説明

パーキンソン病の治療における2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンの使用

本発明は、とりわけ、パーキンソン病などの、神経変性疾患の治療における2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン(化合物2)の使用に関する。本発明はまた、パーキンソン病などの神経変性疾患の治療で用いる薬剤の製造における、化合物2として描かれている化合物または製薬学的に許容されるその塩の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ、神経変性疾患の治療における4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤の使用に関する。より具体的には、本発明は、パーキンソン病を治療するのに有効な量でのHPPD阻害剤の使用に関する。特定の実施形態において、HPPD阻害剤は2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン(化合物2)である。
【背景技術】
【0002】
神経変性疾患は世界中で何百万もの人々に影響を及ぼしている。特に、パーキンソン病は寿命の増加によって有病率が増加している。この疾患はあまりよく理解されていないが、重要な側面は酸化的損傷であり、脳の黒質領域でのドーパミン性ニューロンの喪失およびその結果として線条体ドーパミンの減少を引き起こす。線条体ドーパミンレベルが約80%減少すると、パーキンソン病の症状が明らかになる。その症状は、ニューロンが失われるにつれて重症度が増す。この疾患の概説を提供する刊行物が多く存在している。つい最近の刊行物では、パーキンソン病に苦しむ患者に対する治療の概説が提供されている。
【0003】
この疾患の実質的に全ての対症療法は、脳へのドーパミン供給の増大を伴うものであるかまたはドーパミン作用薬の全身投与によるものである。ドーパミンそれ自体は血液脳関門(BBB)を通過することができないので、使用される主な薬物はレボドーパである。これは、BBBを容易に通過できるドーパミンの直接前駆体である。レボドーパ治療には、他の身体各部でのレボドーパの代謝を阻害する他の薬物(例えば、カルビドパ)が追加される必要があり、これによって副作用を減らし、血漿中のレボドーパ濃度を増やし、引き伸ばす。レボドーパの徐放製剤も使用されるが、レボドーパの動態は最適にはほど遠いままである。数年のレボドーパ療法の後には、この間により多くのニューロンが患者で失われてしまうことから、レボドーパの有効性は低下し、治療限界が縮小するかまたは消失する(臨床的に「ウェアリングオフ」と称される)。患者は、その次回服用が来る前(オフピリオド)にパーキンソン病様症状を経験するが、しかし副作用、主にジスキネジアを引き起こさずに服用量を増やすことができない。これらの副作用は、かなりの程度で、速やかなレボドーパ動態、およびこれによって生じる脈動的なドーパミン刺激の結果であると考えられる。ドーパミン受容体作用薬は当技術分野において利用可能であり、より多くのものが開発中であるが、しかしその効力は限定的である。そのような作用薬は、主に、治療の初期段階においてまたはレボドーパ治療の補助として役立つように思われる。レボドーパ治療の他の補助療法も使われており、より多くのものが開発中である。
【0004】
治療における最近の研究は、症状が現れる前に疾患を検出する方法や、疾患を「神経保護薬」で治療する方法の同定に向けられている。完全に効果的であるなら、これらはニューロンのさらなる喪失を阻止し、したがって疾患の進行を食い止める。しかしながら、発症前の検出は非常に困難であることが分かっている。既に症状がある患者の場合、神経保護薬による治療は、症状を治療する薬物と切り替えるものではなくそれを補完するものとなる。また、現在、神経保護薬はこれまでのところ、疾患を食い止めるのではなく、せいぜい、疾患進行を少し遅延させるにすぎない。
【0005】
それ故に、パーキンソン病患者において脳ドーパミンレベルの恒常的な上昇をもたらしうる医薬を提供することが望まれる。この概念は継続的なドーパミン刺激として知られている。それが実現すれば、治療は全身性のレボドーパまたはドーパミン作用薬よりも効果的なものとなるはずであり、そのような治療はより少ない副作用で、より長い間その有効性を維持することができよう。
【発明の開示】
【0006】
それ故に、本発明は、とりわけ、上記の問題を製薬学的に克服するおよび/または改善するパーキンソン病の治療用の医薬を提供することを模索する。
【0007】
したがって、本発明は、特に、レボドーパおよび/またはドーパミン合成の増大が達成されるよう動物において4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼを阻害するための組成物およびその使用の方法を提供する。
【0008】
本発明によれば、神経変性疾患の治療で用いる薬剤の製造における、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン(化合物2)、または製薬学的に許容されるその塩の使用が提供される。
【0009】
本発明はさらに、該疾患がパーキンソン病である上記の使用を提供する。
【0010】
2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンは1つまたは複数の互変異性型で存在することが可能であって、その1つが式(II)(すなわち、化合物2)に示されており、その型はケト・エノール互変異性により容易に互変可能であることを理解されたい。
【化1】

【0011】
本発明はそのような互変異性型のいずれかでのまたはその混合物としての2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンの使用を含むと理解されるべきである。
【0012】
2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンは酸性であり、多種多様な塩基と容易に塩を形成する。
【0013】
本発明による医薬組成物中の活性成分として用いるのに適した2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンの特に適当な塩としては、例えば、製薬学的に許容される塩基付加塩、例えば、アルカリ金属(カリウムまたはナトリウムなど)、アルカリ土類金属(カルシウムまたはマグネシウムなど)およびアンモニウムの塩、ならびに生理学的に許容されるカチオンを与える有機塩基との塩(メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジンおよびモルホリンとの塩など)が挙げられる。
【0014】
2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンは、構造的に類似の材料の生成のために既知の有機化学の従来手順によって得ることができる。
【0015】
すなわち、例えば、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンは、アセトンシアンヒドリンおよびトリエチルアミンなどの適当な塩基の存在下でのシクロヘキサン−1,3−ジオンと2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイルクロリドの反応によって都合よく得ることができる。
【0016】
出発の2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイルクロリドそれ自体は、対応する安息香酸から、例えば、Reagents for Organic Synthesis, (J Wiley and Sons, 1967; editors: Fieser L. F. and Fieser M.; Vol 1, pp. 767-769)に記述されているように塩化チオニルまたは塩化オキサリルとの反応により得ることができ、一般に特別な精製なしで使用される。
【0017】
同様に、2−ニトロ−4−トリフルオロメチル安息香酸は、例えば、HaupsteinらによってJ. Amer. Chem. Soc., 1954, 76, 1051に記述されているように、または当業者に周知の一般法の1つにより得ることができる。
【0018】
本発明はさらに、薬剤が化合物2または製薬学的に許容されるその塩および動物において4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を同様に阻害できるさらなる化合物を含む、上記の使用を提供する。
【0019】
本発明はさらに、該薬剤がドーパミン作用薬を含む、上記の使用を提供する。
【0020】
本発明はさらに、該薬剤がレボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤を含む、上記の使用を提供する。
【0021】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のドーパミン作用薬と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0022】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のレボドーパと動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0023】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のレボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0024】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0025】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のモノアミンオキシダーゼ阻害剤と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0026】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量の、動物においてHPPDを同様に阻害できるさらなる化合物と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0027】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、活性成分として、化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量の、動物においてHPPDを同様に阻害できるさらなる化合物とを含む医薬組成物が提供される。
【0028】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のドーパミン作用薬とを含む医薬組成物が提供される。
【0029】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のレボドーパとを含む医薬組成物が提供される。
【0030】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のレボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0031】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0032】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のモノアミンオキシダーゼ阻害剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0033】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のデカルボキシラーゼ阻害剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0034】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量の神経保護薬とを含む医薬組成物が提供される。
【0035】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のアデノシン(A2a)受容体拮抗薬とを含む医薬組成物が提供される。
【0036】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のイストラデフィリンとを含む医薬組成物が提供される。
【0037】
本発明はさらに、経口または非経口投与に適した形態である上記の医薬組成物を提供する。
【0038】
特定の実施形態において、該医薬組成物は、錠剤、トローチ剤、硬質カプセル、水性懸濁液、油性懸濁液、乳濁液、分散性粉剤、分散性顆粒剤、シロップおよびエリキシル剤からなる群より選択される経口投与に適した口当たりの良い形態である。
【0039】
さらなる実施形態において、該医薬組成物は経口用であり、硬質または軟質ゼラチンカプセルの形態である。
【0040】
さらなる実施形態において、該医薬組成物は非経口投与に適した形態である。
【0041】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量の化合物2または上記の組成物を動物に投与することを含む、神経変性疾患を治療するおよび/または予防する方法が提供される。
【0042】
本発明はさらに、該疾患が治療される上記の方法を提供する。
【0043】
本発明はさらに、該動物がヒトである上記の方法を提供する。
【0044】
本発明はさらに、該神経変性疾患がパーキンソン病である上記の方法を提供する。
【0045】
本発明のさらなる態様においては、神経変性疾患の治療および/または予防で用いる薬剤の製造での、動物において4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害できる化合物の使用が提供される。
【0046】
本発明のさらなる態様においては、神経変性疾患の治療および/または予防で用いる薬剤の製造での前駆体化合物の使用が提供される。特定の実施形態において、該疾患はパーキンソン病である。
【0047】
本発明に適用できるHPPD阻害剤は、式Iの化合物(式Iという用語は化合物1と置き換えることができる):
【化2】

【0048】
(式中;
TはTであり
【化3】

【0049】
式中において、
GはCもしくはNであり、ここでGがNであるならばEおよびRの一方だけが存在し;
Dは水素もしくはRであり;
Eは水素もしくはRであり;または
DおよびEは一緒に、Rによって一置換もしくは多置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり;
Aは、Rによって一置換もしくは多置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり;またはDおよびEがC〜Cアルキレン以外である場合、Aはさらにカルボニル、酸素もしくは−N−R−であってもよく;
、R、R、R、RおよびRは、他のものとはそれぞれ独立して水素、C〜Cアルキル、フェニル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ヒドロキシカルボニルもしくはC〜Cアルコキシカルボニルであり;
またはRおよびRは一緒に、酸素および/もしくはカルボニルおよび/もしくは硫黄によって中断されていてもよいC〜Cアルキレンを形成し、但し酸素および硫黄原子が少なくとも1つのメチレン基によって隔てられており;
はC〜Cアルキル、アルコキシカルボニルもしくはC〜Cアルキルカルボニルであり;
036はヒドロキシ、O(式中でMはアルカリ金属カチオンもしくはアンモニウムカチオンである)、ハロゲン、C〜C12アルキルスルホニルオキシ、アミノ、C〜Cアルキルチオ、C〜C12アルキルスルフィニル、C〜C12アルキルスルホニル、C〜C12ハロアルキルチオ、C〜C12ハロアルキルスルフィニル、C〜C12ハロアルキルスルホニル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルスルホニル、C〜C12アルケニルチオ、C〜C12アルケニルスルフィニル、C〜C12アルケニルスルホニル、C〜C12アルキニルチオ、C〜C12アルキニルスルフィニル、C〜C12アルキニルスルホニル、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルスルホニル、(C〜Cアルコキシ)P(O)O、C〜Cアルキル−(C〜Cアルコキシ)P(O)O、H(C〜Cアルコキシ)P(O)O、R037038N、R039040NNH、R041042NC(O)O−、R043044NC(O)NH−、C〜C18アルキルカルボニルオキシ、C〜C18アルケニルカルボニルオキシ、C〜C18アルキニルカルボニルオキシ、C〜Cシクロアルキルカルボニルオキシ、C〜C12アルコキシカルボニルオキシ、C〜C12アルキルチオカルボニルオキシもしくはC〜C12アルキルチオカルバモイルであり、ここでアルキル、アルケニルおよびアルキニル基はハロゲン、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニルによりもしくはシアノにより置換されていてもよく;または
036はフェノキシ、フェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルオキシ、ベンゾイルオキシもしくはベンゾイル−C〜Cアルコキシであり、ここでフェニル基がハロゲン、ニトロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシおよび/もしくはC〜Cハロアルコキシによって1回もしくは複数回置換されていてもよく;
またはR036は、基Het07−チオ、Het08−スルフィニル、Het09−スルホニル、Het010−(CO)OもしくはHet011−N(R047)であり;ここで
Het07、Het08、Het09、Het010およびHet011が他のものとはそれぞれ独立して、芳香性であっても部分的に飽和されていてもよく、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含んでいてもよい、5員〜10員の単環系もしくは縮合二環系であり、各環系は2個以下の酸素原子および2個以下の硫黄原子を含んでいてもよく、環系はそれ自体C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、ジ(C〜Cアルキル)アミノスルホニル、ジ(C〜Cアルキル)アミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロによりもしくはフェニルにより置換されていてもよく、複素環中の窒素原子での置換基はハロゲン以外であり;
037、R038、R039、R040、R041、R042、R043、R044およびR047は、他のものとはそれぞれ独立して水素もしくはC〜Cアルキルであり;または
037およびR038は一緒にもしくはR039およびR040は一緒にもしくはR041およびR042は一緒にもしくはR043およびR044は一緒に、メチル基によって一置換もしくは多置換されていてもよい、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノであり;
あるいはTはTであり
【化4】

【0050】
式中において、
34は水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニルもしくはベンジルであって、フェニル基はC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシおよび/もしくはニトロによって1回もしくは複数回置換されることが可能であり;
35は水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニルもしくはベンジルであって、フェニル基はC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシおよび/もしくはニトロによって1回もしくは複数回置換されることが可能であり;
36はヒドロキシ、O(式中でMはアルカリ金属カチオンもしくはアンモニウムカチオン、ハロゲン、C〜C12アルキルスルホニルオキシ、アミノ、C〜Cアルキルチオ、C〜C12アルキルスルフィニル、C〜C12アルキルスルホニル、C〜C12ハロアルキルチオ、C〜C12ハロアルキルスルフィニル、C〜C12ハロアルキルスルホニル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルスルホニル、C〜C12アルケニルチオ、C〜C12アルケニルスルフィニル、C〜C12アルケニルスルホニル、C〜C12アルキニルチオ、C〜C12アルキニルスルフィニル、C〜C12アルキニルスルホニル、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルスルホニル、(C〜Cアルコキシ)P(O)O、C〜Cアルキル−(C〜Cアルコキシ)P(O)O、H(C〜Cアルコキシ)P(O)O、R3738N、R3940NNH、R4142NC(O)O−、R4344NC(O)NH−、C〜C18アルキルカルボニルオキシ、C〜C18アルケニルカルボニルオキシ、C〜C18アルキニルカルボニルオキシ、C〜Cシクロアルキルカルボニルオキシ、C〜C12アルコキシカルボニルオキシ、C〜C12アルキルチオカルボニルオキシもしくはC〜C12アルキルチオカルバモイルであり、ここでアルキル、アルケニルおよびアルキニル基がハロゲン、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニルによりもしくはシアノにより置換されていてもよい)であり;または
36はフェノキシ、フェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルオキシ、ベンゾイルオキシもしくはベンゾイル−C〜Cアルコキシであって、フェニル基はハロゲン、ニトロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシおよび/もしくはC〜Cハロアルコキシによって1回もしくは複数回置換されることが可能であり;
またはR36は、基Het−チオ、Het−スルフィニル、Het−スルホニル、Het10−(CO)OもしくはHet11−N(R47)であり;ここで
Het、Het、Het、Het10およびHet11が他のものとはそれぞれ独立して、芳香性であっても部分的に飽和されていてもよく、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含んでいてもよい、5員〜10員の単環系もしくは縮合二環系であり、各環系は2個以下の酸素原子および2個以下の硫黄原子を含んでいてもよく、環系はそれ自体C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、ジ(C〜Cアルキル)アミノスルホニル、ジ(C〜Cアルキル)アミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロによりもしくはフェニルにより置換されていてもよく、複素環中の窒素原子での置換基はハロゲン以外であり;
37、R38、R39、R40、R41、R42、R43、R44およびR47は、他のものとはそれぞれ独立して水素もしくはC〜Cアルキルであり;または
37およびR38は一緒にもしくはR39およびR40は一緒にもしくはR41およびR42は一緒にもしくはR43およびR44は一緒に、メチル基によって一置換もしくは多置換されていてもよい、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノであり;
あるいはTはTであり
【化5】

【0051】
式中において、
49はC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくはハロ−置換C〜Cシクロアルキルであり;
01は化学結合、S、SOもしくはSO、または−CO−であり、
50は水素または以下の置換基:ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ、(3−オキセタニル)−オキシ、C〜Cアルキル−置換(3−オキセタニル)−オキシ、ベンジルチオ、ベンジルスルフィニル、ベンジルスルホニル、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニルスルフィニルもしくはフェニルスルホニルにより置換されていてもよいC〜Cアルキレンであって、フェニル−およびベンジル−含有基は1つもしくは複数のC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシおよび/もしくはニトロ基によって置換されることが可能であり;
またはR50はフェニルであって、フェニル−含有基は1つもしくは複数のC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシおよび/もしくはニトロ基によって置換されることが可能であり;
またはR50はC〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ−もしくはC〜Cアルキル−置換C〜Cシクロアルキル、3−オキセタニルもしくはC〜Cアルキル−置換3−オキセタニルであり;
あるいはTはTであり
【化6】

【0052】
式中において、
045はC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくはハロ−置換C〜Cシクロアルキルである)
ならびに製薬学的に許容されるその塩、異性体および光学異性体を含む。
【0053】
式Iの化合物はまた、このような化合物がアミン、アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩基または第4級アンモニウム塩基とともに形成できる塩を含む。塩形成体としてアルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物のなかでは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムの水酸化物について、しかし殊のほかナトリウムおよびカリウムの水酸化物について特に言及しておく必要がある。
【0054】
アンモニウム塩形成に適したアミンの例としては、アンモニアならびに第1級、第2級および第3級C〜C18アルキルアミン、C〜CヒドロキシアルキルアミンおよびC〜Cアルコキシアルキルアミン、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、4つのブチルアミン異性体、n−アミルアミン、イソアミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、メチルエチルアミン、メチルイソプロピルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルノニルアミン、メチルペンタデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、エチルブチルアミン、エチルヘプチルアミン、エチルオクチルアミン、ヘキシルヘプチルアミン、ヘキシルオクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−アミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、エタノールアミン、n−プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、N,N−ジエタノールアミン、N−エチルプロパノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、アリルアミン、n−ブテニル−2−アミン、n−ペンテニル−2−アミン、2,3−ジメチルブテニル−2−アミン、ジブテニル−2−アミン、n−ヘキセニル−2−アミン、プロピレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−n−アミルアミン、メトキシエチルアミンおよびエトキシエチルアミン;複素環アミン、例えば、ピリジン、キノリン、イソキノリン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、インドリン、キヌクリジンおよびアゼピン;第1級アリールアミン、例えば、アニリン、メトキシアニリン、エトキシアニリン、o−、m−およびp−トルイジン、フェニレンジアミン、ベンジジン、ナフチルアミンならびにo−、m−およびp−クロロアニリン;しかし殊のほかトリエチルアミン、イソプロピルアミンおよびジイソプロピルアミンが挙げられる。
【0055】
TがTである式Iの化合物はエノール化形態でまたは塩の形態であることが好ましいので、式Iはまた、Mが水素または金属イオンもしくはアンモニウムイオンである式Ia、Ib、IcおよびIdのエノール化形態を含む。
【化7】

【0056】
式Iの化合物はまた、例えばR、DおよびAを保有する炭素原子の場合、不斉炭素原子を含みうるので、全ての立体異性体も含まれる。
【0057】
有機置換基Qは任意の所望の構造の不活性置換基とできるが、但し式Iの化合物が動物においてHPPD阻害剤としてのその作用を保持するという条件である。これらの化合物のそのような試験は、本明細書において記述される実験方法にしたがって行うことができる。
【0058】
Qは一置換または多置換フェニル、ピリジルまたはヘテロアリール基、とりわけ2−ベンゾイル、2−イソニコチノイルおよび2−ニコチノイル誘導体であることが好ましく、それらの基の置換パターンは式Iの化合物が動物においてHPPD阻害剤としてのその作用を保持する限り自由に選択可能である。
【0059】
特定の実施形態において、該HPPD阻害剤は、式Iの化合物:
(式中、QはQであり
【化8】

【0060】
式中において、
もしくはAはメチン、C(Ra)もしくはN(O)から独立して選択され;(ここで好ましくはAもしくはAの少なくとも一方がメチンであり
pは0もしくは1であり;
Raは水素、C〜Cアルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cハロアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、C〜Cアルキルカルボニルオキシ、C〜Cアルキルスルホニルオキシ、トシルオキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cハロアルキル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、フェニルもしくはフェノキシであって、フェニルはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノによってもしくはニトロによって置換されることが可能であり;
あるいはRaは3員〜10員の単環系であるかまたは、RaもしくはRaとともに、酸素、硫黄、SO、SO、NRa、カルボニルによっておよび/もしくは=NORaによって中断されていてもよい縮合単環系もしくは二環系であり、環系が、縮合されていなければ、置換基Aの炭素原子に直接的にまたはC〜Cアルキレン、−CH=CH−、−CC−、−CHO−、−CHN(C〜Cアルキル)−、−CHS−、−CHSO−もしくは−CHSO−基によって結合されており、環系は2個以下の酸素原子および2個以下の硫黄原子を含んでいてもよく、環系はそれ自体C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルケニルチオ、C〜Cハロアルケニルチオ、C〜Cアルキニルチオ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルカルボニル−C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルチオ、シアノ−C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、アミノスルホニル、C〜Cアルキルアミノスルホニル、ジ(C〜Cアルキル)アミノスルホニル、ジ(C〜Cアルキル)アミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニルによりおよび/もしくはベンジルチオにより一置換、二置換もしくは三置換されていてもよく、フェニルおよびベンジルチオが、フェニル環上でC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノによりもしくはニトロにより置換されることが可能であり、複素環中の窒素原子での置換基はハロゲン以外であり;
あるいはRaは基−X−Xまたは基−X−X−Xであり;ここで
は、ハロゲンによりおよび/もしくはXにより一置換もしくは多置換されていてもよいC〜Cアルキレン、C〜CアルケニレンもしくはC〜Cアルキニレン鎖であって、鎖の不飽和結合が置換基Xに直接的に結合されておらず;
はヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルオキシ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ−C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルオキシであり;
は酸素、−O(CO)−、−(CO)O−、−O(CO)O−、−N(C〜Cアルキル)−O−、−O−N(C〜Cアルキル)−、チオ、スルフィニル、スルホニル、−SON(C〜Cアルキル)−、−N(C〜Cアルコキシ)SO−、−N(C〜Cアルキル)SO−、−N(C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル)SO−もしくは−N(C〜Cアルキル)−であり;
Raは水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルチオ−C〜Cカルボニル、C〜Cアルキルスルフィニル−C〜Cカルボニル、C〜Cアルキルスルホニル−C〜Cカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、フェニルカルボニルもしくはフェニルであって、フェニル基がC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルキル−S−、C〜Cアルキル−SO−、C〜Cアルキル−SO、C〜Cアルキル−S(O)O、C〜Cハロアルキル−S−、C〜Cハロアルキル−SO、C〜Cハロアルキル−SO、C〜Cハロアルキル−S(O)O、C〜Cアルキル−S(O)NH、C〜Cアルキル−S(O)N(C〜Cアルキル)、ハロゲン、ニトロによりもしくはシアノにより置換されることが可能であり;
RaはC〜Cアルキルであり;
Raは水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルコキシカルボニルによりもしくはフェニルにより置換されているビニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、トリメチルシリル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニルによりもしくはフェニルにより置換されているエチニル、C〜Cアレニル、C〜Cシクロアルキル、ハロ−置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cハロアルケニルオキシ、シアノ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルフィニル−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルスルホニル、ベンジル−S−、ベンジル−SO−、ベンジル−SO−、C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルキルアミノスルホニル、ジ(C〜Cアルキルアミノ)スルホニル、ベンジルオキシ、ベンジル、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニルスルフィニルもしくはフェニルスルホニルであって、フェニル−含有基がC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノによりもしくはニトロにより置換されることが可能であり;あるいはRaはOS−C〜Cアルキル、OSO−C〜Cアルキル、OSO−C〜Cアルキル、OS−C〜Cハロアルキル、OSO−C〜Cハロアルキル、OSO−C〜Cハロアルキル、N(C〜Cアルキル)−S−C〜Cアルキル、N(C〜Cアルキル)−SO−C〜Cアルキル、N(C〜Cアルキル)−SO−C〜Cアルキル、シアノ、カルバモイル、C〜Cアルコキシカルボニル、ホルミル、ハロゲン、チオシアノ、アミノ、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−S−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−SO−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−SO−C〜Cアルキル、シアノ−C〜Cアルキル、C〜Cアルキルカルボニルオキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシカルボニルオキシ−C〜Cアルキル、C〜Cチオシアノ−C〜Cアルキル、ベンゾイルオキシ−C〜Cアルキル、C〜Cオキシラニル、C〜Cアルキルアミノ−C〜Cアルキル、ジ(C〜Cアルキル)アミノ−C〜Cアルキル、C〜C12アルキルチオカルボニル−C〜Cアルキルもしくはホルミル−C〜Cアルキルであり、あるいは
Raは、芳香性であっても部分的に飽和されていてもよく、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含んでいてもよい、5員〜10員の単環系もしくは縮合二環系であり、環系がC〜Cアルキレン、−CH=CH−、−CC−、−CHO−、−CHN(C〜Cアルキル)−、−CHSO−もしくは−CHSO−基によってピリジン環に結合されており、各環系は2個以下の酸素原子および2個以下の硫黄原子を含んでいてもよく、環系はそれ自体C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、メルカプト、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルケニルチオ、C〜Cハロアルケニルチオ、C〜Cアルキニルチオ、C〜Cアルコキシアルキルチオ、C〜Cアセチルアルキルチオ、C〜Cアルコキシカルボニルアルキルチオ、C〜Cシアノアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、アミノスルホニル、C〜Cアルキルアミノスルホニル、ジ(C〜Cアルキル)アミノスルホニル、ジ(C〜Cアルキル)アミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニルによりおよび/もしくはベンジルチオにより一置換、二置換もしくは三置換されていてもよく、フェニルおよびベンジルチオがフェニル環上でC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノによりもしくはニトロにより置換されることが可能であり、複素環中の窒素原子での置換基はハロゲン以外であり;
あるいはRaは基−X−Xまたは基−X−X−Xであり;ここで
は、ハロゲンによりもしくはXにより一置換もしくは多置換されていてもよいC〜Cアルキレン、C〜CアルケニレンもしくはC〜Cアルキニレン鎖であって、鎖の不飽和結合が置換基Xに直接的に結合されておらず;
はヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルオキシ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ−C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルオキシであり;
は酸素、−O(CO)−、−(CO)O−、−O(CO)O−、−N(C〜Cアルキル)−O−、−O−N(C〜Cアルキル)−、チオ、スルフィニル、スルホニル、−SON(C〜Cアルキル)−、−N(C〜Cアルキル)SO−、−N(C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル)SO−もしくは−N(C〜Cアルキル)−であり;
およびXは他のものとはそれぞれ独立して、以下の置換基:ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ホルミル、ニトロ、シアノ、メルカプト、カルバモイル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cシクロアルキル、ハロ−置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cハロアルケニルオキシ、シアノ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルフィニル−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、オキシラニル(これはC〜Cアルキルによって置換されていてもよい)、(3−オキセタニル)−オキシ(これはC〜Cアルキルによって置換されていてもよい)、ベンジルチオ、ベンジルスルフィニル、ベンジルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、ジ(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cアルキル−S(O)O、C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)SO−、チオシアノ、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニルスルフィニルおよび/もしくはフェニルスルホニルによって一置換もしくは多置換されているC〜Cアルキル、C〜CアルケニルもしくはC〜Cアルキニル基であって、フェニル−もしくはベンジル−含有基が1つもしくは複数のC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシおよび/もしくはニトロ基により置換されることが可能であり、または
およびXは他のものとはそれぞれ独立して、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシおよび/もしくはニトロによって1回もしくは複数回置換されていてもよいフェニルであり;または
およびXは他のものとはそれぞれ独立して、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ−もしくはC〜Cアルキル−置換C〜Cシクロアルキル、3−オキセタニルもしくはC〜Cアルキル−置換3−オキセタニルであり;
またはXおよびXは他のものとはそれぞれ独立して、芳香性であっても飽和されても部分的に飽和されていてもよく、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含んでいてもよい、5員〜10員の単環系もしくは縮合二環系であり、環系が置換基XもしくはXに直接的にもしくはC〜Cアルキレン、C〜Cアルケニル−C〜Cアルキレン、C〜Cアルキニル−C〜Cアルキレン、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキレン、−SO−C〜Cアルキレンもしくは−SO−C〜Cアルキレン基によって結合されており、各環系は2個以下の酸素原子および2個以下の硫黄原子を含んでいてもよく、環系はそれ自体C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、メルカプト、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルケニルチオ、C〜Cハロアルケニルチオ、C〜Cアルキニルチオ、C〜Cアルコキシアルキルチオ、C〜Cアセチルアルキルチオ、C〜Cアルコキシカルボニルアルキルチオ、C〜Cシアノアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、アミノスルホニル、C〜Cアルキルアミノスルホニル、ジ(C〜Cアルキル)−アミノスルホニル、ジ(C〜Cアルキル)アミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニルによりおよび/もしくはベンジルチオにより一置換、二置換もしくは三置換されていてもよく、フェニルおよびベンジルチオがフェニル環上でC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノによりもしくはニトロにより置換されることが可能であり、複素環中の窒素原子での置換基はハロゲン以外であり;
Raは水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルキルアミノスルホニル、ジ−C〜Cアルキルアミノスルホニル、フェニル、フェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニルもしくはフェノキシであって、フェニルがC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノによりもしくはニトロにより置換されることが可能であり、あるいは
Raは−N(C〜Cアルキル)−S−C〜Cアルキル、−N(C〜Cアルキル)−SO−C〜Cアルキル、−N(C〜Cアルキル)−SO−C〜Cアルキル、シアノ、ハロゲン、アミノ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−S−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−SO−C〜CアルキルもしくはC〜Cアルキル−SO−C〜Cアルキルであり;
Raは水素、C〜Cアルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cハロアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、C〜Cアルキルカルボニルオキシ、C〜Cアルキルスルホニルオキシ、トシルオキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cハロアルキル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、フェニルもしくはフェノキシであって、フェニルがC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノによりまたはニトロにより置換されることが可能であり;
あるいはRaは5員〜10員の単環系であるかまたは、Raとともに、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含んでいてもよい縮合二環系であり、環系が、縮合されていなければ、置換基Aを含有する環に直接的にまたはC〜Cアルキレン、−CH=CH−、−CC−、−CHO−、−CHN(C〜Cアルキル)−、−CHS−、−CHSO−もしくは−CHSO−基によって結合されており、環系は2個以下の酸素原子および2個以下の硫黄原子を含んでいてもよく、環系はそれ自体C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルケニルチオ、C〜Cハロアルケニルチオ、C〜Cアルキニルチオ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルカルボニル−C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルチオ、シアノ−C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、アミノスルホニル、C〜Cアルキルアミノスルホニル、ジ(C〜Cアルキル)アミノスルホニル、ジ(C〜Cアルキル)アミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニルによりおよび/もしくはベンジルチオにより一置換、二置換もしくは三置換されていてもよく、フェニルおよびベンジルチオがフェニル環上でC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノによりもしくはニトロにより置換されることが可能であり、複素環中の窒素原子での置換基はハロゲン以外であり;
Raは水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルキルアミノスルホニル、ジ−C〜Cアルキルアミノスルホニル、フェニル、フェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニルもしくはフェノキシであって、フェニルがC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノによりもしくはニトロにより置換されることが可能であり、あるいは
Raは−N(C〜Cアルキル)−S−C〜Cアルキル、−N(C〜Cアルキル)−SO−C〜Cアルキル、−N(C〜Cアルキル)−SO−C〜Cアルキル、シアノ、ハロゲン、アミノ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−S−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−SO−C〜CアルキルもしくはC〜Cアルキル−SO−C〜Cアルキルである)、
ならびにそれらの化合物の製薬学的に許容される塩/N−オキシド/異性体/光学異性体である。
【0061】
上記の置換基の定義に現れるアルキル基は直鎖または分枝であってもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルまたはtert−ブチルである。アルコキシ、アルケニルおよびアルキニル基は、記載のアルキル基から派生するものである。アルケニルおよびアルキニル基は、一価または多価不飽和であってもよい。アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブトキシである。アルコキシカルボニルは、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニルまたはtert−ブトキシカルボニル、好ましくはメトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルである。
【0062】
ハロゲンは一般にフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。同じことは、ハロアルキルまたはハロフェニルなどの、その他の意味と連結したハロゲンについても同様である。
【0063】
1〜6個の炭素原子の鎖長を有するハロアルキル基は、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−フルオロプロプ−2−イル、ペンタフルオロエチル、1,1−ジフルオロ−2,2,2−トリクロロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロエチルおよび2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロ−n−プロピルおよびペルフルオロn−ヘキシルである。
【0064】
アルケニルおよびアルキニル基は、1つまたは複数の二重または三重結合を有するアルキル、アルケニルおよびアルキニル鎖も含まれるように、一価または多価不飽和であってもよい。アルケニルは、例えば、ビニル、アリル、イソブテン−3−イル、CH=CH−CH−CH=CH−、CH=CH−CH−CH−CH=CH−またはCH−CH=CH−CH−CH=CH−である。好ましいアルキニルは、例えば、プロパルギルであり、好ましいアレニルはCH=C=CH−である。
【0065】
アルキレン鎖は1つまたは複数のC〜Cアルキル基によって、とりわけメチル基によって置換されていてもよい。そのようなアルキレン鎖およびアルキレン基は、非置換であることが好ましい。同じことは、例えば、RaおよびRa基の酸素−および硫黄−含有複素環系の一部として生ずるC〜Cシクロアルキル、C〜Cオキサシクロアルキル、C〜Cチアシクロアルキル、C〜Cジオキサシクロアルキル、C〜CジチアシクロアルキルまたはC〜Cオキサチアシクロアルキルを含有する全ての基にも当てはまる。
【0066】
酸素、−N(C〜Cアルキル)−、硫黄、スルフィニルおよび/またはスルホニルによって中断されていてもよいC〜Cアルキレン、C〜CアルケニレンまたはC〜Cアルキニレン架橋、あるいはXまたはX中、ハロゲンによっておよび/またはXもしくはXによって一置換または多置換されていてもよいC〜Cアルキレン、C〜CアルケニレンまたはC〜Cアルキニレン鎖の意味において、鎖の不飽和結合が置換基XまたはXに直接的に結合されていないものは、例えば、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)−、−CHCH(CH)−、−CHCH(CH)CH−、−CHCH(Cl)CH−、−CHCH(OCH)CH−、−CHO−、−OCH−、−CHOCH−、−OCHCH−、−OCHCHCH−、−CHOCHCH−、−CHOCH(CH)CH−、−SCH−、−SCHCH−、−SCHCHCH−、−CHS−、−CHSCH−、−CHS(O)CH−、−CHSOCH−、−CHSCHCH−、−CHS(O)CHCH−、−CHSOCHCH−、−CHSONH−、−CHN(CH)SOCHCH−、−N(SOMe)CHCH−、−CHC(O)NH−または−CHNHC(O)CH−であると理解されるべきである。酸素によって中断されても中断されなくてもよいC〜Cアルケニレン鎖はしたがって、例えば、−CH=CH−CH−、−CH=CH−CHCH−または−CH=CHCHOCH−であると理解されるべきであり、酸素によって中断されても中断されなくてもよいC〜Cアルキニレン鎖は、例えば、−CC−、−CCCH−、−CCCHO−、−CCCHOCH−または−OCCCH−であると理解されるべきである。
【0067】
酸素、硫黄、S(O)、SO、N(Ra)、カルボニルおよびC(=NORa)から選択されるものにより1回または最大3回まで中断されていてもよく、置換基Aの炭素原子にまたは基QもしくはQに直接的にまたは酸素、−N(C〜Cアルキル)−、硫黄、スルフィニルおよび/もしくはスルホニルによって中断されていてもよいC〜Cアルキレン、C〜CアルケニレンもしくはC〜Cアルキニレン架橋によって結合されている、3員〜10員の単環系または二環系RaまたはRaは、例えば、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、1−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、1−プロピル−1H−ピラゾール−3−イル、1H−ピラゾール−3−イル、1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、1H−ピラゾ−ル−1−イル、3−メチル−1H−ピラゾール−1−イル、3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル、3−イソオキサゾリル、5−メチル−3−イソオキサゾリル、3−メチル−5−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、1H−ピロール−2−イル、1−メチル−1H−ピロール−2−イル、1H−ピロール−1−イル、1−メチル−1H−ピロール−3−イル、2−フラニル、5−メチル−2−フラニル、3−フラニル、5−メチル−2−チエニル、2−チエニル、3−チエニル、1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル、1H−イミダゾール−2−イル、1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル、1−メチル−1H−イミダゾ−ル−5−イル、4−メチル−2−オキサゾリル、5−メチル−2−オキサゾリル、2−オキサゾリル、2−メチル−5−オキサゾリル、2−メチル−4−オキサゾリル、4−メチル−2−チアゾリル、5−メチル−2−チアゾリル、2−チアゾリル、2−メチル−5−チアゾリル、2−メチル−4−チアゾリル、3−メチル−4−イソチアゾリル、3−メチル−5−イソチアゾリル、5−メチル−3−イソチアゾリル、1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、4−メチル−2H−1,2,3−トリアゾ−ル−2−イル、1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,5−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、3−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル、5−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル、4,5−ジメチル4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル、5−メチル−1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、4−メチル−3−フラザニル、3−フラザニル、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−2−イル、5−メチル−1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル、5−メチル−1,2,4−チアジアゾール−3−イル、4−メチル−1,2,5−チアジアゾール−3−イル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル、1H−テトラゾール−5−イル、5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル、2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル、2−エチル−2H−テトラゾール−5−イル、5−メチル−2H−テトラゾール−2−イル、2H−テトラゾール−2−イル、2−ピリジニル、6−メチル−2−ピリジニル、4−ピリジニル、3−ピリジニル、6−メチル−3−ピリダジニル、5−メチル−3−ピリダジニル、3−ピリダジニル、4,6−ジメチル−2−ピリミジニル、4−メチル−2−ピリミジニル、2−ピリミジニル、2−メチル−4−ピリミジニル、2−クロロ−4−ピリミジニル、2,6−ジメチル−4−ピリミジニル、4−ピリミジニル、2−メチル−5−ピリミジニル、6−メチル−2−ピラジニル、2−ピラジニル、4,6−ジメチル−1,3,5−トリアジン−2−イル、4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン−2−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、4−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル、3−メチル−1,2,4−トリアジン−5−イル、3−メチル−1,2,4−トリアジン−6−イル、
【化9】

【0068】
(式中において各R26はメチルであり、各R27は独立して水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオまたはトリフルオロメチルであり、Xは酸素または硫黄である)であると理解されるべきである。
【0069】
例えば、2つの隣接する置換基RaおよびRaまたはRaおよびRaによって形成されており、酸素、硫黄、S(O)、SO、−N(Ra)−、カルボニルおよびC(=NORa)から選択されるものにより1回または最大3回まで中断されておりまたは中断されておらず、1つまたは複数の置換基によってさらに置換されていてもよいさらなる縮合単環系または二環系は、例えば、下記式
【化10】

【0070】
(式中において特にR46は水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cアルキルチオであり;R47は水素、ハロゲン、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;ならびにR50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58およびR59は水素またはC〜Cアルキルであり;ならびにX10は酸素またはNOR59である)の縮合されている、二座の環系であると理解されるべきである。
【0071】
式IのいくつかのHPPD阻害剤が当技術分野のなかで報告されている。
【0072】
本発明の特定の実施形態において、HPPD阻害剤は式Iの化合物を含み、式中において:
TはTであり;
およびRは水素であり;
AはC〜Cアルキレンであり;
DおよびEは一緒にC〜Cアルキレンであり;
QはQであり、ここで
はメチン、CRaまたは=N−(O)であるが、好ましくは=N−(O)であり;
pは0であり;
Raは水素、C〜Cアルキル、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cハロアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、C〜Cアルキルカルボニルオキシ、C〜Cアルキルスルホニルオキシ、トシルオキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cハロアルキル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、フェニルまたはフェノキシであって、フェニルがC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノによりまたはニトロにより置換されることが可能であり;
Raは水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cアルコキシカルボニルによりもしくはフェニルにより置換されているビニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキニル、トリメチルシリルにより、ヒドロキシにより、C〜Cアルコキシにより、C〜Cアルコキシカルボニルによりもしくはフェニルにより置換されているエチニル、C〜Cアレニル、C〜Cシクロアルキル、ハロ−置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニルオキシ、C〜Cアルキニルオキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cハロアルケニルオキシ、シアノ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルフィニル−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキルスルホニル、ベンジル−S−、ベンジル−SO−、ベンジル−SO−、C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、C〜Cアルキルアミノスルホニル、ジ(C〜Cアルキルアミノ)スルホニル、ベンジルオキシ、ベンジル、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニルスルフィニルもしくはフェニルスルホニルであって、フェニル−含有基がC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲン、シアノによりもしくはニトロにより置換されることが可能であり;またはRaはOS−C〜Cアルキル、OSO−C〜Cアルキル、OSO−C〜Cアルキル、OS−C〜Cハロアルキル、OSO−C〜Cハロアルキル、OSO−C〜Cハロアルキル、N(C〜Cアルキル)−S−C〜Cアルキル、N(C〜Cアルキル)−SO−C〜Cアルキル、N(C〜Cアルキル)−SO−C〜Cアルキル、シアノ、カルバモイル、C〜Cアルコキシカルボニル、ホルミル、ハロゲン、チオシアノ(rhodano)、アミノ、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−S−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−SO−C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−SO−C〜Cアルキル、シアノ−C〜Cアルキル、C〜Cアルキルカルボニルオキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシカルボニルオキシ−C〜Cアルキル、C〜Cチオシアノ−C〜Cアルキル、ベンゾイルオキシ−C〜Cアルキル、C〜Cオキシラニル、C〜Cアルキルアミノ−C〜Cアルキル、ジ(C〜Cアルキル)アミノ−C〜Cアルキル、C〜C12アルキルチオカルボニル−C〜Cアルキルもしくはホルミル−C〜Cアルキルであり、またはRaは基−X−Xまたは基−X−X−Xであり;ここでX、XおよびXは上記に定義されるとおりであり;
RaおよびRaは水素であり、Raは上記に定義されるとおりである。
【0073】
本発明のさらなる実施形態において、HPPD阻害剤は式Iの化合物を含み、式中において:
TはTであり;
およびRは水素であり、Aはメチレンであり、DおよびEは一緒にエチレンであり、Aは=N−(O)であり;
ここでpは0であり;
QはQであり、RaおよびRaは水素であり、RaはC〜Cハロアルキル、とりわけトリフルオロメチルであり、RaはC〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、とりわけメトキシエトキシメチルである。
【0074】
HPPD阻害化合物は当技術分野において周知であり、試験化合物のHPPD阻害能を確認するのに利用できる多数の試験が存在する。例えば、本出願の実施例に記述されているインビトロスクリーニングアッセイを使うことができ、または国際公開公報第02/46387号の実施例11に記述されている方法(ここでは公知のHPPD酵素が選択されており、試験阻害化合物が適用されている)のような、別のインビトロスクリーニング法を利用することができる。
【0075】
本発明のさらなる実施形態において、HPPD阻害剤または前駆体は、下記表Aに描かれている構造を有する化合物である。
【表1】





【0076】
本明細書において記述される化合物に加えて、HPPD阻害化合物の前駆体である化合物を使用することも可能である。
【0077】
「前駆体」とは、それ自体がHPPD阻害剤ではないものの、代謝されて、本発明によって用いられるHPPD阻害剤をもたらす化合物である。例えば、上記表Aに化合物番号3.01として描かれている化合物は、化合物番号3.15として描かれている化合物の前駆体である。
【0078】
したがって、本明細書を通して、「HPPD阻害剤」は、動物においてHPPDを阻害可能な化合物および動物において代謝されてHPPD阻害化合物をもたらしうるその任意の前駆体化合物を含む。
【0079】
HPPDの阻害に加えてまたはHPPDの阻害の代替手段として、チロシン異化経路における別の段階を阻害できることも理解されたい。例えば、チロシンアミノトランスフェラーゼなどの、該経路においてHPPDの「上流」にある酵素/化合物の阻害剤を使用することができ、および/または同じようにホモゲンチシン酸オキシダーゼなどの、該経路におけるHPPDの「下流」の酵素/化合物の阻害剤を使用することもできる。
【0080】
本発明はさらに、該疾患が治療される上記の使用を提供する。特定の実施形態において、該治療は該疾患の進行の遅延を含む。さらなる実施形態において、該治療は該疾患の症状を改善する。
【0081】
本発明はさらに、該疾患が予防される上記の使用を提供する。
【0082】
本発明はさらに、該動物がヒトである上記の使用を提供する。
【0083】
本発明はさらに、該動物または該ヒトが神経変性疾患に苦しんでいる上記の使用を提供する。
【0084】
本発明はさらに、該疾患がパーキンソン病である上記の使用を提供する。
【0085】
本明細書を通して「パーキンソン病」という用語は、特発性パーキンソン病;若年性パーキンソン病;脳炎後のパーキンソン病;薬剤によるパーキンソン病;毒によるパーキンソン病;外傷後のパーキンソン病;ドーパ反応性ジストニア;マシャド・ジョセフ病(脊髄小脳失調症3型とも呼ばれる);多系統萎縮症(これにはオリーブ橋小脳萎縮症、線条体黒質系の疾患およびシャイ・ドレーガー症候群が含まれる);進行性核内性麻痺(progressive subnuclear palsy);および血管性パーキンソニズムを含む。本発明の特定の実施形態において、「パーキンソン病」という用語は、特発性パーキンソン病を意味する。
【0086】
本発明のさらなる態様においては、神経変性疾患の治療で用いる薬剤の製造における、式1の化合物または製薬学的に許容されるその塩の使用が提供される。本発明の特定の実施形態において、該神経変性疾患はパーキンソン病である。
【0087】
本発明のさらなる態様においては、神経変性疾患の治療で用いる薬剤の製造における、2、3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21え、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物のいずれか1つまたは製薬学的に許容されるその塩の使用が提供される。特定の実施形態において、該化合物は2、3.01、3.11、3.12、3.15、3.18、3.20、3.23および3.24として描かれている化合物のいずれか1つである。本発明の特定の実施形態において、該神経変性疾患はパーキンソン病である。
【0088】
本発明のさらなる態様においては、神経変性疾患の治療で用いる薬剤の製造における、2、3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物のいずれか1つの前駆体の使用が提供される。本発明の特定の実施形態において、該神経変性疾患はパーキンソン病である。
【0089】
本発明はさらに、該薬剤が抗炎症剤と一緒に投与される上記の使用を提供する。
【0090】
本発明はさらに、該薬剤が抗炎症剤を含む上記の使用を提供する。
【0091】
本発明はさらに、該薬剤が第1のHPPD阻害剤およびさらなるHPPD阻害剤を含み、かつ該第1の阻害剤が該さらなる阻害剤とは異なる上記の使用を提供する。特定の実施形態において、該第1のおよびさらなるHPPD阻害剤は、上記の阻害剤から選択される。さらなる実施形態において、該第1の阻害剤は2、3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物のいずれか1つまたは製薬学的に許容されるその塩である。さらなる実施形態において、該第1の阻害剤は2、3.01、3.11、3.12、3.15、3.18、3.20、3.23および3.24として描かれている化合物のいずれか1つまたは製薬学的に許容されるその塩である。
【0092】
さらなる実施形態において、該第1のおよび/または第2の化合物は前駆体化合物を含む。
【0093】
本発明はさらに、該薬剤がドーパミン作用薬を含む上記の使用を提供する。特定の実施形態において、該作用薬は、プラミペキソール、カベルゴリン、ペルゴリドおよびロピニロールからなる群より選択される化合物を含む。特定の実施形態において、該作用薬は、該HPPD阻害剤を含む薬剤とは別に投与することができる。
【0094】
本発明はさらに、該薬剤がレボドーパを含む上記の使用を提供する。特定の実施形態において、該レボドーパは、該HPPD阻害剤を含む薬剤とは別に投与することができる。
【0095】
本発明はさらに、該薬剤がレボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤を含む上記の使用を提供する。特定の実施形態において、該レボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤の組合せは、カルビドパおよびレボドーパを含む。さらなる実施形態において、該レボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤の組合せは、レボドーパおよびベンセラジドを含む。特定の実施形態において、該レボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤は、該HPPD阻害剤を含む薬剤とは別に投与することができる。
【0096】
本発明はさらに、該薬剤がエンタカポンを含む上記の使用を提供する。特定の実施形態において、該薬剤はカルビドパ、レボドーパおよびエンタカポンを含む。特定の実施形態において、該エンタカポンまたは該カルビドパ、レボドーパおよびエンタカポンは、該HPPD阻害剤を含む薬剤とは別に投与することができる。
【0097】
本発明はさらに、該薬剤がカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤を含む上記の使用を提供する。特定の実施形態において、該COMT阻害剤はトルカポンを含む。特定の実施形態において、該COMT阻害剤は、該HPPD阻害剤を含む薬剤とは別に投与することができる。
【0098】
本発明はさらに、該薬剤がモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤を含む上記の使用を提供する。特定の実施形態において、該MAO阻害剤は、該HPPD阻害剤を含む薬剤とは別に投与することができる。
【0099】
本発明はさらに、該薬剤が抗ジスキネジア剤を含む上記の使用を提供する。特定の実施形態において、該抗ジスキネジア剤は、該HPPD阻害剤を含む薬剤とは別に投与することができる。
【0100】
本発明はさらに、該薬剤がデカルボキシラーゼ阻害剤を含む上記の使用を提供する。
【0101】
本発明はさらに、該薬剤が神経保護薬を含む上記の使用を提供する。
【0102】
本発明はさらに、該薬剤がアデノシン(A2a)受容体拮抗薬を含む上記の使用を提供する。特定の実施形態において、該拮抗薬はイストラデフィリンを含む。
【0103】
本発明はさらに、該薬剤がHPPD阻害剤(またはその前駆体)と以下:(a)ドーパミン作用薬;(b)レボドーパ;(c)レボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤;(d)レボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤およびエンタカポン;(e)カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤;(f)モノアミンオキシダーゼ阻害剤;(g)抗ジスキネジア剤;(h)抗炎症剤;(i)さらなるHPPD阻害剤(またはその前駆体);(j)デカルボキシラーゼ阻害剤;(k)神経保護薬;(l)アデノシン(A2a)受容体拮抗薬;(m)イストラデフィリンの少なくとも1つとを含む上記の使用を提供する。
【0104】
本発明のさらなる態様においては、医薬品として用いるための、3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物または製薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0105】
さらなる実施形態おいては、医薬品として用いるための、3.01、3.11、3.12、3.15、3.18、3.20、3.23および3.24として描かれている化合物の前駆体の使用が提供される。
【0106】
本発明のさらなる態様においては、動物における4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼの触媒活性の阻害剤として用いるための、3.01〜3.26として描かれている、すべてを含めた化合物または製薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0107】
本発明のさらなる態様においては、動物における4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼの触媒活性の阻害剤として用いるための、3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物または製薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0108】
本発明の特定の実施形態おいては、ヒトにおける4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼの触媒活性の阻害剤として用いるための、3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物または製薬学的に許容されるその塩が提供される。本発明のさらなる態様においては、パーキンソン病に苦しむ患者における4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼの触媒活性の阻害剤として用いるための、3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物または製薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0109】
本発明のさらなる態様においては、薬剤として用いるための、3.01〜3.26として描かれている、すべてを含めた化合物または製薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0110】
特定の実施形態おいては、薬剤として用いるための、3.01、3.02、3.03、3.04、3.05、3.06、3.07、3.08、3.09、3.10、3.11、3.12、3.13、3.14、3.15、3.16、3.17、3.18、3.19、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25、3.26として描かれている化合物または製薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0111】
本発明の特定の実施形態おいては、薬剤として用いるための、3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物または製薬学的に許容されるその塩が提供される。
【0112】
さらなる実施形態おいては、薬剤として用いるための、3.01〜3.26のすべてを含めた化合物の前駆体の使用が提供される。
【0113】
さらなる実施形態おいては、薬剤として用いるための、3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物の前駆体の使用が提供される。
【0114】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量の、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン以外のHPPD阻害剤と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0115】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と抗炎症剤と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0116】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量の第1のHPPD阻害剤とさらなるHPPD阻害剤とを含み、かつ該第1の阻害剤が該さらなる阻害剤とは異なるキットが提供される。特定の実施形態おいては、該第1のおよびさらなるHPPD阻害剤は、上記の阻害剤から選択される。さらなる実施形態おいて、該第1の阻害剤は2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン(化合物2)を含む。さらなる実施形態において、該第1の阻害剤は、上記の3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれているものを含む。
【0117】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のドーパミン作用薬と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0118】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のレボドーパと動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0119】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のレボドーパとデカルボキシラーゼ阻害剤と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0120】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のレボドーパとデカルボキシラーゼ阻害剤とエンタカポンと動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0121】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0122】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のモノアミンオキシダーゼ阻害剤と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0123】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量の抗ジスキネジア剤と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0124】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のデカルボキシラーゼ阻害剤と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0125】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量の神経保護薬と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0126】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のアデノシン(A2a)受容体拮抗薬と動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0127】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のイストラデフィリンと動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0128】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量の以下:(a)ドーパミン作用薬;(b)レボドーパ;(c)レボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤;(d)レボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤およびエンタカポン;(e)カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤;(f)モノアミンオキシダーゼ阻害剤;(g)抗ジスキネジア剤;(h)抗炎症剤;(i)さらなるHPPD阻害剤(またはその前駆体);(j)デカルボキシラーゼ阻害剤;(k)神経保護薬;(l)アデノシン(A2a)受容体拮抗薬;(m)イストラデフィリンの少なくとも1つと、動物へのその送達手段とを含むキットが提供される。
【0129】
特定の実施形態おいては、該動物がヒトである上記のキットが提供される。上記のように、該HPPD阻害剤は前駆体化合物を含むことができる。
【0130】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、活性成分として、化合物3.01〜3.26として描かれている、すべてを含めた化合物のいずれか1つまたは製薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物が提供される。
【0131】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、活性成分として、化合物3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物のいずれか1つまたは製薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物が提供される。特定の実施形態において、該医薬組成物は製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、活性成分として、化合物3.01、3.11、3.12、3.15、3.18、3.20、3.23および3.24として描かれている化合物のいずれか1つまたは製薬学的に許容されるその塩を含む。
【0132】
本発明のさらなる態様において、該組成物は前駆体化合物を含む。
【0133】
本発明の特定の実施形態において、該医薬組成物は経口または非経口投与に適した形態である。本発明のさらなる実施形態において、該組成物は、錠剤、トローチ剤、硬質カプセル、水性懸濁液、油性懸濁液、乳濁液、分散性粉剤、分散性顆粒剤、シロップおよびエリキシル剤からなる群より選択される経口投与に適した口当たりの良い形態である。
【0134】
本発明のさらなる実施形態において、該組成物は経口用であり、硬質または軟質ゼラチンカプセルの形態である。
【0135】
本発明のさらなる実施形態において、該組成物は非経口投与に適した形態である。
【0136】
本発明のさらなる実施形態においては、化合物3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物とは異なるさらなるHPPD阻害剤と組み合わせて上記の組成物を含む医薬が提供される。
【0137】
本発明のさらなる実施形態おいては、化合物3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物から選択されるさらなるHPPD阻害剤と組み合わせて上記の組成物を含む医薬が提供される。
【0138】
本発明のさらなる実施形態おいては、化合物2およびさらなるHPPD阻害剤を含む医薬が提供される。さらなる実施形態において、該さらなる阻害剤は、化合物3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物である。
【0139】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のドーパミン作用薬とを含む医薬組成物が提供される。
【0140】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のレボドーパとを含む医薬組成物が提供される。
【0141】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のレボドーパとデカルボキシラーゼ阻害剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0142】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0143】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のモノアミンオキシダーゼ阻害剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0144】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の第1のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のさらなるHPPD阻害剤とを含む医薬組成物であって、該第1の阻害剤が該さらなる阻害剤とは異なる医薬組成物が提供される。
【0145】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のデカルボキシラーゼ阻害剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0146】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量の神経保護薬とを含む医薬組成物が提供される。
【0147】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のアデノシン(A2a)受容体拮抗薬とを含む医薬組成物が提供される。
【0148】
本発明のさらなる態様においては、場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のイストラデフィリンとを含む医薬組成物が提供される。
【0149】
本発明の特定の実施形態おいては、該HPPD阻害剤が場合により製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、活性成分として、化合物3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物のいずれか1つまたは製薬学的に許容されるその塩を含んだ医薬組成物を含む、上記の医薬組成物が提供される。
【0150】
本発明で用いられるそのようなHPPD阻害剤の組成物は、医薬の技術分野において周知の様々な従来の形態であってもよく、これらはヒトおよびその他の温血動物への投与を対象とした医薬目的に特に適している。
【0151】
したがって、それらは経口用に適した口当たりの良い形態(例えば、錠剤、トローチ剤、硬質もしくは軟質カプセル、水性もしくは油性懸濁液、乳濁液、分散性粉剤もしくは顆粒剤、シロップまたはエリキシル剤として)、または非経口投与に適した形態(例えば、静脈内、皮下、筋肉内または血管内投与用の無菌の水性または油性溶液として)であってもよい。
【0152】
本発明の組成物は当技術分野において周知の、従来の医薬品賦形剤を用いた従来の手順によって得ることができる。
【0153】
したがって、経口用の組成物は、例えば、少なくとも1つまたは複数の着色剤、甘味剤、香料添加剤および/または防腐剤を通常含有しており、活性成分が不活性な固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されている硬質ゼラチンカプセルの形態であってもよい。経口用の組成物はまた、活性成分が水または油、例えばラッカセイ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合されている軟質ゼラチンカプセルの形態であってもよい。
【0154】
錠剤製剤で用いるのに適した製薬学的に許容される賦形剤は、例えば、ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムなどの不活性希釈剤、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸などの造粒剤および崩壊剤;ゼラチンまたはデンプンなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの滑沢剤;p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸プロピルなどの防腐剤、およびアスコルビン酸などの酸化防止剤を含む。
【0155】
錠剤製剤はその崩壊とそれに続く胃腸管内での活性成分の吸収を改変するため、またはその安定性および/もしくは外観を改善するため、どちらの場合にも、当技術分野において周知の従来のコーティング剤およびコーティング手順を用いて、コーティングされていてもよいしコーティングされていなくてもよい。
【0156】
水性懸濁液は一般に、微粉形状の活性成分を1つまたは複数の製薬学的に許容される懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴム;分散剤または湿潤剤、例えばレシチンまたは脂肪酸とアルキレンオキシドの縮合物(例えばステアリン酸ポリオキシエチレン)、または長鎖脂肪族アルコールとエチレンオキシドの縮合物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、または脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分的エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、または脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導された部分的エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートとともに含有する。
【0157】
水性懸濁液はまた、典型的には1つまたは複数の保存剤(例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸プロピル)、酸化防止剤(例えばアスコルビン酸)、着色剤を、通常は香料添加剤および/または甘味剤(例えばスクロース、サッカリンまたはアスパルテーム)とともに含有する。
【0158】
油性懸濁液は活性成分を植物油(例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油)中にまたは鉱油(例えば流動パラフィン)中に懸濁させることによって製剤することができる。
【0159】
油性懸濁液はまた、蜜ろう、固形パラフィンまたはセチルアルコールなどの増粘剤を含有しうる。
【0160】
上記のような甘味剤と、香料添加剤とを加えて、口に合うような経口用調製物を提供することができる。
【0161】
これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加によって保存することができる。
【0162】
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性粉剤または顆粒剤は一般に、活性成分を分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1つまたは複数の保存剤とともに含有する。
【0163】
適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、既に上述のものによって例示される。
【0164】
甘味剤、香料添加剤および着色剤などの製薬学的に許容されるさらなる賦形剤も、通常、存在させることができる。
【0165】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型乳濁液の形態とすることができる。
【0166】
その油相はオリーブ油もしくはラッカセイ油などの植物油、または例えば流動パラフィンなどの鉱油、あるいはこれらのいずれかの混合物とすることができる。
【0167】
適当な乳化剤は、例えば、天然ゴム、例えばアカシアゴムもしくはトラガカントゴム、天然ホスファチド、例えば大豆、レシチン、または脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されたエステルもしくは部分エステル(例えばソルビタンモノオレエート)ならびにエチレンオキシドと前記部分エステルの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートでありうる。
【0168】
乳濁液はまた、甘味剤、香料添加剤および防腐剤を含有することができる。
【0169】
シロップおよびエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテームまたはスクロースなどの甘味剤とともに製剤することができ、粘滑剤、保存剤、香料添加剤および/または着色剤を含有することもできる。
【0170】
医薬組成物は、無菌の注射可能な水性または油性懸濁液の形態であってもよく、これらは、上述されている、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤の1つまたは複数を用いて公知の手順により製剤することができる。
【0171】
無菌の注射可能な調製物はまた、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中での無菌の注射可能な溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中での溶液であってもよい。
【0172】
投与量
単一の剤形を作出するのに1つまたは複数の賦形剤と組み合わされる活性成分の量は必然的に、治療される宿主および特定の投与経路に応じて変わる。
【0173】
一般に、ヒトへの経口投与を対象とした製剤は通常、適切なおよび好都合な量の賦形剤と併せて、例えば、体重1Kg当たり活性物質0.01mg〜10mgを含有する。
【0174】
投与単位剤形は通常、活性成分約0.1mg〜約500mgを含有する。
【0175】
より具体的には、例えば、ヒトへの経口投与を対象とした、化合物2を含む製剤は通常、適切なおよび好都合な量の賦形剤と併せて、例えば、体重1Kg当たり活性物質0.01mg〜1mgを含有する。
【0176】
化合物2を含む製剤の投与単位剤形は通常、活性成分約0.1mg〜約100mgを含有する。
【0177】
しかしながら、治療中の状態または疾患の性質および重症度、いずれかの併用療法を考慮するため、ならびに治療を受けている患者の年齢、体重、遺伝子型および性別を考慮するため投与される活性成分の用量を周知の医療行為にしたがって変えることが必要になる場合があることは容易に理解される。
【0178】
一般に、治療的使用において、本発明による組成物は、HPPD阻害剤の(または当量の製薬学的に許容されるその塩の)用量が、通常、0.00002〜10mg/kg/日、または0.001〜500mg/日、より具体的には、0.05〜10mg/日および0.1〜5mg/日または必要に応じて分割量で連日投与される体重1Kg当たり活性物質0.01〜10mgの範囲に達するように投与されるものと想定される。
【0179】
より具体的には、化合物2を含む組成物の場合、治療的使用において、本発明による組成物は、HPPD阻害剤の(または当量の製薬学的に許容されるその塩の)用量が、通常、0.0002〜1mg/kg/日、または0.01〜100mg/日の範囲に達するように投与されるものと想定される。より具体的には、0.05〜10mg/日および0.1〜5mg/日または必要に応じて分割量で連日投与される体重1Kg当たり活性物質0.01〜1mgである。本明細書を通して範囲は全て包括的である。例えば、0.01〜100は、0.01と100の値を含む。
【0180】
HPPD阻害剤の(または製薬学的に許容されるその塩の)間欠投与が望ましいこともある。
【0181】
患者の全身状態の評価に加えて、そのHPPD阻害剤の投与の効果を標準的な臨床化学検査および血液検査によりモニターすることができる。
【0182】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤を動物に投与することを含む神経変性疾患を治療するおよび/または予防する方法が提供される。
【0183】
本発明のさらなる態様においては、製薬学的に有効な量の前駆体化合物を動物に投与することを含む神経変性疾患を治療するおよび/または予防する方法が提供される。本発明の特定の実施形態おいては、該疾患が治療される。本発明のさらなる実施形態において、該動物はヒトである。本発明のさらなる実施形態において、該神経変性疾患はパーキンソン病である。本発明のさらなる実施形態において、該HPPD阻害剤は上記のとおりである。特定の実施形態において、該阻害剤は化合物2、3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物または製薬学的に許容されるその塩を含む。
【0184】
本発明のさらなる態様においては、3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物のある量を動物に投与することを含む、該動物において脳内での、レボドーパ利用能および/またはドーパミン合成を増大させる方法が提供される。
【0185】
本発明のさらなる態様においては、3.01、3.11、3.12、3.13、3.15、3.18、3.20、3.21、3.22、3.23、3.24、3.25および3.26として描かれている化合物の前駆体化合物のある量を動物に投与することを含む、脳内での、レボドーパ利用能および/またはドーパミン合成を増大させる方法が提供される。
【0186】
本発明の特定の実施形態おいては、脳内でのドーパミン合成が増大する。本発明の特定の実施形態おいては、脳内でのレボドーパ利用能が増大する。
【0187】
本発明をこれから、以下の非限定的な例およびその図によって記述する。
【実施例】
【0188】
実施例1
インビトロでの4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)酵素活性の測定
HPPD活性に及ぼす試験化合物の阻害効果を測定するため、Ellisら1996 (Ellis, M.K., Whitfield, A.C., Gowans, L.A., Auton, T.R., Provan, W.M., Lock, E.A., Lee, D.L., Smith, L.L. (1996) Characterization of the interaction of 2-[2-nitro-4-(trifluoromethyl)benzoyl]-4,4,6,6-tetramethyl-cyclohexane-1,3,5-trione with rat hepatic 4-hydroxyphenylpyruvate dioxygenase. Chemical Research Toxicology, 9, 24-27)による方法に基づく方法を用いた。
【0189】
アッセイの原理は、チロシンの異化に関与する酵素4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)が、酸素分子の両原子の取込みによって、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸塩(HPPA)のホモゲンチシン酸塩への酸化的脱炭酸と転位を触媒するということである。
【化11】

【0190】
ラット肝を6パスのポッター型ホモジナイザーによって以下の組成;0.25Mスクロース、5.4mM EDTA、20 mMトリス塩基、pH 7.4の緩衝液中でホモジナイズした(25%ホモジネート)。次いで、ホモジネートを4℃にて10分間1,800gで遠心分離し、沈殿物を捨て、上清を4℃にてさらに15分間17,000gで遠心分離した。次いで、沈殿物を捨て、上清を4℃にて80分間110,000gで遠心分離した。この110,000g回転由来のHPPD酵素を含有する上清を回収し、−70℃で凍結保存し、試験化合物のアッセイで用いた(以下参照)。
【0191】
HPPAからのホモゲンチシン酸塩の形成に及ぼす試験化合物または媒体(0.04% DMSO)の効果(すなわちHPPD活性)を、4mlの全量中に0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.2)、7.1μMアスコルビン酸塩、0.2mM HPPA、ラット肝サイトゾル(2.7mgのタンパク質/mlインキュベート液)および試験化合物(0〜300nM)を含有する反応混合物を37℃でインキュベートし、酸素消費速度を測定することにより判定した。HPPA基質の添加による酵素反応の開始の前に、酵素および試験化合物(阻害剤)を3分間ともにインキュベートした。阻害剤の非存在下において、酸素消費速度は0.96±0.113μlの酸素/分/mgタンパク質(n=10)であった。媒体単独ではHPPD活性に影響がなかった。HPPD阻害剤の試験化合物の存在下における酸素消費速度を阻害剤の非存在下における酸素消費速度に対する割合として表現し、値を対照%として得た。阻害剤のいくつかの濃度の効果を調べた場合には、GraphPad Prism(商標)ソフトウェアパッケージによる非線形回帰曲線適合プログラムを用いてデータをプロットすることによりIC50値(試験化合物の半最大阻害濃度)を判定した。
【0192】
表1のデータは100および300nMの2種の濃度でのHPPD活性の阻害割合を示す。さらに、化合物2および化合物3.13のIC50値が示されている。データは、表示されている場合を除き2回の実験の平均値として表されている。適切な場合には、値は平均±標準偏差として表されている。
【表2】

【0193】
実施例2
HPPD阻害剤の単回経口投与後のラットにおける血漿チロシン濃度動態プロファイル
10〜12週齢の雄性Sprague Dawleyラットに単回経口用量を投与することにより、ラットにおける血漿チロシン濃度動態プロファイルをHPPD阻害剤の試験化合物のそれぞれについて判定した。化合物3.20、3.13および3.26は1%カルボキシメチルセルロース(1% CMC)媒体中2mg/kgで投与し、その一方で化合物3.22、3.12、3.15、3.18、3.23、3.21、3.11、3.01、3.24および3.25は1% CMC中10mg/kgで投与した。
【0194】
血漿チロシン濃度を測定するための血液サンプルは、投与後の最初の24時間中に頻繁に、および投与後48時間の時点で得た。これらのサンプルを等量の媒体1% CMCしか受容していない対照ラットから得られた血液サンプルと比較し、または試験化合物の投与の1時間前にラットから得られた対照サンプルと比較した。血漿チロシン濃度に対するサンプルの分析の前に、血液サンプルを4℃にて10分間1800gで遠心分離した。血漿を回収し、その後4℃にて30分間1500gで遠心微量分配装置を通してろ過した。次いで、ろ過された血漿を2分割量に分けて、その後の勾配逆相高速液体クロマトグラフ(HPLC)による血漿チロシン分析のために−70℃で凍結保存した。分割量の血漿を、30℃で250×4.6mm Hichrom S5ODS2カラムを用いてHPLCにより分析し、1ml/分の流速にて水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(950:50:2 v/v/v)の移動相で溶出した。検出はダイオードアレイ検出器により274nmで行った。適切なチロシン標準物質を較正の目的でサンプルと同時に流した。
【0195】
投与後1、2、4、6、12、24および48時間の時点での、試験化合物3.20、3.13および3.26の血漿チロシン濃度動態プロファイルが表1.1に示されている。示されているデータは、対照および3.26の群に対しn=3匹のラットからデータを得た6時間の時点を除き、平均±標準偏差(n=4)である。
【表3】

【0196】
−1時間(投与前の対照)、投与後1、3、6、12、24および48時間の時点での、試験化合物3.22、3.12、3.15、3.18、3.23、3.21、3.11、3.01、3.24および3.25の血漿チロシン濃度動態プロファイルが表1.2および1.3に示されている。示されているデータは、n=2である化合物3.23の−1時間の時点(表1.2)、ならびにn=2である化合物3.21の3および6時間の時点(表1.3)を除き、平均±標準偏差(n=3)である。
【表4】

【表5】

【0197】
実施例3
パーキンソン病のAMPTラットモデルにおける化合物2およびその他のHPPD阻害剤の効力。
【0198】
パーキンソン病のラットα−メチル−p−チロシン(AMPT)モデルにおける化合物2およびその他のHPPD阻害剤の試験化合物の能力を、AMPT処置ラットへの試験化合物の単回経口用量の投与によって判定した。AMPTはチロシンヒドロキシラーゼの競合的阻害剤である。150mg/kgを超えるAMPTを投与されたラットは、ドーパミン合成経路を通る流れの低下の結果としての線条体ドーパミン濃度の枯渇のため数時間以内にパーキンソン病様の挙動や運動欠損(例えば強硬症および立ち上がり行動の低下)を発現する。L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(L−ドーパ)などの、ドーパミン交換抗パーキンソン薬は、この齧歯類モデルにおいて正常な活動機能の回復に有効である(Ahlenius, S., Anden, N.E., and Engel, J. (1973). Restoration of locomotor activity in mice by low L-DOPA doses after suppression by alpha-methyltyrosine but not reserpine. Brain Res. 62, 189-199. Ahlenius, S. (1974). Reversal by L-dopa of the suppression of locomotor activity induced by inhibition of tyrosine-hydroxylase and DA-beta-hydroxylase in mice. Brain Res. 69, 57-65. Singh, A., Naidu, P.S., and Kulkarni, S.K. (2003). FK506 as effective adjunct to L-dopa in reserpine-induced catalepsy in rats. Indian J. Exp. Biol. 41, 1264-1268)。
【0199】
AMPTにより誘導された挙動欠陥の試験化合物による反転から、このパーキンソン病動物モデルにおける効力が実証される。
【0200】
雄性Sprague−Dawleyラット(300〜350g)に225mg/kgのAMPTの単回腹腔内用量および2mg/kgの化合物2の単回経口用量を投与した。高チロシン血症(>2000nmol/mL)および程度の低い、最大下チロシン血症(<1000nmol/mL)の影響を調べるため、化合物2をAMPT投与の16時間前にまたはAMPT服用の4時間後に投与した。行動評価(強硬症および中心立ち上がり数(centre rearing counts))をAMPT投与から8時間後に行った。これはAMPT処置ラットが明らかに強硬症であった時点である。効果を適切な媒体対照群(経口媒体は1%カルボキシメチルセルロース;CMCであった)およびL−ドーパの150mg/kg腹腔内用量を受けた群と比較した。
【0201】
AMPT(または媒体)投与から8時間後にラットを強硬症および中心立ち上がり行動について評価した。強硬症検査の間に、ラットの前足を、床から9cm離して懸垂された水平棒に置いた。ラットが棒から降りるのにかかった時間(降下待ち時間)を最大許容時間3分で測定した。自動式行動モニタリングシステム(AM1053)を用いて、中心立ち上がり数を1時間のモニタリング時間にわたって測定した。このシステムでは一連の赤外線ビームを用いて、各動物の行動や移動を判定した。各ケージには8×16、1”(25.4mm)のピッチグリッドに並べられた二段の各々に24本づつ、48本の赤外線ビームが備えられていた。下部グリッドでは水平のx、y移動を測定し、その一方、上部グリッドでは立ち上がり移動を測定した。行動検出器は、ビームが非破線から破線に変化する回数を計測し、関連する計測器を増分するというように作動するものであった。中心立ち上がり数は動物が上段のビームを断線し、外側の2本のビームのいずれも断線していない場合に増加し、それによって、ラットが支えにケージ壁を使わなかった時の立ち上がりを検出した。AMPT投与後8時間の時点での6処置群の降下待ち時間(秒)および中心立ち上がり数が表1.4に示されている。
【表6】

【0202】
データはn=12の平均±標準誤差を表す。
【0203】
p<0.05、**p<0.01 AMPT 媒体+化合物2 媒体群(1)と比べての統計的有意性;+p<0.05、++p<0.01 AMPT処置+化合物2 媒体群(3)と比べての統計的有意性;一方向ANOVA後のダネットの多重比較検定。
【0204】
処置群は次のとおりであった:媒体対照群(1)にAMPT 媒体(生理食塩水 腹腔内(i.p.))+化合物2 媒体(1%CMC 経口)を投与し;化合物2群(2)にAMPT 媒体(生理食塩水i.p.)+2mg/kgの化合物2 経口を投与し;AMPT群(3)に225mg/kgのAMPT i.p.+化合物2 媒体(1%CMC 経口)を投与し;2つの群(4および5)に225mg/kgのAMPTの単回腹腔内用量および2mg/kgの化合物2の単回経口用量を投与した。これらの群の1つ(4)では、化合物2をAMPT投与の16時間前に投与し、その他の群(5)では、化合物2をAMPT投与の4時間後に投与した。これらの群を、AMPT投与から6.5時間後に225mg/kgのAMPT i.p.+150mg/kgのL−ドーパ i.p.を投与した陽性対照群(6)と比較した。L−ドーパは100mg/kg i.p.で、末梢ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(ベンセラジド)とともに投与した。
【0205】
化合物2はAMPTによる強硬症を実質的に反転し、この点において150mg/kgのL−ドーパと同じくらい効果的であった。化合物2のどちらの投与計画でも同様に効果的であったことから、最大下チロシン血症ではAMPTの影響を反転するのに十分であることが示唆された。化合物2は同様に、L−ドーパと同じくらい効果的にAMPTによる中心立ち上がり数の欠損を反転した。
【0206】
行動評価後すぐに得られたサンプルの血漿チロシン濃度の分析から、AMPTの16時間前に化合物2を投与されたラットにおける実質的なチロシン血症(平均=2205±238nmol/mL)、およびAMPT投与から4時間後に、化合物2を受けたラットにおける最大下チロシン血症(平均=345±45nmol/mL)が確認された。
【0207】
結論として、2mg/kgの化合物2の単回経口用量は、パーキンソン病のAMPTラットモデルにおいてAMPTによる強硬症および中心立ち上がり欠損を反転する際に効果的である。これらの効果は、投与後、血漿チロシン濃度が>345nmol/mLに上昇した時点で起こる。化合物2はこの動物疾患モデルにおいてL−ドーパと同じくらい効果的である。
【0208】
第2および第3系列の実験では、その他8種のHPPD阻害剤の試験化合物の効力をパーキンソン病のAMPTラットモデルにおいて評価した(表1.5および1.6)。雄性Sprague−Dawleyラット(300〜350g)に225mg/kgのAMPTの単回腹腔内用量を投与し、10mg/kgのHPPD阻害剤の試験化合物の単回経口用量をAMPT投与の1時間または16時間前(−16または−1時間)に投与した。行動評価(強硬症および中心立ち上がり数)をAMPT投与から8時間後に行った。効果を媒体対照群およびAMPTのみ受けた群と比較した。
【表7】

【0209】
データはn=12の平均±標準誤差を表す。
【0210】
p<0.05、***p<0.001 媒体対照群(1)と比べての統計的有意性;p<0.05、+++p<0.001 AMPT+1%CMC群(2)と比べての統計的有意性;一方向ANOVA後のダネットの多重比較検定。
【0211】
試験化合物3.23、3.18、3.24および3.11は、AMPTによる強硬症を実質的に反転した。AMPTによる平均中心立ち上がり数の欠損は同様に、全ての試験化合物によって部分的に反転されたが、統計的有意性に達したのは試験化合物3.18だけであった。データから、このパーキンソン病動物モデルにおけるこれらの化合物の効力が実証される。
【表8】

【0212】
データはn=12の平均±標準誤差を表す。
【0213】
***p<0.001 媒体対照群(1)と比べての統計的有意性;+++p<0.001 AMPT+1%CMC群(2)と比べての統計的有意性;一方向ANOVA後のダネットの多重比較検定。
【0214】
試験化合物3.12、3.20、3.01および3.15は、AMPTによる強硬症を実質的に反転した。AMPTによる平均中心立ち上がり数の欠損は同様に、全ての試験化合物によって部分的に反転されたが、統計的有意性に達したのは試験化合物3.20だけであった。データから、このパーキンソン病動物モデルにおけるこれらの化合物の効力が実証される。
【0215】
結論として、8種のHPPD阻害剤の試験化合物(3.23、3.18、3.24、3.11、3.12、3.20、3.01および3.15)のいずれかの10mg/kgの単回経口用量は、パーキンソン病のAMPTラットモデルにおいてAMPTによる強硬症を反転する際に、および中心立ち上がり欠損を部分的にまたは完全に反転する際に効果的である。これらの効果は、血漿チロシン濃度が上昇した時点で起こる。
【図面の簡単な説明】
【0216】
【図1】チロシンの代謝を示す経路の一部分の表示である。
【図2】それぞれ表1.4の強硬症の平均降下待ち時間データを図解する。
【図3】それぞれ表1.5の強硬症の平均降下待ち時間データを図解する。
【図4】それぞれ表1.6の強硬症の平均降下待ち時間データを図解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経変性疾患の治療で用いる薬剤の製造における、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン(化合物2)、または製薬学的に許容されるその塩の使用。
【請求項2】
該疾患がパーキンソン病である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
薬剤が化合物2または製薬学的に許容されるその塩および動物において4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を同様に阻害できるさらなる化合物を含む、請求項1または請求項2に記載の使用。
【請求項4】
該薬剤がドーパミン作用薬を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
該薬剤がレボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のドーパミン作用薬と動物へのその送達手段とを含むキット。
【請求項7】
製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のレボドーパと動物へのその送達手段とを含むキット。
【請求項8】
製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のレボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤と動物へのその送達手段とを含むキット。
【請求項9】
製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤と動物へのその送達手段とを含むキット。
【請求項10】
製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のモノアミンオキシダーゼ阻害剤と動物へのその送達手段とを含むキット。
【請求項11】
製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量の、動物においてHPPDを同様に阻害できるさらなる化合物と動物へのその送達手段とを含むキット。
【請求項12】
製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、活性成分として、化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量の、動物においてHPPDを同様に阻害できるさらなる化合物とを含む医薬組成物。
【請求項13】
製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のドーパミン作用薬とを含む医薬組成物。
【請求項14】
製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のレボドーパとを含む医薬組成物。
【請求項15】
製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のレボドーパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤とを含む医薬組成物。
【請求項16】
製薬学的に許容される希釈剤または担体とともに、製薬学的に有効な量の化合物2または製薬学的に許容されるその塩と製薬学的に有効な量のカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤とを含む医薬組成物。
【請求項17】
製薬学的に有効な量のHPPD阻害剤と製薬学的に有効な量のモノアミンオキシダーゼ阻害剤と動物へのその送達手段とを含む医薬組成物。
【請求項18】
経口または非経口投与に適した形態である、請求項12〜17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
錠剤、トローチ剤、硬質カプセル、水性懸濁液、油性懸濁液、乳濁液、分散性粉剤、分散性顆粒剤、シロップおよびエリキシル剤からなる群より選択される経口投与に適した口当たりの良い形態である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
経口用であり、硬質または軟質ゼラチンカプセルの形態である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項21】
非経口投与に適した形態である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項22】
製薬学的に有効な量の化合物2または請求項12〜21のいずれか1項に記載の組成物を動物に投与することを含む、神経変性疾患を治療するおよび/または予防する方法。
【請求項23】
該疾患が治療される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該動物がヒトである、請求項22または請求項23に記載の方法。
【請求項25】
該神経変性疾患がパーキンソン病である、請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−531665(P2008−531665A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557572(P2007−557572)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000684
【国際公開番号】WO2006/090177
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(301057532)シンジェンタ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】