説明

ドア用ルーバー

【課題】安価に製造することができ、且つ既存のドアに対して簡単に取付け取り外しができるドア用ルーバーを提供する。
【解決手段】ドア用ルーバーであって、中央開口部に複数の羽板が取付けられた矩形枠体からなるルーバー本体と、該ルーバー本体の一端側に設けられた回動軸部材と、該回動軸部材を介して回動自在に取付けられたルーバー支持部材とからなり、磁石などの固定部材を介し前記ルーバー支持部材をドア本体に着脱自在に貼着してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア用ルーバーであって、住宅のドアに着脱自在に取付けられるドア用ルーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般家屋、マンション・アパートにおいて、ドアから通気を行なう場合には、ドアを全開にするか、半開きの状態で固定させる方法が一般的である。
【0003】
しかしながら、ドアを開放したままで通気を行なうと、とくにマンションやアパートにおいては、室内が見通されるため、プライバシーや防犯の点において問題があった。
【0004】
そこで、ルーバーの一方の縦框側に本来のドアに固定し、回動させるための蝶番と、他方の縦框側に本来のドアに固定するための固定手段と、更に下框下部にストッパーとが設けられたルーバーが提案されている(特許文献1参照。)。また、ドアーの開閉側の内側に所定の狭幅の補助ドアーの一側端部を連結するとともに、ドアー開口枠の開閉側の側端の内側部に補助ドアーの他側端部を連結するようにして、ドアーを開くときにドアーとドアー開口枠との間の開口部に補助ドアーが仕切りとなるリンク接続状態でドアーが開くようにし、室内側から室外を視認できるようにした防犯用ドア装置もある(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−232554号公報
【特許文献1】特開2004−316228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に提案されているルーバーは、既存のドアに対して回動可能に取付ける点において類似するものであるが、ドアとルーバーとを蝶番によって固定させる作業や、ストッパーをルーバー側とドア枠側に設置する作業を必要とし、例えば賃貸マンションなどには採用されないものであった。また、特許文献2に記載されている防犯用ドアー装置は、ドアーとドアー開口枠との間の開口部に補助ドアーが仕切りとなってドアーが開く構造となっており、ドアー側と補助ドアー側両方に、摺動機構を備える必要があり、設備費用が係ると共に、取付け作業に手間が掛かるという問題があった。
【0007】
上記の問題点に鑑み本発明者は、通常のルーバーを用いて、簡単な操作でドアに取付けることが可能なドア用ルーバーを提供するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため本発明のドア用ルーバーは、中央開口部に複数の羽板が取付けられた矩形枠体からなるルーバー本体と、該ルーバー本体の一端側に設けられた回動軸部材と、該回動軸部材を介して回動自在に取付けられたルーバー支持部材とからなり、磁石などの固定部材を介し前記ルーバー支持部材とドア本体とを着脱自在に貼着することを第一の特徴とする。
【0009】
また、前記ルーバー本体は、磁石などの固定部材によってドア本体に着脱自在に取付けられ、前記ドア本体がドア枠体に対して閉じる際には、回動軸部材を介して前記ドア本体側に回動して折畳まれ、また前記ドア本体がドア枠体に対して開く際には、回動軸部材を介して前記ドア枠体側に回動し、該ドア枠体と当接することを第二の特徴とする。
【0010】
尚、前記ルーバー本体にはドア本体側に折畳む際に固定可能な磁石などの固定部材を備えてもかまわない。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るドア用ルーバーによれば、ルーバー本体の一端側に設けられた回動軸部材と、該回動軸部材を介して回動自在に取付けられたルーバー支持部材とから構成されており、ドアとドア枠との間の隙間にルーバー本体を回動させて差込んだ状態で、固定することが可能であり、プライバシーを確保しながら通気を行なうことができるという効果を有する。
【0012】
また、磁石などの固定部材を介してドア本体に着脱自在に取付けられるため、既存のドアに対して何らの改造を行なう必要がないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るドア用ルーバーの一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明のドア用ルーバーをドアに取付けた状態を示す内面図である。
【図3】本発明のドア用ルーバーの使用説明上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施例を示す図面を参照しながら説明するが、本発明が本実施例に限定されないことは言うまでもない。図1は本発明のドア用ルーバーの一実施例を示す斜視図、図2は本発明のドア用ルーバーをドアに取付けた状態を示す内面図、図3は本発明のドア用ルーバーの使用説明上面図である。
【実施例】
【0015】
図1及び図2に示すように、本発明のドア用ルーバー1は矩形の枠体2と、この枠体2の中央開口3に取付けた複数の羽板4からなるルーバー本体5と、枠体2の長手方向と同じ長さ、且つ幅方向に狭幅のルーバー支持板6と、ルーバー本体5とルーバー支持板6を回動自在に接続する蝶番7と、から構成されており、ルーバー支持板6に貼着された磁石8と、ドア9とを当接させて着脱自在に固定される。
【0016】
枠体2の長手方向は、ドア9の上部からドアガイド10の位置までの長さであり、幅はドアガイド10によってドア9を開放する隙間の幅で形成されており、枠体2の素材としては木材、合成樹脂、叉は金属が使用されている。
【0017】
羽板4は、枠体2と同じ素材で形成された板材であり、枠体2の中央開口3に所定の間隔と角度で嵌合されている。
【0018】
ルーバー支持板6は矩形の板材からなり、枠体2の長手方向と同じ長さ、且つ幅方向に狭幅に形成されており、枠体2と同じ素材である。そしてルーバー支持板6とルーバー本体5は蝶番7によって回動自在に取付けられている。また、ルーバー支持板6のドア当接面には磁石8が貼着されており、鋼製のドアや、磁性体を貼着したドアに着脱自在に固定される。
【0019】
上記の構成からなる本発明のドア用ルーバー1は、ドア9に磁石8によって着脱自在に固定され、蝶番7を介してルーバー本体5が回動自在とされており、ドア9をドアガード10を掛けた状態で開いた際のドア9とドア枠11との隙間にルーバー本体5を挿入することができる。尚、本実施例においては蝶番7を2枚取付ける構造としたが、ルーバー本体5の長手方向と同じ長さの蝶番を1枚取付けることも可能であり、またルーバー本体5は金属板に通気ができる隙間を複数矢板状に形成することもできる。
【0020】
図3は、本発明のドア用ルーバーの使用状態を説明する上面図であり、図に示すように、ドア9はドア枠11に対して蝶番を介して開閉自在に取付けられており、ドアガイド10によって適度の隙間を保って、通気可能とされている。一方ドア用ルーパー1は、ドア9の開閉側端部にルーバー支持板6によってドア9の長手方向と平行に取付けられる。尚、ドア9は鋼製であり、ドア用ルーパー1は、ルーバー支持板6に貼着された磁石によって簡単に取付られる。
【0021】
ドアガイド10によって適度に開いた隙間に対して、ルーバー本体5を蝶番7を介して回動させて挿入し、枠体2の一端側がドア枠11の内側に当接させることによって、ドア9とドア枠11との隙間に固定することができる。そして、ルーバー本体5の羽板4によって適度の通気が得られると共に、室内のプライバシーを確保できる。尚、本実施例においては、ドア用ルーバー1の長手方向の長さをドア9の上部からドアガード10までとしたが、ルーバー本体5の羽板4を長手方向にスライド可能な構造として成形し、ルーバー本体5から長手方向にスライドさせてドアガード10、ドアノブ12などより下方向に延長させることもできる。また、他のドア用ルーバー1をドアノブ12からドア9の下方向に取付けてもかまわない。
【0022】
以上の構成からなる本発明のドア用ルーバーは、ルーバー本体の一端側に設けられた回動軸部材と、該回動軸部材を介して回動自在に取付けられたルーバー支持部材とから構成されており、ドアとドア枠との間の隙間にルーバー本体を回動させて差込んだ状態で、固定することが可能であり、プライバシーを確保しながら通気を行なうことができる。しかも、磁石などの固定部材を介してドア本体に着脱自在に取付けられるため、既存のドアに対して何らの改造を行なう必要がない。
【符号の説明】
【0023】
1 ドア用ルーバー
2 枠体
3 中央開口
4 羽板
5 ルーバー本体
6 ルーバー支持板
7 蝶番
8 磁石
9 ドア
10 ドアガイド
11 ドア枠
12 ドアノブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア用ルーバーであって、中央開口部に複数の羽板が取付けられた矩形枠体からなるルーバー本体と、該ルーバー本体の一端側に設けられた回動軸部材と、該回動軸部材を介して回動自在に取付けられたルーバー支持部材とからなり、磁石などの固定部材を介し前記ルーバー支持部材をドア本体に着脱自在に貼着してなるドア用ルーバー。
【請求項2】
前記ルーバー本体は、磁石などの固定部材によってドア本体に着脱自在に取付けられ、前記ドア本体がドア枠体に対して閉じる際には、回動軸部材を介して前記ドア本体側に回動して折畳まれ、また前記ドア本体がドア枠体に対して開く際には、回動軸部材を介して前記ドア枠体側に回動し、該ドア枠体と当接することを特徴とする請求項1記載のドア用ルーバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−31580(P2012−31580A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169890(P2010−169890)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(510207140)
【Fターム(参考)】