ドット印字ヘッドおよび該ドット印字ヘッドを具備した印刷装置
【課題】 印字ワイヤの折損等の障害が発生した場合に、最小単位での交換を可能にし、修理代を安価に抑えるとともに部品の有効活用を向上させる印字ヘッドを提供する。
【解決手段】 複数の撓み部7bを外周部7aで接続した板バネ7を有する印字ヘッドにおいて、外周部7aを、撓み部7bの基部7cと板バネ7を固着する固定部7eとで構成し、基部7cと固定部7eとの間を切断可能とするためにこの間に切欠き34を形成するとともに、切欠き34の両端部に切込み溝36a、36bを形成する。また切欠き34に連続して交換用撓み部アッセンブリを位置決めするめの装着用切欠き35を形成する。交換用撓み部アッセンブリには装着用切欠き35に対応する凸部を設ける。
【解決手段】 複数の撓み部7bを外周部7aで接続した板バネ7を有する印字ヘッドにおいて、外周部7aを、撓み部7bの基部7cと板バネ7を固着する固定部7eとで構成し、基部7cと固定部7eとの間を切断可能とするためにこの間に切欠き34を形成するとともに、切欠き34の両端部に切込み溝36a、36bを形成する。また切欠き34に連続して交換用撓み部アッセンブリを位置決めするめの装着用切欠き35を形成する。交換用撓み部アッセンブリには装着用切欠き35に対応する凸部を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板バネにより印字ワイヤを突出させて印字を行うドット印字ヘッドに関し、特に板バネの撓み部を個別に交換可能にしたドット印字ヘッドおよび該印字ヘッドと具備した印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、板バネにより印字ワイヤを偏倚させ、インクリボンを介して印字媒体をインパクトし、その力で印字を行うインパクトプリンタは、印字媒体の自由度が高く、また比較的安価なことから、情報処理システムや流通産業方面における出力装置をはじめとして多方面で用いられている。
【0003】
インパクトプリンタには、プランジャ型、バネチャージ型、クラッパ型などのワイヤドット印字ヘッドが使用されている。例えば、バネチャージ型印字ヘッドは、印字ワイヤを固着したアーマチュアをバイアス用板バネによって揺動自在に支持し、このアーマチュアを永久磁石の磁束でバイアス用板バネの弾性力に抗してコア側に偏倚させておき、印字する際にコアに巻回したコイルを励磁させて、コイルに永久磁石の磁束と逆方向の磁束を発生させることにより、板バネを開放して印字を行う機構となっている。
【0004】
バイアス用板バネは、本体となる外周部分が略環状に形成され、外周部分の内周面から中央部に向かって複数の片持ち状の撓み部がそれぞれ独立に撓み可能に形成されている。そしてこの撓み部に、先端部に印字ワイヤを固着したアーマチュアが取付けられる構造となっている。以上のようなバネチャージ型の印字ヘッドおよびバイアス用板バネを示すものとして、例えば特許第3417677号公報が挙げられる。
【特許文献1】特許第3417677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来のバネチャージ型の印字ヘッドにおいては、板バネの撓み部は外周部分ですべて接続されているので、例えば印字ワイヤが障害により折損した場合、その折損した印字ワイヤが固着されているアーマチュアおよび撓み部のみでなく、板バネ全体と全部のアーマチュアおよび折損していない他の全ての印字ワイヤをも交換しなければならない。即ち、余分な部品の交換までしなければならず、修理代が高価になるという問題があった。また損傷していない部品まで交換することになるので、資源の有効活用という点からも問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、印字ワイヤを突出させて印刷を行なうワイヤドットプリンタのドット印字ヘッドにおいて、前記印字ワイヤが取り付けられたアーマチュアと、前記ドット印字ヘッドの所定位置に固定される固定部と、複数の前記アーマチュアのそれぞれと接続されるアーマチュア接続バネ部とから成る板バネとを有し、前記アーマチュア接続バネ部は前記固定部から切り離し可能に設けられることを特徴とするものである。
【0007】
基部と固定部との間を切断可能とするためにこの間に切込み溝を形成するとよい。また固定部の、基部に対向する位置に、新たに装着される撓み部アッセンブリの基部を位置決めする位置決め部を設ける。さらに、固定部は相対向する一方の部材と溶接により接合するとともに相対向する他方の部材とクランプ力および磁力で接合し、基部は相対向する双方の部材とクランプ力および磁力で接合するように構成する。
【発明の効果】
【0008】
上記構成の本発明によれば、外周部を、撓み部の基部と板バネを固定する固定部とに切断可能にしたので、或る印字ワイヤが折損した場合、その折損した印字ワイヤが取付けてある撓み部アッセンブリを交換可能になり、修理費用が安価になるとともに、部品の有効利用を向上させることができる。
【0009】
また板バネの固定部に位置決め部を設けることにより、交換の際に新たに装着される撓み部アッセンブリの正確な位置付けが容易になり、さらに、基部を相対向する部材とクランプ力および磁力で接合されるように構成することにより、撓み部の交換が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を図面に従って説明する。なお各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は本発明の第1実施の形態のドット印字ヘッドの板バネを示す平面図、図2はドット印字ヘッドの構造を示す断面図である。まず図2により印字ヘッドの全体の構造について説明する。
【0011】
図2において、印字ヘッド1は以下の構成となっている。ベースヨーク2の周囲上部にスペーサヨーク3が配置され、スペーサヨーク3の上部にマグネット4、マグネットヨーク5、スペーサ6、板バネ7、アーマチュアヨーク8が順に積層されて組み立てられている。スペーサヨーク3、マグネット4およびマグネットヨーク5は互いに接着剤で固着されている。またベースヨーク2上にはコア10が設けられ、コア10には励磁コイル11が巻かれている。コア10はレーザ溶接によりベースヨーク2に固着されている。
【0012】
板バネ7は片持ち梁状に取付けられ、その先端部(撓み部)にはアーマチュア12が固着されている。アーマチュア12はレーザ溶接により板バネ7に固着され、アーマチュア12の先端部には印字ワイヤ13が固着されている。印字ワイヤ13はアーマチュア12に銀ローでロー付けされている。
【0013】
アーマチュアヨーク8の上部にはガイドノーズ14が配置され、ガイドノーズ14の先端部で中間ガイド15およびワイヤガイド16を支持している。中間ガイド15およびワイヤガイド16には図示していないが印字ワイヤ13が通過する孔が形成され、印字ワイヤ13をガイドする。ガイドノーズ14は印字ヘッド1をプリンタのキャリッジに固定する役目を持っている。印字ヘッド1の外側にはクランプ部材17が取付けられている。クランプ部材17はベースヨーク2とガイドノーズ14の間の各部材を圧接挟持する。
【0014】
図3は本実施の形態の印字ヘッドが搭載されるプリンタを示す外観図である。図3において、プリンタ20は、水平に搬送される印字用紙21に印字を行う所謂水平型プリンタであり、印字ヘッド1は下向きに配設されている。プリンタ20にはキャリッジ22が水平方向に移動可能に設けられ、印字ヘッド1はこのキャリッジ22に搭載され、キャリッジ22と共に移動する。
【0015】
図4は印字ヘッドの配設状態を示す斜視図である。図4において、印字ヘッド1を搭載したキャリッジ22はキャリッジシャフト23に移動自在に嵌装され、ベルト24が固着されている。ベルト24はキャリッジ22の移動範囲に渡って張設され、モータ25のプーリ26に巻き掛けられている。モータ25を回転駆動することにより、ベルト24が移動し、キャリッジ22がキャリッジシャフト23に沿って移動する。
【0016】
キャリッジ22にはまた、印字ヘッド1の先端部(下端部)に対向する位置になるように、リボンプロテクタ27が取付けられている。リボンプロテクタ27は略中央に開口部を有し、印字の際に印字ヘッド1の印字ワイヤ13(図2)がその開口部を通して印字用紙21(図3)を打ち付ける。リボンプロテクタ27の下部にはプラテン28が配設されている。印字の際、印字用紙21(図3)はリボンプロテクタ27とプラテン28の間を搬送され、印字ヘッド1から突出した印字ワイヤ13(図2)により印字が行われる。
【0017】
ここで印字動作について簡単に説明する。電源が投入されると、キャリッジ22はホームポジションチェックを開始する。この動作はキャリッジ22を一方の端部(例えば左端)まで移動し、キャリッジ22がサイドフレーム29に突き当たることにより、モータ25が脱調した位置をホームポジションとして認識する工程である。続いて、図3に示す印字用紙21(図3)が図示しないテーブルにセットされると、キャリッジ22は、印字用紙21(図3)がプラテン28上に正しくセットされ易いように、予め決められた位置に移動し、また図示しない用紙搬送手段を駆動して、印字用紙21(図3)を所定の位置まで搬送させる。このときリボンプロテクタ27は印字用紙21(図3)をガイドする役目を果たす。
【0018】
印字用紙21が正しくプラテン28上にセットされると、印字可能状態になる。続いて、図示しない外部のコンピュータ等から発せられる印字命令に基づき、キャリッジ22を左右に往復移動を開始させるとともに、印字ヘッド1を駆動して印字ワイヤ13を突出させて印字を行う。1行分の印字が終了すると、印字用紙21が改行送りされて次の行の印字が行われる。そして印字命令に基づいて同様の工程を繰り返すことにより、印字用紙21に対する印字が行われる。
【0019】
次に図1により本実施の形態の特徴部分について説明する。図1は印字ヘッド1に固着された板バネ7の一部をスペーサ6側から示すものである。図1において、板バネ7は全体としては円形の形状をしており、外周部7aと外周部7aに接続し円形の中央部に向けて放射状に形成された複数の撓み部7bとを有する。各撓み部7bにはアーマチュア12(図2)が固着されるが、図1ではアーマチュア12は図示省略している。
【0020】
撓み部7bの基部7cは外周部7aの一部を構成している。撓み部7bとその基部7cとでバネ部7dを構成する。撓み部7bには略U字形の切欠き31が形成され、切欠き31の両端部32a、32bが撓むようになっている。切欠き31に挟まれた位置に形成された孔33aと先端部に形成された穴33bにおいて撓み部7bはアーマチュア12にレーザ溶接される。
【0021】
外周部7aは基部7cと固定部7eとで構成される。基部7cと固定部7eとの間には略くの字状の切欠き34が形成され、切欠き34の中央部には装着用切欠き35が固定部7eに入り込むように形成されている。装着用切欠き35の側面部には後述するようにテーパー(図13)が形成されている。切欠き34の外側端部から板バネ7の外周面に向けて切込み溝36aが形成され、切欠き34の内側端部から外周部7aの内側に向けて切込み溝36bが形成されている。
【0022】
図5は図1のA−A断面図である。図5に示すように、切込み溝36bの底の厚さは外周部7aの厚さの約1/2の厚さに形成してあり、容易に切断可能になっている。切込み溝36aも同様の厚さとなっている。切込み溝36a、36bの部分を切断することにより、外周部7aは基部7cと固定部7eとに分離される。
【0023】
図1において、切欠き34および切込み溝36a、36bは、各基部7cの両側に形成されており、基部7cの両側の切込み溝36a、36bを切断することにより、基部7cは印字ヘッド1の他の構成部品から切り離し可能となる。そのために基部7cはスペーサ6およびアーマチュアヨーク8(図2を参照)に固着されてはいない。
【0024】
固定部7eは切欠き34および切込み溝36a、36bに両側から挟まれるように形成され、内部には溶接用孔37a、37bが形成されている。溶接用孔37a、37bにおいて外周部7aをアーマチュアヨーク8(図2)と固着するためのレーザ溶接を行うためのものである。レーザ溶接されるため、固定部7eは切込み溝36a、36bが切断されてもアーマチュアヨーク8(図2)から切り離されることはない。
【0025】
図6は本実施の形態において板バネの撓み部にアーマチュアを固着した状態を示す平面図である。図6において、アーマチュア12は前述のように、板バネ7の撓み部7bにレーザ溶接される。アーマチュア12の先端部には印字ワイヤ13が銀ローでロー付けされている。以下、アーマチュア12が固着された撓み部7bを基部7cをも含めて撓み部アッセンブリ38という。
【0026】
さて、印字ヘッド1の経年変化あるいは外部からの影響等により、印字ワイヤ13の折損やアーマチュアのレーザ溶接剥がれ、または板バネ7の折損等の不具合が発生することがある。こうした不具合が発生した場合には折損した部分を交換する必要がある。以下、或る印字ワイヤ13の折損が発生した場合の交換作業について説明する。
【0027】
図2において、印字ワイヤ折損の障害が発生した場合、まず印字ヘッド1を脱磁して、印字ワイヤ13、アーマチュア12、板バネ7、アーマチュアヨーク8及びスペーサ6で構成されるスプリングアッセンブリ40をそれ以外の部分(コアアッセンブリ41)から切り離す。
【0028】
次にスプリングアッセンブリ40からスペーサ6を取り外し、板バネ7のスペーサ6側が露出した状態になる。スペーサ6は板バネ7に固着されていないので簡単に外れる。この状態を図6に示すが、この状態で、障害の発生した印字ワイヤ13を有する撓み部アッセンブリ38の基部7cと該基部7cに隣接する両隣りの固定部7eとの間の切込み溝36a、36bを切断する。切断の仕方は、図7に示すように、カッター等の専用の治具42を使用して切込み溝36a、36bを切断する。切込み溝36a、36bは底厚が薄くなっているので、容易に切断可能である。なお図7は切込み溝の切断の様子を示す説明図である。
【0029】
切込み溝36a、36bを切断することにより、基部7cがアーマチュアヨーク8には固着されていないので、障害の発生した撓み部アッセンブリ38はアーマチュアヨーク8から分離される。この状態を図8に示す。図8において、撓み部アッセンブリ38はアーマチュアヨーク8から分離された跡46には、切欠き34の中央部に形成された装着用切欠き35が残された状態となっている。なお図8は撓み部アッセンブリを取り外した状態を示す平面図である。
【0030】
次に交換用の撓み部アッセンブリを装着する。図9は交換用撓み部アッセンブリを示す平面図、図10は交換用撓み部アッセンブリを示す側面図である。図9、図10において、交換用撓み部アッセンブリ43は、印字ワイヤ13を先端部でロー付けしたアーマチュア12がレーザ溶接により撓み部7bに固着された構造を有する。また交換用撓み部アッセンブリ43は基部7cを有し、基部7cの両側部にはくびれ部44a、44bが形成され、くびれ部44a、44bの中央部にはそれぞれ凸部45a、45bが形成されている。
【0031】
次に交換用撓み部アッセンブリ43を図8に示す障害の発生した撓み部アッセンブリ38を取り除いた跡46に装着する。具体的には、交換用撓み部アッセンブリ43の基部7cを上記跡46にあてがうようにして取り付ける。取付けた状態を図11に示す。図11は交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す平面図である。
【0032】
図11に示すように、交換用撓み部アッセンブリ43のくびれ部44a、44bは、それぞれ切欠き34の内部に入り込み、交換用撓み部アッセンブリ43の凸部45a、45bが、それぞれ切欠き34の中央部に形成された装着用切欠き35に嵌り込む。その際、カッター等により切断された切込み溝36a、36bの切断面は交換用撓み部アッセンブリ43とは接触しない。
【0033】
図12は交換用撓み部アッセンブリの装着状態を示す一部拡大平面図、図13は図12のB−B断面図である。両図において、交換用撓み部アッセンブリ43の凸部45a、45bの両側面部にはテーパー部47a、47bが形成され、また切欠き34の両側面部にも逆方向のテーパー部48a、48bが形成されている。このようにテーパー部48a、48bの形成された切欠き34にテーパー部47a、47bの形成された凸部45a、45bが入り込むことにより、交換用撓み部アッセンブリ43は高精度で位置決めされる。
【0034】
次に交換用撓み部アッセンブリ43をアーマチュアヨーク8(図2)との間に挟むようにスペーサ6(図2)を取付け、交換用撓み部アッセンブリ43の印字ワイヤ13をガイドノーズ14(図2)の中間ガイド15(図2)およびワイヤガイド16(図2)に通し、このように組み立てられたスプリングアッセンブリ40(図2)をコアアッセンブリ41(図2)と組み合わせ、クランプ部材17(図2)で圧接挟持する。この後、着磁、ヘッド特性試験工程を経て交換作業が終了する。
【0035】
以上のように第1の実施の形態では、板バネ7の外周部7aを撓み部7bの基部7cと固定部7eとに分離し、切欠き34および切込み溝36a、36bを形成して切断可能にすることにより、印字ワイヤ13の折損、レーザ溶接の剥離あるいは板バネの折れ等の不具合が発生した場合、撓み部アッセンブリ38のみを交換可能となるので、修理費用が安価になるとともに、部品の有効利用を向上させることができる。
【0036】
また交換用撓み部アッセンブリ43に設けた凸部45a、45bを固定部7eの装着用切欠き35に嵌め込むことにより、交換用撓み部アッセンブリ43の位置決めを行うので、交換用撓み部アッセンブリ43が正確な位置に装着でき、位置誤差による印字特性のばらつきを抑えることができる。
【0037】
次に第2の実施の形態を説明する。図14は第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す平面図、図15は第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す側面図である。両図において、第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリ50は、第1の実施の形態のものと同様に、印字ワイヤ13を先端部でロー付けしたアーマチュア12がレーザ溶接により撓み部7bに固着された構造を有し、さらに基部7cの両側部にくびれ部44a、44bを形成し、くびれ部44a、44bの中央部にそれぞれ凸部45a、45bを形成している。
【0038】
また基部7cには略U字形の切欠き51が形成され、切欠き51で囲まれた部分52が折り曲げられて弾性部材を形成している。弾性部材52はアーマチュアヨーク8(図2)側に折り曲げられており、交換用撓み部アッセンブリ50を装着する際に、アーマチュアヨーク8(図2)から押される程度の角度に折り曲げられている。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0039】
次に第2の実施の形態の動作を説明する。ここでは不具合の発生した撓み部アッセンブリ38を取り外した後に交換用撓み部アッセンブリ50を装着する場合の動作について説明する。図16は交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す平面図、図17は交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す側面図である。
【0040】
図16において、装着された交換用撓み部アッセンブリ50は、そのくびれ部44a、44bが、それぞれ切欠き34の内部に入り込み、またその凸部45a、45bが、それぞれ切欠き34の中央部に形成された装着用切欠き35に嵌り込む。装着後、図17に示すように、交換用撓み部アッセンブリ50がアーマチュアヨーク8およびスペーサ6により上下から圧接されると、弾性部材52によりアーマチュアヨーク8およびスペーサ6にテンションを与え、強固な挟持力を与えることができる。
【0041】
板バネ7の固定部7eの厚さtと、交換用撓み部アッセンブリ50の基部7cの厚さt´との間に段差が発生した場合を考慮し、t>t´とすれば、段差により位置固定が不十分で交換用撓み部アッセンブリ50が上下方向にガタついて動いてしまうことを、弾性部材52によるテンションで押さえ付けることができる。
【0042】
なお、交換の前に装着してある板バネ7の外周部7aの厚さの公差をαとし、交換用撓み部アッセンブリ50の基部7cの厚さの公差をβとすると、公差を考慮した板バネ7の外周部7aの厚さおよび交換用撓み部アッセンブリ50の基部7cの厚さは、それぞれt±α、t´±βとなり、板バネ7の外周部7aの厚さと交換用撓み部アッセンブリ50の基部7cの厚さとの差Δt(=t−t´)は、t−α≧t´+βが必要条件である。また過度の段差をとるとガタつきの原因となるので、Δt=α+βが適正値である。
【0043】
以上のように第2の実施の形態によれば、交換用撓み部アッセンブリ50の基部7cに弾性部材52を設け、交換して装着した際に、アーマチュアヨーク8とスペーサ6にテンションを与えることにより、アーマチュアヨーク8およびスペーサ6に対して挟持力が与えられ、交換用撓み部アッセンブリ50を強固に固着することが可能になる。
【0044】
また交換用撓み部アッセンブリ50の基部7cの厚さを公差の範囲内で薄くすることにより、この基部7cが板バネ7の外周部7aの厚さよりも厚くなることから発生する逆段差を防止でき、印字特性のばらつき不具合の発生を小さくすることができる。
【0045】
次に第3の実施の形態を説明する。図18は第3の実施の形態の板バネを示す平面図である。図18において、第3の実施の形態の板バネ60は、外周部60aと外周部60aに接続し円形の中央部に向けて放射状に形成された複数の撓み部60bとを有する。そして撓み部60bの基部60cは外周部60aの一部を構成している。撓み部60bとその基部60cとでバネ部60dを構成する。
【0046】
撓み部60bには略U字形の切欠き61が形成され、切欠き61の両端部62a、62bが撓むようになっている。切欠き61に挟まれた位置に形成された孔63aと先端部に形成された穴63bにおいて撓み部60bはアーマチュア12にレーザ溶接される。
【0047】
外周部60aは基部60cと固定部60eとで構成されるが、基部60cと固定部60eとの間には、基部60cを囲むように切欠き64が形成されている。即ち、基部60cを境にして撓み部60bの反対側(外周側)にも固定部60eが形成されており、この位置の固定部60eから切欠き64に突出するように略円形の突起部65が形成されている。
【0048】
固定部60eには溶接用孔67a、67bが形成されており、溶接用孔67a、67bにおいて外周部60aをアーマチュアヨーク8と固着するためのレーザ溶接を行う。また第1の実施の形態と同様に、切欠き64には装着用切欠き68が固定部60eに入り込むように形成されている。装着用切欠き68の側面部には後述するようにテーパーが形成されている。
【0049】
また切欠き64の内側端部から外周部60aの内側に向けて切込み溝66が形成されている。切込み溝66の底の厚さは、第1の実施の形態と同様に、外周部60aの厚さの約1/2の厚さに形成してあり、容易に切断可能になっている。切込み溝66の部分を切断することにより、外周部60aは基部60cと固定部60eとに分離される。
【0050】
次に第3の実施の形態の動作を説明する。ここでは不具合の発生した撓み部アッセンブリを取り外した後に交換用撓み部アッセンブリを装着する場合の動作について説明する。図19は不具合の発生した撓み部アッセンブリを取り外した状態を示す平面図、図20は交換用撓み部アッセンブリを示す平面図、図21は交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す側面図である。
【0051】
図18、図19において、撓み部60bに、印字ワイヤ13を固着したアーマチュア12を固着したものを撓み部アッセンブリ67とする。印字ワイヤ折損の障害が発生した場合、第1の実施の形態で説明したように、板バネ60のスペーサ6側が露出した状態にし、この状態で、障害の発生した印字ワイヤ13を有する撓み部アッセンブリ67の基部60cの両側の切込み溝66を切断する。切込み溝66は底厚が薄くなっているので、カッター等により容易に切断可能である。この状態を図19に示す。図19に示すように、障害の発生した撓み部アッセンブリ67を取り除いた跡73の外側には、固定部60eが残された状態となっている。
【0052】
次に交換用撓み部アッセンブリを装着する。図20において、交換用撓み部アッセンブリ70は、印字ワイヤ13を先端部でロー付けしたアーマチュア12がレーザ溶接により撓み部60bに固着され、また基部60cを有し、基部60cの両側部にはそれぞれ凸部71a、71bが形成されている。また基部60cの端部には凹部72が形成されている。
【0053】
次に交換用撓み部アッセンブリ70を図19に示す障害の発生した撓み部アッセンブリ67を取り除いた跡73に装着する。具体的には、交換用撓み部アッセンブリ70の基部60cを上記跡73にあてがうようにして取り付ける。取付けた状態を図21に示す。
【0054】
図21において、装着された状態において、交換用撓み部アッセンブリ70の凸部71a、71bが、それぞれ装着用切欠き68に嵌り込み、また交換用撓み部アッセンブリ70の凹部72に、固定部60eに形成された突起部65が入り込む。第1の実施の形態で説明したように、交換用撓み部アッセンブリ70の凸部71a、71bの両側面部にはテーパー部が形成され、また装着用切欠き68の両側面部にも逆方向のテーパー部が形成されているので、交換用撓み部アッセンブリ70は高精度で位置決めされる。また、突起部65は、交換用撓み部アッセンブリ70の凹部72に嵌め込まれるとともに塑性変形を生じさせ固着される。
【0055】
交換用撓み部アッセンブリ70を装着した後、第1の実施の形態と同様に、スペーサ6を取付け、交換用撓み部アッセンブリ70の印字ワイヤ13をガイドノーズ14の中間ガイド15およびワイヤガイド16に通し、このように組み立てられたスプリングアッセンブリをコアアッセンブリと組み合わせ、クランプ部材17で圧接挟持する。この後、着磁、ヘッド特性試験工程を経て交換作業が終了する。
【0056】
以上のように第3の実施の形態によれば、不具合の発生した撓み部アッセンブリ67を取り除いた状態において、取り除いた跡73の外側に固定部60eが残された状態となっているので、また、交換用撓み部アッセンブリ70の凸部71a、71bが、それぞれ装着用切欠き68に嵌り込み、交換用撓み部アッセンブリ70の凹部72に、固定部60eに形成された突起部65が入り込んで位置決めされるので、部品公差のばらつきによる交換用撓み部アッセンブリ70のガタつきを防止することができ、位置決め精度を向上させることができる。
【0057】
また不具合の発生した撓み部アッセンブリ67を取り除いた跡73の外側に固定部60eが残された状態となっていることから、交換後に着磁をしても段差が発生しないので、磁気回路上は磁束が固定部60eを通る磁路が形成され、交換後も余分な空隙がなく、良好な印字特性を維持することができる。
【0058】
次に第4の実施の形態を説明する。図22は第4の実施の形態の板バネを示す平面図である。図22において、第4の実施の形態の板バネ80は、外周部80aと外周部80aに接続し円形の中央部に向けて放射状に形成された複数の撓み部80bとから構成される。そして撓み部80bには基部80cが構成されており、基部80cは前記第1、第3の実施の形態よりは小さく形成されている。撓み部80bと基部80cとでバネ部80dを構成する。
【0059】
撓み部80bには略U字形の切欠き81が形成され、切欠き81の両端部82a、82bが撓むようになっている。切欠き81に挟まれた位置に形成された孔83aと先端部に形成された穴83bにおいて撓み部80bはアーマチュア12にレーザ溶接される。
【0060】
外周部80aは実質的に固定部80eで構成される。基部80cと固定部60eとの間には、略コの字状の切欠き84が形成されている。切欠き84の両側部には湾曲部85a、85bが形成されており、切欠き84の内側端部から外周部80aの内側に向けて切込み溝86が形成されている。切込み溝86の底の厚さは、第1の実施の形態と同様に、外周部80aの厚さの約1/2の厚さに形成してあり、容易に切断可能になっている。切込み溝86の部分を切断することにより、バネ部80dは固定部80eから分離される。
【0061】
固定部80eには溶接用孔87a、87bが形成されており、溶接用孔87a、87bにおいて外周部80aをアーマチュアヨーク8およびスペーサ6と一体固着するためのレーザ溶接を行う。即ち、第4の実施の形態では、撓み部アッセンブリの交換時に板バネ80とスペーサ6とを分離することはできないようになっている。
【0062】
次に第4の実施の形態の動作を説明する。ここでは不具合の発生した撓み部アッセンブリを取り外した後に交換用撓み部アッセンブリを装着する場合の動作について説明する。図23は不具合の発生した撓み部アッセンブリ88を取り外した状態を示す平面図、図24は交換用撓み部アッセンブリを示す平面図、図25は交換用撓み部アッセンブリを示す側面図である。
【0063】
図23において、印字ワイヤ折損の障害が発生した場合、印字ヘッドを脱磁した後、障害の発生した撓み部アッセンブリ88を取り外す。取り外し方は、撓み部アッセンブリ88の基部80cの両側の切込み溝86を切断することにより行う。切込み溝86は底厚が薄くなっているので、カッター等により容易に切断可能である。切込み溝86を切断した後、撓み部アッセンブリ88を図22に示す矢印C方向に引き抜く。本実施の形態では板バネ80の固定部80eとスペーサ6が固着されているので、撓み部アッセンブリ88を印字ヘッドの中心方向に引き抜くことになる。引き抜いた後の状態を図23に示す。
【0064】
次に交換用撓み部アッセンブリを装着する。図24、図25において、交換用撓み部アッセンブリ90は、印字ワイヤ13を先端部でロー付けしたアーマチュア12がレーザ溶接により撓み部80bに固着され、また基部80cを有し、基部80cの両側部にはそれぞれ湾曲形状で弾力性を有する突起部91a、91bが形成されている。また交換用撓み部アッセンブリ90の基部80cの幅W1は、図23に示す不具合の発生した撓み部アッセンブリ88を取り除いた跡93の幅W2以下に寸法設定している(W1≦W2)。
【0065】
次に交換用撓み部アッセンブリ90を図23に示す障害の発生した撓み部アッセンブリ88を取り除いた跡93に装着する。このとき印字ヘッドの板バネ80がスペーサ6と固着しているので、図26、図27に示すように、印字ヘッドの中心側から矢印方向に交換用撓み部アッセンブリ90の基部80cを上記跡93に挿入するようにして取り付ける。交換用撓み部アッセンブリ90の基部80cの幅W1は、不具合の発生した撓み部アッセンブリ88を取り除いた跡93の幅W2以下に寸法設定しているので、交換用撓み部アッセンブリ90の挿入が可能である。なお図26、図27は交換用撓み部アッセンブリの装着動作を示す平面図および側面図である。
【0066】
挿入する際、交換用撓み部アッセンブリ90の両側に形成された突起部91a、91bが内側に弾性変形し、挿入を可能にする。交換用撓み部アッセンブリ90が装着位置まで挿入されると、図28に示すように、突起部91a、91bが切欠き84の両側部には湾曲部85a、85bに嵌り込み、元の形状に復帰する。これにより交換用撓み部アッセンブリ90は位置決めされる。この状態を図28および図29に示す。図28、図29は交換用撓み部アッセンブリの装着状態を示す平面図および側面図である。
【0067】
交換用撓み部アッセンブリ90を装着した後、交換用撓み部アッセンブリ90の印字ワイヤ13をガイドノーズ14の中間ガイド15およびワイヤガイド16に通し、このように組み立てられたスプリングアッセンブリをコアアッセンブリと組み合わせ、第1の実施の形態と同様に、クランプ部材17で圧接挟持する。この後、着磁、ヘッド特性試験工程を経て交換作業が終了する。
【0068】
以上のように第4の実施の形態によれば、印字ヘッドの組み立て構造において、アーマチュアヨーク8、板バネ80およびスペーサ6を一体にレーザ溶接するという従来技術を用いつつ、不具合の発生した撓み部アッセンブリ88の交換を行うことができる。これにより板バネ80の固定部80eの固定の強化、隙間からの異物の進入の防止、あるいは印字特性のばらつきの低減に効果が期待できる。
【0069】
以上の各実施の形態においては、ドット印字ヘッドとしてバネチャージ型の印字ヘッドを例にして説明したが、複数の撓み部が外周部で接続された板バネを有するものであって、それに対して不具合の発生した撓み部を切断する構造を持つ機構が具備可能であれば、所謂クラッパ型の印字ヘッドにも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1実施の形態のドット印字ヘッドの板バネを示す平面図である。
【図2】ドット印字ヘッドの構造を示す断面図である。
【図3】実施の形態の印字ヘッドが搭載されるプリンタを示す外観図である。
【図4】印字ヘッドの配設状態を示す斜視図である。
【図5】図1のA−A断面図である。
【図6】本実施の形態において板バネの撓み部にアーマチュアを固着した状態を示す平面図である。
【図7】切込み溝の切断の様子を示す説明図である。
【図8】撓み部アッセンブリを取り外した状態を示す平面図である。
【図9】交換用撓み部アッセンブリを示す平面図である。
【図10】交換用撓み部アッセンブリを示す側面図である。
【図11】交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す平面図である。
【図12】交換用撓み部アッセンブリの装着状態を示す一部拡大平面図である。
【図13】図12のB−B断面図である。
【図14】第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す平面図である。
【図15】第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す側面図である。
【図16】第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す平面図である。
【図17】第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す側面図である。
【図18】第3の実施の形態の板バネを示す平面図である。
【図19】第3の実施の形態において不具合の発生した撓み部アッセンブリを取り外した状態を示す平面図である。
【図20】第3の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す平面図である。
【図21】第3の実施の形態において交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す側面図である。
【図22】第4の実施の形態の板バネを示す平面図である。
【図23】第4の実施の形態において不具合の発生した撓み部アッセンブリを取り外した状態を示す平面図である。
【図24】第4の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す平面図である。
【図25】第4の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す側面図である。
【図26】第4の実施の形態における交換用撓み部アッセンブリの装着動作を示す平面図である。
【図27】第4の実施の形態における交換用撓み部アッセンブリの装着動作を示す側面図である。
【図28】第4の実施の形態における交換用撓み部アッセンブリの装着状態を示す平面図である。
【図29】第4の実施の形態における交換用撓み部アッセンブリの装着状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 印字ヘッド
6 スペーサ
7、60 板バネ
7a、60a、80a 外周部
7b、60b、80b 撓み部
7c、60c、80c 基部
7e、60e、80e 固定部
8 アーマチュアヨーク
35、68 装着用切欠き
36a、36b、66、86 切込み溝
43、50、70、90 交換用撓み部アッセンブリ
45a、45b、71a、71b 凸部
52 弾性部材
65 突起部
85a、85b 湾曲部
91a、91b 突起部
【技術分野】
【0001】
本発明は、板バネにより印字ワイヤを突出させて印字を行うドット印字ヘッドに関し、特に板バネの撓み部を個別に交換可能にしたドット印字ヘッドおよび該印字ヘッドと具備した印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、板バネにより印字ワイヤを偏倚させ、インクリボンを介して印字媒体をインパクトし、その力で印字を行うインパクトプリンタは、印字媒体の自由度が高く、また比較的安価なことから、情報処理システムや流通産業方面における出力装置をはじめとして多方面で用いられている。
【0003】
インパクトプリンタには、プランジャ型、バネチャージ型、クラッパ型などのワイヤドット印字ヘッドが使用されている。例えば、バネチャージ型印字ヘッドは、印字ワイヤを固着したアーマチュアをバイアス用板バネによって揺動自在に支持し、このアーマチュアを永久磁石の磁束でバイアス用板バネの弾性力に抗してコア側に偏倚させておき、印字する際にコアに巻回したコイルを励磁させて、コイルに永久磁石の磁束と逆方向の磁束を発生させることにより、板バネを開放して印字を行う機構となっている。
【0004】
バイアス用板バネは、本体となる外周部分が略環状に形成され、外周部分の内周面から中央部に向かって複数の片持ち状の撓み部がそれぞれ独立に撓み可能に形成されている。そしてこの撓み部に、先端部に印字ワイヤを固着したアーマチュアが取付けられる構造となっている。以上のようなバネチャージ型の印字ヘッドおよびバイアス用板バネを示すものとして、例えば特許第3417677号公報が挙げられる。
【特許文献1】特許第3417677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来のバネチャージ型の印字ヘッドにおいては、板バネの撓み部は外周部分ですべて接続されているので、例えば印字ワイヤが障害により折損した場合、その折損した印字ワイヤが固着されているアーマチュアおよび撓み部のみでなく、板バネ全体と全部のアーマチュアおよび折損していない他の全ての印字ワイヤをも交換しなければならない。即ち、余分な部品の交換までしなければならず、修理代が高価になるという問題があった。また損傷していない部品まで交換することになるので、資源の有効活用という点からも問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、印字ワイヤを突出させて印刷を行なうワイヤドットプリンタのドット印字ヘッドにおいて、前記印字ワイヤが取り付けられたアーマチュアと、前記ドット印字ヘッドの所定位置に固定される固定部と、複数の前記アーマチュアのそれぞれと接続されるアーマチュア接続バネ部とから成る板バネとを有し、前記アーマチュア接続バネ部は前記固定部から切り離し可能に設けられることを特徴とするものである。
【0007】
基部と固定部との間を切断可能とするためにこの間に切込み溝を形成するとよい。また固定部の、基部に対向する位置に、新たに装着される撓み部アッセンブリの基部を位置決めする位置決め部を設ける。さらに、固定部は相対向する一方の部材と溶接により接合するとともに相対向する他方の部材とクランプ力および磁力で接合し、基部は相対向する双方の部材とクランプ力および磁力で接合するように構成する。
【発明の効果】
【0008】
上記構成の本発明によれば、外周部を、撓み部の基部と板バネを固定する固定部とに切断可能にしたので、或る印字ワイヤが折損した場合、その折損した印字ワイヤが取付けてある撓み部アッセンブリを交換可能になり、修理費用が安価になるとともに、部品の有効利用を向上させることができる。
【0009】
また板バネの固定部に位置決め部を設けることにより、交換の際に新たに装着される撓み部アッセンブリの正確な位置付けが容易になり、さらに、基部を相対向する部材とクランプ力および磁力で接合されるように構成することにより、撓み部の交換が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を図面に従って説明する。なお各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は本発明の第1実施の形態のドット印字ヘッドの板バネを示す平面図、図2はドット印字ヘッドの構造を示す断面図である。まず図2により印字ヘッドの全体の構造について説明する。
【0011】
図2において、印字ヘッド1は以下の構成となっている。ベースヨーク2の周囲上部にスペーサヨーク3が配置され、スペーサヨーク3の上部にマグネット4、マグネットヨーク5、スペーサ6、板バネ7、アーマチュアヨーク8が順に積層されて組み立てられている。スペーサヨーク3、マグネット4およびマグネットヨーク5は互いに接着剤で固着されている。またベースヨーク2上にはコア10が設けられ、コア10には励磁コイル11が巻かれている。コア10はレーザ溶接によりベースヨーク2に固着されている。
【0012】
板バネ7は片持ち梁状に取付けられ、その先端部(撓み部)にはアーマチュア12が固着されている。アーマチュア12はレーザ溶接により板バネ7に固着され、アーマチュア12の先端部には印字ワイヤ13が固着されている。印字ワイヤ13はアーマチュア12に銀ローでロー付けされている。
【0013】
アーマチュアヨーク8の上部にはガイドノーズ14が配置され、ガイドノーズ14の先端部で中間ガイド15およびワイヤガイド16を支持している。中間ガイド15およびワイヤガイド16には図示していないが印字ワイヤ13が通過する孔が形成され、印字ワイヤ13をガイドする。ガイドノーズ14は印字ヘッド1をプリンタのキャリッジに固定する役目を持っている。印字ヘッド1の外側にはクランプ部材17が取付けられている。クランプ部材17はベースヨーク2とガイドノーズ14の間の各部材を圧接挟持する。
【0014】
図3は本実施の形態の印字ヘッドが搭載されるプリンタを示す外観図である。図3において、プリンタ20は、水平に搬送される印字用紙21に印字を行う所謂水平型プリンタであり、印字ヘッド1は下向きに配設されている。プリンタ20にはキャリッジ22が水平方向に移動可能に設けられ、印字ヘッド1はこのキャリッジ22に搭載され、キャリッジ22と共に移動する。
【0015】
図4は印字ヘッドの配設状態を示す斜視図である。図4において、印字ヘッド1を搭載したキャリッジ22はキャリッジシャフト23に移動自在に嵌装され、ベルト24が固着されている。ベルト24はキャリッジ22の移動範囲に渡って張設され、モータ25のプーリ26に巻き掛けられている。モータ25を回転駆動することにより、ベルト24が移動し、キャリッジ22がキャリッジシャフト23に沿って移動する。
【0016】
キャリッジ22にはまた、印字ヘッド1の先端部(下端部)に対向する位置になるように、リボンプロテクタ27が取付けられている。リボンプロテクタ27は略中央に開口部を有し、印字の際に印字ヘッド1の印字ワイヤ13(図2)がその開口部を通して印字用紙21(図3)を打ち付ける。リボンプロテクタ27の下部にはプラテン28が配設されている。印字の際、印字用紙21(図3)はリボンプロテクタ27とプラテン28の間を搬送され、印字ヘッド1から突出した印字ワイヤ13(図2)により印字が行われる。
【0017】
ここで印字動作について簡単に説明する。電源が投入されると、キャリッジ22はホームポジションチェックを開始する。この動作はキャリッジ22を一方の端部(例えば左端)まで移動し、キャリッジ22がサイドフレーム29に突き当たることにより、モータ25が脱調した位置をホームポジションとして認識する工程である。続いて、図3に示す印字用紙21(図3)が図示しないテーブルにセットされると、キャリッジ22は、印字用紙21(図3)がプラテン28上に正しくセットされ易いように、予め決められた位置に移動し、また図示しない用紙搬送手段を駆動して、印字用紙21(図3)を所定の位置まで搬送させる。このときリボンプロテクタ27は印字用紙21(図3)をガイドする役目を果たす。
【0018】
印字用紙21が正しくプラテン28上にセットされると、印字可能状態になる。続いて、図示しない外部のコンピュータ等から発せられる印字命令に基づき、キャリッジ22を左右に往復移動を開始させるとともに、印字ヘッド1を駆動して印字ワイヤ13を突出させて印字を行う。1行分の印字が終了すると、印字用紙21が改行送りされて次の行の印字が行われる。そして印字命令に基づいて同様の工程を繰り返すことにより、印字用紙21に対する印字が行われる。
【0019】
次に図1により本実施の形態の特徴部分について説明する。図1は印字ヘッド1に固着された板バネ7の一部をスペーサ6側から示すものである。図1において、板バネ7は全体としては円形の形状をしており、外周部7aと外周部7aに接続し円形の中央部に向けて放射状に形成された複数の撓み部7bとを有する。各撓み部7bにはアーマチュア12(図2)が固着されるが、図1ではアーマチュア12は図示省略している。
【0020】
撓み部7bの基部7cは外周部7aの一部を構成している。撓み部7bとその基部7cとでバネ部7dを構成する。撓み部7bには略U字形の切欠き31が形成され、切欠き31の両端部32a、32bが撓むようになっている。切欠き31に挟まれた位置に形成された孔33aと先端部に形成された穴33bにおいて撓み部7bはアーマチュア12にレーザ溶接される。
【0021】
外周部7aは基部7cと固定部7eとで構成される。基部7cと固定部7eとの間には略くの字状の切欠き34が形成され、切欠き34の中央部には装着用切欠き35が固定部7eに入り込むように形成されている。装着用切欠き35の側面部には後述するようにテーパー(図13)が形成されている。切欠き34の外側端部から板バネ7の外周面に向けて切込み溝36aが形成され、切欠き34の内側端部から外周部7aの内側に向けて切込み溝36bが形成されている。
【0022】
図5は図1のA−A断面図である。図5に示すように、切込み溝36bの底の厚さは外周部7aの厚さの約1/2の厚さに形成してあり、容易に切断可能になっている。切込み溝36aも同様の厚さとなっている。切込み溝36a、36bの部分を切断することにより、外周部7aは基部7cと固定部7eとに分離される。
【0023】
図1において、切欠き34および切込み溝36a、36bは、各基部7cの両側に形成されており、基部7cの両側の切込み溝36a、36bを切断することにより、基部7cは印字ヘッド1の他の構成部品から切り離し可能となる。そのために基部7cはスペーサ6およびアーマチュアヨーク8(図2を参照)に固着されてはいない。
【0024】
固定部7eは切欠き34および切込み溝36a、36bに両側から挟まれるように形成され、内部には溶接用孔37a、37bが形成されている。溶接用孔37a、37bにおいて外周部7aをアーマチュアヨーク8(図2)と固着するためのレーザ溶接を行うためのものである。レーザ溶接されるため、固定部7eは切込み溝36a、36bが切断されてもアーマチュアヨーク8(図2)から切り離されることはない。
【0025】
図6は本実施の形態において板バネの撓み部にアーマチュアを固着した状態を示す平面図である。図6において、アーマチュア12は前述のように、板バネ7の撓み部7bにレーザ溶接される。アーマチュア12の先端部には印字ワイヤ13が銀ローでロー付けされている。以下、アーマチュア12が固着された撓み部7bを基部7cをも含めて撓み部アッセンブリ38という。
【0026】
さて、印字ヘッド1の経年変化あるいは外部からの影響等により、印字ワイヤ13の折損やアーマチュアのレーザ溶接剥がれ、または板バネ7の折損等の不具合が発生することがある。こうした不具合が発生した場合には折損した部分を交換する必要がある。以下、或る印字ワイヤ13の折損が発生した場合の交換作業について説明する。
【0027】
図2において、印字ワイヤ折損の障害が発生した場合、まず印字ヘッド1を脱磁して、印字ワイヤ13、アーマチュア12、板バネ7、アーマチュアヨーク8及びスペーサ6で構成されるスプリングアッセンブリ40をそれ以外の部分(コアアッセンブリ41)から切り離す。
【0028】
次にスプリングアッセンブリ40からスペーサ6を取り外し、板バネ7のスペーサ6側が露出した状態になる。スペーサ6は板バネ7に固着されていないので簡単に外れる。この状態を図6に示すが、この状態で、障害の発生した印字ワイヤ13を有する撓み部アッセンブリ38の基部7cと該基部7cに隣接する両隣りの固定部7eとの間の切込み溝36a、36bを切断する。切断の仕方は、図7に示すように、カッター等の専用の治具42を使用して切込み溝36a、36bを切断する。切込み溝36a、36bは底厚が薄くなっているので、容易に切断可能である。なお図7は切込み溝の切断の様子を示す説明図である。
【0029】
切込み溝36a、36bを切断することにより、基部7cがアーマチュアヨーク8には固着されていないので、障害の発生した撓み部アッセンブリ38はアーマチュアヨーク8から分離される。この状態を図8に示す。図8において、撓み部アッセンブリ38はアーマチュアヨーク8から分離された跡46には、切欠き34の中央部に形成された装着用切欠き35が残された状態となっている。なお図8は撓み部アッセンブリを取り外した状態を示す平面図である。
【0030】
次に交換用の撓み部アッセンブリを装着する。図9は交換用撓み部アッセンブリを示す平面図、図10は交換用撓み部アッセンブリを示す側面図である。図9、図10において、交換用撓み部アッセンブリ43は、印字ワイヤ13を先端部でロー付けしたアーマチュア12がレーザ溶接により撓み部7bに固着された構造を有する。また交換用撓み部アッセンブリ43は基部7cを有し、基部7cの両側部にはくびれ部44a、44bが形成され、くびれ部44a、44bの中央部にはそれぞれ凸部45a、45bが形成されている。
【0031】
次に交換用撓み部アッセンブリ43を図8に示す障害の発生した撓み部アッセンブリ38を取り除いた跡46に装着する。具体的には、交換用撓み部アッセンブリ43の基部7cを上記跡46にあてがうようにして取り付ける。取付けた状態を図11に示す。図11は交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す平面図である。
【0032】
図11に示すように、交換用撓み部アッセンブリ43のくびれ部44a、44bは、それぞれ切欠き34の内部に入り込み、交換用撓み部アッセンブリ43の凸部45a、45bが、それぞれ切欠き34の中央部に形成された装着用切欠き35に嵌り込む。その際、カッター等により切断された切込み溝36a、36bの切断面は交換用撓み部アッセンブリ43とは接触しない。
【0033】
図12は交換用撓み部アッセンブリの装着状態を示す一部拡大平面図、図13は図12のB−B断面図である。両図において、交換用撓み部アッセンブリ43の凸部45a、45bの両側面部にはテーパー部47a、47bが形成され、また切欠き34の両側面部にも逆方向のテーパー部48a、48bが形成されている。このようにテーパー部48a、48bの形成された切欠き34にテーパー部47a、47bの形成された凸部45a、45bが入り込むことにより、交換用撓み部アッセンブリ43は高精度で位置決めされる。
【0034】
次に交換用撓み部アッセンブリ43をアーマチュアヨーク8(図2)との間に挟むようにスペーサ6(図2)を取付け、交換用撓み部アッセンブリ43の印字ワイヤ13をガイドノーズ14(図2)の中間ガイド15(図2)およびワイヤガイド16(図2)に通し、このように組み立てられたスプリングアッセンブリ40(図2)をコアアッセンブリ41(図2)と組み合わせ、クランプ部材17(図2)で圧接挟持する。この後、着磁、ヘッド特性試験工程を経て交換作業が終了する。
【0035】
以上のように第1の実施の形態では、板バネ7の外周部7aを撓み部7bの基部7cと固定部7eとに分離し、切欠き34および切込み溝36a、36bを形成して切断可能にすることにより、印字ワイヤ13の折損、レーザ溶接の剥離あるいは板バネの折れ等の不具合が発生した場合、撓み部アッセンブリ38のみを交換可能となるので、修理費用が安価になるとともに、部品の有効利用を向上させることができる。
【0036】
また交換用撓み部アッセンブリ43に設けた凸部45a、45bを固定部7eの装着用切欠き35に嵌め込むことにより、交換用撓み部アッセンブリ43の位置決めを行うので、交換用撓み部アッセンブリ43が正確な位置に装着でき、位置誤差による印字特性のばらつきを抑えることができる。
【0037】
次に第2の実施の形態を説明する。図14は第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す平面図、図15は第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す側面図である。両図において、第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリ50は、第1の実施の形態のものと同様に、印字ワイヤ13を先端部でロー付けしたアーマチュア12がレーザ溶接により撓み部7bに固着された構造を有し、さらに基部7cの両側部にくびれ部44a、44bを形成し、くびれ部44a、44bの中央部にそれぞれ凸部45a、45bを形成している。
【0038】
また基部7cには略U字形の切欠き51が形成され、切欠き51で囲まれた部分52が折り曲げられて弾性部材を形成している。弾性部材52はアーマチュアヨーク8(図2)側に折り曲げられており、交換用撓み部アッセンブリ50を装着する際に、アーマチュアヨーク8(図2)から押される程度の角度に折り曲げられている。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0039】
次に第2の実施の形態の動作を説明する。ここでは不具合の発生した撓み部アッセンブリ38を取り外した後に交換用撓み部アッセンブリ50を装着する場合の動作について説明する。図16は交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す平面図、図17は交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す側面図である。
【0040】
図16において、装着された交換用撓み部アッセンブリ50は、そのくびれ部44a、44bが、それぞれ切欠き34の内部に入り込み、またその凸部45a、45bが、それぞれ切欠き34の中央部に形成された装着用切欠き35に嵌り込む。装着後、図17に示すように、交換用撓み部アッセンブリ50がアーマチュアヨーク8およびスペーサ6により上下から圧接されると、弾性部材52によりアーマチュアヨーク8およびスペーサ6にテンションを与え、強固な挟持力を与えることができる。
【0041】
板バネ7の固定部7eの厚さtと、交換用撓み部アッセンブリ50の基部7cの厚さt´との間に段差が発生した場合を考慮し、t>t´とすれば、段差により位置固定が不十分で交換用撓み部アッセンブリ50が上下方向にガタついて動いてしまうことを、弾性部材52によるテンションで押さえ付けることができる。
【0042】
なお、交換の前に装着してある板バネ7の外周部7aの厚さの公差をαとし、交換用撓み部アッセンブリ50の基部7cの厚さの公差をβとすると、公差を考慮した板バネ7の外周部7aの厚さおよび交換用撓み部アッセンブリ50の基部7cの厚さは、それぞれt±α、t´±βとなり、板バネ7の外周部7aの厚さと交換用撓み部アッセンブリ50の基部7cの厚さとの差Δt(=t−t´)は、t−α≧t´+βが必要条件である。また過度の段差をとるとガタつきの原因となるので、Δt=α+βが適正値である。
【0043】
以上のように第2の実施の形態によれば、交換用撓み部アッセンブリ50の基部7cに弾性部材52を設け、交換して装着した際に、アーマチュアヨーク8とスペーサ6にテンションを与えることにより、アーマチュアヨーク8およびスペーサ6に対して挟持力が与えられ、交換用撓み部アッセンブリ50を強固に固着することが可能になる。
【0044】
また交換用撓み部アッセンブリ50の基部7cの厚さを公差の範囲内で薄くすることにより、この基部7cが板バネ7の外周部7aの厚さよりも厚くなることから発生する逆段差を防止でき、印字特性のばらつき不具合の発生を小さくすることができる。
【0045】
次に第3の実施の形態を説明する。図18は第3の実施の形態の板バネを示す平面図である。図18において、第3の実施の形態の板バネ60は、外周部60aと外周部60aに接続し円形の中央部に向けて放射状に形成された複数の撓み部60bとを有する。そして撓み部60bの基部60cは外周部60aの一部を構成している。撓み部60bとその基部60cとでバネ部60dを構成する。
【0046】
撓み部60bには略U字形の切欠き61が形成され、切欠き61の両端部62a、62bが撓むようになっている。切欠き61に挟まれた位置に形成された孔63aと先端部に形成された穴63bにおいて撓み部60bはアーマチュア12にレーザ溶接される。
【0047】
外周部60aは基部60cと固定部60eとで構成されるが、基部60cと固定部60eとの間には、基部60cを囲むように切欠き64が形成されている。即ち、基部60cを境にして撓み部60bの反対側(外周側)にも固定部60eが形成されており、この位置の固定部60eから切欠き64に突出するように略円形の突起部65が形成されている。
【0048】
固定部60eには溶接用孔67a、67bが形成されており、溶接用孔67a、67bにおいて外周部60aをアーマチュアヨーク8と固着するためのレーザ溶接を行う。また第1の実施の形態と同様に、切欠き64には装着用切欠き68が固定部60eに入り込むように形成されている。装着用切欠き68の側面部には後述するようにテーパーが形成されている。
【0049】
また切欠き64の内側端部から外周部60aの内側に向けて切込み溝66が形成されている。切込み溝66の底の厚さは、第1の実施の形態と同様に、外周部60aの厚さの約1/2の厚さに形成してあり、容易に切断可能になっている。切込み溝66の部分を切断することにより、外周部60aは基部60cと固定部60eとに分離される。
【0050】
次に第3の実施の形態の動作を説明する。ここでは不具合の発生した撓み部アッセンブリを取り外した後に交換用撓み部アッセンブリを装着する場合の動作について説明する。図19は不具合の発生した撓み部アッセンブリを取り外した状態を示す平面図、図20は交換用撓み部アッセンブリを示す平面図、図21は交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す側面図である。
【0051】
図18、図19において、撓み部60bに、印字ワイヤ13を固着したアーマチュア12を固着したものを撓み部アッセンブリ67とする。印字ワイヤ折損の障害が発生した場合、第1の実施の形態で説明したように、板バネ60のスペーサ6側が露出した状態にし、この状態で、障害の発生した印字ワイヤ13を有する撓み部アッセンブリ67の基部60cの両側の切込み溝66を切断する。切込み溝66は底厚が薄くなっているので、カッター等により容易に切断可能である。この状態を図19に示す。図19に示すように、障害の発生した撓み部アッセンブリ67を取り除いた跡73の外側には、固定部60eが残された状態となっている。
【0052】
次に交換用撓み部アッセンブリを装着する。図20において、交換用撓み部アッセンブリ70は、印字ワイヤ13を先端部でロー付けしたアーマチュア12がレーザ溶接により撓み部60bに固着され、また基部60cを有し、基部60cの両側部にはそれぞれ凸部71a、71bが形成されている。また基部60cの端部には凹部72が形成されている。
【0053】
次に交換用撓み部アッセンブリ70を図19に示す障害の発生した撓み部アッセンブリ67を取り除いた跡73に装着する。具体的には、交換用撓み部アッセンブリ70の基部60cを上記跡73にあてがうようにして取り付ける。取付けた状態を図21に示す。
【0054】
図21において、装着された状態において、交換用撓み部アッセンブリ70の凸部71a、71bが、それぞれ装着用切欠き68に嵌り込み、また交換用撓み部アッセンブリ70の凹部72に、固定部60eに形成された突起部65が入り込む。第1の実施の形態で説明したように、交換用撓み部アッセンブリ70の凸部71a、71bの両側面部にはテーパー部が形成され、また装着用切欠き68の両側面部にも逆方向のテーパー部が形成されているので、交換用撓み部アッセンブリ70は高精度で位置決めされる。また、突起部65は、交換用撓み部アッセンブリ70の凹部72に嵌め込まれるとともに塑性変形を生じさせ固着される。
【0055】
交換用撓み部アッセンブリ70を装着した後、第1の実施の形態と同様に、スペーサ6を取付け、交換用撓み部アッセンブリ70の印字ワイヤ13をガイドノーズ14の中間ガイド15およびワイヤガイド16に通し、このように組み立てられたスプリングアッセンブリをコアアッセンブリと組み合わせ、クランプ部材17で圧接挟持する。この後、着磁、ヘッド特性試験工程を経て交換作業が終了する。
【0056】
以上のように第3の実施の形態によれば、不具合の発生した撓み部アッセンブリ67を取り除いた状態において、取り除いた跡73の外側に固定部60eが残された状態となっているので、また、交換用撓み部アッセンブリ70の凸部71a、71bが、それぞれ装着用切欠き68に嵌り込み、交換用撓み部アッセンブリ70の凹部72に、固定部60eに形成された突起部65が入り込んで位置決めされるので、部品公差のばらつきによる交換用撓み部アッセンブリ70のガタつきを防止することができ、位置決め精度を向上させることができる。
【0057】
また不具合の発生した撓み部アッセンブリ67を取り除いた跡73の外側に固定部60eが残された状態となっていることから、交換後に着磁をしても段差が発生しないので、磁気回路上は磁束が固定部60eを通る磁路が形成され、交換後も余分な空隙がなく、良好な印字特性を維持することができる。
【0058】
次に第4の実施の形態を説明する。図22は第4の実施の形態の板バネを示す平面図である。図22において、第4の実施の形態の板バネ80は、外周部80aと外周部80aに接続し円形の中央部に向けて放射状に形成された複数の撓み部80bとから構成される。そして撓み部80bには基部80cが構成されており、基部80cは前記第1、第3の実施の形態よりは小さく形成されている。撓み部80bと基部80cとでバネ部80dを構成する。
【0059】
撓み部80bには略U字形の切欠き81が形成され、切欠き81の両端部82a、82bが撓むようになっている。切欠き81に挟まれた位置に形成された孔83aと先端部に形成された穴83bにおいて撓み部80bはアーマチュア12にレーザ溶接される。
【0060】
外周部80aは実質的に固定部80eで構成される。基部80cと固定部60eとの間には、略コの字状の切欠き84が形成されている。切欠き84の両側部には湾曲部85a、85bが形成されており、切欠き84の内側端部から外周部80aの内側に向けて切込み溝86が形成されている。切込み溝86の底の厚さは、第1の実施の形態と同様に、外周部80aの厚さの約1/2の厚さに形成してあり、容易に切断可能になっている。切込み溝86の部分を切断することにより、バネ部80dは固定部80eから分離される。
【0061】
固定部80eには溶接用孔87a、87bが形成されており、溶接用孔87a、87bにおいて外周部80aをアーマチュアヨーク8およびスペーサ6と一体固着するためのレーザ溶接を行う。即ち、第4の実施の形態では、撓み部アッセンブリの交換時に板バネ80とスペーサ6とを分離することはできないようになっている。
【0062】
次に第4の実施の形態の動作を説明する。ここでは不具合の発生した撓み部アッセンブリを取り外した後に交換用撓み部アッセンブリを装着する場合の動作について説明する。図23は不具合の発生した撓み部アッセンブリ88を取り外した状態を示す平面図、図24は交換用撓み部アッセンブリを示す平面図、図25は交換用撓み部アッセンブリを示す側面図である。
【0063】
図23において、印字ワイヤ折損の障害が発生した場合、印字ヘッドを脱磁した後、障害の発生した撓み部アッセンブリ88を取り外す。取り外し方は、撓み部アッセンブリ88の基部80cの両側の切込み溝86を切断することにより行う。切込み溝86は底厚が薄くなっているので、カッター等により容易に切断可能である。切込み溝86を切断した後、撓み部アッセンブリ88を図22に示す矢印C方向に引き抜く。本実施の形態では板バネ80の固定部80eとスペーサ6が固着されているので、撓み部アッセンブリ88を印字ヘッドの中心方向に引き抜くことになる。引き抜いた後の状態を図23に示す。
【0064】
次に交換用撓み部アッセンブリを装着する。図24、図25において、交換用撓み部アッセンブリ90は、印字ワイヤ13を先端部でロー付けしたアーマチュア12がレーザ溶接により撓み部80bに固着され、また基部80cを有し、基部80cの両側部にはそれぞれ湾曲形状で弾力性を有する突起部91a、91bが形成されている。また交換用撓み部アッセンブリ90の基部80cの幅W1は、図23に示す不具合の発生した撓み部アッセンブリ88を取り除いた跡93の幅W2以下に寸法設定している(W1≦W2)。
【0065】
次に交換用撓み部アッセンブリ90を図23に示す障害の発生した撓み部アッセンブリ88を取り除いた跡93に装着する。このとき印字ヘッドの板バネ80がスペーサ6と固着しているので、図26、図27に示すように、印字ヘッドの中心側から矢印方向に交換用撓み部アッセンブリ90の基部80cを上記跡93に挿入するようにして取り付ける。交換用撓み部アッセンブリ90の基部80cの幅W1は、不具合の発生した撓み部アッセンブリ88を取り除いた跡93の幅W2以下に寸法設定しているので、交換用撓み部アッセンブリ90の挿入が可能である。なお図26、図27は交換用撓み部アッセンブリの装着動作を示す平面図および側面図である。
【0066】
挿入する際、交換用撓み部アッセンブリ90の両側に形成された突起部91a、91bが内側に弾性変形し、挿入を可能にする。交換用撓み部アッセンブリ90が装着位置まで挿入されると、図28に示すように、突起部91a、91bが切欠き84の両側部には湾曲部85a、85bに嵌り込み、元の形状に復帰する。これにより交換用撓み部アッセンブリ90は位置決めされる。この状態を図28および図29に示す。図28、図29は交換用撓み部アッセンブリの装着状態を示す平面図および側面図である。
【0067】
交換用撓み部アッセンブリ90を装着した後、交換用撓み部アッセンブリ90の印字ワイヤ13をガイドノーズ14の中間ガイド15およびワイヤガイド16に通し、このように組み立てられたスプリングアッセンブリをコアアッセンブリと組み合わせ、第1の実施の形態と同様に、クランプ部材17で圧接挟持する。この後、着磁、ヘッド特性試験工程を経て交換作業が終了する。
【0068】
以上のように第4の実施の形態によれば、印字ヘッドの組み立て構造において、アーマチュアヨーク8、板バネ80およびスペーサ6を一体にレーザ溶接するという従来技術を用いつつ、不具合の発生した撓み部アッセンブリ88の交換を行うことができる。これにより板バネ80の固定部80eの固定の強化、隙間からの異物の進入の防止、あるいは印字特性のばらつきの低減に効果が期待できる。
【0069】
以上の各実施の形態においては、ドット印字ヘッドとしてバネチャージ型の印字ヘッドを例にして説明したが、複数の撓み部が外周部で接続された板バネを有するものであって、それに対して不具合の発生した撓み部を切断する構造を持つ機構が具備可能であれば、所謂クラッパ型の印字ヘッドにも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1実施の形態のドット印字ヘッドの板バネを示す平面図である。
【図2】ドット印字ヘッドの構造を示す断面図である。
【図3】実施の形態の印字ヘッドが搭載されるプリンタを示す外観図である。
【図4】印字ヘッドの配設状態を示す斜視図である。
【図5】図1のA−A断面図である。
【図6】本実施の形態において板バネの撓み部にアーマチュアを固着した状態を示す平面図である。
【図7】切込み溝の切断の様子を示す説明図である。
【図8】撓み部アッセンブリを取り外した状態を示す平面図である。
【図9】交換用撓み部アッセンブリを示す平面図である。
【図10】交換用撓み部アッセンブリを示す側面図である。
【図11】交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す平面図である。
【図12】交換用撓み部アッセンブリの装着状態を示す一部拡大平面図である。
【図13】図12のB−B断面図である。
【図14】第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す平面図である。
【図15】第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す側面図である。
【図16】第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す平面図である。
【図17】第2の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す側面図である。
【図18】第3の実施の形態の板バネを示す平面図である。
【図19】第3の実施の形態において不具合の発生した撓み部アッセンブリを取り外した状態を示す平面図である。
【図20】第3の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す平面図である。
【図21】第3の実施の形態において交換用撓み部アッセンブリを装着した状態を示す側面図である。
【図22】第4の実施の形態の板バネを示す平面図である。
【図23】第4の実施の形態において不具合の発生した撓み部アッセンブリを取り外した状態を示す平面図である。
【図24】第4の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す平面図である。
【図25】第4の実施の形態の交換用撓み部アッセンブリを示す側面図である。
【図26】第4の実施の形態における交換用撓み部アッセンブリの装着動作を示す平面図である。
【図27】第4の実施の形態における交換用撓み部アッセンブリの装着動作を示す側面図である。
【図28】第4の実施の形態における交換用撓み部アッセンブリの装着状態を示す平面図である。
【図29】第4の実施の形態における交換用撓み部アッセンブリの装着状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 印字ヘッド
6 スペーサ
7、60 板バネ
7a、60a、80a 外周部
7b、60b、80b 撓み部
7c、60c、80c 基部
7e、60e、80e 固定部
8 アーマチュアヨーク
35、68 装着用切欠き
36a、36b、66、86 切込み溝
43、50、70、90 交換用撓み部アッセンブリ
45a、45b、71a、71b 凸部
52 弾性部材
65 突起部
85a、85b 湾曲部
91a、91b 突起部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字ワイヤを突出させて印刷を行なうワイヤドットプリンタのドット印字ヘッドにおいて、
前記印字ワイヤが取り付けられたアーマチュアと、
前記ドット印字ヘッドの所定位置に固定される固定部と、複数の前記アーマチュアのそれぞれと接続されるアーマチュア接続バネ部とから成る板バネとを有し、
前記アーマチュア接続バネ部は前記固定部から切り離し可能に設けられることを特徴とするドット印字ヘッド。
【請求項2】
前記アーマチュア接続バネ部が切り離された前記固定部に、
撓み部と基部とからなるバネ部と、
前記撓み部に固着するアーマチュアと、
前記アーマチュアの先端に固着する印字ワイヤとからなる交換用アーマチュア接続バネ部が接続可能である請求項1記載のドット印字ヘッド。
【請求項3】
前記アーマチュア接続バネ部と前記固定部との間に切断可能な切込み溝が形成される請求項1または請求項2記載のドット印字ヘッド。
【請求項4】
前記固定部は、前記交換用アーマチュア接続バネ部の位置決めをする位置決め部を有する請求項2記載のドット印字ヘッド。
【請求項5】
前記位置決め部が凹部である請求項4記載のドット印字ヘッド。
【請求項6】
前記位置決め部が凹部となる湾曲部である請求項4記載のドット印字ヘッド。
【請求項7】
前記板バネの外周は円形であって、前記固定部は前記アーマチュア接続バネ部の外周に対向する位置に配置される請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のドット印字ヘッド。
【請求項8】
前記固定部は、新たに装着される前記交換用アーマチュア接続バネ部と係合する係合部を有する請求項7記載のドット印字ヘッド。
【請求項9】
前記係合部は前記交換用アーマチュア接続バネ部の基部を取り囲む凹形である請求項8に記載のドット印字ヘッド。
【請求項10】
前記固定部は、相対向する一方の部材と溶接により接合されるとともに相対向する他方の部材とクランプ力および磁力で接合される請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のドット印字ヘッド。
【請求項11】
前記固定部は、相対向する双方の部材と溶接により接合される請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のドット印字ヘッド。
【請求項12】
前記交換用アーマチュア接続バネ部の基部は、前記固定部と前記交換用アーマチュア接続バネ部の基部との厚み差により生じる空隙を埋める補正手段を有する請求項2記載のドット印字ヘッド。
【請求項13】
前記補正手段は、前記交換用アーマチュア接続バネ部を相対向する双方の部材の間に固定する請求項12記載のドット印字ヘッド。
【請求項14】
前記補正手段は、前記交換用アーマチュア接続バネ部の上方に配置するアーマチュアヨークを付勢する弾性部材からなる請求項12または請求項13記載のドット印字ヘッド。
【請求項15】
前記交換用アーマチュア接続バネ部の基部に前記湾曲部に嵌合する弾力性を有する突起部を設けた請求項6記載のドット印字ヘッド。
【請求項16】
請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のドット印字ヘッドを具備した印刷装置。
【請求項1】
印字ワイヤを突出させて印刷を行なうワイヤドットプリンタのドット印字ヘッドにおいて、
前記印字ワイヤが取り付けられたアーマチュアと、
前記ドット印字ヘッドの所定位置に固定される固定部と、複数の前記アーマチュアのそれぞれと接続されるアーマチュア接続バネ部とから成る板バネとを有し、
前記アーマチュア接続バネ部は前記固定部から切り離し可能に設けられることを特徴とするドット印字ヘッド。
【請求項2】
前記アーマチュア接続バネ部が切り離された前記固定部に、
撓み部と基部とからなるバネ部と、
前記撓み部に固着するアーマチュアと、
前記アーマチュアの先端に固着する印字ワイヤとからなる交換用アーマチュア接続バネ部が接続可能である請求項1記載のドット印字ヘッド。
【請求項3】
前記アーマチュア接続バネ部と前記固定部との間に切断可能な切込み溝が形成される請求項1または請求項2記載のドット印字ヘッド。
【請求項4】
前記固定部は、前記交換用アーマチュア接続バネ部の位置決めをする位置決め部を有する請求項2記載のドット印字ヘッド。
【請求項5】
前記位置決め部が凹部である請求項4記載のドット印字ヘッド。
【請求項6】
前記位置決め部が凹部となる湾曲部である請求項4記載のドット印字ヘッド。
【請求項7】
前記板バネの外周は円形であって、前記固定部は前記アーマチュア接続バネ部の外周に対向する位置に配置される請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のドット印字ヘッド。
【請求項8】
前記固定部は、新たに装着される前記交換用アーマチュア接続バネ部と係合する係合部を有する請求項7記載のドット印字ヘッド。
【請求項9】
前記係合部は前記交換用アーマチュア接続バネ部の基部を取り囲む凹形である請求項8に記載のドット印字ヘッド。
【請求項10】
前記固定部は、相対向する一方の部材と溶接により接合されるとともに相対向する他方の部材とクランプ力および磁力で接合される請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のドット印字ヘッド。
【請求項11】
前記固定部は、相対向する双方の部材と溶接により接合される請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のドット印字ヘッド。
【請求項12】
前記交換用アーマチュア接続バネ部の基部は、前記固定部と前記交換用アーマチュア接続バネ部の基部との厚み差により生じる空隙を埋める補正手段を有する請求項2記載のドット印字ヘッド。
【請求項13】
前記補正手段は、前記交換用アーマチュア接続バネ部を相対向する双方の部材の間に固定する請求項12記載のドット印字ヘッド。
【請求項14】
前記補正手段は、前記交換用アーマチュア接続バネ部の上方に配置するアーマチュアヨークを付勢する弾性部材からなる請求項12または請求項13記載のドット印字ヘッド。
【請求項15】
前記交換用アーマチュア接続バネ部の基部に前記湾曲部に嵌合する弾力性を有する突起部を設けた請求項6記載のドット印字ヘッド。
【請求項16】
請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のドット印字ヘッドを具備した印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2006−326930(P2006−326930A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−151344(P2005−151344)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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