に付勢する弾性部材50が配置されている。弾性部材50には、ゴム、エラストマ、皿ばね、ウェーブワッシャを用いることができる。
【0069】
実施形態5によれば、実施形態1と同様に、カバープレート43、47における摩擦プレート45、49の剛性を低減させているので、ダンパ部の偏芯荷重が摩擦プレート42で緩和され、ダンパ部の偏芯を低減させることができる。
【0070】
(実施形態6)
本発明の実施形態6に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図15は、本発明の実施形態6に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成を模式的に示した部分断面図である。図16は、本発明の実施形態6に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成の変形例1を模式的に示した部分断面図である。図17は、本発明の実施形態6に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレートの変形例2の構成を模式的に示した部分断面図である。
【0071】
ダンパ部(図2の3、4、5、17、18、19、20)の偏芯荷重は摩擦材(図2の23、24)の剛性に影響を受ける。そのため、実施形態6では、図17のように、摩擦材23、24を固定するライニングプレート51の剛性を低減させている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0072】
ライニングプレート51は、サイドプレート4とサイドプレート5の間にて、サイドプレート4及びサイドプレート5とともにリベット21で固定された環状のディスク部材であり、ダンパ部と一体に回転するリミッタ部の構成部品である。ライニングプレート51は、外周の接合部51bがカバープレート(図2の27)とプレシャプレート(図2の29)の間まで延在しており、接合部51bの両面に摩擦材23、24がリベット(図示せず)によって固定されている。ライニングプレート51は、内周の取付部51aがサイドプレート4とサイドプレート5の間に延在しており、取付部51aにてサイドプレート4及びサイドプレート5とともにリベット21で固定されている。ライニングプレート51における取付部51aと接合部51bの間の部位には、弾性変形可能にするための曲げ部51cが設定されている。ライニングプレート51は、回転部材(図2の25)に組み付けていないときに曲げ部51cにて取付部51aの取付面に対して接合部51bの接合面が所定角度撓み、図2のように組み付けたときに接合面と取付面がフラットになるように設定する。
【0073】
なお、図15ではライニングプレート51の曲げ部51cの曲げ回数は1回であるが、図16のように曲げ部52cの曲げ回数を2回以上にしてもかまわない。また、図16のように、曲げ部52cに弾性変形の必要量に応じて複数の穴部52eを形成してもよい。また、図16では曲げ部52cに穴部52eを形成しているが、図17のようにライニングプレート53における接合部53bの外周端部から切り欠いた切欠き部53eを形成してもよい。
【0074】
実施形態6によれば、摩擦材23、24を固定するライニングプレート51を弾性変形可能な構成にしているので、ダンパ部の偏芯荷重がライニングプレート51で緩和され、ダンパ部の偏芯を低減させることができる。
【0075】
(実施形態7)
本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図18は、本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成を模式的に示した部分断面図である。図19は、本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成の変形例1を模式的に示した部分断面図である。図20は、本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成の変形例2を模式的に示した部分断面図である。図21は、本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成の変形例3を模式的に示した部分断面図である。図22は、本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成の変形例4を模式的に示した部分断面図である。図23は、本発明の実施形態7に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成の変形例5を模式的に示した部分断面図である。
【0076】
実施形態7では、図18のように、摩擦材23、24を固定するライニングプレートを第1ライニングプレート54と第2ライニングプレート55の2枚の構成とし、第1ライニングプレート54に弾性変形可能な曲げ部54cを設定して、ライニングプレートの剛性を低減させている。
【0077】
第1ライニングプレート54は、接合部54bにおける第2ライニングプレート55側の面の反対面にのみ摩擦材23が接合している。第2ライニングプレート55は、接合部55bにおける第1ライニングプレート54側の面の反対面にのみ摩擦材24が接合している。第1ライニングプレート54における取付部54aと接合部54bの間の部位には2回曲げの曲げ部54cが形成されている。第2ライニングプレート55には、取付部55aと接合部55bの間の部位に曲げ部が存在せず、全体的に平坦である。第1ライニングプレート54における接合部54b乃至曲げ部54cは、対向する第2ライニングプレート55と離間している。第1ライニングプレート54における接合部54bの外周先端部は、第2ライニングプレート55と接触していてもよい。第1ライニングプレート54と第2ライニングプレート55は、取付部54a、55aにて当接している。取付部54a、55aは、サイドプレート4とサイドプレート5の間に配され、サイドプレート4及びサイドプレート5とともにリベット21で固定されている。第1ライニングプレート54と第2ライニングプレート55とは、回転部材(図2の25)に組み付けていないときに第1ライニングプレート54における曲げ部54cにて取付部54aの取付面に対して接合部54bの接合面が所定角度撓み、図2のように組み付けたときに第1ライニングプレート54における接合面と取付面がフラットになるように設定する。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0078】
なお、図18ではライニングプレートを第1ライニングプレート54と第2ライニングプレート55の2枚の構成としているが、図19のようにライニングプレート56の本体に枝分かれして弾性変形可能なサブプレート部56aを設けた構成としてもよい。
【0079】
また、図18では第1ライニングプレート54のみ曲げ部54cを設定しているが、図20のように第2ライニングプレート55にも曲げ部55cを設定してもよい。この場合、第1ライニングプレート54と第2ライニングプレート55とは、断面構成において線対称となるように、回転部材(図2の25)に組み付けていないときに曲げ部54c、55c乃至接合部54b、55bが離間するように設定する。また、接合部54b及び接合部55bの外周先端部は、互いに接触していてもよい。
【0080】
また、図18では接合部54bと接合部55bの外周先端部が回転部材(図2の25)に組み付けていないときに互いに接触ないし近接しているが、図21のように接合部54bと接合部55bの外周先端部が回転部材(図2の25)に組み付けていないときに互いに外周に行くにしたがい大きく離間するように構成してもよい。
【0081】
また、図18では接合部54bと接合部55bが回転部材(図2の25)に組み付けていないときに平行になっていないが、図22のように接合部54bと接合部55bが回転部材(図2の25)に組み付けていないときに平行になるように設定してもよい。また、図23のように接合部54bと接合部55bの間に弾性部材57を配置してもよい。弾性部材57には、ゴム、エラストマ、皿ばね、ウェーブワッシャを用いることができる。
【0082】
実施形態7によれば、実施形態6と同様に、摩擦材23、24を固定するライニングプレート54、55、56を弾性変形可能な構成にしているので、ダンパ部の偏芯荷重がライニングプレート54、55、56で緩和され、ダンパ部の偏芯を低減させることができる。
【0083】
(実施形態8)
本発明の実施形態8に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図24は、本発明の実施形態8に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成を模式的に示した部分断面図である。
【0084】
実施形態8では、摩擦材23、24とライニングプレート22の間に弾性部材58を配置している。弾性部材58には、ゴム、エラストマを使用する。ライニングプレート22に摩擦材23、24を加圧成形する際、摩擦材23、24とライニングプレート22の間に弾性部材58を配置して、熱で弾性部材58を収縮させ(へたらせ)、摩擦材23、24の摩擦面を平坦化(平面度を向上)させることが好ましい。弾性部材58は、180〜250℃での加圧で3%以上収縮する特性を有することが好ましい。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0085】
実施形態8によれば、ダンパ部の偏芯荷重が摩擦材23、24とライニングプレート22の間の弾性部材58で緩和され、ダンパ部の偏芯を低減させることができる。これにより、低剛性化による偏芯低減が可能になる。
【0086】
(実施形態9)
本発明の実施形態9に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図25は、本発明の実施形態9に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレート及びその周辺の構成を模式的に示した部分断面図である。図26は、本発明の実施形態9に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の構成を模式的に示した部分断面図である。図27は、本発明の実施形態9に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレートと摩擦材の組立体の製造方法を模式的に示した工程図である。図28は、本発明の実施形態9に係るトルク変動吸収装置におけるライニングプレートと摩擦材の組立体の製造方法を模式的に示した(A)部分正面図(B)断面図である。
【0087】
ダンパ部(図2の3、4、5、17、18、19、20等)の偏芯荷重は、摩擦材(図2の23、24)及び摩擦相手材(図2の27、29)の平面度の影響を受けるため、実施形態9では、摩擦材及び摩擦相手材の一方又は両方の摩擦面の平面度を向上させるために、以下のような手法を用いる。
【0088】
図25を参照すると、摩擦材23、24を固定するライニングプレート60における取付部60aと接合部60bの間の部位にプレスによる環状の段差部60cを設定する。段差部60cは平面方向(図25の右側又は左側)から見て環状に形成されるため、ライニングプレート60における接合部60bの接合面の平坦性が向上する。そのため、摩擦材23、24をライニングプレート60に接合したときの摩擦材23、24の摩擦面の平坦性が向上し、ダンパ部の偏芯が低減される。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0089】
図26を参照すると、プレッシャプレート61の摩擦部61aの外周全周にリブ部61bを設定する。リブ部61bは平面方向(図26の右側又は左側)から見て円状に形成されるため、プレッシャプレート61における摩擦部61aの摩擦面の平坦性が向上する。また、カバープレート62の摩擦部62bと取付部62aの間の部位に段差部62cを設定する。段差部62cは平面方向(図26の右側又は左側)から見て円状に形成されるため、カバープレート62における摩擦部62bの摩擦面の平坦性が向上する。なお、ライニングプレート22及び摩擦材23、24の外周端面と、これに対するリブ部61b及び段差部62cの各対向面との間隔A(クリアランス)は、1mm以下であることが好ましい。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0090】
図27を参照すると、ライニングプレート22と摩擦材ブロック64の組立体は、まず、摩擦材ブロック64の基材となるシート状摩擦材素材63の段階で研磨等によって摩擦面の平面度を向上させた後、プレスで摩擦材ブロック64を打ち抜き、打ち抜いた摩擦材ブロック64を、接合部の平面度を向上させたライニングプレート22に接合させる。これにより、摩擦材ブロック64の摩擦面の平坦度が向上する。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0091】
図28を参照すると、ライニングプレート22と摩擦材23、24の組立体を、軸方向の間隔を規制した2つの研磨石65の間を回転させながら研磨して、摩擦材23、24の各摩擦面の平面度を向上させる。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0092】
実施形態9によれば、摩擦材及び摩擦相手材の一方又は両方の摩擦面の平面度が向上するので、ダンパ部の偏芯を低減させることができる。
【0093】
(実施形態10)
本発明の実施形態10に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図29は、本発明の実施形態10に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の構成を模式的に示した部分断面図である。図30は、本発明の実施形態10に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の変形例1の構成を模式的に示した部分断面図である。図31は、本発明の実施形態10に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の変形例2の構成を模式的に示した部分断面図である。
【0094】
実施形態10では、リミッタ部(22、23、24、27、29、30等)で摩擦材(図2の23、24)がカバープレート(図2の27)及びプレシャプレート(図2の29)と滑りが生じた時にダンパ部(図2の3、4、5、17、18、19、20等)の偏芯量を規制するために、以下の手法を用いる。
【0095】
図29を参照すると、プレッシャプレート70及びカバープレート71の両方(一方でも可)の摩擦面に凸部70a、71bを全周に渡って設定し、摩擦材72には凸部70a、71bに対応する凹部72aを設定する。摩擦材72は、ライニングプレート22に形成された貫通孔を通じて、ライニングプレート22と一体に形成されている。摩擦材72と一体に回転するダンパ部が凸部70a、71aと凹部72aによるガイド機能によって偏心量が規制される。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0096】
図30を参照すると、ライニングプレート22の両側に接合した摩擦材76、77の外周角部に円周に渡ってテーパ部76a、77aを形成し、プレッシャプレート74及びカバープレート75の両方(一方でも可)にテーパ部76a、77aに対応するガイド部74a、75aを設ける。ガイド部74a、75aと、対応するテーパ部76a、77aとの間の間隔(クリアランス)は、摩擦材76、77の平面形状が楕円になる等精度が悪い場合でも対応できるようにするため、1.5mm以下に設定する。摩擦材76、77と一体に回転するダンパ部がテーパ部76a、77aとガイド部74a、75aによるガイド機能によって偏心量が規制される。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0097】
図31を参照すると、プレッシャプレート78及びカバープレート79の両方の摩擦面に先端が鋭角な一又は複数の突起部78a、79aを設け、ダンパ部組み付け時に突起部78a、79aが、対応する摩擦材23、24に圧着されて、摩擦材23、24の摩擦面に突起部78a、79aの突起形状が転写された溝が形成される。これにより、突起部78a、79aが、摩擦材23、24に形成された溝にガイドされる状態となり、摩擦材23、24と一体に回転するダンパ部の偏心量が規制される。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0098】
実施形態10によれば、リミッタ部の摩擦面にてダンパ部の偏心量を規制することで、ダンパ部の偏芯を抑制することが可能となる。
【0099】
(実施形態11)
本発明の実施形態11に係るトルク変動吸収装置について図面を用いて説明する。図32は、本発明の実施形態11に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の構成を模式的に示した部分断面図である。図33は、本発明の実施形態11に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の変形例の構成を模式的に示した部分断面図である。
【0100】
実施形態11では、図32のように、ライニングプレート55、54に取り付けられた摩擦材23、24の両摩擦面が外周に行くにしたがい互いに間隔が小さくなるように両方とも傾斜(一方の傾斜でも可)しており、摩擦材23、24の各摩擦面に対応するようにプレッシャプレート80及びカバープレート81の各摩擦面も傾斜(一方の傾斜でも可)させることで、ダンパ部の偏心量を規制している。摩擦材23、24の各摩擦面の傾斜角度(径方向に対する角度)は、3°以上とすることが好ましい。各ライニングプレート55、54は、取付部55a、54aと接合部55b、54bの間の部位にて曲げ部55c、54cが設定されており、取付部55a、54aが外周に行くにしたがい間隔が小さくなるように設定されている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0101】
なお、図32では2枚のライニングプレート55、54と2つの摩擦材23、24を有する構成となっているが、図33のように1枚のライニングプレート22に摩擦材82を一体成形し、その際、摩擦材82の両摩擦面が外周に行くにしたがい互いに間隔が小さくように設定してもよい。
【0102】
実施形態11によれば、摩擦材の両摩擦面が外周に行くにしたがい互いに間隔が小さくように設定し、摩擦材23、24の各摩擦面に対応するようにプレッシャプレート80及びカバープレート81の各摩擦面も傾斜させることで、ダンパ部の偏心量が規制され、ダンパ部の偏心を低減させることができる。
【符号の説明】
【0103】
1 トルク変動吸収装置
3 ハブ部材
3a フランジ部
3b 窓部
4 サイドプレート
4a 穴部
5 サイドプレート
6 スラスト部材
6a 回り止め部
6b 抜け防止部
7 皿バネ
8 中間プレート
9 皿バネ
10 コントロールプレート
11 皿バネ
12 スラスト部材
13 スラスト部材
14 コントロールプレート
15 スラスト部材
16 ピン部材
17 スプリングシート
18 スプリングシート
19 コイルスプリング
20 弾性部材
21 リベット
22 ライニングプレート
23 摩擦材
24 摩擦材
25 回転部材
26 サポートプレート
26a 開口部
27、33、34、35 カバープレート
27a、33a 孔(スリット孔)
27b、33b、34b、35b 摩擦部
27c、33c、34c、35c 取付部
27d、33d、34d、35d ボルト穴
27e リベット穴
27f、33f、34f、35f 曲げ部
28 ボルト
29 プレシャプレート
29a 凸部
30 皿バネ
31 ボルト
35g 切欠き部
40、43、47 カバープレート
41、44 支持プレート
41a、44a 取付部
41b、44b ボルト穴
41c、44c 支持部
41d 凹部
42、45 摩擦プレート
42a、45a 取付部
42b、45b ボルト穴
42c、45c 曲げ部
42d 孔
42e、45e 摩擦部
42f 曲げ部
46、50 弾性部材
48 支持プレート
48a 取付部
48b ボルト穴
48c 支持部
48d 穴部
49 摩擦プレート
49a 回り止め部
51、52、53 ライニングプレート
51a、52a、53a 取付部
51b、52b、53b 接合部
51c、52c、53c 曲げ部
51d、52d、53d リベット穴部
52e 穴部
53e 切欠き部
53f リベット穴部
54 第1ライニングプレート
54a 取付部
54b 接合部
54c 曲げ部
55 第2ライニングプレート
55a 取付部
55b 接合部
55c 曲げ部
56 ライニングプレート
56a サブプレート部
56b 取付部
56c 第1接合部
56d 第2接合部
56e 曲げ部
57、58 弾性部材
60 ライニングプレート
60a 取付部
60b 接合部
60c 段差部
61 プレッシャプレート
61a 摩擦部
61b リブ部
62 カバープレート
62a 取付部
62b 摩擦部
62c 段差部
63 シート状摩擦材素材
64 摩擦材ブロック
65 研磨石
66 支持部
67 調整ピン
70 プレッシャプレート
70a 凸部(ガイド部)
71 カバープレート
71a 凸部(ガイド部)
72 摩擦材
72a 凹部
74 プレッシャプレート
74a ガイド部
75 カバープレート
75a ガイド部
76、77 摩擦材
76a、77a テーパ部
78 プレッシャプレート
78a 突起部
79 カバープレート
79a 突起部
80 プレッシャプレート
81 カバープレート
81a 取付部
81b 摩擦部
81c 曲げ部
82 摩擦材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライニングプレートに固定された摩擦材がカバープレートとプレッシャプレートで挟持されたリミッタ部と、前記ライニングプレート及び前記摩擦材と一体に回転するとともにトルク変動を吸収するダンパ部と、を備えるトルク変動吸収装置において、
前記カバープレート及び前記プレッシャプレートの一方又は両方は、前記摩擦材が前記カバープレート及び前記プレッシャプレートと滑りが生じた時に前記ダンパ部の偏芯を規制するように前記摩擦材をガイドすることを特徴とするトルク変動吸収装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記摩擦材との摩擦面にて前記摩擦材側に突出した凸部であり、
前記凸部は、摩擦面全周に渡って設定され、
前記摩擦材は、前記凸部と対応する凹部を有することを特徴とする請求項1記載のトルク変動吸収装置。
【請求項3】
前記摩擦材は、外周角部の全周にテーパ部を有し、
前記ガイド部は、前記摩擦材の前記テーパ部に対応することを特徴とする請求項1記載のトルク変動吸収装置。
【請求項4】
前記摩擦材の両摩擦面は、外周に行くにしたがい互いに間隔が小さくなるように構成され、
前記カバープレート及び前記プレッシャプレートの摩擦面は、前記摩擦材の各摩擦面に対応するように構成されることを特徴とする請求項1記載のトルク変動吸収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2011−241984(P2011−241984A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170093(P2011−170093)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【分割の表示】特願2007−152418(P2007−152418)の分割
【原出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)