説明

ドア組立体

本発明の実施形態によると、ドア組立体(200)を備え、ドアパネル(210)を受けるのに適したドアフレーム(220)を有し、ドアフレーム(220)はドアパネルを受けるドアジャム(221)を有し、ドアジャム(221)は当該ドアジャム(221)の端部から垂直に伸びるリップ(222)を有し、ドアパネル(210)が枢動可能に接続される枢動部材(230)を有し、前記枢動部材(230)はドアジャム(221)のリップ(222)に取り付けられるドア組立体(200)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア組立体に関する。具体的に、本発明のドア組立体は、枢動部材によりジャム、またはフレームに取り付けられているドアを有している。
【背景技術】
【0002】
一般的にドアは、ヒンジによりドアジャム、またはフレームに取り付けられている。従来のヒンジは、一端に沿って連続した軸を有する一組のヒンジプレートから成る。その2枚のヒンジプレートのヒンジ軸を差し込むことにより、ヒンジピンを受ける円筒状の通路が定まる。このようにして、ドアは開放位置から閉鎖位置まで、ヒンジを軸として自由に回転できるようになる。
【0003】
従来のドア組立体は、通常、ドア、ドアフレーム、及びヒンジを含んでいる。ドアは、ヒンジでドアフレームに取り付けられている。ドアフレームは、ジャムおよび、ジャムの端から伸びているリップから構成される。ヒンジは2枚のヒンジプレートを含み、そのうちの1つはドアの端に取り付けられ、別のヒンジプレートはジャムの第2の端部に取り付けられる。これらヒンジプレートは、ヒンジピンにより共に固定される。
【0004】
ドアフレームのリップとドアの端の間には、溝が形成されている。ドアを開放位置から閉鎖位置まで手動で動かしたときに、その溝の間に指が挟まるなどして、怪我をしてしまうことがよくある。物がスペースに挟まり、壊れてしまうことが多々ある。
【0005】
これらの問題点を解決するため、これまでにも幾つかの方法が試されており、例えば、米国特許公報4878267号明細書である。しかしながら、この方法は、異物が入り込めないように、ドアフレームのリップとドアの端の間に形成された溝の中に、装置をはめ込むことであった。そのような装置を入れることは不恰好であり、外観も良くなく、また利用者にとっても余計な費用がかかる。
【0006】
さらに、従来のドア組立体においては、ドアを開けた状態で、ドアはドアフレームと同一面になるのではなく、ある程度突き出てしまう。加えて見苦しいヒンジプレートが、視界に晒されてしまうことになる。ドア組立体の外観を非常に損ねてしまう。家具業界にとって、ドア組立体の美的外観は非常に重要である。
【0007】
上述した問題点を考慮すると、溝に挟まれる異物あるいは指、またはドアフレームと同一面にならないドア等、上述の問題点を克服、あるいは少なくとも減らし、かつ大衆にも、ヒンジでドアフレームに取り付けられたドアを有するドア組立体を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,878,267号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明の実施形態によれば、ドアパネルを受けるのに適したドアフレームを有し、前記ドアフレームはドアパネルを受けるドアジャムを有し、前記ドアジャムは当該ドアジャムの端部から垂直に延伸するリップを有し、前記ドアパネルが枢動可能に接続される枢動部材を有し、前記枢動部材はドアジャムの前記リップに取り付けられるドア組立体が提供される。
【0010】
もう一つの実施形態によれば、ドアフレームを含み、第1の開放位置から第2の閉鎖位置までの移動に適した、前記ドアフレームに枢動可能に接続されるドアパネルを有し、前記ドアパネルおよび前記ドアフレームは、ドア開放時において、同一面になるドア組立体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1a】図1aは、本発明のある実施例に従ったドア組立体を示す断面図であり、開放位置のドアである。
【図1b】図1bは、本発明のある実施例に従ったドア組立体を示す断面図であり、閉鎖位置のドアである。
【0012】
【図1c】図1cは、図1aの実施形態に従ったドア組立体のドアジャムを示す断面図であり、開放位置のドアである。
【図1d】図1dは、図1aの実施形態に従ったドア組立体のドアジャムを示す断面図であり、閉鎖位置のドアである。
【0013】
【図2a】図2aは、本発明のある実施例に従った、部屋の外側にいる人から見たドア組立体を示す平面図であり、開放位置のドアである。
【図2b】図2bは、本発明のある実施例に従った、部屋の外側にいる人から見たドア組立体を示す平面図であり、閉鎖位置のドアである。
【0014】
【図3a】図3aは、本発明のある実施例に従った、部屋の内側にいる人から見たドア組立体を示す平面図であり、開放位置のドアである。
【図3b】図3bは、本発明のある実施例に従った、部屋の内側にいる人から見たドア組立体を示す平面図であり、閉鎖位置のドアである。
【0015】
【図4】図4は、ドアの開放位置における、本発明のある実施例に従った、部屋の外側にいる人から見たドア組立体の透視図である。
【0016】
【図5】図5は、ドアの開放位置における、本発明のある実施例に従った、部屋の内側にいる人から見たドア組立体の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、枢動部材によりドアフレームに取り付けられたドアを有する、ドア組立体に関する。ドア組立体により、開放時において、ドアはドアフレームと同一面になる。第一の実施形態においては、ドア開放時に、少なくともヒンジの一部分が視界から隠れる。また、ある実施形態においては、ドアの配置体によって、ドア開放時に、ドアジャムとドアの隣接エッジの間に形成される溝を取り除くことができる。
【0018】
図1aおよび図1bは、ドアの開放位置および閉鎖位置における、本発明の一実施例に係るドア組立体の断面図である。図1aはドア開放時のドア組立体、一方で図1bはドア閉鎖時のドア組立体を示している。ある実施例において、ドアは部屋の内側に開く。このような場合、図1aの中で、ドアの側に立っている人は、ドアの内側に立つことになる。また、ある実施例において、ドアは部屋の外側に開くが、この場合ドアの側に立っている人は、ドアの外側に立つことになる。
【0019】
図に示されている通り、ドア組立体200は、ドア210、ドアフレーム220、そして枢動部材230を含む。ドアフレーム220は、ドア210を受けるのに適しており、そのドアを受けるジャム221を含む。ジャム221は、ジャム221の端部から垂直に延伸しているリップ222を有する。
【0020】
ドア210は、枢動部材により、ドアフレーム220に対し回転可能に取り付けられている。枢動部材は、従来からあるヒンジ、蝶型ヒンジ、ストリップヒンジ、細長いヒンジ、2つ折り型のヒンジ、スプリングヒンジ、隠しヒンジ、ボールソケット型ヒンジでもよいし、任意の枢動部材でもよい。また枢動部材は1つあるいは複数の部材から構成されていてもよく、複数の場合は各々が同じあっても、あるいは異なっていてもよい。本実施形態においては従来のヒンジを使用し、3個のヒンジを用いて、ドアパネルをドアフレームに取り付けている。枢動部材230は、ジャム221の端部から垂直に延伸しているリップ222に連結されている。
【0021】
図1bを参照すると、ドアフレームは、開放位置においてドアの端を受け入れる空間を提供する、凹部224を含む。凹部224は、ジャム221、リップ222、およびドアのヒンジ端部215の内部面に形成されている。凹部224は、ドアフレーム220の凹部面226を定めている。反対側のジャム229も、ドア閉鎖時にドア210を受け入れるリップ228を有してもよい。
【0022】
図1cおよび図1dは、ドア開放位置およびドア閉鎖位置のそれぞれの場合における、図1aおよび図1bの実施形態に係る、ドア組立体のジャムにおいての拡大した断面図である。
【0023】
図1cを参照すると、ドアが開放位置にあるとき、ドアのヒンジ端部は、ドアフレーム220の凹部224で受け入れられる。図1cに示されている通り、ドアの開放面214は、ドアフレームのリップ222の端部223と実質的に同一面となり、ドア開放位置おいては同一面となる。
【0024】
図1dに示されている通り、枢動部材230は、第1ヒンジ板231a、第2ヒンジ板231b、およびヒンジピン232によって構成される。第1ヒンジ板231aは、ドア210のヒンジ端部215に取り付けられており、一方で第2ヒンジ板231bは、ドアフレーム220の凹部面226に取り付けられている。これらヒンジ板は、出入り口に立っている人の視界から隠れていることが望ましく、隠れることにより格好の良い外観が実現する。
【0025】
図1dもまた、長さlを有するリップ222、および幅wを有するドア210を示している。リップ222の長さlは、ドア210の幅wと比べて少なくとも同じ、あるいは大きいことが好ましい。これにより、ドア210のヒンジ面215は、ドアフレームの凹部面226に実質的に隣接することになる。ドア開放時において、凹部224に、ドア210を収容するだけの十分な大きさのエリアを提供し、ドアの外面214は、ドアフレーム220と実質的に同一面となる。
【0026】
図2の実施形態例における特徴は、図3−4の中で、より明確に説明される。ドア組立体200において、ドア210は、本実施形態では3つのヒンジで形成されている枢動部材230により、ドアフレーム220に取り付けられている。これに加えてドアは、部屋の内側に開ける、内開きドアとする。
【0027】
図2aおよび図2bは、本発明の実施形態例に係る、部屋の外側にいる人から直接見たドア組立体の平面図である。図2aは、ドア開放時におけるドア組立体であり、また図2bは、ドア閉鎖時におけるドア組立体である。このような場合、リップ222の後ろで枢動部材230が隠れてしまい、図2aに示されている通り、外側からの視点なので、部屋の外側に立っている人は枢動部材230を見ることはできない。ドア閉鎖時において、ドアの開放面214がリップ222の端部223と同一面になるので、ドアの外側に立っている人は、ドア組立体200のドアフレーム220のみが見えることになる。
【0028】
図2bに示されている通り、ドア閉鎖時において、部屋の外側に立っている人は、閉鎖されたドア210の他に、ドア組立体200のドアフレーム220のみが見えることになる。
【0029】
図3aおよび図3bは、本発明の実施形態例に係る、部屋の内側いる人から直接見たドア組立体の平面図である。図3aは、ドア開放時におけるドア組立体を説明する、また図3bは、ドア閉鎖時におけるドア組立体を説明する。図3aに示されている通り、ドア閉鎖時に、部屋の内側に立っている人は、ドア210に遮られるため、ヒンジが見えないことになる。
【0030】
図3bに示されている通り、ドア閉鎖時に、部屋の中にいる人は、ドアフレーム220におけるジャム221の端部から垂直に延伸しているリップ222にドア210を係合すると、枢動部材230が見えるだろう。また、第2ヒンジ板231bも、部屋の中から直接見えることになる。
【0031】
図2bおよび図3bに示すように、ドア210は従来のソリッドドアの代わりに、2枚のパネルから構成されていてもよく、構造内において仕切り板の組み立て部品を合わせることにより、アコーディオン式ドアとしてもよい。ドア210は、1枚のパネルがスライドする、スライディング型であってもよい。さらに、他の可能性のドアであってもよい。
【0032】
図4および図5は、ドア開放位置において、本発明の実施形態に係るドア組立体の透視図を示している。図4は、ドアフレーム220を有する、壁205に組み込まれたドア組立体200を示している。ドアフレーム220はジャム221を有し、リップ222が垂直に延伸している。リップ222は、壁205と同一面にあるジャム221から延伸して示される。またリップ221は、壁205と同一面になることが望ましい。
【0033】
枢動部材230は、リップ221の一端、およびドア210のヒンジ端部215の他端に取り付けられる。枢動部材は、リップ221およびドアのオープン面214により形成される面にはめ込まれることが望ましい。ドアの開放面214とドアフレームのリップの端部223が同一面となる。
【0034】
図5は、部屋の中に立っている人から見たドア組立体を示している。図4および図5に示されているように、部屋の中に立っている人からでは、ヒンジピン230のみが見え、ヒンジ板を見ることはできない。
【0035】
追加の利点として、従来の配置体とは異なり、ドアフレームとドアのヒンジ端部との間に溝が形成されることはない。ドアとドアフレームとの間に異物や体の一部分が挟まれるという、危険を改善することができる。また他の実施形態において、枢動部材はドアフレームのリップ内、あるいはドアに組み込まれてもよく、これにより、ドアのオープン面とドアフレームのリップの端部が完全な同一面となり、ドアは開放時にドアフレームと直に隣接することになる。
【0036】
当業者には、本究明の本質内および範囲内において、本発明の本質を説明するために記載および図示された材料、および部品の配置において、細部にわたる種々の変形が可能であることが理解されるであろう。例えば、この配置体は窓においても適用可能である。外開きドアに対しても使えるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面(214)を有する、閉鎖位置から開放位置まで移動可能なドア(210)と、
ドアジャム(221)およびリップ(222)で構成され、前記ドア(220)が閉鎖位置にあるとき、少なくとも前記ドア(220)の周囲を部分的に囲み、前記ドア(210)が開放位置にあるとき前記リップ(222)は前記ドアジャム(221)に対してほぼ垂直に伸び、かつ前記ドアの外面(214)は前記ドアジャム(221)に対して実質的に平行に位置するドアフレーム(220)と、
を組み合わせて有するドアの組立体であって、
前記リップ(222)は、前記ドア(210)が閉鎖位置にあるとき、前記ドアの外面に対して実質的に平行であり、
前記ドア(210)は、前記リップ(222)に枢動可能に接続されることにより、閉鎖位置と開放位置の間を枢動するドアの組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のドアの組立体において、更に少なくとも1つの枢動部材(230)をさらに含み、前記ドアリップ(222)は凹端部を有し、前記ドアはヒンジ端部を有し、前記少なくとも1つの枢動部材(230)は、ドア(210)のヒンジ端部(215)を、前記ドアリップ(222)の前記凹端部に接続させるドアの組立体。
【請求項3】
請求項2に記載のドアの組立体において、前記枢動部材(230)は、従来型のヒンジ、蝶型ヒンジ、ストリップヒンジ、細長いヒンジ、2つ折り型のヒンジ、スプリングヒンジ、隠しヒンジ、ボールソケット型ヒンジ、あるいはその他の枢動体のいずれか1つであるドアの組立体。
【請求項4】
前記請求項のいずれか1項に記載のドアの組立体において、前記枢動部材(230)は、ドアパネルに組み込まれているドアの組立体。
【請求項5】
前記請求項のいずれか1項に記載のドアの組立体において、前記枢動部材(230)は、前記リップ(222)に組み込まれているドアの組立体。
【請求項6】
前記請求項のいずれか1項に記載のドアの記載のドアの組立体において、前記枢動部材(230)は、ドア(210)が開放位置にあるとき、前記リップ(222)と前記ドアパネルの外面で形成された平面に組み込まれるドアの組立体。
【請求項7】
前記請求項のいずれか1項に記載のドアの組立体において、前記リップ(222)は長さl、前記ドア(210)は幅wを有しており、lは少なくともwと同じ、またはwより大きいドアの組立体。
【請求項8】
前記請求項のいずれか1項に記載のドアの組立体において、ドアパネルは、従来型のソリッドドア、仕切板の組立体、アコーディオンドア、スライディングドア、あるいはその他のドア組立体のいずれか1つであるドアの組立体。
【請求項9】
外面(214)を有する、閉鎖位置から開放位置まで移動可能なドア(210)と、
ドアジャム(221)および端部(223)を有するリップ(222)で構成され、前記ドア(220)が閉鎖位置にあるとき、少なくとも前記ドア(220)の周囲を部分的に囲み、前記ドア(210)が開放位置にあるとき前記リップ(222)は前記ドアジャム(221)に対して垂直に伸び、かつドアの前記外面(214)は前記リップ(222)の前記端部(223)と実質的に同一面に位置するドアフレーム(220)と、
を組み合わせて有するドアの組立体であって、
リップ(222)は、ドア(210)が閉鎖位置にあるとき、当該ドア(210)の外面(214)に対して平行であり、
ドア(210)は、リップ(222)に枢動可能に接続されることにより、閉鎖位置と開放位置の間を枢動するドアの組立体。
【請求項10】
請求項9に記載のドアの組立体において、第1ヒンジ板(231a)および第2ヒンジ板(231b)を有するヒンジとして構成される、少なくとも1つの枢動部材(230)をさらに有し、前記ヒンジは前記リップの凹面およびドアのヒンジ面に取り付けられ、さらに前記ドアのヒンジ面、前記リップの凹面および前記ドアジャム(221)の3つの面で形成された凹部を有し、前記ヒンジは、前記凹部(224)内に位置するドアの組立体。
【請求項11】
請求項10に記載のドアの組立体において、前記ドアのヒンジ面は、前記ドア(210)の開放位置にあるとき、リップの凹面に対して実質的に平行であり、前記ドア(210)の閉鎖位置にあるとき、前記リップの凹面に対して実質的に垂直であるドアの組立体。
【請求項12】
請求項10に記載のドアの組立体において、複数の前記ヒンジ板は凹内に位置し、前記ドア(210)は部分的に部屋を画定するために適用され、ドアの一面は部屋の外側にあり、また他面は部屋の内側にあり、前記リップ(222)は、部屋の外側の側面に位置するドアの組立体。
【請求項13】
請求項10に記載のドアの組立体において、前記ドア(210)が開放位置にあるとき、前記複数のヒンジ板は互いに実質的に平行であり、前記ドア(210)が閉鎖位置にあるとき、前記複数のヒンジ板は互いに実質的に垂直であるドアの組立体。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図1c】
image rotate

【図1d】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2011−528411(P2011−528411A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518685(P2011−518685)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際出願番号】PCT/SG2009/000244
【国際公開番号】WO2010/008345
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(511014828)
【氏名又は名称原語表記】LIM Choo Siong
【住所又は居所原語表記】21 Parry Avenue,Singapore 547247 SINGAPORE
【Fターム(参考)】