説明

バケット昇降機

【課題】 無駄な空間となっている上部プーリと下部プーリとの間の空間に上下方向に延びるダクトを配置することにより、揚上搬送機能と排塵などの機能を併せ持ったバケット昇降機を提供する。
【解決手段】 バケット昇降機1は、搬送ケース9の上下端部にそれぞれ設けた上部プーリおよび下部プーリ間に、多数のバケットを取り付けた搬送ベルトを懸架してなるものである。上部プーリと下部プーリとの間の空間に上下方向に延びるダクト15を配置してある。搬送ケース9は、上部プーリを備えた上部ケース12と、下部プーリを備えた下部ケース13と、これら上部ケース12と下部ケース13との間の中間ケース14により構成されている。ダクト15は中間ケース14の内部を、上昇搬送側と下降戻り側とに仕切ってそれらの間に形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀類などの揚上搬送用であって、それ自体に排塵用などのダクトを備えたバケット昇降機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
穀物乾燥などの穀物調製施設や穀物調製装置には、穀物などの揚送搬送用としてバケット昇降機が広く用いられており、また、穀物調製施設や穀物調製装置内で発生する塵埃の排出のため排塵ダクトがバケット昇降機と併設されることも一般的である。
【0003】
従来、この種のバケット昇降機は種々のものがあるが、バケット昇降機の搬送ケース内をバケット上昇側とバケット下降側とに仕切って、バケット下降側を除塵通路としたものは特開平10−5606号公報に、また、搬送ケースの下部ケース内を除塵するものは特開2004−352472公報にそれぞれ記載されている。なお、搬送ケース内の上昇搬送側と下降戻り側との間に中空状の骨格が設けられているバケット昇降機は特開2000−189820公報に記載されている。
【特許文献1】特開平10−5606号公報
【特許文献2】特開2004−352472公報
【特許文献3】特開2000−189820公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バケット昇降機は、その搬送ケースの上下端部にそれぞれ設けた上部プーリおよび下部プーリ間に、多数のバケットを取り付けた搬送ベルトを懸架してなるものであるが、上部プーリと下部プーリとの間には上下方向に細長の利用されない空間が生じている。
【0005】
そこで本発明は、バケット昇降機において無駄な空間となっている上部プーリと下部プーリとの間の空間に上下方向に延びるダクトを配置することにより、揚上搬送機能と排塵などの機能を併せ持ったバケット昇降機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明は請求項1ないし6に係るバケット昇降機を提案する。すなわち、請求項1に係るバケット昇降機は、搬送ケースの上下端部にそれぞれ設けた上部プーリおよび下部プーリ間に、多数のバケットを取り付けた搬送ベルトを懸架してなるバケット昇降機において、上部プーリと下部プーリとの間の空間に上下方向に延びるダクトを配置してあることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に係るバケット昇降機は、請求項1の構成において、上部プーリと下部プーリとの間の空間に配置したダクトは、バケットによる上昇搬送側およびバケットの下降戻り側をともに覆う搬送ケースの内部を、上昇搬送側と下降戻り側とに仕切ってそれらの間に形成してあることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に係るバケット昇降機は、請求項1の構成において、上部プーリと下部プーリとの間の空間に配置したダクトは、搬送ケースとは別体のダクトを配設して形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に係るバケット昇降機は、請求項2の構成において、搬送ケースは、上部プーリを備えた上部ケースと、下部プーリを備えた下部ケースと、これら上部ケースと下部ケースとの間の中間ケースにより構成され、ダクトは中間ケースの内部を、上昇搬送側と下降戻り側とに仕切ってそれらの間に形成してあることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に係るバケット昇降機は、請求項4の構成において、中間ケースは、上昇搬送側ケースと下降戻側りケースとが別体構成であり、これら上昇搬送側ケースと下降戻側りケースとの対向空間を閉じてダクトを形成したことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6に係るバケット昇降機は、請求項1ないし5のいずれかの構成において、バケット昇降機は穀物乾燥施設に装備されるものであって、ダクトは穀物乾燥施設の排塵用であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バケット昇降機において無駄な空間となっている上部プーリと下部プーリとの間の空間に上下方向に延びるダクトを配置することにより、揚上搬送機能と排塵などの機能を併せ持ったバケット昇降機を提供することができ、バケット昇降機を備えることにより穀物調製施設や穀物調製装置などの構成の簡素化と機能の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明に係るバケット昇降機を穀物乾燥施設に備えた態様を示す斜視図、図2は本発明に係るバケットの昇降機の一部を示す斜視図、図3は本発明の他例を示すバケット昇降機の一部を示す断面図、図4は同上斜視図である。
【0014】
図1において、1はバケット昇降機であり、バケット昇降機1は、穀物乾燥施設2に備えられている。3は昇降機ピット、4は荷受ピット、5は荷受ホッパ、6は床面である。荷受ホッパ5とバケット昇降機1の張込ホッパ7間はコンベア8により連絡されている。
【0015】
バケット昇降機1は、搬送ケース9の上下端部にそれぞれ設けた上部プーリと下部プーリ間に、図3に示すように、多数のバケット10を取り付けた搬送ベルト11を懸架してなるものであり、上部プーリを備えた上部ケース12と、下部プーリを備えた下部ケース13と、これら上部ケース12と下部ケース13との間の中間ケース14により構成されている。中間ケース14は複数のケース部材を接続して所要の長さに構成したものである。
【0016】
15はダクトである。このダクト15は、図2に示すように、バケット10による上昇搬送側16およびバケット10の下降戻り側17をともに覆う搬送ケース9の中間ケース14の内部を、上昇搬送側16と下降戻り側17とに仕切板18、18で仕切ってそれらの間の上部プーリと下部プーリとの間の空間に上下方向に延びる通路を形成したものである。ダクト15の上下端部には排塵ダクト19、20がそれぞれ接続されている。なお、図示しないが、上部プーリと下部プーリとの間の空間に配置したダクト15は、搬送ケース9とは別体のダクトを配設して形成することもできる。
【0017】
本発明に係るバケット昇降機1は、図3および図4に示すように、中間ケース14は、上昇搬送側ケース21と下降戻側りケース22とを別体構成とし、これら上昇搬送側ケース21と下降戻側りケース22との対向空間を側面板23、24で閉じてダクト15を形成したものとしてもよい。
【0018】
本発明に係るバケット昇降機1によれば、バケット昇降機1において無駄な空間となっている上部プーリと下部プーリとの間の空間に上下方向に延びるダクト15を配置しているので、バケット昇降機1は本来の揚上搬送機能と排塵などの機能を併せ持たせて、バケット昇降機1を備えることにより穀物調製施設や穀物調製装置などに排塵のためのダクトも備えることができ、穀物調製施設や穀物調製装置など構成の簡素化と機能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るバケット昇降機を穀物乾燥施設に備えた態様を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るバケットの昇降機の一部を示す斜視図である。
【図3】本発明の他例を示すバケット昇降機の一部を示す断面図である。
【図4】同上斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
1 バケット昇降機
2 穀物乾燥施設
3 昇降機ピット
4 荷受ピット
5 荷受ホッパ
6 床面
7 張込ホッパ
8 コンベア
9 搬送ケース
10 バケット
11 搬送ベルト
12 上部ケース
13 下部ケース
14 中間ケース
15 ダクト
16 上昇搬送側
17 下降戻り側
18 仕切板
19、20 排塵ダクト
21 上昇搬送側ケース
22 下降戻側りケース
23、24 側面板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ケースの上下端部にそれぞれ設けた上部プーリおよび下部プーリ間に、多数のバケットを取り付けた搬送ベルトを懸架してなるバケット昇降機において、
上部プーリと下部プーリとの間の空間に上下方向に延びるダクトを配置してあることを特徴とするバケット昇降機。
【請求項2】
上部プーリと下部プーリとの間の空間に配置したダクトは、バケットによる上昇搬送側およびバケットの下降戻り側をともに覆う搬送ケースの内部を、上昇搬送側と下降戻り側とに仕切ってそれらの間に形成してあることを特徴とする請求項1記載のバケット昇降機。
【請求項3】
上部プーリと下部プーリとの間の空間に配置したダクトは、搬送ケースとは別体のダクトを配設して形成されていることを特徴とする請求項1記載のバケット昇降機。
【請求項4】
搬送ケースは、上部プーリを備えた上部ケースと、下部プーリを備えた下部ケースと、これら上部ケースと下部ケースとの間の中間ケースにより構成され、ダクトは中間ケースの内部を、上昇搬送側と下降戻り側とに仕切ってそれらの間に形成してあることを特徴とする請求項2記載のバケット昇降機。
【請求項5】
中間ケースは、上昇搬送側ケースと下降戻側りケースとが別体構成であり、これら上昇搬送側ケースと下降戻側りケースとの対向空間を閉じてダクトを形成したことを特徴とする請求項4記載のバケット昇降機。
【請求項6】
バケット昇降機は穀物乾燥施設に装備されるものであって、ダクトは穀物乾燥施設の排塵用であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のバケット昇降機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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