パケット中継装置
【課題】 従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができるパケット中継装置を提供すること。
【解決手段】 フロー毎に定められた最低保証帯域以下の転送レートで受信したパケットに第1のラベルを付加し、前記最低保証帯域を超えた転送レートで受信したパケットに第2のラベルを付加するラベル付加手段6a乃至6cと、中継するパケットの転送レートが制限帯域を超える場合には、中継するパケットの転送レートが前記制限帯域を超えないよう、前記第2のラベルを付加した何れかのパケットを廃棄するパケット廃棄手段7とを備える。
【解決手段】 フロー毎に定められた最低保証帯域以下の転送レートで受信したパケットに第1のラベルを付加し、前記最低保証帯域を超えた転送レートで受信したパケットに第2のラベルを付加するラベル付加手段6a乃至6cと、中継するパケットの転送レートが制限帯域を超える場合には、中継するパケットの転送レートが前記制限帯域を超えないよう、前記第2のラベルを付加した何れかのパケットを廃棄するパケット廃棄手段7とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケットを中継するパケット中継装置に関し、詳しくは、中継するパケットの伝送量を制限するパケット中継装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、中継するパケットの伝送量を制限するパケット中継装置としては、例えば、受信パケットをフロー毎に到着順にキューイングし、パケット転送レートが最低保証帯域未満であるフローが属するグループ1と、パケット転送レートが最低保証帯域以上であり、かつ最大制限帯域未満であるフローが属するグループ2と、パケット転送レートが最大制限帯域を超過したフローが属するグループ3とに分類し、グループ1が属するフローに関して受信したパケットをグループ2に属するフローに関して受信したパケットに優先して転送し、かつグループ2が属するフローに関して受信したパケットをグループ3に属するフローに関して受信したパケットに優先して転送し、フロー毎に到着順にキューイングするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−237841号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のパケット中継装置は、受信パケットをキューイングするためのバッファやこのバッファを制御するための制御部を要するため、装置の構成が複雑になるといった問題があった。
【0005】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができるパケット中継装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のパケット中継装置(1)は、フロー毎に定められた最低保証帯域以下の転送レートで受信したパケットに第1のラベルを付加し、前記最低保証帯域を超えた転送レートで受信したパケットに第2のラベルを付加するラベル付加手段(6a乃至6c)と、中継するパケットの転送レートが制限帯域を超える場合には、中継するパケットの転送レートが前記制限帯域を超えないよう、前記第2のラベルを付加した何れかのパケットを廃棄するパケット廃棄手段(7)とを備えている。
【0007】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、受信パケットをキューイングするためのバッファを要せずに、最低保証帯域に基づいてパケットにラベルを付加し、このラベルに基づいて中継するパケットの伝送量を制限するため、従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができる。
【0008】
また、本発明のパケット中継装置(1)は、前記フロー毎にパケットの受信が途絶えたか否かを判定する受信判定手段(3)と、前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数に基づいて、各フローの最低保証帯域を定める帯域設定手段(4)とを備えている。
【0009】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、パケットの受信が継続しているフローの数に基づいて各フローの最低保証帯域を定めることができる。
【0010】
なお、前記帯域設定手段が、前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数で前記制限帯域を除算することによって前記各フローの最低保証帯域を定めるようにしてもよい。
【0011】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、パケットの受信が継続している各フローの最低保証帯域を公平に定めることができる。
【0012】
また、本発明のパケット中継装置(31)は、複数のフローをグループに割り当て、前記パケット廃棄手段(37)が、前記グループ毎に定められた制限帯域を超えないようパケットを廃棄するようにしてもよい。
【0013】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、受信パケットをキューイングするためのバッファを要せずに、最低保証帯域に基づいてパケットにラベルを付加し、このラベルに基づいて中継するパケットの伝送量をグループ毎に制限するため、従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができる。
【0014】
また、本発明のパケット中継装置(31)は、前記フロー毎にパケットの受信が途絶えたか否かを判定する受信判定手段(33)と、前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数に基づいて、各フローの最低保証帯域を前記グループ毎に定める帯域設定手段(34)とを備えている。
【0015】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、パケットの受信が継続しているフローの数に基づいて各フローの最低保証帯域をグループ毎に定めることができる。
【0016】
なお、帯域設定手段が、前記グループに割り当てられたフローのうち前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数で前記グループの制限帯域を除算することによって前記グループに割り当てられた各フローの最低保証帯域を定めるようにしてもよい。
【0017】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、パケットの受信が継続している各フローの最低保証帯域をグループ毎に公平に定めることができる。
【0018】
また、本発明のパケット中継装置(1または31)は、前記パケット廃棄手段によって廃棄されなかったパケットの転送レートが送信側の制限帯域未満の場合には、中継するパケットの転送レートが前記送信側の制限帯域を超えない範囲で何れのフローにも当てはまらないパケットの送信を許可し、前記送信側の制限帯域を超える範囲の何れのフローにも当てはまらないパケットの送信を禁止する送信制御手段(8)を備えている。
【0019】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、何れのフローにも該当しないパケットを送信側の制限帯域を超えない範囲で中継することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができるパケット中継装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置のブロック図である。
【0023】
パケット中継装置1は、パケットを受信する受信インターフェイス(以下、単に「IF」という。)2と、受信されたパケットのフローを識別するフロー識別部3と、フロー識別部3によってフローを識別する際に参照される識別ルールや中継するパケットの転送レート等の情報がパケット中継装置1の管理者等によって設定され、設定された情報を記憶する設定部5と、フロー識別部3によって識別されたフロー毎に最低保証帯域を定める帯域設定部4と、フロー毎に設けられた第1のポリサー6a乃至6cと、フロー識別部3によってフローが識別されたパケットの転送レートを制限する第2のポリサー7と、送信するパケットの転送レートを制限する送信制限部8と、パケットを送信する送信IF9とを備えている。
【0024】
なお、図1においては、パケット中継装置1が3つの第1のポリサー6a乃至6cを備えているが、第1のポリサーの数を限定するものではない。また、第1のポリサー6a乃至6cの何れか1つを「第1のポリサー6」と以下に記載する。
【0025】
フロー識別部3は、設定部5に設定された識別ルールに基づいて、受信IF2に受信されたパケットのフローを識別し、識別したフローに応じて当該パケットを第1のポリサー6a乃至6cおよび送信制限部8の何れかに出力するようになっている。
【0026】
例えば、図2に示すような識別ルールが設定部5に設定された場合には、フロー識別部3は、送信元のIPアドレスが「192.168.10.1」のパケットを識別子6aで識別される第1のポリサー6aに出力し、送信元のIPアドレスが「192.168.10.2」のパケットを識別子6bで識別される第1のポリサー6bに出力し、送信元のIPアドレスが「192.168.10.3」のパケットを識別子6cで識別される第1のポリサー6cに出力する。一方、フロー識別部3は、送信元のIPアドレスが「192.168.10.1」、「192.168.10.2」および「192.168.10.3」の何れでもないパケットを送信制限部8に出力する。
【0027】
ここで、図2に示した識別ルールは、送信元の各IPアドレスに基づいてフロー識別部3にパケットを識別させるようになっているが、例えば、「192.168.10.*」のように送信元のIPアドレスを範囲で指定し、指定した範囲に送信元のIPアドレスが入っているか否かに基づいてフロー識別部3にパケットを識別させるようにしてもよい。
【0028】
さらに、識別ルールは、送信元のIPアドレスに加えて、送信元のポート番号、宛先のIPアドレスおよび宛先のポート番号等に基づいてフロー識別部3にパケットを識別させるようにしてもよい。
【0029】
また、識別ルールは、該当するフローのパケットがフロー識別部3によって識別するまでは、「第1のポリサー」の項目をブランクにしておき、該当するフローのパケットがフロー識別部3によって識別されたときに、他のフローに割り当てられていない第1のポリサー6a乃至6cの何れかを選択し、「第1のポリサー」の項目を設定するようにしてもよい。これにより、利用形態によっては、識別ルールのエントリの数を第1のポリサー6a乃至6cの数よりも多く設定することができる。
【0030】
ここで、図3を参照して第1のポリサー6について詳細に説明する。第1のポリサー6は、本発明におけるラベル付加手段を構成し、パケットの転送レートを計測するレート計測部10と、レート計測部10によって計測された転送レートが最低保証帯域を超えているか否かを判定する帯域超過判定部11と、帯域超過判定部11による判定結果を表すラベルをパケットに付加するラベル付加部12とを備えている。
【0031】
レート計測部10は、入力されたパケットと、この直前に入力されたパケットとの入力時間差と各パケットのサイズに基づいて転送レートを計測するようになっている。
【0032】
帯域超過判定部11は、レート計測部10によって計測された転送レートを帯域設定部4によって定められた最低保証帯域と比較することによって転送レートが最低保証帯域を超えているか否かを判定するようになっている。
【0033】
ラベル付加部12は、図4に示すように、最低保証帯域以下の転送レートで入力されたと帯域超過判定部11によって判定されたパケット15に第1のラベル16、例えば、「1」を付加し、最低保証帯域を超えた転送レートで入力されたと帯域超過判定部11によって判定されたパケット15に第2のラベル16、例えば、「0」を付加するようになっている。
【0034】
図1において、帯域設定部4は、本発明における帯域設定手段を構成し、フロー識別部3によって識別されたフロー毎に最低保証帯域を定めるようになっている。
【0035】
ここで、フロー識別部3は、パケットのフローを識別する他に、フロー毎にパケットの受信が途絶えたか否かを判定する受信判定手段を構成し、この判定結果を図2に示した、識別ルールの「フロー有/無」を設定するようになっている。
【0036】
具体的には、フロー識別部3は、パケットのフローを識別した時に、該当フローに対するエントリの「フロー有/無」の項目を例えば「1」に設定し、あらかじめ定められた時間内にパケットが受信されなかったフローに対するエントリの「フロー有/無」の項目を例えば「0」に設定するようになっている。
【0037】
帯域設定部4は、「フロー有/無」の項目が「1」に設定されたエントリの数、すなわち、パケットが途絶えていないと判定されたフローの数で仮想制限帯域を除算することによって各フローの最低保証帯域を定めるようになっている。
【0038】
なお、仮想制限帯域とは、識別ルールに当てはまる全てのパケットの転送レートの上限のことをいい、設定部5を介して送信側の制限帯域(以下、単に「送信制限帯域」という。)を超えない範囲で設定される。
【0039】
次に、図5を参照して第2のポリサー7について詳細に説明する。第2のポリサー7は、本発明におけるパケット廃棄手段を構成し、パケットの転送レートを計測するレート計測部20と、レート計測部20によって計測された転送レートが仮想制限帯域を超えているか否かを判定する帯域超過判定部21と、帯域超過判定部21による判定結果に基づいてパケットを廃棄するパケット廃棄部22とを備えている。
【0040】
レート計測部20は、レート計測部10と同様に、第1のポリサー6a乃至6cから入力されたパケットに基づいて識別ルールに当てはまる全てのパケットの転送レートを計測するようになっている。
【0041】
帯域超過判定部21は、レート計測部20によって計測された転送レートを仮想制限帯域と比較することによって転送レートが仮想制限帯域を超えているか否かを判定するようになっている。
【0042】
パケット廃棄部22は、帯域超過判定部21によって転送レートが仮想制限帯域を超えていると判定された場合には、転送レートが仮想制限帯域以下になるまで第1のポリサー6のラベル付加部12によって第2のラベル「0」が付加されたパケットを廃棄するようになっている。
【0043】
一方、パケット廃棄部22は、廃棄しなかったパケットから第1のポリサー6のラベル付加部12によって付加されたラベルを除去するようになっている。
【0044】
図1において、送信制限部8は、本発明における送信制御手段を構成し、第2のポリサー7から出力されたパケットの送信を許可すると共に、何れのフローにも当てはまらないパケット(以下、単に「非識別パケット」という。)の送信を制限するようになっている。
【0045】
具体的には、送信制限部8は、パケットの転送レートが送信制限帯域未満の場合には、中継するパケットの転送レートが送信制限帯域を超えない範囲で非識別パケットの送信を許可し、中継するパケットの転送レートが送信制限帯域を超える範囲の非識別パケットを廃棄するようになっている。
【0046】
なお、受信側の帯域の上限が保証されていて、送信制限帯域を受信側の帯域の上限以上にする場合には、非識別パケットの送信が必ず許可されるため、パケット中継装置1の構成から送信制限部8を除くことができる。
【0047】
以上のように構成されたパケット中継装置1において、図6を用いてその動作を説明する。
【0048】
まず、パケットが受信IF2に受信されると(S1)、受信されたパケットのフローがフロー識別部3によって識別ルールに基づいて識別される(S2)。
【0049】
ここで、受信されたパケットが識別ルールに該当せずに、パケットのフローが識別されなかった場合には、パケットの転送レートが送信制限帯域を超えるか否かが送信制限部8によって判定される(S3)。
【0050】
パケットの転送レートが送信制限帯域を超えないと判定された場合には、当該パケットは、送信IF9によって送信され(S4)、パケットの転送レートが送信制限帯域を超えると判定された場合には、当該パケットは、送信制限部8によって廃棄される(S5)。
【0051】
ステップS2において、受信されたパケットのフローが識別された場合には、第1のポリサー6の帯域超過判定部11によって当該パケットが該当するフローの転送レートが最低保証帯域を超えているか否かが判定される(S6)。
【0052】
ここで、当該パケットが該当するフローの転送レートが最低保証帯域を超えていないと判定された場合には、第1のラベル「1」が第1のポリサー6のラベル付加部12によって当該パケットに付加される(S7)。
【0053】
一方、当該パケットが該当するフローの転送レートが最低保証帯域を超えていると判定された場合には、第2のラベル「0」がラベル付加部12によって当該パケットに付加される(S8)。
【0054】
次に、ラベル付加部12によってラベルが付加されたパケットの転送レートが仮想制限帯域を超えているか否かが、第2のポリサー7の帯域超過判定部21によって判定される(S9)。
【0055】
ラベル付加部12によってラベルが付加されたパケットの転送レートが仮想制限帯域を超えていると判定された場合には、当該パケットに付加されたラベルが第1のラベル「1」であるか否かが、第2のポリサー7のパケット廃棄部22によって判定される(S10)。
【0056】
ここで、パケットに付加されたラベルが第1のラベル「1」でない、すなわち、第2のラベル「0」であると判定された場合には、当該パケットは、パケット廃棄部22によって廃棄される(S5)。
【0057】
一方、パケットに付加されたラベルが第1のラベル「1」であると判定された場合、または、ステップS9でラベル付加部12によってラベルが付加されたパケットの転送レートが仮想制限帯域を超えていないと判定された場合には、当該パケットに付加されたラベルが、パケット廃棄部22によって除去され(S11)、当該パケットが送信IF9によって送信される(S4)。
【0058】
このように、本実施形態に係るパケット中継装置は、受信パケットをキューイングするためのバッファを要せずに、最低保証帯域に基づいてパケットにラベルを付加し、このラベルに基づいて中継するパケットの伝送量を制限するため、従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができる。
【0059】
なお、本実施形態において、パケット中継装置1は、複数の第1のポリサー6a乃至6cを備えるものとして説明したが、本発明に係るパケット中継装置は、複数の第1のポリサー6a乃至6cに代えて、1つの第1のポリサーと、フロー毎の記憶領域とを備え、各記憶領域に、当該フローの識別番号と、当該フローの最低保証帯域と、パケット長やパケットの到達時刻等のパケットの転送レートを計測するための情報とを記憶するようにし、第1のポリサーが全てのフローのパケットを処理するようにしてもよい。
【0060】
このように構成することによって、本発明のパケット中継装置をさらに簡易に構成することができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置のブロック図である。なお、図7において、本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置31を構成する各構成要素のうち、本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置1を構成する各構成要素と同一なものには、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0062】
パケット中継装置31は、本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置1に対して、複数のフローをグループに割り当て、グループ毎に制限帯域(以下、単に「グループ制限帯域」という。)を設けている。
【0063】
パケット中継装置31は、受信IF2と、受信されたパケットのフローを識別するフロー識別部33と、フロー識別部33によってフローを識別する際に参照される識別ルールや中継するパケットの転送レート等の情報がパケット中継装置31の管理者等によって設定され、設定された情報を記憶する設定部35と、フロー識別部33によって識別されたフロー毎に最低保証帯域を定める帯域設定部34と、フロー毎に設けられた第1のポリサー6a乃至6fと、各グループの転送レートを制限する第2のポリサー37a、37bと、第1のポリサー6a乃至6fから第2のポリサー37a、37bに送信されるパケットをスイッチングするスイッチ39と、送信制限部8と、送信IF9とを備えている。
【0064】
なお、図7においては、パケット中継装置31が6つの第1のポリサー6a乃至6fを備えているが、第1のポリサーの数を限定するものではない。また、各第1のポリサー6a乃至6fは、本発明の第1の実施の形態のパケット中継装置1を構成する第1のポリサー6と同一に構成されるため説明を省略する。また、第1のポリサー6a乃至6fの何れか1つを「第1のポリサー6」と以下に記載する。
【0065】
さらに、図7においては、パケット中継装置31が2つの第2のポリサー37a、37bを備えているが、第2のポリサーの数を限定するものではない。また、第2のポリサー37a、37bの何れか1つを「第2のポリサー37」と以下に記載する。
【0066】
フロー識別部33は、設定部35に設定された識別ルールに基づいて、受信IF2に受信されたパケットのフローを識別し、識別したフローに応じて当該パケットを第1のポリサー6a乃至6fおよび送信制限部8の何れかに出力するようになっている。
【0067】
また、フロー識別部33は、設定部35に設定された識別ルールに基づいて、図8に示すように、パケット15に第2のポリサー37a、37bの何れか1つを識別する宛先ラベル17を付加するようになっている。このように、第2のポリサー37を識別する識別子を識別ルールに設定することによって各フローをグループに割り当てることができる。
【0068】
例えば、図9に示すような識別ルールが設定部35に設定された場合には、フロー識別部33は、送信元のIPアドレスが「192.168.10.1」のパケットを識別子6aで識別される第1のポリサー6aに出力すると共に、第2のポリサー37aを識別する宛先ラベル37aを付加する。
【0069】
なお、図9に示した識別ルールにおいて「グループ保証帯域」の項目は、第2のポリサー37で制限する帯域、すなわち、グループ制限帯域を示しており、パケット中継装置31の管理者等によって設定部35に設定される。
【0070】
同様に、フロー識別部33は、送信元のIPアドレスが「192.168.11.1」のパケットを識別子6dで識別される第1のポリサー6dに出力すると共に、第2のポリサー37bを識別する宛先ラベル37bを付加する。
【0071】
一方、フロー識別部33は、送信元のIPアドレスが「192.168.10.1」から「192.168.10.3」まで、および「192.168.11.1」から「192.168.11.3」までの何れでもないパケットを送信制限部8に出力する。
【0072】
ここで、図9に示した識別ルールは、送信元の各IPアドレスに基づいてフロー識別部33にパケットを識別させるようになっているが、例えば、「192.168.10.*」のように送信元のIPアドレスを範囲で指定し、指定した範囲に送信元のIPアドレスが入っているか否かに基づいてフロー識別部33にパケットを識別させるようにしてもよい。
【0073】
さらに、識別ルールは、送信元のIPアドレスに加えて、送信元のポート番号、宛先のIPアドレスおよび宛先のポート番号等に基づいてフロー識別部33にパケットを識別させるようにしてもよい。
【0074】
また、識別ルールは、該当するフローのパケットがフロー識別部33によって識別するまでは、「第1のポリサー」の項目をブランクにしておき、該当するフローのパケットがフロー識別部33によって識別されたときに、他のフローに割り当てられていない第1のポリサー6a乃至6fの何れかを選択し、「第1のポリサー」の項目を設定するようにしてもよい。
【0075】
図7において、帯域設定部34は、本発明における帯域設定手段を構成し、フロー識別部33によって識別されたフロー毎に最低保証帯域をグループ毎に定めるようになっている。
【0076】
ここで、フロー識別部33は、パケットのフローを識別する他に、フロー毎にパケットの受信が途絶えたか否かを判定する受信判定手段を構成し、この判定結果を図9に示した、識別ルールの「フロー有/無」を設定するようになっている。
【0077】
具体的には、フロー識別部33は、パケットのフローを識別した時に、該当フローに対するエントリの「フロー有/無」の項目を例えば「1」に設定し、あらかじめ定められた時間内にパケットが受信されなかったフローに対するエントリの「フロー有/無」の項目を例えば「0」に設定するようになっている。
【0078】
帯域設定部34は、「フロー有/無」の項目が「1」に設定されたエントリの数、すなわち、パケットが途絶えていないと判定されたフローの数でグループ制限帯域を除算することによって各フローの最低保証帯域をグループ毎に定めるようになっている。
【0079】
スイッチ39は、フロー識別部33によってパケットに付加された第2のポリサー37a、37bの何れか1つを識別する宛先ラベルに基づいて、第1のポリサー6a乃至6fによって出力されたパケットを第2のポリサー37a、37bの何れかに出力するようになっている。
【0080】
次に、図10を参照して第2のポリサー37について詳細に説明する。第2のポリサー37は、本発明におけるパケット廃棄手段を構成し、パケットの転送レートを計測するレート計測部40と、レート計測部40によって計測された転送レートがグループ制限帯域を超えているか否かを判定する帯域超過判定部41と、帯域超過判定部41による判定結果に基づいてパケットを廃棄するパケット廃棄部42とを備えている。
【0081】
レート計測部40は、スイッチ39から入力されたパケットに基づいてグループに割り当てられた全てのフローの転送レートを計測するようになっている。
【0082】
帯域超過判定部41は、レート計測部40によって計測された転送レートをグループ制限帯域と比較することによって転送レートがグループ制限帯域を超えているか否かを判定するようになっている。
【0083】
パケット廃棄部42は、帯域超過判定部41によって転送レートがグループ制限帯域を超えていると判定された場合には、転送レートがグループ制限帯域以下になるまで第1のポリサー6のラベル付加部12によって第2のラベル「0」が付加されたパケットを廃棄するようになっている。
【0084】
一方、パケット廃棄部42は、廃棄しなかったパケットから、フロー識別部33によって付加された宛先ラベルおよび第1のポリサー6のラベル付加部12によって付加されたラベルをパケットから除去するようになっている。
【0085】
以上のように構成されたパケット中継装置31において、図11を用いてその動作を説明する。
【0086】
まず、パケットが受信IF2に受信されると(S21)、受信されたパケットのフローがフロー識別部33によって識別される(S22)。
【0087】
ここで、受信されたパケットのフローが識別ルールに該当しないと識別された場合には、パケットの転送レートが送信制限帯域を超えるか否かが送信制限部8によって判定される(S23)。
【0088】
パケットの転送レートが送信制限帯域を超えないと判定された場合には、当該パケットは、送信IF9によって送信され(S24)、パケットの転送レートが送信制限帯域を超えると判定された場合には、当該パケットは、送信制限部8によって廃棄される(S25)。
【0089】
ステップS22において、受信されたパケットのフローが識別ルールに該当すると識別された場合には、識別ルールに基づいて第2のポリサー37を識別する宛先ラベルがフロー識別部33によってパケットに付加される(S26)。
【0090】
次に、第1のポリサー6の帯域超過判定部11によって当該パケットが該当するフローの転送レートが最低保証帯域を超えているか否かが判定される(S27)。
【0091】
ここで、当該パケットが該当するフローの転送レートが最低保証帯域を超えていないと判定された場合には、第1のラベル「1」が第1のポリサー6のラベル付加部12によって当該パケットに付加される(S28)。
【0092】
一方、当該パケットが該当するフローの転送レートが最低保証帯域を超えていると判定された場合には、第2のラベル「0」がラベル付加部12によって当該パケットに付加される(S29)。
【0093】
次に、フロー識別部33によってパケットに付加された宛先ラベルが示す第2のポリサー37の帯域超過判定部41によって、当該パケットが該当するグループの転送レートがグループ制限帯域を超えているか否かが判定される(S30)。
【0094】
ラベル付加部12によってラベルが付加されたパケットの転送レートがグループ制限帯域を超えていると判定された場合には、当該パケットに付加されたラベルが第1のラベル「1」であるか否かが、第2のポリサー37のパケット廃棄部42によって判定される(S31)。
【0095】
ここで、パケットに付加されたラベルが第1のラベル「1」でない、すなわち、第2のラベル「0」であると判定された場合には、当該パケットは、パケット廃棄部42によって廃棄される(S25)。
【0096】
一方、パケットに付加されたラベルが第1のラベル「1」であると判定された場合、または、ステップS30でラベル付加部12によってラベルが付加されたパケットの転送レートがグループ制限帯域を超えてないと判定された場合には、フロー識別部33によって付加された宛先ラベルおよび第1のポリサー6のラベル付加部12によって付加されたラベルが、パケット廃棄部42によってパケットから除去され(S32)、当該パケットが送信IF9によって送信される(S24)。
【0097】
このように、本実施形態に係るパケット中継装置は、受信パケットをキューイングするためのバッファを要せずに、最低保証帯域に基づいてパケットにラベルを付加し、このラベルに基づいて中継するパケットの伝送量をグループ毎に制限するため、従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができる。
【0098】
なお、本実施形態において、パケット中継装置31は、複数の第1のポリサー6a乃至6fを備えるものとして説明したが、本発明に係るパケット中継装置は、複数の第1のポリサー6a乃至6fに代えて、1つの第1のポリサーと、フロー毎の記憶領域とを備え、各記憶領域に、当該フローの識別番号と、当該フローの最低保証帯域と、パケット長やパケットの到達時刻等のパケットの転送レートを計測するための情報とを記憶するようにし、第1のポリサーが全てのフローのパケットを処理するようにしてもよい。
【0099】
また、本実施形態において、パケット中継装置31は、複数の第2のポリサー37a、37bとスイッチ39とを備えるものとして説明したが、本発明に係るパケット中継装置は、複数の第2のポリサー37a、37bおよびスイッチ39に代えて、1つの第2のポリサーと、グループ毎の記憶領域とを備え、各記憶領域に、当該グループの識別番号と、グループ制限帯域と、パケット長やパケットの到達時刻等のパケットの転送レートを計測するための情報とを記憶するようにし、第2のポリサーが全てのグループのパケットを処理するようにしてもよい。
【0100】
これらのように構成することによって、本発明のパケット中継装置をさらに簡易に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する設定部に設定された識別ルールの例を示す表である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する第1のポリサーの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する第1のポリサーから出力されるパケットを示す概念図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する第2のポリサーの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する第1のポリサーから出力されるパケットを示す概念図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する設定部に設定された識別ルールの例を示す表である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する第2のポリサーの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1、31 パケット中継装置
2 受信IF
3、33 フロー識別部
4、34 帯域設定部
5、35 設定部
6 第1のポリサー
7、37 第2のポリサー
8 送信制限部
9 送信IF
10、20、40 レート計測部
11、21、41 帯域超過判定部
12 ラベル付加部
22、42 パケット廃棄部
39 スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケットを中継するパケット中継装置に関し、詳しくは、中継するパケットの伝送量を制限するパケット中継装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、中継するパケットの伝送量を制限するパケット中継装置としては、例えば、受信パケットをフロー毎に到着順にキューイングし、パケット転送レートが最低保証帯域未満であるフローが属するグループ1と、パケット転送レートが最低保証帯域以上であり、かつ最大制限帯域未満であるフローが属するグループ2と、パケット転送レートが最大制限帯域を超過したフローが属するグループ3とに分類し、グループ1が属するフローに関して受信したパケットをグループ2に属するフローに関して受信したパケットに優先して転送し、かつグループ2が属するフローに関して受信したパケットをグループ3に属するフローに関して受信したパケットに優先して転送し、フロー毎に到着順にキューイングするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−237841号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のパケット中継装置は、受信パケットをキューイングするためのバッファやこのバッファを制御するための制御部を要するため、装置の構成が複雑になるといった問題があった。
【0005】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができるパケット中継装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のパケット中継装置(1)は、フロー毎に定められた最低保証帯域以下の転送レートで受信したパケットに第1のラベルを付加し、前記最低保証帯域を超えた転送レートで受信したパケットに第2のラベルを付加するラベル付加手段(6a乃至6c)と、中継するパケットの転送レートが制限帯域を超える場合には、中継するパケットの転送レートが前記制限帯域を超えないよう、前記第2のラベルを付加した何れかのパケットを廃棄するパケット廃棄手段(7)とを備えている。
【0007】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、受信パケットをキューイングするためのバッファを要せずに、最低保証帯域に基づいてパケットにラベルを付加し、このラベルに基づいて中継するパケットの伝送量を制限するため、従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができる。
【0008】
また、本発明のパケット中継装置(1)は、前記フロー毎にパケットの受信が途絶えたか否かを判定する受信判定手段(3)と、前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数に基づいて、各フローの最低保証帯域を定める帯域設定手段(4)とを備えている。
【0009】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、パケットの受信が継続しているフローの数に基づいて各フローの最低保証帯域を定めることができる。
【0010】
なお、前記帯域設定手段が、前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数で前記制限帯域を除算することによって前記各フローの最低保証帯域を定めるようにしてもよい。
【0011】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、パケットの受信が継続している各フローの最低保証帯域を公平に定めることができる。
【0012】
また、本発明のパケット中継装置(31)は、複数のフローをグループに割り当て、前記パケット廃棄手段(37)が、前記グループ毎に定められた制限帯域を超えないようパケットを廃棄するようにしてもよい。
【0013】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、受信パケットをキューイングするためのバッファを要せずに、最低保証帯域に基づいてパケットにラベルを付加し、このラベルに基づいて中継するパケットの伝送量をグループ毎に制限するため、従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができる。
【0014】
また、本発明のパケット中継装置(31)は、前記フロー毎にパケットの受信が途絶えたか否かを判定する受信判定手段(33)と、前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数に基づいて、各フローの最低保証帯域を前記グループ毎に定める帯域設定手段(34)とを備えている。
【0015】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、パケットの受信が継続しているフローの数に基づいて各フローの最低保証帯域をグループ毎に定めることができる。
【0016】
なお、帯域設定手段が、前記グループに割り当てられたフローのうち前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数で前記グループの制限帯域を除算することによって前記グループに割り当てられた各フローの最低保証帯域を定めるようにしてもよい。
【0017】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、パケットの受信が継続している各フローの最低保証帯域をグループ毎に公平に定めることができる。
【0018】
また、本発明のパケット中継装置(1または31)は、前記パケット廃棄手段によって廃棄されなかったパケットの転送レートが送信側の制限帯域未満の場合には、中継するパケットの転送レートが前記送信側の制限帯域を超えない範囲で何れのフローにも当てはまらないパケットの送信を許可し、前記送信側の制限帯域を超える範囲の何れのフローにも当てはまらないパケットの送信を禁止する送信制御手段(8)を備えている。
【0019】
この構成により、本発明のパケット中継装置は、何れのフローにも該当しないパケットを送信側の制限帯域を超えない範囲で中継することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができるパケット中継装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置のブロック図である。
【0023】
パケット中継装置1は、パケットを受信する受信インターフェイス(以下、単に「IF」という。)2と、受信されたパケットのフローを識別するフロー識別部3と、フロー識別部3によってフローを識別する際に参照される識別ルールや中継するパケットの転送レート等の情報がパケット中継装置1の管理者等によって設定され、設定された情報を記憶する設定部5と、フロー識別部3によって識別されたフロー毎に最低保証帯域を定める帯域設定部4と、フロー毎に設けられた第1のポリサー6a乃至6cと、フロー識別部3によってフローが識別されたパケットの転送レートを制限する第2のポリサー7と、送信するパケットの転送レートを制限する送信制限部8と、パケットを送信する送信IF9とを備えている。
【0024】
なお、図1においては、パケット中継装置1が3つの第1のポリサー6a乃至6cを備えているが、第1のポリサーの数を限定するものではない。また、第1のポリサー6a乃至6cの何れか1つを「第1のポリサー6」と以下に記載する。
【0025】
フロー識別部3は、設定部5に設定された識別ルールに基づいて、受信IF2に受信されたパケットのフローを識別し、識別したフローに応じて当該パケットを第1のポリサー6a乃至6cおよび送信制限部8の何れかに出力するようになっている。
【0026】
例えば、図2に示すような識別ルールが設定部5に設定された場合には、フロー識別部3は、送信元のIPアドレスが「192.168.10.1」のパケットを識別子6aで識別される第1のポリサー6aに出力し、送信元のIPアドレスが「192.168.10.2」のパケットを識別子6bで識別される第1のポリサー6bに出力し、送信元のIPアドレスが「192.168.10.3」のパケットを識別子6cで識別される第1のポリサー6cに出力する。一方、フロー識別部3は、送信元のIPアドレスが「192.168.10.1」、「192.168.10.2」および「192.168.10.3」の何れでもないパケットを送信制限部8に出力する。
【0027】
ここで、図2に示した識別ルールは、送信元の各IPアドレスに基づいてフロー識別部3にパケットを識別させるようになっているが、例えば、「192.168.10.*」のように送信元のIPアドレスを範囲で指定し、指定した範囲に送信元のIPアドレスが入っているか否かに基づいてフロー識別部3にパケットを識別させるようにしてもよい。
【0028】
さらに、識別ルールは、送信元のIPアドレスに加えて、送信元のポート番号、宛先のIPアドレスおよび宛先のポート番号等に基づいてフロー識別部3にパケットを識別させるようにしてもよい。
【0029】
また、識別ルールは、該当するフローのパケットがフロー識別部3によって識別するまでは、「第1のポリサー」の項目をブランクにしておき、該当するフローのパケットがフロー識別部3によって識別されたときに、他のフローに割り当てられていない第1のポリサー6a乃至6cの何れかを選択し、「第1のポリサー」の項目を設定するようにしてもよい。これにより、利用形態によっては、識別ルールのエントリの数を第1のポリサー6a乃至6cの数よりも多く設定することができる。
【0030】
ここで、図3を参照して第1のポリサー6について詳細に説明する。第1のポリサー6は、本発明におけるラベル付加手段を構成し、パケットの転送レートを計測するレート計測部10と、レート計測部10によって計測された転送レートが最低保証帯域を超えているか否かを判定する帯域超過判定部11と、帯域超過判定部11による判定結果を表すラベルをパケットに付加するラベル付加部12とを備えている。
【0031】
レート計測部10は、入力されたパケットと、この直前に入力されたパケットとの入力時間差と各パケットのサイズに基づいて転送レートを計測するようになっている。
【0032】
帯域超過判定部11は、レート計測部10によって計測された転送レートを帯域設定部4によって定められた最低保証帯域と比較することによって転送レートが最低保証帯域を超えているか否かを判定するようになっている。
【0033】
ラベル付加部12は、図4に示すように、最低保証帯域以下の転送レートで入力されたと帯域超過判定部11によって判定されたパケット15に第1のラベル16、例えば、「1」を付加し、最低保証帯域を超えた転送レートで入力されたと帯域超過判定部11によって判定されたパケット15に第2のラベル16、例えば、「0」を付加するようになっている。
【0034】
図1において、帯域設定部4は、本発明における帯域設定手段を構成し、フロー識別部3によって識別されたフロー毎に最低保証帯域を定めるようになっている。
【0035】
ここで、フロー識別部3は、パケットのフローを識別する他に、フロー毎にパケットの受信が途絶えたか否かを判定する受信判定手段を構成し、この判定結果を図2に示した、識別ルールの「フロー有/無」を設定するようになっている。
【0036】
具体的には、フロー識別部3は、パケットのフローを識別した時に、該当フローに対するエントリの「フロー有/無」の項目を例えば「1」に設定し、あらかじめ定められた時間内にパケットが受信されなかったフローに対するエントリの「フロー有/無」の項目を例えば「0」に設定するようになっている。
【0037】
帯域設定部4は、「フロー有/無」の項目が「1」に設定されたエントリの数、すなわち、パケットが途絶えていないと判定されたフローの数で仮想制限帯域を除算することによって各フローの最低保証帯域を定めるようになっている。
【0038】
なお、仮想制限帯域とは、識別ルールに当てはまる全てのパケットの転送レートの上限のことをいい、設定部5を介して送信側の制限帯域(以下、単に「送信制限帯域」という。)を超えない範囲で設定される。
【0039】
次に、図5を参照して第2のポリサー7について詳細に説明する。第2のポリサー7は、本発明におけるパケット廃棄手段を構成し、パケットの転送レートを計測するレート計測部20と、レート計測部20によって計測された転送レートが仮想制限帯域を超えているか否かを判定する帯域超過判定部21と、帯域超過判定部21による判定結果に基づいてパケットを廃棄するパケット廃棄部22とを備えている。
【0040】
レート計測部20は、レート計測部10と同様に、第1のポリサー6a乃至6cから入力されたパケットに基づいて識別ルールに当てはまる全てのパケットの転送レートを計測するようになっている。
【0041】
帯域超過判定部21は、レート計測部20によって計測された転送レートを仮想制限帯域と比較することによって転送レートが仮想制限帯域を超えているか否かを判定するようになっている。
【0042】
パケット廃棄部22は、帯域超過判定部21によって転送レートが仮想制限帯域を超えていると判定された場合には、転送レートが仮想制限帯域以下になるまで第1のポリサー6のラベル付加部12によって第2のラベル「0」が付加されたパケットを廃棄するようになっている。
【0043】
一方、パケット廃棄部22は、廃棄しなかったパケットから第1のポリサー6のラベル付加部12によって付加されたラベルを除去するようになっている。
【0044】
図1において、送信制限部8は、本発明における送信制御手段を構成し、第2のポリサー7から出力されたパケットの送信を許可すると共に、何れのフローにも当てはまらないパケット(以下、単に「非識別パケット」という。)の送信を制限するようになっている。
【0045】
具体的には、送信制限部8は、パケットの転送レートが送信制限帯域未満の場合には、中継するパケットの転送レートが送信制限帯域を超えない範囲で非識別パケットの送信を許可し、中継するパケットの転送レートが送信制限帯域を超える範囲の非識別パケットを廃棄するようになっている。
【0046】
なお、受信側の帯域の上限が保証されていて、送信制限帯域を受信側の帯域の上限以上にする場合には、非識別パケットの送信が必ず許可されるため、パケット中継装置1の構成から送信制限部8を除くことができる。
【0047】
以上のように構成されたパケット中継装置1において、図6を用いてその動作を説明する。
【0048】
まず、パケットが受信IF2に受信されると(S1)、受信されたパケットのフローがフロー識別部3によって識別ルールに基づいて識別される(S2)。
【0049】
ここで、受信されたパケットが識別ルールに該当せずに、パケットのフローが識別されなかった場合には、パケットの転送レートが送信制限帯域を超えるか否かが送信制限部8によって判定される(S3)。
【0050】
パケットの転送レートが送信制限帯域を超えないと判定された場合には、当該パケットは、送信IF9によって送信され(S4)、パケットの転送レートが送信制限帯域を超えると判定された場合には、当該パケットは、送信制限部8によって廃棄される(S5)。
【0051】
ステップS2において、受信されたパケットのフローが識別された場合には、第1のポリサー6の帯域超過判定部11によって当該パケットが該当するフローの転送レートが最低保証帯域を超えているか否かが判定される(S6)。
【0052】
ここで、当該パケットが該当するフローの転送レートが最低保証帯域を超えていないと判定された場合には、第1のラベル「1」が第1のポリサー6のラベル付加部12によって当該パケットに付加される(S7)。
【0053】
一方、当該パケットが該当するフローの転送レートが最低保証帯域を超えていると判定された場合には、第2のラベル「0」がラベル付加部12によって当該パケットに付加される(S8)。
【0054】
次に、ラベル付加部12によってラベルが付加されたパケットの転送レートが仮想制限帯域を超えているか否かが、第2のポリサー7の帯域超過判定部21によって判定される(S9)。
【0055】
ラベル付加部12によってラベルが付加されたパケットの転送レートが仮想制限帯域を超えていると判定された場合には、当該パケットに付加されたラベルが第1のラベル「1」であるか否かが、第2のポリサー7のパケット廃棄部22によって判定される(S10)。
【0056】
ここで、パケットに付加されたラベルが第1のラベル「1」でない、すなわち、第2のラベル「0」であると判定された場合には、当該パケットは、パケット廃棄部22によって廃棄される(S5)。
【0057】
一方、パケットに付加されたラベルが第1のラベル「1」であると判定された場合、または、ステップS9でラベル付加部12によってラベルが付加されたパケットの転送レートが仮想制限帯域を超えていないと判定された場合には、当該パケットに付加されたラベルが、パケット廃棄部22によって除去され(S11)、当該パケットが送信IF9によって送信される(S4)。
【0058】
このように、本実施形態に係るパケット中継装置は、受信パケットをキューイングするためのバッファを要せずに、最低保証帯域に基づいてパケットにラベルを付加し、このラベルに基づいて中継するパケットの伝送量を制限するため、従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができる。
【0059】
なお、本実施形態において、パケット中継装置1は、複数の第1のポリサー6a乃至6cを備えるものとして説明したが、本発明に係るパケット中継装置は、複数の第1のポリサー6a乃至6cに代えて、1つの第1のポリサーと、フロー毎の記憶領域とを備え、各記憶領域に、当該フローの識別番号と、当該フローの最低保証帯域と、パケット長やパケットの到達時刻等のパケットの転送レートを計測するための情報とを記憶するようにし、第1のポリサーが全てのフローのパケットを処理するようにしてもよい。
【0060】
このように構成することによって、本発明のパケット中継装置をさらに簡易に構成することができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置のブロック図である。なお、図7において、本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置31を構成する各構成要素のうち、本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置1を構成する各構成要素と同一なものには、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0062】
パケット中継装置31は、本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置1に対して、複数のフローをグループに割り当て、グループ毎に制限帯域(以下、単に「グループ制限帯域」という。)を設けている。
【0063】
パケット中継装置31は、受信IF2と、受信されたパケットのフローを識別するフロー識別部33と、フロー識別部33によってフローを識別する際に参照される識別ルールや中継するパケットの転送レート等の情報がパケット中継装置31の管理者等によって設定され、設定された情報を記憶する設定部35と、フロー識別部33によって識別されたフロー毎に最低保証帯域を定める帯域設定部34と、フロー毎に設けられた第1のポリサー6a乃至6fと、各グループの転送レートを制限する第2のポリサー37a、37bと、第1のポリサー6a乃至6fから第2のポリサー37a、37bに送信されるパケットをスイッチングするスイッチ39と、送信制限部8と、送信IF9とを備えている。
【0064】
なお、図7においては、パケット中継装置31が6つの第1のポリサー6a乃至6fを備えているが、第1のポリサーの数を限定するものではない。また、各第1のポリサー6a乃至6fは、本発明の第1の実施の形態のパケット中継装置1を構成する第1のポリサー6と同一に構成されるため説明を省略する。また、第1のポリサー6a乃至6fの何れか1つを「第1のポリサー6」と以下に記載する。
【0065】
さらに、図7においては、パケット中継装置31が2つの第2のポリサー37a、37bを備えているが、第2のポリサーの数を限定するものではない。また、第2のポリサー37a、37bの何れか1つを「第2のポリサー37」と以下に記載する。
【0066】
フロー識別部33は、設定部35に設定された識別ルールに基づいて、受信IF2に受信されたパケットのフローを識別し、識別したフローに応じて当該パケットを第1のポリサー6a乃至6fおよび送信制限部8の何れかに出力するようになっている。
【0067】
また、フロー識別部33は、設定部35に設定された識別ルールに基づいて、図8に示すように、パケット15に第2のポリサー37a、37bの何れか1つを識別する宛先ラベル17を付加するようになっている。このように、第2のポリサー37を識別する識別子を識別ルールに設定することによって各フローをグループに割り当てることができる。
【0068】
例えば、図9に示すような識別ルールが設定部35に設定された場合には、フロー識別部33は、送信元のIPアドレスが「192.168.10.1」のパケットを識別子6aで識別される第1のポリサー6aに出力すると共に、第2のポリサー37aを識別する宛先ラベル37aを付加する。
【0069】
なお、図9に示した識別ルールにおいて「グループ保証帯域」の項目は、第2のポリサー37で制限する帯域、すなわち、グループ制限帯域を示しており、パケット中継装置31の管理者等によって設定部35に設定される。
【0070】
同様に、フロー識別部33は、送信元のIPアドレスが「192.168.11.1」のパケットを識別子6dで識別される第1のポリサー6dに出力すると共に、第2のポリサー37bを識別する宛先ラベル37bを付加する。
【0071】
一方、フロー識別部33は、送信元のIPアドレスが「192.168.10.1」から「192.168.10.3」まで、および「192.168.11.1」から「192.168.11.3」までの何れでもないパケットを送信制限部8に出力する。
【0072】
ここで、図9に示した識別ルールは、送信元の各IPアドレスに基づいてフロー識別部33にパケットを識別させるようになっているが、例えば、「192.168.10.*」のように送信元のIPアドレスを範囲で指定し、指定した範囲に送信元のIPアドレスが入っているか否かに基づいてフロー識別部33にパケットを識別させるようにしてもよい。
【0073】
さらに、識別ルールは、送信元のIPアドレスに加えて、送信元のポート番号、宛先のIPアドレスおよび宛先のポート番号等に基づいてフロー識別部33にパケットを識別させるようにしてもよい。
【0074】
また、識別ルールは、該当するフローのパケットがフロー識別部33によって識別するまでは、「第1のポリサー」の項目をブランクにしておき、該当するフローのパケットがフロー識別部33によって識別されたときに、他のフローに割り当てられていない第1のポリサー6a乃至6fの何れかを選択し、「第1のポリサー」の項目を設定するようにしてもよい。
【0075】
図7において、帯域設定部34は、本発明における帯域設定手段を構成し、フロー識別部33によって識別されたフロー毎に最低保証帯域をグループ毎に定めるようになっている。
【0076】
ここで、フロー識別部33は、パケットのフローを識別する他に、フロー毎にパケットの受信が途絶えたか否かを判定する受信判定手段を構成し、この判定結果を図9に示した、識別ルールの「フロー有/無」を設定するようになっている。
【0077】
具体的には、フロー識別部33は、パケットのフローを識別した時に、該当フローに対するエントリの「フロー有/無」の項目を例えば「1」に設定し、あらかじめ定められた時間内にパケットが受信されなかったフローに対するエントリの「フロー有/無」の項目を例えば「0」に設定するようになっている。
【0078】
帯域設定部34は、「フロー有/無」の項目が「1」に設定されたエントリの数、すなわち、パケットが途絶えていないと判定されたフローの数でグループ制限帯域を除算することによって各フローの最低保証帯域をグループ毎に定めるようになっている。
【0079】
スイッチ39は、フロー識別部33によってパケットに付加された第2のポリサー37a、37bの何れか1つを識別する宛先ラベルに基づいて、第1のポリサー6a乃至6fによって出力されたパケットを第2のポリサー37a、37bの何れかに出力するようになっている。
【0080】
次に、図10を参照して第2のポリサー37について詳細に説明する。第2のポリサー37は、本発明におけるパケット廃棄手段を構成し、パケットの転送レートを計測するレート計測部40と、レート計測部40によって計測された転送レートがグループ制限帯域を超えているか否かを判定する帯域超過判定部41と、帯域超過判定部41による判定結果に基づいてパケットを廃棄するパケット廃棄部42とを備えている。
【0081】
レート計測部40は、スイッチ39から入力されたパケットに基づいてグループに割り当てられた全てのフローの転送レートを計測するようになっている。
【0082】
帯域超過判定部41は、レート計測部40によって計測された転送レートをグループ制限帯域と比較することによって転送レートがグループ制限帯域を超えているか否かを判定するようになっている。
【0083】
パケット廃棄部42は、帯域超過判定部41によって転送レートがグループ制限帯域を超えていると判定された場合には、転送レートがグループ制限帯域以下になるまで第1のポリサー6のラベル付加部12によって第2のラベル「0」が付加されたパケットを廃棄するようになっている。
【0084】
一方、パケット廃棄部42は、廃棄しなかったパケットから、フロー識別部33によって付加された宛先ラベルおよび第1のポリサー6のラベル付加部12によって付加されたラベルをパケットから除去するようになっている。
【0085】
以上のように構成されたパケット中継装置31において、図11を用いてその動作を説明する。
【0086】
まず、パケットが受信IF2に受信されると(S21)、受信されたパケットのフローがフロー識別部33によって識別される(S22)。
【0087】
ここで、受信されたパケットのフローが識別ルールに該当しないと識別された場合には、パケットの転送レートが送信制限帯域を超えるか否かが送信制限部8によって判定される(S23)。
【0088】
パケットの転送レートが送信制限帯域を超えないと判定された場合には、当該パケットは、送信IF9によって送信され(S24)、パケットの転送レートが送信制限帯域を超えると判定された場合には、当該パケットは、送信制限部8によって廃棄される(S25)。
【0089】
ステップS22において、受信されたパケットのフローが識別ルールに該当すると識別された場合には、識別ルールに基づいて第2のポリサー37を識別する宛先ラベルがフロー識別部33によってパケットに付加される(S26)。
【0090】
次に、第1のポリサー6の帯域超過判定部11によって当該パケットが該当するフローの転送レートが最低保証帯域を超えているか否かが判定される(S27)。
【0091】
ここで、当該パケットが該当するフローの転送レートが最低保証帯域を超えていないと判定された場合には、第1のラベル「1」が第1のポリサー6のラベル付加部12によって当該パケットに付加される(S28)。
【0092】
一方、当該パケットが該当するフローの転送レートが最低保証帯域を超えていると判定された場合には、第2のラベル「0」がラベル付加部12によって当該パケットに付加される(S29)。
【0093】
次に、フロー識別部33によってパケットに付加された宛先ラベルが示す第2のポリサー37の帯域超過判定部41によって、当該パケットが該当するグループの転送レートがグループ制限帯域を超えているか否かが判定される(S30)。
【0094】
ラベル付加部12によってラベルが付加されたパケットの転送レートがグループ制限帯域を超えていると判定された場合には、当該パケットに付加されたラベルが第1のラベル「1」であるか否かが、第2のポリサー37のパケット廃棄部42によって判定される(S31)。
【0095】
ここで、パケットに付加されたラベルが第1のラベル「1」でない、すなわち、第2のラベル「0」であると判定された場合には、当該パケットは、パケット廃棄部42によって廃棄される(S25)。
【0096】
一方、パケットに付加されたラベルが第1のラベル「1」であると判定された場合、または、ステップS30でラベル付加部12によってラベルが付加されたパケットの転送レートがグループ制限帯域を超えてないと判定された場合には、フロー識別部33によって付加された宛先ラベルおよび第1のポリサー6のラベル付加部12によって付加されたラベルが、パケット廃棄部42によってパケットから除去され(S32)、当該パケットが送信IF9によって送信される(S24)。
【0097】
このように、本実施形態に係るパケット中継装置は、受信パケットをキューイングするためのバッファを要せずに、最低保証帯域に基づいてパケットにラベルを付加し、このラベルに基づいて中継するパケットの伝送量をグループ毎に制限するため、従来のパケット中継装置と比較して簡易に構成することができる。
【0098】
なお、本実施形態において、パケット中継装置31は、複数の第1のポリサー6a乃至6fを備えるものとして説明したが、本発明に係るパケット中継装置は、複数の第1のポリサー6a乃至6fに代えて、1つの第1のポリサーと、フロー毎の記憶領域とを備え、各記憶領域に、当該フローの識別番号と、当該フローの最低保証帯域と、パケット長やパケットの到達時刻等のパケットの転送レートを計測するための情報とを記憶するようにし、第1のポリサーが全てのフローのパケットを処理するようにしてもよい。
【0099】
また、本実施形態において、パケット中継装置31は、複数の第2のポリサー37a、37bとスイッチ39とを備えるものとして説明したが、本発明に係るパケット中継装置は、複数の第2のポリサー37a、37bおよびスイッチ39に代えて、1つの第2のポリサーと、グループ毎の記憶領域とを備え、各記憶領域に、当該グループの識別番号と、グループ制限帯域と、パケット長やパケットの到達時刻等のパケットの転送レートを計測するための情報とを記憶するようにし、第2のポリサーが全てのグループのパケットを処理するようにしてもよい。
【0100】
これらのように構成することによって、本発明のパケット中継装置をさらに簡易に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する設定部に設定された識別ルールの例を示す表である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する第1のポリサーの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する第1のポリサーから出力されるパケットを示す概念図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する第2のポリサーの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るパケット中継装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する第1のポリサーから出力されるパケットを示す概念図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する設定部に設定された識別ルールの例を示す表である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置を構成する第2のポリサーの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るパケット中継装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1、31 パケット中継装置
2 受信IF
3、33 フロー識別部
4、34 帯域設定部
5、35 設定部
6 第1のポリサー
7、37 第2のポリサー
8 送信制限部
9 送信IF
10、20、40 レート計測部
11、21、41 帯域超過判定部
12 ラベル付加部
22、42 パケット廃棄部
39 スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロー毎に定められた最低保証帯域以下の転送レートで受信したパケットに第1のラベルを付加し、前記最低保証帯域を超えた転送レートで受信したパケットに第2のラベルを付加するラベル付加手段(6a乃至6c)と、
中継するパケットの転送レートが制限帯域を超える場合には、中継するパケットの転送レートが前記制限帯域を超えないよう、前記第2のラベルを付加した何れかのパケットを廃棄するパケット廃棄手段(7)とを備えたパケット中継装置。
【請求項2】
前記フロー毎にパケットの受信が途絶えたか否かを判定する受信判定手段(3)と、
前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数に基づいて、各フローの最低保証帯域を定める帯域設定手段(4)とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のパケット中継装置。
【請求項3】
前記帯域設定手段が、前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数で前記制限帯域を除算することによって前記各フローの最低保証帯域を定めることを特徴とする請求項2に記載のパケット中継装置。
【請求項4】
複数のフローをグループに割り当て、
前記パケット廃棄手段(37)が、前記グループ毎に定められた制限帯域を超えないようパケットを廃棄するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のパケット中継装置。
【請求項5】
前記フロー毎にパケットの受信が途絶えたか否かを判定する受信判定手段(33)と、
前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数に基づいて、各フローの最低保証帯域を前記グループ毎に定める帯域設定手段(34)とを備えたことを特徴とする請求項4に記載のパケット中継装置。
【請求項6】
前記帯域設定手段が、前記グループに割り当てられたフローのうち前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数で前記グループの制限帯域を除算することによって前記グループに割り当てられた各フローの最低保証帯域を定めることを特徴とする請求項5に記載のパケット中継装置。
【請求項7】
前記パケット廃棄手段によって廃棄されなかったパケットの転送レートが送信側の制限帯域未満の場合には、中継するパケットの転送レートが前記送信側の制限帯域を超えない範囲で何れのフローにも当てはまらないパケットの送信を許可し、前記送信側の制限帯域を超える範囲の何れのフローにも当てはまらないパケットの送信を禁止する送信制御手段(8)を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のパケット中継装置。
【請求項1】
フロー毎に定められた最低保証帯域以下の転送レートで受信したパケットに第1のラベルを付加し、前記最低保証帯域を超えた転送レートで受信したパケットに第2のラベルを付加するラベル付加手段(6a乃至6c)と、
中継するパケットの転送レートが制限帯域を超える場合には、中継するパケットの転送レートが前記制限帯域を超えないよう、前記第2のラベルを付加した何れかのパケットを廃棄するパケット廃棄手段(7)とを備えたパケット中継装置。
【請求項2】
前記フロー毎にパケットの受信が途絶えたか否かを判定する受信判定手段(3)と、
前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数に基づいて、各フローの最低保証帯域を定める帯域設定手段(4)とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のパケット中継装置。
【請求項3】
前記帯域設定手段が、前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数で前記制限帯域を除算することによって前記各フローの最低保証帯域を定めることを特徴とする請求項2に記載のパケット中継装置。
【請求項4】
複数のフローをグループに割り当て、
前記パケット廃棄手段(37)が、前記グループ毎に定められた制限帯域を超えないようパケットを廃棄するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のパケット中継装置。
【請求項5】
前記フロー毎にパケットの受信が途絶えたか否かを判定する受信判定手段(33)と、
前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数に基づいて、各フローの最低保証帯域を前記グループ毎に定める帯域設定手段(34)とを備えたことを特徴とする請求項4に記載のパケット中継装置。
【請求項6】
前記帯域設定手段が、前記グループに割り当てられたフローのうち前記受信判定手段によってパケットが途絶えていないと判定されたフローの数で前記グループの制限帯域を除算することによって前記グループに割り当てられた各フローの最低保証帯域を定めることを特徴とする請求項5に記載のパケット中継装置。
【請求項7】
前記パケット廃棄手段によって廃棄されなかったパケットの転送レートが送信側の制限帯域未満の場合には、中継するパケットの転送レートが前記送信側の制限帯域を超えない範囲で何れのフローにも当てはまらないパケットの送信を許可し、前記送信側の制限帯域を超える範囲の何れのフローにも当てはまらないパケットの送信を禁止する送信制御手段(8)を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のパケット中継装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−229432(P2006−229432A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−39123(P2005−39123)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】
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