説明

バウムクーヘンまたはバウムクーヘンのようなケーキを自動製造する方法および装置

【課題】ある軸心回りにそれぞれ回転する多数のベイキングローラが生地を充填した少なくとも1つの生地容器と少なくとも1つのベイキング室を次々と交互に通過案内される、バウムクーヘンまたはバウムクーヘンのようなケーキを自動製造する方法および装置であって、ネルギー効率が良く、投資が少なくて済む方法および装置を提供する。
【解決手段】ベイキングローラ20および/または少なくとも1つの生地容器11、12、13がそれぞれ、個別化を行う識別要素201、202を備え、この識別要素が制御装置200によって読み取られ、少なくとも1つのベイキングローラ20および/または少なくとも1つの生地容器21、22、23の少なくとも1つの運転パラメータが識別要素201、202の読み取りに応じて変更される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載した、バウムクーヘンまたはバウムクーヘンのようなケーキを製造するための自動化した方法と、請求項9の前提部分に記載した、バウムクーヘンまたはバウムクーヘンのようなケーキを製造するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1と特許文献2から、バウムクーヘンまたはバウムクーヘンのようなケーキを連続的に製造する方法および装置が知られている。この方法および装置の場合には、ある軸心回りに回転する多数のベイキングローラが生地を充填した生地容器とベイキング室を次々と交互に通過案内され、続いて発生した焼成物質がベイキングローラから分離される。
【0003】
上記方法の場合には、連続的な走行方法が場合によっては比較的に多いエネルギーを消費するという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許第4310095C1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4302091A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根底をなす課題は、エネルギー効率が良く、投資が少なくて済む方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、本発明に従った、請求項1と9の特徴によって達成される。
【0007】
制御装置によって読み取り可能な個別化を行うタグ(識別要素、識別体)を使用することにより、フレキシブルで特に連続的な装置の制御が可能である。というのは、それによって、少なくとも1つのベイキングローラの少なくとも1つの運転パラメータおよび/または少なくとも1つの生地容器の運転パラメータを、識別要素の読み取りに依存して、すなわち適切に変更することができる。
【0008】
その際、少なくとも1つの識別要素の読み取り結果に依存して少なくとも1つのベイキングローラおよび/または少なくとも1つの生地容器を適切に移動させるために、取扱操作装置、特にロボットが使用されると有利である。取扱操作装置により、装置をフレキシブルにかつ自動的に運転することができる。予め定めた条件、特に少なくとも1つのベイキングローラ上の生地層の予め定めた数を満たすと、少なくとも1つのベイキングローラを製造方法の製造過程から除外するか、あるいは製造方法の製造過程に組み込むことができる。
【0009】
効率的な製造のために、ベイキングローラが通常運転で生地容器とベイキング室を通る予め定めた経路を辿ると有利である。自動製造にもかかわらずいろいろなケーキを連続運転で製造できるようにするために、制御装置によって、個々のベイキングローラまたは生地容器の運転パラメータに適切に影響を与えることができる。
【0010】
そのためには、制御装置に接続された、運転パラメータを検出するための測定装置が設けられていると有利である。この場合、少なくとも1つのベイキングローラ、ベイキング室および/または少なくとも1つの生地容器の運転パラメータが検出されるので、少なくとも1つのベイキングローラ、ベイキング室および/または少なくとも1つの生地容器の制御および/または取扱が、測定された運転パラメータに依存して行われる。
【0011】
有利には、運転パラメータとして特に少なくとも1つのベイキングローラの温度、ベイキング室内の熱放射の強さ、熱源と焼成物質の間隔、少なくとも1つのベイキング室内の温度、少なくとも1つの生地容器内の温度、少なくとも1つのベイキングローラ上の生地の層厚、生地の発泡組織、焼き色、焼成物質および/または生地の粘度、焼成物質および/または生地の湿気および/または少なくとも1つの生地容器内の生地の充填レベルが検出される。少なくとも1つのベイキング室内の温度は測定装置によって検出された運転パラメータに依存して調節することができる。特に、少なくとも1つのベイキングローラと熱源の間隔を調節することができる。
【0012】
個別化を行う識別要素の少なくとも一部がバーコード、マトリックスコード、RFIDマーク、刻み目および/または成形部として形成されていると有利である。
【0013】
課題は、請求項9の特徴を有する、バウムクーヘンまたはバウムクーヘンのようなケーキを自動製造するための装置によっても解決される。
【0014】
ベイキング室の少なくとも一部が上方および下方にそれぞれ位置する異なる平面内に配置されていると、省スペース的な実施が可能となる。
【0015】
少なくとも1つのベイキングローラの駆動装置が他のベイキングローラの駆動装置とは無関係に制御可能であると、フレキシビリティが高められる。
【0016】
図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】バウムクーヘンまたはバウムクーヘンのようなケーキを自動製造するための装置の実施の形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図示した実施の形態は4個のベイキング室11、12、13、14を備えている。このベイキング室内にはそれぞれ、2対のベイキングローラ20のためのスペースが設けられている。図1において、ベイキングローラ20は円として象徴的に示してある。
【0019】
ベイキングローラ20は見やすくするために図1には示していない駆動装置を備えている。この駆動装置は製造プロセス中ベイキングローラを回転させる。すべてのベイキングローラ20または一部のベイキングローラ20が直接駆動される。すなわち、回転数および/または基本的には回転時間を別個に制御することができる。後述するように、ベイキングローラ20が別個に制御可能であると、より高いフレキシビリティが可能になる。
【0020】
ベイキングローラ20は一定の相互間隔を有する。ベイキング室11、12は、焼成生地5のための生地容器22をベイキング室12、13の間に配置することができるような相互間隔を有する。
【0021】
図示した実施の形態では、2個のベイキング室11、14が生地容器21、22、23と共に下側の第1平面内に配置され、2個のベイキング室12、13が第1平面の垂直方向上方にある第2平面内に配置されている。ベイキングローラ20は、後述するように、ベイキング室11、12、13、14と生地容器21、22、23を通る予め定めた経路(図1において矢印を有する破線線で示してある)に沿って自動的に案内される。
【0022】
その際、ベイキング室(11、12、13、14)と生地容器(21、22、23)の空間的な配置は大きく変更可能であり、図1に示したものは多数の例のうちの一つにすぎない。図1に示すように上下に位置する平面内にベイキング室11、12、13、14を少なくとも部分的に垂直に配置すると、省スペースになる。さらに、生地容器21、22、23内での生地5の加熱を防止するかまたは最低限に抑えるために、生地容器21、22、23からベイキング室11、12、13、14を離隔することが重要である。
【0023】
バウムクーヘンまたはバウムクーヘンのようなケーキのための製造方法は、生地容器21、22、23内でベイキングローラ20上に生地5を交代して塗布することと、塗布された生地層をベイキング室11、12、13、14内で焼くことにある。バウムクーヘンは一般的に10〜20個の生地層を有する。
【0024】
次に、製造のサイクルについて最初に説明する。その際、本実施の形態において、ベイキングローラ20(ここではそれぞれ対をなしている)と生地容器21、22、23はそれぞれ、個別化を行う識別要素201、202を備えている。この識別要素により、制御装置200を構成するコンピュータは、ベイキングローラ11、12、13、14と生地容器(21、22、23)を一義的に指定することができる。見やすくするために、識別要素201、202はそれぞれ1個だけしか示していない。
【0025】
個別化を行う識別要素201、202の使用について説明する前に、先ず、作業サイクルに分けられる連続的な運転経過について説明する。生地5を塗布する際のベイキングローラ20の位置は丸付き数字1〜4によって示してある。ベイキング室11、12、13、14内でのベイキングローラ20の位置は丸付き文字A〜Hで示してある。図示した実施の形態では、ベイキング室11、12、13、14は基本的には互いに同じ構造であると見なされる。しかし、必ずしも同じ構造である必要はない。
【0026】
サイクルは第1生地容器21の第1位置1で始まる(第1作業サイクル)。1対の空のベイキングローラ20が生地5内に浸漬されて回転させられるので、所定の層厚の生地層がベイキングローラ20上に塗布される。その後、この第1作業サイクルは新しいベイキングローラ対20に対して繰り返される。
【0027】
第2作業サイクルでは、第1作業サイクルでコーティングされたベイキングローラ対20が第1ベイキング室11内に運ばれ、新しいベイキングローラ対20が第1生地容器21内に浸漬されて回転させられ、それによってベイキングローラ対20の上に生地層が形成される。
【0028】
第1ベイキング室11内のベイキングローラ20は回転装置に連結されている。この回転装置はベイキングローラ20を互いに独立して駆動することができる。この独立した駆動は回転方向と回転速度に対するものである。
【0029】
本実施の形態では、ベイキング室11、12、13、14はそれぞれ2対のベイキングローラのための場所を提供するので、ベイキングローラ対は第1ベイキング室11内で2つの位置A、Bを占めることができる。ベイキング室11、12、13、14内には少なくとも1つの熱源、例えば熱放射ヒータ(好ましくは赤外線ヒータ)が配置されている。この熱源は所定の方法でベイキングローラ対20上の生地層を加熱して焼く。
【0030】
ベイキングローラ対20が第3作業サイクルにおいて第1ベイキング室11内の第1位置Aから第2位置Bに運ばれると、第1ベイキング室11内の第1位置Aが空になるので、後続の新しいベイキングローラ対20を第1生地容器21から移動させて、生地層形成の上述の過程を新たに実施することができる。
【0031】
次に、冗長を避けるために、各作業サイクル時のベイキング室11、12、13、14と生地容器を通る経路に沿ったベイキングローラ対20の後続移動を説明せずに、新たに実施される方法ステップについてのみ説明する。
【0032】
図1において位置2で示した第4作業サイクルでは、第1ベイキング室11から出るベイキングローラ対20が第2生地容器22内に運ばれ、生地5内で回転させられるので、そこで他の生地層がベイキングローラ対に形成される。この他の生地層は既に焼成された第1生地層上に配置される。
【0033】
第5と第6の作業サイクルでは、ベイキングローラ対20が第2ベイキング室12内に運ばれる。この第2ベイキング室では、第1ベイキング室11と同様に、位置C、Dで所定の時間焼かれる。
【0034】
第7作業サイクルでは、焼成された生地層を有するベイキングローラ対20が新たに第1生地容器21内に運ばれ、生地5内で回転させられる。第7作業サイクルの終わりに、図1において位置3で示したステーションで、第3生地層が塗布される。この第3生地層は第8および第9作業サイクルにおいて第3ベイキング室13内の位置E、Fで焼成される。
【0035】
第10作業サイクルでは、ベイキングローラ対20が位置4で示した、第3生地容器23内の位置に運ばれ、そこで再び生地5内で回転させられる。それによって、第4生地層がその前に焼成された生地層上に塗布される。続いて、この生地層の焼成が第4ベイキング室14内の位置G、Hで行われる(第11および12作業サイクル)。
【0036】
第12作業サイクルの後で、第1ベイキングローラ対20は装置全体を1回通過したことになる。基本的には、生地を有するローラまたは空のローラのための停止位置をベイキングローラ20の経路内に設けることができる。
【0037】
代替的な実施の形態では、装置を通過するベイキングローラ20の通過案内を、上記とは異なるように行うことができる。特に、必ずしも第1生地容器21を2回使用する必要はなく、生地容器は何回も使用される。
【0038】
後続の新しいベイキングローラ対20の適当な移動により、第12作業サイクルの後で、ベイキング室11、12、13、14と生地容器21、22、23内のすべての位置が埋まる。
【0039】
ベイキング過程が終了すると、ある実施の形態では、ベイキングローラを急速回転させて、生地層をベイキングローラ20から剥がすことができる。この生地層は既に存在する熱エネルギーに基づいて変性させられ、特徴的なぎざぎざが形成される。
【0040】
本実施の形態ではサイクル時間が20〜30秒である。次に、10個の層と23秒のサイクル時間を有するバウムクーヘンの製造と、エネルギー需要と、エネルギー節約について説明する。
【0041】
図示した実施の形態の場合、焼成物質の製造のために、31サイクルを必要とするので、バウムクーヘンは713秒内に、すなわち約11分で製造される。全体として、1時間あたり5個以上のバウムクーヘンを製造することができる。その際、1回の通過は使用中の24個のベイキングローラ20(すなわち、12対のベイキングローラ)に相当する。従って、1時間あたり120個以上のバウムクーヘン付きローラを製造することができる。
【0042】
加熱出力がベイキング室11、12、13、14あたり78kWであると仮定すると、図1の実施の形態に係る全装置は全体として312kWを必要とする。各ベイキング室11、12、13、14が30%の効率を有するときには、全装置は約218kW、すなわちローラあたり約1.8kWのエネルギー損失を有する。
【0043】
1時間あたり105個のローラが加工される、同じ効率の10個のベイキング室を有する慣用の装置の場合、エネルギー損失ははるかに大きい、すなわち約2.6kWである。
【0044】
少ない数のベイキング室11、12、13、14で処理量が増大することによって、エネルギー消費を30〜35%低減することができる。
【0045】
図示した実施の形態ではベイキングローラ対20および/または生地容器21、22、23の取扱操作は、制御装置200(例えばコンピュータ)によって制御される取扱操作装置300としてのロボットによって少なくとも一部が自動的に行われる。図1において、簡単にするために、ロボット300は1個所に1個だけ示してある。個々のベイキングローラ20および/または生地容器を移動させるために、基本的にはいろいろな個所に設けた複数のロボット300および/または移動可能な1個のロボット300を使用することができる。
【0046】
ロボット300はベイキングローラを例えばベイキング室21、22、23、24内に挿入するかまたはベイキング室から取り出すことができる。さらに、空のローラをロボット300によってレジスタまたは予熱装置から取り出し、選択可能な装入位置に運ぶことができる。
【0047】
装置内には、製造プロセスの所定の運転パラメータを測定するセンサ401、402、403、404が分配配置されている。このセンサ401、402、403、404は図1では例えばベイキング室11、12、13、14内に配置されている。それに追加してあるいは代替的に、例えば生地容器21、22、23上または生地容器内のような他の個所に、センサを配置することができる。
【0048】
図示した実施の形態では、センサ401、402、403、404は特に少なくとも1つのベイキングローラ20の温度と少なくとも1つのベイキング室11、12、13、14の温度を測定する。それに追加してあるいは代替的に、センサは少なくとも1つの生地容器21、22、23の温度、少なくとも1つのベイキングローラ20上の生地の層厚、生地5の発泡組織、焼き色、焼成物質および/または生地の粘度、焼成物質および/または生地の湿気および/または少なくとも1つの生地容器21、22、23内の生地5の充填レベルを測定することができる。
【0049】
センサは例えばコンピュータの一部である測定装置400に接続されている。この測定装置はさらに、制御装置300に接続されている。この制御装置300は焼成物質の製造を効率的に行う働きをする。この場合、運転パラメータの測定値が採用される。
【0050】
制御装置200は、ベイキングローラ20上の個別化を行う識別要素201に基づいて、各ベイキングローラ20のベイキング進行具合を個別的に検出し、方法全体の経過に影響を及ぼす。
【0051】
個別化を行う識別要素201、202は例えばバーコード、マトリックスコード、RFIDマーク、磁気的なマーカー、刻み目および/または成形部として形成可能である。識別要素201、202は制御装置200と場合によっては適当なセンサによって一義的に識別可能である。制御装置200はデータバンクを備え、このデータバンクには特にベイキングローラ20の目標状態と、ベイキングローラ20および/または生地容器21、22、23の実際状態が記憶される。測定値に依存して装置全体を制御することができる。
【0052】
これにより、異なる数の生地層を有するベイキングローラ20を1回の通過で製造することができる。制御装置200には、どのくらいの数の生地層が個々の各ベイキングローラ20に塗布されているかについて情報が提供される。ベイキングローラ20は、所望数の生地層が塗布されるまで、上述のようにベイキング室11、12、13、14と生地容器21、22、23を通過させられる。個別化を行う識別要素201に基づいて検出可能な所定のベイキングローラ20の生地層が所定の数に達すると、このベイキングローラ20は制御装置200によって制御されるロボット300によって装置から適切に取り出され、新しい空のローラが使用される。所定の生地容器21、22、23を測定値に依存して新たにまたは異なるように充填することにより、上記と類似の方法で生地容器21、22、23を制御することができる。さらに、個別化を行う識別要素201、202を用いて、運転進行中に、異なる層構造、すなわち異なる生地または味を有するバウムクーヘンを形成することができる。入力された制御方法に依存して制御装置200は、特別な味または異なる外観を生じさせるために、例えば所定のベイキングローラ20が異なる生地容器21、22、23を通過することを確実にする。それによって、1台の装置によって異なるバウムクーヘンを連続的に製造することができる。この場合、各ベイキングローラ20を固有の方法に従って移動させることは、ベイキングローラ20の個別化によって可能である(そのためには、生地容器を自動的に搬出しなければならない)。
【0053】
1個の所定のベイキングローラ20(または1対のベイキングローラ20)がどのくらいの数のサイクルを通過しなければならないかそして既に通過したかは、各ベイキングローラ20の割り当てによって制御装置に認識されている。さらに、選択的に成形された滑らかなバウムクーヘンを1台の装置で製造することができる。というのは、どのベイキングローラ20でどの物質が焼かれるかを制御装置200が正確に認識しているからである(制御装置200のデータバンクにおける「制御方法」の格納)。
【0054】
さらに、個々のベイキングローラ20の回転数は焼成物質の状態に個別的に合わせることができる。光センサは例えば焼成物質の褐色化度合いを検出し、ベイキングローラ20の回転数を介してベイキング結果に影響を与えることができる。さらに、サイクルを同じにして、焼成物質に対する放射ヒータの間隔を変更するかあるいは運転パラメータ、例えば測定された湿度に依存して個々の放射ヒータの出力を合わせることができる。焼成物質の熱源によってあるいは放射の強さを低下させることによってのみ、制御することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 生地容器内の第1位置
2 生地容器内の第2位置
3 生地容器内の第3位置
4 生地容器内の第4位置
5 生地
11 第1ベイキング室
12 第2ベイキング室
13 第3ベイキング室
14 第4ベイキング室
20 ベイキングローラ、ベイキングローラ対
21 第1生地容器
22 第2生地容器
23 第3生地容器
200 制御装置
201 ベイキングローラ用の個別化を行う識別要素
202 生地容器用の個別化を行う識別要素
300 取扱操作装置
400 測定装置
401〜404 センサ
A〜H ベイキング室内のベイキングローラの位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある軸心回りにそれぞれ回転する複数のベイキングローラが、生地を充填した少なくとも1つの生地容器と少なくとも1つのベイキング室を交互に通過案内される、バウムクーヘンまたはバウムクーヘンのようなケーキを自動製造する方法において、
前記ベイキングローラ(20)および/または少なくとも1つの前記生地容器(11、12、13)が、それぞれ、個別化を行う識別要素(201、202)を備え、この識別要素が制御装置(200)によって読み取られ、少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)および/または少なくとも1つの前記生地容器(21、22、23)の少なくとも1つの運転パラメータが前記識別要素(201、202)の読み取りに応じて変更されることを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つの前記識別要素(201、202)の読み取りの結果に応じて、少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)および/または少なくとも1つの前記生地容器(21、22、23)を適切に移動させるために、取扱操作装置(300)、特にロボットを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)が、所定の条件を満たすと、特に少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)上の生地層が所定数を満たすと、当該製造方法から除外されるか、または当該製造方法に組み込まれることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ベイキングローラ(20)が通常運転では前記生地容器(21、22、23)と前記ベイキング室(11、12、13)を通る所定の経路を辿ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)、少なくとも1つの前記ベイキング室(11、12、13、14)および/または少なくとも1つの前記生地容器(21、22、23)の運転パラメータを検出するための、前記制御装置(200)に接続された測定装置(400)を備え、少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)、少なくとも1つの前記ベイキング室および/または少なくとも1つの前記生地容器(21、22、23)の制御および/または取扱操作が、前記測定装置(400)によって検出された前記運転パラメータに応じて行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記運転パラメータとして特に、少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)の温度、前記ベイキング室内の熱放射の強さ、熱源と焼成物質の間隔、少なくとも1つの前記ベイキング室(11、12、13、14)内の温度、少なくとも1つの前記生地容器(21、22、23)内の温度、少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)上の前記生地の層厚、前記生地(5)の発泡組織、焼き色、前記焼成物質および/または前記生地の粘度、前記焼成物質および/または前記生地の湿気および/または少なくとも1つの前記生地容器(21、22、23)内の前記生地(5)の充填レベルが検出されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの前記ベイキング室(11、12、13、14)内の温度が前記測定装置(400)によって検出された前記運転パラメータ、特に少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)と熱源の間隔に応じて調節されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
個別化を行う前記識別要素(201、202)の少なくとも一部がバーコード、マトリックスコード、RFIDマーク、刻み目および/または成形部として形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ある軸心回りにそれぞれ回転する多数のベイキングローラと、生地を充填可能な少なくとも1つの生地容器とを備えた、バウムクーヘンまたはバウムクーヘンのようなケーキを自動製造する装置において、
前記ベイキングローラ(20)および/または少なくとも1つの前記生地容器(11、12、13)が、それぞれ、個別化を行う識別要素(201、202)と、この識別要素(201、202)の読み取りのための制御装置(200)とを備え、少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)および/または少なくとも1つの前記生地容器(21、22、23)の少なくとも1つの運転パラメータが前記識別要素(201、202)の読み取りに応じて変更可能であることを特徴とする装置。
【請求項10】
少なくとも1つの前記識別要素(201、202)の読み取り結果に応じて、少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)および/または少なくとも1つの前記生地容器(21、22、23)を適切に移動させるための取扱操作装置(300)、特にロボットを備えていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記運転パラメータとして特に、少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)の温度、少なくとも1つの前記ベイキング室(11、12、13、14)内の温度、少なくとも1つの前記生地容器(21、22、23)内の温度、少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)上の前記生地の層厚、前記生地(5)の発泡組織、焼き色、前記焼成物質および/または前記生地の粘度、前記焼成物質および/または前記生地の湿気および/または少なくとも1つの前記生地容器(21、22、23)内の前記生地(5)の充填レベルが検出可能であることを特徴とする請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記測定装置(400)が容量式湿気を測定するセンサ(401、402)、発泡組織を測定する超音波センサ(401、402)、NIR装置(401、402)および/または蛋白質含有量と湿気を測定するセンサ(401、402)に接続されていることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
個別化を行う前記識別要素(201、202、203、204、205)の少なくとも一部がバーコード、マトリックスコード、RFIDマーク、刻み目および/または成形部として形成されていることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記ベイキング室(11、12、13、14)の少なくとも一部が上方および下方にそれぞれ位置する平面内に配置されていることを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つの前記ベイキングローラ(20)の駆動装置が他のベイキングローラ(20)の駆動装置とは独立して制御可能であることを特徴とする請求項9〜14のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【公表番号】特表2013−521005(P2013−521005A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556489(P2012−556489)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【国際出願番号】PCT/EP2011/053474
【国際公開番号】WO2011/110563
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(512232953)クーヘンマイスター・ゲーエムベーハー (1)
【氏名又は名称原語表記】KUCHENMEISTER GMBH