説明

トロリ線接続作業用仮留め装置

【課題】 既設トロリ線の一部を切断して、切断端面同士を、常温圧接装置を用いて再接続するような接続作業を行うために、当該切断部分の両側を引き留めておく装置であって、装置自体が接続作業の障害にならないものを得る。
【解決手段】 仮留め装置1は、既設トロリ線Tの切断予定部分Cの両側に一端が接続される第1及び第2の牽引索2,3と、牽引索2,3の他端に接続されるヨーク4,5と、ヨーク4,5間に掛け回されるロープ6と、これを引き締める引締機7とを具備する。ヨーク4は、中間で牽引索2に、両端でロープ6の両端に接続される。ヨーク5は、中間で牽引索3に接続され、両端に有する滑車10,11にロープ6が掛け回される。ヨーク4、ヨーク5間とロープ6の往復部6a,6a間に、トロリ線常温圧接装置21のような接続装置を挿入するための間隔が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、既設トロリ線の一部を切断して、切断部分においてトロリ線の接続作業を行うために、当該既設トロリ線の切断部分の両側を引き留めておくための装置と、これを用いたトロリ線の接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既設トロリ線の接続箇所は、所定長さにわたって並行に添わせた2本のトロリ線をダブルイヤーと称される金具で複数箇所において一体に把持することにより接続されている。このような既設トロリ線の接続箇所は、重量増加等の要因により、パンタグラフとの接触による摩耗が局部的に速く進行する。このため、この接続方式に代え、当該接続箇所を切断した上で、切断された2本のトロリ線の新たな切断端面同士を常温圧接装置を用いて、融合一体化する接続方法が提案されている(特許文献1参照)。
常温圧接装置は、それぞれトロリ線の端部を把持可能なチャックを持つ固定ブロックと、移動ブロックとを具備する。移動ブロックが、一方のトロリ線を把持して、他方のトロリ線を把持した固定ブロックに対して駆動手段により接近することで、2本のトロリ線の切断端面同士を常温圧接する。既設トロリ線には、張力がかけられているから、既接続箇所の切断から常温圧接による再接続の完了までの間、既接続箇所の両側を引き留めて、中間を張力から自由にしておく必要がある。このために、トロリ線の仮留め装置が用いられる。従来の仮留め装置は、例えば、既接続箇所の両側においてトロリ線に接続された牽引索を電動ウィンチや手動工具で引き付ける形式のものであるが、これによれば、仮留め装置自体が、トロリ線と常温圧接装置との間に介在して、作業のじゃまになるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−15950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この出願に係る発明は、既設トロリ線の一部を切断して、切断端面同士を、常温圧接装置を用いて再接続するようなトロリ線の接続作業を行うために、当該切断部分の両側を引き留めておくための装置であって、装置自体が接続作業の障害にならないものを提供すること、及び、この装置を用いた新規で合理的なトロリ線の接続方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この出願に係る発明においては、既設トロリ線Tの切断予定部分Cの両側に所定の間隔をおいた部位にそれぞれ一端が接続される第1及び第2の牽引索2,3と、これら各牽引索2,3の他端にそれぞれ接続される第1及び第2のヨーク4,5と、これら第1及び第2のヨーク4,5間に掛け回されるロープ6と、このロープ6を引き締めるための引締機7とを具備させて、仮留め装置1を構成する。第1のヨーク4は、中間において第1の牽引索2に接続され、両端においてロープ6の両端が接続される。第2のヨーク5は、中間において第2の牽引索3に接続され、両端に有する滑車10,11にロープ6の中間が掛け回される。第1及び第2のヨーク4,5間のロープ6の往復部6a,6a間に、トロリ線常温圧接装置21のような接続装置を挿入するための間隔が形成される。
上記仮留め装置1における第1及び第2のヨーク4,5は、トロリ線Tの上方に架設されている吊架線Mに吊り留めるための吊り留め具12,13をそれぞれ具備するものとすることができる。
また、この出願に係る発明は、上記トロリ線接続作業用仮留め装置1を用いてトロリ線Tを接続する新しい方法を提供する。この方法は、既設トロリ線Tの切断予定部分Cの両側に所定の間隔をおいた部位にそれぞれ第1及び第2の牽引索2,3の一端を接続して既設トロリ線Tに仮留め装置1を装着する工程と、引締機7によりロープ6を引き締めて、仮留め装置1に既設トロリ線Tの張力を負担させる工程と、既設トロリ線Tの切断予定部分Cを切断する工程と、第1及び第2のヨーク4,5間のロープ6の往復部6a,6a間に形成される間隔に、トロリ線常温圧接装置21を挿入する工程と、トロリ線常温圧接装置21の一方のチャック26に、一方の既設トロリ線T1の切断された端部を把持させると共に、他方のチャック27に、他方の既設トロリ線T2の切断された端部を把持させる工程と、トロリ線常温圧接装置21により、既設トロリ線Tの切断された両端部を圧接させて一体化する工程とを含む。一対のチャック26,27にトロリ線T1,T2の端部を把持させる工程において、他方のチャック27に把持させるトロリ線は、任意であり、既設トロリ線でなく、新たなトロリ線であってもよい。
既設トロリ線Tの切断された両端部を圧接させて一体化する上記方法は、さらに圧接一体化された既設トロリ線Tの接続部に保護金具を装着して接続部を補強する工程と、引締機7を弛めて既設トロリ線Tに再び張力を負担させた後、仮留め装置1を既設トロリ線Tから取り外す工程とを含むものとすることができる。
また、この出願に係る発明は、上記トロリ線接続作業用仮留め装置1を用いて既設トロリ線TにおけるダブルイヤーEによる既接続部を切断した後、常温圧接装置21により再度、既設トロリ線Tの切断端面同士を接続する新しい方法を提供する。この方法は、2本のトロリ線T1,T2の端部を所定寸法並行に並べて複数のダブルイヤーEのような接続金具により把持してなる既接続部を有する既設トロリ線Tにおける当該の既接続部の両側に所定の間隔をおいた部位にそれぞれ第1及び第2の牽引索2,3の一端を接続して既設トロリ線Tに仮留め装置1を装着する工程と、引締機7によりロープ6を引き締めて、仮留め装置1に既設トロリ線Tの張力を負担させる工程と、既設トロリ線Tの既接続部を所要寸法切断して除去する工程と、既設トロリ線Tの既接続部からダブルイヤーEを取り外す工程と、第1及び第2のヨーク4,5間のロープ6の往復部6a,6a間に形成される間隔に、トロリ線常温圧接装置21を挿入する工程と、トロリ線常温圧接装置21の一方のチャック26に、一方の既設トロリ線T1の切断された端部を把持させると共に、他方のチャック27に、他方の既設トロリ線T2の切断された端部を把持させる工程と、トロリ線常温圧接装置21により、既設トロリ線Tの切断された両端部を圧接させて一体化する工程と、圧接一体化された既設トロリ線Tの接続部に保護金具を装着して接続部を補強する工程と、引締機7を弛めて既設トロリ線Tに再び張力を負担させた後、仮留め装置1を既設トロリ線Tから取り外す工程とを含む。
また、この出願に係る発明は、上記トロリ線接続作業用仮留め装置を用いて既設トロリ線における、例えば局部摩耗の著しい所定長さ部分を切除し、ここに新たな所定長さのトロリ線を介在させて、常温圧接装置により、既設トロリ線と接続する新しい方法を提供する。この方法は、既設トロリ線の切断予定部分の両側に所定の間隔をおいた部位にそれぞれ第1及び第2の牽引索の一端を接続して既設トロリ線に仮留め装置を装着する工程と、引締機によりロープを引き締めて、仮留め装置に既設トロリ線の張力を負担させる工程と、既設トロリ線の切断予定部分を切断する工程と、第1及び第2のヨーク間のロープの往復部間に形成される間隔に、トロリ線常温圧接装置を挿入する工程と、トロリ線常温圧接装置の一対のチャックの一方に、一方の既設トロリ線の切断された端部を把持させると共に、他方のチャックに、新たなトロリ線の一端部を把持させる工程と、トロリ線常温圧接装置により、既設トロリ線の切断された端部と新たなトロリ線の一端部を圧接させて一体化する工程と、トロリ線常温圧接装置の一対のチャックの一方に、他方の既設トロリ線の切断された端部を把持させると共に、他方のチャックに、新たなトロリ線の他端部を把持させる工程と、トロリ線常温圧接装置により、既設トロリ線の切断された他方の端部と、新たなトロリ線の他端部とを圧接させて一体化する工程と、圧接一体化された既設トロリ線の両端部と新たなトロリ線の両端部との接続部に保護金具を装着して接続部を補強する工程と、引締機を弛めて既設トロリ線に再び張力を負担させた後、仮留め装置を既設トロリ線から取り外す工程とを含む。
【発明の効果】
【0006】
この出願に係る発明に係るトロリ線の仮留め装置においては、第1及び第2のヨーク間のロープの往復部間に接続装置挿入用の間隔が形成されるので、仮留め装置自体が接続作業の障害とならず、作業を迅速に進行することができるという効果を有する。
上記仮留め装置における第1及び第2のヨークが、吊架線への吊り留め具を具備すれば、吊り留め具によりヨークの重量を支持すると共に、その位置を規制することで、仮留め装置の装着作業及びその後のトロリ線接続をより迅速に進行することができる。
上記トロリ線の仮留め装置を用いた本願発明に係るトロリ線の新しい接続方法によれば、既設トロリ線における、ダブルイヤーを用いた接続部等の局部摩耗の著しい部位を切断除去して既設トロリ線の切断端面同士を圧接により再接続する作業や、局部摩耗の著しい部位を切断除去して、除去部位に新たなトロリ線を介在させ、その両端を既設トロリ線の切断端面に圧接により接続するような作業を効率的に、迅速に行うことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】トロリ線接続作業用仮留め装置の使用状態の正面図である。
【図2】トロリ線接続作業用仮留め装置の使用状態の側面図である。
【図3】トロリ線接続作業用仮留め装置の側面図である。
【図4】トロリ線常温圧接装置の正面図である。
【図5】トロリ線常温圧接装置の側正面図である。
【図6】トロリ線接続作業を順を追って示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照してこの出願に係る発明の実施の形態を説明する。
仮留め装置1は、第1及び第2の牽引索2,3と、牽引索2,3に接続された第1及び第2のヨーク4,5と、ヨーク4,5間に掛け回されるワイヤロープ6と、それの引締機7とを具備する。
【0009】
第1及び第2の牽引索2,3は、一端にそれぞれグリッパ8,9を有し、このグリッパ8,9が、既設トロリ線Tの切断予定部分Cの両側に所定の間隔をおいた部位に結合される。各牽引索2,3の他端には、それぞれ第1及び第2のヨーク4,5が接続される。
【0010】
第1のヨーク4は、二等辺三角形状で、中間の頂角部において第1の牽引索2に接続され、両端の底角部においてワイヤロープ6の両端が接続される。また第1のヨーク4の中央部には、吊り止めバンド12の一端が係止される。吊り止めバンド12の他端側は吊架線Mに係止することができ、これにより第1のヨーク4を吊架線Mに吊ることができる。第2のヨーク5は、二等辺三角形状で、中間の頂角部において第2の牽引索3に接続され、両端の底角部に滑車10,11を有する。また第2のヨーク5の中央部には、吊り止めバンド13の一端が係止される。吊り止めバンド13の他端側は吊架線Mに係止することができ、これにより第2のヨーク5を吊架線Mに吊ることができる。
【0011】
ワイヤロープ6は、一端が第1のヨーク4の一方の底角部に係止され、中間が滑車10,11に掛け回され、折り返されて、他端が引締機7を介して第1のヨーク4の他方の底角部に係止される。引締機7は、ハンドル7aを操作することによってワイヤロープ6を引き締めることができる。
【0012】
第1及び第2のヨーク4,5間を往復するワイヤロープ6の往復部6a、6a間には、接続装置21であるトロリ線常温圧接装置を挿入するのに十分な間隔が形成される。
【0013】
所定長さにわたって並行に添わせた2本のトロリ線T1,T2をダブルイヤーと称される金具Eで複数箇所において一体に把持することにより接続されている既設トロリ線Tの接続箇所を切断して、二本のトロリ線T1,T2を連続した一本のものに接続し直す作業を例にとって、仮留め装置1の使用方法を説明する。
【0014】
まず、既設トロリ線におけるダブルイヤーEによる既接続部の両側に所定の間隔をおいた部位に、それぞれグリッパ9により第1及び第2の牽引索2,3の一端を接続すると共に、吊り止めバンド12,13を吊架線Mに掛け、既設トロリ線Tに仮留め装置1を装着する。
【0015】
次いで、引締機7を操作して、ロープ6を引き締め、仮留め装置1に既設トロリ線Tの張力を負担させる。
【0016】
中央のダブルイヤーEをゆるめて片側へ寄せ(図6a,b)、接続部を切断予定部分Cで切断(図6c)した後、全てのダブルイヤーEを取り外す(図6d)。
【0017】
引締機7により、ロープ6を弛めて、切断端部を適正な位置に対向配置する(図6e)。次いで、ヨーク4,5間に形成される間隔に、トロリ線常温圧接装置21のヘッド23を挿入する。
【0018】
ここで、トロリ線常温圧接装置21の構成を説明する。図4,5において、圧接装置21は、架台22上に設けられたヘッド23を有する。ヘッド23は、固定ブロック24と移動ブロック25とを具備する。固定ブロック24は、一端部同士を突き合わされた2本のトロリ線T1,T2のうちの1本の端部を把持可能なチャック26を有する。移動ブロック25は、固定ブロック24に接近離反するように駆動手段28でトロリ線Tの軸線方向に往復移動可能であり、他の1本のトロリ線T2の端部を把持可能なチャック27を具備する。固定ブロック24と移動ブロック25が、チャック26,27で各トロリ線T1,T2の先端部を把持して相互に接近することにより、トロリ線T1,T2の端部を圧縮して、融合一体化する。
【0019】
仮留め装置1の使用方法にもどる。圧接装置21の一方のチャック26に既設トロリ線T1の切断された端部を把持させると共に、他方のチャック27に、他方のトロリ線T2の切断された端部を把持させる(図6e)。そして、トロリ線常温圧接装置21により、トロリ線T1,T2の切断された両端部を圧接させて一体化する(図6f)。その後、圧接一体化された接続部に保護金具Pを装着して接続部を補強する(図6g)。最後に、引締機7を弛めて既設トロリ線Tに再び張力を負担させた後、仮留め装置1を既設トロリ線Tから取り外す。
【0020】
なお、仮留め装置1は、既設トロリ線TのダブルイヤーEによる既接続部以外の部位において、既設トロリ線Tを切断して、再度、切断端部同士を圧接装置21で接続する作業、あるいは既設トロリ線Tを切断して、ここに新たなトロリ線を介在させ、既設トロリ線Tの端部と新たなトロリ線の端部とを圧接装置21で接続する作業にも使用することができる。
【0021】
仮留め装置1で引き留めた区間内の既設トロリ線Tにおける、局部摩耗の著しい所定長さ部分を切除して、この切除部分に新しいトロリ線を挿入して両端を常温圧接装置により接続する作業は、例えば以下のように行われる。
既設トロリ線Tの切断予定部分に仮留め装置1を装着し、既設トロリ線Tの所要部位を切断除去する。その後、トロリ線常温圧接装置21の一方のチャック26に、一方の既設トロリ線の切断された端部を把持させ、他方のチャック27には、新たなトロリ線の一端部を把持させる。トロリ線常温圧接装置21により、既設トロリ線Tの切断された端部と新たなトロリ線の一端部を圧接させて一体化する。次いで、トロリ線常温圧接装置21を移動させて、それの一方のチャック26に、他方の既設トロリ線の切断された端部を把持させ、他方のチャック27に、新たなトロリ線の他端部を把持させ、既設トロリ線の切断された他方の端部と、新たなトロリ線の他端部とを圧接させて一体化する。圧接一体化された既設トロリ線の両端部と新たなトロリ線の両端部との接続部に保護金具を装着して接続部を補強し、引締機を弛めて既設トロリ線に再び張力を負担させた後、仮留め装置を既設トロリ線から取り外す。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明の仮留め装置は、例えば、ダブルイヤーで接続された既設トロリ線の接続箇所を切断した後、圧接装置を用いて、切断されたトロリ線を連続した一本のものに接続し直す作業を行う間、圧接装置の使用の障害とならない状態で、切断された既設トロリ線を仮に引き留めるために使用される。
【符号の説明】
【0023】
1 仮留め装置
2 第1の牽引索
3 第2の牽引索
4 第1のヨーク
5 第2のヨーク
6 ロープ
6a 往復部
7 引締機
8 グリッパ
9 グリッパ
10 滑車
11 滑車
12 吊り留め具
13 吊り留め具
21 トロリ線常温圧接装置
22 架台
23 ヘッド
24 固定ブロック
25 移動ブロック
26 チャック
27 チャック
28 駆動手段
C 切断予定部分
E ダブルイヤー(接続金具)
P 保護金具
T 既設トロリ線
T1 トロリ線
T2 トロリ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設トロリ線の一部を切断して、切断部分においてトロリ線の接続作業を行うために、当該既設トロリ線の切断部分の両側を引き留めておくための装置であって、
既設トロリ線の切断予定部分の両側に所定の間隔をおいた部位にそれぞれ一端が接続される第1及び第2の牽引索と、
これら各牽引索の他端にそれぞれ接続される第1及び第2のヨークと、
これら第1及び第2のヨーク間に掛け回されるロープと、
このロープを引き締めるための引締機とを具備し、
前記第1のヨークは、中間において前記第1の牽引索に接続され、両端において前記ロープの両端が接続され、
前記第2のヨークは、中間において前記第2の牽引索に接続され、両端に滑車を有し、これらの滑車に前記ロープの中間が掛け回され、
前記第1及び第2のヨーク間の前記ロープの往復部間に接続装置挿入用の間隔が形成されることを特徴とするトロリ線接続作業用仮留め装置。
【請求項2】
前記第1及び第2のヨークが、前記トロリ線の上方に架設されている吊架線に吊り留めるための吊り留め具をそれぞれ具備することを特徴とする請求項1に記載のトロリ線接続作業用仮留め装置。
【請求項3】
請求項1に記載のトロリ線接続作業用仮留め装置を用いてトロリ線を接続する方法であって、
前記既設トロリ線の切断予定部分の両側に所定の間隔をおいた部位にそれぞれ前記第1及び第2の牽引索の一端を接続して既設トロリ線に前記仮留め装置を装着する工程と、
前記引締機により前記ロープを引き締めて、前記仮留め装置に前記既設トロリ線の張力を負担させる工程と、
前記既設トロリ線の切断予定部分を切断する工程と、
前記第1及び第2のヨーク間の前記ロープの往復部間に形成される間隔に、トロリ線常温圧接装置を挿入する工程と、
前記トロリ線常温圧接装置の一対のチャックの一方に、少なくとも一方の前記既設トロリ線の切断された端部を把持させると共に、他方のチャックに、他の任意のトロリ線の端部を把持させる工程と、
前記トロリ線常温圧接装置により、前記少なくとも一方の既設トロリ線の切断された端部と、前記他の任意のトロリ線の端部とを圧接させて一体化する工程と、
を含むことを特徴とするトロリ線の接続方法。
【請求項4】
請求項1に記載のトロリ線接続作業用仮留め装置を用いてトロリ線を接続する方法であって、
前記既設トロリ線の切断予定部分の両側に所定の間隔をおいた部位にそれぞれ前記第1及び第2の牽引索の一端を接続して既設トロリ線に前記仮留め装置を装着する工程と、
前記引締機により前記ロープを引き締めて、前記仮留め装置に前記既設トロリ線の張力を負担させる工程と、
前記既設トロリ線の切断予定部分を切断する工程と、
前記第1及び第2のヨーク間の前記ロープの往復部間に形成される間隔に、トロリ線常温圧接装置を挿入する工程と、
前記トロリ線常温圧接装置の一対のチャックの一方に、一方の前記既設トロリ線の切断された端部を把持させると共に、他方のチャックに、他方の前記既設トロリ線の切断された端部を把持させる工程と、
前記トロリ線常温圧接装置により、前記既設トロリ線の切断された両端部を圧接させて一体化する工程と、
圧接一体化された前記既設トロリ線の接続部に保護金具を装着して接続部を補強する工程と、
前記引締機を弛めて前記既設トロリ線に再び張力を負担させた後、前記仮留め装置を既設トロリ線から取り外す工程と、
を含むことを特徴とするトロリ線の接続方法。
【請求項5】
請求項1に記載のトロリ線接続作業用仮留め装置を用いてトロリ線を接続する方法であって、
2本のトロリ線の端部を所定寸法並行に並べて複数の接続金具により把持してなる既接続部を有する前記既設トロリ線における当該の既接続部の両側に所定の間隔をおいた部位にそれぞれ前記第1及び第2の牽引索の一端を接続して既設トロリ線に前記仮留め装置を装着する工程と、
前記引締機により前記ロープを引き締めて、前記仮留め装置に前記既設トロリ線の張力を負担させる工程と、
前記既設トロリ線の既接続部を所要寸法切断して除去する工程と、
前記既設トロリ線の既接続部から前記接続金具を取り外す工程と、
前記第1及び第2のヨーク間の前記ロープの往復部間に形成される間隔に、トロリ線常温圧接装置を挿入する工程と、
前記トロリ線常温圧接装置の一対のチャックの一方に、一方の前記既設トロリ線の切断された端部を把持させると共に、他方のチャックに、他方の前記既設トロリ線の切断された端部を把持させる工程と、
前記トロリ線常温圧接装置により、前記既設トロリ線の切断された両端部を圧接させて一体化する工程と、
圧接一体化された前記既設トロリ線の接続部に保護金具を装着して接続部を補強する工程と、
前記引締機を弛めて前記既設トロリ線に再び張力を負担させた後、前記仮留め装置を既設トロリ線から取り外す工程と、
を含むことを特徴とするトロリ線の接続方法。
【請求項6】
請求項1に記載のトロリ線接続作業用仮留め装置を用いてトロリ線を接続する方法であって、
前記既設トロリ線の切断予定部分の両側に所定の間隔をおいた部位にそれぞれ前記第1及び第2の牽引索の一端を接続して既設トロリ線に前記仮留め装置を装着する工程と、
前記引締機により前記ロープを引き締めて、前記仮留め装置に前記既設トロリ線の張力を負担させる工程と、
前記既設トロリ線の切断予定部分を切断する工程と、
前記第1及び第2のヨーク間の前記ロープの往復部間に形成される間隔に、トロリ線常温圧接装置を挿入する工程と、
前記トロリ線常温圧接装置の一対のチャックの一方に、一方の前記既設トロリ線の切断された端部を把持させると共に、他方のチャックに、新たなトロリ線の一端部を把持させる工程と、
前記トロリ線常温圧接装置により、一方の前記既設トロリ線の切断された端部と新たなトロリ線の一端部とを圧接させて一体化する工程と、
前記トロリ線常温圧接装置の一対のチャックの一方に、他方の前記既設トロリ線の切断された端部を把持させると共に、他方のチャックに、新たなトロリ線の他端部を把持させる工程と、
前記トロリ線常温圧接装置により、他方の前記既設トロリ線の切断された端部と、前記新たなトロリ線の他端部とを圧接させて一体化する工程と、
圧接一体化された前記既設トロリ線の両端部と前記新たなトロリ線の両端部との接続部に保護金具を装着して接続部を補強する工程と、
前記引締機を弛めて前記既設トロリ線に再び張力を負担させた後、前記仮留め装置を既設トロリ線から取り外す工程と、
を含むことを特徴とするトロリ線の接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−208604(P2010−208604A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60068(P2009−60068)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000001890)三和テッキ株式会社 (134)