説明

パネルの印刷装置

【課題】
パネルの印刷装置において、塵埃等に起因する印刷欠陥を低減しかつ高精度で高速に印刷する。
【解決手段】
パネルの印刷装置100は、基板17面上にスクリーン印刷により所定のパターンを形成する。基板は、印刷面を下向きにしてストッカ10部のステージコンベアにより搬入される。ストッカの端部に、基板の印刷面を上向きに反転可能な基板反転機構11が設けられている。反転された基板は、印刷部13で印刷される。反転機構と印刷部との間には回転テーブル14が介在している。回転テーブルは、基板を印刷部に位置決めする。また、回転テーブルは上下動可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパネルに印刷し乾燥するパネルの印刷装置に係り、特に、高速にパネルに印刷するパネルの印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷装置は、特許文献1に示すように、印刷物を能率よく生産するために、間欠的に回転する旋回テーブルを備え、この旋回テーブルの外周に凹版が載置される版テーブルを固定している。また、版テーブル上にスキージとドクターを設けている。そして、スキージが版テーブル上に供給したインキで、ドクターが版テーブル上の凹版を埋める。さらに、所定位置で停止している版テーブルと被印刷物が載置されている版テーブル間をゴム胴を回転させながら移動させ、初めにゴム胴にインキを転写し、次いで被印刷物が載置されている印刷テーブル上をゴム胴が回転移動して、被印刷物にパターンを印刷している。
【0003】
従来の印刷装置の他の例が、特許文献2に開示されている。この公報に記載の印刷装置は、ワーク載置部と回転テーブル部、ワーク位置調整部、スクリーン印刷部、ワーク排出部、制御部、検出部等を備えている。そして、ワーク載置部とワーク位置調整部、スクリーン印刷部、ワーク排出部は、回転テーブルの回りに配置されている。回転テーブルの所定位置に搬送ロボットを用いてワークを移動させ、回転テーブルを所定量ずつ回転させ、ワークの位置調整工程、ワークへの印刷工程、ワークの排出の工程を順次実行する。その際、排出工程と、回転テーブルへの載置工程、位置調整工程、印刷工程を、テーブルへの搬入工程とを同時並行的に行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−108515号公報
【特許文献2】特開2011−56761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の印刷機では、回転する版テーブルの凹部の部分にインクを供給した後ドクターで余分インクを掻き取っている。そして、この状態の版テーブルからゴム胴に転写し、転写されたパターンを被印刷物に再度転写している。この方法は2段に転写する方法であり、被印写物へは回転するゴム胴から印刷されるので、2段転写における誤差の累積およびゴム胴の弾性変形のし易さ等から高精細の印刷には不向きである。また、2段転写であるから印刷のための前工程が長くなり、印刷に要する全時間が長くなり装置も大型化するおそれがある。
【0006】
また、上記特許文献2に記載の印刷機では、回転テーブル周りにワーク載置部とワーク位置調整部、スクリーン印刷部、ワーク排出部を備え、回転テーブルへの載置工程、位置調整工程、印刷工程、排出工程と、回転テーブルへの搬入工程とを同時並行的に行っているので、上記不具合は解消する。しかしながら、この印刷機ではワークを回転テーブルに導くまでに、ワークに塵埃等が付着するのを防止することについては、考慮されていない。
【0007】
本発明は、上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、パネルの印刷装置において、塵埃等に起因する印刷欠陥を低減し、かつ高精度で高速に印刷することを可能にすることにある。本発明の他の目的は、パネルの印刷装置において、塵埃等に起因する印刷欠陥を低減するとともに、設置面積を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、基板面上にスクリーン印刷により所定のパターンを形成するパネルの印刷装置において、印刷面を下向きにして搬入される基板を搬入しステージコンベアを有するストッカと、前記ストッカの端部に設けられ前記基板の印刷面を上向きに反転可能な基板反転機構と、反転された前記基板に印刷する印刷部と、前記反転機構と前記印刷部と間に介在し、前記基板を前記印刷部に位置決めする回転テーブルとを備え、前記回転テーブルは上下動可能に設けたものである。
【0009】
そしてこの特徴において、反転された前記基板を前記回転テーブルに搬送するとともに前記基板の位置及び歪の少なくともいずれかを検査する第1の検査部を有する第1のステージコンベアと、前記印刷部で前記基板面上に印刷したパターンを検査する第2の検査部と、前記印刷部で印刷された前記基板を次工程に搬送する第2のステージコンベアとを備えるのがよく、前記回転テーブルは、垂直方向に配置される回転軸と、この回転軸に腕部材を介して接続された4個のテーブルと、このテーブルに載置されるステージとを有し、前記4個のテーブルは上下動可能であって円周方向にほぼ等ピッチで配置されていることが望ましい。
【0010】
また上記特徴において、前記基板反転機構は、垂直に配置され外周部に複数のスリットが形成された2枚の円盤と、この2枚の円盤の中心部を貫通し水平に配置される回転軸と、この回転軸を駆動する駆動源とを有し、前記スリットに前記基板を挟持して前記円盤を回動させて前記基板を反転させるものであることが好ましい。さらに、前記第1の検査部は前記基板に付された位置合わせマークを検出し記憶する手段を有し、前記印刷部は前記基板に印刷するパターンが形成され位置合わせマークが付されたマスクと、このマスクを水平移動させる移動手段とを有し、この移動手段は前記記憶手段が記憶した前記基板上の位置合わせマークと前記マスクの位置合わせマークとが合致するように前記マスクを水平移動させ、前記印刷装置は、前記回転テーブルの前記テーブルを上昇させて前記マスクに前記基板を接触させて印刷するものであるのがよい。
【0011】
また、前記回転テーブルの前記回転軸を挟んだ前記印刷部の反対側に清掃ステーションを設け、この清掃ステーションは前記基板の割れおよび欠け等で生じた破損片を高圧エアーと真空吸引の少なくともいずれかにより清掃する清掃手段を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、回転ステージの周囲に基板の搬入部、印刷部、搬出部、回転ステージの清掃部を備え、搬入部では基板を反転させているので、パネルの印刷装置が塵埃等に起因する印刷欠陥を低減し、かつ高精度で高速に印刷できる。また、基板搬送系を略直線状に配置し、印刷部および清掃部を搬送方向に直角な方向に配置したので、搬送時間の短縮と各装置の小型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る印刷装置の一実施例の平面図である。
【図2】本発明に係る印刷装置の動作フローチャートである。
【図3】図1に示した印刷装置が備える基板反転部の模式図であり正面図である。
【図4】図1に示した印刷装置が備える検査部の模式図であり斜視図である。
【図5】図1に示した印刷装置が備える印刷部の正面図である。
【図6】図1に示した印刷装置が備える回転テーブルの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るパネルの印刷装置の一実施例を、図面を用いて説明する。図1は、パネルの印刷装置100の一実施例の平面図である。水平方向にの一直線上に配置された搬入側のストッカ10と搬出側のステージコンベア16間に、90度ピッチで配設された4個のテーブル14A〜14Dを有する回転テーブル14が配置されている。
【0015】
搬入側のストッカ10の搬入方向の下流側には、詳細を後述する基板反転機構11および第1の検査部12が設けられている。回転テーブル14と搬出側のステージコンベア16間には、第2の検査部15が設けられている。ストッカ10とステージコンベア16の配列方向と直角方向(X方向)であって回転テーブル14の中心を通る方向(Y方向)に、印刷部13が配置されている。この印刷部13と対向する方向には清掃ステーション40が配置されている。すなわち、4個のテーブル14A〜14Dを直交する2本または4本の腕37で連結し、直交部に設けた上下方向に延びる回転軸38を回転させて、4個のテーブル14A〜14Dの位置を変更可能になっている。
【0016】
以下に、図2に示したフローチャートを併せ用いて、印刷装置100の動作を説明する。初めに、印刷する基板17がストッカ10部に図1のX1方向に搬入される(ステップS1)。基板17を載せて搬送する搬送用トレーを備えたステージコンベアで形成されたストッカ10は、ロボットハンド44を用いて、ステージコンベアのステージ21上に印刷面を下向きにして基板17を載せる。基板17を下向きに搬入し、移動させるので、印刷面に塵埃等が付着することを防止している。また、ストッカ10に、ステージコンベアを用いているので、搬送先での基板17の位置合わせを短時間で行なえる。
【0017】
次いで、ストッカ10の下流端に設けた基板反転機構11まで基板17を搬送し、この基板反転機構11で印刷する基板17を反転させてステージ27に載置する(ステップS2)。反転された基板17はステージ27ごと、第1の検査部12に搬送される。第1の検査部12では、詳細を後述するカメラ26を用いて基板17が撮像される。
【0018】
撮像された基板17の画像は図示しない制御部に送られ、制御部で画像処理される。画像処理された基板17の画像から、基板17の大きさや基板17の曲がり等の配置状態および歪等の性状状態、位置合わせマークの位置等を検査および検出する。そして、予め定めた基準を満足する基板17であるか否かを判定する(ステップS3)。基準を満足する基板であれば位置合わせマークの位置を記憶する。基準を満たさない不合格の基板17はラインの外に排出される(S7)。
【0019】
基準を満足して第1の検査部12を通過した基板17は、ロボットハンド44等を用いて、回転テーブル14の4個のテーブル14A〜14Dのいずれか(図1ではテーブル14A)に載置される。その後、回転テーブル14を90度だけRz方向に回転させて、基板17上にパターンを印刷する印刷部13へ送られる。印刷部13にはスクリーン印刷機39が設けられている。印刷部13で基板17の所定位置に所定パターンを印刷する。
【0020】
所定パターンが印刷された基板17は、回転テーブル14をさらに90度だけRz方向に回転させることにより、テーブル14Aに載置されたステージ27とともに第2の検査部15に位置決めされる、第2の検査部15では、基板17の表面に印刷されたパターンが予め定めたパターンに合致しているか否かを検査する(ステップS4)。第2の検査部15で不良と判定された基板17は、ラインの外に排出される(ステップS7)。
【0021】
正常なパターンが形成され第2の検査部15を通過した基板17は、第2のステージコンベア16上のステージ21に移載され、次工程のために、図1の矢印X3方向に搬送される(ステップS6)。一方、基板17が第2のステージコンベア16に移載され空になったテーブル14Aにはステージ27が残される。回転テーブル14をRz方向にさらに90度だけ回転させて、ステージ27を清掃ステーション40に位置決めする。清掃ステーション40では、ステージ27に残存する基板17の割れや欠け等の破損片を清掃する(ステップS8)。
【0022】
次に、回転テーブル14周りに配置される基板反転機構11の一実施例の詳細を、図3を用いて説明する。図3(a)は、基板反転機構11の主要部の側面図であり、図3(b)はその斜視図である。基板反転機構11は、基板17を狭持するために形成された複数のスリット19を有し、離隔して配置され垂直に立てて配置された2枚の回転円盤18と、2枚の回転円盤18の中心を貫通し水平に配置された回転軸20と、回転軸20の一方端側に接続されたモータ18bとを備える。
【0023】
回転円盤18に形成した複数のスリット19の円周方向位置は、基板17がこの基板反転機構11に搬入されたときに、基板17の搬送方向に対して直角方向の両端部近傍を把持できるように、2枚の回転円盤18において円周方向位置(移送)が一致している。また、複数のスリット19は、円周方向にほぼ等ピッチで形成されている。
【0024】
ストッカ10が有するステージコンベアのステージ21L上を搬送されて来た基板17は、基板反転部11の回転円盤18の端部まで接近する。駆動モータ18bにより回転させられた回転円盤18は、スリット19の位置が水平になった状態で静止している。そこで、ステージコンベアが基板17をスリット内部へ送り込む。スリット19の端部まで基板17の先端部が送り込まれたら、スリット19により挟持された基板17を、回転円盤18とともにRy方向に180度だけ回転させる。
【0025】
回転円盤18を180度回転させた側には、ステージ21Rが配置されており、基板17はこの基板反転部11への搬入時には上側であった反印刷面17bを下側にして、ステージ21Rに載置される。すなわち、基板17は、表裏反転される。次いで、第1の検査部12側のステージコンベアが有するステージ21Rを、図2の右方向に搬送する。これにより、基板17は回転円盤18のスリット19から抜け出て、ステージ21Rに載置された状態で、第1の検査部11に送られる。
【0026】
第1の検査部11の一実施例の詳細を、図4を用いて説明する。図4は、第1の検査部12の斜視図である。第1の検査部12は、門形のフレーム45を構成する左右2本の取付足25と、この取付足25上に水平に渡した梁24を備えている。梁24には、基板17の幅方向(基板移動方向に対して直角方向)である左右方向Y1に移動可能に、カメラ取付台23が取り付けられている。また、カメラ取付台23にはZ軸テーブルも備えれている。Z軸テーブルにはカメラ26と高さセンサ26bが取り付けられており、カメラ26と高さセンサ26bを一緒に上下方向Z1に移動可能である。
【0027】
門形に構成したフレーム45の梁24の下を基板17が通過するように、ステージコンベアを配置している。すなわち、ステージ21上に搭載した基板17が図のX2方向に搬送されて、カメラ26の下を通過する時に、基板の印刷面17aを撮像できるように、ステージコンベアを配置する。Z軸テーブルやカメラ取付台23を駆動して、カメラ26を用いて基板17の各部を撮像する。なお、第2の検査部15も第1の検査部12と略同様の構成となっている。
【0028】
第1の検査部12での検査が終了し、回転テーブル14のテーブル14A上に設けたステージ27に移載された基板17は、印刷部13に運ばれる。印刷部13の詳細を、図5および図6を用いて説明する。図5は、印刷部13の正面図であり、図6は回転テーブル14の平面図である。
【0029】
図5では、回転テーブル14が回転軸38を回転させてテーブル14Bを印刷部13に位置決めした状態を示している。各テーブル14A〜14Dは、テーブル14A〜14Dの中央部にテーブル14A〜14D貫通してボールネジ等を取り付けた昇降軸35が取り付けられており、昇降軸35の上端にはステージ27が取り付けられている。昇降軸35の他端(下端)部には、駆動モータ36が取り付けられており、この駆動モータ36が回転すると、ステージ27は上下方向に昇降可能になっている。
【0030】
ステージ27の上面には、基板17が載置可能になっている。なお、本実施例では各ステージを個別の上下方向に移動させるようにしているが、全てのステージを同時に移動させるために、駆動モータを1個のみ設けるようにしてもよい。その場合、機構を簡素化できる。
【0031】
印刷部13は、基板17の上方に主要部分が配置されており、これら主要部分は、テーブル14A〜14Dの軌跡の最外周よりも外側に配置した図示しない支持部により片持ち支持されている。印刷部13の主要部はマスク33とスキージヘッド28を有しており、ステージ27の真上に位置するように配置されている。
【0032】
マスク33は矩形の薄板部材で、周辺部をマスク枠34に取り付けて平面状に維持される。マスク枠は、上記支持部にマスク枠34取り付けられている。スキージヘッド28も印刷部13の支持部材に、水平方向に移動可能に取り付けられている。スキージヘッド28は、印刷部17の上記支持部に取り付けた移動枠29と、上下移動するスキージ30と、スキージ30を上下移動させる駆動機構31(31a、31b)とを備えている。
【0033】
駆動機構31は、スキージ30を大きく上下移動させる粗駆動機構31aとスキージ30を基板17に押し付けるときの押し付け力調整用の精駆動機構31bとから構成されている。精駆動機構31bによる移動量は、微小である。さらに、移動枠29を水平方向に移動させるために、上記支持部に駆動用モータとリニアレール(いずれも図示せず)を有する移動手段を設けている。移動枠29にはリニアレール上を移動する回転ローラ32を設けている。
【0034】
マスク33と基板17との位置を合わせるために、マスク33および基板17には、それぞれ図示しない位置合わせマークが付されている。基板17側の位置合わせマークを予め第1の検査部12で計測し、図示しない記憶手段に記憶させる。マスク33側の位置合わせマークを、図示しないカメラで計測する。基板17へパターンを印刷する時には、回転テーブル14の回転を停止させ、第1の検査部の記憶手段に記憶された基板17の位置合わせマークと、第2の検査部のカメラが撮像したマスク側の位置合わせマークとを用いて位置決めする。その後に、基板17へ所定のパターンを印刷する。なお、位置合わせは、マスク33を取付たマスク枠34を水平方向に移動させて実行する。そのため図示しないが、マスク枠34を水平移動させる駆動機構を設けている。
【0035】
基板17とマスク33との位置合わせが終了すると、駆動用モータ36を駆動して上下昇降軸35を昇降させる。そして、ステージ27と一緒に基板17をマスク33側に上昇させ、基板17とマスク33を近接させる。マスク33の上面には、予めパターンを形成するペーストが供給されている。次に、スキージ30をマスク33まで降下させ、スキージ30をマスク33の上面に押し付けることでマスク33に所定圧力を加える。それと同時にスキージ30を水平移動させる。スキージ30が水平に移動すると、マスク33に形成したパターンの開口部にペーストが押し込まれる。開口部からペーストが基板17の表面に押し付けられ、基板17にパターンが印刷される。なお、基板17には前の工程で電極パターンが形成されており、印刷部13では、この形成された電極間にスクリーン印刷によりパターンを印刷する。基板17の表面へのパターンの印刷が終了すると、テーブル14A上にステージ27を降下させ、回転テーブル14を回転させて第2の検査部15に基板17をステージ27ごと移動させる。
【0036】
本実施例では、基板17とマスク33の位置合わせ等の検査を印刷部17に基板を搬送させる前に実施している。また、基板17を載置したステージ27は、昇降する(ZA〜ZD方向に移動する)だけで水平方向には移動していない。マスク33と基板17との最終的な位置合わせでは、マスクを水平移動させるだけである。これらにより、マスク33と基板17の位置合わせに必要な駆動力を低減し、位置合わせに要する時間を短縮できる。
【0037】
回転軸38を挟んで印刷部13の反対側には、ステージ27だけが残されたテーブル14A〜14Dを位置決めして、ステージ27の上面を清掃する清掃ステーション40が配置されている。清掃ステーション40では、高圧エアーによるブローと真空吸引とを実施する。そのため、ブロー機構41と吸引清掃機構42が備えられており、ミクロの破片や割れまたは欠け片を高効率に短時間で集塵する。これらの機構41、42の他に、図示しない清掃用ハケ(ブラシ)装置や粘着ローラ機構を付加または置き換えてもよい。
【0038】
本実施例によれば、基板の検査部および印刷部、ステージの清掃部等を1ヶ所にまとめて形成できるので、装置の設置面積を小さくすることが可能になる。また、基板検査以前には、基板の印刷面を露出させずに基板を搬送しているので、基板の印刷面に塵埃が付着するのを極力低減でき、塵埃による汚れが極小になり高精度の印刷が可能となる。また、作業時間の短縮が可能になる。なお、上記説明では、第1の検査部を独立して設けているが、第1の検査部12を印刷部13の基板搬入口に設けて回転テーブルのステージ上で検査する構成としてもよい。
【0039】
また、上記実施例では1枚の基板が第1の検査部に搬送されてから、第2の検査部を経て次工程へ搬送されるまでは、他の基板が搬送されないようにしているが、回転テーブルの各所ステーションで異なる作業、すなわち第1の検査部での検査、印刷部でのスクリーン印刷、第2の検査部での検査、清掃ステーションでの清掃を同時平行で実行するようにしてもよい。その場合スループットが約4倍向上する。
【符号の説明】
【0040】
10…ストッカ、11…基板反転機、12…第1の検査部、13…印刷部、14…回転テーブル、14A〜14D…テーブル、15…第2の検査部、16…ステージコンベア、17…基板、18…反転機構、18a…回転円盤、18b…モータ、18c…駆動軸、19…スリット、20…回転軸、21L、21R…ステージ、23…カメラ取付台、24…梁、25…取付足、26…カメラ、27…ステージ、28…スキージヘッド、29…移動枠、30…スキージ、31a、31b…駆動機構、32…回転ローラ、33…マスク、34…マスク枠、35…昇降軸、36…駆動モータ、37…腕、38…回転軸、39…スクリーン印刷機、40…清掃ステーション、41…ブロー機構、42…吸引清掃機構、44…ロボットアーム、45…フレーム、100…印刷装置、Rz…回転テーブルの回転方向、Ry…回転円盤の回転方向、Rz…、X1…基板の搬入方向、X2…検査部での基板の進行方向、X3…基板の搬出方向、Y1…カメラのトラバース方向、Z1…カメラの焦点合わせ方向、Z〜Z…テーブルの高さ位置決め方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板面上にスクリーン印刷により所定のパターンを形成するパネルの印刷装置において、
印刷面を下向きにして搬入される基板を搬入しステージコンベアを有するストッカと、前記ストッカの端部に設けられ前記基板の印刷面を上向きに反転可能な基板反転機構と、反転された前記基板に印刷する印刷部と、前記反転機構と前記印刷部と間に介在し、前記基板を前記印刷部に位置決めする回転テーブルとを備え、前記回転テーブルは上下動可能に設けられていることを特徴とするパネルの印刷装置。
【請求項2】
反転された前記基板を前記回転テーブルに搬送するとともに前記基板の位置及び歪の少なくともいずれかを検査する第1の検査部を有する第1のステージコンベアと、前記印刷部で前記基板面上に印刷したパターンを検査する第2の検査部と、前記印刷部で印刷された前記基板を次工程に搬送する第2のステージコンベアとを備えたことを特徴とする請求項1に記載のパネルの印刷装置。
【請求項3】
前記回転テーブルは、垂直方向に配置される回転軸と、この回転軸に腕部材を介して接続された4個のテーブルと、このテーブルに載置されるステージとを有し、前記4個のテーブルは上下動可能であって円周方向にほぼ等ピッチで配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のパネルの印刷装置。
【請求項4】
前記基板反転機構は、垂直に配置され外周部に複数のスリットが形成された2枚の円盤と、この2枚の円盤の中心部を貫通し水平に配置される回転軸と、この回転軸を駆動する駆動源とを有し、前記スリットに前記基板を挟持して前記円盤を回動させて前記基板を反転させるものであることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のパネルの印刷装置。
【請求項5】
前記第1の検査部は前記基板に付された位置合わせマークを検出し記憶する手段を有し、前記印刷部は前記基板に印刷するパターンが形成され位置合わせマークが付されたマスクと、このマスクを水平移動させる移動手段とを有し、この移動手段は前記記憶手段が記憶した前記基板上の位置合わせマークと前記マスクの位置合わせマークとが合致するように前記マスクを水平移動させ、前記印刷装置は、前記回転テーブルの前記テーブルを上昇させて前記マスクに前記基板を接触させて印刷することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のパネルの印刷装置。
【請求項6】
前記回転テーブルの前記回転軸を挟んだ前記印刷部の反対側に清掃ステーションを設け、この清掃ステーションは前記基板の割れおよび欠け等で生じた破損片を高圧エアーと真空吸引と清掃用ハケ(ブラシ)の少なくともいずれかにより清掃する清掃手段を有することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載のパネルの印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−31940(P2013−31940A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168389(P2011−168389)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】