説明

ネイルプリント装置

【課題】印刷中の爪の指と印刷中でない爪の指をユーザーに知らしめるようにすることができるネイルプリント装置を提供する。
【解決手段】ネイルプリント装置は、複数の指の爪に順次印刷する印刷ヘッドと、印刷ヘッドによって印刷中の爪の指か、印刷中でない爪の指かを識別させ表示を行う表示部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネイルプリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、指の爪に様々な色や絵柄等のネイルデザインを印刷するネイルプリント装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。こうしたネイルプリント装置を用いれば、ネイルサロン等の店舗に行かなくても、ユーザーが自宅等で手軽にネイルプリントを楽しむことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−194838号公報
【特許文献2】特開2002−165632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネイルプリント装置を使用して、人差し指、中指、薬指及び小指といった複数の指の爪に印刷する場合には、これらの指を載置台上に載置し、ネイルプリント装置の印刷ヘッドによってこれらの指の爪に印刷が施される。このとき、複数の指を載置台上に載せただけの場合には、手が不安定な状態にあるため指が動いてしまい、印刷画像がずれたり、乱れたりする虞がある。そこで、ユーザーは指をしっかりと静止させていなければならない。
【0005】
しかし、全ての指の爪に印刷が施されるまで、人差し指、中指、薬指及び小指等、印刷予定の全ての指を長時間静止させていることはユーザーにとって苦痛である。
そこで、印刷ヘッドが複数の指の爪に並行して印刷するのではなく、印刷ヘッドが複数の指の爪に順次印刷を施すようなネイルプリント装置が開発されている。このようなネイルプリント装置を用いれば、ユーザーは印刷中の爪の指を静止させつつ、印刷中でない爪の指を少しは動かすことができるので、リラックスした状態で印刷を行うことができる。
【0006】
しかしながら、印刷の際には、印刷ヘッドが指の上に位置するために、ユーザーはどの指が印刷されていて、どの指が印刷されていないかを視認することができない。
このため、結局全ての指を動かすことができなかったり、印刷の進捗状況が分からずに苛立ちを覚える可能性もある。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、印刷中の爪の指と印刷中でない爪の指をユーザーに知らしめるようにすることができるネイルプリント装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、本発明に係るネイルプリント装置は、
複数の指の爪に順次印刷する印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指か、印刷中でない爪の指かを識別させ表示を行う表示部と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、印刷中の爪の指と印刷中でない爪の指をユーザーに知らしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るネイルプリント装置の一実施形態を概念的に示した斜視図で、蓋体を開いた状態を示している。
【図2】図1のネイルプリント装置の装置本体を概念的に示した斜視図である。
【図3】図1のネイルプリント装置の印刷指固定部を示した断面図で、印刷指としての人差し指、中指、薬指及び小指を印刷指挿入部に挿入した際の固定態様を示している。
【図4】図1のネイルプリント装置の正面側の断面図である。
【図5】図1のネイルプリント装置の側断面図である。
【図6】印刷指としての人差し指、中指、薬指及び小指を印刷指挿入部に挿入した場合、これらの指を示した平面図である。
【図7】第1の実施形態に係るネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。
【図8】ネイル印刷制御テーブルの説明図である。
【図9】表示画面の一例を示した図面である。
【図10】表示画面の一例を示した図面である。
【図11】表示画面の一例を示した図面である。
【図12】第1の実施形態におけるネイルプリント装置の制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図13】第1の実施形態におけるネイルプリント装置の制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図14】第2の実施形態に係るネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。
【図15】表示画面の一例を示した図面である。
【図16】表示画面の一例を示した図面である。
【図17】第2の実施形態におけるネイルプリント装置の制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図18】表示画面の一変形例を示した図面である。
【図19】表示画面の一変形例を示した図面である。
【図20】表示画面の一変形例を示した図面である。
【図21】表示画面の一変形例を示した図面である。
【図22】表示画面の一変形例を示した図面である。
【図23】表示画面の一変形例を示した図面である。
【図24】表示画面の一変形例を示した図面である。
【図25】第2の実施形態におけるネイルプリント装置の制御部が行う処理の流れの一変形例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
図1から図13を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第1の実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
図1は、本実施形態におけるネイルプリント装置の外観を示す斜視図であり、図2は、ネイルプリント装置の内部構成を示す斜視図である。
【0013】
図1に示すように、このネイルプリント装置1は、ケース本体2及び蓋体4を備えている。このケース本体2及び蓋体4は、ケース本体2の上面後端部に設けたヒンジ3を介して、互いに連結されている。
【0014】
上記ケース本体2は平面視で長円状に形成されている。このケース本体2の前側には開閉板2cが起倒可能に設けられている。この開閉板2cは、ケース本体2の前面下端部に設けたヒンジ(図示せず)を介して、ケース本体2に連結されている。この開閉板2cは、ケース本体2の前面を開閉するためのものである。
また、ケース本体2の上面(天板)には後述する操作部12が設置されており、上面(天板)のほぼ中央部には表示部13が設定されている。
なお、ケース本体2及び蓋体4の形状、構成はここに例示したものに限定されない。
【0015】
また、ケース本体2にはネイルプリント装置1の装置本体10が収容されている。この装置本体10は、図2に示すように印刷指固定部20、撮影部30、印刷部40及び制御装置50(図6参照)等を備えている。これら印刷指固定部20、撮影部30、印刷部40及び制御装置50は機枠11に設けられている。
なお、機枠11は下部機枠11a及び上部機枠11bによって構成されている。そして、下部機枠11aは箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置され、上部機枠11bは下部機枠11aの上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている。
【0016】
印刷指固定部20は、機枠11の中の下部機枠11aに設けられている。この下部機枠11aに設けられた印刷指挿入部20a、非印刷指挿入部20b及び掴み部20cによって印刷指固定部20が構成されている。
ここで、印刷指挿入部20aは、印刷しようとする爪Tに対応する指(以下「印刷指」という。)U1を挿入するめための指挿入部である(図3参照)。印刷指挿入部20aの底面(印刷指載置面)は、印刷指U1を載置する指載置部として機能する。印刷指U1の撮影や印刷は、印刷指U1がこの指載置部としての印刷指挿入部20aの印刷指載置面に載置された状態で行われる。
また、非印刷指挿入部20bは、印刷指以外の指(以下「非印刷指」という。)U2を挿入するための指挿入部である(図3参照)。
また、掴み部20cは、印刷指挿入部20aに挿入された印刷指U1と、非印刷指挿入部20bに挿入された非印刷指U2とで挟持することが可能な部分である。本実施形態において、この掴み部20cは印刷指挿入部20aと非印刷指挿入部20bとを仕切る隔壁21によって構成されている。
【0017】
この隔壁21の上面は平坦な印刷指載置面を構成している。この隔壁21の指挿入側端部には膨出部22が形成されている。この膨出部22は、印刷指挿入部20a及び非印刷指挿入部20bに印刷指U1及び非印刷指U2を深く挿入した際に、印刷指U1及び非印刷指U2の付け根U3が当接する部分に形成されている。膨出部22は、印刷指U1の腹全体が印刷指載置面に当接した状態で、印刷指U1と非印刷指U2とで隔壁21(掴み部20c)を強く挟持することができるように、指挿入方向の断面が、隔壁21の下面から下方に向けて膨出するように円形となっている。なお、膨出部22の形状は、断面円形に限定されることなく、断面楕円形,多角形等の非円形であってもよい。
【0018】
例えば、親指以外の4本の指(人差し指、中指、薬指及び小指)が印刷指U1となる場合には、図3に示すように、ユーザーは印刷指挿入部20aに4本の印刷指U1を挿入し、非印刷指挿入部20bに非印刷指U2である親指を挿入する。この場合、ユーザーが印刷指挿入部20aに挿入された印刷指U1と、非印刷指挿入部20bに挿入された非印刷指U2とで掴み部20cを挟持することにより、印刷指U1が掴み部20cの上で固定される。
また、親指のみが印刷指U1となる場合には、親指(印刷指U1)を印刷指挿入部20aに挿入さし、親指以外の4本の指(非印刷指U2)を非印刷指挿入部20bに挿入する。この場合にも、ユーザーが印刷指U1と非印刷指U2とで掴み部20cを挟持することで印刷指U1が固定される。
【0019】
また、図4は、本実施形態に係るネイルプリント装置1の正面側の断面図であり、図5は、ネイルプリント装置1の側断面図である。
図4及び図5に示すように、撮影部30は、機枠11の中の上部機枠11bに設けられている。
すなわち、上部機枠11bに設置された基板31の中央部下面には、ドライバーを内蔵した200万画素程度以上の画素を有する電子カメラ32が設置されている。また、基板31には、電子カメラ32を囲むように白色LED等の照明灯33が設置されている。撮影部30は、この電子カメラ32及び照明灯33を備えて構成されている。
この撮影部30は、指載置部である印刷指挿入部20aに載置された印刷指U1を照明灯33によって照明し、電子カメラ32によってその印刷指U1を撮影して、当該印刷指U1に対応する爪Tの爪領域画像を含む指画像を取得する指爪画像取得部であり、この撮影部30は、後述する制御装置50に接続され、該制御装置50によって制御されるようになっている。
【0020】
また、印刷部40は、印刷指U1の爪T(図3等参照)に色や模様等の印刷を施すものである。本実施形態では、印刷部40は、主として上部機枠11bに設けられている。すなわち、図4及び図5に示すように、上部機枠11bの両側板には、2本のガイドロッド41が平行に架設されている。このガイドロッド41には、主キャリッジ42が摺動自在に設置されている。また、図5に示すように、主キャリッジ42の前壁42a及び後壁42bには2本のガイドロッド44が平行に架設されている。このガイドロッド44には、副キャリッジ45が摺動自在に設置されている。この副キャリッジ45の下面中央部には、印刷ヘッド46が搭載されている。
本実施形態において、この印刷ヘッド46は、インクを微滴化し、被印字媒体に対し直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式の印刷ヘッドである。なお、印刷ヘッド46の記録方式はインクジェット方式に限定されない。
【0021】
主キャリッジ42は動力伝達部(図示せず)を介してモーター43に連結され、モーター43の正逆回転によって、ガイドロッド41に沿って左右方向に移動するように構成されている。また、副キャリッジ45は動力伝達部(図示せず)を介してモーター47に連結され、モーター47の正逆回転によって、ガイドロッド44に沿って前後方向に移動するように構成されている。ガイドロッド41に沿った前後方向がX方向であり、ガイドロッド44に沿った左右方向をY方向である。
図6に示すように、印刷ヘッド46の位置及び各印刷指U1の爪T(爪Ta,Tb,Tc,Td)の基準位置(Xa,Ya)、(Xb,Yb)、(Xc,Yc)、(Xd,Yd)は、所定の原点位置(Xo,Yo)を基準としたXY直交座標で表される。各印刷指U1の爪T(爪Ta,Tb,Tc,Td)の基準位置(Xa,Ya)、(Xb,Yb)、(Xc,Yc)、(Xd,Yd)は、爪Tの前端のY座標と、爪Tの左端のX座標とによって定められたものである。
また、下部機枠11aには、印刷ヘッド46にインクを供給するためのインクカートリッジ48が設けられている。インクカートリッジ48は、図示しないインク供給管を介して印刷ヘッド46と接続されており、適宜印刷ヘッド46にインクを供給するようになっている。なお、印刷ヘッド46自体にインクカートリッジを搭載する構成としてもよい。
【0022】
印刷部40は、これらガイドロッド41、主キャリッジ42、モーター43、ガイドロッド44、副キャリッジ45、印刷ヘッド46、モーター47及びインクカートリッジ48等を備えて構成されている。
【0023】
操作部12は、ユーザーが各種入力を行うための入力装置である。操作部12は、ユーザーにより操作されると、その操作に伴う操作信号を出力する。本実施形態では、操作部12には、例えば、図1に示すように、ネイルプリント装置1の電源をONする電源ボタン120、ネイルデザイン画像を指定する設定ボタン121、印刷を開始させるスイッチである印刷ボタン123等が設けられている。
【0024】
表示部13は、例えば液晶パネル(液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display))等で構成された表示部である。
なお、表示部13の表面に、タッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、図示しないスタイラスペンや指先等によるタッチ操作により、表示部13の表面をタッチすることによっても各種の入力を行うことができるように構成される。
【0025】
表示部13には、例えば、印刷指U1を撮影した指画像やその中の爪Tを表す爪領域画像、印刷指U1の爪Tに印刷すべきネイルデザイン、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示画面等が表示されるようになっている。印刷中における表示部13の表示内容については後に詳述する。
【0026】
また、制御装置50は、例えば上部機枠11bに配置された基板31等に設置されている。図7は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
図7に示すように、制御装置50は、中央制御部51、プログラムメモリ52、メモリ57、印刷ドライバー60、照明回路64、ディスプレイドライバー65及びバスライン66等を備える。印刷ドライバー60は、モータードライバー61、モータードライバー62及びヘッドドライバー63等を備える。
【0027】
中央制御部51、プログラムメモリ52、メモリ57、モータードライバー61、モータードライバー62、ヘッドドライバー63、照明回路64、電子カメラ32、ディスプレイドライバー65及び操作部12はバスライン66に接続されている。バスライン66は、中央制御部51、プログラムメモリ52、メモリ57、モータードライバー61、モータードライバー62、ヘッドドライバー63、照明回路64、電子カメラ32、ディスプレイドライバー65及び操作部12の間でデータや信号を転送するものである。
【0028】
モータードライバー61は、中央制御部51の指令に従ってモーター43を駆動する。モータードライバー62は、中央制御部51の指令に従ってモーター47を駆動する。ヘッドドライバー63は、中央制御部51の指令に従って印刷ヘッド46を駆動する。照明回路64は、中央制御部51の指令に従って照明灯33の点灯、消灯及び調光を行う。ディスプレイドライバー65は、中央制御部51の指令に従って表示部13を駆動する。
【0029】
プログラムメモリ52には、ネイルプリント装置1の機能に係るプログラム53及びデータ等が格納されている。このプログラム53は、中央制御部51にとって読み取り可能なプログラムである。
また、プログラムメモリ52には、基準アドレステーブル54が格納されている。基準アドレステーブル54は、原点位置(Xo,Yo)のX座標とY座標を対応付けて格納したものである。
また、プログラムメモリ52には、複数のネイルデザイン画像55が格納されている。ネイルデザイン画像55は、印刷指U1の爪Tに印刷される画像である。なお、ネイルデザイン画像55が外部記憶媒体(例えば、半導体メモリ、ハードディスクドライブ)に格納されていてもよい。その場合、リーダー・ライターがバスライン66に接続され、外部記憶媒体がリーダー・ライターに装着されると、外部記憶媒体に格納されたネイルデザイン画像55がリーダー・ライターによって読み取り可能となる。
【0030】
メモリ57は、中央制御部51のワーキングメモリ等として使用される。
例えば、図8に示すようなネイル印刷制御テーブル58が中央制御部51によってメモリ57に記憶される。なお、図8では、図6に示すように複数の印刷指U1(例えば小指、薬指、中指及び人差し指の4指)の爪T(例えば図6における爪Ta,Tb,Tc,Td)に印刷を施す場合にメモリ57に記憶されるネイル印刷制御テーブル58を例示している。ネイル印刷制御テーブル58は、識別番号格納領域58a、印刷状況格納領域58b、X座標格納領域58c、Y座標格納領域58d及びネイルデザイン画像アドレス格納領域58eを互いに対応付けて格納したものである。識別番号格納領域58aは、印刷指U1の爪T(例えば図6における爪Ta,Tb,Tc,Td)を識別するための番号が格納される領域である。印刷状況格納領域58bは、印刷指U1の爪Tの印刷状況(「未印刷」、「印刷中」、「印刷済」)が格納される領域である。X座標格納領域58cは、印刷指U1の爪Tの位置のX座標が格納される領域である。Y座標格納領域58dは、印刷指U1の爪Tの位置のY座標が格納される領域である。ネイルデザイン画像アドレス格納領域58eは、印刷指U1の爪Tに印刷するネイルデザイン画像のアドレスが格納される領域である。なお、印刷状況格納領域58bに格納される印刷指U1の爪Tの印刷状況は、印刷の進捗状況に応じて、中央制御部51により適宜書き換えられる。
【0031】
図7に示すように、中央制御部51は、ネイルプリント装置1の各部を制御するCPU等を具備する。プログラム53が中央制御部51に各種の機能を持たせ、中央制御部51がプログラム53に従って各種処理を行う。具体的には、プログラム53は、中央制御部51を印刷画像選択部51a、撮像制御部51b、指本数検出部51c、爪位置検出部51d、印刷制御部51e及び表示制御部51fとして機能させる。
【0032】
印刷画像選択部51aは、操作部12から出力された操作信号に従って、プログラムメモリ52に格納された複数のネイルデザイン画像55の中から、印刷する画像を選択する。印刷画像選択部51aは、選択したネイルデザイン画像55のアドレスをネイル印刷制御テーブル58のネイルデザイン画像アドレス格納領域58eに格納する。
【0033】
撮像制御部51bは、電子カメラ32に撮像を行わせて、電子カメラ32によって撮像された画像を取得する。
指本数検出部51cは、撮像制御部51bによって取得された撮像画像から、印刷指挿入部20a内に挿入された印刷指U1の本数を検出する。具体的には、指本数検出部51cは、撮像制御部51bによって取得された撮像画像に対してエッジ検出処理等の画像処理を行うことによって、撮像画像に含まれる指の像を認識して、指の像の数を数える。
爪位置検出部51dは、撮像制御部51bによって取得された撮像画像から、印刷指挿入部20a内に挿入された印刷指U1の爪Tの基準位置(図6参照)を検出する。具体的には、爪位置検出部51dは、撮像制御部51bによって取得された撮像画像に対してエッジ検出処理等の画像処理を行うことによって、撮像画像に含まれる爪の像を認識し、その撮像画像上の爪の像の位置を検出する。そして、爪位置検出部51dは、その爪の像の位置をXY直交座標における爪Tの基準位置に換算する。爪位置検出部51dは、検出した爪Tの基準位置のX座標をネイル印刷制御テーブル58のX座標格納領域58cに格納し、Y座標をネイル印刷制御テーブル58のY座標格納領域58dに格納する(図8参照)。
【0034】
印刷制御部51eは、印刷ドライバー60(モータードライバー61、モータードライバー62及びヘッドドライバー63)を介して印刷部40(モーター43,モーター47及び印刷ヘッド46)を制御し、複数の印刷指U1の爪Tに印刷を順次施すことを印刷部40に行わせる。
表示制御部51fは、ディスプレイドライバー65を介して表示部13を制御することによって、各種の画像を表示部13に表示させる。例えば、表示制御部51fは、複数の印刷指U1にそれぞれ対応する複数の指画像のうち、印刷部40の印刷ヘッド46によって印刷中の爪Tの印刷指U1に対応する指画像と、印刷中でない爪Tの印刷指U1に対応する指画像とを識別して、これら指画像を表示部13に表示させる。
表示制御部51fによって制御された表示部13に表示される画像の例を図9〜図11に示す。
【0035】
図9〜図11に示すように、表示部13に表示される画像には、指本数検出部51cによって検出された印刷指U1の本数と同数の指画像131が含まれており、これら指画像131が並んで表示されている。各指画像131には、爪画像132が含まれている。指画像131は印刷指U1にそれぞれ対応し、指画像131が識別番号にそれぞれ対応付けられている。
これらの指画像131は、複数の印刷指U1の爪T(例えば図6における爪Ta,Tb,Tc,Td)のうち、印刷中の爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131と、印刷中でない爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131とが識別できるように表示部13に表示されている。より好ましくは、印刷中でない爪Tの印刷指U1を、既に印刷された爪Tの印刷指U1と、未印刷の爪Tの印刷指U1とに分類する。すなわち、印刷中の爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131と、既に印刷された爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131と、未だ印刷されていない爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131とが識別できるように、これらの指画像131が表示されている。このように、本実施形態のネイルプリント装置1は、指の爪Tに印刷をされている人が、印刷部40の印刷ヘッド46によって印刷中の爪Tの指か、印刷中でない爪Tの指かを識別可能に表示を行う表示部13を備えている。
【0036】
印刷中の爪Tの指か、印刷中でない爪Tの指かを識別可能に表示部13に表示させる手法としては、例えば、指画像131の爪画像132にマークを付することで印刷中か否かを区別する。
すなわち、例えば、図9に示す例では、印刷中の爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131の爪画像132にはマーク133が付され、既に印刷された爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131の爪画像132にはマーク134が付され、未だ印刷されていない爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131の爪画像132にはマーク135が付されている。マーク133〜135の色等は互いに異なっており、具体的には、マーク133は赤色であり、マーク134は青色であり、マーク135は灰色の点線マークである。マーク133は印刷中であることを表し、マーク134は印刷済みであることを表し、マーク135が未印刷であることを表す。ここで挙げたマーク133〜135の色や形状等は一例であり、マーク133〜135が識別可能な表示態様であれば図示例に限定されない。しかし、印刷した画像とマークの色が類似した色だと視認しにくいので、色相環(カラーサークル)で正反対に位置する関係の色の組合せである補色を用いてもよい。例えば、赤の場合は緑、橙の場合は青、黄の場合は紫等である。或いは、赤と白、青と白等の点滅表示により、視認性を向上させてもよい。また、マーク133〜135は、それぞれ実線の二重丸、実線の丸印、破線の丸印等、線だけで構成され、線種や線の色、線の数等によって印刷中の爪Tの指か、印刷中でない爪Tの指かを識別可能なものであってもよい(例えば、図21参照)。
なお、印刷中の爪Tの印刷指U1が動いたりずれたりしないようにするためには、現に印刷中の爪Tの印刷指U1がどの印刷指U1であるかをユーザーに知らしめることが最も重要である。このため、印刷中の爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131の爪画像132にマーク133が付され、他の指画像131の爪画像132には何らマークが付されないような表示態様としてもよい。更に、マーク133〜135が付される領域は、爪に限らない。例えば、指等の爪以外の領域であっても、どの指の爪が印刷中で、どの指の爪が印刷中でないかが分かる領域であればよい。
【0037】
また、印刷中の爪Tの指か、印刷中でない爪Tの指かを識別可能に表示部13に表示させる手法は、マーク133〜135による区別に限定されない。
例えば、図10に示す例では、印刷中の爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131には「印刷中」という語136が付され、既に印刷された爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131には「印刷済」という語137が付され、未だ印刷されていない爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131には「未印刷」という語138が付されている。語136は印刷中であることを意味し、語137は印刷済みであることを意味し、語138が未印刷であることを意味する。なお、図10では、これら語136〜138に加えて、図9と同様のマーク133〜135が付されている例を示しているが、この場合、マーク133〜135が付されていなくてもよい。なお、印刷中の爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131の爪画像132に語136が付され、他の指画像131の爪画像132には語が付されないような表示態様としてもよい。
【0038】
また、例えば、図11に示すように、印刷中の爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131には矢印139を付し、他の指画像131には矢印139を付さない表示態様としてもよい。この場合には、矢印139は当該矢印139が指し示す指画像131に対応する印刷指U1の爪Tが印刷中であることを表す。なお、図11では、矢印139に加えて、図10と同様のマーク133〜135及び語136〜138が付されている例を示しているが、この場合、マーク133〜135若しくは語136〜138又はこれらの両方が付されていなくてもよい。
【0039】
その他、図示は省略するが、例えば、印刷中の爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131が点滅表示され、印刷中でない爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131が常時表示されてもよい。また、点滅表示と常時表示の関係が逆であってもよい。
【0040】
また、印刷中の爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131が半透明表示されてもよい。或いは、印刷中でない爪Tの印刷指U1に対応付けられた他の指画像131が半透明表示されてもよい。半透明表示とは、指画像131の各画素値が、不透明表示における指画像131の各画素値と背景の画素値との平均値となるような表示をいう。
【0041】
さらに、印刷中の爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131の色彩が、印刷中でない爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131の色彩と異なるものとしてもよい。
【0042】
また、爪Tに対応する爪画像132に、印刷される印刷画像(ネイルデザイン画像)を合成し、例えば印刷済みの爪Tに対応する爪画像132には、不透明の印刷画像を重畳して表示させ、印刷中の爪Tに対応する爪画像132には、印刷画像のうち既に印刷の終わった部分を不透明に、これから印刷される部分を半透明に重畳して表示させ、未印刷の爪Tに対応する爪画像132には、半透明の印刷画像を重畳して表示させるようにしてもよい。なお、印刷中の爪Tに対応する爪画像132に重畳される印刷画像は、当該爪Tへの印刷の進捗状況を反映して次第に半透明の部分が減少し不透明の部分が増加するというように適宜変化するようにしてもよい。
また、印刷済みの爪Tに対応する爪画像132にのみ印刷される印刷画像(ネイルデザイン画像)を合成して重畳表示させ、印刷中の爪Tに対応する爪画像132や未印刷の爪Tに対応する爪画像132には印刷画像を表示させないようにしてもよい。
【0043】
続いて、図12及び図13を参照しつつ、プログラム53に従った中央制御部51の処理の流れを説明するとともに、中央制御部51の処理に基づくネイルプリント装置1の動作について説明する。
【0044】
このネイルプリント装置1により印刷を行う場合、ユーザーはまず、電源スイッチを入れて制御装置50を起動させ、印刷指U1に印刷したいネイルデザイン画像を設定ボタン121及び確定ボタン122によって選択する(ステップS1)。ネイルデザイン画像の選択は、印刷指U1毎に行う。
【0045】
具体的には、プログラム53が中央制御部51を印刷画像選択部51aとして機能させることによって、中央制御部51はプログラムメモリ52に格納された複数のネイルデザイン画像55をサムネイル画像として表示部13に表示させる。そして、ユーザーが設定ボタン121を操作することによって表示部13に表示された複数のサムネイル画像中から選択して、確定ボタン122を押下する。そうすると、中央制御部51は、図7に示すようなネイル印刷制御テーブル58をメモリ57に生成し、選択されたネイルデザイン画像55のアドレスを識別番号に対応付けて、ネイル印刷制御テーブル58のネイルデザイン画像アドレス格納領域58eに格納する。中央制御部51がこのような処理を繰り返すことで、ネイルデザイン画像が順次選択され、選択されたネイルデザイン画像55のアドレスが識別番号に順次対応付けられる。なお、例えば、全ての印刷指U1の爪Tに同じネイルデザイン画像を印刷するような場合には、ユーザーによる1回の選択動作によって全ての印刷指U1についてネイルデザイン画像が選択されるようにしてもよい。この場合には、1つのネイルデザイン画像55が選択されると、選択されたネイルデザイン画像55のアドレスが全ての印刷指U1の爪Tの識別番号に対応付けられる。
【0046】
そして、ユーザーが右手又は左手の複数の印刷指U1(例えば、人差し指、中指、薬指及び小指)を印刷指挿入部20a内に挿入し、それらの印刷指U1の爪Tを上に向けてそれらの印刷指U1を印刷指載置面(隔壁21の上面)に置く。
【0047】
次に、ユーザーが印刷ボタン123を押下すると、その旨の操作信号が印刷ボタン123から中央制御部51に出力される。そうすると、プログラム53が中央制御部51を撮像制御部51bとして機能させる。撮像制御部51bとして機能した中央制御部51は、照明灯33を点灯させ、電子カメラ32に撮像動作を行わせる(ステップS2)。電子カメラ32が撮像動作を行うと、指や爪の像を含む撮像画像が電子カメラ32によって出力され、中央制御部51がその撮像画像を取得する。
【0048】
次に、プログラム53が中央制御部51を指本数検出部51cとして機能させ、中央制御部51は撮像画像に基づいて印刷指U1の本数を検出する。中央制御部51は、検出した印刷指U1の本数をメモリ57に格納する。
また、プログラム53が中央制御部51を爪位置検出部51dとして機能させる。図6に示すように、爪位置検出部51dとして機能した中央制御部51は、撮像画像に基づいて、各印刷指U1の爪T(爪Ta,Tb,Tc,Td)の基準位置(Xa,Ya)、(Xb,Yb)、(Xc,Yc)、(Xd,Yd)を検出する。そして、中央制御部51が、検出した基準位置(Xa,Ya)、(Xb,Yb)、(Xc,Yc)、(Xd,Yd)のX座標を識別番号にそれぞれ対応付けてX座標格納領域58cに格納するとともに、Y座標を識別番号にそれぞれ対応付けてY座標格納領域58dに格納する(ステップS3)。
【0049】
次に、中央制御部51は、全ての識別番号に対応付けられた印刷状況を「未印刷」にセットする(ステップS4)。具体的には、中央制御部51は、「未印刷」の印刷状況を全ての識別番号に対応付けて、印刷状況格納領域58bに格納する。
【0050】
次に、中央制御部51は、複数の印刷指U1の中から1つを選択し、その印刷指U1の爪Tに印刷することを決定する(ステップS5)。具体的には、中央制御部51は、ネイル印刷制御テーブル58の中から何れかの識別番号を選択する。
【0051】
次に、中央制御部51は、印刷することに決定された爪Tの印刷指U1に対応付けられた印刷状況を「印刷中」にセットする(ステップS6)。具体的には、中央制御部51は、ステップS5で選択した識別番号に対応付けられた印刷状況を「未印刷」から「印刷中」に変更して、「印刷中」の印刷状況を印刷状況格納領域58bに格納する。
【0052】
次に、プログラム53が中央制御部51を表示制御部51fとして機能させ、中央制御部51は識別表示処理を行う(ステップS7)。中央制御部51が識別表示処理を行うことによって、図9、図10又は図11に示すような画像が表示部13に表示される。なお、中央制御部51が識別表示処理を行うことによって表示される画像は、後述の印刷処理(ステップS8)においても継続して表示される。
【0053】
識別表示処理について図13を参照して説明する。
まず、中央制御部51は、ディスプレイドライバー65を介して、ステップS3において検出された印刷指U1の本数と同数の指画像131を表示部13に表示させる(ステップS31)。
次に、中央制御部51は、ネイル印刷制御テーブル58の中から何れかの識別番号を選択する(ステップS32)。
次に、中央制御部51は、ステップS32で選択した識別番号に対応付けられた印刷状況が「印刷中」、「印刷済」、「未印刷」の何れかであるかを判定する(ステップS33、ステップS34)。
【0054】
ステップS32で選択した識別番号に対応付けられた印刷状況が「印刷中」であると中央制御部51が判定した場合には(ステップS33:YES)、中央制御部51が、その識別番号に対応付けられた指画像131の表示態様を、印刷中を表す態様にする(ステップS35)。例えば、中央制御部51は、印刷中を表すマーク133、語136、矢印139のうち少なくとも1つを、選択した識別番号に対応付けられた指画像131に付して、表示部13に表示させる。なお、選択した識別番号に対応付けられた指画像131を点滅表示、常時表示、半透明表示又は不透明表示にしてもよい。また、指画像131に含まれる爪画像132に、印刷されるネイルデザイン画像である印刷画像を合成し、この印刷画像のうち印刷済みの部分を不透明表示させ未印刷部分を半透明表示させることで印刷状況が「印刷中」であることを表すようにしてもよい。
【0055】
ステップS32選択した識別番号に対応付けられた印刷状況が「印刷済」であると中央制御部51が判定した場合には(ステップS33:NO、ステップS34:YES)、中央制御部51が、その識別番号に対応付けられた指画像131の表示態様を、印刷済みを表す態様にする(ステップS36)。例えば、中央制御部51は、印刷済みを表すマーク134と語137のうちの少なくとも一方を、選択した識別番号に対応付けられた指画像131に付して、表示部13に表示させる。なお、選択した識別番号に対応付けられた指画像131を点滅表示(ステップS35において常時表示の場合)、常時表示(ステップS35において点滅表示の場合)、半透明表示(ステップS35において不透明表示の場合)又は不透明表示(ステップS35において半透明表示の場合)にしてもよい。また、指画像131に含まれる爪画像132に、印刷されるネイルデザイン画像である印刷画像を合成し、この印刷画像を不透明表示させることで印刷状況が「印刷済」であることを表すようにしてもよい。
【0056】
ステップS32で選択した識別番号に対応付けられた印刷状況が「未印刷」であると中央制御部51が判定した場合には(ステップS33:NO、ステップS34:NO)、中央制御部51が、その識別番号に対応付けられた指画像131の表示態様を、未印刷を表す態様にする(ステップS37)。例えば、中央制御部51は、未印刷を表すマーク135と語138のうちの少なくとも一方を、選択した識別番号に対応付けられた指画像131に付して、表示部13に表示させる。なお、選択した識別番号に対応付けられた指画像131を点滅表示(ステップS35において常時表示の場合)、常時表示(ステップS35において点滅表示の場合)、半透明表示(ステップS35において不透明表示の場合)又は不透明表示(ステップS35において半透明表示の場合)にしてもよい。また、指画像131に含まれる爪画像132に、印刷されるネイルデザイン画像である印刷画像を合成し、この印刷画像を半透明表示させることで印刷状況が「未印刷」であることを表すようにしてもよい。
【0057】
中央制御部51は、以上のような選択処理(ステップS32)、判定処理(ステップS33,S34)及び表示制御処理(ステップS35,S36,S37)を繰り返し行う(ステップS38:NO)。すなわち、中央制御部51は、ネイル印刷制御テーブル58の中から識別番号を順次選択するとともに、選択した識別番号に対応付けられた印刷状況の判定を行い、選択した識別番号に対応付けられた指画像131の表示態様を判定結果に従った態様にする。そして、全ての識別番号について選択処理(ステップS32)、判定処理(ステップS33,S34)及び表示制御処理(ステップS35,S36,S37)が終了したら(ステップS38:YES)、中央制御部51は図13に示す識別表示処理を終了する。
【0058】
図12に示すように、識別表示処理後、プログラム53が中央制御部51を印刷制御部51eとして機能させ、中央制御部51が印刷ドライバー60介して印刷部40を制御することによって、印刷部40に印刷動作を行わせる(印刷制御処理、ステップS8)。これにより、印刷することに決定された爪Tに対する印刷が印刷部40の印刷ヘッド46によって施される。
【0059】
具体的には、中央制御部51は、ステップS5で選択した識別番号に対応付けられたX座標及びY座標に基づいて、モータードライバー61,62を介してモーター43,47を制御する。これにより、印刷ヘッド46が、印刷することに決定された爪Tの上においてX方向及びY方向に移動する。また、印刷ヘッド46が移動している時に、中央制御部51は、ステップS5で選択した識別番号に対応付けられたネイルデザイン画像アドレスに従ってネイルデザイン画像55を読み出すとともに、そのネイルデザイン画像55に基づいてヘッドドライバー63を介して印刷ヘッド46を制御する。これにより、印刷ヘッド46が、印刷することに決定された爪Tに向けてインクを繰り返し吐出する。そのため、印刷することに決定された爪Tには、ネイルデザイン画像55に従った画像が形成される。
【0060】
印刷することに決定された爪Tに対する印刷が終了したら(ステップS9:YES)、中央制御部51は、印刷することに決定された爪Tの印刷指U1に対応付けられた印刷状況を「印刷済」にセットする(ステップS10)。具体的には、中央制御部51は、ステップS5で選択した識別番号に対応付けられた印刷状況を「印刷中」から「印刷済」に変更して、「印刷済」の印刷状況を印刷状況格納領域58bに格納する。
【0061】
次に、中央制御部51は、識別表示処理を行う(ステップS11)。ステップS11における識別表示処理とステップS7における識別表示処理は同じである。中央制御部51が識別表示処理を行うことによって、印刷中であると識別表示されていた指画像131が、印刷済であると識別表示される。
【0062】
中央制御部51は、印刷指挿入部20aに挿入された複数の印刷指U1の爪Tの全てについて印刷が終了したか否かを判断し(ステップS12)、全てについて印刷が終了したと判断されない間(ステップS12:NO)、以上のようなステップS5〜ステップS11の処理を繰り返し行う。これにより、印刷指挿入部20aに挿入された複数の印刷指U1の爪Tが印刷部40によって順次印刷されるとともに、印刷中の爪T(ステップS5で選択された識別番号)に対応付けられた指画像131が他の指画像131と識別表示される。そして、全ての識別番号についてステップS5〜ステップS11の処理が終了したら(ステップS12:YES)、中央制御部51は図12に示す処理を終了する。
【0063】
以上のように、本実施形態におけるネイルプリント装置1によれば、印刷中の爪Tに対応する指画像131が、印刷中でない爪Tに対応する指画像131と識別されて表示される。そのため、ユーザーは、印刷指挿入部20aに挿入した複数の印刷指U1の爪Tのうちどれが印刷されていて、どれが印刷されていないかを認識することができる。これにより、印刷中でない爪Tの印刷指U1を動かすことができる。印刷中でない爪Tの印刷指U1を静止し続けなくても済むため、ユーザーにとって快適である。
具体的には、例えば、表示制御部51fの制御により、印刷ヘッド46によって印刷中の爪Tの指に対応する指画像131にマーク133を付して表示部13に表示させたり、さらには印刷中でない爪Tの指に対応する指画像131に対して印刷中の爪Tの指に対応する指画像131に付したマーク133とは異なる表示態様のマーク134,135を付して表示部13に表示させたりした場合には、印刷指挿入部20aに挿入した複数の印刷指U1の爪Tのうちどれが印刷されていて、どれが印刷されていないかをユーザが直感的に認識することができる。
また、表示制御部51fの制御により、印刷ヘッド46によって印刷中の爪Tの指に対応する指画像131に「印刷中」等の語136を付して表示部13に表示させたり、さらには印刷中でない爪Tの指に対応する指画像131に対して印刷中の爪Tの指に対応する指画像131に付した語136とは異なる内容の語137,138(例えば「印刷済」「未印刷」)を付して表示部13に表示させたりした場合には、印刷指挿入部20aに挿入した複数の印刷指U1の爪Tのうちどれが印刷されていて、どれが印刷されていないかをユーザが確実に認識することができる。
また、表示制御部51fの制御により、印刷ヘッド46によって印刷中の爪Tの指に対応する指画像131に矢印を付して表示部13に表示させた場合には、現在印刷中の爪Tの指をユーザーが視覚的に確実に認識することができる。
また、表示制御部51fの制御により、印刷ヘッド46によって印刷中の爪Tの指に対応する指画像131及び印刷中でない爪Tの指に対応する指画像131のいずれか一方を表示部13に点滅表示させ、いずれか他方を常時表示させた場合には、現在印刷中の爪Tの指をユーザーが視覚的に確実に認識することができる。
また、表示制御部51fの制御により、印刷ヘッド46によって印刷中の爪Tの指に対応する指画像131及び印刷中でない爪Tの指に対応する指画像131のいずれか一方を表示部13に半透明表示させ、いずれか他方を不透明表示させた場合には、現在印刷中の爪Tの指をユーザーが視覚的に確実に認識することができる。
また、本実施形態では、印刷中でない爪Tの指に対応する指画像131のうち、印刷済みの爪Tの指に対応する指画像131と、未印刷の爪Tの指に対応する指画像131とを区別して、これらの指画像131を識別可能に表示部13に表示させる。これにより、印刷中であるか否かだけでなく、未印刷の爪Tがいくつ残っているかをユーザーが認識することができ、全てのネイルプリントが終了するまでの時間が予想できるため、苛立つことなく安心・快適にネイルデザイン加工を楽しむことができる。
【0064】
[第2の実施形態]
次に、図14から図17を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、ネイルプリント装置の制御構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0065】
図14は、本実施形態に係るネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。
図14に示すように、本実施形態におけるネイルプリント装置のプログラムメモリ52には、第1の実施形態と同様、ネイルプリント装置1の機能に係るプログラム53及びデータ、基準アドレステーブル54等が格納されている他、以下のデータが記憶されている。
すなわち、本実施形態においてプログラムメモリ52には、複数の印刷用ネイルデザイン画像56aが格納されている。印刷用ネイルデザイン画像56aは、印刷指U1の爪Tに印刷される画像である。
また、プログラムメモリ52には、複数の表示用ネイルデザイン画像56bが格納されている。表示用ネイルデザイン画像56bは、印刷中に表示部13に表示される画像であって、表示部13に表示されるのに適した解像度・画素数のものである。これら印刷用ネイルデザイン画像56aと表示用ネイルデザイン画像56bとは一対一で対応付けられており、両者のアドレスには相関が取られている。印刷用ネイルデザイン画像56aとそれに対応付けられた表示用ネイルデザイン画像56bは、解像度及び画素数が異なる同じ画像である。
なお、印刷用ネイルデザイン画像56aや表示用ネイルデザイン画像56bが外部記憶媒体(例えば、半導体メモリ、ハードディスクドライブ)に格納されていてもよい。その場合、リーダー・ライターがバスライン66に接続され、外部記憶媒体がリーダー・ライターに装着されると、外部記憶媒体に格納された印刷用ネイルデザイン画像56a及び表示用ネイルデザイン画像56bがリーダー・ライターによって読み取り可能となる。
【0066】
また、本実施形態のネイルプリント装置の中央制御部51は、プログラム53との協働により、第1の実施形態で示した各種の機能を有する他、爪領域検出部51g、表示画像選択部51h、印刷画像データ生成部51i、表示画像データ生成部51j、進捗状況検出部51kとして機能する。
【0067】
爪領域検出部51gは、撮像制御部51bによって取得された撮像画像から、印刷指挿入部20a内に挿入された印刷指U1の爪Tの大きさ及び範囲を検出する。具体的には、爪領域検出部51gは、撮像制御部51bによって取得された撮像画像に対してエッジ検出処理等の画像処理を行うことによって、撮像画像に含まれる爪領域及びそのエッジを認識し、その爪領域のエッジ上の各点の位置を検出する。そして、爪領域検出部51gは、撮像画像の座標系で表されたエッジの各点の位置(座標)を、XY直交座標系で表された爪Tの輪郭線上の各点の位置(座標)に換算する。
【0068】
表示画像選択部51hは、プログラムメモリ52に格納された複数の表示用ネイルデザイン画像56bの中から、印刷画像選択部51aによって選択された印刷用ネイルデザイン画像56aに対応付けられた表示用ネイルデザイン画像56bを選択する。
【0069】
印刷画像データ生成部51iは、印刷画像選択部51aによって選択された印刷用ネイルデザイン画像56aから印刷画像データを生成する。すなわち、印刷画像データ生成部51iは、印刷画像選択部51aによって選択された印刷用ネイルデザイン画像56aの座標変換を行うことによって、印刷用ネイルデザイン画像56aの各画素の座標をXY直交座標系の座標に変換する。座標変換後の印刷用ネイルデザイン画像56aを印刷画像データという。印刷画像データは、印刷ヘッド46によって爪T上にネイルデザインの印刷画像を印刷させるための画像データである。
【0070】
表示画像データ生成部51jは、表示画像選択部51hによって選択された表示用ネイルデザイン画像56bから表示画像データを生成する。すなわち、表示画像データ生成部51jは、表示画像選択部51hによって選択された表示用ネイルデザイン画像56bの座標変換を行うことによって、表示用ネイルデザイン画像56bの各画素の座標を撮像画像の座標系の座標に変換する。座標変換後の表示用ネイルデザイン画像56bを表示画像データという。表示画像データは、印刷画像データ生成部51iによって生成される印刷画像データに対応するものであり、表示部13上にこの印刷画像データに対応するネイルデザインの印刷画像160(図16等参照)を表示させるための画像データである。
本実施形態では、印刷画像データ生成部51iによって生成された印刷画像データが、最少の印刷単位又はある程度のまとまりのあるブロック単位で印刷された後、表示画像データ生成部51jが、当該印刷画像データに相当する表示画像データを生成する。そして、この表示画像データに基づく印刷画像160を爪画像132(又は拡大爪画像172)に合成し、両者を重ねて表示部13に表示させる。これを印刷終了まで繰り返すことにより、印刷の進捗に合わせた印刷画像160の表示を行うことができる。
【0071】
進捗状況検出部51kは、印刷制御部51eの制御によって進行されている印刷の進捗状況を検出する。
具体的には、進捗状況検出部51kは、印刷予定の各印刷指U1について、既に印刷済であるか、現に印刷中であるか、未だ未印刷の印刷待ちの状態であるかを判別する。
また、進捗状況検出部51kは、現に印刷中の爪Tがある場合には、当該爪Tに印刷中の印刷画像データのうち、既に印刷された領域(以下、「既印刷領域」という。)と未だ印刷さていない領域(以下、「未印刷領域」という。)とを判別する。
さらに、進捗状況検出部51kは、表示画像データのうち、上記既印刷領域に相当する領域(以下、「既印刷相当領域」という。)と、未印刷領域に相当する領域(「未印刷相当領域」という。)とを判別する。
【0072】
また、本実施形態では、表示制御部51fは、ディスプレイドライバー65を介して表示部13を制御することによって、各種の画像を表示部13に表示させる。
本実施形態において、表示部13は、印刷を実施する複数の指(例えば、人差し指、中指、薬指、小指の4指に印刷を施す場合には、これらの4つの印刷指U1)の爪Tの爪画像132をすべて表示するとともに、爪Tに印刷される印刷画像160を表示するものである。さらに、表示部13は、印刷の進捗状況に応じて、印刷を実施するこれら複数の印刷指U1の爪Tのうち、印刷ヘッド46によって印刷中の印刷指U1の爪T(本実施形態では、当該爪Tに対応する爪画像を含む印刷指U1の指画像)を、印刷中でない印刷指U1の爪T(本実施形態では、当該爪Tに対応する爪画像を含む印刷指U1の指画像)よりも大きく表示させる。すなわち、表示部13は、印刷ヘッド46によって印刷中の指の爪Tの、印刷中の指の爪Tの実寸サイズに対する表示部13に表示される印刷中の指の爪Tの表示サイズの比率を、印刷中でない指の爪Tの、印刷中でない指の爪Tの実寸サイズに対する表示部13に表示される印刷中でない指の爪Tの表示サイズの比率より高くして表示させる。また、表示部13は、印刷中の印刷指U1の爪Tに印刷する印刷画像160のうち、既印刷領域と未印刷領域とを識別可能に表示するようになっている。
【0073】
図15及び図16に、本実施形態における表示制御部51fによって制御された表示部13に表示される画面例を示す。
図15及び図16に示すように、本実施形態の表示部13は、印刷を実施する複数の印刷指U1の爪T(本実施形態では、爪Tに対応する爪画像132を含む印刷指U1の指画像131)すべてを表示する全指表示領域15と、複数の印刷指U1の爪T(本実施形態では、爪Tに対応する爪画像132を含む印刷指U1の指画像131)のうち印刷中の印刷指U1の爪Tを拡大表示(本実施形態では、当該爪Tに対応する爪画像の拡大爪画像(拡大爪領域)172を含む印刷指U1の拡大指画像171を表示)して、印刷する印刷画像160のうちの既印刷領域と未印刷領域とを識別可能に表示する進捗表示領域17とを備えている。
なお、全指表示領域15及び進捗表示領域17の大きさ、配置等は図示例に限定されない。例えば、図15及び図16では、全指表示領域15及び進捗表示領域17の周囲に余白部分が残されているが、全指表示領域15及び進捗表示領域17によって表示部13の全表示画面が占められるようにしてもよい。
表示部13にこのような表示を行わせるため、本実施形態の表示制御部51fは、以下のような表示を行うように表示部13を制御する。
【0074】
すなわち、表示部13の全指表示領域15に表示される画像には、指本数検出部51cによって検出された印刷指U1の本数と同数の指画像131が含まれており、これら指画像131が並んで表示されている。各指画像131には、爪画像132が含まれている。第1の実施形態と同様に、指画像131は印刷指U1にそれぞれ対応し、指画像131が識別番号(図8参照)にそれぞれ対応付けられている。
本実施形態では、印刷が開始される前は、図15に示すように、全指表示領域15には、単に印刷が予定されている印刷指U1及びその爪Tに対応する爪画像132を含む指画像131が並んで表示されている。また、進捗表示領域17には何も表示されない。
【0075】
そして、印刷が開始されると、全指表示領域15には、印刷中の爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131と、既に印刷された爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131と、未だ印刷されていない爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131とが識別できるように、これらの指画像131が表示される。
具体的には、図16に示すように、全指表示領域15に表示される爪画像132の上には、表示画像データに基づき印刷する印刷画像160が重畳表示される。このとき、表示制御部51fは、印刷画像160のうち、進捗状況検出部51kによって判別された既印刷領域に相当する既印刷相当領域と印刷領域に相当する未印刷相当領域とを識別して、既印刷相当領域を通常通り不透明表示させるとともに、未印刷相当領域を半透明表示させる。また、表示制御部51fは、印刷中の爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131に「印刷中」という語136を付し、既に印刷された爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131に「印刷済」という語137を付し、未だ印刷されていない爪Tの印刷指U1に対応付けられた指画像131に「未印刷」という語138を付して表示させる。
また、進捗表示領域17には、現に印刷中の印刷指U1に対応する拡大指画像171が表示される。例えば、図16では全指表示領域15において左から3本目に表示されている指画像131に対応する印刷指U1について撮像制御部51bによって取得された撮像画像(指画像)が拡大され、拡大指画像171として表示される。表示された拡大指画像171には、拡大爪画像(拡大爪領域)172が含まれている。
表示制御部51fは、撮像制御部51bによって取得された撮像画像の拡大爪画像172のエッジの内側に印刷画像160が配置されるように表示画像データを撮像画像に合成して、印刷画像160を拡大爪画像172を含む拡大指画像171とともに表示部13の進捗表示領域17に表示させる。このとき、図16に示すように、表示部13の進捗表示領域17には、印刷画像160のうち、既印刷相当領域161が不透明表示され、未印刷相当領域162が半透明表示される。すなわち、表示制御部51fは、印刷画像160のうち、進捗状況検出部51kによって判別された既印刷領域に相当する既印刷相当領域161と印刷領域に相当する未印刷相当領域162とを識別して、既印刷相当領域161を通常の不透明表示、未印刷相当領域162を半透明表示させるように表示部13を制御する。なお、ここで半透明表示とは、未印刷相当領域162の各画素値が、不透明表示における未印刷相当領域162の各画素値と背景の画素値との平均値となるような表示をいう。
【0076】
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0077】
次に、図17を参照しつつ、本実施形態におけるプログラム53に従った中央制御部51の処理の流れを説明するとともに、中央制御部51の処理に基づくネイルプリント装置の動作について説明する。
【0078】
このネイルプリント装置1により印刷を行う場合には、ユーザーはまず、第1の実施形態と同様に、電源スイッチを入れて制御装置50を起動させ、印刷指U1の爪Tに印刷したいネイルデザイン画像を設定ボタン121及び確定ボタン122によって選択する(ステップS51)。
そして、ユーザーが印刷指U1を印刷指挿入部20a内に挿入し、印刷指U1の爪Tを上に向けて印刷指U1を印刷指載置面(隔壁21の上面)に置く。
次に、ユーザーが印刷ボタン123を押下すると、第1の実施形態と同様に、中央制御部51が撮像制御部51bとして機能して、照明灯33を点灯させ、電子カメラ32に撮像動作を行わせる(ステップS52)。電子カメラ32が撮像動作を行うと、指や爪の像を含む撮像画像が電子カメラ32によって出力され、中央制御部51がその撮像画像を取得する。
【0079】
次に、中央制御部51は、電子カメラ32によって撮像された撮像画像、すなわち、印刷指挿入部20a内に挿入されている印刷予定の全印刷指U1を表示部13の全指表示領域15に表示させる(ステップS53)。
【0080】
次に、中央制御部51は、指本数検出部51cとして機能し、撮像画像に基づいて印刷指U1の本数を検出する。中央制御部51は、検出した印刷指U1の本数をメモリ57に格納する。
また、第1の実施形態と同様に、中央制御部51は、爪位置検出部51dとして機能し、撮像画像に基づいて、各印刷指U1の爪T(爪Ta,Tb,Tc,Td)の基準位置(Xa,Ya)、(Xb,Yb)、(Xc,Yc)、(Xd,Yd)を検出する(図6参照)。そして、中央制御部51が、検出した基準位置(Xa,Ya)、(Xb,Yb)、(Xc,Yc)、(Xd,Yd)のX座標を識別番号にそれぞれ対応付けてX座標格納領域58cに格納するとともに、Y座標を識別番号にそれぞれ対応付けてY座標格納領域58dに格納する(ステップS54)。
【0081】
次に、中央制御部51は、全ての識別番号に対応付けられた印刷状況を「未印刷」にセットする(ステップS55)。具体的には、中央制御部51は、「未印刷」の印刷状況を全ての識別番号に対応付けて、印刷状況格納領域58bに格納する。
【0082】
次に、中央制御部51は、複数の印刷指U1の中から1つを選択し、その印刷指U1の爪Tに印刷することを決定する(ステップS56)。具体的には、中央制御部51は、ネイル印刷制御テーブル58の中から何れかの識別番号を選択する。
【0083】
次に、中央制御部51は、印刷することに決定された爪Tの印刷指U1に対応付けられた印刷状況を「印刷中」にセットする(ステップS57)。具体的には、中央制御部51は、ステップS5で選択した識別番号に対応付けられた印刷状況を「未印刷」から「印刷中」に変更して、「印刷中」の印刷状況を印刷状況格納領域58bに格納する。
【0084】
次に、本実施形態では、プログラム53が中央制御部51を爪領域検出部51gとして機能させ、中央制御部51は、撮像画像に基づいて、印刷指U1の爪Tの大きさ及び範囲を検出する(ステップS58)。すなわち、中央制御部51は、撮像画像に含まれる爪領域のエッジ上の各点の位置を検出するとともに、エッジ上の各点の位置(座標)を爪Tの輪郭線上の各点の位置(座標)に換算する。
【0085】
次に、プログラム53が中央制御部51を表示画像データ生成部51jとして機能させる。これにより、中央制御部51は、選択された表示用ネイルデザイン画像56bの各画素の座標を撮像画像の座標系の座標に変換して、表示画像データを生成する(ステップS59)。すなわち、中央制御部51は、選択された表示用ネイルデザイン画像56bのサイズ等を変更するとともに、その表示用ネイルデザイン画像56bを撮像画像中の爪領域のエッジの内側に配置するように表示用ネイルデザイン画像56bの座標を撮像画像の座標系の座標に変換する。
【0086】
次に、プログラム53が中央制御部51を印刷画像データ生成部51iとして機能させる。これにより、中央制御部51は、選択された印刷用ネイルデザイン画像56aの各画素の座標をXY直交座標系の座標に変換して、印刷画像データを生成する(ステップS60)。すなわち、中央制御部51は、選択された印刷用ネイルデザイン画像56aのサイズ等を変更するとともに、その印刷用ネイルデザイン画像56aを爪Tの輪郭線(爪Tの輪郭線上の各点の位置はXY直交座標系で表されている。)の内側に配置するように印刷用ネイルデザイン画像56aの座標をXY直交座標系の座標に座標変換する。
【0087】
次に、プログラム53が中央制御部51を表示制御部51fとして機能させ、中央制御部51は識別表示処理を行う(ステップS61)。中央制御部51が識別表示処理を行うことによって、図16に示すような画像が表示部13の全指表示領域15に表示される。なお、中央制御部51が識別表示処理を行うことによって全指表示領域15に表示される画像は、後述の印刷処理(ステップS62)においても継続して表示される。
なお、識別表示処理(ステップS61)の具体的な内容は、第1の実施形態において図13を参照しつつ説明したものと同様であるため、その説明を省略する。
【0088】
次に、プログラム53が中央制御部51を印刷制御部51eとして機能させ、中央制御部51が印刷ドライバー60を介して印刷部40を制御することによって、印刷部40に印刷動作を進行させる(印刷制御処理、ステップS62)。これにより、印刷することに決定された印刷指U1の爪Tに対する印刷画像データに基づく印刷が印刷部40の印刷ヘッド46によって施される。
なお、この印刷制御処理(ステップS62)の具体的な内容は、第1の実施形態において説明したものと同様であるため、その説明を省略する。
【0089】
印刷の進行中、プログラム53が中央制御部51を進捗状況検出部51kとして機能させ、中央制御部51が印刷画像データのうち既印刷領域と未印刷領域とを判別する(ステップS63)。また、中央制御部51は、印刷画像160のうち既印刷相当領域161と未印刷相当領域162とを判別する。
【0090】
そして、プログラム53が中央制御部51を表示制御部51fとして機能させ、図16に示すように、中央制御部51が既印刷相当領域161と未印刷相当領域162とを識別して、これらの領域を表示部13の進捗表示領域17に表示させる(ステップS64)。この際、中央制御部51は、既印刷相当領域161及び未印刷相当領域162を拡大爪画像172のエッジの内側に配置するようにして、既印刷相当領域161及び未印刷相当領域162を拡大爪画像172を含む拡大指画像171に合成して、既印刷相当領域161及び未印刷相当領域162を拡大指画像171とともに表示部13の進捗表示領域17に表示させる。
【0091】
中央制御部51は、当該印刷指U1の爪Tについて印刷が終了したか否かを常に判断し(ステップS65)、印刷が終了したと判断されない間(ステップS65:NO)、以上のようなステップS62〜ステップS64の処理を繰り返し行う。従って、印刷部40の印刷ヘッド46によって印刷が継続されるとともに(ステップS62)、既印刷相当領域161と未印刷相当領域162との識別表示が行われる(ステップS64)。ステップS62〜ステップS64の処理が繰り返される度に、中央制御部51が進捗状況の検出(ステップS63)を行うため、印刷動作が進むにしたがい未印刷相当領域162の面積が減っていき、既印刷相当領域161の面積が増えていく。表示部13の進捗表示領域17には、このような印刷の進捗状況の変化が随時反映されて表示される。
【0092】
そして、中央制御部51は、当該印刷指U1の爪T(ステップS56において印刷することに決定された爪T)について印刷画像データの全ての領域の印刷が終了したか否かを常に判断し(ステップS68)、印刷画像データの全ての領域の印刷が終了したと判断した場合(ステップS68:YES)には、表示部13の進捗表示領域17に、印刷画像160の全ての領域が既印刷相当領域161となって全体が不透明表示された画像が表示される。
【0093】
また、中央制御部51は、印刷することに決定された爪Tの印刷指U1に対応付けられた印刷状況を「印刷済」にセットする(ステップS66)。具体的には、中央制御部51は、ステップS56で選択した識別番号に対応付けられた印刷状況を「印刷中」から「印刷済」に変更して、「印刷済」の印刷状況を印刷状況格納領域58bに格納する。
【0094】
次に、中央制御部51は、識別表示処理を行う(ステップS67)。ステップS67における識別表示処理とステップS61における識別表示処理とは同じものである。中央制御部51が識別表示処理を行うことによって、印刷中であると識別表示されていた指画像131が、印刷済であると識別表示される。
【0095】
中央制御部51は、印刷指挿入部20aに挿入された複数の印刷指U1の爪Tの全てについて印刷が終了したか否かを判断し(ステップS68)、全てについて印刷が終了したと判断されない間(ステップS68:NO)、以上のようなステップS56〜ステップS67の処理を繰り返し行う。これにより、印刷指挿入部20aに挿入された複数の印刷指U1の爪Tが印刷部40の印刷ヘッド46によって順次印刷されるとともに、表示部13の全指表示領域15において印刷中の爪T(ステップS56で選択された識別番号)に対応付けられた指画像131が他の指画像131と識別表示される。そして、全ての識別番号についてステップS56〜ステップS67の処理が終了したら(ステップS68:YES)、中央制御部51は図17に示す処理を終了する。
【0096】
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
【0097】
以上のように、本実施形態におけるネイルプリント装置1によれば、第1の実施形態と同様に、印刷中の爪Tに対応する指画像131が、印刷中でない爪Tに対応する指画像131と識別されて表示される。そのため、ユーザーは、印刷指挿入部20aに挿入した複数の印刷指U1の爪Tのうちどれが印刷されていて、どれが印刷されていないかを認識することができる。これにより、印刷中でない爪Tの印刷指U1を動かすことができる。印刷中でない爪Tの印刷指U1を静止し続けなくても済むため、ユーザーにとって快適である。
また、本実施形態では、印刷の進捗状況が検出されて、随時表示部13の進捗表示領域17に表示されるため、ユーザーは印刷中の爪Tの印刷指U1を動かしていけない時間を直感的に理解することができる。そのため、ユーザーは、印刷を待つ間苛立つこともなく、快適にネイルデザイン加工を楽しむことができる。
また、ユーザーは次の印刷指U1の爪Tの印刷開始までの時間を直感的に理解することができる。そのため、印刷指U1の印刷中に、ユーザーが次の印刷指U1に違和感を得た場合等には、次の印刷指U1についての印刷が開始されるまでの間、当該次の印刷指U1を動かしてよいことが分かる。これにより、ユーザーがよりリラックスした状態で快適にネイルデザイン加工を楽しむことができる。
また、表示部13は、印刷を実施する複数の印刷指U1の爪Tすべてを表示する全指表示領域15と、複数の印刷指U1の爪Tのうち印刷中の印刷指U1の爪Tのみを拡大表示する進捗表示領域17とを備えている。このため、印刷予定の全ての印刷指U1についてどの指の爪Tが印刷されどの指の爪Tが印刷されていないのかの全体の進捗状況と、現に印刷中の爪Tについての詳細な進捗状況とを、表示部13を見るだけでともに容易に認識することができ、ユーザーにとって便宜である。
そして、表示部13の進捗表示領域17には、印刷中の印刷指U1の爪Tが印刷中でない印刷指U1の爪Tよりも大きく表示され、印刷中の印刷指U1の爪Tに印刷する印刷画像160のうち、既印刷領域に相当する既印刷相当領域161と未印刷領域に相当する未印刷相当領域162とが識別可能に表示される。このため、現在どの印刷指U1についてどこまで印刷が進んでいるのかが分かりやすく、ユーザーが印刷動作の終了を快適に待つことができる。
また、表示部13の進捗表示領域17には、表示制御部51fの制御により、既印刷領域に相当する既印刷相当領域161が不透明表示されるとともに、未印刷領域に相当する未印刷相当領域162が半透明表示される。これにより、印刷の進捗状況がユーザーにとって直感的に分かりやすく表示されるようになっている。
【0098】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0099】
例えば、第2の実施形態では、図16に示すように、表示部13の進捗表示領域17には、印刷画像160のうち既印刷相当領域161が不透明に表示され、未印刷相当領域162が半透明に表示される例を示したが、印刷中の指の爪Tに印刷する印刷画像160のうち、既印刷領域と未印刷領域とが識別可能に表示部13に表示されればよく、その手法はこれに限定されない。
【0100】
例えば、図18に示すように、表示部13の進捗表示領域17に、拡大爪画像172のエッジ内に収まるように印刷画像160を合成し、印刷画像160のうち、未印刷領域に対応する領域(未印刷相当領域162)についてそのエッジのみを残して中抜きされた画像を表示させ、既印刷領域に対応する領域(既印刷相当領域161)については中抜きされていない不透明又は半透明の画像を表示させてもよい。
このように、表示制御部51fの制御により、未印刷領域に相当する未印刷相当領域162を中抜きして未印刷相当領域162のエッジを表示部13に表示させるとともに、既印刷領域に相当する既印刷相当領域161を中抜きせずに既印刷相当領域161を表示部13に表示させた場合にも、現に印刷中の爪Tについてどこまで印刷が進んでいるかの進捗状況が、表示部13を見るだけで容易に分かるため、ユーザーが印刷動作の終了を快適に待つことができる。
【0101】
また、例えば、図19に示すように、表示部13の進捗表示領域17に、拡大爪画像172のエッジ内に収まるように印刷画像160を合成し、印刷画像160のうち、既印刷領域に対応する領域(既印刷相当領域161)についてのみ不透明又は半透明の画像を表示させ、未印刷領域に対応する領域(未印刷相当領域162)については表示させないようにしてもよい。
このように、表示制御部51fの制御により、既印刷領域に相当する既印刷相当領域161のみを表示部13に表示させ、未印刷領域に相当する未印刷相当領域162を表示部13に表示させないとした場合にも、現に印刷中の爪Tについてどこまで印刷が進んでいるかの進捗状況が、表示部13を見るだけで容易に分かるため、ユーザーが印刷動作の終了を快適に待つことができる。
また、図示を省略するが、未印刷相当領域162が点滅表示され、既印刷相当領域161が常時表示されてもよい。この場合にも現に印刷中の爪Tについてどこまで印刷が進んでいるかの進捗状況が、表示部13を見るだけで容易に分かるため、ユーザーが印刷動作の終了を快適に待つことができる。
【0102】
また、第2の実施形態では、図15に示すように、印刷開始前においても全指表示領域15と進捗表示領域17とが表示部13の表示画面上に区分されて確保されている場合を例示したが、全指表示領域15と進捗表示領域17との区分はこれに限定されない。
例えば、印刷開始前においては、図20に示すように、表示部13の表示画面上に広く全指表示領域15のみが表示され、進捗表示領域17は、印刷開始後に全指表示領域15の全部又は一部が縮小されることにより表示部13上に確保されるようにしてもよい。
具体的には、例えば図21に示す例のように、全指表示領域15の中の一部である全印刷指U1の指画像131が表示されている部分が縮小され、これによって全指表示領域15の中の空いたスペースに進捗表示領域17が確保される。また、図示は省略するが、印刷開始後に全指表示領域15の全体が縮小されて、表示部13の表示画面内の空いたスペースに進捗表示領域17が確保されるようにしてもよい。
このように、印刷開始後に全指表示領域15の全部又は一部が縮小されることにより表示部13上に確保されるようにした場合には、印刷開始前には全指表示領域15が広く確保されているため、ユーザーは、印刷指U1の挿入状況等を表示部13上で確認しやすくなっている。
【0103】
また、第2の実施形態では、表示部13に全指表示領域15及び進捗表示領域17が設けられている場合を例示したが、表示部13の表示画面の構成はこれに限定されない。
例えば、図22に示す例のように、表示部13を全指表示領域15及び進捗表示領域17を設けず、単に、表示部13内に印刷を実施する複数の印刷指U1の爪Tすべてを表示させるとともに、このうち印刷中の印刷指U1の爪Tを印刷中でない印刷指U1の爪Tよりも大きく表示させてもよい。この場合、印刷中の印刷指U1の爪Tに印刷する印刷画像160のうち、既印刷領域に相当する既印刷相当領域161と未印刷領域に相当する未印刷相当領域162とが拡大表示された拡大爪画像172を含む拡大指画像171の上に識別可能に表示される。
または、図23に示すように、印刷中の印刷指U1の爪Tに印刷する印刷画像160のみ、虫眼鏡で見るように円形の拡大画像としても良い。この場合にも、現在どの印刷指U1についてどこまで印刷が進んでいるのかが分かりやすく表示部13に表示されるため、ユーザーが印刷動作の終了を快適に待つことができる。
【0104】
また、上記実施形態では、印刷中の爪Tの指か、印刷中でない爪Tの指かを識別可能に表示部13に表示させる手法として、指画像131に含まれる爪画像132のエッジ内に印刷画像160を合成して、印刷中の爪Tにはこの印刷画像160全体を不透明表示させ、未印刷の爪Tには印刷画像160全体を半透明表示させ、印刷中の爪Tには印刷済みの領域に相当する既印刷相当領域を不透明、未印刷の領域に相当する未印刷相当領域を半透明で表示させる他、「印刷中」等の語136〜138を表示させる場合を例としたが、印刷中の爪Tの指か印刷中でない爪Tの指かを識別表示する表示態様はこれに限定されない。
例えば、図21、図22に示すように、印刷中の爪Tには実線の二重丸、印刷済みの爪には実線の丸印、未印刷の爪Tには破線の丸印というように、指画像131の爪画像132に所定のマーク133〜135を付することで印刷中か否かを区別してもよい。
また、第1の実施形態で示したように、印刷中の爪Tの上に矢印等を表示させたり、印刷中の爪Tの指画像131全体や爪画像132部分を点滅表示させたり、半透明表示させる等の手法によって印刷中か否かを区別してもよい。
また、図21に示すように、爪画像132のエッジ内に印刷画像160を合成した画像、マーク133〜135の表示、「印刷中」等の語136〜138の表示等を全て行ってもよいし、これら各種の表示手法のうちのいずれか1つ若しくはその全部又は一部の組み合せによって印刷中か否かを区別してもよい。また、印刷画像160やマーク133〜135、語136〜138等の表示を行わず、単に印刷中の爪Tの指を、印刷中でない爪Tの指よりも大きく表示させることのみによって両者を識別可能としてもよい。
【0105】
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態において例示した、印刷中の爪Tの指か、印刷中でない爪Tの指かを識別可能に表示部13に表示させる各種の手法と、現に印刷中の爪Tについて既印刷領域と未印刷領域とを識別可能に表示させる各種の手法とは、任意に組み合せることが可能である。
【0106】
また、図24に示すように、表示制御部51fは、表示部13の進捗表示領域17内に、当該進捗表示領域17内に表示されている爪Tについて「印刷中」である旨を示す印刷ステータス表示領域175を配置して、「印刷中」である旨が印刷ステータス表示領域175内に表示されるようにしてもよい。
このような表示を行う場合には、表示部13の進捗表示領域17内に表示されている爪Tについて現に印刷中であることが明確となり、ユーザーにとってより分かりやすい。
【0107】
さらに、図24に示すように、表示制御部51fは、表示部13内に残存時間表示領域176を設けて、印刷制御部51eの制御によって進行されている印刷が終了するまでの残存時間を、数値で残存時間表示領域176の内側に併せて表示させるようにしてもよい。なお、図24では、残存時間表示領域176が表示部13の進捗表示領域17内に設けられている例を示しているが、残存時間表示領域176が設けられる位置、大きさ等は図示例に限定されない。
この場合には、中央制御部51は、さらに印刷制御部51eの制御によって進行されている印刷が終了するまでの残存時間を計算する残存時間計算部としても機能する。
すなわち、この場合、中央制御部51は、印刷画像データから当該爪Tに印刷画像を印刷する為に必要な印刷時間を計算する。ここで印刷時間とは、印刷部40によって印刷指U1の爪Tへの印刷が開始された時からその印刷が終了する時までの時間である。
残存時間計算部として機能する中央制御部51により算出された印刷時間は、印刷開始時に指画像131(または、拡大指画像171)とともに表示部13に表示される。
また、印刷の進行中は、残存時間計算部としての中央制御部51が印刷開始時からの経過時間を計算するとともに、印刷開始前に算出した印刷時間から経過時間を減じることで得られた差(これを「印刷残存時間」という。)を算出する。
そして、印刷の進行中は、中央制御部51により算出された印刷残存時間が、指画像131(または、拡大指画像171)とともに表示部13に表示される。なお、印刷残存時間は数値で表示される。
【0108】
図25は、印刷残存時間の表示を行う場合におけるプログラム53に従った中央制御部51の処理の流れを説明するとともに、中央制御部51の処理に基づくネイルプリント装置の動作について説明したフローチャートである。
図25に示すように、印刷残存時間の表示を行う場合には、印刷制御処理(ステップS82)が開始されてから、進捗状況検出部51hによる印刷の進捗状況の検出が行われ(ステップS83)、さらに残存時間計算部としての中央制御部51が印刷開始時からの経過時間を計算するとともに、印刷開始前に算出した印刷時間から経過時間を減じることで印刷残存時間を算出する(ステップS84)。そして、表示部13の進捗表示領域17に既印刷領域と未印刷領域とが識別表示されるとともに、残存時間表示領域176に印刷残存時間が表示される(ステップS85)。なお、図25におけるステップS71〜ステップS83、及びステップS86〜ステップS89は、それぞれ、図17におけるステップS51〜ステップS63、及びステップS65〜ステップS68と同様であることから、その説明を省略する。
このように、印刷残存時間を表示する残存時間表示領域176を設けて印刷残存時間を表示部13に表示させた場合には、ユーザーが印刷終了までの時間をより正確に把握することができ、ユーザーが印刷動作の終了を快適に待つことができる。
【0109】
なお、表示部13に表示する指の爪の表示サイズは、対応する指の爪の実寸サイズより大きくても同じでも小さくても良い。ただし、この場合にも、表示部13に表示される印刷中の指の爪Tの、実寸サイズに対する表示サイズの比率は、印刷中でない指の爪Tの、実寸サイズに対する表示サイズの比率より、高くする。
【0110】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
複数の指の爪に順次印刷する印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指か、印刷中でない爪の指かを識別可能に表示を行う表示部と、
を備えることを特徴とするネイルプリント装置。
<請求項2>
前記表示部は、
印刷を実施する前記複数の指の爪をすべて表示するとともに、前記爪に印刷される印刷画像を表示するものであり、
前記印刷ヘッドによって印刷中の指の爪の、前記印刷中の指の爪の実寸サイズに対する前記表示部に表示される前記印刷中の指の爪の表示サイズの比率を、印刷中でない指の爪の、前記印刷中でない指の爪の実寸サイズに対する前記表示部に表示される前記印刷中でない指の爪の表示サイズの比率より高くして表示することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項3>
印刷の進捗状況を検出して、印刷を実施する前記複数の指の爪のうち前記印刷ヘッドによって印刷中の指の爪か印刷中でない指の爪かを識別するとともに、爪に印刷される印刷画像のうち既印刷領域と未印刷領域とを識別する進捗状況検出部と、
前記進捗状況検出部による検出結果に応じて前記表示部の表示を制御する表示制御部と、
を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント装置。
<請求項4>
前記表示部は、
印刷を実施する前記複数の指の爪すべてを表示する全指表示領域と、
前記複数の指の爪のうち前記印刷中の指の爪を拡大表示して、印刷する印刷画像のうちの既印刷領域と未印刷領域とを識別可能に表示する進捗表示領域と、
を備えていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のネイルプリント装置。
<請求項5>
前記進捗表示領域は、印刷開始後に前記全指表示領域の全部又は一部が縮小されることにより前記表示部上に確保されることを特徴とする請求項4に記載のネイルプリント装置。
<請求項6>
前記表示制御部は、前記既印刷領域に相当する既印刷相当領域を前記表示部に不透明表示させるとともに、前記未印刷領域に相当する未印刷相当領域を前記表示部に半透明表示させることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項7>
前記表示制御部は、前記未印刷領域に相当する未印刷相当領域を中抜きして前記未印刷相当領域のエッジを前記表示部に表示させるとともに、前記既印刷領域に相当する既印刷相当領域を中抜きせずに前記既印刷相当領域を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項8>
前記表示制御部は、前記既印刷領域に相当する既印刷相当領域のみを前記表示部に表示させ、前記未印刷領域に相当する未印刷相当領域を前記表示部に表示させないことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項9>
前記表示制御部は、前記既印刷領域に相当する既印刷相当領域を前記表示部に常時表示させるとともに、前記未印刷領域に相当する未印刷相当領域を前記表示部に点滅表示させることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項10>
前記印刷ヘッドによって進行されている印刷が終了するまでの残存時間を計算する残存時間計算部を更に備え、
前記表示制御部は、前記残存時間計算部によって計算された残存時間とともに、前記既印刷領域相当領域と前記未印刷領域相当領域を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項11>
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像にマークを付して前記表示部に表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項12>
前記表示制御部は、
更に、前記表示部に表示させるマークと異なる表示態様のマークを印刷中でない爪の指に対応する指画像に付して前記表示部に表示させることを特徴とする請求項11に記載のネイルプリント装置。
<請求項13>
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像に語を付して前記表示部に表示させるとともに、その語と異なる内容の語を印刷中でない爪の指に対応する指画像に付して前記表示部に表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項14>
前記複数の指画像のうち、前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像のみに語を付して前記表示部に表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項15>
前記複数の指画像のうち、前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像のみに矢印を付して前記表示部に表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項16>
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像を前記表示部に点滅表示させるとともに、印刷中でない爪の指に対応する指画像を前記表示部に常時表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項17>
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像を前記表示部に常時表示させるとともに、印刷中でない爪の指に対応する指画像を前記表示部に点滅表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項18>
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像を前記表示部に半透明表示させるか、または印刷中でない爪の指に対応する指画像を前記表示部に半透明表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項19>
印刷中でない爪の指に対応する指画像のうち、印刷済みの爪の指に対応する指画像と、未印刷の爪の指に対応する指画像とを識別して、これらの指画像を前記表示部に表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
【符号の説明】
【0111】
1 ネイルプリント装置
13 表示部
15 全指表示領域
17 進捗表示領域
40 印刷部
51 中央制御部
51e 印刷制御部
51f 表示制御部
51k 進捗状況検出部
160 印刷画像
161 既印刷相当領域
162 未印刷相当領域
171 拡大指画像
172 拡大爪画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の指の爪に順次印刷する印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指か、印刷中でない爪の指かを識別可能に表示を行う表示部と、
を備えることを特徴とするネイルプリント装置。
【請求項2】
前記表示部は、
印刷を実施する前記複数の指の爪をすべて表示するとともに、前記爪に印刷される印刷画像を表示するものであり、
前記印刷ヘッドによって印刷中の指の爪の、前記印刷中の指の爪の実寸サイズに対する前記表示部に表示される前記印刷中の指の爪の表示サイズの比率を、印刷中でない指の爪の、前記印刷中でない指の爪の実寸サイズに対する前記表示部に表示される前記印刷中でない指の爪の表示サイズの比率より高くして表示することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
【請求項3】
印刷の進捗状況を検出して、印刷を実施する前記複数の指の爪のうち前記印刷ヘッドによって印刷中の指の爪か印刷中でない指の爪かを識別するとともに、爪に印刷される印刷画像のうち既印刷領域と未印刷領域とを識別する進捗状況検出部と、
前記進捗状況検出部による検出結果に応じて前記表示部の表示を制御する表示制御部と、
を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント装置。
【請求項4】
前記表示部は、
印刷を実施する前記複数の指の爪すべてを表示する全指表示領域と、
前記複数の指の爪のうち前記印刷中の指の爪を拡大表示して、印刷する印刷画像のうちの既印刷領域と未印刷領域とを識別可能に表示する進捗表示領域と、
を備えていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のネイルプリント装置。
【請求項5】
前記進捗表示領域は、印刷開始後に前記全指表示領域の全部又は一部が縮小されることにより前記表示部上に確保されることを特徴とする請求項4に記載のネイルプリント装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記既印刷領域に相当する既印刷相当領域を前記表示部に不透明表示させるとともに、前記未印刷領域に相当する未印刷相当領域を前記表示部に半透明表示させることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記未印刷領域に相当する未印刷相当領域を中抜きして前記未印刷相当領域のエッジを前記表示部に表示させるとともに、前記既印刷領域に相当する既印刷相当領域を中抜きせずに前記既印刷相当領域を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記既印刷領域に相当する既印刷相当領域のみを前記表示部に表示させ、前記未印刷領域に相当する未印刷相当領域を前記表示部に表示させないことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記既印刷領域に相当する既印刷相当領域を前記表示部に常時表示させるとともに、前記未印刷領域に相当する未印刷相当領域を前記表示部に点滅表示させることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
【請求項10】
前記印刷ヘッドによって進行されている印刷が終了するまでの残存時間を計算する残存時間計算部を更に備え、
前記表示制御部は、前記残存時間計算部によって計算された残存時間とともに、前記既印刷領域相当領域と前記未印刷領域相当領域を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
【請求項11】
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像にマークを付して前記表示部に表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、
更に、前記表示部に表示させるマークと異なる表示態様のマークを印刷中でない爪の指に対応する指画像に付して前記表示部に表示させることを特徴とする請求項11に記載のネイルプリント装置。
【請求項13】
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像に語を付して前記表示部に表示させるとともに、その語と異なる内容の語を印刷中でない爪の指に対応する指画像に付して前記表示部に表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
【請求項14】
前記複数の指画像のうち、前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像のみに語を付して前記表示部に表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
【請求項15】
前記複数の指画像のうち、前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像のみに矢印を付して前記表示部に表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
【請求項16】
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像を前記表示部に点滅表示させるとともに、印刷中でない爪の指に対応する指画像を前記表示部に常時表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
【請求項17】
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像を前記表示部に常時表示させるとともに、印刷中でない爪の指に対応する指画像を前記表示部に点滅表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
【請求項18】
前記印刷ヘッドによって印刷中の爪の指に対応する指画像を前記表示部に半透明表示させるか、または印刷中でない爪の指に対応する指画像を前記表示部に半透明表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
【請求項19】
印刷中でない爪の指に対応する指画像のうち、印刷済みの爪の指に対応する指画像と、未印刷の爪の指に対応する指画像とを識別して、これらの指画像を前記表示部に表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−81755(P2013−81755A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−150047(P2012−150047)
【出願日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)