説明

パッケージ及び発光装置

【課題】発光装置用のパッケージにおいて、樹脂成形体内部でリードフレームの剥離や浮き上がりパッケージの割れや破損を生じ難くし、パッケージの信頼性を高める。
【解決手段】上面に発光素子4が装着される凹陥部21を有し、リードフレーム3と樹脂成形体2を一体に成形してなるパッケージ1を、リードフレーム3を構成するインナーリード部32の樹脂成形体2内に埋め込まれる部分の両側縁部にインナーリード部32の底部から上方へ屈曲した端部曲げ部32a、32aを設けて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED素子などの半導体発光素子が実装される樹脂成形体からなるパッケージと発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED発光素子を搭載した樹脂封止型発光装置のパッケージにおいて、樹脂成形体に埋め込まれたリードフレームが樹脂成形体から剥離したり浮き上がったりすることを防止するため、図10に示されるように、樹脂成形体101に埋め込まれるリードフレーム102の端部に段差部102aを設け、或いは先細り鋭角状の突出部102bを設けた構造のパッケージ100が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−140944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記図示したように、リードフレーム102の端部に段差部102aや鋭角状の突出部102bを設けることによりリードフレーム102の剥離防止に対して若干の効果はあるものの、リードフレーム102は薄肉で厚みが小さいため、樹脂成形体101内部における前記段差部102aや突出部102bの入り代が薄くなり、樹脂成形体101の成形に用いる材料によってはリードフレーム102が剥がれたり浮き上がったりすることを防止することができなかった。
とりわけシリコーン樹脂のような粘度が低い樹脂材料を用いて成形した場合は、硬化した樹脂成形体101が柔らかく脆いため、前記段差部102aや突出部102bの入り代部分でパッケージ100が破損しやすかった。
【0005】
また、樹脂成形体の成形に用いる材料と、樹脂成形体に埋め込まれるリードフレームの配置によっては、パッケージの剛性が部分的に低くなり、曲がりや折れによる破損が起こることがあった。
例えば、樹脂成形体を弾性率の低い樹脂材料を用いて成形する場合に、図11(A)に示されるような、発光素子201の電極と電気的に接続する陽・陰両極のリードフレーム202A、202Bを樹脂成形体203の中央に帯状に配置して成形されたパッケージ200では、両リードフレーム202A、202Bの端部が突き合う境界部分(図中のX−X部)で曲りや折れによる破損が生じやすく、また、同図(B)に示されるように、一方のリードフレーム202Bの端部を股状に分岐させ、他方のリードフレーム202Aを帯状に配置して成形されたパッケージ200では、前記帯状のリードフレーム202Aの両側の樹脂成形体203の隅角部(図中のY−Y部)で曲げや折れにより欠け破損が生じやすかった。
【0006】
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、リードフレームと一体に樹脂成形体を成形してなる半導体装置用のパッケージにおいて、樹脂成形体内部でリードフレームの剥離や浮き上がりを起こし難くするとともにパッケージ全体の剛性を高めて割れ破損を生じ難くし、パッケージ及びこれを用いた半導体装置の信頼性を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため本発明は、上面に発光素子が装着される凹陥部を有し、リードフレームと樹脂成形体を一体に成形してなるパッケージであって、前記リードフレームを構成するインナーリード部の樹脂成形体内に埋め込まれる部分の縁部に、当該インナーリード部の底部から上方へ屈曲した端部曲げ部が設けられた構成を有することを特徴とする。
【0008】
これによれば、インナーリード部の縁部に上方へ屈曲した端部曲げ部が設けてあるので、樹脂成形体内における前記インナーリード部の縁部の入り代が大きく確保されて、樹脂成形体とリードフレームとの接合が強固になり、リードフレームが剥がれたり浮いたりすることを防止することができる。また、樹脂成形体内での入り代である端部曲げ部をインナーリード部に設けることで、パッケージと外部回路とを接続する端子であるアウターリード部を樹脂成形体の底面に沿って配置し、パッケージの実装面上に電極接点面を確保することができる。
【0009】
前記構成のパッケージにおいて、インナーリード部に設ける端部曲げ部は樹脂成形体の内部に埋め込まれる位置に形成され、樹脂成形体とリードフレームとの接合を強固にするため、端部曲げ部はインナーリード部の両側縁部に形成することが好ましい。発光素子の陽・陰両電極と電気的に接続する陽極リードフレームと陰極リードフレームのそれぞれのインナーリード部の両側縁部に端部曲げ部を設けることにより、前記両極のリードフレームと樹脂成形体との接合強度が高まり、樹脂成形体からリードフレームが剥離し難くなる。
【0010】
前記両極のリードフレームの両側縁部に設ける端部曲げ部は、インナーリード部の側縁全体に亘って一体に屈曲した形態のものや、或いは前記側縁に沿って適宜な幅で屈曲したものを所定の間隔を開けて二箇所以上設けた形態のものでもよい。インナーリード部の両側縁に沿ってそれぞれ端部曲げ部を複数箇所設ける場合、前記インナーリード部の両側対面位置に端部曲げ部を配置する、つまりインナーリード部の両側に対称に端部曲げ部を配置することにより、リードフレームの片側が樹脂成形体から剥離したり浮いたりすることを効果的に防止することができる。
【0011】
さらに、本発明のパッケージは、前記構成において、樹脂成形体が平面視略方形状に形成され、その中央に設けた凹陥部内に、陽極リードフレーム又は陰極リードフレームに一体に設けたダイパッド部が配置され、樹脂成形体の四側壁のうちの一の対向側壁から、前記両極のリードフレームのアウターリード部がそれぞれ樹脂成形体の外方へ突出させてあるとともに、
前記樹脂成形体の底面上に当該樹脂成形体内に埋め込まれた前記両極のリードフレームのインナーリード部を投影したときに、
前記樹脂成形体の他の対向側壁と直交して当該樹脂成形体の中央を通る線分上に、前記ダイパッド部の投影面と、当該ダイパッド部を挟んでその両側に配置された前記両極のインナーリード部の境界部の投影面と、前記両境界部の外側に配置された陽極インナーリード部又は陰極インナーリード部の投影面とがあるように、陽・陰両極のリードフレームが配置されていることを特徴とする。
【0012】
また、他の形態の本発明のパッケージは、前記構成において、樹脂成形体が平面視略方形状に形成され、その中央に設けた凹陥部内に、陽極リードフレーム又は陰極リードフレームに一体に設けたダイパッド部が配置され、樹脂成形体の四側壁のうちの一の対向側壁から、前記両極のリードフレームのアウターリード部がそれぞれ樹脂成形体の外方へ突出させてあるとともに、
前記樹脂成形体の底面上に当該樹脂成形体内に埋め込まれた前記両極のリードフレームのインナーリード部を投影したときに、
前記ダイパッド部に面する前記両極のインナーリード部の境界部の投影面が略々V字形乃至U字形に屈曲した形状となるように、陽・陰両極のリードフレームが配置されていることを特徴とする。
【0013】
樹脂成形体内に埋め込まれたリードフレームのインナーリード部が前記の如く配置してあれば、陽・陰両極のインナーリード部の端部が突き合う境界部分はその境界に沿った軸上に何れかの極のインナーリード部が配置されることとなるため前記境界部分に沿った剛性が高められ、境界部分に沿った曲げや折れが発生し難くなる。また、樹脂成形体の内部全体に亘り陽・陰何れかの極のインナーリード部が配置されることとなって樹脂成形体全体の剛性が高まり、パッケージの隅角部で曲がったり欠けたりする破損が生じ難くなる。
【0014】
前記構成のパッケージにおいて、樹脂成形体が平面視略方形状に形成されており、その四隅角部と周側壁に近接させてインナーリード部が埋め込まれていることが好ましい。
このように、樹脂成形体の外周壁に近接させた位置にインナーリード部を埋没させることにより、樹脂成形体の外壁近傍の剛性が高まり、外壁近傍が曲げや折れによる欠け破損することを効果的に防止することができる。
【0015】
本発明の発光装置は、前記構成のパッケージに発光素子を装着して形成されていることを特徴とする。発光装置は、前記パッケージの凹陥部内に配置されたダイパッド部に発光素子を装着し、発光素子の電極部とリードフレームの電極部とをワイヤで電気的に接続するとともに、前記凹陥部内に封止材を充填して前記発光素子とワイヤ部分を封止材で被覆して形成することができる。
本発明のパッケージの成形材料としてはシリコーン樹脂が好適であり、また、発光装置の封止材としては、透光性を有するエポキシ系の樹脂やシリコーンからなる封止材料、これらに無機充填材を配合した樹脂などを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】LED素子を搭載した本発明の第1実施形態のパッケージの平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った概略断面図である。
【図3】図1のパッケージを構成するリードフレームの外観図である。
【図4】図3のリードフレームを構成するリードフレーム構成板の外観図である。
【図5】図1のパッケージの樹脂成形体内のリードフレームの配置を示した概略平面図である。
【図6】(A)〜(D)は端部曲げ部の変形例を示すパッケージの概略断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態のパッケージであって(A)〜(D)は端部曲げ部を設ける位置が異なるパッケージの概略平面図である。
【図8】(A)、(B)は本発明の第3実施形態のパッケージであって樹脂成形体内のリードフレームの配置を示した概略平面図と概略断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態のパッケージであって樹脂成形体内のリードフレームの配置を示した概略平面図と概略断面図である。
【図10】(A)、(B)は従来のパッケージの概略断面図である。
【図11】(A)、(B)は従来の他の形態のパッケージのリードフレームの配置を示す概略平面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図9は、LED素子を搭載した発光装置のパッケージに本発明を適用したものである。各図において、符号1はパッケージ、2は樹脂成形体、3はリードフレーム、4はLED素子を各々示しており、図示されたパッケージ1は、上面にLED素子4が装着される凹陥部21を有して平面視略方形状に形成される樹脂成形体2の内部に、リードフレーム3を埋め込んで一体に成形してなるものである。
【0018】
樹脂成形体2は、反射特性、耐UV特性、耐熱性に優れたシリコーン樹脂を好適に用いて成形することができる。なお、エポキシ樹脂などのシリコーン樹脂以外の熱硬化性樹脂や、PPAやPA9Tなどの熱可塑性樹脂を用いて樹脂成形体を成形する場合にも本発明を適用することができる。
また、リードフレーム3は、例えば銅合金等の導電金属条板からなり、表面に銀や銀−パラジウム合金、金−パラジウム合金などでメッキ加工を施して形成されたものを用いることができる。
【0019】
図1〜図4は本発明の第1実施形態のパッケージ1を示しており、このパッケージ1は、リードフレーム3の樹脂成形体2内に埋め込まれたインナーリード部32の縁部に上方へ屈曲した端部曲げ部32aを設けた構成のものである。
【0020】
リードフレーム3は、外部回路に接続するアウターリード部31と、LED素子4との配線が接続するインナーリード部32と、LED素子4が装着されて支持するダイパッド部34とを有して構成されている。
詳しくは、図2及び図3に示されるように、リードフレーム3は、LED素子4の陽・陰両電極と電気的に接続する陽極リードフレーム3Aと陰極リードフレーム3Bからなり、ともに一端部に樹脂成形体2の側壁から外方へ突出して外部回路と接続するアウターリード部31を設け、アウターリード部31に連なって樹脂成形体2内に埋め込まれるインナーリード部32の両側縁部に、当該インナーリード部32の底面から斜め上方へ屈曲した端部曲げ部32a、32aを設けるとともに、両端部曲げ部32a、32aの上端で水平に折れて側方へ張り出した脚片32b、32cをそれぞれ連ねて形成してある。
陽極リードフレーム3Aと陰極リードフレーム3Bの前記インナーリード部32の脚片32b、32cは、図3においてアウターリード部31とインナーリード部32を中央において、インナーリード部32の右側に脚片32b、左側に脚片32cがそれぞれ端部曲げ部32a介して配置されており、ともに両極のリードフレームの脚片32bは他極リードフレームの脚片32cに近接する位置まで帯状に延設した形状に設けてあるとともに、当該インナーリード部32の脚片32bの面内に、LED素子4の電極とワイヤーボンディグにより電気的に接続する端子リード部33を設けてある。
また、陽極リードフレーム3Aには、アウターリード部31と対向する他端部にインナーリード部32と帯状に連なった、LED素子4が装着されてこれを支持するダイパッド部34を設けてある。
【0021】
パッケージ1は、図4に示される導電金属条板の面内を縦横複数列に前記リードフレーム3の形状に打ち抜いてなるリードフレーム構成板3Cを成形金型に設置し、成形金型の一つのリードフレーム毎のキャビティに樹脂を流入し硬化させ、各リードフレーム3と一体に樹脂成形体2を成形することにより形成され、パッケージ1の周面から外方へ突出したアウターリード部31、31をリードフレーム構成板3Cから切断することにより個片のパッケージ1として取り扱われる。
【0022】
成形されたパッケージ1は、図1及び図2に示されるように、樹脂成形体2の上面に形成された凹陥部21内に、前記両極のリードフレーム3A、3Bの端子リード部33、33とLED素子4が装着されるダイパッド部34とが配置され、平面視略方形状を呈する樹脂成形体2の四側壁のうちの一の対向側壁2a、2aからそれぞれのアウターリード部31、31が外方へ突出し、樹脂成形体2の内部には、端部曲げ部32a、32aを介して脚片32b、32cを連設させた両極のインナーリード部32、32が埋め込まれる。また、前記アウターリード部31、31は、パッケージの実装面となる樹脂成形体2の底面に沿って配置される。
【0023】
また、パッケージ1の樹脂成形体2内の前記両極のリードフレーム3A、3Bの配置は、樹脂成形体2の凹陥部21の中心に配置されたダイパッド部34の両側に互いの脚片32b、32bが適宜な間隔を開けて平行に配置した構成としてある。
具体的には、図5に示されるように、樹脂成形体2の底面上に樹脂成形体2内に埋め込まれた両極のリードフレーム3A、3Bのインナーリード部32、32を投影したときに、樹脂成形体2の他の対向側壁2b、2bと直交して樹脂成形体2の中央Oを通る線分Y上に、ダイパッド部34の投影面と、ダイパッド部34を挟んでその両側に配置された両極のインナーリード部32、32の境界部の投影面と、両境界部の外側に配置された陽極リードフレーム3Aのインナーリード部32の脚片32bと陰極リードフレーム3Bのインナーリード部32の脚片32bの投影面とがあり、これら投影面が線分Yと交差するような配置となっている。
さらに、両極のインナーリード部32、32のそれぞれの脚片32b、32cが、樹脂成形体2の四隅角部と周側壁に沿って近接した位置に埋め込まれた配置としてある。
【0024】
このように形成されたパッケージ1は、例えばダイパッド部34にLED素子4を装着する工程、LED素子4の電極と端子リード部33、33をワイヤで接続する工程、凹陥部21内に封止材を充填してLED素子4とワイヤにより接続された端子リード部33、33を被覆する工程の各工程を経て発光装置に加工することができる。
【0025】
本形態のパッケージ1によれば、陽・陰両極のリードフレーム3A、3Bのインナーリード部32、32の両側縁部に上方へ屈曲した端部曲げ部32a、32aがそれぞれ設けてあるので、樹脂成形体2内におけるインナーリード部32、32の縁部の入り代が大きく確保されて、樹脂成形体2と両極のリードフレーム3A、3Bとの接合強度が高まり、樹脂成形体2からリードフレーム3A、3Bが剥離し難くなる。
また、図5に示されるように、樹脂成形体2内で前記両極のリードフレーム3A、3Bのインナーリード部32、32の端部が突き合う境界部分はその境界に沿った軸上に何れかの極のインナーリード部32、32が配置され、前記境界部分に沿った剛性が高められて境界部分に沿って曲げや折れが発生し難くなり、さらに樹脂成形体2の外周壁に近接させた位置にインナーリード部32、32が埋め込まれているので、樹脂成形体2の外壁近傍の剛性が高まり、外壁近傍が曲げや折れによる欠け破損することを効果的に防止することができ、パッケージ1及びこれを加工した発光装置の歩留まりを向上して信頼性を高めることができる。
【0026】
図6はインナーリード部32の縁部に設ける端部曲げ部32aの変形例を示している。同図(A)に示されるように、端部曲げ部32aはリードフレーム3のインナーリード部32の端部を打ち出し加工により曲げて上方へ持ち上げた形状に形成され、これよりも樹脂成形体2との接合を強化するため、同図(B)に示されるように、打ち出し加工を深く行って端部曲げ部32aと脚片32b、32cが樹脂成形体2の内部に深く埋め込まれるように設けてもよい。
また、端部曲げ部32aに脚片32b、32cを設けずに、同図(C)に示されるように、インナーリード部32の縁部に上方へ斜めに屈曲した端部曲げ部32aや、同図(D)に示されるように、インナーリード部32の縁部を上方へ直角に屈曲した端部曲げ部32aでも、樹脂成形体2との入り代が大きく確保され、リードフレーム3の剥離防止に効果的である。
【0027】
図7は本発明の第2実施形態のパッケージ1とその変形例を示しており、図示したパッケージ1は、陽・陰両極のリードフレー3A、3Bとして樹脂成形体2内に略一杯に埋め込まれる幅の帯状に形成されたフレームを用い、これを前記形態と同形状の樹脂成形体2に一体に成形するとともに、前記形態と同様に、樹脂成形体2に埋め込まれるインナーリード部32、32の両側縁に端部曲げ部32aを設けたものである。
同図(A)に示した形態は、両極のリードフレー3A、3Bのインナーリード部32、32の両側縁全体に亘り端部曲げ部32a、32aを設けたものである。
同図(B)に示した形態は、樹脂成形体2の中央付近のインナーリード部32、32の両側縁にのみ端部曲げ部32a、32aを適宜な幅で設けたものである。
同図(C)に示した形態は、樹脂成形体2の両端付近のインナーリード部32、32の両側縁にのみ端部曲げ部32a、32aを適宜な幅で設けたものである。
同図(D)に示した形態は、樹脂成形体2の中央付近と両端付近のインナーリード部32、32の両側縁に端部曲げ部32a、32aを配置したものである。
各図において、端部曲げ部32a、32aは、インナーリード部32、32の両側縁の対称位置にそれぞれ設けられている。
【0028】
図8は本発明の第3実施形態のパッケージ1を示しており、図示したパッケージ1は、陽・陰両極のリードフレーム3A、3Bとして、樹脂成形体2の樹脂成形体2の四隅角部と周側壁に近接して埋め込まれるように幅広のものを用いるとともに、それぞれインナーリード部32、32の両側縁部に前記と同様に上方へ屈曲した端部曲げ部32a、32aを設け、さらに、両極のインナーリード部32、32を樹脂成形体2の底面に投影したときに、前記ダイパッド部34に面する前記両極のインナーリード部32、32の境界部の投影面が、略々V字形乃至U字形に屈曲した形状となるようにリードフレーム3A、3Bを配置したものである。
同図(A)、(B)は、ともにインナーリード部32、32の境界部分を、平面視斜めの取り合いに設けて、境界に沿った軸上に何れかの両極のインナーリード部32、32が配置されように設けられており、これにより、前記境界部分に沿った剛性が高められ、また、ともに樹脂成形体2の外周壁に近接させた位置にインナーリード部32、32が埋め込まれているので、樹脂成形体2の外壁近傍の剛性も高まり、外壁近傍の欠け破損を生じ難くすることができる。
【0029】
また、図9は本発明の第4実施形態のパッケージ1を示しており、これは、陽・陰両極のリードフレーム3A、3Bのインナーリード部32、32の縁部であって、その脚片32b、32cの内部に上方へ屈曲した端部曲げ部32aを設けた構成のものであり、このように脚片32c、32cの内部に端部曲げ部32aを設けることによっても、樹脂成形体2と接合する入り代が大きく確保されて、樹脂成形体2と両極のリードフレーム3A、3Bとの接合強度を高まり、リードフレーム3A、3Bの剥離を効果的に防止することが可能である。
【0030】
なお、図示したパッケージ1、樹脂成形体2及びリードフレーム3は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、本発明はこれに限定されず、他の適宜な形態で構成することが可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 パッケージ、2 樹脂成形体、21 凹陥部、2a,2a 対向側壁、3 リードフレーム、3A 陽極リードフレーム、3B 陰極リードフレーム、3C リードフレーム構成板、31 アウターリード部、32 インナーリード部、32a 端部曲げ部、32b 脚片、32c 脚片、33 端子リード部、34 ダイパッド部、4 LED素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に発光素子が装着される凹陥部を有し、リードフレームと樹脂成形体を一体に成形してなるパッケージであって、
前記リードフレームを構成するインナーリード部の樹脂成形体内に埋め込まれる部分の縁部に、当該インナーリード部の底部から上方へ屈曲した端部曲げ部が設けられた構成を有することを特徴とするパッケージ。
【請求項2】
インナーリード部の両側に端部曲げ部が設けられてなる請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
樹脂成形体が平面視略方形状に形成され、その中央に設けた凹陥部内に、陽極リードフレーム又は陰極リードフレームに一体に設けたダイパッド部が配置され、樹脂成形体の四側壁のうちの一の対向側壁から、前記両極のリードフレームのアウターリード部がそれぞれ樹脂成形体の外方へ突出させてあるとともに、
前記樹脂成形体の底面上に当該樹脂成形体内に埋め込まれた前記両極のリードフレームのインナーリード部を投影したときに、
前記樹脂成形体の他の対向側壁と直交して当該樹脂成形体の中央を通る線分上に、前記ダイパッド部の投影面と、当該ダイパッド部を挟んでその両側に配置された前記両極のインナーリード部の境界部の投影面と、前記両境界部の外側に配置された陽極インナーリード部又は陰極インナーリード部の投影面とがあるように、陽・陰両極のリードフレームが配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパッケージ。
【請求項4】
樹脂成形体が平面視略方形状に形成され、その中央に設けた凹陥部内に、陽極リードフレーム又は陰極リードフレームに一体に設けたダイパッド部が配置され、樹脂成形体の四側壁のうちの一の対向側壁から、前記両極のリードフレームのアウターリード部がそれぞれ樹脂成形体の外方へ突出させてあるとともに、
前記樹脂成形体の底面上に当該樹脂成形体内に埋め込まれた前記両極のリードフレームのインナーリード部を投影したときに、
前記ダイパッド部に面する前記両極のインナーリード部の境界部の投影面が略々V字形乃至U字形に屈曲した形状となるように、陽・陰両極のリードフレームが配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパッケージ。
【請求項5】
平面視略方形状に形成された樹脂成形体の四隅角部と周側壁に近接させてインナーリード部が埋め込まれていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のパッケージ。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載のパッケージに発光素子を実装して形成された発光装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−77813(P2013−77813A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−199107(P2012−199107)
【出願日】平成24年9月11日(2012.9.11)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】