説明

ヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置とそれに用いる融雪板

【課題】積雪があっても、マンホール蓋の位置を容易に特定できると共に、マンホール蓋の凍り付きを防止してマンホール蓋の開蓋を容易化し、迅速な消火活動に寄与する防火水槽上部の融雪装置を提供する。
【解決手段】地下埋設の水槽本体2の頂部3に設けられたマンホール5を、蓋受部材6を介してマンホール蓋9で閉蓋可能となされた防火水槽に、融雪板12を設ける。融雪板12には、マンホール蓋9を支持する蓋受部材6とヒートパイプ11とが組み込まれている。ヒートパイプ11は、その下側吸熱パイプ部60が水槽本体2内の貯留水中に配置されると共に、上側放熱パイプ部59が、蓋受部材6の外周部分24を取り囲む配置状態で融雪基板21に埋設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置に関するものである。より詳しくは、降雪地域において降雪時期にあっても、防火水槽に設けられているマンホール蓋の位置を容易に特定できると共に、マンホール蓋が凍結によって開蓋困難となる事態を解消し得るヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置に関するものである。又、該融雪装置に用いて好適な融雪板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
降雪地域にあっては、積雪でマンホール蓋が隠れてしまい、消火活動の際にマンホール蓋がどこにあるかを把握しにくい場合が生じ、迅速に消火活動を行なえない問題が生じていた。又その位置を特定できたとしても、マンホール蓋が蓋受部材に凍り付いていることが多分にあって容易に開蓋できず、バーナーで氷を融かさなければならない事態が生じて消火活動に支障を来す問題も発生していた。
【0003】
かかる問題を解決するために従来、図25に示すように、防火水槽aの頂部又はその付近で、積雪深以上の高さに採水用の立上がり管bを立設し、その上部の採水口cにホースを連結することにより、積雪dに影響されずに採水可能とすることが行なわれていた。かかる構成の立上がり管bは収容ボックスe内に納設されることもあった。或いは図26に示すように、防火水槽a内への出入口となるマンホールfに連通させて設ける筒状部材gを積雪dの深さ以上に立設し、該筒状部材gの上端をマンホール蓋hで閉蓋するように構成し、積雪によって消火活動に支障が生じないようにすることも行なわれていた。
【0004】
しかしながら、このように立上がり管を立設したり、高さの大なる筒状部材を立設することは、特別な配管工事等を生じさせて構築費が高額になる問題を発生させた。特に、防火水槽の周辺で立上がり管を立設する場合は、そのための用地の確保も必要となる問題があった。又、積雪深以上に筒状部材を立設した場合は、積雪に対しては対処できても、マンホール蓋が蓋受部材に凍り付いて開蓋困難となる前記問題は依然として残されたままであった。更に、立設した前記立上がり管や前記筒状部材が、防火水槽の設置場所において自動車の駐車障害を生じさせたり通行の邪魔になったりする等、地上空間の有効利用を阻む問題も発生させた。
【0005】
本発明は、ヒートパイプを利用して無動力でかかる従来の問題点を解決せんとするものであるが、ヒートパイプを利用する水槽活用の融雪装置として、特開平8−199523号公報が開示するものが提案されてはいる。
【0006】
しかしながら該融雪装置は、ヒートパイプの一方の端部分を水槽内に配設すると共にその他方の端部分を道路に埋設することにより、該水槽内に導入される生活排水や雨水、温泉水等に含まれている熱を該ヒートパイプを介して道路へ伝達させ、路面上の雪を融かさんとするものであって、防火水槽におけるマンホール蓋の装着位置の特定を可能としたりマンホール蓋の凍り付きを防止することによって消火活動の迅速化を達成せんとするものではなかった。
【0007】
【特許文献1】特開平8−199523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来、降雪地域において、防火水槽のマンホール蓋の装着位置を積雪で特定できないために迅速に消火活動を行なえない状況が生じていたり、その位置を特定できたとしてもマンホール蓋が蓋受部材に凍り付いて消火活動に支障をきたす問題があったことに鑑みて開発されたものであり、マンホール蓋を支持する蓋受部材の外周部分をコンクリート製の融雪基板に埋設すると共に、ヒートパイプの上側放熱パイプ部を前記外周部分を取り囲むように配置して該融雪基板に埋設するという基本構成の採用によってかかる問題点を解決し得るヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係るヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置(以下融雪装置という)は、地下埋設の水槽本体の頂部に設けたマンホールを、環状の鉄製の蓋受部材の内周面で下方から支持される鉄製のマンホール蓋で閉蓋可能となされた防火水槽と、該蓋受部材とヒートパイプとが組み込まれた融雪板とを具え、閉蓋状態にある前記マンホール蓋が前記蓋受部材に凍り付くのを防止すると共に、該マンホール蓋の周辺及び該マンホール蓋の上面の融雪を図るヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置である。前記融雪板は、前記蓋受部材の外周部分が、コンクリート製の融雪基板に設けられた開口部の内周部分に埋設され、該蓋受部材の上端が、該融雪基板の基板上面と面一に形成されると共に、前記水槽本体に貯留されている貯留水中に下側吸熱パイプ部が配置されるヒートパイプの上側放熱パイプ部が、該蓋受部材の前記外周部分を取り囲むように配置された状態で前記融雪基板に埋設されていることを特徴とするものである。
【0010】
前記融雪基板は、プレキャストコンクリート製のブロックとして構成することの他、現場打ち施工によって構築することができる。
【0011】
前記融雪装置において、前記融雪基板を、前記水槽本体の頂部として構成することがある。
【0012】
前記融雪装置において、前記上側放熱パイプ部を、前記蓋受部材の下面と前記基板上面との間に位置させるのがよい。
【0013】
前記融雪装置において、前記上側放熱パイプ部を、上下方向で見たときは、前記蓋受部材の下面と前記基板上面との間に位置させ、水平方向で見たときは、前記開口部の半径方向の直線と前記蓋受部材の上端の外周縁との交差点を内の交差点とし、且つ、該直線と前記融雪基板の外縁との交差点を外の交差点とした場合、該内の交差点と、前記内外の交差点間の中央部との間に位置させるのがよい。
【0014】
前記融雪装置において、前記融雪基板は、その上側部分と下側部分に配筋されて上の配筋部と下の配筋部が設けられたものとし、前記上側放熱パイプ部を該上下の配筋部の間に配設し、該上側放熱パイプ部を前記上下の配筋部と接触していないように構成するのがよい。
【0015】
前記融雪装置において、前記ヒートパイプは、前記上側放熱パイプ部に連なる中間パイプ部を、前記融雪基板の外側面で側方に突出させ且つその先端で下方に屈曲させて前記水槽本体内に導入させるのがよい。
【0016】
前記融雪装置において、前記ヒートパイプは、前記上側放熱パイプ部に連なる中間パイプ部を、前記融雪基板の下面で下方に突出させ、前記水槽本体内に導入させるのがよい。
【0017】
本発明に係る融雪基板は、地下埋設の水槽本体の頂部に設けたマンホールを閉蓋可能となされた鉄製のマンホール蓋を下方から支持する鉄製の蓋受部材の外周部分が、プレキャストコンクリート製のブロックとしての融雪基板に設けられた開口部の内周部分に埋設され、該蓋受部材の上端が、該融雪基板の基板上面と面一に形成されると共に、水槽本体に貯留されている貯留水中に下側吸熱パイプ部が配置されるヒートパイプの上側放熱パイプ部が、前記蓋受部材の前記外周部分を取り囲むように配置された状態で前記融雪基板に埋設されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る融雪装置によるときは、地下埋設の水槽本体内の貯留水が、相対的に温度の高い周辺地盤から該貯留水への熱移動によって温められているため、該貯留水中に配置されている下側吸熱パイプ部と、マンホール蓋を支持する蓋受部材の外周部分を取り囲む上側放熱パイプ部とを具えるヒートパイプによって、該貯留水の保有熱を効率よく採取し、これを、該上側放熱パイプ部と該蓋受部材の外周部分とが組み込まれている融雪基板に熱輸送できる。
【0019】
かかる上側放熱パイプ部における放熱作用によって、この熱が前記融雪基板に伝達されると共に、前記蓋受部材にも伝達され、更に該蓋受部材を介して、閉蓋状態にあるマンホール蓋にも伝達される。これらによって、マンホール蓋が蓋受部材に凍り付くのを防止し得ると共にマンホール蓋の周辺やマンホール蓋の上面における融雪が可能になる。
【0020】
従って本発明によるときは、降雪地域に設置されている防火水槽にあっても、そのマンホール蓋の位置が容易に特定され得ると共にマンホール蓋の凍り付きも防止されるため、マンホール蓋の開蓋を迅速且つ容易に行なうことができ、迅速な消火活動に寄与できることとなる。
【0021】
しかも、凍り付き防止や融雪のための熱輸送を無動力で行なうことができると共に、従来のように防火水槽に立上がり管や高さの大なる筒状部材を立設する必要がなく、又、防火水槽の周辺で立上がり管を立設するための用地の確保も不要となるため、施工経済に優れる。然も、防火水槽を埋設した部分の地上空間の有効利用も図られることになる。
【0022】
(2) 本発明において、上側放熱パイプ部を、前記蓋受部材の下面と前記融雪基板の基板上面との間に位置させるときは、該上側放熱パイプ部で放熱された熱を該蓋受部材や該基板上面に極力短時間で伝達でき、前記凍り付き防止や前記融雪をより効果的に行なうことができる。
【0023】
特に、該上側放熱パイプ部を、水平方向で見たときに、前記内の交差点と前記内外の交差点間の中央部との間に位置させるときは、前記凍り付き防止やマンホール蓋の上面における融雪を効果的に行ない得ることに加え、基板上面をより広い面積に亘って融雪できることとなる。
【0024】
(3) 前記上側放熱パイプ部を前記融雪基板の上下の配筋部の間に設け、該上側放熱パイプ部が該上下の配筋部と接触しないように構成することにより、融雪基板の強度を上下の配筋部によって所要に確保しながら、上下の配筋部間のスペースを活用して上側放熱パイプ部を配置して、前記凍り付き防止や融雪を効果的に行なうことができるのであり、しかも、電食を防止して長期間に亘って安定した熱輸送を維持できることとなる。
【0025】
(4) 前記上側放熱パイプ部に連なる中間パイプ部を、前記融雪基板の外側面で側方に突出させ、且つその先端で下方に屈曲して前記水槽本体内に導入することより、上側放熱パイプ部の下端側120を、下向きではなく横向きに配置できることになる(図8と図23を対比)。かかることから、該中間パイプ部を融雪基板の外側面で側方に突出させる場合の方が、融雪基板の下面で下方に突出させる場合に比し、該融雪基板の上面(基板上面)の端部付近の融雪効果を向上させ得る利点があると言える。
【0026】
(5) 前記上側放熱パイプ部に連なる中間パイプ部を前記融雪基板の下面で下方に突出させ、前記水槽本体内に導入させることにより、施工現場の埋め戻し後の転圧等によってもヒートパイプを損傷する恐れがない。加えて、例えば図23に一点鎖線で示すように、他の隣接融雪用基板121を、基板の外側面122,123相互を当接状態にして隣接設置する場合、図8に示すように中間パイプ部を側方に突出させる場合とは異なり、隣り合う中間パイプ部相互が干渉するのを防止できる。なお図示はされていないが、該隣接融雪用基板にもヒートパイプの上側の放熱パイプ部が埋設され、その中間パイプ部が、融雪用基板の下面で下方に突出され、その下側の吸熱パイプ部が前記貯留水中に配置される。このように構成することにより、融雪された状態にあるマンホール蓋の上面に至る通路部分の融雪も可能になる。
【0027】
(6) 本発明に係る前記融雪基板によるときは、本発明に係る融雪装置を施工能率よく構築できる利点がある。
【実施例1】
【0028】
図1〜3において本発明に係る融雪装置1は、地下埋設の水槽本体2の頂部3に設けたマンホール(吸管投入孔を兼ねる)5を、環状の鉄製(鋳鉄製等)の蓋受部材6の内周面7で下方から支持される鉄製(鋳鉄製等)のマンホール蓋9で閉蓋可能となされた防火水槽10と、該蓋受部材6とヒートパイプ11とが組み込まれた融雪板12とを用いて構成されている。
【0029】
前記水槽本体2は、本実施例においては図1〜2に示すように、プレキャストコンクリート製の箱型暗渠部材状の中間部材13の複数個を水密を確保して相互に接合する共に、中間部材の接合体15の両端を閉塞するように、プレキャストコンクリート製の端面部材16,16を接合してなるものである。そして、一端に位置する中間部材13aの頂版部17に、図1に示すように、水槽本体2内への出入口となる前記マンホール5が設けられ、該マンホール5に連通するように、円筒状をなす筒状部材19が立設され、該筒状部材19の上端開放部20が、前記蓋受部材6の内周面7(図3)で下方から支持される前記マンホール蓋9で閉蓋可能となされている。即ち、該マンホール5がマンホール蓋9で閉蓋可能となされている。なお、前記水槽本体2を構成するために使用されるコンクリートの骨材としては、熱伝導率の高い珪石を用いるのがよい。
【0030】
前記融雪板12は、本実施例においては図3〜6に示すように、前記防火水槽10とは別体に構成されたプレキャストコンクリート製のブロックとしての融雪基板21に設けられた開口部22の内周部分23に、前記蓋受部材6の外周部分24が埋設されている。
【0031】
該融雪基板21は、本実施例においては、直径が1000mmで厚さが200mmのコンクリート製の円板体として形成されており、その中央部に開口部22が設けられている。そして該融雪基板21内には、図3に示すように、その上側部分25と下側部分26に位置させて、上の配筋部27と下の配筋部29が設けられ、上下の配筋部27,29が適宜連結筋30で連結されている。なお、該融雪基板21を構成するために使用されるコンクリートの骨材としては、熱伝導率の高い珪石を用いるのがよい。
【0032】
前記蓋受部材6は、図3、図6に示すように、前記マンホール蓋9を下方から支持する円環状をなす環状蓋受部31の下端外周縁に固定フランジ32が周設されると共に、該環状蓋受部31の外周面33と該固定フランジ32の上面35とを連結する補強片36が周方向に所要間隔を置いて設けられている。本実施例においては、該環状蓋受部31の内径は600mm程度に設定されている。そして、該環状蓋受部31の下側部分をなす環状部37の上端で、前記マンホール蓋9の下面39を支持する水平支持面40(前記蓋受部材6の内周面7)を有する蓋受け部41が周設されると共に、該蓋受け部41の外端で、外方に向け上方に傾斜する傾斜面42を有する立壁部43が周設されており、該水平支持面40と該傾斜面42とで蓋嵌込み部45が形成されている。
【0033】
又、前記固定フランジ32には、図3、図6、図7に示すように、その周方向に120度の角度ピッチで固定孔46,46,46が設けられており、前記蓋受部材6が前記融雪基板21に埋設された状態において、前記開口部22の内周部分23で、前記固定孔46,46,46に連通するように、基板下面47から上方に向けて挿入孔49,49,49が設けられている。そして基板上面50においては、前記固定フランジ32に設けられている前記固定孔46,46,46に位置合わせして、該固定孔46を露出状態とするように、該固定孔46よりも稍直径の大きいテーパ状の凹部51が設けられている。
【0034】
かかる構成を有する蓋受部材6は、図3に示すように、前記環状蓋受部31の内周面52の下端53を、例えば、前記開口部22の略2分の1高さ位置(前記基板上面50から110mm程度下がった位置)において該開口部22の内周面55に合致させると共に、該蓋受部材6の上端56を前記融雪基板21の基板上面50に合致させた状態で、前記のように、その外周部分24が前記融雪基板21に埋設されている。
【0035】
前記ヒートパイプ11は、例えば断面円形のステンレス製パイプ(例えば、外径が26.5mmで内径が25.5mm程度のコルゲート型のパイプ)からなる密閉管57の内部に、前記水槽本体2に貯留されている貯留水58の水温(例えば5〜15℃程度の温度)で蒸発し且つ雪で冷却されて凝縮する代替フロン等の作動流体を封入してなるものであり、該ヒートパイプ11の放熱部をなす上側放熱パイプ部59が、図4に示すように、前記外周部分24を取り囲むように配置された状態で前記融雪基板21に埋設されている。そして図1に示すように、該ヒートパイプ11の下側吸熱パイプ部60は吸熱部とされ、前記貯留水58中に配置されている。
【0036】
前記融雪板12には、本実施例においては2本のヒートパイプ11,11が組み込まれている。図4〜6に示すように、夫々のヒートパイプ11,11の上側放熱パイプ部59,59の半円弧状部61,61が、前記蓋受部材6の外周部分24を対向側から半周分ずつ取り囲み、全体として、2つの上側放熱パイプ部59,59で該外周部分24を取り囲むように構成されている。該上側放熱パイプ部59,59の前記半円弧状部61,61は共に、図6に示すように、その下端62から上端63に向かって徐々に螺旋状を描いて高位置に存するように配置されており、その下端62は、前記蓋受部材6の下面(前記固定フランジ32の下面)65(図3)に略位置されると共に、その上端63は、前記蓋受部材6の上端(前記基板上面50)56(図3)の50mm程度下方に位置されている。該上側放熱パイプ部59は、融雪基板21に配筋されている鉄筋に接触しないように配置される。必要に応じ、絶縁材(例えば合成樹脂製の間隔保持片)を前記上側放熱パイプ部59と上下の配筋部27,29の鉄筋との間に介在させることもある。
【0037】
特に本実施例においては、前記融雪基板21の基板上面50や前記蓋受部材6への熱伝達効果を上げて、後述の融雪や凍り付きを、より短時間の内に行なうことができるようにするために、前記半円弧状部61を有する上側放熱パイプ部59は、上下方向で見たときは、図3に示すように、前記上の配筋部27と前記下の配筋部29との間で、且つ前記蓋受部材6の下面65よりも上側に位置させることとしている。併せて、水平方向で見たときは、図4に示すように、前記開口部22の半径方向の直線67と、前記蓋受部材6の上端の外周縁69との交差点を内の交差点70とし、且つ、該直線67と前記融雪基板21の外縁71との交差点を外の交差点72とした場合、該内の交差点70と、前記内外の交差点70,72間の中央部68との間に位置させることとしている。
【0038】
そして、一方のヒートパイプ11aの前記上側放熱パイプ部59の下端73に連なる中間パイプ部75は、図1〜図2、図4に示すように、前記融雪基板21の対向する側面76,77の一方の側面76で側方に突出し且つその先端で下方に屈曲され、前記水槽本体2の頂部3に穿孔された挿通孔79(図5)に挿通せしめられて該水槽本体2で垂下状態とされ、該ヒートパイプ11aの前記下側吸熱パイプ部60が、水槽本体2に貯留されている貯留水58中に配置されている。同様に、他方のヒートパイプ11bの前記上側放熱パイプ部59の下端73に連なる中間パイプ部75は、前記融雪基板21の対向する側面76,77の他方の側面77で側方に突出し且つその先端で下方に屈曲され、前記水槽本体2の頂部3に穿孔された挿通孔80(図5)に挿通せしめられて該水槽本体2で垂下状態とされ、該ヒートパイプ11bの前記下側吸熱パイプ部60が、水槽本体2に貯留されている貯留水58中に配置されている。なお本実施例においては、前記中間パイプ部75,75の外周面81が断熱材82で被覆されている。又、前記下側吸熱パイプ部60,60の下端83,83は水槽底面85に接触する程度とされている。
【0039】
かかる構成を有する融雪基板21は、図1〜3に示すように前記筒状部材19の上面95に固定される。この固定要領を説明すれば、図3、図5に示すように、前記マンホール5の周縁部86に120度の角度ピッチでインサート87,87,87を埋設すると共に、各インサート87に、垂直状態に立設される長ボルト89の下端雄ネジ部90を螺合し、3本の長ボルト89,89,89を立設状態とする。その後、前記筒状部材19の周壁部91に120度の角度ピッチで設けられた貫通孔92,92,92に、対応の長ボルト89,89,89を挿通せしめ、図5に示すように、各長ボルト89,89,89の上端の雄ネジ部93,93,93を前記筒状部材19の上面95で上方に突出状態とする。その後、該突出雄ネジ部96,96,96を、図3に示すように、前記融雪基板21に設けられている前記挿入孔49と前記固定孔46に挿通させ、その後、前記凹部51において、該突出雄ネジ部96に座金99を嵌め且つナット100を螺合し締め付けることにより、前記融雪基板21が前記筒状部材19の上面95に固定される。その後前記凹部51は、モルタルが充填されて塞がれる。
【0040】
このようにして前記融雪板12を前記筒状部材19に固定した後、図1に示すように、前記融雪基板21の基板上面35が地面102と面一となるように前記水槽本体2を地下に埋設する。図8、図1〜3は、前記水平支持面40と前記傾斜面42とで形成された前記蓋嵌込み部45(図3)にマンホール蓋9の周縁部103を嵌め入れ、前記マンホール蓋9を閉蓋した状態を示している。該閉蓋状態にあるマンホール蓋9の外周面105と前記蓋受部材6の前記傾斜面42との間の間隙106(図3)には水が溜まり易く、寒冷地においては、この間隙106の水が凍ってマンホール蓋9が蓋受部材6に凍り付きやすいのである。
【0041】
次に、前記融雪装置1の作用を図1、図8に基づいて説明する。水槽本体2は地下に埋設されているため、相対的に温度の高い周辺地盤107から、該水槽本体2内に貯留されている貯留水58への熱移動が生じ、貯留水58が例えば5〜15℃程度に温められている。このように、水槽本体2には、比較的温かい貯留水が貯留されている。かかる貯留水58中に存する前記下側吸熱パイプ部60内の作動流体が該貯留水58に含まれている熱により加熱されて蒸発し、その蒸気が前記上側放熱パイプ部59側に移動される。該作動流体の蒸気は、前記上側放熱パイプ部59で、低温の前記融雪板12にその潜熱を放出した後、凝縮して液状となり、前記蒸発部である下側吸熱パイプ部60側に重力の作用で容易に戻り、再び作動流体が前記のように加熱され、蒸発する。このサイクルが繰り返されることによって貯留水の保有熱が順次前記融雪板12に熱輸送されることになる。かかるヒートパイプの熱輸送作用により、水槽本体2内の貯留水58から受けた熱が前記融雪基板21に放熱され、この放熱された熱が前記蓋受部材6に伝達されて、前記間隙106(図3)に溜まった水が凍るのを防止できることになる。本実施例においては、上側放熱パイプ部59を、前記配置で融雪基板21に配置しているため、該熱伝達効果がより良好に行なわれることとなり、前記凍り付きや防火水槽上部の融雪を、より短時間の内に行なうことができる。
【0042】
又、放熱された熱が基板上面50に伝達されて該基板上面50が温められ、マンホール蓋9の周辺部分の融雪が行なわれると共に、前記蓋受部材6を介しマンホール蓋9の上面117にも伝達されて該上面35も温められ、マンホール蓋9の上面117の融雪も行なわれる。この融雪は、積雪を完全に融かす程度の融雪状態の他、積雪部分が窪む程度の融雪状態であってもよい。要は、少なくともマンホール蓋の位置を特定できる程度の融雪が行なわれればよいのである。
【0043】
本実施例においては、図8に示すように、前記中間パイプ部75を、前記融雪基板21の外側面で側方に突出させているため、上側放熱パイプ部59の下端側120を横向きに配置できる。かかることから、基板上面50の端部付近の融雪効果を向上させることができる。
【0044】
又前記のように、上側放熱パイプ部59は、融雪基板21に配筋されている鉄筋に接触しないように配置されているため、電食されることなく、長期間に亘って安定した熱輸送作用を維持できる。
【0045】
このような融雪によって、マンホール蓋9の位置を容易に特定できる。しかも、マンホール蓋9が蓋受部材6に凍り付くのが防止されるため、該マンホール蓋9を迅速に開蓋し、前記マンホール(吸管投入孔)5に吸管を投入して直ちに消火活動を行なうことができる。
【実施例2】
【0046】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0047】
(1) 図9は、融雪板12の他の実施例を示すものであり、例えば一辺の長さが1000mmで厚さが200mmであるコンクリート製の正方形板体として形成された融雪基板21の中央部に直径が600mm程度の円形孔としての開口部22が設けられ、該開口部22の内周部分23に、前記と同様構成の蓋受部材6の外周部分24が埋設されている。そして、2本のヒートパイプ11,11の夫々の上側放熱パイプ部59,59の半円弧状部61,61が、前記蓋受部材6の外周部分24を対向側から半周分ずつ取り囲み、全体として、複数本、例えば2本のヒートパイプで該外周部分24の全体を取り囲むように構成されている。
【0048】
(2) 図10〜11は、融雪板12のその他の実施例を示すものであり、プレキャストコンクリート製の円板体として形成された融雪基板21の中央部に円形孔としての開口部22が設けられ、該開口部22に、前記と同様構成の蓋受部材6の外周部分24が該開口部22の内周部分23に埋設され、且つ、ヒートパイプ11の上側放熱パイプ部59が前記蓋受部材6の外周部分24を取り囲むように埋設状態とされている。図10においては、融雪基板21の直径が1200mmに設定されており、図11においては、融雪基板の直径が1400mmに設定されている。そして、該直径に合わせて、前記上側放熱パイプ部59が、前記実施例におけるよりも、前記蓋受部材6の外周部分24からの距離を稍大きくして埋設されており、これによって、基板上面50をより広い面積に亘って融雪可能となされている。
【0049】
又図12〜13は、融雪板12のその他の実施例を示すものであり、前記融雪基板21を正方形板状に構成した融雪板12を示すものであり、図12においては、正方形の一辺の長さが1200mmに設定され、図13においては、正方形の一辺の長さが1400mmに設定されている。その他の構成は、融雪基板21が円板状を呈する場合と同様である。
【0050】
又図14〜15に示す融雪板12は、前記のように複数本のヒートパイプを用いて蓋受部材6の外周部分24を取り囲むのではなく、1本のヒートパイプ11を用いてその上側放熱パイプ部59で前記蓋受部材6の外周部分24を取り囲むように構成した場合を示すものである。
【0051】
これらの場合、例えば図16に示す如く、平面視で、上側放熱パイプ部59の先端部分109が、前記上側放熱パイプ部59の基端部分110と交差するように配置されることもある。このように構成するときは、平面視で、ヒートパイプの上側放熱パイプ部59が蓋受部材6の前記外周部分24の全体を完全に取り囲んだ状態となる。
【0052】
(3) 図17(A)(B)で交叉斜線を付して示す領域108は、融雪基板21を円形板状に構成した場合において、蓋受部材6の外周部分24を取り囲むように融雪基板21に埋設される上側放熱パイプ部59の埋設の領域を示すものである。又、図18(A)(B)で交叉斜線を付して示す領域108は、融雪基板21を正方形板状に構成した場合において、蓋受部材6の外周部分24を取り囲むように融雪基板21に埋設される上側放熱パイプ部59の埋設の領域を示すものである。この領域は、上下方向で見たときは、前記蓋受部材6の下面65と前記基板上面50との間に設定されている。但し、該蓋受部材6が前記のように補強片36が設けられてなるときは、この補強片36に接触しないように上側放熱パイプ部59が埋設される。上側放熱パイプ部59を、前記蓋受部材6の下面65よりも下に配置すると、前記基板上面50への熱伝達に時間がかかるので好ましくない。
【0053】
なおこれらの図では、更に水平方向での領域設定もなされており、水平方向で見たときは、前記開口部22の半径方向の直線67と前記蓋受部材6の上端の外周縁69との交差点を内の交差点70とし、且つ、該直線67と前記融雪基板21の外縁71との交差点を外の交差点72とした場合、該内の交差点70と前記内外の交差点70,72間の中央部68との間に存在するように設定されている。ここに、上側放熱パイプ部59が前記領域に存在するとは、ヒートパイプ11の全体が該領域108に存在することを意味するだけでなく、例えば図17(A)(B)に丸印を付して示すように、該上側放熱パイプ部59の一部分のみが該領域に存在する場合を含むものである。このような領域108にヒートパイプ11を配置するときは、該ヒートパイプ11の上側放熱パイプ部59における放熱によって前記マンホール蓋9が蓋受部材6に凍り付くのを防止できると共に、マンホール蓋9の周辺部分及びマンホール蓋の上面の融雪を行なうことのできる性能を具えたヒートパイプを採用する。
【0054】
このとき、前記融雪や凍結防止に必要な熱量を考慮すると同時に、前記水槽本体2内の貯留水58への地熱の移動量とのバランスも考慮してヒートパイプ11を選択し、且つ、該貯留水58中における下側吸熱パイプ部60の長さを所要に設定するものとする。前記上側放熱パイプ部59での放熱量が、貯留水への地熱の熱移動量を上回ると、貯留水58が冷却されてしまうからである。
【0055】
(4) 図19は、前記水槽本体2の上面116に重ねた状態で融雪板12を設置してなる融雪装置1を示すものである。
【0056】
(5) 前記融雪板12を構成する融雪基板21は、前記したように水槽本体2と別体のプレキャストコンクリート製のブロックとして構成されることの他、現場打ち施工によって構築されてもよい。
【0057】
(6) 図20(A)(B)は、本発明に係る融雪装置1のその他の実施例を示すものであり、水槽本体2を構成する頂部(本実施例においては前記箱型暗渠部材状の中間部材13の頂版部17)3を融雪基板21として用いて構成されている。該頂部3に設けられたマンホール5としての開口部22の内周部分23に、前記蓋受部材6の外周部分24が埋設され且つ、前記ヒートパイプ11の上側放熱パイプ部59が、該蓋受部材6の外周部分24を取り囲むように配置された状態で該頂部3に埋設されることによって、融雪板12が構成されている。そして、該上側放熱パイプ部59に連なる中間パイプ部75は、前記頂部3の下面118で下方に突設され、下側吸熱パイプ部60が、前記水槽本体2内の貯留水58中に配置されており、該中間パイプ部75の外周面81は断熱材82で被覆されている。
【0058】
(7) 前記ヒートパイプ11には、前記したような、断面が円形状を呈するものの他、上下に長い長方形状断面を有するもの(アルミニウム製等)等のヒートパイプも含まれるのであり、断面形状に制約はない。断面が長方形状を呈する場合は、その上下長さは例えば40〜50mmに設定されると共に、横幅は例えば8〜10mm程度に設定される。
【0059】
(8) 前記融雪板12を構成する融雪基板21は、前記円板状や正方形板状を呈するものの他、長方形板状を呈するもの等も考えられる。
【0060】
(9) 直径の大きい円形板状の融雪基板21や、一辺長さの大きい正方形板状の融雪基板21等、基板上面50の面積の大きい融雪基板21を採用する場合は、前記上側放熱パイプ部59が、例えば図21(A)(B)、図22(A)(B)に示すように、平面視で複数重(例えば二重)に、前記外周部分24を取り囲むように配置されることもある。又、上下方向で見て複数重(例えば上下二重)に上側放熱パイプ部59を配置することもある。
【0061】
(10)図23は、前記ヒートパイプ11の中間パイプ部75が、前記融雪基板21の下面124で下方に突出された場合を示すものであり、又図24は、このように下面124で突出された中間パイプ部75が、前記筒状部材19に上下方向で貫設された挿通孔119を下方に向けて貫通して水槽本体2内に導入される場合を示すものである。該中間パイプ部75の外周面81は断熱材82で被覆される。
【0062】
このように、融雪基板21の下面124で下方に突出させるときは、施工現場の埋め戻し後の転圧等によってもヒートパイプを損傷する恐れがない。加えて、例えば図23に一点鎖線で示すように、他の隣接融雪用基板121を、基板の外側面122,123相互を当接状態にして隣接設置する場合、図8に示すように中間パイプ部75を側方に突出させる場合とは異なり、隣り合う中間パイプ部相互が干渉するのを防止できる。なお図示はされていないが、該隣接融雪用基板にもヒートパイプの上側の放熱パイプ部が埋設され、その中間パイプ部が、融雪用基板121の下面125で下方に突出され、その下側の吸熱パイプ部が前記貯留水58中に配置される。
【0063】
このように構成することにより、融雪された状態にあるマンホール蓋9の上面に至る通路部分の融雪も可能になる。
【0064】
(11)前記ヒートパイプ11の上側放熱パイプ部59や下側吸熱パイプ部60における集熱効率や放熱効率を向上させるために、必要に応じ、該上側放熱パイプ部59や下側吸熱パイプ部60にフインが設けられることもある。又、該下側吸熱パイプ部60をコイル状に形成することもある。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る融雪装置を説明する断面図である。
【図2】その斜視図である。
【図3】融雪板を示す断面図である。
【図4】融雪板を示す平面図である。
【図5】水槽本体の頂部で立設した筒状部材の上面に融雪板を固定する固定構造を説明する斜視図である。
【図6】融雪板における上側放熱パイプ部の配置状態を説明する斜視図である。
【図7】水槽本体の頂部で立設した筒状部材の上面に融雪板を固定した状態を示す部分斜視図である。
【図8】融雪装置の部分拡大断面図である。
【図9】融雪板の他の実施例を示す平面図である。
【図10】融雪板のその他の実施例を示す平面図である。
【図11】融雪板のその他の実施例を示す平面図である。
【図12】融雪板のその他の実施例を示す平面図である。
【図13】融雪板のその他の実施例を示す平面図である。
【図14】一本のヒートパイプを用いて構成した融雪板を示す平面図である。
【図15】一本のヒートパイプを用いて構成した融雪板のその他の実施例を示す平面図である。
【図16】一本のヒートパイプを用いて構成した融雪板のその他の実施例を示す平面図である。
【図17】融雪基板が円板状を呈する場合において、上側放熱パイプ部が配置される領域を示す説明図である。
【図18】融雪基板が正方形板状を呈する場合において、上側放熱パイプ部が配置される領域を示す説明図である。
【図19】融雪板を水槽本体の上面に重ねて構成された融雪装置を示す断面図である。
【図20】水槽本体の頂部を融雪基板として構成された融雪装置を示す斜視図と断面図である。
【図21】上側放熱パイプ部が平面視で二重に配置された融雪板を示す平面図である。
【図22】上側放熱パイプ部を平面視で二重に配置した融雪板のその他の実施例を示す平面図である。
【図23】融雪基板の下面で中間パイプ部を突出してなる融雪板をその使用状態で示す平面図である。
【図24】融雪基板の下面で中間パイプ部が突設された融雪板のその他の実施例をその使用状態で示す平面図である。
【図25】従来の防火水槽の取水口の構成を説明する断面図である。
【図26】従来の防火水槽の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 融雪装置
2 水槽本体
3 頂部
5 マンホール
6 蓋受部材
9 マンホール蓋
10 防火水槽
11 ヒートパイプ
12 融雪板
19 筒状部材
21 融雪基板
22 開口部
23 開口部の内周部分
24 蓋受部材の外周部分
27 上の配筋部
29 下の配筋部
31 環状パイプ部
32 固定フランジ
36 補強片
43 立壁部
45 蓋嵌込み部
46 固定孔
47 基板下面
49 挿入孔
50 基板上面
51 凹部
58 貯留水
59 上側放熱パイプ部
60 下側吸熱パイプ部
61 半円弧状部
67 直線
69 外周縁
70 内の交差点
71 外縁
72 外の交差点
75 中間パイプ部
82 断熱材
89 長ボルト
106 間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下埋設の水槽本体の頂部に設けたマンホールを、環状の鉄製の蓋受部材の内周面で下方から支持される鉄製のマンホール蓋で閉蓋可能となされた防火水槽と、該蓋受部材とヒートパイプとが組み込まれた融雪板とを具え、閉蓋状態にある前記マンホール蓋が前記蓋受部材に凍り付くのを防止すると共に、該マンホール蓋の周辺及び該マンホール蓋の上面の融雪を図るヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置であって、
前記融雪板は、前記蓋受部材の外周部分が、コンクリート製の融雪基板に設けられた開口部の内周部分に埋設され、該蓋受部材の上端が、該融雪基板の基板上面と面一に形成されると共に、前記水槽本体に貯留されている貯留水中に下側吸熱パイプ部が配置されるヒートパイプの上側放熱パイプ部が、該蓋受部材の前記外周部分を取り囲むように配置された状態で前記融雪基板に埋設されていることを特徴とするヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置。
【請求項2】
前記融雪基板は、プレキャストコンクリート製のブロックとして構成されていることを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置。
【請求項3】
前記融雪基板は、現場打ち施工によって構築されていることを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置。
【請求項4】
前記融雪基板は、前記水槽本体の頂部として構成されていることを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置。
【請求項5】
前記上側放熱パイプ部は、上下方向で見たときは、前記蓋受部材の下面と前記基板上面との間に存在していることを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置。
【請求項6】
前記上側放熱パイプ部は、上下方向で見たときは、前記蓋受部材の下面と前記基板上面との間に位置されており、水平方向で見たときは、前記開口部の半径方向の直線と前記蓋受部材の上端の外周縁との交差点を内の交差点とし、且つ、該直線と前記融雪基板の外縁との交差点を外の交差点とした場合、該内の交差点と、前記内外の交差点間の中央部との間に位置されていることを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置。
【請求項7】
前記融雪基板は、その上側部分と下側部分に配筋されて、上の配筋部と下の配筋部が設けられ、前記上側放熱パイプ部が該上下の配筋部の間に配設されており、該上側放熱パイプ部が前記上下の配筋部と接触していないことを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置。
【請求項8】
前記ヒートパイプは、前記上側放熱パイプ部に連なる中間パイプ部が、前記融雪基板の外側面で側方に突出され且つその先端で下方に屈曲されて前記水槽本体内に導入されていることを特徴する請求項2又は3記載のヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置。
【請求項9】
前記ヒートパイプは、前記上側放熱パイプ部に連なる中間パイプ部が、前記融雪基板の下面で下方に突出され、前記水槽本体内に導入されていることを特徴とする請求項1又は2記載のヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置。
【請求項10】
地下埋設の水槽本体の頂部に設けたマンホールを閉蓋可能となされた鉄製のマンホール蓋を下方から支持する鉄製の蓋受部材の外周部分が、プレキャストコンクリート製のブロックとしての融雪基板に設けられた開口部の内周部分に埋設され、該蓋受部材の上端が、該融雪基板の基板上面と面一に形成されると共に、水槽本体に貯留されている貯留水中に下側吸熱パイプ部が配置されるヒートパイプの上側放熱パイプ部が、前記蓋受部材の前記外周部分を取り囲むように配置された状態で前記融雪基板に埋設されていることを特徴とするヒートパイプ利用による防火水槽上部の融雪装置を構成する融雪板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−231658(P2008−231658A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57092(P2007−57092)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000137074)株式会社ホクコン (40)
【Fターム(参考)】