説明

バックライトユニットおよび表示装置

【課題】面内での輝度差を軽減したバックライトユニットと、視認性が向上した表示装置とを提供する。
【解決手段】導光板8の側面8aには、鋸歯状の凸部8bが設けられており、凸部8bは、第1の面801と第2の面802によって構成される。第1の面801は、LED11からの光に対し透過性であり、第2の面802は、第1の面801を透過した光に対し半透過性である。出射面11bから出射した光は、第1の面801を透過して第2の面802に向かう。そして、半透過膜13において、その反射率に相当する強度の光が反射光として導光板8の側に出射される。一方、凸部8bの透過率に相当する強度の光は、半透過膜13を透過して、隣接する凸部8bの側に出射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトユニットおよび表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、比較的単純な構造からなっており、また、構成部材の選択によって薄型化および軽量化が容易で、さらには、低電圧での駆動も可能であることから、近年では、コンピュータ、テレビ、ビデオカメラまたは車両のインストルメントパネルなどに盛んに利用されている。
【0003】
例えば、透過型の液晶表示装置では、所定の方向に配向した数μm程度の極薄い液晶層と、この液晶層を挟持する透明な一対の薄い基板と、さらに、基板を挟持して偏光子および検光子を構成する一対の偏光板とを有する。液晶層が設けられる側の基板面には、所定の形状にパターニングされた配線が形成されている。この配線を介して液晶層に電圧を印加すると、液晶の配向が変化して、液晶層を透過する光の量または波長が変わる。液晶表示装置では、これを利用して所望の表示を行っている。
【0004】
このような液晶表示装置においては、一般に、液晶層の背面側、すなわち、反視認者側にバックライトユニットが設けられる。バックライトユニットには、サイドライト型と直下型があるが、薄型化や熱対策の点で有利であることから、サイドライト型が多く採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
サイドライト型のバックライトユニットは、導光板と、導光板の側方に配置される光源とを有する。ここで、光源には、チップ型のLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)が用いられる。LEDから出射した光は、導光板の側面から内部に入る。そして、導光板の視認者側に設けられた拡散板を通って液晶層に入射する。一方、導光板の反視認者側には反射板が設けられており、導光板から反視認者側に出射された光は、反射板で反射されて上記と同様に液晶層に入射する。
【0006】
【特許文献1】特開2004−177876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図3は、従来のバックライトユニットの部分平面図である。この図に示すように、導光板101の側面101aに沿って、複数のLED102が配列している。LED102は、バックライトユニットに設けられた回路基板(図示せず)から電極端子(図示せず)を通じて供給される電力によって発光する。
【0008】
図3において、LED102から出射した光は、矢印で示すように、導光板101の側面101aより内部に入射する。そして、導光板101の内部で多重反射した後、液晶層(図示せず)に入射する。しかし、隣り合うLED102の間に位置する領域103には発光源がないので、領域103に対向した導光板101の側面101aには、LED102からの光が入射し難い。また、導光板101の内部における多重反射の影響も受け難い。このため、図の斜線部分104の輝度が他の部分より低くなり、液晶表示装置で明らかな暗部となって視認される。
【0009】
上記の問題は、LED102の個数を増やし、領域103の面積を小さく(LED間の距離を短く)することによって、改善を図ることが可能である。しかし、LEDは高価であり、その個数を増やすことは、大きな価格上昇を招くため好ましくない。
【0010】
本発明は、こうした点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、面内での輝度差を軽減したバックライトユニットを提供することにある。
【0011】
また、本発明の目的は、上記のバックライトユニットを用いることにより、視認性が向上した表示装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様は、光源からの光を導光板の側面を通じて内部に導入し、該導光板の一方の主面から出射するバックライトユニットにおいて、
前記光源は1つだけであり、
前記側面には、第1の面と第2の面からなる鋸歯状の凸部が設けられていて、
前記凸部が設けられた前記側面側の端部に前記光源が配置され、前記光源側の前記第1の面は、前記光源からの光に対し透過性であり、
前記第2の面は、前記第1の面を透過した光に対し半透過性であって、
前記側面の仮想線と前記第2の面とのなす角度θは、40度≦θ≦50度であることを特徴とするものである。
【0014】
本発明において、前記第1の面側から入射する前記光源の光の前記第2の面での反射率は60%〜80%であることが好ましい。
【0015】
本発明において、前記第2の面は、銀膜またはアルミニウム膜で被覆されたものとすることができる。
【0016】
本発明の第2の態様は、表示パネルと、
前記表示パネルの背面に配置されて前記表示パネルに接続するバックライトユニットとを有する表示装置であって、
前記バックライトユニットは、本発明の第1の態様によるバックライトユニットであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の態様によれば、光源は1つだけであり、導光板の側面には、第1の面と第2の面からなる鋸歯状の凸部が設けられていて、第1の面は、光源からの光に対し透過性であり、第2の面は、第1の面を透過した光に対し半透過性であって、側面の仮想線と第2の面とのなす角度θが40度≦θ≦50度であるので、導光板内部の領域に輝度の低い部分が生じるのを抑制することができる。
【0018】
本発明の第2の態様によれば、視認性が向上した表示装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本実施の形態における液晶表示装置の模式的な断面図である。
【0020】
図1に示すように、液晶表示装置1は、液晶表示パネル2と、液晶表示パネル2の背面に配置されて液晶表示パネル2に接続するバックライトユニット3とを有する。ここで、バックライトユニット3は、サイドライト型のバックライトユニットである。
【0021】
液晶表示パネル2は、液晶層(図示せず)を挟持する透明な一対の基板4、5を有する。また、これらの基板は、一対の偏光板6、7によって挟持されている。そして、反視認者側の偏光板7に対向する位置に、バックライトユニット3が設けられている。
【0022】
バックライトユニット3は、導光板8と、導光板8の視認者側に設けられた拡散板9と、導光板8の反視認者側に設けられた反射板10と、導光板8の側方に設けられたLED11と、これらを収納するフレームケース12とを有する。ここで、LED11は、バックライトユニット3における光源であり、バックライトユニット3に設けられた回路基板(図示せず)から電極端子(図示せず)を通じて供給される電力によって発光する。
【0023】
本実施の形態においては、バックライトユニットに複数のLEDを設けるのではなく、高輝度のLEDを1つだけ設ける。
【0024】
図2は、本実施の形態におけるバックライトユニットの部分平面図である。尚、図2で図1と同じ符号を付した部分は、同じものであることを示している。
【0025】
図2に示すように、LED11は、導光板8の側面8a側の端部に配置されており、LED11から出射される光のうちで、導光板8の側面8a側に漏れる光は、側面8aを通って導光板8の内部に入射する。本発明では、LED11の出射面11bから側面8の仮想線14に沿って出射される光を積極的に利用する。このため、本実施の形態においては、導光板8の側面8aに鋸歯状の凸部8bが設けられていることを特徴とする。
【0026】
凸部8bは、第1の面801と第2の面802によって構成される。第1の面801は光透過性とし、第2の面802は半透過性とする。より詳しくは、第1の面801は、LED11からの光に対し透過性であり、第2の面802は、第1の面801を透過した光に対し半透過性である。第1の面801は、導光板8の側面8aと同じ透過性の材料で形成することができる。一方、第2の面802は、導光板8の側面8aと同じ透過性の材料を半透過性の材料で被覆して形成することができる。
【0027】
半透過性の材料としては、例えば、銀膜およびアルミニウム膜などの金属膜を挙げることができる。入射光の強度に対する反射光の強度を反射率とし、凸部への入射光の強度に対する凸部からの透過光の強度を透過率とすると、金属膜におけるこれらの値は、導光板の内部にできるだけ均一に光が導入される値とする。具体的には、反射率が60%〜80%であり、透過率が20%〜40%であることが好ましく、反射率が65%程度であり、透過率が35%程度であることが最も好ましい。
【0028】
一例として、アクリル樹脂を用いて、側面8aに鋸歯状の凸部8bを有する導光板8を形成する。次に、凸部8bの第2の面802に半透過膜13を設ける。例えば、第2の面802に銀テープを貼り付けることにより、半透過膜13を形成することができる。また、真空蒸着法やメッキ法などを用いて第2の面802に銀膜を成膜し、半透過膜13としてもよい。
【0029】
LED11で第1の面801に対向する出射面11bから出射した光は、第1の面801を透過して第2の面802に向かう。そして、半透過膜13において、その反射率に相当する強度の光が反射光として導光板8の内部に出射される。一方、凸部8bの透過率に相当する強度の光は、半透過膜13を透過して、隣接する凸部8bの側に出射される。
【0030】
第2の面802の傾斜角度θ、すなわち、導光板8の側面8aの仮想線14と第2の面802とのなす角度θは、第2の面802で反射した光が導光板8の内部に入射できる角度とする。具体的には、
40度≦θ≦50度
の関係が成立することが好ましい。
【0031】
このように、本実施の形態では、高輝度のLED11を1つ設け、これから出射される光を分散させて、導光板8の内部に光が均一に入るようにしている。この構成によれば、LED間に対応した導光板内部の領域に、輝度の低い部分が生じるのを抑制することができる。すなわち、面内での輝度差を軽減したバックライトユニットが得られるので、このバックライトユニットを用いることにより、視認性が向上した表示装置を提供することが可能となる。
【0032】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施の形態における液晶表示装置の模式的な断面図である。
【図2】本実施の形態におけるバックライトユニットの部分平面図である。
【図3】従来のバックライトユニットの部分平面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 液晶表示装置
2 液晶表示パネル
3 バックライトユニット
4、5 基板
6、7 偏光板
8 導光板
9 拡散板
10 反射板
11 LED
12 フレームケース
13 半透過膜
801 第1の面
802 第2の面
8a 側面
8b 凸部
11b 出射面





【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を導光板の側面を通じて内部に導入し、該導光板の一方の主面から出射するバックライトユニットにおいて、
前記光源は1つだけであり、
前記側面には、第1の面と第2の面からなる鋸歯状の凸部が設けられていて、
前記凸部が設けられた前記側面側の端部に前記光源が配置され、前記光源側の前記第1の面は、前記光源からの光に対し透過性であり、
前記第2の面は、前記第1の面を透過した光に対し半透過性であって、
前記側面の仮想線と前記第2の面とのなす角度θは、40度≦θ≦50度であることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項2】
前記第1の面側から入射する前記光源の光の前記第2の面での反射率は60%〜80%であることを特徴とする請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項3】
前記第2の面は、銀膜またはアルミニウム膜で被覆されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバックライトユニット。
【請求項4】
表示パネルと、
前記表示パネルの背面に配置されて前記表示パネルに接続するバックライトユニットとを有する表示装置であって、
前記バックライトユニットは、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバックライトユニットであることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−277078(P2008−277078A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118242(P2007−118242)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】