説明

ネットワークによる遊泳場における遊泳者の救助システム及び救助方法並びにプログラム

【課題】本発明の第1の課題は、遊泳場において遊泳者が水に溺れた場合、秒単位での救助が要求され、尊い人命を失うという事態を招いている。また、人命救助員が一刻も早く溺水者を救助しようとして現場に接近しよう試みても荒波など気象条件厳しくおもうように現場に到達できないなどの問題があり、迅速に救助できない課題がある。
本発明の第2の課題は、遊泳者の酸素飽和度値を示した場合に、遊泳者を安全に、かつ一刻も早く救助することである。
【解決手段】遊泳場における各遊泳者の識別コード及び各遊泳者の遊泳中の状況を管理するネットワークのサーバー1と、GPS衛星20との位置情報を検出する機能を備える遊泳場に所定間隔で配設するブイ群30と、サーバー1には各遊泳者の識別コードを登録し、また各遊泳者には受発信装置10ととともに空気注入可能なウエア11を装着する遊泳場における遊泳者の救助システム及び救助方法である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、海水浴場又はプール等の遊泳場のデータ管理及びそれら各種遊泳場における遊泳者の水難を迅速に救助するシステム及び救助する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【0003】
たとえば特許文献1は、救命胴衣の着用者が水没時直ちに自動ガス充気装置が作動し、膨脹させるものであり、緊急事態時に救命胴衣の浮力体を自動的に膨脹するものである。
【0004】
特許文献2は、GPS受信機によって演算された遭難者の絶対位置は、緊急の場合に無線送信機を介して救助システム処理装置に対して送信し、遭難者の位置を受信した処理装置は、直ちに周辺に位置し、予め登録されている救助艇のうちから最も遭難者に近い救助艇を自動的に選択し、遭難者までの方位・距離を情報として自動送信し、発進指令が出されるものである。
【0005】
特許文献3は、動脈血の酸素飽和度SpO2を無侵襲且つ連続的に測定するためにいわゆるオキシメーターが使用され、オキシメーターは動脈血の脈動により生ずる組織透過光の脈動を利用するもので、血液の脈動分の減光度を2つの波長の光で測定し、その比を求めて酸素飽和度に換算するものであり、発光素子と受光素子を手の指にはまる指輪状のリング内側の円周上に配置し、同円周の対極側に電池及び計測回路を配置するものである。
【0006】
【特許文献1】特開2004−168157公報
【特許文献2】特開平9−304506公報
【特許文献3】特開2002−224088公報
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明に係る第1の課題は、遊泳場において遊泳者が水に溺れた場合、秒単位での救助が要求され、尊い人命を失うという事態を招いている。また、人命救助員が一刻も早く溺水者を救助しようとして現場に接近しよう試みても荒波など気象条件厳しくおもうように現場に到達できないなどの問題があり、迅速に救助できない課題がある。
本発明に係る第2の課題は、遊泳者の酸素飽和度値がサーバーにより異常と判断された場合に、遊泳者を安全に、かつ一刻も早く救助することである。本発明が、このような遊泳者の溺水等の水難事故の救助において酸素飽和度を着目した経緯は、酸素の欠乏による人体への影響、特に脳への酸素の欠乏が溺水救助に際しての大きな課題であることに基づくものである。動脈血酸素飽和度(SpO2)は、ひとの血液にどの程度、酸素が含まれているかを測定し、「S」はSaturation(飽和)、「p」はPulse(脈)、「02」は酸素を示すものである。この計測の原理は、動脈血液中の酸素を運んでいるのはヘモグロビンであり、酸素と結合していないヘモグロビンは赤い色を吸収するが、酸化されたヘモグロビンは赤色をあまり吸収しない特徴と、動脈血は赤く、静脈血は暗赤色であり、静脈血や組織の吸光度は一定であり、動脈血の吸光度は脈拍に同期して常に変化する特徴に着目し、この変化状態を検出し動脈血の酸素飽和度及び脈拍を計測するものであり、既知の原理である。
【0008】
特許文献1では、救命胴衣の着用者が水没時直ちに自動ガス充気装置が作動し、膨脹してしまうため、遊泳中に発生した緊急事態時に救命胴衣自動的に浮力体を膨張する手段を提供していないため、本発明に係る課題の解決に至らない。
【0009】
特許文献2では、GPS受信機によって演算された遭難者の絶対位置は、緊急の場合に無線送信機を介して遭難者の位置を確認できる構成であるが、予め登録されている救助艇のうちから最も遭難者に近い救助艇を自動的に選択し、遭難者までの方位・距離を情報として自動送信し、発進指令を出すという構成であり、本発明とは課題を達成する手段が異なる。
【0010】
特許文献3では、形状を発光素子と受光素子を手の指にはまる指輪状のリング内側の円周上に配置し、同円周の対極側に電池及び計測回路を配置する構成であり、本発明とは外観及び構成が相違する。
【発明の目的】
【0011】
そこで、本発明は、海水浴場又はプール等の遊泳場における遊泳者の遊泳中における酸素飽和度を測定しその結果をリアルタイムに通信回線を介してネットワークのサーバーへ送信し、該サーバーでは予め設定した値と送信されたデータとを比較演算し、遊泳者の酸素飽和度値が予め設定した値を超えた場合は異常と判断した場合は、遊泳者を安全に一刻も早い救助することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下、本発明の課題を解決する手段を概説する。各遊泳者は、ユーザ名、心拍数、酸素飽和値、身長、体重、遊泳開始時間、遊泳終了予定時間、年齢、識別コード等を遊泳場に設置するパーソナルコンピュータ等からなる端末装置(以下端末装置という)を介してネットワークのサーバーへ登録する。サーバーへの登録は、端末装置の他にインターネット又は携帯電話(PHSを含む)などの外部の通信回線を介して行うことも可能である。そして、各遊泳者には、遊泳場より遊泳開始前に遊泳用装備一式を貸与するとともに、特に初心者は遊泳装備の装着方法及び器具の使用方法を係員又は端末装置を介して説明を受ける。各遊泳者は、受発信装置を携帯し、遊泳用ウエアを装着して遊泳を開始する。サーバーは、通信回線を介して各遊泳者が携帯する受発信装置及び遊泳場に配置した複数のブイ群から各遊泳者の心拍数、酸素飽和度、深度等の情報を受信し、各遊泳者の異常の有無を監視する。サーバーが遊泳者に異常があると判断した場合は、異常信号を、通信回線により複数のブイを介し、又は遊泳者が携帯する受発信装置に向けて発信する。異常信号受信により、受発信装置は超音波を発信する。そして、各遊泳者は装着したウエアは、受発信装置から発信する超音波の受信により各ウエアに配設した空気ボンベ栓が開口し、ウエア内部に空気が瞬時に充填する。本発明によるサーバーの異常の発見及び異常信号の発信によって、遊泳者を水面に浮上させることから、従来よりも迅速に溺水などの水難者を救助するシステム及び救助方法を提供できる。
【0013】
請求項1は、遊泳場における各遊泳者の識別コード及び各遊泳者の遊泳中の状況を監視するサーバーと、該サーバーとのデータ送信可能な遊泳場に適宜配設する複数のブイと、前記サーバーに識別コードを登録した各遊泳者が携帯する受発信装置及び各遊泳者が着用するウエアからなるネットワークによる遊泳場における遊泳者の救助システムであって、サーバーには、各遊泳者の識別コード及び各遊泳者の個人データを記録保存する機能と、外部との通信機能と、該通信機能により受信した信号をデータに変換し入力する機能と、該入力機能を介して入力されたデータ及び判断テーブルを記録保存する機能と、前記入力機能により入力された各遊泳者のデータと判断テーブルのデータとを比較演算し判断する機能とを備え、遊泳場に適宜配設する複数のブイにはGPS衛星からの信号受信機能とブイ識別コード機能と超音波発信機能とGPS機能とを備え、各遊泳者が携帯する受発信装置には、受発信装置の識別コードと、GPS信号受信機能と、酸素飽和度測定機能と、心拍数測定機能と、前記サーバーとの受発信機能と、GPS機能と、超音波発信機能とを備え、各遊泳者が着用するウエアには、該ウエアの識別コードと、ウエアが空気の注入により膨張する機能と、ウエアへの空気注入が前記受発信装置からの超音波により栓が開口する機能とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項2は、請求項1のサーバーにおけるデータ保存機能には各遊泳者の識別コードとともに各遊泳者の遊泳中及び遊泳開始前の酸素飽和度データを保存することを特徴とする。
【0015】
請求項3は、請求項1のサーバーは、異常と判断したデータを他のデータとは異なる特徴的表示により該サーバーの表示装置及びネットワーク接続の端末装置の表示装置に表示をすることを特徴とする。
【0016】
請求項4は、請求項1の各遊泳者が携帯する受発信装置における、酸素飽和度測定機能を酸素飽和度センサーとし、心拍数測定機能を心拍測定センサーとしたことを特徴とする。
【0017】
請求項5は、請求項1の各遊泳者が携帯する受発信装置における超音波の発信は、サーバーからの異常信号の受信により発信し又はサーバーからの異常信号を受信するブイからの超音波により発信することを特徴とする。
【0018】
請求項6は、請求項1の各遊泳者が携帯する受発信装置における超音波の発信は、該発信装置が備えるスイッチにより発信することを特徴とする。
【0020】
請求項7は、請求項1の各遊泳者が携帯する受発信装置は防水加工した外観を腕時計の形状としたことを特徴する。
【0021】
請求項8は、請求項1のウエアは、超音波受信装置と空気ボンベと空気ボンベ栓とを備え、空気ボンベの栓の開口により該空気ボンベ内の空気がウエアの内部へ充填しウエアが膨張することを特徴とする。
【0022】
請求項9は、請求項1のウエアは、超音波の受信により空気ボンベの栓を開口し、ウエア内部に空気を充填することを特徴とする。
【0023】
請求項10は、請求項1におけるサーバーは空気ホンベの栓が開口するのを確認できるまで該栓が開口されていないとみなして処理を繰り返すことを特徴する遊泳場における遊泳者の救助システム。
【0024】
請求項11は、通信信号を受信するステップと、受信データを読み出すステップと、受信データの各識別コードと遊泳者の識別コードとを照合するステップと、遊泳場における遊泳中の各遊泳者から送信されるデータと判断テーブルのデータ群の値とを比較演算するステップと、遊泳者から送信されたデータの値が判断テーブルのデータ群の値と同一又は超えたデータを異常と判断するステップと、該判断ステップにおける異常と判断した識別コードの遊泳者に対して異常を発信するステップとからなることを特徴とする。
【0025】
請求項12は、通信信号を受信するステップと、受信データを読み出すステップと、受信データの各識別コードと遊泳者の識別コードとを照合するステップと、遊泳開始前に各遊泳者の識別コードとともにサーバーの記録保存機能に保存した酸素飽和値及び心拍数の値と、各遊泳者から送信された酸素飽和値及び心拍数の値と判断テーブルのデータ群とを比較演算するステップと、判断テーブルのデータ群のいずれかの値と同一又は超えている場合に異常と判断するステップとからなることを特徴とする。
【0026】
請求項13は、通信信号を受信するステップと、受信データを読み出すステップと、受信データの各識別コードと遊泳者の識別コードとを照合するステップと、遊泳開始前に各遊泳者の識別コードとともにサーバーの記録保存機能に保存した酸素飽和値及び心拍数の値と、各遊泳者から送信された酸素飽和値及び心拍数の値とを比較演算するステップと、各遊泳者から送信される酸素飽和値及び心拍数の値が前記遊泳開始前に予めサーバーに登録保存した酸素飽和値及び心拍数の値と同一又は超えている場合を異常と判断するステップとからなることを特徴とする。
【0027】
請求項14は、遊泳場における遊泳者救助システムに係るネットワークサーバーを、通信信号を受信する手段と、受信データを読み出す手段と、受信データの各識別コードと遊泳者の識別コードとを照合する手段と、遊泳開始前に各遊泳者の識別コードとともにサーバーの記録保存機能に保存した酸素飽和値及び心拍数の値と、各遊泳者から送信された酸素飽和値及び心拍数の値とを比較演算する手段と、各遊泳者から送信される酸素飽和値及び心拍数の値が判定用データにおける酸素飽和値及び心拍数の値と同一又は超えている場合を異常と判断する手段と、異常信号を発信する手段と、返答を確認する手段と、返答の確認があるまで異常信号の発信を繰り返す手段として機能させるためのプログラムである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の説明において、同一機能及び内容のものについては同一の符号を用いて説明する。
【0029】
図1は本発明に係る遊泳場における遊泳者の救助システムの全体的な構成の実施例を示している。図1において、1はネットワークのサーバー、1Aは通信回線、10は受発信装置群(腕時計と同じ)、30はブイ群、20はGPS衛星、2はCPU(中央処理装置)、3はROM、4はメインメモリ、5は記憶装置、7は表示装置、8は入力装置、9は端末装置群である。遊泳者は遊泳場の入場口に設置した端末装置群9の表示画面(モニタ)に表示された質問形式の事項に逐次回答する形式で入力する。入力方法は、キーホード、マウス又は表示画面タッチパネル等による韓国語、英語、中国語などに対応できるため、言語を選択し、利用者の指定した言語で入力できるようになっている。サーバー1への接続はイントラネット、インターネット、エキストラネットなどの通信ネットワーク回線(図示しない)が構築され、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)、PDA(携帯端末、モバイルコンピュータ)にも接続できるようになっている。携帯電話やPDAからの入力・アクセスにより、入場の際の混雑状況を知ることができるとともに、現場での手続きの一部を回避できる。入場に際してサーバー1とネットワークで接続されている端末装置群9(デスクトップPC又はノートブックPCを含むパーソナルコンピュータ)から入力された各遊泳者の個人データは、識別コード(ID)を含み個人データとしてサーバー1の記録装置5に記録保存される。また、入場の際に各遊泳者は、酸素飽和度、心拍数、身長、体重を測定し、それらも個人データとして記憶装置5へ記録保存される。個人データの入力終了後、各遊泳者には遊泳場より受発信装置10とウエア11が支給される。そして受発信装置10の操作方法とウエア11の着用方法さらにはそれらの使用方法について指導を受ける。入場口周辺に設置したビデオモニタ又は前記端末装置9の表示装置によっても説明を受けることができる。それらの説明には、遊泳場の利用方法、遊泳に際してのマナーなどの注意事項も含まれる。
【0030】
次に、サーバー1は、携帯電話やPHS等と通信回線1Aを介して各遊泳者に支給した受発信装置10に接続できるとともに、遊泳場の所定箇所に配置したGPS衛星(全地球測位システム)20との電波受信により位置が確認されている複数のブイ群30にも接続できることになっている。すなわち、受発信装置10及びブイ群30は、それぞれ変調及び復調モデム(図示しない)を内蔵し、携帯電話又はPHSによる通常の電話回線を介して、本発明に係るサーバー1とのデータを送受信する。また、受発信装置10及びブイには、それらを動作する電源ユニット(図示しない)を内蔵している。
【0031】
各遊泳者は、防水加工が施されたダイバータイプの腕時計10を携帯し、該腕時計10の表示部10aには、通常の時刻と酸素飽和度、心拍数、深度が表示される。モード切り替えスイッチに10eより表示部10aへの表示切り替えができるが、所定の時間間隔で自動的に表示モードが切り替えることもできる。酸素飽和度は、心拍数、深度の計測値とともに、逐次更新して表示部10aに表示される。例えば酸素飽和度が計測値100%の値が、次に計測した結果、96%に変更した場合は、その変更した値が逐次更新されて表示部に表示される。一方、深度の測定値の場合も0.3メートルが1.5メートルに変更した場合は変更した深度値に更新されて表示部10aに表示される。
この場合、酸素飽和度と他のモードが同時に変更した場合は、点滅的に同時に変更したモードが表示し、遊泳者は、適宜、遊泳状況を目視できることになっている。これら計測結果は、データとしてサーバー1へ逐次送信され、サーバー1ではデータを記憶装置5へ逐次記録保存する。
【0032】
サーバー1には、遊泳者が携帯する受発信装置10から送信されるデータと該受発信装置10からブイ30に信号が送信され、該ブイ30から通信回線1Aを介して送信される。サーバー1は、受信したデータが遊泳者の携帯する受発信装置10からの信号であるか又はブイ30から送信されたデータであるかの識別を予めサーバー1に登録された受発信装置10の識別コード及び同様に登録されブイ30の識別コードにより行う。受発信装置10とブイ30との信号のやりとりは水中のため超音波により行う。ブイ30とサーバー1との信号は携帯電話、PHS等の電話回線を介しても行うことができる。
【0033】
以下、本発明の実施形態の各構成の実施例について説明する。
図2は各遊泳者が携帯する受発信装置10の構成を示す実施例図である。図2において10aは表示部、10bは酸素飽和度センサー、10cは心拍数センサー、10dは深度センサー、10eは超音波発信装置、10fはGPS装置、10gは時刻計時装置、10hはスイッチである。発信装置本体10における各計測データは、通信回線1Aを介してサーバー1へ逐次送信される。
【0034】
受発信装置本体10が外観腕時計の形状の実施例の場合は、酸素飽和度センサー10bは、手首の内側の動脈に密着させて計測する。酸素飽和度の計測に際して心拍数も同時に計測できる場合は、心拍センサー10cを別途備える必要はないが、酸素飽和度センサー10bとは別に備えることも可能である。
【0035】
超音波発信装置10eへは、サーバー1から直接に送信される信号と、サーバー1からブイ30を介して送信される信号の2つのルートから信号が送信される。超音波発信装置10eは、異常信号が2つのルートのうち最初に到着した異常判断による信号により駆動する。また、遊泳者のスイッチ操作によっても駆動する。これら駆動によって超音波を発信する。サーバー1の異常信号は、信号の周波数を変えて発信することも可能である。遊泳者が水中に潜った場合のデータは、超音波発信機10eから発信する超音波によりデータがブイ30へ送信され、ブイ30を介してサーバー1へ送信される。
【0036】
時刻計時装置10gは通常の時計機能であり、時刻も超音波発信機10eから発信する超音波により読み取られる。サーバー1へは、時刻データと、酸素飽和度データ、心拍数データが逐次送信される。
【0037】
スイッチ10hは、超音波発信装置10eを駆動させる。誤操作を防ぐために、一定時間、例えば2秒以上スイッチを押しつづけた場合にのみ超音波発信装置駆動するように設定してある。
【0038】
図3Aは、遊泳場の所定位置に配置したブイ30の構成の実施例を示すブロック図である。各ブイ30は、識別コードを取得し、GPS衛星からのGPS電波の受信による位置確認を行い、通信回線を介して、各ブイ30の識別コードとともに位置がサーバーに確認される。また、ブイ30は、遊泳者が携帯する受発信装置10の超音波発信機10eが発信する超音波を受信する。超音波によって遊泳者が携帯した受発信装置10の識別コードと、受発信装置に内蔵する酸素飽和度センサー10b、心拍センサー10c、及び深度センサー10dによって測定された値が読み取られる。これら信号はブイ30の識別コードとともにサーバー1へ送信される。図3Bは、ブイ30の超音波が届く領域と他のブイ30の超音波が届く領域が重複(オーバーラップ)している状態を示す図である。各遊泳者の受発信装置10が受発信する超音波と各ブイ30が受発信する超音波が届く領域(ゾーン)には限界がある。したがって、サーバー1には、あるブイ30の超音波が届く領域と他のブイ30の超音波が届く領域が重複(オーバーラップ)している場合は、それらオーバーラップした領域に該当する遊泳者の信号は、オーバーラップした各ブイ30からそれぞれ送信される。また、他方、サーバー1へは遊泳者が水中に潜っていない場合は、受発信装置10からも信号が送信される。このような場合は、サ−バー1は、それらをデータとして逐次受信し、データとして記憶装置5へ保存記録する。
【0039】
図4は遊泳場から受発信装置10とともに貸与されるウエア11の構成の実施例を示すブロック図である。ウエア11は、サーバー1にその識別コードを登録し、受発信装置10の識別コードに対応してサーバー1に記録保存されている。ウエア11は、超音波受信装置11aと空気ボンベ栓11bと空気ボンベ11cから構成されている。
空気ボンベ内の空気がウエア11の内部に充填されることによりウエア11は膨張する。ウエア11内への空気の充填は、遊泳者が空気ボンベ栓11bを紐11dで引っ張ることにより行うことも、また、受発信装置から発信される超音波の受信によっても空気ボンベの栓11bを自動的に開栓することができるようになっている。ウエア11内部に空気が充填し膨張するとウエア11は浮袋となって、遊泳者を水面へ素早く浮上させるこができる。また、遊泳者のウエア11は、身長、体重により膨張容積を演算し、確実に水面へ浮上できる量の空気を充填されている。また、安全上、浮力7.5キログラム以上(体重40キログラム未満の小児用は浮力5キログラム以上、体重15キログラム未満の小児用は浮力4.0キログラム以上。)と規定する「小型船舶安全規則第53条」を基準として空気量を充填する。本発明の浮力は、8.0キログラムから10キログラムを目安とする。なお、遊泳の初心者等はスイッチ操作によって超音波を発信させ空気ボンベの栓11bを開栓することも、ウエア11のヒモ11dを引いて空気ボンベの栓11bを開栓することもできる。
【0040】
図5はサーバー1の記憶装置5に予め記録保存する判断テーブルの実施例である。テーブルは、コードと判断項目と異常値から構成されコードと異常値はそれぞれ定義つけしてデータ群を構成する。酸素飽和度は正常な値を96%以上と設定する。95%未満の場合は呼吸不全の疑いがあり、90%未満の場合は、酸素を吸入する状態にある設定した。
コード 判断項目 異常値
001 酸素飽和度 95%以下
002 心拍数 85以上
003 深度 10M超
004 終了予定時間 60分超
判断項目のうちいずれかひとつでも異常値の値と同一又は超えた場合は、サーバーは異常と判断することになっている。これらの値は、特殊訓練者のような心肺機能が発達した者に基づくものではなく、より安全を期するため、通常人を基準値とした。競泳選手の育成訓練の場合は、心肺機能が発達した競泳者達を対象とすることから、異常値の水準を高く設定することも可能である。テーブルの定義及び内容は対象者又は自然条件に対応して、低く設定する等変更可能である。例えば、水温、水流、風速などの自然条件により、酸素飽和度の値を95以下の値を97%以下に設定することも可能である。これに準じて他の判断項目の異常値を変更することができる。
【0041】
図6は各遊泳者の受発信装置10から直接に逐次サーバー1に送信される実施例を示すテキストデータである。サーバー1では、各遊泳者の受発信装置10から送信されるデータをテキストデータに変換するとともに、該テキストデータをさらに表計算用データに変換し、該表計算用データに変換したデータと異常値判断テーブルの値とを比較演算し、異常と判断したデータを該サーバー1の表示装置7とともにネットワーク接続の端末装置9の表示装置に他のデータとは異なる特徴的表示をする。特徴的表示例としては該当するデータ行全体又は一部を赤色にした着色表示、又は該当するデータ行を点滅表示によりし、監視員が直ちに異常値の発生を目視できるようにする。さらに、異常事態発生の合図として端末装置9での特殊音又は表示装置を点滅させることも可能である。
1 M0100005 001 0980 002 075 003 090−0140 004 01 005 20040825112510
2 W0300253 001 0960 002 080 003 086−0130 004 03 005 20040825113020
3 M0100022 001 0100 002 078 003 090−0140 004 02 005 20040825112530
4 W0300101 001 0950 002 085 003 095−0150 004 01 005 20040825113040
【0042】
この実施例の場合は、データ中「1」はシリアルの行番号、M0100005は識別コード、「001」は酸素飽和度のコード、「0980」は酸素飽和度の値、「002」は心拍数のコード「075」は心拍数、「003」は血圧のコード、「090−140」の値、「004」は深度のコード、「01」は深度(単位メートル)の値、「005」は年月日時間分秒のコード、「20040825112510」は時刻を示し、2004年8月25日11時25分10秒を示す。
【0043】
サーバー1は、図5に示す異常値判断テーブル実施例ではコードと異常値を比較演算し、識別コード「M0100005」の遊泳者は酸素飽和度の値が98%であるから、サーバーは正常すなわち異常事態なしと判断する。他方、サーバーは「W0300101」の遊泳者の酸素飽和度の値が95%で、心拍数85であり、判断テーブルのコードと値とを比較演算した結果が同じ値であった。このような同じ値の場合も、サーバー1は異常と判断する。そして異常信号を該当の識別コード「W0300101」の遊泳者へ発信し、異常を知らせる。識別コード「W0300101」遊泳者から応答がない場合は、異常信号を発信し、該当遊泳者の受発信装置10から超音波を発信させる。
【0044】
受発信装置10から超音波により逐次ブイ30を介して送信され、各ブイ30からサーバー1に送信されたデータは、図5の実施例に示す場合と同様に、各遊泳者の受発信装置10からサーバー1に送信されるデータとして処理される。すなわち、送信されたデータはテキストデータに変換し、該テキストデータをさらに表計算用データに変換する。そして、該表計算用データに変換したデータと異常値判断テーブルの値とを比較演算し、異常と判断したデータを該サーバー1の表示装置6とともにネットワーク接続の端末装置9の表示装置に異常データを点滅表示又は着色表示などの特徴的表示により表示される。
【0045】
以下は、サーバー1の構成及び本発明の実施形態の動作フローの実施例について説明する。図7において、1はサーバーであり、汎用のデスクトップ又はノートブックタイプのパーソナルコンピュータである。従ってサーバー1には、中央処理装置CPU2、ROM3、メインメモリ4、VRAM(ビデオラム)5、表示装置6、キーボード、マウスなどの入力装置7等、既知のパーソナルコンピュータの構成を備えている。また、ハードデイスクや書換え可能なDVD等記憶装置は、外部に増設することも可能である。CPU2はバスに接続し、サーバー1における各装置デバイスはCPU2によって制御される。ROM3にはシステム制御用プログラムが記録し、外部メモリ、記憶装置5(コンピュータが読み取り可能な、可搬媒体メモリ、半導体メモリ、ハードディスク等を含む)には処理用プログラム又はアプリケーションプログラム等を記録する。本発明に係るプログラムは、サーバー1が読み取り可能な記録装置5に記録するとともに、通信回線を介して種々の通信網を利用した送受信により提供できる。CPU2はROM3に記録したシステム制御用プログラムあるいは外部メモリ等に記憶された処理又はアプリケーションプログラム等に基づいて文字の出力、表計算等の処理を実行する。メインメモリ4は、CPU2のワーク用としてデータを一時的に保存しデータ処理用として機能する。このように、CPU2によってROM3、メインメモリ4、VRAM5、表示装置6、入力装置7が処理制御される。
【0046】
本発明の形態および実施例の特徴を以下に列記する。
【0047】
図8はサーバーの記憶装置5に記録する各遊泳者の個人データの実施例である。この実施例では、ユーザ情報として、各遊泳者は予めサーバーにユーザ名、酸素飽和値、心拍数、遊泳開始時間、遊泳終了予定時間、年齢、識別コード等を登録する。遊泳者は遊泳場の入場口に設置した端末装置9の表示画面に表示された質問形式の事項に逐次回答する形式で入力する。携帯電話やPDA等の電話回線からも入力できる。これら、入場に際して入力された各遊泳者の個人データは、サーバー1の記録装置5に記録保存される。保存されるデータは、識別コード、氏名、性別、年齢、住所を入力し、入場に際して測定された酸素飽和度、心拍数、身長、体重が記録として保存される。その他の個人データとして、利用回数による優待割引特典データも記録される。特典例としては3回利用者には、10%の割引特典を設定し、精算の際に合計額から10%減額の利点や別途賞品を取得できる等サービス集計できるようになっている。
【0048】
ウエアサイズは、S、M、Lサイズでボンベに充填する空気量を識別する。ボンベに充填する空気の量は性別に関係なく設定するが、ウエアは、性別年代により外観デザイン上のバリエーションを設け、遊泳者が好みのによりウエアを選べるようになっている。また、ウエアの形状は、ベスト型、首かけ型、ジャンパー型、ポーチ型などのなどさまざまなものを揃えることができる。
【0049】
図9A、サーバー1が遊泳者の信号に異常を発見した場合の動作フロー実施例である。S1は遊泳者識別コード確認処理ステップである。S2は受信した遊泳者の識別コードとサーバーに登録した遊泳者の識別コードとを照合するステップである。ここで、識別コードが合致しない場合は、サーバーは遊泳者のデータ処理を終了する。
S3は遊泳場における遊泳中の各遊泳者から送信されるデータと判断テーブルのデータ群の値とを比較演算する異常値確認処理ステップである。ここで、異常なしとの結果が出た場合は、該遊泳者のデータ処理を終了する。一方、異常値ありと判断した場合は、次のS4へ移る。
S4は遊泳者から送信されたデータの値が判断テーブルのデータ群の値と同じ又は超えたデータを異常の有無を判断するステップである。異常なしの場合は終了し、異常有りの場合は、次のステップS5及びS6の救助出動指令及び表示装置に強調表示を救助出動指令処理ステップへ移る。S5のステップは、ステップ4において酸素飽和度値、心拍数、深度、終了予定時間を比較演算した結果、データが一つでも異常値判断テーブルの値と同じ又は超える場合は異常ありと判断し、その結果をサーバー1の表示装置7及び救急センターに備える端末装置9の表示装置に異常値データを強調して表示するとともに、図示しないが、端末装置9の音声発生装置により予め端末装置の記憶装置に登録した警報音声を発信するステップである。他方、異常なしと判断した場合は処理を終了する。
S6は、ステップ4において異常と判断した識別コードの該当遊泳者に対して異常信号を発信するステップである。ステップ6は、ステップ5の救助出動指令処理と同時に処理され、遊泳者の受発信装置10へ信号を発信する。また、あわせて、この異常信号はブイ30を介して遊泳者の受発信装置10へ発信することになっている。
S7は異常信号を発信した遊泳者からの応答の有無を確認するステップである。このステップは遊泳者から応答があるまでループし、処理を繰り返す。応答なしと判断した場合は、受発信装置10に備えてある超音波の発信を指示する。他方、応答が有る場合は終了する。
S8はサーバー1から遊泳者の受発信装置10に超音波発信駆動のスイッチ10gをオンにするステップである。受発信装置10の超音波受信装置10eは、スイッチオンにより、駆動し超音波を発信する。ここでは、ステップ6の異常信号発信処理において応答がないと判断した場合の処理であり、受発信装置10に備えてある超音波発信を指示するステップである。また、ステップ6において異常信号に対して応答がない場合は、遊泳者の受発信装置10の超音波発信により空気ボンベ栓11bを開栓させることになっているが、空気ボンベ栓11bが開栓したことを確認する。空気ボンベ栓11bの開栓確認の応答がない場合は、開栓されていないとみなして応答があるまでループし処理を繰り返す。
【0050】
図9Bは、サーバー1が遊泳者の信号に異常を発見した場合に遊泳者の受発信装置20の動作フロー実施例である。
S9は、サーバー1からの異常信号発信によりウエア11に向けての超音波発信処理ステップである。この超音波発信によりウエア11に備える空気ボンベ栓11bが開くことになっている。次にS10は、受発信装置10から超音波を発信した結果、空気ボンベ栓11bが開いたことを確認するステップである。空気ボンベ栓11bが開いた場合は、ウエア11から発信される信号を受発信装置20の超音波によって確認する。S11は、ステップ10において確認した結果をサーバー11へ送信するステップである。
【0051】
図9Cは、受発信装置10の常態の動作フロー実施例である。各遊泳者の酸素飽和度、心拍数、時刻などのステータスを受発信装置10及びブイ30を介して逐次サーバー1に送信するフローである。図9Bでのフロー図で示す、異常信号を受信するまでは、通常の処理してステータスを送信する。
【0052】
図9Dは、ウエア11が受発信装置10から超音波を受信した場合のフロー実施例である。S12は、空気ボンベの栓11bを開くステップである。これにより空気ボンベ栓11bが開き、空気がウエア11の内部に充填されて、ウエア11は膨張する。
S13は、空気ボンベ栓11bが開くと同時に発光し、発光によって空気ボンベの栓11bが開いたことを確認するステップである。その発光線を受発信装置10の超音波により確認し、確認した結果は、サーバー1が受信する。サーバー1は、結果の確認ができるまで、前記したステップ8で示すように、開栓されていないとみなし、確認の応答があるまでループし処理を繰り返す。
【0053】
図10は各遊泳者が携帯する腕時計とウエアの構成を示す実施例である。各遊泳者が装着するウエア11の識別コードは、受発信装置5の識別コードに対応させてサーバー1に記録保存されている。ウエア11は、超音波受信装置11aと空気ホンベ栓11bと空気ボンベ11cから構成されている。
【0054】
超音波は水中でも信号の送受信が可能であることから、超音波受信11aにより空気ボンベ栓11bを開口する。空気ボンベ栓11bの開口により、ウエア11の内部に空気が瞬時に充填し、ウエア11は瞬時に膨張し浮袋となる。一方、遊泳者は空気ボンベ栓11bを紐11dで引くことにより開くこともできる。他方、遊泳者が受発信装置20のスイッチ20eのオンにより、ウエア11の超音波受信装置11aが超音波を受信することによっても、空気ボンベ栓11bを自動的に開栓することができるようになっている。ウエア11は瞬時に膨張し浮袋になる構造である。
【0055】
サーバー1からの異常信号を受信し、ウエア11の空気ボンベ栓11bを開栓させ、空気がウエア内部に瞬時に充填し遊泳者は水面へ速やかに浮上できる。さらに、ウエア11の一端に吸引用マウスピース(図示せず)を設置することことも可能である。ウエア11には浮力用の空気タンクとは別に空気タンクを備え、該マウスピースを介して空気を吸引できるようにすることもできる。これにより、救助員到達までの酸欠状態を回避できる。
【0056】
ウエア11に備える空気ボンベ11cの空気量は、身長及び体重によって浮力を設定する。入場の際のデータ入力によって測定したの量を充填したウエアが支給される。身長及び体重の値は、遊泳者からの申告データではなく、入場の際の測定データから演算される。個人データフアイルには、空気ボンベに充填した空気量も記録登録される。空気ボンベ11cの量を一定基準より多めに充填することも可能である。ウエア11は質量約300グラムから500グラムであり、浮力は8.0キログラムから10キログラムである。
【0057】
遊泳用の装備を特別に指定された遊泳者には予め貸出している場合であって、それらの者がインターネット又は携帯電話(PHS)等外部からサーバー1へ直接に登録する場合にも、受発信装置10のGPS信号受信装置により、サーバー1は利用者の識別コードと現在の位置を確認することができる。
【0058】
ユーザ情報として、各遊泳者は予めサーバー1にユーザ名、酸素飽和値、心拍数、遊泳開始時間、遊泳終了予定時間、年齢、識別コード等を登録する場合において、サーバー1は、各遊泳者及びブイ群30から送信されるデータと該テキストデータをさらに表計算用データに変換する。そして、該表計算用データに変換したデータと異常値判断テーブルの値と、さらに、予めサーバーに登録したユーザ名、酸素飽和値、心拍数、遊泳開始時間、遊泳終了予定時間、年齢、識別コード等と比較演算できる。
【0059】
本実施例におけるサーバー1の判断異常基準値は、判断テーブルの値と各遊泳者が予めサーバー1に登録してある酸素飽和値、心拍数の双方の値が同一か又は超えていない場合は、正常すなわち、異常なしと判断することができる。また、いずれか一方の値を超えている場合も正常すなわち異常なしと判断することもできる。予め登録した酸素飽和度の値も、異常値判断テーブルの値のいずれも超えている場合のみ異常と判断することも可能である。これによって、個人の心肺能力などの体力差を本発明に係る救助システムのデータに反映させることもできる。
【0060】
次に、本実施例の動作を説明すると、入場に際して入力された各遊泳者の個人データは、サーバー1の個人データ記録装置5に記録保存されているため、保存されデータは、識別コード、氏名、性別、年齢、住所であり、それらは図7に示す中央処理装置CPU2より、メインメモリ4へ各遊泳者からの逐次データと、判断テーブルとともに呼び出し、三者のデータを処理実行する。演算結果は、VRAM(ビデオラム)5を介して、表示装置6へ表示され、ネットワークにより各端末装置9の表示装置へ表示される。
【本発明の実施の形態における他の実施例】
【0061】
【0062】
図11は各遊泳者が携帯する防水加工の外観腕時計と各遊泳者の指又は額に溺水センサー部40を装着する構成図である。本実施例おいても腕時計本体10及び溺水センサー部40はいずれも防水処理がされている。本発明の他実施例においては、図2における、外観腕時計の形状の構成の表示部10a、心拍センサー10c、深度センサー10d、超音波発信装置10e、GPS装置10f、時刻計時装置10g、及びスイッチ10hの構成部分を腕に携帯する。そして、図2における酸素飽和度センサー10bの部分を溺水センサー部40に分断した構成とする。前記のとおり放水加工した溺水センサー部40は手の指又は額に装着して、酸素飽和度を測定する。この実施例では、酸素飽和度の値は、受発信装置10(外観時計の形状)の超音波発信装置10eから発信する超音波により溺水センサー部40で計測した酸素飽和度の値が読み取られる。さらに、溺水センサー部40は、手の指に装着することも又は額に鉢巻状に巻いて装着することも可能である。
受発信装置10の超音波発信装置10eから指又は額に装着した溺水センサー部40により測定した酸素飽和度センサー10bのデータを読み取る。溺水センサー部40が心拍数もあわせて測定できる場合は、酸素飽和度の値とともに心拍数も受発信装置10が読み取る。同様に受発信装置10をベルトに配置した場合も、超音波発信装置10eから発信する超音波により、指又は額に装着した溺水センサー部40により測定した酸素飽和度センサー10bのデータを読み取る。溺水センサー部40から信号が出力されるとき、外部から振動を受けると該検出信号にノイズが包含されるが、外部からのノイズは補正処理される。
【0063】
受発信装置本体10の超音波受発信装置10eへ送信された酸素飽和度データは、受発信装置本体10の超音波受発信装置10eから各ブイ群30へ超音波が発信される。この場合は超音波データには、受発信装置本体10の識別コードと溺水センサー部40の識別コード、そして酸素飽和度、心拍数さらに超音波受発信装置10eから発信される時刻データが含まれる。これらのデータは、ブイ30を介してサーバー1へ送信される。受発信装置本体10は、腕以外にもウエア11を身体に保持するベルトに設置することも可能である。
【0064】
本実施例の場合も図6に示すと同様に各遊泳者の受発信装置10から直接に逐次サーバー1に送信される。そして、同様の処理としてサーバー1においてデータをテキストデータに変換し、該テキストデータをさらに表計算用データに変換し、該表計算用データに変換したデータと異常値判断テーブルの値とを比較演算し、異常と判断したデータを該サーバー1の表示装置7へ表示するとともにネットワーク接続の端末装置9の表示表装置へ表示する。
【本発明の実施の形態における他実施例】
【0065】
【0066】
図4Bはウエア11の他実施例の構成を示すブロック図であり、ウエア11は、超音波受信装置11aと空気ボンベ栓11bと空気ボンベ11cと、発光体11eを設ける構成とする。空気ボンベ栓11bは受発信装置10から発信される超音波の受信によって自動的に開栓するとともに発光体11eから発光する。受発信装置10の超音波は発光体11bの発光を確認する。ここでの確認結果は、サーバー1へステータスとして送信する。一方、サーバー1側では、発光体11dの発光が確認できるまで、前記ステップ8で示すように、開栓されていないとみなし、結果の確認の応答があるまでループし、処理を繰り返す。
【本発明の実施の形態における他の実施例】
【0067】
【0068】
図12は、図3Aに示す構成のブイ30を屋内又は屋外のプールに配置した場合の実施例図である。それらプールにはブイ30はそれぞれ識別コードをサーバー1に登録し、GPS衛星からのGPS電波の受信による位置確認を行い、通信回線を介して、各ブイ30の識別コードとともに位置がサーバーに確認される。プール内は、ブイ30に備える超音波発信機30dから超音波を発信する。超音波によって遊泳者が携帯した受発信装置10の識別コードと、受発信装置に内蔵する酸素飽和度センサー10b、心拍センサー10c、及び深度センサー10dによって測定された値が読み取られる。これら信号はブイ30の各識別コードとともにサーバー1へ送信される。
図12において、各ブイ30の超音波は、プルー全域に満遍なく届き、実際には、プールの隅々全域に超音波が行きわたっている。ブイ30同士の超音波が届く領域が重複(オーバーラップ)している状態を示すが、前記と同様に、オーバーラップした領域に該当する遊泳者のデータは、オーバーラップした各ブイ30からそれぞれ送信される。
【発明の効果】
【0069】
本発明は、遊泳中に遊泳者が酸素飽和度及び心拍数などに異常を発見した場合は、サーバー1が遊泳者に携帯した受発信装置10に異常信号を送信し、受発信装置10から発信する超音波によって遊泳者の装着するウエア11に空気が充填され、該ウエア11を自動的に膨張させて、遊泳者を水面に浮上させることができる。サーバー1は、前記ステップ8で示すように、結果の確認の応答があるまでループし、処理を繰り返すことにより、遊泳者の遊泳中における酸素飽和度以外の異常事態、例えば発作、けいれん等により応答ができない場合においても対応できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】遊泳場における遊泳者の救助システムの全体構成図
【図2】受発信装置の構成図
【図3】ブイの構成図
【図4】ウエア構成図
【図5】異常値判断テーブル構成図
【図6】各遊泳者の受発信装置からサーバーに送信されるテキストデータ実施例図
【図7】サーバーの構成図
【図8】サーバーに記録する各遊泳者の個人データ実施例図
【図9】遊泳者の信号に異常を発見した場合のサーバー動作例図
【図10】サーバーが異常を発見した場合の遊泳者へ信号を送信する構成図
【図11】各遊泳者が携帯する外観腕時計と各遊泳者の指に溺水センサーの構成図
【図12】は屋内・屋外のプールにブイ30を配置した状態を示す平面概略図
【符号の説明】
1はサーバー
2は中央処理装置CPU
3はメモリROM
4はメインメモリ
5はVRAM(ビデオラム)
6はHDD(ハードティスク)
7は表示装置
8は入力装置
9は端末装置
10は受発信装置
10aは表示部
10bは酸素飽和度センサー
10cは心拍数センサー
10dは深度センサー
10eは超音波発信装置
10fはGPS装置
10gは時刻計時装置
10hはスイッチ
11はウエア11
11aは超音波受信装置
11bは空気ホンベ栓
11c空気ボンベ
20はGPS衛星
30はブイ群
30aはGPS装置
30bはブイ識別コード
30cは情報発信部
30dは超音波受発信部
40溺水センサー部
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、海水浴場又はプール等の遊泳場のデータ管理及びそれら各種遊泳場における遊泳者の水難を迅速に救助するシステム及び救助する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【0003】
たとえば特許文献1は、救命胴衣の着用者が水没時直ちに自動ガス充気装置が作動し、膨脹させるものであり、緊急事態時に救命胴衣の浮力体を自動的に膨脹するものである。
【0004】
特許文献2は、GPS受信機によって演算された遭難者の絶対位置は、緊急の場合に無線送信機を介して救助システム処理装置に対して送信し、遭難者の位置を受信した処理装置は、直ちに周辺に位置し、予め登録されている救助艇のうちから最も遭難者に近い救助艇を自動的に選択し、遭難者までの方位・距離を情報として自動送信し、発進指令が出されるものである。
【0005】
特許文献3は、動脈血の酸素飽和度SpO2を無侵襲且つ連続的に測定するためにいわゆるオキシメーターが使用され、オキシメーターは動脈血の脈動により生ずる組織透過光の脈動を利用するもので、血液の脈動分の減光度を2つの波長の光で測定し、その比を求めて酸素飽和度に換算するものであり、発光素子と受光素子を手の指にはまる指輪状のリング内側の円周上に配置し、同円周の対極側に電池及び計測回路を配置するものである。
【0006】
【特許文献1】特開2004−168157公報
【特許文献2】特開平9−304506公報
【特許文献3】特開2002−224088公報
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明に係る第1の課題は、遊泳場において遊泳者が水に溺れた場合、秒単位での救助が要求され、尊い人命を失うという事態を招いている。また、人命救助員が一刻も早く溺水者を救助しようとして現場に接近しよう試みても荒波など気象条件厳しくおもうように現場に到達できないなどの問題があり、迅速に救助できない課題がある。
本発明に係る第2の課題は、遊泳者の酸素飽和度値がサーバーにより異常と判断された場合に、遊泳者を安全に、かつ一刻も早く救助することである。本発明が、このような遊泳者の溺水等の水難事故の救助において酸素飽和度を着目した経緯は、酸素の欠乏による人体への影響、特に脳への酸素の欠乏が溺水救助に際しての大きな課題であることに基づくものである。動脈血酸素飽和度(SpO2)は、ひとの血液にどの程度、酸素が含まれているかを測定し、「S」はSaturation(飽和)、「p」はPulse(脈)、「O2」は酸素を示すものである。この計測の原理は、動脈血液中の酸素を運んでいるのはヘモグロビンであり、酸素と結合していないヘモグロビンは赤い色を吸収するが、酸化されたヘモグロビンは赤色をあまり吸収しない特徴と、動脈血は赤く、静脈血は暗赤色であり、静脈血や組織の吸光度は一定であり、動脈血の吸光度は脈拍に同期して常に変化する特徴に着目し、この変化状態を検出し動脈血の酸素飽和度及び脈拍を計測するものであり、既知の原理である。
【0008】
特許文献1では、救命胴衣の着用者が水没時直ちに自動ガス充気装置が作動し、膨脹してしまうため、遊泳中に発生した緊急事態時に救命胴衣自動的に浮力体を膨張する手段を提供していないため、本発明に係る課題の解決に至らない。
【0009】
特許文献2では、GPS受信機によって演算された遭難者の絶対位置は、緊急の場合に無線送信機を介して遭難者の位置を確認できる構成であるが、予め登録されている救助艇のうちから最も遭難者に近い救助艇を自動的に選択し、遭難者までの方位・距離を情報として自動送信し、発進指令を出すという構成であり、本発明とは課題を達成する手段が異なる。
【0010】
特許文献3では、形状を発光素子と受光素子を手の指にはまる指輪状のリング内側の円周上に配置し、同円周の対極側に電池及び計測回路を配置する構成であり、本発明とは外観及び構成が相違する。
【発明の目的】
【0011】
そこで、本発明は、海水浴場又はプール等の遊泳場における遊泳者の遊泳中における酸素飽和度を測定しその結果をリアルタイムに通信回線を介してネットワークのサーバーへ送信し、該サーバーでは予め設定した値と送信されたデータとを比較演算し、遊泳者の酸素飽和度値が予め設定した値を超えた場合は異常と判断した場合は、遊泳者を安全に一刻も早く救助することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下、本発明の課題を解決する手段を概説する。各遊泳者は、ユーザ名、心拍数、酸素飽和値、身長、体重、遊泳開始時間、遊泳終了予定時間、年齢、識別コード等を遊泳場に設置するパーソナルコンピュータ等からなる端末装置(以下端末装置という)を介してネットワークのサーバーへ登録する。サーバーへの登録は、端末装置の他にインターネット又は携帯電話(PHSを含む)などの外部の通信回線を介して行うことも可能である。そして、各遊泳者には、遊泳場より遊泳開始前に遊泳用装備一式を貸与するとともに、特に初心者は遊泳装備の装着方法及び器具の使用方法を係員又は端末装置を介して説明を受ける。各遊泳者は、受発信装置を携帯し、遊泳用ウエアを装着して遊泳を開始する。サーバーは、通信回線を介して各遊泳者が携帯する受発信装置及び遊泳場に配置した複数のブイ群から各遊泳者の心拍数、酸素飽和度、深度等の情報を受信し、各遊泳者の異常の有無を監視する。サーバーが遊泳者に異常があると判断した場合は、異常信号を、通信回線により複数のブイを介し、又は遊泳者が携帯する受発信装置に向けて発信する。異常信号受信により、受発信装置は超音波を発信する。そして、各遊泳者は装着したウエアは、受発信装置から発信する超音波の受信により各ウエアに配設した空気ボンベ栓が開口し、ウエア内部に空気が瞬時に充填する。本発明によるサーバーの異常の発見及び異常信号の発信によって、遊泳者を水面に浮上させることから、従来よりも迅速に溺水などの水難者を救助するシステム及び救助方法を提供できる。
【0013】
請求項1は、遊泳場における各遊泳者の識別コード及び各遊泳者の遊泳中の状況を監視するサーバーと、該サーバーとのデータ送信可能な遊泳場に適宜配設する複数のブイと、前記サーバーに識別コードを登録した各遊泳者が携帯する受発信装置及び各遊泳者が着用するウエアからなるネットワークによる遊泳場における遊泳者の救助システムであって、サーバーには、各遊泳者の識別コード及び各遊泳者の個人データを記録保存する機能と、外部との通信機能と、該通信機能により受信した信号をデータに変換し入力する機能と、該入力機能を介して入力されたデータ及び判断テーブルを記録保存する機能と、前記入力機能により入力された各遊泳者のデータと判断テーブルのデータとを比較演算し判断する機能とを備え、遊泳場に適宜配設する複数のブイにはGPS衛星からの信号受信機能とブイ識別コード機能と超音波発信機能とGPS機能とを備え、各遊泳者が携帯する受発信装置には、受発信装置の識別コードと、GPS信号受信機能と、酸素飽和度測定機能と、心拍数測定機能と、前記サーバーとの受発信機能と、GPS機能と、超音波発信機能とを備え、各遊泳者が着用するウエアには、該ウエアの識別コードと、ウエアが空気の注入により膨張する機能と、ウエアへの空気注入が前記受発信装置からの超音波により栓が開口する機能とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項2は、請求項1のサーバーにおけるデータ保存機能には各遊泳者の識別コードとともに各遊泳者の遊泳中及び遊泳開始前の酸素飽和度データを保存することを特徴とする。
【0015】
請求項3は、請求項1のサーバーは、異常と判断したデータを他のデータとは異なる特徴的表示により該サーバーの表示装置及びネットワーク接続の端末装置の表示装置に表示をすることを特徴とする。
【0016】
請求項4は、請求項1の各遊泳者が携帯する受発信装置における、酸素飽和度測定機能を酸素飽和度センサーとし、心拍数測定機能を心拍測定センサーとしたことを特徴とする。
【0017】
請求項5は、請求項1の各遊泳者が携帯する受発信装置における超音波の発信は、サーバーからの異常信号の受信により発信し又はサーバーからの異常信号を受信するブイからの超音波により発信することを特徴とする。
【0018】
請求項6は、請求項1の各遊泳者が携帯する受発信装置における超音波の発信は、該発信装置が備えるスイッチにより発信することを特徴とする。
【0019】
請求項7は、請求項1の各遊泳者が携帯する受発信装置は防水加工した外観を腕時計の形状としたことを特徴する。
【0020】
請求項8は、請求項1のウエアは、超音波受信装置と空気ボンベと空気ボンベ栓とを備え、空気ボンベの栓の開口により該空気ボンベ内の空気がウエアの内部へ充填しウエアが膨張することを特徴とする。
【0021】
請求項9は、請求項1のウエアは、超音波の受信により空気ボンベの栓を開口し、ウエア内部に空気を充填することを特徴とする。
【0022】
請求項10は、請求項1におけるサーバーは空気ホンベの栓が開口するのを確認できるまで該栓が開口されていないとみなして処理を繰り返すことを特徴する遊泳場における遊泳者の救助システム。
【0023】
請求項11は、通信信号を受信するステップと、受信データを読み出すステップと、受信データの各識別コードと遊泳者の識別コードとを照合するステップと、遊泳場における遊泳中の各遊泳者から送信されるデータと判断テーブルのデータ群の値とを比較演算するステップと、遊泳者から送信されたデータの値が判断テーブルのデータ群の値と同一又は超えたデータを異常と判断するステップと、該判断ステップにおける異常と判断した識別コードの遊泳者に対して異常を発信するステップとからなることを特徴とする。
【0024】
請求項12は、通信信号を受信するステップと、受信データを読み出すステップと、受信データの各識別コードと遊泳者の識別コードとを照合するステップと、遊泳開始前に各遊泳者の識別コードとともにサーバーの記録保存機能に保存した酸素飽和値及び心拍数の値と、各遊泳者から送信された酸素飽和値及び心拍数の値と判断テーブルのデータ群とを比較演算するステップと、判断テーブルのデータ群のいずれかの値と同一又は超えている場合に異常と判断するステップとからなることを特徴とする。
【0025】
請求項13は、通信信号を受信するステップと、受信データを読み出すステップと、受信データの各識別コードと遊泳者の識別コードとを照合するステップと、遊泳開始前に各遊泳者の識別コードとともにサーバーの記録保存機能に保存した酸素飽和値及び心拍数の値と、各遊泳者から送信された酸素飽和値及び心拍数の値とを比較演算するステップと、各遊泳者から送信される酸素飽和値及び心拍数の値が前記遊泳開始前に予めサーバーに登録保存した酸素飽和値及び心拍数の値と同一又は超えている場合を異常と判断するステップとからなることを特徴とする。
【0026】
請求項14は、遊泳場における遊泳者救助システムに係るネットワークサーバーを、通信信号を受信する手段と、受信データを読み出す手段と、受信データの各識別コードと遊泳者の識別コードとを照合する手段と、遊泳開始前に各遊泳者の識別コードとともにサーバーの記録保存機能に保存した酸素飽和値及び心拍数の値と、各遊泳者から送信された酸素飽和値及び心拍数の値とを比較演算する手段と、各遊泳者から送信される酸素飽和値及び心拍数の値が判定用データにおける酸素飽和値及び心拍数の値と同一又は超えている場合を異常と判断する手段と、異常信号を発信する手段と、返答を確認する手段と、返答の確認があるまで異常信号の発信を繰り返す手段として機能させるためのプログラムである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の説明において、同一機能及び内容のものについては同一の符号を用いて説明する。
【0028】
図1は本発明に係る遊泳場における遊泳者の救助システムの全体的な構成の実施例を示している。図1において、1はネットワークのサーバー、1Aは通信回線、10は受発信装置群(腕時計と同じ)、30はブイ群、20はGPS衛星、2はCPU(中央処理装置)、3はROM、4はメインメモリ、5は記憶装置、7は表示装置、9は端末装置群である。なお、サーバー1及び各端末装置群9には、図示しないがマウス、キーボードなどの入力装置を備える。遊泳者は遊泳場の入場口に設置した端末装置群9の表示画面(モニタ)に表示された質問形式の事項に逐次回答する形式で入力する。入力方法は、キーホード、マウス又は表示画面タッチパネル等による韓国語、英語、中国語などに対応できるため、言語を選択し、利用者の指定した言語で入力できるようになっている。サーバー1への接続はイントラネット、インターネット、エキストラネットなどの通信ネットワーク回線(図示しない)が構築され、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)、PDA(携帯端末、モバイルコンピュータ)にも接続できるようになっている。携帯電話やPDAからの入力・アクセスにより、入場の際の混雑状況を知ることができるとともに、現場での手続きの一部を回避できる。入場に際してサーバー1とネットワークで接続されている端末装置群9(デスクトップPC又はノートブックPCを含むパーソナルコンピュータ)から入力された各遊泳者の個人データは、識別コード(ID)を含み個人データとしてサーバー1の記録装置5に記録保存される。また、入場の際に各遊泳者は、酸素飽和度、心拍数、身長、体重を測定し、それらも個人データとして記憶装置5へ記録保存される。個人データの入力終了後、各遊泳者には遊泳場より遊泳者受発信装置10とウエア11が支給される。そして遊泳者受発信装置10の操作方法とウエア11の着用方法さらにはそれらの使用方法について指導を受ける。入場口周辺に設置したビデオモニタ又は前記端末装置9の表示装置によっても説明を受けることができる。それらの説明には、遊泳場の利用方法、遊泳に際してのマナーなどの注意事項も含まれる。
【0029】
次に、サーバー1は、携帯電話やPHS等と通信回線1Aを介して各遊泳者に支給した遊泳者受発信装置10に接続できるとともに、遊泳場の所定箇所に配置したGPS衛星(全地球測位システム)20との電波受信により位置が確認されている複数のブイ群30にも接続できることになっている。すなわち、遊泳者受発信装置10及びブイ群30は、それぞれ変調及び復調モデム(図示しない)を内蔵し、携帯電話又はPHSによる通常の電話回線を介して、本発明に係るサーバー1とのデータを送受信する。また、遊泳者受発信装置10及びブイには、それらを動作する電源ユニット(図示しない)を内蔵している。
【0030】
各遊泳者は、防水加工が施されたダイバータイプの腕時計の形状をした遊泳者受発信装置10を携帯する。別途詳しく説明する図2に示すように、該腕時計型の遊泳者受発信装置10の表示部10aには、通常の時刻と酸素飽和度、心拍数、深度が表示される。モード切り替えスイッチ(図示しない)により表示部10aへの表示切り替えができるが、所定の時間間隔で自動的に表示モードが切り替えることもできる。酸素飽和度は、心拍数、深度の計測値とともに、逐次更新して表示部10aに表示される。例えば酸素飽和度が計測値100%の値が、次に計測した結果、96%に変更した場合は、その変更した値が逐次更新されて表示部10aに表示される。一方、深度の測定値の場合も0.3メートルが1.5メートルに変更した場合は変更した深度値に更新されて表示部10aに表示される。
この場合、酸素飽和度と他のモードが同時に変更した場合は、点滅的に同時に変更したモードが表示し、遊泳者は、適宜、遊泳状況を目視できることになっている。これら計測結果は、データとしてサーバー1へ逐次送信され、サーバー1ではデータを記憶装置5へ逐次記録保存する。
【0031】
サーバー1には、遊泳者が携帯する遊泳者受発信装置10から送信されるデータと該遊泳者受発信装置10からブイ群30に信号が送信され、該ブイ群30から通信回線1Aを介して送信される。サーバー1は、受信したデータが遊泳者の携帯する遊泳者受発信装置10からの信号であるか又はブイ群30から送信されたデータであるかの識別を予めサーバー1に登録された遊泳者受発信装置10の識別コード及び同様に登録されブイ群30の識別コードにより行う。遊泳者受発信装置10とブイ群30との信号のやりとりは水中のため超音波により行う。ブイ群30とサーバー1との信号は携帯電話、PHS等の電話回線を介しても行うことができる。
【0032】
以下、本発明の実施形態の各構成の実施例について説明する。
図2は各遊泳者が携帯する遊泳者受発信装置10の構成を示す実施例図である。図2において10aは表示部、10bは酸素飽和度センサー、10cは心拍数センサー、10dは深度センサー、10eは超音波発信部、10fはPHSなどの携帯電話による信号受発信部10gはGPS装置10hは時刻計時装置10iはスイッチである。遊泳者発信装置本体10における各計測データ、及び遊泳者が着用するウエア11の情報は、PHSなどの携帯電話による信号受発信部10fと図1に示す通信回線1Aを介してサーバー1へ逐次送信される。
【0033】
遊泳者受発信装置本体10が外観腕時計の形状の実施例の場合は、酸素飽和度センサー10bは、手首の内側の動脈に密着させて計測する。酸素飽和度の計測に際して心拍数も同時に計測できる場合は、心拍センサー10Cを別途備える必要はないが、酸素飽和度センサー10bとは別に備えることも可能である。
【0034】
超音波発信部10eへは、サーバー1から直接に送信される信号と、サーバー1からブイ群30を介して送信される信号の2つのルートから信号が送信される。超音波発信部10eは、異常信号が2つのルートのうち最初に到着した異常判断による信号により駆動する。また、遊泳者のスイッチ操作によっても駆動する。これら駆動によって超音波を発信する。サーバー1の異常信号は、信号の周波数を変えて発信することも可能である。遊泳者が水中に潜った場合のデータは、超音波発信部10eから発信する超音波によりデータがブイ30へ送信され、ブイ30を介してサーバー1へ送信される。
【0035】
時刻計時装置10gは通常の時計機能であり、時刻も超音波発信機10eから発信する超音波により読み取られる。サーバー1へは、時刻データと、酸素飽和度データ、心拍数データが逐次送信される。
【0036】
スイッチ10iは、超音波発信部10eを駆動させる。誤操作を防ぐために、一定時間、例えば2秒以上スイッチを押しつづけた場合にのみ超音波発信部10eが駆動するように設定してある。
【0037】
図3Aは、遊泳場の所定位置に配置したブイ30の構成の実施例を示すブロック図である。各ブイ30は、識別コードを取得し、GPS衛星20からのGPS電波の受信による位置確認を行い、通信回線を介して、各ブイ30の識別コード30bとともに位置がサーバー1に確認される。また、ブイ30は、遊泳者が携帯する遊泳者受発信装置10の超音波発信部10eが発信する超音波を受信する。超音波によって遊泳者が携帯した遊泳者受発信装置10の識別コードと、遊泳者受発信装置10に内蔵する酸素飽和度センサー10b、心拍センサー10c、及び深度センサー10dによって測定された値が読み取られる。これら信号はブイ30の識別コードとともにサーバー1へ送信される。図3Bは、ブイ30の超音波が届く領域と他のブイ30の超音波が届く領域が重複(オーバーラップ)している状態を示す図である。各遊泳者の遊泳者受発信装置10が受発信する超音波と各ブイ30が受発信する超音波が届く領域(ゾーン)には限界がある。したがって、サーバー1には、あるブイ30の超音波が届く領域と他のブイ群30の超音波が届く領域が重複(オーバーラップ)している場合は、それらオーバーラップした領域に該当する遊泳者の信号は、オーバーラップした各ブイ30からそれぞれ送信される。また、他方、サーバー1へは遊泳者が水中に潜っていない場合は、遊泳者受発信装置10からも信号が送信される。このような場合は、サーバー1は、それらをデータとして逐次受信し、データとして記憶装置5へ保存記録する。
【0038】
図4Aは、遊泳場から遊泳者受発信装置10とともに貸与されるウエア11の構成の実施例を示すブロック図である。尚、図4Bは、他の実施例を示すブロック図であり、詳細は別途後述する。ウエア11は、サーバー1にその識別コードを登録し、遊泳者受発信装置10の識別コードに対応してサーバー1に記録保存されている。識別コードを付与されたウエア11は、超音波受信部11aと空気ボンベ栓11bと空気ボンベ11cから構成されている。
空気ボンベ内の空気がウエア11の内部に充填されることによりウエア11は膨張する。ウエア11内への空気の充填は、遊泳者が空気ボンベ栓11bを紐11dで引っ張ることにより行うことも、また、遊泳者受発信装置10から発信される超音波の受信によっても空気ボンベの栓11bを自動的に開栓することができるようになっている。ウエア11内部に空気が充填し膨張するとウエア11は浮袋となって、遊泳者を水面へ素早く浮上させるこができる。また、遊泳者のウエア11は、身長、体重により膨張容積を演算し、確実に水面へ浮上できる量の空気を充填されている。また、安全上、浮力7.5キログラム以上(体重40キログラム未満の小児用は浮力5キログラム以上、体重15キログラム未満の小児用は浮力4.0キログラム以上。)と規定する「小型船舶安全規則第53条」を基準として空気量を充填する。本発明の浮力は、8.0キログラムから10キログラムを目安とする。なお、遊泳の初心者等はスイッチ操作によって超音波を発信させ空気ボンベの栓11bを開栓することも、ウエア11のヒモ11dを引いて空気ボンベの栓11bを開栓することもできる。
【0039】
図5はサーバー1の記憶装置5に予め記録保存する判断テーブルの実施例である。テーブルは、コードと判断項目と異常値から構成されコードと異常値はそれぞれ定義つけしてデータ群を構成する。酸素飽和度は正常な値を96%以上と設定する。95%未満の場合は呼吸不全の疑いがあり、90%未満の場合は、酸素を吸入する状態にある設定した。
コード 判断項目 異常値
001 酸素飽和度 95%以下
002 心拍数 85以上
003 深度 10M超
004 終了予定時間 60分超
判断項目のうちいずれかひとつでも異常値の値と同一又は超えた場合は、サーバーは異常と判断することになっている。これらの値は、特殊訓練者のような心肺機能が発達した者に基づくものではなく、より安全を期するため、通常人を基準値とした。競泳選手の育成訓練の場合は、心肺機能が発達した競泳者達を対象とすることから、異常値の水準を高く設定することも可能である。テーブルの定義及び内容は対象者又は自然条件に対応して、低く設定する等変更可能である。例えば、水温、水流、風速などの自然条件により、酸素飽和度の値を95以下の値を97%以下に設定することも可能である。これに準じて他の判断項目の異常値を変更することができる。
【0040】
図6は各遊泳者の遊泳者受発信装置10から直接に逐次サーバー1に送信される実施例を示すテキストデータである。サーバー1では、各遊泳者の遊泳者受発信装置10から送信されるデータをテキストデータに変換するとともに、該テキストデータをさらに表計算用データに変換し、該表計算用データに変換したデータと異常値判断テーブルの値とを比較演算し、異常と判断したデータを該サーバー1の表示装置7とともにネットワーク接続の端末装置9の表示装置に他のデータとは異なる特徴的表示をする。特徴的表示例としては該当するデータ行全体又は一部を赤色にした着色表示、又は該当するデータ行を点滅表示によりし、監視員が直ちに異常値の発生を目視できるようにする。さらに、異常事態発生の合図として端末装置9での特殊音又は表示装置を点滅させることも可能である。

【0041】
この実施例の場合は、データ中「1」はシリアルの行番号、M0100005は識別コード、「001」は酸素飽和度のコード、「0980」は酸素飽和度の値、「002」は心拍数のコード「075」は心拍数、「003」は血圧のコード、「090−140」の値、「004」は深度のコード、「01」は深度(単位メートル)の値、「005」は年月日時間分秒のコード、「20040825112510」は時刻を示し、2004年8月25日11時25分10秒を示す。
【0042】
サーバー1は、図5に示す異常値判断テーブル実施例ではコードと異常値を比較演算し、識別コード「M0100005」の遊泳者は酸素飽和度の値が98%であるから、サーバーは正常すなわち異常事態なしと判断する。他方、サーバーは「W0300101」の遊泳者の酸素飽和度の値が95%で、心拍数85であり、判断テーブルのコードと値とを比較演算した結果が同じ値であった。このような同じ値の場合も、サーバー1は異常と判断する。そして異常信号を該当の識別コード「W0300101」の遊泳者へ発信し、異常を知らせる。識別コード「W0300101」遊泳者から応答がない場合は、異常信号を発信し、該当遊泳者の遊泳者受発信装置10から超音波を発信させる。
【0043】
遊泳者受発信装置10から超音波により逐次ブイ30を介して送信され、各ブイ30からサーバー1に送信されたデータは、図5の実施例に示す場合と同様に、各遊泳者の遊泳者受発信装置10からサーバー1に送信されるデータとして処理される。すなわち、送信されたデータはテキストデータに変換し、該テキストデータをさらに表計算用データに変換する。そして、該表計算用データに変換したデータと異常値判断テーブルの値とを比較演算し、異常と判断したデータを該サーバー1の表示装置7とともにネットワーク接続の端末装置9の表示装置に異常データを点滅表示又は着色表示などの特徴的表示により表示される。
【0044】
以下は、サーバー1の構成及び本発明の実施形態の動作フローの実施例について説明する。図7において、1はサーバーであり、汎用のデスクトップ又はノートブックタイプのパーソナルコンピュータである。従ってサーバー1には、中央処理装置CPU2、ROM3、メインメモリ4、VRAM(ビデオラム)5、表示装置、キーボード、マウスなどの入力装置等、既知のパーソナルコンピュータの構成を備えている。また、ハードデイスクや書換え可能なDVD等記憶装置は、外部に増設することも可能である。CPU2はバスに接続し、サーバー1における各装置デバイスはCPU2によって制御される。ROM3にはシステム制御用プログラムが記録し、外部メモリ、記憶装置5(コンピュータが読み取り可能な、可搬媒体メモリ、半導体メモリ、ハードディスク等を含む)には処理用プログラム又はアプリケーションプログラム等を記録する。本発明に係るプログラムは、サーバー1が読み取り可能な記録装置5に記録するとともに、通信回線を介して種々の通信網を利用した送受信により提供できる。CPU2はROM3に記録したシステム制御用プログラムあるいは外部メモリ等に記憶された処理又はアプリケーションプログラム等に基づいて文字の出力、表計算等の処理を実行する。メインメモリ4は、CPU2のワーク用としてデータを一時的に保存しデータ処理用として機能する。このように、CPU2によってROM3、メインメモリ4、VRAM6、表示装置7、入力装置8が処理制御される。
【0045】
本発明の形態および実施例の特徴を以下に列記する。
【0046】
図8はサーバーの記憶装置5に記録する各遊泳者の個人データの実施例である。この実施例では、ユーザ情報として、各遊泳者は予めサーバーにユーザ名、酸素飽和値、心拍数、遊泳開始時間、遊泳終了予定時間、年齢、識別コード等を登録する。遊泳者は遊泳場の入場口に設置した端末装置9の表示画面に表示された質問形式の事項に逐次回答する形式で入力する。携帯電話やPDA等の電話回線からも入力できる。これら、入場に際して入力された各遊泳者の個人データは、サーバー1の記録装置5に記録保存される。保存されるデータは、識別コード、氏名、性別、年齢、住所を入力し、入場に際して測定された酸素飽和度、心拍数、身長、体重が記録として保存される。その他の個人データとして、利用回数による優待割引特典データも記録される。特典例としては3回利用者には、10%の割引特典を設定し、精算の際に合計額から10%減額の利点や別途賞品を取得できる等サービス集計できるようになっている。
【0047】
ウエアサイズは、S、M、Lサイズでボンベに充填する空気量を識別する。ボンベに充填する空気の量は性別に関係なく設定するが、ウエアは、性別年代により外観デザイン上のバリエーションを設け、遊泳者が好みのによりウエアを選べるようになっている。また、ウエアの形状は、ベスト型、首かけ型、ジャンパー型、ポーチ型などのなどさまざまなものを揃えることができる。
【0048】
図9Aは、サーバー1が遊泳者の信号に異常を発見した場合の動作フロー実施例である。S1は遊泳者識別コード確認処理ステップである。S2は受信した遊泳者の識別コードとサーバーに登録した遊泳者の識別コードとを照合するステップである。ここで、識別コードが合致しない場合は、サーバー1は遊泳者のデータ処理を終了する。
S3は遊泳場における遊泳中の各遊泳者から送信されるデータと判断テーブルのデータ群の値とを比較演算する異常値確認処理ステップである。ここで、異常なしとの結果が出た場合は、該遊泳者のデータ処理を終了する。一方、異常値ありと判断した場合は、次のS4へ移る。
S4は遊泳者から送信されたデータの値が判断テーブルのデータ群の値と同じ又は超えたデータを異常の有無を判断するステップである。異常なしの場合は終了し、異常有りの場合は、次のステップS5及びS6の救助出動指令及び表示装置に強調表示を救助出動指令処理ステップへ移る。S5のステップは、ステップ4において酸素飽和度値、心拍数、深度、終了予定時間を比較演算した結果、データが一つでも異常値判断テーブルの値と同じ又は超える場合は異常ありと判断し、その結果をサーバー1の表示装置7及び救急センターに備える端末装置9の表示装置に異常値データを強調して表示するとともに、図示しないが、端末装置9の音声発生装置により予め端末装置9の記憶装置に登録した警報音声を発信するステップである。他方、異常なしと判断した場合は処理を終了する。
S6は、ステップ4において異常と判断した識別コードの該当遊泳者に対して異常信号を発信するステップである。ステップ6は、ステップ5の救助出動指令処理と同時に処理され、遊泳者の遊泳者受発信装置10へ信号を発信する。また、あわせて、この異常信号はブイ30を介して遊泳者の遊泳者受発信装置10へ発信することになっている。
S7は異常信号を発信した遊泳者からの応答の有無を確認するステップである。このステップは遊泳者から応答があるまでループし、処理を繰り返す。応答なしと判断した場合は、遊泳者受発信装置10に備えてある超音波の発信を指示する。他方、応答が有る場合は終了する。
S8はサーバー1から遊泳者の遊泳者受発信装置10に超音波発信駆動のスイッチ10gをオンにするステップである。遊泳者受発信装置10の超音波受信装置10eは、スイッチオンにより、駆動し超音波を発信する。ここでは、ステップ6の異常信号発信処理において応答がないと判断した場合の処理であり、遊泳者受発信装置10に備えてある超音波発信を指示するステップである。また、ステップ6において異常信号に対して応答がない場合は、遊泳者の遊泳者受発信装置10の超音波発信により空気ボンベ栓11bを開栓させることになっているが、空気ボンベ栓11bが開栓したことを確認する。空気ボンベ栓11bの開栓確認の応答がない場合は、開栓されていないとみなして応答があるまでループし処理を繰り返す。
【0049】
図9Bは、サーバー1が遊泳者の信号に異常を発見した場合に遊泳者の遊泳者受発信装置10の動作フロー実施例である。
S9は、サーバー1からの異常信号発信によりウエア11に向けての超音波発信処理ステップである。この超音波発信によりウエア11に備える空気ボンベ栓11bが開くようになっている。次にS10は、遊泳者受発信装置10から超音波を発信した結果、空気ボンベ栓11bが開いたことを確認するステップである。空気ボンベ栓11bが開いた場合は、ウエア11から発信される信号を遊泳者受発信装置10の超音波によって確認する。S11は、ステップ10において確認した結果をサーバー1へ送信するステップである。
【0050】
図9Cは、遊泳者受発信装置10の常態の動作フロー実施例である。各遊泳者の酸素飽和度、心拍数、時刻などのステータスを遊泳者受発信装置10及びブイ30を介して逐次サーバー1に送信するフローである。図9Bでのフロー図で示す、異常信号を受信するまでは、通常の処理してステータスを送信する。
【0051】
図9Dは、ウエア11が遊泳者受発信装置10から超音波を受信した場合のフロー実施例である。S12は、空気ボンベの栓11bを開くステップである。これにより空気ボンベ栓11bが開き、空気がウエア11の内部に充填されて、ウエア11は膨張する。S13は、空気ボンベ栓11bが開くと同時に発光し、発光によって空気ボンベの栓11bが開いたことを確認するステップである。その発光線を遊泳者受発信装置10の超音波により確認し、確認した結果は、サーバー1が受信する。サーバー1は、結果の確認ができるまで、前記したステップ8で示すように、開栓されていないとみなし、確認の応答があるまでループし処理を繰り返す。
【0052】
図10は各遊泳者が携帯する腕時計とウエアの構成を示す実施例でありサーバーが異常を発見した場合に遊泳者へ信号を送信する実施例図である。各遊泳者が装着するウエア11の識別コードは、遊泳者受発信装置10の識別コードに対応させてサーバー1に記録保存されている。ウエア11は、超音波受信装置11aと空気ホンベ栓11bと空気ボンベ11cから構成されている。
【0053】
図10において、超音波は水中でも信号の送受信が可能であることから、超音波受信11aにより空気ボンベ栓11bを開口する。空気ボンベ栓11bの開口により、ウエア11の内部に空気が瞬時に充填し、ウエア11は瞬時に膨張し浮袋となる。一方、遊泳者は空気ボンベ栓11bを紐11dで引くことにより開くこともできる。他方、遊泳者が遊泳者受発信装置10のスイッチ10iのオンにより、ウエア11の超音波受信装置11aが超音波を受信することによっても、空気ボンベ栓11bを自動的に開栓することができるようになっている。ウエア11は瞬時に膨張し浮袋になる構造である。
【0054】
図10において、サーバー1からの異常信号を受信し、ウエア11の空気ボンベ栓11bを開栓させ、空気がウエア内部に瞬時に充填し遊泳者は水面へ速やかに浮上できる。さらに、ウエア11の一端に吸引用マウスピース(図示せず)を設置することことも可能である。ウエア11には浮力用の空気タンクとは別に空気タンクを備え、該マウスピースを介して空気を吸引できるようにすることもできる。これにより、救助員到達までの酸欠状態を回避できる。
【0055】
図10において、ウエア11に備える空気ボンベ11cの空気量は、身長及び体重によって浮力を設定する。入場の際のデータ入力によって測定したの量を充填したウエアが支給される。身長及び体重の値は、遊泳者からの申告データではなく、入場の際の測定データから演算される。個人データファイルには、空気ボンベに充填した空気量も記録登録される。空気ボンベ11cの量を一定基準より多めに充填することも可能である。ウエア11は質量約300グラムから500グラムであり、浮力は8.0キログラムから10キログラムである。
【0056】
図10において、遊泳用の装備を特別に指定された遊泳者には予め貸出している場合であって、それらの者がインターネット又は携帯電話(PHS)等外部からサーバー1へ直接に登録する場合にも、遊泳者受発信装置10のGPS信号受信装置により、サーバー1は利用者の識別コードと現在の位置を確認することができる。
【0057】
さらに、ユーザ情報として、各遊泳者は予めサーバー1にユーザ名、酸素飽和値、心拍数、遊泳開始時間、遊泳終了予定時間、年齢、識別コード等を登録する場合において、サーバー1は、各遊泳者及びブイ群30から送信されるデータと該テキストデータをさらに表計算用データに変換する。そして、該表計算用データに変換したデータと異常値判断テーブルの値と、さらに、予めサーバー1に登録したユーザ名、酸素飽和値、心拍数、遊泳開始時間、遊泳終了予定時間、年齢、識別コード等と比較演算できる。
【0058】
以上の本実施例におけるサーバー1の判断異常基準値は、判断テーブルの値と各遊泳者が予めサーバー1に登録してある酸素飽和値、心拍数の双方の値が同一か又は超えていない場合は、正常すなわち、異常なしと判断することができる。また、いずれか一方の値を超えている場合も正常すなわち異常なしと判断することもできる。予め登録した酸素飽和度の値も、異常値判断テーブルの値のいずれも超えている場合のみ異常と判断することも可能である。これによって、個人の心肺能力などの体力差を本発明に係る救助システムのデータに反映させることもできる。
【0059】
さらに、以上の本実施例の動作を説明すると、入場に際して入力された各遊泳者の個人データは、サーバー1の個人データ記録装置5に記録保存されているため、保存されデータは、識別コード、氏名、性別、年齢、住所であり、それらは図7に示す中央処理装置CPU2より、メインメモリ4へ各遊泳者からの逐次データと、判断テーブルとともに呼び出し、三者のデータを処理実行する。演算結果は、VRAM(ビデオラム)5を介して、表示装置6へ表示され、ネットワークにより各端末装置9の表示装置へ表示される。
【本発明の実施の形態における他の実施例】
【0060】
【0061】
図11は各遊泳者が携帯する防水加工の外観腕時計と各遊泳者の指又は額に溺水センサー部40を装着する構成図である。本実施例おいても腕時計本体型の遊泳者受発信装置10及び溺水センサー部40はいずれも防水処理がされている。本発明の他実施例においては、図2における、外観腕時計の形状の構成の表示部10a、心拍センサー10c、深度センサー10d、超音波発信部10e、GPS装置10g、時刻計時装置10h、及びスイッチ10iの構成部分を腕に携帯する。そして、図2における酸素飽和度センサー10bの部分を溺水センサー部40に分断した構成とする。前記のとおり防水加工した溺水センサー部40は手の指又は額に装着して、酸素飽和度を測定する。この実施例では、酸素飽和度の値は、遊泳者受発信装置10(外観時計の形状)の超音波発信部10eから発信する超音波により溺水センサー部40で計測した酸素飽和度の値が読み取られる。さらに、溺水センサー部40は、手の指に装着することも又は額に鉢巻状に巻いて装着することも可能である。
遊泳者受発信装置10の超音波発信部10eから指又は額に装着した溺水センサー部40により測定した酸素飽和度センサー10bのデータを読み取る。溺水センサー部40が心拍数もあわせて測定できる場合は、酸素飽和度の値とともに心拍数も遊泳者受発信装置10が読み取る。同様に遊泳者受発信装置10をベルトに配置した場合も、超音波発信部10eから発信する超音波により、指又は額に装着した溺水センサー部40により測定した酸素飽和度センサー10bのデータを読み取る。溺水センサー部40から信号が出力されるとき、外部から振動を受けると該検出信号にノイズが包含されるが、外部からのノイズは補正処理される。
【0062】
遊泳者受発信装置本体10の超音波受発信部10eへ送信された酸素飽和度データは、遊泳者受発信装置本体10の超音波受発信部10eから各ブイ30へ超音波が発信される。この場合は超音波データには、遊泳者受発信装置本体10の識別コードと溺水センサー部40の識別コード、そして酸素飽和度、心拍数さらに超音波受発信部10eから発信される時刻データが含まれる。これらのデータは、ブイ群30を介してサーバー1へ送信される。遊泳者受発信装置本体10は、腕以外にもウエア11を身体に保持するベルトに設置することも可能である。
【0063】
本実施例の場合も図6に示すと同様に各遊泳者の遊泳者受発信装置10から直接に逐次サーバー1に送信される。そして、同様の処理としてサーバー1においてデータをテキストデータに変換し、該テキストデータをさらに表計算用データに変換し、該表計算用データに変換したデータと異常値判断テーブルの値とを比較演算し、異常と判断したデータを該サーバー1の表示装置7へ表示するとともにネットワーク接続の端末装置9の表示表装置へ表示する。
【本発明の実施の形態における他実施例】
【0064】
【0065】
図4Bはウエア11の他実施例の構成を示すブロック図であり、ウエア11は、超音波受信装置11aと空気ボンベ栓11bと空気ボンベ11cと、発光体11eを設ける構成とする。空気ボンベ栓11bは遊泳者受発信装置10から発信される超音波の受信によって自動的に開栓するとともに発光体11eから発光する。遊泳者受発信装置10の超音波は発光体11bの発光を確認する。ここでの確認結果は、サーバー1へステータスとして送信する。一方、サーバー1側では、発光体11eの発光が確認できるまで、前記ステップ8で示すように、開栓されていないとみなし、結果の確認の応答があるまでループし、処理を繰り返す。
【本発明の実施の形態における他の実施例】
【0066】
【0067】
図12は、図3Aに示す構成のブイ30を屋内又は屋外のプールに配置した場合の実施例図である。それらプールにはブイ30はそれぞれ識別コードをサーバー1に登録し、GPS衛星20からのGPS電波の受信による位置確認を行い、通信回線を介して、各ブイ30の識別コードとともに位置がサーバー1に確認される。プール内は、ブイ群30に備える超音波発信機30dから超音波を発信する。超音波によって遊泳者が携帯した遊泳者受発信装置10の識別コードと、遊泳者受発信装置10に内蔵する酸素飽和度センサー10b、心拍センサー10c、及び深度センサー10dによって測定された値が読み取られる。これら信号はブイ群30の各識別コードとともにサーバー1へ送信される。
図12において、各ブイ群30の超音波は、プール全域に満遍なく届き、実際には、プールの隅々全域に超音波が行きわたっている。ブイ群30同士の超音波が届く領域が重複(オーバーラップ)している状態を示すが、前記と同様に、オーバーラップした領域に該当する遊泳者のデータは、オーバーラップした各ブイ群30からそれぞれ送信される。
【発明の効果】
【0068】
本発明は、遊泳中に遊泳者が酸素飽和度及び心拍数などに異常を発見した場合は、サーバー1が遊泳者が携帯した遊泳者受発信装置10に異常信号を送信し、遊泳者受発信装置10から発信する超音波によって遊泳者の装着するウエア11に空気が充填され、該ウエア11を自動的に膨張させて、遊泳者を水面に浮上させることができる。サーバー1は、前記ステップ8で示すように、結果の確認の応答があるまでループし、処理を繰り返すことにより、遊泳者の遊泳中における酸素飽和度以外の異常事態、例えば発作、けいれん等により応答ができない場合においても対応できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】遊泳場における遊泳者の救助システムの全体構成図
【図2】遊泳者受発信装置の構成図

【図5】異常値判断テーブル構成図
【図6】各遊泳者の遊泳者受発信装置からサーバー1に送信されるテキストデータ実施例図
【図7】サーバーの構成図
【図8】サーバーに記録する各遊泳者の個人データ実施例図

【図10】サーバーが異常を発見した場合の遊泳者へ信号を送信する構成図
【図11】各遊泳者が携帯する外観腕時計と各遊泳者の指に溺水センサーの構成図
【図12】は屋内・屋外のプールにブイ群30を配置した状態を示す平面概略図
【符号の説明】
1はサーバー
2は中央処理装置CPU
3はメモリROM、
4はメインメモリ
5はVRAM(ビデオラム)
6はHDD(ハードティスク)
7は表示装置
8は入力装置
9は端末装置
10は遊泳者受発信装置
10aは表示部
10bは酸素飽和度センサー
10cは心拍数センサー
10dは深度センサー
10eは超音波発信装置
10fは信号発信部(PHS、携帯電話)
10gはGPS装置
10hは時刻計時装置
10iはスイッチ
11はウエア
11aは超音波受信装置
11bは空気ホンベ栓
11c空気ボンベ
20はGPS衛星
30はブイ群
30aはGPS装置
30bはブイ識別コード
30cは情報発信部
30dは超音波受発信部
40溺水センサー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊泳場における各遊泳者の識別コード及び各遊泳者の遊泳中の状況を監視するサーバーと、該サーバーとのデータ送信可能な遊泳場に適宜配設する複数のブイと、前記サーバーに識別コードを登録した各遊泳者が携帯する受発信装置及び各遊泳者が着用するウエアからなるネットワークによる遊泳場における遊泳者の救助システムであって、
サーバーには、各遊泳者の識別コード及び各遊泳者の個人データを記録保存する機能と、外部との通信機能と、該通信機能により受信した信号をデータに変換し入力する機能と、該入力機能を介して入力されたデータ及び判断テーブルを記録保存する機能と、
前記入力機能により入力された各遊泳者のデータと判断テーブルのデータとを比較演算し判断する機能とを備え、
遊泳場に適宜配設する複数のブイにはGPS衛星からの信号受信機能とブイ識別コード機能と超音波発信機能とGPS機能とを備え、
各遊泳者が携帯する受発信装置には、受発信装置の識別コードと、GPS信号受信機能と、酸素飽和度測定機能と、心拍数測定機能と、前記サーバーとの受発信機能と、GPS機能と、超音波発信機能とを備え、
各遊泳者が着用するウエアには、該ウエアの識別コードと、ウエアが空気の注入により膨張する機能と、ウエアへの空気注入が前記受発信装置からの超音波により栓が開口する機能とを備えることを特徴とする遊泳場における遊泳者の救助システム。
【請求項2】
請求項1のサーバーにおけるデータ保存機能には各遊泳者の識別コードとともに各遊泳者の遊泳中及び遊泳開始前の酸素飽和度データを保存することを特徴とする遊泳場における遊泳者の救助システム。
【請求項3】
請求項1のサーバーは、異常と判断したデータを他のデータとは異なる特徴的表示により該サーバーの表示装置及びネットワーク接続の端末装置の表示装置に表示をすることを特徴とする遊泳場における遊泳者の救助システム。
【請求項4】
請求項1の各遊泳者が携帯する受発信装置における、酸素飽和度測定機能を酸素飽和度センサーとし、心拍数測定機能を心拍測定センサーとしたことを特徴とする遊泳場における遊泳者の救助システム。
【請求項5】
請求項1の各遊泳者が携帯する受発信装置における超音波の発信は、サーバーからの異常信号の受信により発信し又はサーバーからの異常信号を受信するブイからの超音波により発信することを特徴とする遊泳場における遊泳者の救助システム。
【請求項6】
請求項1の各遊泳者が携帯する受発信装置における超音波の発信は、該発信装置が備えるスイッチにより発信することを特徴とする遊泳場における遊泳者の救助システム。
【請求項7】
請求項1の各遊泳者が携帯する受発信装置は防水加工した外観を腕時計の形状としたことを特徴する遊泳場における遊泳者の救助システム。
【請求項8】
請求項1のウエアは、超音波受信装置と空気ボンベと空気ボンベ栓とを備え、空気ボンベの栓の開口により該空気ボンベ内の空気がウエアの内部へ充填しウエアが膨張することを特徴とする遊泳場における遊泳者の救助システム。
【請求項9】
請求項1のウエアは、超音波の受信により空気ボンベの栓を開口し、ウエア内部に空気を充填することを特徴とする遊泳場における遊泳者の救助システム。
【請求項10】
請求項1におけるサーバーは空気ホンベの栓が開口するのを確認できるまで該栓が開口されていないとみなして処理を繰り返すことを特徴する遊泳場における遊泳者の救助システム。
【請求項11】
通信信号を受信するステップと、
受信データを読み出すステップと、
受信データの各識別コードと遊泳者の識別コードとを照合するステップと、
遊泳場における遊泳中の各遊泳者から送信されるデータと判断テーブルのデータ群の値とを比較演算するステップと、
遊泳者から送信されたデータの値が判断テーブルのデータ群の値と同一又は超えたデータを異常と判断するステップと、
該判断ステップにおける異常と判断した識別コードの遊泳者に対して異常を発信するステップとからなることを特徴とするネットワークによる遊泳場における遊泳者の救助方法。
【請求項12】
通信信号を受信するステップと、
受信データを読み出すステップと、
受信データの各識別コードと遊泳者の識別コードとを照合するステップと、
遊泳開始前に各遊泳者の識別コードとともにサーバーの記録保存機能に保存した酸素飽和値及び心拍数の値と、各遊泳者から送信された酸素飽和値及び心拍数の値と判断テーブルのデータ群とを比較演算するステップと、
判断テーブルのデータ群のいずれかの値と同一又は超えている場合に異常と判断するステップとからなることを特徴とするネットワークによる遊泳場における遊泳者の救助方法。
【請求項13】
通信信号を受信するステップと、
受信データを読み出すステップと、
受信データの各識別コードと遊泳者の識別コードとを照合するステップと、
遊泳開始前に各遊泳者の識別コードとともにサーバーの記録保存機能に保存した酸素飽和値及び心拍数の値と、各遊泳者から送信された酸素飽和値及び心拍数の値とを比較演算するステップと、
各遊泳者から送信される酸素飽和値及び心拍数の値が前記遊泳開始前に予めサーバーに登録保存した酸素飽和値及び心拍数の値と同一又は超えている場合を異常と判断するステップとからなることを特徴とする遊泳場における遊泳者の救助方法。
【請求項14】
遊泳場における遊泳者救助システムに係るネットワークサーバーを、
通信信号を受信する手段と、
受信データを読み出す手段と、
受信データの各識別コードと遊泳者の識別コードとを照合する手段と、
遊泳開始前に各遊泳者の識別コードとともにサーバーの記録保存機能に保存した酸素飽和値及び心拍数の値と、各遊泳者から送信された酸素飽和値及び心拍数の値とを比較演算する手段と、
各遊泳者から送信される酸素飽和値及び心拍数の値が判定用データにおける酸素飽和値及び心拍数の値と同一又は超えている場合を異常と判断する手段と、
異常信号を発信する手段と、
返答を確認する手段と、
返答の確認があるまで異常信号の発信を繰り返す手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3】
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【図4】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9】
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【図9】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−69514(P2006−69514A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291949(P2004−291949)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000108362)東芝パソコンシステム株式会社 (9)