説明

パッキンの間隙計測装置、間隙センサおよび間隙計測方法

【課題】計測のためのタービンロータの吊上げ、吊り込み作業を必要とせずに、正確かつ容易にパッキンの歯先間隙を計測できる間隙計測装置、間隙センサおよび間隙計測方法を提供する。
【解決手段】ロータ2とこのロータの外周に配設されるパッキンの歯先との間隙を計測するパッキンの間隙計測装置1において、パッキンの歯先とロータ2との間の被計測部に挿入される膨縮変形部材と、この部材の膨縮変形量を計測する歪み検出器とを有する間隙センサ7と、間隙センサ7の被計測部までの挿入量を検知する挿入量検知手段8と、間隙センサ7に膨張用空気を送るセンサ加圧手段9と、センサ加圧手段9への加圧制御を行い、間隙センサ7からの歪み量と挿入量検知手段8からの挿入量を入力し、パッキン歯先の間隙データを算出する計測制御手段10とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば発電プラントにおける蒸気タービン等で用いられているラビリンスパッキン等のパッキンの間隙計測装置、間隙センサおよび間隙計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、発電プラントにおける蒸気タービンの軸封装置としてラビリンスパッキンが用いられている。これは、回転体であるロータとその外周の静止部品との間に薄い円環状の歯を軸方向に複数配置して、漏れ流路を屈曲させることにより生じる圧力損失を利用して、流体の漏れ量を減少させるものである。このパッキンの歯先とロータとの間隙は、小さくするほど漏れ量を減少させ得るが、蒸気タービンのような使用時に温度変化のある回転体では、接触を起こさないような間隙にしておく必要がある。一般的な蒸気タービンにおいて、この間隙は、0.5mmから2mm程度で組立て管理されている。
【0003】
このような、パッキンの歯先とロータとの間隙(以下、パッキンの歯先間隙と記す。)を計測する方法として、計測箇所に鉛線を這わせてその後ロータとパッキンを仮組みし、その際に鉛線についた窪みの深さと鉛線の直径からパッキンの歯先間隙を計測する方法が一般に知られている。
【0004】
また、この計測方法で問題となる計測誤差の点と多大な工数がかかる点に鑑みて、突起物の先端と突起物の先端の前方にある突起物対向面の間の隙間を正確に容易に計測できる隙間計測システムが提案されている。この隙間計測システムでは、撓みセンサ取付部材と、撓みセンサと、演算手段とを備え、撓みセンサを突起物の先端と突起物の先端の前方にある突起物対向物体の間の隙間に挿入することなく隙間の大きさを計測することができる(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−93210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、タービンの下側に配置されるパッキンの歯先間隙の計測作業は、まず、タービンロータの吊上げを行い、下側パッキンの計測対象箇所へ鉛線を設置し、次に、タービンロータを吊り込み、パッキンと仮組みし、その後、タービンロータを再度吊上げ、鉛線を取り出し、鉛線についた窪み深さを計測し、パッキンの歯先間隙の算出を行う、というように数多くの工程を伴う手間のかかるものである。
【0007】
一方、上述した隙間計測システムを使用すれば、鉛線の設置や、鉛線についた窪み深さの計測、この計測値からパッキンの歯先間隙を算出するといった工程を不要にし、撓みセンサ取付部材が取り付け配置された箇所におけるパッキンの歯先間隙を正確に容易に計測することができる。しかしながら、この撓みセンサ取付部材を例えばパッキンの歯へ取り付ける際に、タービンロータの吊上げ作業、及び吊り込み作業が必要となるか否かについては、明らかではない。
【0008】
タービンの下側に配置されるパッキンの歯先間隙の計測作業においては、タービンロータの吊上げ、吊り込み作業が少なくとも2回必要であり、この作業のために多くの労力と時間が費やされている。このため、タービンロータの吊上げ、吊り込み作業を必要とせずに、パッキンの歯先間隙を計測することができる間隙計測方法および間隙計測装置が要求されている。
【0009】
本発明は、上述の事項に基づいてなされたもので、その目的は、計測のためのタービンロータの吊上げ、吊り込み作業を必要とせずに、正確かつ容易にパッキンの歯先間隙を計測できる間隙計測装置、間隙センサおよび間隙計測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、ロータとこのロータの外周に配設されるパッキンの歯先との間隙を計測するパッキンの間隙計測装置において、前記パッキンの歯先と前記ロータとの間の被計測部に挿入される膨縮変形部材と、この部材の膨縮変形量を計測する歪み検出器とを有する間隙センサと、前記間隙センサの被計測部までの挿入量を検知する挿入量検知手段と、前記間隙センサに膨張用空気を送るセンサ加圧手段と、前記センサ加圧手段への加圧制御を行い、前記間隙センサからの歪み量と前記挿入量検知手段からの挿入量を入力し、パッキン歯先の間隙データを算出する計測制御手段とを備え、前記計測制御手段において、前記加圧制御による前記間隙センサの歪み量の変化率を算出すると共に監視し、該変化率が所定値以上に減少した時点での歪み量からパッキン歯先の間隙データを算出するものとする。
【0011】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記間隙センサは、その膨縮変形部材を縮小して前記パッキンの歯先と前記ロータとの間の被計測部に挿入されるものとする。
【0012】
(3)上記目的を達成するために、本発明は、ロータとこのロータの外周に配設されるパッキンの歯先との間隙を計測するパッキンの間隙計測装置に用いる間隙センサにおいて、弾性体素材で形成され膨縮可能な空洞体の膨縮部と、前記パッキンの歯先を挟みこむ溝形状のガイド部を備えた支持部とを備え、前記膨縮部には、その内部底面に歪みゲージが取り付けられているものとする。
【0013】
(4)上記(3)において、好ましくは、前記歪みゲージは、前記膨縮部の内部底面であって、前記ガイド部の溝方向と直交する方向の両端部に2つ取り付けられているものとする。
【0014】
(5)上記目的を達成するために、本発明は、ロータとこのロータの外周に配設されるパッキンの歯先との間隙を計測するパッキンの間隙計測装置において、前記パッキンの歯先と前記ロータとの間の被計測部に挿入される筒状の可撓変形部材と、この部材の撓み量を計測する歪み検出器とを有する間隙センサと、前記間隙センサの被計測部までの挿入量を検知する挿入量検知手段と、前記間隙センサからの歪み量と前記挿入量検知手段からの挿入量を入力し、パッキン歯先の間隙データを算出する計測制御手段とを備え、前記計測制御手段において、被計測部への挿入前の歪み検出信号を基準として、被計測部への挿入後の歪み検出信号との差からパッキン歯先の間隙データを算出するものとする。
【0015】
(6)上記目的を達成するために、本発明は、ロータとこのロータの外周に配設されるパッキンの歯先との間隙を計測するパッキンの間隙計測装置に用いる間隙センサにおいて、弾性体素材で短筒状に形成された可撓部と、前記パッキンの歯先を挟みこむ溝形状のガイド部を備えた支持部とを備え、前記可撓部には、その内部底面に歪みゲージが取り付けられているものとする。
【0016】
(7)上記目的を達成するために、本発明は、ロータとこのロータの外周に配設されるパッキンの歯先との間隙を計測するパッキンの間隙計測方法において、前記パッキンの歯先と前記ロータとの間の被計測部に間隙センサを挿入するステップと、前記間隙センサの被計測部までの挿入量を検知し、計測位置に前記間隙センサを配置するステップと、トリガスイッチの操作により、センサ加圧手段が前記間隙センサに膨張用空気を送る加圧制御するステップと、計測制御手段によって、前記加圧制御による前記間隙センサの歪み量の変化率を算出すると共に監視するステップと、前記歪み量の変化率が所定値以上に減少した時点での歪み量を決定するステップと、前記歪み量からパッキン歯先の間隙データを算出するステップとを実行するものとする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、膨縮可能な間隙センサを、縮小して間隙部に挿入可能としたことから、計測のためのタービンロータの吊上げ、吊り込み作業を必要とせずに、パッキンの歯先間隙を正確かつ容易に計測することができる。この結果、パッキン歯先間隙の計測値の信頼性向上を図ることができると共に、パッキンの歯先間隙の計測作業時間、及びパッキン間隙調整作業時間の短縮が可能となり、これらの作業の合理化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明のパッキンの間隙計測装置、間隙センサおよび間隙計測方法の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1乃至図4は本発明のパッキンの間隙計測装置の第1の実施の形態を示すもので、図1は、本発明のパッキンの間隙計測装置の第1の実施の形態を備えた蒸気タービンの横断面図、図2は、図1に示す本発明のパッキン間隙計測装置のA部を拡大して示す縦断面図、図3は、図1に示す本発明のパッキン間隙計測装置を構成する間隙センサの動作を説明する縦断面図、図4は、図1に示す本発明のパッキン間隙計測装置を構成する計測制御部の機能ブロック図である。
【0019】
図1乃至図2において、タービンロータ2の下半側は、蒸気タービンの静止部に固定されるパッキンリングホルダ5と、このパッキンリングホルダ5に保持され、パッキン歯3がタービンロータ2周方向に沿って植え込まれたパッキンリング4とを備えている。また、このパッキンリング4とパッキン歯3とは、タービンロータ2の軸方向視で、左右及び下側に3分割できる構成となっている。パッキンリング4は、図1及び図2に示すように、板ばね6によってタービンロータ2の径方向に移動可能にパッキンリングホルダ5に設けられている。また、タービンロータ2は、図示されるように底面2aから突起部が突出した凹凸断面の溝部2bを周方向に有している。なお、図1においては、タービンロータ2の上半側に配置されるパッキンホルダ5等が取り除かれた半割状態を示している。
【0020】
本実施の形態におけるパッキンの間隙計測装置1は、被計測部であるパッキン歯3とタービンロータ2の溝部2bの底面2aとの間に挿入配置され、パッキン歯先の間隙を計測する間隙センサ7と、間隙センサ7の被計測部までの挿入量を検知する挿入量検知器8と、間隙センサ7に膨張用空気を送気する加圧器9と、加圧器9への加圧制御を行うと共に、間隙センサ7からの歪み信号と挿入量検知器8からの挿入量信号を入力し、パッキン歯先の間隙データを算出処理する計測制御部10とを備えている。図1乃至図2においては、間隙センサ7が、タービンロータ2の真下の底面2aに対向するパッキンの歯3の上に挿入配置されている。一方、挿入量検知器8、加圧器9、及び計測制御部10は、例えばタービンフロアに配置されている。
【0021】
挿入量検知器8は、例えばワイヤB4の引出し長さを計測するワイヤエンコーダで構成することができる。ワイヤB4の一端は間隙センサ7の側面部のワイヤ接続部C4に接続され、ワイヤB4の他端は挿入量検知器8の巻取り部に接続されている。また、検知したワイヤB4の引出し長さが、挿入量検知器8において、間隙センサ7の挿入量信号に変換される。この間隙センサ7の挿入量信号が、信号ケーブルB2を介して計測制御部10に送信されている。
【0022】
加圧器9は、例えば電動空気ポンプで構成することができる。加圧供給管B5の一端は間隙センサ7の側面部の供給管接続部C5に接続され、加圧供給管B5の他端は加圧器9の空気排出部に接続されている。また、加圧器制御信号が、信号ケーブルB1を介して計測制御部10から加圧器9に送信されている。加圧器9における間隙センサ7への加圧の開始、停止及び減圧が、この加圧器制御信号に従って制御されている。間隙センサ7の減圧は、加圧器9の空気排出部と連絡されている排気弁(図示せず)の開動作で制御されている。
【0023】
図3において、間隙センサ7は、大略弾性体素材で形成された膨縮変形部材であり、膨縮可能な空洞体である膨縮部7aが上部に形成され、パッキン歯3の先端部を挟みこむ溝形状のパッキン歯先ガイド部7dを備えた支持部7bが下部に形成されている。パッキン歯先ガイド部7dは、間隙センサ7の側面の中央部に形成されている。このことによって、パッキンの歯3の先端部が間隙センサ7の中央部に容易に配置できる。膨縮部7aは、側面視長楕円形であって、平面視略矩形の形状を有している。膨縮部7aの内部底面には、歪みゲージ7cが、適切な接着材によりパッキン歯先ガイド部7dの溝方向と直交する方向に取り付けられている。また、膨縮部7aの側面部には、上述したワイヤ接続部C4と供給管接続部C5の他に、歪み信号ケーブル接続部C6が設けられていて、歪みゲージ7cの導線と内部接続されている。ひずみゲージ7cで検知した歪み検知信号は、信号歪みケーブル接続部C6から、歪み信号ケーブルB6を介して計測制御部10へ送信されている。図3の左側の図面は、加圧器9からの空気の加圧前の間隙センサ7の状態を示し、図3の右側の図面は、加圧後の間隙センサ7の状態を示す。加圧後には膨縮部7aが膨張し、このことにより膨縮部7aの内部底面が歪む。この歪み量は、膨縮部7aの内部底面に貼付された歪みゲージ7cで測定可能となる。なお、間隙センサ7の外殻の材質については、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴムなどが、反発弾性、高伸張性、耐摩耗性の点で好ましい。
【0024】
図2に戻って、間隙センサ7は、パッキン歯3の先端にパッキン歯先ガイド部7dが嵌挿された状態で、タービンロータ2の溝部2bの所定位置にセットされている。また、この図2は、間隙センサ7が、加圧器9により加圧されて、間隙センサ7の外殻の上部がタービンロータ2の底部2aに接触した状態を示している。
【0025】
図4において、計測制御部10は、間隙センサ7から入力された歪み検出信号を電圧値に変換する電圧値変換処理部15と、この電圧値をデジタル値に変換するデジタル変換処理部16と、この電圧値を記憶する電圧値記憶処理部11と、この電圧値を表示する電圧値表示12と、デジタル変換処理部16と電圧値記憶処理部11からデータを取得して変化率が変わった時点での電圧値を検知する変化率判定処理部17と、この電圧値を間隙値に変換する間隙値変換処理部18と、この間隙値を表示する間隙データ表示13と、間隙センサ外殻寸法を考慮した演算を行う計測データ演算処理部19と、この演算処理結果を表示する演算処理結果表示14と、この演算処理結果を記憶する演算処理結果記憶処理部22と、この演算処理結果のプリンタ29への出力や、外部記憶手段30への転送を行う演算処理結果出力処理部26と、入力されたトリガスイッチ28の信号により各処理制御プログラム21を起動させる計測トリガ処理部25と、加圧器9への制御を行うセンサ加圧処理部20と、挿入量検知器8から入力されたセンサ挿入量検知信号を検出処理するセンサ挿入量検出処理部23と、センサ位置を算出するセンサ位置算出処理部24と、この算出されたセンサ位置を表示するセンサ位置表示27とにより構成されている。
【0026】
次に、上述した本発明のパッキン間隙計測装置の第1の実施の形態によるパッキン間隙計測方法の動作を図1乃至図5を用いて説明する。図5は、本発明のパッキンの間隙計測装置の第1の実施の形態によるパッキン間隙計測方法を説明するフローチャート図である。
【0027】
まず、図5に示すように、ステップ(S1)では、パッキン間隙計測装置1の計測制御部10において、例えば電源投入後所定の操作を行うことにより、計測画面を表示させる。この際、図1に示すように、挿入量検知器8、加圧器9、及び計測制御部10は、例えばタービンフロアに配置する。
【0028】
次のステップ(S2)では、間隙センサ7をタービンロータ2の溝部2bとパッキン歯3との間の間隙計測部へ挿入する。具体的には、間隙センサ7の支持部7bに形成されているパッキン歯先ガイド部7dをパッキン歯3の先端部の形状に沿わせてパッキン歯3載置する。次に、図1及び図2に示すように、間隙センサ7をパッキン歯3の上をスライドさせるように、タービンロータ2の下方へ挿入する。
【0029】
次のステップ(S3)では、計測制御部10において、間隙センサ挿入量取込み処理が行われる。具体的には、挿入量検知器8において、変換された挿入量信号が計測制御部10へ送信されて、計測制御部10のセンサ挿入量検出処理部23で検出処理される。
【0030】
次のステップ(S4)では、計測制御部10において、間隙センサ位置演算処理が行われる。具体的には、計測制御部10のセンサ位置算出処理部24において、検出処理された間隙センサ挿入量を基に算出処理がなされる。例えば、図1において、パッキン歯3の直径をD、間隙センサ7の挿入量をLとすると、間隙センサが図1に示すようにタービンロータ2の真下に位置した場合は、L=π×D/4で算出することが可能である。この算出された間隙センサ7の位置は、計測制御部10のセンサ位置表示27により表示される。
【0031】
次のステップ(S5)では、間隙センサ7位置が計測位置に到達したかどうかを判断する。上述したように間隙センサ7の位置は、計測制御部10のセンサ位置表示27により表示されるので、この表示が目的とした位置と合致したか否かで判断する。このステップ(S5)がNOの場合には、ステップ(S2)に戻り、間隙センサ7の挿入を継続する。
【0032】
ステップ(S5)がYESと判断された場合には、ステップ(S6)に移る。ステップ(S6)では、加圧制御及び間隙計測が実行される。このステップ(S6)を別途詳細にステップ(S10)枝番100からステップ(S25)枝番101として説明する。
【0033】
まず、ステップ(S10)では、トリガスイッチ28が操作され、計測処理が開始される。具体的には、計測制御部10の計測トリガ処理部25が各処理制御プログラム21へトリガ信号を送信する。
【0034】
次のステップ(S11)では、記憶部のデータの初期化が行われる。具体的には、計測制御部10の電圧値記憶処理部11にある記憶部H1、H2、H3等のデータが初期化される。つまり、これらの記憶部にデータ値0がセットされる。
【0035】
次のステップ(S12)では、間隙センサ7内部加圧が行われる。具体的には、計測制御部10のセンサ加圧処理部20から加圧器9へ加圧開始の制御信号が出力され、加圧器9から間隙センサ7の膨縮部7aに加圧供給管B5を介して送気が開始される。
【0036】
次のステップ(S13)では、歪み信号の取り込みが行われる。つまり、間隙センサ7が加圧されることにより、間隙センサが変形し、間隙センサ7内に設置された歪みゲージの歪み検出信号も変化することになる。具体的には、間隙センサ7からの歪み検出信号を計測制御部10に取り込むことである。
【0037】
次のステップ(S14)では、電圧値変換が行われる。具体的には、計測制御部10の電圧値変換処理部15において、間隙センサ7から取り込まれた歪み検出信号を電圧値に変換するものである。ここで、歪み検出信号の電圧値への変換は、歪みゲージの出力信号変化(抵抗変化)が微小な値なので、ホイートストンブリッジ回路を用いる周知の手段によるものである。
【0038】
次のステップ(S15)では、デジタル変換が行われる。具体的には、計測制御部10のデジタル変換処理部16において、歪み検出信号が変換された電圧値をデジタル値に変換するものである。
【0039】
次のステップ(S16)では、デジタル値記憶処理が行われる。具体的には、計測制御部10の電圧値記憶処理部11にある記憶部H1、H2、H3において、記憶部H2の記憶値を記憶部H3へ、記憶部H1の記憶値を記憶部H2へそれぞれ退避する。その後記憶部H1にステップ(S15)で変換されたデジタル変換値を格納する。つまり、初期化後最初の演算においては、記憶部H2、H3、にはそれぞれ0が退避格納され、記憶部H1には、歪み検出され変換されたある値が格納される。
【0040】
次のステップ(S17)では、デジタル変換値表示が行われる。具体的には、計測制御部10の電圧値表示12において、デジタル変換値が表示される。
【0041】
次のステップ(S18)では、間隔値換算が行われる。具体的には、計測制御部10の間隙値変換処理部18において、デジタル変換値から、間隙値に変換するものである。
【0042】
次のステップ(S19)では、間隙値表意が行われる。具体的には、計測制御部10の間隙データ表示13において、間隙値が表示される。
【0043】
次のステップ(S20)では、計測制御部10の電圧値記憶処理部11にある記憶部H2に格納されたデータが0か否かを判断する。このステップ(S20)がYESと判断された場合には、ステップ(S12)にもどり、ステップ(S12)からステップ(S19)を繰り返す。このステップ(S20)がNOと判断された場合には、ステップ(S21)に移る。上述したように初期化後最初の演算においては、記憶部H2には0が退避格納されている。したがって、初期化後最初の演算においては、ステップ(S12)に戻る。そして2順目の演算のステップ(S16)において、前回値である記憶部H1の記憶値が記憶部H2に退避されるため、2順目の演算のステップ(S20)においては、ステップ(S20)の判断はNOとなり、ステップ(S21)へ移る。
【0044】
次のステップ(S21)では、計測制御部10の電圧値記憶処理部11にある記憶部H3に格納されたデータが0か否かを判断する。このステップ(S21)がYESと判断された場合には、ステップ(S12)にもどり、ステップ(S12)からステップ(S20)を繰り返す。このステップ(S21)がNOと判断された場合には、ステップ(S22)に移る。上述したように初期化後最初及び2順目の演算においては、記憶部H3には0が退避格納されている。したがって、初期化後最初及び2順目の演算においては、ステップ(S12)に戻る。そして3順目の演算のステップ(S16)において、前回値である記憶部H2の記憶値が記憶部H3に退避されるため、3順目の演算のステップ(S21)においては、ステップ(S21)の判断はNOとなり、ステップ(S22)へ移る。
【0045】
次のステップ(S22)では、変化率判定処理を行う。具体的には、計測制御部10の変化率判定処理部17において、記憶部H1に格納されている演算時におけるデジタル変換値h1と、記憶部H2に退避格納されている1順前のデジタル変換値h2と、記憶部H3に退避格納されている2順前のデジタル変換値h3から次式の演算処理を行う。
h1/h2 < K×h2/h3 ・・・・(1)
ここで、h1/h2は、演算時におけるデジタル変換値の変化率を表し、h2/h3は、演算時より1順前のデジタル変換値の変化率を表す。Kは変化率判定用係数を表す。つまり、上述したようにステップ(S12)から、間隙センサ7には加圧が開始されていることより、間隙センサ7は膨張を開始していて、歪み信号も、加圧の圧力とともに増加していく。しかし、図2に示すように、間隙センサ7の外殻部がタービンロータ2の底面2aに接触した時点からは、間隙センサ7の外殻部の膨張が阻害されるために歪み信号の変化率は、その接触時点の前後で変化する。接触前の変化率に比べて、接触後の変化率は小さくなる。このことから、所定の変化率判定係数Kを実験等により予め定めれば、パッキン歯先の間隙値をデジタル変換値の変化率から算出することができる。図6は、本発明のパッキンの間隙計測装置の第1の実施の形態による間隙センサへの加圧圧力と歪み検出信号とに基づく変化率特性を示す説明図である。図6において、横軸は、間隙センサ7内の空気圧力、縦軸は、間隙センサ7で検知した歪み検出信号を示す。圧力P1以上における歪み検出信号の変化率は、圧力P1以下における歪み検出信号の変化率と比べて小さくなっている。つまり圧力P1の時点における間隙センサ7のデジタル変換値からパッキン歯先の間隙値が算出できる。このステップ(S22)がNOと判断された場合には、ステップ(S12)に戻り、ステップ(S12)からステップ(S21)を繰り返す。このステップ(S22)がYESと判断された場合には、ステップ(S23)に移る。
【0046】
次のステップ(S23)では、間隙値演算処理が行われる。具体的には、計測制御部10の間隙値変換処理部18において、記憶部H2に退避格納されていたデジタル変換値に基づいて間隙値変換がなされ、さらに計測データ演算処理部19において、間隙センサ7外殻寸法を考慮した演算処理が実行される。
【0047】
次のステップ(S24)では、演算処理結果表示・記憶が行われる。具体的には、計測制御部10の演算処理結果表示14において、演算処理結果が表示され、演算処理結果記憶処理部22において、演算処理結果が記憶される。さらに、演算処理結果出力処理部26において、この演算処理結果をプリンタ29へ出力し、外部記憶手段30へ転送する。
【0048】
次のステップ(S25)では、間隙センサ内部加圧停止を行う。具体的には、計測制御部10のセンサ加圧処理部20から加圧器9へ加圧停止の制御信号が出力され、加圧器9から間隙センサ7の膨縮部7aへの送気が停止される。さらに、停止後例えば、加圧器9の排気弁(図示せず)から排気することにより間隙センサ7の減圧処理がなされる。以上で、ステップ(S6)の加圧制御及び間隙計測の実行が終了し、次のステップ(S7)に移る。
【0049】
次のステップ(S7)では、間隙センサ取り出しが行われる。具体的には、上述したステップ(S2)の逆処理となる。つまり、タービンロータ2の溝部2bとパッキン歯3との間の間隙計測部に挿入された間隙センサ7を、パッキン歯3の上をスライドさせるように、タービンロータ2の上方へ引き上げて、パッキン歯先の間隙部から取り出すものである。ステップ(S25)の減圧処理により、間隙センサ7の外殻が、縮小しているため、スムーズに取り出すことができる。
【0050】
上述した本発明のパッキンの間隙計測装置の第1の実施の形態によれば、膨縮可能な間隙センサ7を、縮小して間隙部に挿入可能としたことから、計測のためのタービンロータの吊上げ、吊り込み作業を必要とせずに、パッキンの歯先間隙を正確かつ容易に計測することができる。この結果、パッキン歯先間隙の計測値の信頼性向上を図ることができると共に、パッキンの歯先間隙の計測作業時間、及びパッキン間隙調整作業時間の短縮が可能となり、これらの作業の合理化を図ることができる。
【0051】
また、間隙センサ7の挿入量検知器8を設けたことにより、所望する位置におけるパッキンの歯先間隙が正確かつ容易に計測することができる。さらに、間隙センサ7の支持部7bにパッキン歯先ガイド部7dを設けたことにより、パッキンの歯3の先端部が間隙センサ7の中央部に容易に配置できる。この結果、間隙センサ7の配置の再現性が向上すると共に、正確な間隙値が計測できる。
【0052】
さらに、例えば、タービン設備の定期検査期間における、タービンロータの吊上げ、吊り込みの作業回数を減らすことが可能となり、これに伴う作業時間の短縮とともに、タービン設備の定期検査にかかる工数の低減を図ることができる。
【0053】
次に、本発明のパッキン間隙計測装置の第2の実施の形態を図7を用いて説明する。図7は、本発明のパッキンの間隙計測装置の第2の実施の形態で用いられる間隙センサの動作を説明する縦断面図である。なお、以下の説明において、上述した本発明の第1の実施の形態と同じ構成要素には同一の符合を付し、その部分の説明を省略する。
【0054】
本実施の形態においては、図7に示すように、間隙センサ7の膨縮部7aの内部底面であって、パッキン歯先ガイド部7dの溝方向と直交する方向の両端部に、2つの歪みゲージ7cが取り付けられている。この歪みゲージ7c,7cは、それぞれ導線を有し、歪み信号ケーブル接続部C6、歪み信号ケーブルB6を介して計測制御部10へ歪み検知信号を送信している。また、図4に示す計測制御部10においては、2つの歪み検知信号が入力され、電圧値変換処理部15により2つの電圧値が得られる。この2つの電圧値に基づいてその後の演算処理が実行されるが、間隙値変換処理部18において、この2つのデジタル変換された電圧値の平均処理を行った後に間隙値への変換等の演算処理が行われる。
【0055】
上述した本発明のパッキンの間隙計測装置の第2の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、2つの歪みゲージ7cを膨縮部7aの内部底面であって、パッキン歯先ガイド部7dの溝方向と直交する方向の両端部に取り付けたことから、間隙センサ7の外殻の中心とパッキン歯先とがずれた場合であっても、2つの歪み量の平均値を用いることで、間隙計測の精度の向上が図れる。
【0056】
次に、本発明のパッキン間隙計測装置の第3の実施の形態を図8乃至図10を用いて説明する。図8は、本発明のパッキンの間隙計測装置の第3の実施の形態を備えた蒸気タービンの横断面図、図9は、図8に示す本発明のパッキン間隙計測装置のB部を拡大して示す縦断面図、図10は、図8に示す本発明のパッキン間隙計測装置を構成する間隙センサの動作を説明する縦断面図である。なお、以下の説明において、上述した本発明の第1の実施の形態と同じ構成要素には同一の符合を付し、その部分の説明を省略する。
【0057】
本実施の形態におけるパッキン間隙計測装置は、上述した第1の実施の形態におけるパッキン間隙計測装置と以下の点でその形態が異なり、その他の点は共通する。
(1)本実施の形態におけるパッキンの間隙計測装置1は、図8に示すように、間隙センサ7と、挿入量検知器8と、計測制御部10とを備えていて、加圧器9を備えていない。また、このことに伴い計測制御部10においては、図4に示す第1の実施の形態におけるセンサ加圧処理部20、電圧値記憶処理部11、及び変化率判定処理部17を設けていない。
【0058】
(2)本実施の形態における間隙センサ7は、図10に示すように、大略弾性体素材で形成された可撓変形部材であり、短筒状に形成された可撓部7hが上部に設けられ、パッキン歯3の先端部を挟みこむ溝形状のパッキン歯先ガイド部7dを備えた支持部7bが下部に形成されている。可撓部7hは、例えばプラスチックストローのような可撓性部材の筒状物を短く切削した短筒形状であって、この短筒の開口部である両端が水平方向になるように横置きされた形状を有する。支持部7bは略長板状であって、この横置きされた短筒の外周最下部に一体的に形成されている。パッキン歯先ガイド部7dは、間隙センサ7の側面の中央部にあたる支持部7bの中央部に形成されている。このことから、パッキンの歯3の先端部が間隙センサ7の中央部に容易に配置できる。可撓部7hの内部底面である短筒の内周面下部側であって、パッキン歯先ガイド部7dの溝方向と直交する方向の両端部(短筒の両端開口部)に、2つの歪みゲージ7cが取り付けられている。この歪みゲージ7c,7cは、パッキン歯先ガイド部7dの溝方向と平行する方向に取り付けられていて、さらに可撓部7hが上下に押圧されて取付面である短筒の内周面が略水平になった状態で取り付けられている。また、歪みゲージ7c,7cは、それぞれ導線を有し、歪み信号ケーブル接続部C6、歪み信号ケーブルB6を介して計測制御部10へ歪み検知信号を送信している。
【0059】
図10の左側の図面は、タービンロータ2の溝部2bとパッキン歯3との間の間隙計測部へ挿入する前の間隙センサ7の状態を示し、図10の右側の図面は、挿入後の間隙センサ7の状態を示す。間隙計測部へ挿入する前は、可撓部7hの短筒の断面形状は略円形であり、短筒の内周面下部側に取り付けられている歪みゲージ7c,7cはこの変形(撓み)に相当する歪み量を検知している。一方、間隙計測部へ挿入後は、可撓部7hがその挿入された間隙に応じて変形し(撓み)、短筒の断面形状は、長楕円形状に変形していく。つまり、短筒の内周面下部側の湾曲の度合は挿入前に比べて減少していく。この結果、歪みゲージ7c,7cが検知している歪み量も減少していく。このように、間隙センサ7内に配設された歪みゲージ7c,7cがその変形量(撓み量)を歪み検知信号として計測制御部10へ送信する。このことによりパッキンの歯先間隙の計測が可能となる。本実施の形態にあっては、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なり、間隙センサ7の間隙計測部への挿入前の歪み検出信号を基準として、間隙計測部へ挿入後の歪み検出信号との差からパッキンの歯先間隙を求めている。なお、間隙センサ7の材質については、例えば、ポリエステルやポリイミドなどのプラスチック高分子樹脂が弾力性、対摩耗性の点で好ましい。図9は、間隙センサ7が所定の位置にセットされて、間隙センサ7の外殻の上部がタービンロータ2の底部2aに接触している状態を示している。
【0060】
上述した本発明のパッキンの間隙計測装置の第3の実施の形態によれば、可撓可変形の間隙センサ7を、縮小して間隙部に挿入可能としたことから、計測のためのタービンロータの吊上げ、吊り込み作業を必要とせずに、パッキンの歯先間隙を正確かつ容易に計測することができる。
【0061】
また、2つの歪みゲージ7cを可撓部7hの内部底面であって、パッキン歯先ガイド部7dの溝方向と直交する方向の両端部に取り付けたことから、間隙センサ7の外殻の中心とパッキン歯先とがずれた場合であっても、2つの歪み量の平均値を用いることで、間隙計測の精度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明のパッキンの間隙計測装置の第1の実施の形態を備えた蒸気タービンの横断面図である。
【図2】図1に示す本発明のパッキン間隙計測装置のA部を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図1に示す本発明のパッキン間隙計測装置を構成する間隙センサの動作を説明する縦断面図である。
【図4】図1に示す本発明のパッキン間隙計測装置を構成する計測制御部の機能ブロック図である。
【図5】本発明のパッキンの間隙計測装置の第1の実施の形態によるパッキン間隙計測方法を説明するフローチャート図である。
【図6】本発明のパッキンの間隙計測装置の第1の実施の形態による間隙センサへの加圧圧力と歪み検出信号とに基づく変化率特性を示す説明図である。
【図7】本発明のパッキンの間隙計測装置の第2の実施の形態で用いられる間隙センサの動作を説明する縦断面図である。
【図8】本発明のパッキンの間隙計測装置の第3の実施の形態を備えた蒸気タービンの横断面図である。
【図9】図8に示す本発明のパッキン間隙計測装置のB部を拡大して示す縦断面図である。
【図10】図8に示す本発明のパッキン間隙計測装置を構成する間隙センサの動作を説明する縦断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 パッキン間隙計測装置
2 タービンロータ
2a 底面
2b 溝部
3 パッキン歯
4 パッキンリング
5 パッキンホルダ
6 板ばね
7 間隙センサ
7a 膨縮部
7b 支持部
7c 歪みゲージ
7d パッキン歯先ガイド部
7h 可撓部
8 挿入量検知器
9 加圧器
10 計測制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータとこのロータの外周に配設されるパッキンの歯先との間隙を計測するパッキンの間隙計測装置において、
前記パッキンの歯先と前記ロータとの間の被計測部に挿入される膨縮変形部材と、この部材の膨縮変形量を計測する歪み検出器とを有する間隙センサと、
前記間隙センサの被計測部までの挿入量を検知する挿入量検知手段と、
前記間隙センサに膨張用空気を送るセンサ加圧手段と、
前記センサ加圧手段への加圧制御を行い、前記間隙センサからの歪み量と前記挿入量検知手段からの挿入量を入力し、パッキン歯先の間隙データを算出する計測制御手段とを備え、
前記計測制御手段において、前記加圧制御による前記間隙センサの歪み量の変化率を算出すると共に監視し、該変化率が所定値以上に減少した時点での歪み量からパッキン歯先の間隙データを算出することを特徴とするパッキンの間隙計測装置。
【請求項2】
請求項1記載のパッキンの間隙計測装置において、
前記間隙センサは、その膨縮変形部材を縮小して前記パッキンの歯先と前記ロータとの間の被計測部に挿入されることを特徴とするパッキンの間隙計測装置。
【請求項3】
ロータとこのロータの外周に配設されるパッキンの歯先との間隙を計測するパッキンの間隙計測装置に用いる間隙センサにおいて、
弾性体素材で形成され膨縮可能な空洞体の膨縮部と、
前記パッキンの歯先を挟みこむ溝形状のガイド部を備えた支持部とを備え、
前記膨縮部には、その内部底面に歪みゲージが取り付けられていることを特徴とする間隙センサ。
【請求項4】
請求項3記載の間隙センサにおいて、
前記歪みゲージは、前記膨縮部の内部底面であって、前記ガイド部の溝方向と直交する方向の両端部に2つ取り付けられていることを特徴とする間隙センサ。
【請求項5】
ロータとこのロータの外周に配設されるパッキンの歯先との間隙を計測するパッキンの間隙計測装置において、
前記パッキンの歯先と前記ロータとの間の被計測部に挿入される筒状の可撓変形部材と、この部材の撓み量を計測する歪み検出器とを有する間隙センサと、
前記間隙センサの被計測部までの挿入量を検知する挿入量検知手段と、
前記間隙センサからの歪み量と前記挿入量検知手段からの挿入量を入力し、パッキン歯先の間隙データを算出する計測制御手段とを備え、
前記計測制御手段において、被計測部への挿入前の歪み検出信号を基準として、被計測部への挿入後の歪み検出信号との差からパッキン歯先の間隙データを算出することを特徴とするパッキンの間隙計測装置。
【請求項6】
ロータとこのロータの外周に配設されるパッキンの歯先との間隙を計測するパッキンの間隙計測装置に用いる間隙センサにおいて、
弾性体素材で短筒状に形成された可撓部と、
前記パッキンの歯先を挟みこむ溝形状のガイド部を備えた支持部とを備え、
前記可撓部には、その内部底面に歪みゲージが取り付けられていることを特徴とする間隙センサ。
【請求項7】
ロータとこのロータの外周に配設されるパッキンの歯先との間隙を計測するパッキンの間隙計測方法において、
前記パッキンの歯先と前記ロータとの間の被計測部に間隙センサを挿入するステップと、
前記間隙センサの被計測部までの挿入量を検知し、計測位置に前記間隙センサを配置するステップと、
トリガスイッチの操作により、センサ加圧手段が前記間隙センサに膨張用空気を送る加圧制御するステップと、
計測制御手段によって、前記加圧制御による前記間隙センサの歪み量の変化率を算出すると共に監視するステップと、
前記歪み量の変化率が所定値以上に減少した時点での歪み量を決定するステップと、
前記歪み量からパッキン歯先の間隙データを算出するステップとを実行することを特徴とするパッキンの間隙計測方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−25581(P2010−25581A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184008(P2008−184008)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(000233044)株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス (276)
【Fターム(参考)】