説明

バキュームブレーカ

【課題】パッキンの耐久性を向上させることが可能なバキュームブレーカを提供する。
【解決手段】バキュームブレーカ70は、流入口11から流出口12まで軸方向に延びる流水路71aと、流水路71aと外部とを連通する吸気通路71bとが形成されたバキュームブレーカ筒体71と、内部を流れる流水により吸気通路71bを閉塞するとともに、流水がないときは吸気通路71bを連通させるパッキン72とを有する。パッキン72と当接する吸気通路71bの流水路71a側の開口縁75a、75bは、面取りされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバキュームブレーカに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバキュームブレーカは、筒体とパッキンとを有している(例えば、特許文献1)。筒体は、流入口から流出口まで軸方向に延びる流水路と、流水路と外部とを連通する吸気通路とが形成されたものである。パッキンは、内部を流れる流水により吸気通路を閉塞するとともに、流水がないときは吸気通路を連通させるものである。
【0003】
このような構成である従来のバキュームブレーカでは、流水路内が負圧になっても、パッキンにより吸気通路が連通され、その吸気通路を介して外気が流水路内に流入して負圧が解消されるので、流水路内を水が逆流することを防止可能となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−20343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のバキュームブレーカでは、流水路の内部を水が流れる度に吸気通路を閉塞したり、連通させたりするパッキンの耐久性向上が求められている。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、パッキンの耐久性を向上させることが可能なバキュームブレーカを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のバキュームブレーカは、流入口から流出口まで軸方向に延びる流水路と、該流水路と外部とを連通する吸気通路とが形成された筒体と、
内部を流れる流水により前記吸気通路を閉塞するとともに、前記流水がないときは前記吸気通路を連通させるパッキンとを有するバキュームブレーカにおいて、
前記パッキンと当接する前記吸気通路の前記流水路側の開口縁は、面取りされていることを特徴とする。
【0008】
このような構成である本発明のバキュームブレーカでは、吸気通路の流水路側の開口縁が面取りされていることから、パッキンが開口縁に当接しても、パッキンが損傷し難い。
【0009】
したがって、本発明のバキュームブレーカは、パッキンの耐久性を向上させることができる。
【0010】
面取りは、開口縁を丸くする面取り(R面取り)であることが好ましい。
【0011】
本発明のバキュームブレーカにおいて、パッキンは、上流側が流水路内で筒体に固定され、下流側が弾性材料からなる筒状に形成され、下流側の周面が開口縁と当接するものであり得る。
【0012】
この場合、流水路内を水が流れると、パッキンの下流側の周面が吸気通路の開口縁に当接して、吸気通路を閉塞する。他方、流水路内を水が流れなくなると、パッキンの下流側の周面が吸気通路の開口縁から離反して吸気通路を連通させる。この際、弾性材料からなる筒状に形成されたパッキンは、径方向に膨張する弾性変形と元の形状への復帰とを繰り返す。このため、このバキュームブレーカは、開口縁が面取りされていることによりパッキンが損傷し難い。このため、このバキュームブレーカは、本発明の作用効果を確実に享受することができる。
【0013】
吸気通路の流水路側の開口が流水路の周方向に延びるスリット状である場合、周方向の開口縁が面取りされていることが好ましい。開口が流水路の周方向に延びるスリット状である場合には、パッキンの周面は比較的長い開口縁に当接することとなり、パッキンが損傷し易い。このため、周方向の開口縁が面取りされることにより、パッキンの周面が損傷し難くなる。このバキュームブレーカは本発明の作用効果をより確実に享受することができる。
【0014】
吸気通路の流水路側の開口が流水路の周方向に延びるスリット状である場合、吸気通路は流水路側に軸方向の幅が大きくされた凹部を有し、凹部の開口縁が面取りされていることが好ましい。この場合、このバキュームブレーカは、幅が大きい凹部の開口縁を面取りすればよいので、凹部を有しない場合よりも、面取り加工を容易に実施できる。特に、凹部が流水路の周方向に1周するものである場合には、凹部の開口縁も周方向に1周することとなるので、旋盤等の一般的な切削加工装置を用いて、面取り加工を容易に実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明のバキュームブレーカを洋風水洗式便器の便器洗浄装置1に具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0016】
図1に示すように、便器洗浄装置1は、洋風水洗式便器において、便器本体2の便鉢2aの上流側に取り付けられ、便鉢2aに洗浄水を供給するものである。図2に示すように、実施例のバキュームブレーカ70は便器洗浄装置1に設けられている。まず、便器洗浄装置1の構成について説明する。
【0017】
便器洗浄装置1は、図2に示すように、第1給水管20と接続管30と第2給水管40とを有する給水管10を備えている。
【0018】
給水管10には、流入口11から第1給水管20、接続管30及び第2給水管40を経由して流出口12まで延びる略U字状の流路10a(図2中、二点鎖線で示す。)が形成されている。流入口11は、図1に示すように、便器本体2の設置場所に設けられる水道管(図示しない)に止水栓(図示しない)及びフレキシブルホース9を介して接続されるものである。流出口12は、エゼクタ6、水タンク7及び接続管8を介して接続され、便鉢2aの貫通孔2bに設けられたノズル8aに接続される。エゼクタ6と水タンク7とは、便鉢2aに洗浄水を供給する際、洗浄水を増量して便鉢2aを洗浄するものである。なお、流出口12は、エゼクタ6と水タンク7とを介さずに、接続管8及びノズル8aに接続されていてもよい。
【0019】
第1給水管20は、流入口11側から下流側に向かって第1ボール弁筒体51、第2ボール弁筒体52、第1給水管本体21及び蓋部22が組み付けられてなる構成であり、流入口11から直線S1方向に延在する直線状の筒体である。
【0020】
筒状の第1ボール弁筒体51及び第2ボール弁筒体52が嵌め合わされて形成される内部空間50a内には、直線S1方向に直交する方向を回転軸とする球状の弁体53と、弁体53を前記回転軸回りで回転可能に支持しつつ、弁体53と内部空間50aとの隙間をシールするシール部材54a、54bとが配設されている。弁体53は、筒状の第1ボール弁筒体51の外部に突出する操作軸(図示しない)と接続されており、操作軸を回転させて、弁体53を図1に示す状態から90°回転させることにより、弁体53に形成された貫通孔53aと、第1ボール弁筒体51及び第2ボール弁筒体52の内筒面とが直線状に挿通するようになっている。
【0021】
上記第1ボール弁筒体51、第2ボール弁筒体52、弁体53及びシール部材54a、54b等により、止水弁機構50が構成されている。そして、止水弁機構50は、便器の不使用時に漏水を防止するため、流路10aを上流側である流入口11付近で遮断することが可能となっている。
【0022】
第1給水管本体21は、直線S1方向に延在する筒体の中間付近から直線S1方向と直交する方向に延在する筒状の第1接続部21aが一体に形成されたT字状のものである。第1接続部21aは、後述するストレーナ80より下流側に位置するものであり、この第1接続部21aが後述する接続管30の一部に相当する。
【0023】
第1給水管本体21の流入口11側は、第2ボール弁筒体52の内筒に挿入されて、第2ボール弁筒体52と嵌合している。そして、クリップ56により、第1給水管本体21の流入口11側と第2ボール弁筒体52とが離反しないように係止固定されている。
【0024】
蓋部22は、第1給水管本体21の流入口11と反対側(直線S1方向の下流側)に、螺合により着脱可能に設けられている。止水弁機構50と蓋部22との間には、直線S1方向に延在する円筒状のストレーナ80が配設されている。このストレーナ80は、後述する開閉弁機構60及びバキュームブレーカ70よりも上流側において洗浄水に混入し得るゴミ等の異物を濾過することにより、異物が開閉弁機構60及びバキュームブレーカ70に不具合を生じさせることを防止するものである。
【0025】
ストレーナ80は、蓋部22を取り外した状態で、止水弁機構50より下流側から直線S1方向で挿入されると、ストレーナ80の上流側端部が第1給水管本体21の内部に形成された段部21dに当て止まった状態となる。そして、蓋部22を第1給水管本体21に螺合させることにより、ストレーナ80の下流側端部が蓋部22の内部に形成された段部22dに当て止まった状態となる。こうして、ストレーナ80は、第1給水管本体21内に装着される。
【0026】
第2給水管40は、流出口12側から上流側に向かって流出口筒体44、接続管43、バキュームブレーカ筒体71、第2給水管本体41及び開閉弁機構マウント部材66等が組み付けられてなる構成であり、直線S1方向と平行に延在し、流出口12が流入口11と同方向に開口する直線状の筒体である。
【0027】
筒状の第2給水管本体41の内部には、筒状の開閉弁筒体61が配置され、開閉弁機構マウント部材66の第2給水管本体41に対面する側には、開閉弁筒体61に着座又は離座可能な略円盤状の弁体62が配設されている。弁体62の背面側には、第2給水管本体41と開閉弁機構マウント部材66とにより容積可変空間62aが形成されている。また、第2給水管本体41と開閉弁機構マウント部材66とには容積可変空間62aを密閉するパッキン63が挟持されており、弁体62はこのパッキン63に固定されて容積可変空間62aを上下動するようになっている。容積可変空間62a内には弁体62を開閉弁筒体61に着座させる方向に付勢力をもつばね68が収納されている。また、弁体62には開閉弁筒体61の外側と容積可変空間62aとを連通する小孔69が形成されている。開閉弁機構マウント部材66の弁体62と反対側には、ソレノイド67が配設されている。ソレノイド67は、第2給水管本体41の下流側の流路10aから開閉弁機構マウント部材66と弁体62とで形成される容積可変空間62a内に連通する挿通路65を遮断又は開放可能とされている。
【0028】
上記の開閉弁筒体61、開閉弁機構マウント部材66、弁体62、ソレノイド67、容積可変空間62a及び挿通路65等により、開閉弁機構60が構成されている。そして、開閉弁機構60において、ソレノイド67が挿通路65を開放すれば、容積可変空間62aが流路10aの下流側と挿通路65を介して連通し、弁体62が上流側の水圧に押されて開閉弁筒体61から離座して流路10aを開放する。他方、ソレノイド67が挿通路65を遮断すれば、弁体62がばね68に押され、容積可変空間62a内に小孔69から水が流入する。その結果、弁体62は、開閉弁筒体61に着座し、流路10aを遮断する。
【0029】
図3に拡大して示すように、バキュームブレーカ筒体71は、流路10aの一部をなして軸方向に延びる流水路71aと、流水路71aと外部とを連通する吸気通路71bとが形成されたものである。吸気通路71bの流水路71a側には開口75が形成されている。流水路71a内には、弾性材料からなるパッキン72が配設されている。
【0030】
パッキン72は略円筒形状とされ、上流側が流水路71a内でバキュームブレーカ筒体71に固定されている。そして、図3及び図4に示すように、流水路71a内を水が流れていないときには、パッキン72の下流側の周面72aは、吸気通路71bの流水路71a側の開口縁75a、75bと離反した状態で対面し、パッキン72の下端は漏斗形状となっている。この状態では、流水路71aと吸気通路71bとは連通している。
【0031】
他方、図5及び図6に示すように、流水路71a内を水が流れているときには、パッキン72の下流側の周面72aが径方向に膨張するように弾性変形して、吸気通路71bの開口縁75a、75bに当接する。この状態では、流水路71aと吸気通路71bとは閉塞している。
【0032】
上記のバキュームブレーカ筒体71及びパッキン72により、バキュームブレーカ70が構成されている。このバキュームブレーカ70は、流路10aの上流側で負圧が発生した場合、上述の通り、パッキン72が流水路71aと吸気通路71bとを連通させるので、図3の経路P1、P2に示すように、吸気通路71bを介して、外気を流水路71a内に導入して負圧を解消し、水が逆流することを防止可能となっている。
【0033】
図2に示すように、第2給水管本体41の開閉弁機構60より上流側には、直線S1方向と直交する方向、かつ上述の第1接続部21aと同軸で対面し得る方向に延在する筒状の第2接続部40aが形成され、第2接続部40aには内筒40bが嵌合固定されている。この第2接続部40a及び内筒40bが後述する接続管30の残部に相当する。
【0034】
接続管30は、接続管30の一部としての第1接続部21aと、接続管30の残部としての第2接続部40a及び内筒40bとが結合されることにより構成され、直線S1方向と直交する方向に延在し、第1給水管20と第2給水管40とを連通させる直線状の筒体である。
【0035】
接続管30の中央部には、流量調整弁機構90が直線S1方向と直交する方向を向いた状態で配設されている。流量調整弁機構90は周知のものであり、開閉弁機構60が流路10aを開放した後、洗浄水が所望の流量で流出口12から流出するように調整するものである。
【0036】
第1接続部21aと、第2接続部40a及び内筒40bとは、流量調整弁機構90を中間に位置させつつ、同軸で対面する状態とした上で、第2接続部40a及び内筒40bに配設された袋ナット35が第1接続部21aの外周側に形成されたねじ部21bに螺合されることにより結合され、さらに、第1接続部21aと第1接続部40a及び内筒40bとの間に介在するOリング35aによって水密状態が維持されるようになっている。
【0037】
なお、袋ナット35をねじ部21bに螺合する際、第1接続部21aと第2接続部40a及び内筒40bとが対面する位置関係が捩れることのないように、双方を回り止めする回り止め機構36が設けられている。
【0038】
回り止め機構36は、第1接続部21aから径方向外側に突出する支持部36aと、内筒40bから径方向外側に突出する支持部36bと、支持部36a、36bに挿通されるピン36cにより構成されている。そして、回り止め機構36により双方を回り止めした状態で、袋ナット35をねじ部21bに螺合することにより、流入口11と流出口12とを同方向に開口する状態とし、第1給水管20、接続管30及び第2給水管40を略U次形状とすることを容易に実現可能となっている。
【0039】
このような構成である便器洗浄装置1は、一般的に、図1及び図2に示すように、第1給水管20が流路10aの上流側、すなわち流入口11を下方に向けた状態で垂直に配置される設置方法により便器本体2に装着される。この際、蓋部22は、第1給水管20の最上端に位置する。
【0040】
そして、止水弁機構50が流路10aを開放した状態において、便器本体2の使用時に開閉弁機構60が流路10aを開放すれば、流量調整弁機構90により所望の流量に調整された洗浄水が便器本体2の便鉢2aに供給されるようになっている。
【0041】
ところで、上述の通り、便器洗浄装置1に適用される実施例のバキュームブレーカ70では、流水路71aの内部を水が流れる度に、径方向に膨張する弾性変形と元の形状への復帰とを繰り返すパッキン72の耐久性を向上させる対策が施されている。すなわち、従来は、図9の比較例に示すように、吸気通路71bの開口縁75c、75dのようにピン角であったのに対して、本実施例では、吸気通路71bの開口縁75a、75bが、図4に示すようにR面取りされている。
【0042】
開口縁75a、75bの面取りについて、より詳しく説明する。まず、バキュームブレーカ筒体71に吸気通路71bを形成する加工方法から説明する。図7に示すように、バキュームブレーカ筒体71の外筒面側は、第2給水管本体41及び接続管43と接続可能なように凹凸形状とされている。そして、吸気通路71bが形成される円筒部71eがバキュームブレーカ筒体71の略中央に形成されている。
【0043】
そして、薄肉円盤状の切削工具をバキュームブレーカ筒体71の軸心と平行な軸回りで回転させつつ、円筒部71eに当てて、バキュームブレーカ筒体71の軸心に向かって送ることにより、円筒部71eを切削加工する。その結果、図8に示すように、円筒部71eがA−A断面で見て円弧状に切削されて吸気通路71bが形成される。こうして形成された吸気通路71bの流水路71a側の開口75は、流水路71aの周方向に延びるスリット状となっている。
【0044】
次に、図4に示すように、バキュームブレーカ筒体71を例えば旋盤により軸心回りで回転させ、流水路71a側から中ぐり切削工具を用いて切削加工を行うことにより、吸気通路71bの流水路71a側に軸方向(図4中、上下方向)の幅が大きくされた凹部76a、76bを形成し、さらに、周方向の開口縁75a、75bを面取りする。この際、凹部76a、76bは、流水路71aの周方向に1周するように加工されるので、凹部の開口縁75a、75bも流水路71aの周方向に1周することとなり、開口縁75a、75bの面取り加工を容易に実施可能となっている。
【0045】
このように、実施例のバキュームブレーカ70では、吸気通路71bの開口縁75a、75bが面取りされる。このため、図5及び図6に示すように、パッキン72が径方向に膨張する弾性変形と元の形状への復帰とを繰り返して、何度も吸気通路71bの開口縁75a、75bに当接しても損傷し難くなっている。
【0046】
これに対して、図9及び図10に示すように、比較例のバキュームブレーカでは、吸気通路71bの開口縁75c、75dがピン角になっている。このため、パッキン72の周面72aが径方向に膨張するように弾性変形して、吸気通路71bの開口縁75a、75bに当接すると、図11に示すように、パッキン72の周面72が開口縁75c、75dに食い込んでしまう。このため、流水路71aの内部を水が流れる度にパッキン72の周面72には局所的な圧縮力が作用することとなり、長期的に亀裂等の損傷が発生してしまう。その結果、比較例のバキュームブレーカでは、パッキン72の耐久性が低くなり、流水路71a内を流れる水がパッキン72に生じた亀裂から外部に漏水する不具合等が生じ得るのである。
【0047】
したがって、実施例のバキュームブレーカ70は、パッキンの耐久性を向上させることができている。
【0048】
また、このバキュームブレーカ70において、吸気通路71bの流水路71a側の開口75は流水路71aの周方向に延びるスリット状であることから、パッキン72の周面72aは比較的長い開口縁75a、75bに当接することとなる。しかしながら、このバキュームブレーカ70では、周方向の開口縁75a、75bを面取りすることにより、パッキン72の周面72aが損傷し難くなっているので、本発明の作用効果をより確実に享受することができている。
【0049】
さらに、このバキュームブレーカ70において、吸気通路71bは流水路71a側に軸方向の幅が大きくされた凹部76a、76bを有し、凹部76a、76bの開口縁75a、75bが面取りされている。特に、凹部76a、76bが流水路71aの周方向に1周するものであり、凹部の開口縁75a、75bも流水路71aの周方向に1周することとなっているので、旋盤等の一般的な切削加工装置を用いて、面取り加工を容易に実施可能となっている。
【0050】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明はバキュームブレーカに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施例のバキュームブレーカが適用される洋風水洗式便器の断面図である。
【図2】実施例のバキュームブレーカが適用される便器洗浄装置の断面図である。
【図3】実施例のバキュームブレーカに係り、パッキンが弾性変形していない状態を示す断面図である。
【図4】実施例のバキュームブレーカに係り、図3のZ部の拡大断面図である。
【図5】実施例のバキュームブレーカに係り、パッキンが弾性変形している状態を示す断面図である。
【図6】実施例のバキュームブレーカに係り、図5のZ部の拡大断面図である。
【図7】実施例のバキュームブレーカに係り、筒体の側面図である。
【図8】実施例のバキュームブレーカに係り、図7のA−A断面を示す断面図である。
【図9】比較例のバキュームブレーカに係り、図7のA−A断面を示す断面図である。
【図10】比較例のバキュームブレーカに係り、図3のZ部の拡大断面図である。
【図11】比較例のバキュームブレーカに係り、図5のZ部の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0053】
11…流入口
12…流出口
71a…流水路
71b…吸気経路
71…筒体(バキュームブレーカ筒体)
72a…パッキンの周面
75…吸気通路の流水路側の開口
75a、75b…吸気通路の流水路側の開口縁(周方向の開口縁)
75a、75b…凹部の開口縁
72…パッキン
70…バキュームブレーカ
76a、76b…凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口から流出口まで軸方向に延びる流水路と、該流水路と外部とを連通する吸気通路とが形成された筒体と、
内部を流れる流水により前記吸気通路を閉塞するとともに、前記流水がないときは前記吸気通路を連通させるパッキンとを有するバキュームブレーカにおいて、
前記パッキンと当接する前記吸気通路の前記流水路側の開口縁は、面取りされていることを特徴とするバキュームブレーカ。
【請求項2】
前記パッキンは、上流側が前記流水路内で前記筒体に固定され、下流側が弾性材料からなる筒状に形成され、下流側の周面が前記開口縁と当接するものである請求項1記載のバキュームブレーカ。
【請求項3】
前記吸気通路の前記流水路側の開口は前記流水路の周方向に延びるスリット状であり、周方向の開口縁が面取りされている請求項2記載のバキュームブレーカ。
【請求項4】
前記吸気通路は前記流水路側に軸方向の幅が大きくされた凹部を有し、該凹部の開口縁が面取りされている請求項3記載のバキュームブレーカ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−261167(P2008−261167A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−105475(P2007−105475)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】