説明

ヒートシンクの製造装置及びその製造法

【課題】 ヒートシンクの量産ができるようにすること。
【解決手段】 僅かな穴幅Tで,所定の穴長さS,所定の穴深さHをなしたスリット状の薄形穴部10を所定間隔をおいて多数形成した可動側金型Bを備えること。前記薄形穴部10,10,…に挿入させたプレートフィン2,2,…のそれぞれの上端のみが露出するようにした箇所をアルミニウム等の非鉄金属Mの溶湯M0 にて取付モジュール1として鋳ぐるみ養生させる凹部17を有した固定側金型Cを備えること。前記可動側金型Bと固定側金型Cとが離間している間において、前記薄形穴部10内に、該薄形穴部10の穴幅T,穴長さS,穴深さHに対応する薄肉の板厚tで,所定の板長さs,前記穴深さHよりも僅かに高さの高い板高さhの非鉄金属Mによるプレートフィン2のそれぞれを挿入可能とし、且つ可動側金型Bに対して適宜移動可能としたフィン移動腕杆Dとを備えること。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、取付モジュールとプレートフィンとの材質が同一又は異質で、極めて放熱性能の優れたヒートシンクを量産する装置としたり、或いはそのヒートシンクを量産する製造法とするヒートシンクの製造装置及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】CPU,MPU等のLSI(高密度集積回路)においては、特に、熱的性能が部品の信頼度あるいは寿命に影響し、温度上昇がその寿命,高速性等に大きく影響される。この冷却構造のものとして、ピンフィン付きのヒートシンクが存在している。該ピンフィン付きのヒートシンクは、該当のCPU,MPU等のLSI箇所を個別的に放熱でき、さらに、液体による冷却構造とは異なり、液漏れ等もなく故障もなく、簡易な構造で、安全性、信頼性の著しく高いものである。このようなピンフィン付きのヒートシンクでは、放熱性能において低いという問題がある。これを解決して放熱性能を高めるには、具体的には、多数設けたピンフィンの直径を小さくすればする程良いと研究されており、これは実験的にも認められている事実である。
【0003】また ヒートパイプにおいても、冷却用のヒートシンクが必要とされており、この場合には、方向性は一定であってもよいため、プレートフィンを所定間隔に複数設けたヒートシンクが開発されているが、この場合も、薄肉のプレートフィンをピンホール等なくして、如何に良好なるヒートシンクを製造するかが課題とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、出願人は既に、多数のプレートフィンを有するヒートシンクについて、プレートフィンの肉厚を1mm以下として、ダイキャスト成形等でも、整然と製造させることは、特願平7−338937号において出願している。ところで、スリット状の多数の穴内に、既に仕上がっているプレートフィンを1つひとつ入れており、この作業が能率が悪いこともあった。また、その量産体制のヒートシンクの製造装置又はヒートシンクの製造法が充分ではない問題があった。
【0005】
【課題が解決するための手段】そこで発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、その発明を、僅かな穴幅で,所定の穴長さ,所定の穴深さをなしたスリット状の薄形穴部を所定間隔をおいて多数形成した可動側金型と、該可動側金型の薄形穴部に挿入させたプレートフィンのそれぞれの上端のみが露出するようにした箇所をアルミニウム等の非鉄金属の溶湯にて鋳ぐるみ養生させる凹部を有した固定側金型と、前記可動側金型と固定側金型とが離間している間において、前記薄形穴部内に、該薄形穴部の穴幅,穴長さ,穴深さに対応する薄肉の板厚で,所定の板長さ,前記穴深さよりも僅かに高さの高い板高さのアルミニウム等の非鉄金属によるプレートフィンのそれぞれを挿入可能とし、且つ可動側金型に対して適宜移動可能としたフィン移動腕杆とからなり、前記凹部で硬化した非鉄金属は取付モジュールとし、該取付モジュールに前記プレートフィンを多数植設して製造してなるヒートシンクの製造装置としたり、或いは、僅かな穴幅で,所定の穴長さ,所定の穴深さをなしたスリット状の薄形穴部を所定間隔をおいて多数形成した可動側金型と、凹部を形成した固定側金型と、前記薄形穴部内に、該薄形穴部の穴幅,穴長さ,穴深さに対応する薄肉の板厚で,所定の板長さ,前記穴深さよりも僅かに高さの高い板高さのアルミニウム等の非鉄金属によるプレートフィンのそれぞれを挿入可能なフィン移動腕杆とからなり、可動側金型と固定側金型とが離間したときに、前記プレートフィンを着脱自在に設けたフィン移動腕杆を適宜移動・回転させてプレートフィンを前記可動側金型の薄形穴部に挿入させてプレートフィンのそれぞれの上端のみが露出するようにし、該プレートフィンの薄形穴部への挿入後には前記フィン移動腕杆を適宜退避させ、露出したプレートフィン箇所を前記凹部に充填したアルミニウム等の非鉄金属の溶湯にて鋳ぐるみ養生させ、該溶湯が硬化した非鉄金属は取付モジュールとし、該取付モジュールに前記プレートフィンを多数植設して製造してなるヒートシンクの製造方法としたことにより、極めて放熱性能の優れたヒートシンクを量産でき、前記の課題を解決したものである。
【0006】
【実施の形態】以下、本発明の製造装置の実施の形態について図1乃至図7に基づいて説明する。まず、その製造装置にかかる構成部品及びその製造装置について説明する。図6に示すように、本件発明のLSI用又はヒートパイプ用のヒートシンクAは、アルミニウム等の非鉄金属Mによる板状の取付モジュール1と、この上面に該取付モジュール1の材質と同一の非鉄金属Mによるプレートフィン2,2,…が多数植設されたものとから構成されている。
【0007】そのヒートシンクAは、方形状の板片としての取付モジュール1に対して、薄肉の板厚tで,所定の板長さs,所定の板高さhのプレートフィン2,2,…が所定間隔Pをおいて多数植設されている。
【0008】そのプレートフィン2,2間はあまり密に設けてもフィン間流路の流動抵抗が増加し、フィンは有効に働かない。このため、空気流速が小さい場合、過密にするようにプレートフィン2を用いるのは危険である。またフィンの設置間隔が粗に過ぎると伝熱面積が小さく、ヒートシンクとしての放熱性能が低下するため、流動抵抗の増大と伝熱面積の増加率との調和から決定される適正なるプレートフィン2,2相互の間隔を求めることが必要である。
【0009】次に、そのようなヒートシンクAの製造装置について説明する。可動側金型Bは、僅かな穴幅Tで,所定の穴長さS,所定の穴深さHをなしたスリット状の薄形穴部10が所定間隔Pにおいて多数設けられた部位が設けられている。前記薄形穴部10の穴幅T,穴長さS,穴深さHに対応するように、薄肉の板厚tで,所定の板長さs,前記穴深さHよりも僅かに高さの高い板高さhに前記プレートフィン2が形成され、該プレートフィン2の多数が、フィン移動腕杆Dに着脱自在に固定可能に設けられる。
【0010】該フィン移動腕杆Dの先端箇所には、薄肉の板厚tのプレートフィン2が所定間隔Pをおいて、僅かな深さ(例えば、約1cm程度)挿入可能な溝部11が、前記薄形穴部10の数に対応して多数形成されている。そのプレートフィン2,2,…の最両側には、挟持回動片12,12にて挟持されるようにして軸支され、前記プレートフィン2,2,…を前記薄形穴部10,10,…に挿入開始する状態で、プレートフィン2の挟持状態を開放して、前記フィン移動腕杆D表面と同一表面に倒れるように回動収納されるように構成されている。前記挟持回動片12,12は、実施の形態では、図示されているが、プレートフィン2の形状,厚さ,材質等によっては設けないこともある。
【0011】該フィン移動腕杆Dは、公知の技術手段によって、その長手方向に対して適宜の距離移動可能であり、さらに、その長手方向に直交する平面を約90度回転可能で、しかも、この回転状態において、そのフィン移動腕杆Dが前記可動側金型Bに接触する位置までも移動可能に構成されている。また、その逆の移動も可能に構成されている。即ち、フィン移動腕杆Dが前記可動側金型Bから適宜の距離離れるように移動し、このから、前述とは逆に約90度反転し、この状態で、そのフィン移動腕杆Dの長手方向に前述とは逆に退避するがごとくに移動するように構成されている。
【0012】前記可動側金型Bには、テーパー状の位置決め穴15,15が2箇所設けられ、これに対応して、該位置決め穴15,15に挿入される位置決めピン16,16が前記フィン移動腕杆Dに突設されている。また、前記可動側金型Bに対応する,固定側金型Cには、方形状の板片としての取付モジュール1が形成される凹部17が形成されている。該凹部17には、ゲート部18が設けられている。該ゲート部18は、前記凹部17に連続するように,可動側金型B側面側に溝状に形成されている。場合によっては、固定側金型Cの裏面よりゲート穴として、凹部17まで内部を貫通するが如くに形成されることもある。また、前記可動側金型Bは、フィン移動腕杆Dが後退した後に、図示しない油圧装置によって、固定側金型Cの位置まで移動可能に構成され、この状態でアルミニウム等の非鉄金属Mの溶湯M0 がゲート部18を介して凹部17に充填される。前述の可動側金型B,固定側金型C及びフィン移動腕杆Dは公知のダイキャストマシン等に適宜取り付けられている。
【0013】次にヒートシンクAの製造法の実施の形態について説明すると、まず、図3(A),(B)に示すように、可動側金型Bと固定側金型Cとを離間するようにしておく。そして、薄肉の板厚tのプレートフィン2を、フィン移動腕杆Dの多数の溝部11,11,…に挿入固定する。必要に応じて、その最両側のプレートフィン2,2を挟持する挟持回動片12,12を回動させて添えておき、このようにプレートフィン2,2,…をセットしたフィン移動腕杆Dを、図示しない駆動装置によって、可動側金型Bと固定側金型Cとを結ぶ位置まで移動させる〔図3(A)の鎖線部より,同図の実線部参照〕。
【0014】そのフィン移動腕杆Dの長手方向に直交する平面を約90度回転させて、プレートフィン2,2,…を、前記固定側金型Cの薄形穴部10,10,…に対向させる〔図4(A),(B)参照〕。そして、そのフィン移動腕杆Dを前記可動側金型Bに接触する位置方向に移動さる。すると、前記フィン移動腕杆Dに突設された位置決めピン16,16が可動側金型Bに設けた位置決め穴15,15に挿入され、これによって位置決めされつつ、前記プレートフィン2,2,…が、固定側金型Cの薄形穴部10,10,…に挿入され始める〔図5(A)参照〕。すると、必要に応じて、挟持回動片12,12が最両側のプレートフィン2,2の挟持状態を開放して、前記フィン移動腕杆D表面と同一表面に倒れるように回動収納される。
【0015】このようにして、フィン移動腕杆Dを前記可動側金型Bに接触し、このとき、プレートフィン2,2,…は、前記薄形穴部10,10,…に挿入完了する〔図5(B)参照〕。この場合では、該薄形穴部10,10,…の表面からプレートフィン2,2,…の一部(前記溝部11,11の深さに相当分)が露出している。その後、プレートフィン2,2,…が外れた,フィン移動腕杆Dが前記可動側金型Bから適宜の距離離れるように移動し〔図5(C)参照〕、これから、前述とは逆に約90度反転し、この状態で、そのフィン移動腕杆Dの長手方向に前述とは逆に移動して退避する。
【0016】そして、図示しない油圧装置によって、可動側金型Bが固定側金型Cの位置まで移動し〔図6(A)参照〕、その移動が完了して、可動側金型Bが固定側金型Cに重合する〔図6(B)参照〕。この状態でアルミニウム等の非鉄金属Mの溶湯M0 がゲート部18を介して凹部17に充填し、前記プレートフィン2,2,…の上端が埋設するように充填する〔図7(A)参照〕。前記可動側金型Bには、型ガイドピン19が設けられ、これに挿入されるガイド穴20が前記固定側金型Cに形成されている。また、図示しないが、前記凹部17を、押圧板21にて溶湯M0 を押圧又は加圧することもある。このような荷重によっての押圧を、本明細書では、溶湯を鍛造させた状態となり、溶湯鍛造という。このような溶湯鍛造では、その溶湯M0 の金属組織がより密となり、硬度が増加するようになる。
【0017】その後、その溶湯M0 を養生する。その養生している状態で、プレートフィン2と、非鉄金属Mの溶湯M0 とが非鉄金属Mで同一材質であるために、そのプレートフィン2が金型Bから上端が露出している箇所は、その溶湯M0 の溶融温度にて溶解して一体化する。これによって、この溶湯M0 が硬化した後に、硬化した所定厚さの非鉄金属Mとプレートフィン2,2,…からなるヒートシンクAを、可動側金型Bが固定側金型Cに対して離間した状態で、前記可動側金型Bに設けた薄形穴部10,10,…から取り出す。すると、非鉄金属Mは取付モジュール1として成形でき、該取付モジュール1には前記プレートフィン2,2,…が一体化して多数植設することができる。これによって、プレートフィン2と取付モジュール1とがそれぞれ同一の金属材によるヒートシンクA〔図7(B)参照〕を製造できる。
【0018】次に、実施の形態の別の装置としては、アルミニウム等の非鉄金属Mによる板状の取付モジュール1と、この上面に該取付モジュール1の異なる材質の銅等の金属製のプレートフィン2,2,…が多数植設されたものとから構成されているヒートシンクAの製造装置である。この場合は、前述の製造装置と略同一であるが、そのプレートフィン2の露出した箇所は、溶湯M0 に溶解されず、プレートフィン2と取付モジュール1とが別部材として構成されるものである。具体的な装置各部等も前述説明した構成と同様であるため、説明は省略する。この場合には、特に、プレートフィン2の材質を放熱性能を増加できるようにできる。
【0019】
【発明の効果】請求項1の発明においては、僅かな穴幅Tで,所定の穴長さS,所定の穴深さHをなしたスリット状の薄形穴部10を所定間隔をおいて多数形成した可動側金型Bと、該可動側金型Bの薄形穴部10,10,…に挿入させたプレートフィン2,2,…のそれぞれの上端のみが露出するようにした箇所をアルミニウム等の非鉄金属Mの溶湯M0 にて鋳ぐるみ養生させる凹部17を有した固定側金型Cと、前記可動側金型Bと固定側金型Cとが離間している間において、前記薄形穴部10内に、該薄形穴部10の穴幅T,穴長さS,穴深さHに対応する薄肉の板厚tで,所定の板長さs,前記穴深さHよりも僅かに高さの高い板高さhのアルミニウム等の非鉄金属Mによるプレートフィン2,2,…のそれぞれを挿入可能とし、且つ可動側金型Bに対して適宜移動可能としたフィン移動腕杆Dとからなり、前記凹部17で硬化した非鉄金属Mは取付モジュール1とし、該取付モジュール1に前記プレートフィン2,2,…を多数植設して製造してなるヒートシンクの製造装置としたことにより、第1に型寿命が長くなり、第2に整然としたヒートシンクAを量産できる最大の利点がある。
【0020】この効果について詳述すると、予め、プレートフィン2は成形したものであるため、養生するのは、取付モジュール1箇所となる溶湯M0 のみであり、従来のようにフィンの細部まで溶湯M0 を充填するものではないため、即ち、型の細部(薄形穴部10箇所)には溶湯M0 が繰り返し充填されたり、加熱されないため、型の物性的な疲労が少なく、可動側金型Bの寿命が飛躍的に長くなり、量産に耐えうるものにできる利点がある。
【0021】特に、本願発明では、前記可動側金型Bと固定側金型Cとが離間している間において、前記薄形穴部10内に、該薄形穴部10の穴幅T,穴長さS,穴深さHに対応する薄肉の板厚tで,所定の板長さs,所定の板高さhのアルミニウム等の非鉄金属Mによるプレートフィン2,2,…のそれぞれを挿入可能とし、且つ可動側金型Bに対して適宜移動可能としたフィン移動腕杆Dを設けたことで、予め成形されたプレートフィン2を薄形穴部10に挿入工程を自動工程できることで、プレートフィン2を損傷させることなく、迅速にでき、量産が可能となる。
【0022】請求項2の発明では、請求項1において、前記プレートフィン2と取付モジュール1とを同一材質にしてなるヒートシンクの製造装置としたことにより、製造したヒートシンクAが、同一材質ゆえに、溶湯M0 とプレートフィン2とが溶融して一体化し、強固となるのみならず、製造費用を安価にできる。
【0023】請求項3の発明では、請求項1において、前記プレートフィン2と取付モジュール1とを異なる材質にしてなるヒートシンクの製造装置としたことにより、製造したヒートシンクAのプレートフィン2を、取付モジュール1よりも放熱性能が優れたものにでき、これによってヒートシンクA全体として,より優れた放熱性能を有するようなヒートシンクAを製造できる装置として提供できる。
【0024】請求項4の発明では、僅かな穴幅Tで,所定の穴長さS,所定の穴深さHをなしたスリット状の薄形穴部10を所定間隔をおいて多数形成した可動側金型Bとと、凹部17を形成した固定側金型Cと、前記薄形穴部10,10,…内に、該薄形穴部10,10,…の穴幅T,穴長さS,穴深さHに対応する薄肉の板厚tで,所定の板長さs,前記穴深さHよりも僅かに高さの高い板高さhのアルミニウム等の非鉄金属Mによるプレートフィン2,2,…のそれぞれを挿入可能なフィン移動腕杆Dとからなり、可動側金型Bと固定側金型Cとが離間したときに、前記プレートフィン2,2,…を着脱自在に設けたフィン移動腕杆Dを適宜移動・回転させてプレートフィン2,2,…を前記可動側金型Bの薄形穴部10,10,…に挿入させてプレートフィン2,2,…のそれぞれの上端のみが露出するようにし、該プレートフィン2,2,…の薄形穴部10,10,…への挿入後には前記フィン移動腕杆Dを適宜退避させ、露出したプレートフィン2,2,…箇所を前記凹部17に充填したアルミニウム等の非鉄金属Mの溶湯M0 にて鋳ぐるみ養生させ、該溶湯M0 が硬化した非鉄金属Mは取付モジュール1とし、該取付モジュール1に前記プレートフィン2,2,…を多数植設して製造してなるヒートシンクの製造方法としたことにより、その予め成形されたプレートフィン2を薄形穴部10に挿入工程を自動工程にできることで、可動側金型Bと固定側金型Cとが離間したときに、プレートフィン2を損傷させることなく、迅速にでき、量産が好適にできる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置部材の分解斜視図
【図2】(A)はフィン移動腕杆にプレートフィンを着脱自在に設けた要部斜視図
(B)はフィン移動腕杆の溝部にプレートフィンが挿入されている状態の断面図
(C)は可動側金型に形成された薄形穴部箇所の斜視図
【図3】(A)は可動側金型と固定側金型とが離間している状態で、フィン移動腕杆が移動配置された状態を一部断面とした平面図
(B)は(A)のQ1 −Q1 矢視断面図
【図4】(A)は可動側金型と固定側金型とが離間している状態で、フィン移動腕杆を90度回転させた状態を一部断面とした平面図
(B)は(A)のQ2 −Q2 矢視断面図
【図5】(A)はプレートフィンを薄形穴部に挿入途中段階の要部断面図
(B)はフィン移動腕杆を可動側金型に当接させてプレートフィンを薄形穴部に挿入完了した状態を一部断面とした平面図
(C)はフィン移動腕杆を可動側金型から離間させる状態を一部断面とした平面図
【図6】(A)は可動側金型を固定側金型側に移動せんとする状態の断面図
(B)は可動側金型を固定側金型側に対して当接完了した状態の断面図
【図7】(A)は凹部に溶湯を注入した状態の断面図
(B)は製造したヒートシンクの斜視図
【符号の説明】
B…可動側金型
C…固定側金型
D…フィン移動腕杆
T…穴幅
S…穴長さ
H…穴深さ
t…板厚
s…板長さ
h…板高さ
M…非鉄金属
0 …溶湯
1…取付モジュール
2…プレートフィン
10…薄形穴部
17…凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 僅かな穴幅で,所定の穴長さ,所定の穴深さをなしたスリット状の薄形穴部を所定間隔をおいて多数形成した可動側金型と、該可動側金型の薄形穴部に挿入させたプレートフィンのそれぞれの上端のみが露出するようにした箇所をアルミニウム等の非鉄金属の溶湯にて鋳ぐるみ養生させる凹部を有した固定側金型と、前記可動側金型と固定側金型とが離間している間において、前記薄形穴部内に、該薄形穴部の穴幅,穴長さ,穴深さに対応する薄肉の板厚で,所定の板長さ,前記穴深さよりも僅かに高さの高い板高さのアルミニウム等の非鉄金属によるプレートフィンのそれぞれを挿入可能とし、且つ可動側金型に対して適宜移動可能としたフィン移動腕杆とからなり、前記凹部で硬化した非鉄金属は取付モジュールとし、該取付モジュールに前記プレートフィンを多数植設して製造してなることを特徴とするヒートシンクの製造装置。
【請求項2】 請求項1において、前記プレートフィンと取付モジュールとを同一材質にしてなることを特徴とするヒートシンクの製造装置。
【請求項3】 請求項1において、前記プレートフィンと取付モジュールとを異なる材質にしてなることを特徴とするヒートシンクの製造装置。
【請求項4】 僅かな穴幅で,所定の穴長さ,所定の穴深さをなしたスリット状の薄形穴部を所定間隔をおいて多数形成した可動側金型と、凹部を形成した固定側金型と、前記薄形穴部内に、該薄形穴部の穴幅,穴長さ,穴深さに対応する薄肉の板厚で,所定の板長さ,前記穴深さよりも僅かに高さの高い板高さのアルミニウム等の非鉄金属によるプレートフィンのそれぞれを挿入可能なフィン移動腕杆とからなり、可動側金型と固定側金型とが離間したときに、前記プレートフィンを着脱自在に設けたフィン移動腕杆を適宜移動・回転させてプレートフィンを前記可動側金型の薄形穴部に挿入させてプレートフィンのそれぞれの上端のみが露出するようにし、該プレートフィンの薄形穴部への挿入後には前記フィン移動腕杆を適宜退避させ、露出したプレートフィン箇所を前記凹部に充填したアルミニウム等の非鉄金属の溶湯にて鋳ぐるみ養生させ、該溶湯が硬化した非鉄金属は取付モジュールとし、該取付モジュールに前記プレートフィンを多数植設して製造してなることを特徴とするヒートシンクの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開平9−283665
【公開日】平成9年(1997)10月31日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−90921
【出願日】平成8年(1996)4月12日
【出願人】(000002244)蛇の目ミシン工業株式会社 (79)