説明

ハンズフリー通話システム

【課題】ハンズフリー通話システムを用いて通話を行う場合において、カーナビゲーション機能における経路案内と実際のハンドル操作とを間違え難いハンズフリー通話システムを提供する。
【解決手段】ハンズフリー通話システム1の音声出力選択手段18は、車両位置と次に曲がるべき交差点の位置との距離が、交差点での音声ガイドを開始する必要のある距離よりも短い場合に、曲がるべき方向側に設置されるスピーカ17a(17b)からハンズフリー通話における通話相手の音声を出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハンズフリー通話システムに関し、より詳細には、カーナビゲーションシステムにおける経路案内に応じて、ハンズフリー通話の通話相手の音声を出力させるスピーカを切り替えることが可能なハンズフリー通話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話が普及した今日では、自動車の運転中に携帯電話を用いて会話したいというニーズが存在する。このため、運転操作に集中しながら会話できるように、車両にマイクを設けて音声を通話相手に伝達し、通話相手からの音声を車両に設置されるスピーカから出力させるハンズフリー通話システムが知られている。
【0003】
一方で、近年では、カーナビゲーションシステムが普及しており、車両のスピーカから経路案内用の音声ガイドなどが出力される構成となっている。このため、ハンズフリー通話システムの機能が設けられたカーナビゲーションシステムが開発されている。
【0004】
しかしながら、1つのスピーカから経路案内用の音声ガイドとハンズフリー通話用の通話音声との両方を同時に出力すると、通話音声も音声ガイドも聞き取り難くなってしまうおそれがある。このため、経路案内用の音声ガイドを出力する場合には、他の音声等(例えば、ハンズフリー通話用の通話音声やステレオ音楽放送)を運転席から遠いスピーカだけから出力させて、経路案内用の音声ガイドを運転席から近いスピーカから出力させる音声出力制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このようにして、経路案内用の音声ガイドを運転席に近いスピーカから出力することにより、音声ガイドを聞き取りやすくすることができる。また、ハンズフリー通話用の通話音声等を運転席より遠いスピーカから出力することにより、音声ガイドが出力されている場合も、通話を継続して行うことが可能となる。
【0006】
また、ハンズフリー通話システムにおいては、運転者の話し声を集音するためのマイクが運転席近傍に設置されることが多いため、ハンズフリー通話用の通話音声等を運転席から遠いスピーカから出力することにより、ハウリングなどの発生を抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006―295443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した音声出力制御装置を用いた場合には、例えば、右折を行うための音声ガイドが出力されるときに、左側のスピーカからハンズフリー通話用の通話音声が出力されることになる。このため、運転者は、右折を行うべき交差点において、ハンズフリー通話用の通話音声が出力される左側方向に無意識にハンドルを切ってしまうおそれがあった。特に、ハンズフリー通話中に会話が弾んだ場合などにおいては、意識が会話に流れてしまうおそれがある。このため、通話音声の出力が右側のスピーカから左側のスピーカへと切り替えられると、無意識に切り替えられた方向へとハンドルを切ってしまうおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ハンズフリー通話用の通話音声の出力方向が切り替えられた場合であっても、カーナビゲーション機能における経路案内と実際のハンドル操作とを間違え難いハンズフリー通話システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係るハンズフリー通話システムは、車両位置検出手段により検出された車両位置と、ユーザにより設定された目的地情報とに基づいて目的地までの経路検索を行い、該経路検索の結果に従って、車両走行に伴って変化する車両位置に対する経路案内画像を表示手段に表示させると共に音声ガイドにより進行方向の案内を行って、車両を目的地まで誘導するカーナビゲーション機能を備えたハンズフリー通話システムであって、通話相手の音声を無線通信回線を介して取得する音声取得手段と、前記音声取得手段により取得された前記音声を出力可能な右側スピーカおよび左側スピーカと、前記車両位置検出手段により検出された現在の車両位置と前記経路検索により求められる次に曲がるべき交差点の位置との距離を求める距離検出手段と、次に曲がるべき交差点において曲がるべき方向を前記経路検索の結果に基づいて求める曲がり方向検出手段と、前記音声取得手段により取得された前記音声を出力するためのスピーカを前記右側スピーカまたは左側スピーカの少なくとも一方に決定し、決定されたスピーカから前記音声を出力させる音声出力選択手段とを有し、該音声出力選択手段は、前記距離検出手段により求められた前記距離が、次の交差点で曲がるべき旨の前記音声ガイドを開始する必要のある距離よりも短い場合に、前記右側スピーカまたは前記左側スピーカのうち、前記曲がり方向検出手段により求められた曲がるべき方向側に設置されるスピーカを、前記音声を出力するためのスピーカと決定して、当該スピーカから前記音声を出力させることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るハンズフリー通話システムでは、距離検出手段により求められた距離が音声ガイドを開始する必要のある距離よりも短い場合に、音声出力選択手段が、曲がるべき方向側に設置されたスピーカから音声を出力させる。従って、音声ガイドによる経路案内が右折方向の場合には通話相手の音声が右側スピーカから出力されることになり、経路案内が左折方向の場合には通話相手の音声が左側スピーカから出力されることになる。
【0012】
このため、ハンズフリー通話中に会話が弾む場合などにおいて、運転者が、通話相手の音声が出力される方向へと、無意識のうちにハンドルを切ってしまう場合であっても、音声ガイドにより経路案内される方向とハンドルを切る方向とが一致することになり、結果として、経路案内において正しい方向に車両を進めることが可能となる。
【0013】
また、上記ハンズフリー通話システムにおいて、前記音声出力選択手段は、前記距離検出手段により求められた前記距離が、次の交差点で曲がるべき旨の前記音声ガイドを開始する必要のある距離よりも長い場合に、前記右側スピーカと前記左側スピーカとの両方のスピーカを、前記音声を出力するためのスピーカと決定して、両方のスピーカから前記音声を出力させるものであってもよい。
【0014】
本発明に係るハンズフリー通話システムでは、距離検出手段により求められた距離が音声ガイドを開始する必要のある距離よりも長い場合に、右側スピーカと左側スピーカとの両方のスピーカから音声を出力させる。
【0015】
このように、音声ガイドを行う必要のある距離よりも車両位置が離れている(遠い)場合には、音声ガイドにより報知を行う状況ではない。このため、ハンズフリー通話中の音声を左右両方のスピーカから出力することにより、会話内容を聞き取りやすくすることができ、会話を邪魔することなく運転中の会話を楽しませることが可能となる。
【0016】
さらに、上記ハンズフリー通話システムは、前記車両の進行方向を方位検出に基づいて検出する進行方向検出手段を有し、前記音声出力選択手段は、前記距離検出手段により求められた前記距離が、次の交差点で曲がるべき旨の前記音声ガイドを開始する必要のある距離よりも短い場合に、前記右側スピーカまたは前記左側スピーカのうち前記曲がり方向検出手段により求められた曲がるべき方向側に設置されるスピーカを、前記音声を出力するためのスピーカと決定して、当該スピーカから前記音声を出力させ、その後に、前記進行方向検出手段により前記車両の進行方向が前記交差点で曲がるべき方向に変更されたことが検出された場合に、前記音声出力選択手段は、前記右側スピーカと左側スピーカとの両方のスピーカを、前記音声を出力するためのスピーカと決定して、両方のスピーカから前記音声を出力させるものであってもよい。
【0017】
本発明に係るハンズフリー通話システムでは、曲がるべき方向側に設置されるスピーカから音声を出力させた後に、車両の進行方向が交差点で曲がるべき方向に変更された場合に両方のスピーカから音声を出力させる。
【0018】
交差点において車両が曲がり終わると車両の進行方向が曲がるべき方向を向くことになる。従って、進行方向検出手段により車両の進行方向が交差点で曲がるべき方向に変更されたと検出された場合には、該当する交差点を通過したと判断することができる。
【0019】
このため、交差点を通過して音声ガイドにより経路案内を行う必要がなくなった場合には、ハンズフリー通話中の音声の出力を、左右一方のスピーカによる出力から、左右両方のスピーカによる出力へと変更することにより、会話内容を聞き取りやすくすることができ、会話を邪魔することなく運転中の会話を楽しませることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るハンズフリー通話システムでは、距離検出手段により求められた距離が音声ガイドを開始する必要のある距離よりも短い場合に、音声出力選択手段が、曲がるべき方向側に設置されたスピーカから音声を出力させる。従って、音声ガイドによる経路案内が右折方向の場合には通話相手の音声が右側スピーカから出力されることになり、経路案内が左折方向の場合には通話相手の音声が左側スピーカから出力されることになる。
【0021】
このため、ハンズフリー通話中に会話が弾む場合などにおいて、運転者が、通話相手の音声が出力される方向へと、無意識のうちにハンドルを切ってしまう場合であっても、音声ガイドにより経路案内される方向とハンドルを切る方向とが一致することになり、結果として、経路案内において正しい方向に車両を進めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態に係るハンズフリー通話システムの概略構成を示したブロック図である。
【図2】実施の形態に係る制御部の処理内容を示したフローチャートである。
【図3】(a)は、右折すべき旨の音声ガイドが行われる場合に実施の形態に係る表示モニタに表示される表示画像を示し、(b)は、(a)に示される画像が表示モニタに表示される場合に通話相手の音声が出力されるスピーカを示した図である。
【図4】(a)は、左折すべき旨の音声ガイドが行われる場合に実施の形態に係る表示モニタに表示される表示画像を示し、(b)は、(a)に示される画像が表示モニタに表示される場合に通話相手の音声が出力されるスピーカを示した図である。
【図5】(a)は、音声ガイドを行う必要がある距離範囲に車両が位置していない(車両が遠い場所に位置する)場合に、実施の形態に係る表示モニタに表示される表示画像を示し、(b)は、(a)に示される画像が表示モニタに表示される場合に通話相手の音声が出力されるスピーカを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るハンズフリー通話システムの一例を実施の形態として示し、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、実施の形態に係るハンズフリー通話システムの概略構成を示したブロック図である。ハンズフリー通話システム1は、カーナビゲーションシステムとしての機能(カーナビゲーション機能)を備えており、ハンズフリー通話を行うと共に、カーナビゲーションシステムとして機能することが可能となっている。また、ハンズフリー通話システム1は、ハンズフリー通話を行わない場合には、カーナビゲーションシステムとして機能することも可能であり、さらに、カーナビゲーション機能による経路案内を行うことなく、ハンズフリー通話による会話を行うことも可能となっている。
【0025】
ハンズフリー通話システム1は、図1に示すように、現在位置検出部(車両位置検出手段)10と、VICS(登録商標)情報受信部11と、入力操作部12と、画像メモリ部(VRAM(Video RAM))13と、表示モニタ(表示手段)14と、タッチパネル部15と、地図データ記録部16と、右側スピーカ17aと、左側スピーカ17bと、制御部(距離検出手段、曲がり方向検出手段、音声出力選択手段)18と、RAM(Random Access Memory)19と、ROM(Read Only Memory)20と、ハンズフリー機能部(音声取得手段)21とを有している。
【0026】
現在位置検出部10は、ハンズフリー通話システム1が搭載された車両の現在位置を検出する役割を有している。現在位置検出部10は、振動ジャイロ(進行方向検出手段)10a、車速センサ10b、GPS(Global Positioning System)センサ10cを有している。振動ジャイロ10aは、車両の進行方向(進行方向の方位)を検出する機能を備えている。車速センサ10bは、車両に設置されるパルス発生器より車両の走行距離に応じて発せられるパルスを検出することにより車速を検出する役割を有している。GPSセンサ10cはGPS衛星からのGPS信号を検出する役割を有しており、制御部18では、受信したGPS信号によって、車両の現在位置を座標位置(例えば、世界測地系(WGS84)に基づく緯度・経度情報)に基づいて検出をすることが可能となっている。
【0027】
VICS情報受信部11は、VICS情報を受信する役割を有している。VICS情報は、VICS情報センタ(図示省略)によって供給される情報であって、最新の渋滞情報などの道路状況を示した情報である。VICS情報は、主に高速道路上に設置される電波ビーコンや主に一般道路上に設置される光ビーコンによって発信される。このため、VICS情報受信部11を備えた車両は、電波ビーコンや光ビーコンの設置位置近傍を通過することにより、VICS情報受信部11で、確実にVICS情報を受信することが可能となっている。
【0028】
一方で、VICS情報は、FM多重放送によって送信される場合も存在する。FM多重放送でVICS情報を送信することにより、電波ビーコンや光ビーコンよりも広域に対してVICS情報を送信することができる。VICS情報受信部11では、電波ビーコンや光ビーコンにより発信されるVICS情報の他に、FM多重放送によって送信されるVICS情報を受信することにより、広域での交通情報を確実に取得することが可能となっている。VICS情報受信部11によって受信されたVICS情報は、制御部18へ出力される。
【0029】
入力操作部12は、タッチパネル部15によるタッチ操作以外の操作方法によって、ハンズフリー通話システム1における各種操作を行う際に用いられる。具体的には、ハンズフリー通話システム1の筐体に設けられる物理的なスイッチ・ボタンなどの他、リモコンなどが、入力操作部12に該当する。
【0030】
画像メモリ部13は、表示モニタ14に表示するための画像データを一時的に格納する役割を有している。この画像データは、制御部18が、現在位置検出部10より取得した車両の現在位置情報や、ユーザにより設定された目的地の情報などに基づいて、地図データ記録部16より地図データを抽出し、各種画像情報を合成することによって適宜生成される。制御部18では、生成された画像データを画像メモリ部13に記録させ、画像メモリ部13に記録された画像データは順次、ハンズフリー通話システム1の表示モニタ14に地図表示等として表示されることになる。
【0031】
表示モニタ14は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面に表示する役割を有している。表示モニタ14として、例えば、液晶モニタやCRTモニタなどを具体的に用いることができる。また、表示モニタ14には、ハンズフリー通話システム1における操作メニュー等をアイコンを用いて表示させることも可能となっている。
【0032】
タッチパネル部15は、ユーザが指で表示モニタ14の表面をタッチしたか否かを判断し、タッチされた場合には、タッチ位置に基づいてユーザによる入力処理の判断を行う役割を有している。タッチパネル部15は、タッチ検出部15aと、タッチコントロール部15bとを有している。
【0033】
タッチ検出部15aは、表示モニタ14の表面に積層される透明のタッチスイッチなどにより構成されている。タッチ検出部15aは、入力操作部12のような物理的なスイッチとは異なる検出手段であり、表示モニタ14の表示画面におけるタッチ操作の有無を、静電方式や感圧方式などの検出方式に基づいて検出する。タッチ検出部15aは、透明のタッチスイッチなどにより構成されるため、ユーザは、タッチ検出部15aを介して表示モニタ14に表示される表示画像等を視認することが可能となっている。
【0034】
タッチコントロール部15bは、タッチ検出部15aと制御部18との間に介在されている。タッチコントロール部15bは、タッチ検出部15aにおいて検出した信号(タッチ操作による信号)に基づいてタッチパネル部15におけるタッチ位置を算出し、制御部18へ出力する。
【0035】
地図データ記録部16は、ハードディスク、SSD、DVD―ROM、CD−ROM、SDカードなど、地図データを記録可能な一般的な補助記憶装置により構成されている。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含んでおり、地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データとして、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データが用意されているため、この地図表示用データを用いることによって、ユーザの要求に応じて表示地図の縮尺を変更することが可能となっている。
【0036】
なお、地図データ記録部16とは別に、SDカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カードなどに記録されたデータの読み出しおよび書き込みを行うための第2データ記録部を設けることも可能である。今日のカーナビゲーションシステムでは、音楽の読み取り機能および再生機能を備えるものが多い。このため、SDカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カードなどに記録される音楽データを直接読み出して音楽の再生を行ったり、音楽データを読み出して地図データ記録部16に記録したりすることにより、ハンズフリー通話システム1における音楽の楽しみを高めることが可能となる。
【0037】
スピーカ17a、17bは、ユーザに対して、ナビゲーション中にルート誘導を行うための音声案内ガイドを出力したり、ハンズフリー通話における通話相手の会話音声を出力したりする役割を有している。
【0038】
本実施の形態においては、図3(b)、図4(b)および図5(b)に示すように、前席の右側(運転席側)位置に設置される右側スピーカ17a(例えば、運転席側の前ドアの側面に室内方向に向けて設置されているスピーカ)と、前席の左側(助手席側)位置に設置される左側スピーカ17b(例えば、助手席側の前ドアの側面に室内方向に向けて設置されているスピーカ)との左右2つのスピーカが車両30に設置されている。この左右のスピーカ17a、17bにおける出力音の制御は、制御部18により行われる。
【0039】
制御部18は、ユーザによって設定される目的地までのルート検索や、検索されたルートに基づく画像生成処理や、音声案内出力処理など、カーナビゲーション機能における各種処理を行う役割を有している。また、制御部18は、ハンズフリー機能部21を介して取得された携帯電話などの通話相手の音声などを右側スピーカ17aと左側スピーカ17bとに振り分ける役割などを有している。その詳細については、後述する。制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成される。
【0040】
RAM19は、制御部18の作業エリアとしての役割を有している。例えば、カーナビゲーション機能を用いて経路案内を行う場合において、次の交差点において右折を行うべきか左折を行うべきかを示す右左折判断フラグや、右左折を行うための右左折案内モード状態であるか否かを示す右左折モード判断フラグ等が、RAM19の所定領域に一時的に記録されることになる。
【0041】
また、RAM19には、例えば、振動ジャイロ10aにより検出される車両の進行方向の情報(車両の方位情報)や、車速センサ10bにより検出される車両の速度情報や、GPSセンサ10cにより検出される車両の位置情報や、制御部18が経路検索の結果に基づいて検出する「次の交差点で曲がるべき方向」に関する情報や、曲がるべき交差点から現在の車両位置までの距離に関する情報などが一時的に記録される。制御部18では、RAM19から必要な情報を読み出すことによって、さまざまな判断処理を行って、後述する処理(図2に示す処理)を実行する。
【0042】
また、ROM20は、制御部18において実行されるBIOS(Basic Input/Output System)やブートプログラムなどの各種プログラムなどが記録されている。制御部18は、ROM20よりプログラムを読み込んで実行することにより各種の制御処理を行うことが可能となる。例えば、ROM20には、次述する図2に示すようなプログラムが記録される。また、ROM20には、予め設定される情報として、次の交差点で曲がるべき旨の音声ガイドを開始する必要のある距離に関する情報が記録されている。本実施の形態においては、次述するように50メートルの値が一例として記録される。
【0043】
ハンズフリー機能部21は、携帯電話(無線通信回線を通じて音声情報の送受信を行う通信手段)とハンズフリー通話システム1とを接続する役割を有している。具体的には、有線ケーブルを介して携帯電話とハンズフリー通話システム1との接続を行うための端子部分や、携帯電話とハンズフリー通話システム1との接続を行うためのBluetooth(近距離無線通信規格:登録商標)による通信機器を備えて、通話音声情報やデータ情報などの送受信接続を行う役割を有している。受信された通話音声情報は、制御部18において出力するスピーカの選択処理などが行われて、右側スピーカ17a・左側スピーカ17bのいずれか、又は両方から出力されることになる。ハンズフリー機能部21では、通話音声情報を取得した場合に、携帯電話を用いたハンズフリー通話が行われているものと判断する。
【0044】
また、ハンズフリー機能部21は、運転者の会話を集音するためのマイク(図示省略)を備えている。ハンズフリー通話を行う場合には、マイクにより運転者の発した音声が集音されて、運転者の音声が携帯電話を介して通話相手に伝達されることになる。
【0045】
本実施の形態に係る制御部18では、ROM20より各種プログラムを読み出して実行することにより、カーナビゲーション機能により経路案内が行われている状態であって、ハンズフリー通話機能を用いて携帯電話で会話を行っている場合に、カーナビゲーション機能により経路案内が行われる方向に応じて、通話相手の音声を出力するスピーカの切り替え処理を行う。以下、通話音声の出力先となるスピーカの切り替え処理について説明する。
【0046】
図2は、制御部18におけるハンズフリー通話処理の処理内容を示したフローチャートである。制御部18は、ROM20より所定のプログラムを読み込んで、図2に示すハンズフリー通話処理を実行する。なお、図2に示す処理内容は、カーナビゲーション機能による経路案内が行われている場合であって、さらに、ハンズフリー機能部21を介して携帯電話でユーザがハンズフリー通話を行っている場合に実行される処理内容を示している。従って、経路案内が行われているがハンズフリー通話を行っていない場合や、経路案内が行われていない状態でハンズフリー通話を行っている場合には、図2に示すようなハンズフリー通話の音声切り替え処理は行われない。
【0047】
まず、制御部18は、ハンズフリー機能部21よって携帯電話と接続され、携帯電話による通話が行われている状態(ハンズフリー通話状態)であるか否かの確認を行う(ステップS.1)。ハンズフリー機能部21は、制御部18からの確認に応じて、通話状態であるか否かの情報を制御部18に出力する。
【0048】
ハンズフリー機能部21より受信した情報に基づいて、制御部18がハンズフリー通話状態でないと判断した場合(ステップS.1においてNoの場合)、制御部18は、そのまま処理を終了する。
【0049】
一方で、制御部18がハンズフリー通話状態であると判断した場合(ステップS.1においてYesの場合)、制御部18は、車速センサ10bより速度情報を取得して(ステップS.2)、車両が走行中であるか否かの判断を行う(ステップS.3)。車速センサ10bより取得した速度情報に基づいて、車両が走行中であると判断された場合(ステップS.3においてYesの場合)、制御部18は、振動ジャイロ10aおよびGPSセンサ10cより車両の位置情報および進行方向を取得し(ステップS.4)、カーナビゲーション機能に従って、次に車両を右折または左折させる交差点までの距離を検出する(ステップS.5)とともに、交差点において曲がる方向の検出を行う(ステップS.6)。
【0050】
具体的に、制御部18は、地図データ記録部16に記録される地図情報、および、図2に示す処理が開始される前に設定された目的地に応じた経路案内情報と、車両の現在位置・進行方向に関する情報とに基づいて、次に右折あるいは左折を行う交差点までの距離と曲がる方向(右折あるいは左折)の検出を行う。
【0051】
そして、制御部18は、右折または左折に関する音声ガイドを行う必要がある距離範囲に、車両から交差点までの距離が該当するか否かの判断を行う(ステップS.7)。カーナビゲーション機能では、例えば、「50メートル先の交差点を右折(あるいは左折)します。」などの音声ガイドが出力され、交差点に車両が進入した状態(例えば、交差点までの距離が5メートル以内)において、「この交差点を右折(あるいは左折)します。」などの音声ガイドが出力される。このため、例えば、車両から右左折を行う交差点までの距離が、50メートル〜0メートルまでの距離に該当する(距離範囲に含まれる)場合には、音声ガイドを行う必要がある距離範囲に該当することになる。
【0052】
右折または左折に関する音声ガイドを行う必要がある距離範囲に、車両から交差点までの距離が該当する場合(ステップS.7においてYesの場合)、制御部18は、上述したような距離に応じた音声ガイド出力を行う(ステップS.8)。ここで、制御部18は、音声ガイドを右側スピーカ17aおよび左側スピーカ17bの両方のスピーカから出力させる。このように左右両方のスピーカ17a、17bから音声ガイドの出力を行うことにより、ハンズフリー通話を行っている運転者に対して、より確実に次に曲がるべき方向を報知することが可能となる。
【0053】
さらに、制御部18は、ステップS.6において求められた曲がる方向が右であるか否かを判断(ステップS.9)する。曲がる方向が右である場合(ステップS.9においてYesの場合)に、制御部18は、ハンズフリー通話中の通話相手の音声が、右側スピーカ17aのみから出力されるように設定(ハンズフリー通話による通話相手の音声が、左側スピーカ17bから出力されないように設定)して、通話相手の音声を右側スピーカ17aから出力する処理を行う(ステップS.10)。
【0054】
図3(a)は、音声ガイドを行う必要がある距離範囲(本実施の形態では、交差点の50メートル手前から0メートルまでの範囲)であって、曲がる方向が右である場合における表示モニタ14の表示内容を示している。図3(a)において三角印は車両Cを示している。図3(a)に示すように、交差点Iの50メートル手前を過ぎてから交差点Iに進入し終わるまで(交差点Iまでの距離が0メートルとなるまで)の間に車両Cが位置する場合には、図3(b)に示すように、車両30の前席に設けられた右側スピーカ17aおよび左側スピーカ17bのうち、右側スピーカ17aからのみ通話相手の音声を出力し、左側スピーカ17bからは通話相手の音声を出力しない。
【0055】
一方で、曲がる方向が右でない(左折である)場合(ステップS.9においてNoの場合)に、制御部18は、ハンズフリー通話中の通話相手の音声が、左側スピーカ17bのみから出力されるように設定(ハンズフリー通話による通話相手の音声が、右側スピーカ17aから出力されないように設定)して、通話相手の音声を左側スピーカ17bから出力する処理を行う(ステップS.11)。
【0056】
図4(a)は、音声ガイドを行う必要がある距離範囲(本実施の形態では、交差点の50メートル手前から0メートルまでの範囲)であって、曲がる方向が左である場合における表示モニタ14の表示内容を示している。図4(a)において三角印は車両Cを示している。図4(a)に示すように、交差点Iの50メートル手前を過ぎてから交差点Iに進入し終わるまで(交差点Iまでの距離が0メートルとなるまで)の間に車両Cが位置する場合には、図4(b)に示すように、車両30の前席に設けられた右側スピーカ17aおよび左側スピーカ17bのうち、左側スピーカ17bからのみ通話相手の音声を出力し、右側スピーカ17aからは通話相手の音声を出力しない。
【0057】
このように、音声の出力制御を行うことにより、カーナビゲーション機能における経路案内が右折方向の場合には、ハンズフリー通話における通話相手の音声が、右側スピーカ17aから出力されることになり、カーナビゲーション機能における経路案内が左折方向の場合にはハンズフリー通話における通話相手の音声が、左側スピーカ17bから出力されることになる。
【0058】
このため、会話が弾む場合などにおいて、運転者が無意識のうちに通話相手の音声の出力される方向へとハンドルを切ってしまう場合であっても、経路案内において案内される方向とハンドルを切る方向とが一致することになり、結果として、経路案内において正しい方向に車両を進めることが可能となる。
【0059】
特に、経路案内の音声ガイドは、上述したように、交差点の50メートル手前、あるいは交差点の進入時などのように、一定間隔ごとに(交差点までの距離に応じてポイント、ポイントごとに)出力される。一方で、ハンズフリー通話による通話相手の音声は、音声ガイドを行う必要がある距離範囲を車両が走行している間中、経路案内に伴って曲がるべき方向側のスピーカから出力され続けることになる。このため、音声ガイドよりも長い時間、通話相手の音声をスピーカから聞くことになり、運転者が無意識のうちに通話相手の音声が出力される方向へとハンドルを切ってしまう可能性が高くなる傾向がある。
【0060】
従って、経路案内において案内される音声ガイドの出力方向と、通話相手の音声が出力されるスピーカの設置方向とを一致させることにより、無意識のうちにハンドルを切る方向が、結果として、経路案内において正しい方向となり、意図せず経路案内から車両が外れてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0061】
さらに、経路案内において案内される音声ガイドの出力方向と、通話相手の音声が出力されるスピーカの設置方向とを一致させることにより、音声ガイドの内容が右折か左折かを明確に聞き取れなかった場合であっても、通話相手の音声が出力される方向が音声ガイドにより指示される方向であると判断することができるので、容易に車両の右左折方向を判断することが可能となる。
【0062】
また、音声ガイドは左右のスピーカ17a、17bから出力されるのに対して、通話相手の音声は、曲がるべき方向側のスピーカからしか出力されない。このため、片方のスピーカからしか出力されない通話相手の音声よりも、両方のスピーカから出力される音声ガイドの音声の方が、比較的耳に入りやすくすることができる。従って、曲がるべき方向を指示する音声ガイドが、運転者に対して聴覚的に認識されやすくなる。
【0063】
ステップS.10またはステップS.11に示す音声の出力制御を行った後、制御部18は、処理をステップS.1に示したハンズフリー通話状態の判断処理に移行して、上述した処理を繰り返し実行する。
【0064】
一方で、車両が走行中でないと判断された場合(ステップS.3においてNoの場合)、また、音声ガイドを行う必要がある距離範囲に該当しない場合(ステップS.7においてNoの場合)に、制御部18は、ハンズフリー通話中の通話相手の音声を、左右のスピーカ17a、17bからそれぞれ出力するように設定して、左右のスピーカ17a、17bから出力する処理を行う(ステップS.12)。
【0065】
図5(a)は、音声ガイドを行う必要がある距離範囲に車両が位置していない場合(車両の位置が遠い場合、本実施の形態では、交差点から50メートルより遠く離れている場合)における表示モニタ14の表示内容を示している。図5(a)において三角印は車両Cを示している。図5(a)に示すように、交差点Iから50メートルよりも遠く離れた位置に車両Cが位置している場合には、図5(b)に示すように、車両30の前席に設けられた右側スピーカ17aおよび左側スピーカ17bの両方から通話相手の音声を出力する。
【0066】
このように、車両が走行中でない場合、および、音声ガイドを行う必要がある距離範囲に該当しない場合(次に曲がるべき交差点の50メートル手前よりも離れている場合)には、次に曲がるべき交差点について音声ガイドによる報知を行う状況ではないため、ハンズフリー通話による音声を左右両方のスピーカ17a、17bから出力することにより、会話内容を聞き取りやすくすることができ、運転者の会話を邪魔することなく運転中の会話を楽しませることが可能となる。
【0067】
その後、制御部18は、処理をステップS.1に示したハンズフリー通話状態の判断処理に移行して、上述した処理を繰り返し実行する。
【0068】
このように、実施の形態に係るハンズフリー通話システム1では、カーナビゲーション機能における経路案内が右折方向の場合には、ハンズフリー通話における通話相手の音声が右側スピーカ17aから出力されることになる。一方で、カーナビゲーション機能における経路案内が左折方向の場合には、ハンズフリー通話における通話相手の音声が左側スピーカ17bから出力されることになる。このため、ハンズフリー通話中に会話が弾む場合などであって、運転者が無意識のうちに通話相手の音声が出力される方向へとハンドルを切ってしまう場合であっても、経路案内において案内される方向とハンドルを切る方向とが一致することになり、結果として、経路案内において正しい方向に車両を進めることが可能となる。
【0069】
以上、本発明に係るハンズフリー通話システムについて、上述した一例を示して詳細に説明を行ったが、本発明に係るハンズフリー通話システムは、上述した例に限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0070】
例えば、上述した実施の形態に示すハンズフリー通話システム1では、音声ガイドを行う必要がある距離範囲として、交差点の50メートル手前から0メートルまでの範囲を一例として示したが、音声ガイドを行う必要がある距離範囲は、この範囲に限定されない。
【0071】
例えば、高速道路のように車両の平均速度が速い状況では、100〜200メートル手前から、ジャンクション等に関する経路案内などが行われることが多い。このような場合には、音声ガイドを行う必要がある距離範囲を100〜200メートルに設定し、経路案内に従って曲がるべき方向に対応するスピーカから通話相手の音声を出力する構成とすることも可能である。
【0072】
さらに、上述した実施の形態に示すハンズフリー通話システム1では、カーナビゲーション機能における経路案内が右折方向の場合にはハンズフリー通話における通話相手の音声が右側スピーカ17aのみから出力されて左側スピーカ17bからは出力されず、カーナビゲーション機能における経路案内が左折方向の場合にはハンズフリー通話における通話相手の音声が、左側スピーカ17bのみから出力されて右側スピーカ17aからは出力されない構成について説明した。しかしながら、例えば、経路案内が右折方向の場合には通話相手の音声が右側スピーカ17aと左側スピーカ17bとの両方から出力されるが、左側スピーカ17bより出力される音声に対して通話相手の音声の逆特性(逆の周波数特性を備えた音声)を付加することにより、左側スピーカ17bより出力される音声の低減を図り、また、経路案内が左折方向の場合には通話相手の音声が右側スピーカ17aと左側スピーカ17bとの両方から出力されるが、右側スピーカ17aより出力される音声に対して通話相手の音声の逆特性(逆の周波数特性を備えた音声)を付加することにより、右側スピーカ17bより出力される音声の低減を図る構成とすることも可能である。
【0073】
このように通話相手の音声を出力したくない側のスピーカの出力に対して通話相手の音声の逆特性を付加することによって、通話音声の出力を左右のスピーカごとに切り替えるのではなく、左右それぞれのスピーカから常に通話音声の出力を行うことを前提として、適宜逆特性を付加する制御処理を行うことが可能となる。このようにして、一方のスピーカから出力される通話相手の音声を低減させる場合であっても、上述した実施の形態に係るハンズフリー通話システム1と同様の効果を奏することが可能である。
【0074】
また、上述した実施の形態においては、制御部18は、振動ジャイロ10aおよびGPSセンサ10cより車両の位置情報および進行方向を取得して(図2のステップS.4)、次に車両を右折または左折させる交差点までの距離を検出し(図2のステップS.5)、音声ガイドを行う必要がある距離範囲に、車両から交差点までの距離が該当するか否かの判断を行っている(図2のステップS.7)。そして、車両から交差点までの距離が、音声ガイドを行う必要がある距離範囲に該当する場合には、交差点における右左折が終わっていない状況(音声ガイドを行うべき状況)であると判断して、左右のいずれか一方のスピーカのみから通話相手の音声を出力する。
【0075】
しかしながら、交差点における右左折が終わっていない状況は、音声ガイドを行う必要がある距離範囲に基づいて(車両から交差点までの距離に基づいて)決定されるものだけには限定されない。例えば、車両が交差点で右折または左折した場合には、車両の進行方向(進行する方位)が変化するため、振動ジャイロ10aにより求められる車両の進行方向変化により、車両が交差点を右折または左折したものと制御部18が判断して、通話相手の音声の出力を、左右いずれか一方のスピーカによる出力から、左右両方のスピーカ17a、17bによる出力に切り替える構成にすることも可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 …ハンズフリー通話システム
10 …現在位置検出部(車両位置検出手段)
10a …振動ジャイロ(進行方向検出手段)
10b …車速センサ
10c …GPSセンサ
11 …VICS情報受信部
12 …入力操作部
13 …画像メモリ部
14 …表示モニタ(表示手段)
15 …タッチパネル部
15a …タッチ検出部
15b …タッチコントロール部
16 …地図データ記録部
17a …右側スピーカ
17b …左側スピーカ
18 …制御部(距離検出手段、曲がり方向検出手段、音声出力選択手段)
19 …RAM
20 …ROM
21 …ハンズフリー機能部(音声取得手段)
30、C …車両
I …交差点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両位置検出手段により検出された車両位置と、ユーザにより設定された目的地情報とに基づいて目的地までの経路検索を行い、該経路検索の結果に従って、車両走行に伴って変化する車両位置に対する経路案内画像を表示手段に表示させると共に音声ガイドにより進行方向の案内を行って、車両を目的地まで誘導するカーナビゲーション機能を備えたハンズフリー通話システムであって、
通話相手の音声を無線通信回線を介して取得する音声取得手段と、
前記音声取得手段により取得された前記音声を出力可能な右側スピーカおよび左側スピーカと、
前記車両位置検出手段により検出された現在の車両位置と前記経路検索により求められる次に曲がるべき交差点の位置との距離を求める距離検出手段と、
次に曲がるべき交差点において曲がるべき方向を前記経路検索の結果に基づいて求める曲がり方向検出手段と、
前記音声取得手段により取得された前記音声を出力するためのスピーカを前記右側スピーカまたは左側スピーカの少なくとも一方に決定し、決定されたスピーカから前記音声を出力させる音声出力選択手段とを有し、
該音声出力選択手段は、前記距離検出手段により求められた前記距離が、次の交差点で曲がるべき旨の前記音声ガイドを開始する必要のある距離よりも短い場合に、前記右側スピーカまたは前記左側スピーカのうち、前記曲がり方向検出手段により求められた曲がるべき方向側に設置されるスピーカを、前記音声を出力するためのスピーカと決定して、当該スピーカから前記音声を出力させる
ことを特徴とするハンズフリー通話システム。
【請求項2】
前記音声出力選択手段は、前記距離検出手段により求められた前記距離が、次の交差点で曲がるべき旨の前記音声ガイドを開始する必要のある距離よりも長い場合に、前記右側スピーカと前記左側スピーカとの両方のスピーカを、前記音声を出力するためのスピーカと決定して、両方のスピーカから前記音声を出力させる
ことを特徴とする請求項1に記載のハンズフリー通話システム。
【請求項3】
前記車両の進行方向を方位検出に基づいて検出する進行方向検出手段を有し、
前記音声出力選択手段は、前記距離検出手段により求められた前記距離が、次の交差点で曲がるべき旨の前記音声ガイドを開始する必要のある距離よりも短い場合に、前記右側スピーカまたは前記左側スピーカのうち、前記曲がり方向検出手段により求められた曲がるべき方向側に設置されるスピーカを、前記音声を出力するためのスピーカと決定して、当該スピーカから前記音声を出力させ、
その後に、前記進行方向検出手段により前記車両の進行方向が前記交差点で曲がるべき方向に変更されたことが検出された場合に、前記音声出力選択手段は、前記右側スピーカと左側スピーカとの両方のスピーカを、前記音声を出力するためのスピーカと決定して、両方のスピーカから前記音声を出力させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハンズフリー通話システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−47643(P2013−47643A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186008(P2011−186008)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】