説明

ファクシミリ情報共有装置および方法

【課題】ファクシミリ通信に関する各種ファクシミリ情報を複数の利用者間で誤りなく容易に共有する。
【解決手段】通信I/F部11により、送信元ファクシミリ端末とのファクシミリ通信により、当該ファクシミリ呼に関する通信日時と、送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報と、ファクシミリ画像データとを取得し、当該ファクシミリ画像データを当該送信先ファクシミリ端末へ転送し、ファクシミリ情報抽出部12により、固有情報に基づき属性情報記憶部16から当該ファクシミリ端末の属性情報を抽出し、画像データ変換部13により、ファクシミリ画像データから画像ファイルデータを生成し、ファクシミリ情報蓄積部14により、通信日時、属性情報、および画像ファイルデータを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ通信制御技術に関し、特にファクシミリ通信に関する各種情報を複数の利用者で共有する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ通信は、用紙に手書きまたは印刷された文字や図面等の様々な画像情報を、1つ以上の個人や団体などの送信先へ同時に迅速に伝達することができる。また、ファクシミリ通信は、送信側と受信側の双方に印刷媒体として画像情報が残るため、行政機関、自治体、教育関連企業、医療機関等での通常時や緊急時の情報伝達や、金融機関、保険会社、流通業などの商取引などに不可欠な情報通信手段として、幅広い分野で普及している。とりわけ電話による音声だけでは伝えにくい複雑な情報や多量の情報の伝達には威力を発揮している。
【0003】
【特許文献1】http://www.ntt.com/iFAX/manual/pdf/n_g3fax2.pdf、NTTコミュニケーションズ株式会社
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来のファクシミリ通信では、受信側ファクシミリ端末で受信した情報が記録用紙に印刷記録されて受信側ファクシミリ端末の用紙受けに排出された後、利用者が用紙受けから所望の記録用紙を選択したり、担当者がこれら記録用紙を各利用者へ配布するものとなっている。
したがって、記録用紙の選択や配布などの人為的ミスが発生する可能性もあるため、記録用紙が誤りなく宛先の担当者に渡るとは限らず、また誤りをなくすため全ての記録用紙を漏れなく閲覧することは困難である。特に、受信した記録用紙が用紙受けに手付かずで大量に溜まっている場合は、大量の記録用紙のうちから所望の記録用紙だけを選別する必要があり、重要なファクシミリ通知を見逃す恐れもある。緊急時等の一度に大量のファクシミリ通知が受信される場合も同様である。
【0005】
また、関連する部署等の複数の利用者間で通信情報を共有する場合、担当者が送信あるいは受信した用紙をコピーして配布するなどの手間と労力が必要になる。このため、このような作業負担に起因して配布漏れが生じる場合もあり、迅速で確実な情報共有が困難であるという問題があった。
近年では、手書き文字をデジタル化して保存する技術も利用できるようになってきているものの、特殊な装置や用紙を使用しないと識別できないなど、制約条件が多い。また、普段から使い慣れている装置や方法でなければ、例えば緊急時に誤りなく操作を行うことができないという問題もある。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、その目的とするところは、普段から使い慣れているファクシミリ端末を用いて、ファクシミリ通信に関する各種ファクシミリ情報を複数の利用者間で誤りなく容易に共有することができるファクシミリ情報共有装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明にかかるファクシミリ情報共有装置は、ファクシミリ端末で送受信されるファクシミリ呼から、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報を取得して蓄積するファクシミリ情報共有装置であって、内線回線を介して接続される内線側ファクシミリ端末、および交換機を介して接続される網側ファクシミリ端末のうち、任意のファクシミリ呼の送信元ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行うことにより、当該ファクシミリ呼に関する通信日時と、送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報と、ファクシミリ画像データとを取得し、当該ファクシミリ呼の当該送信先ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行うことにより、ファクシミリ画像データを当該送信先ファクシミリ端末へ転送する通信I/F部と、内線側および網側ファクシミリ端末に関する属性情報を記憶する属性情報記憶部と、送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報に基づいて、属性情報記憶部から当該ファクシミリ端末の属性情報を抽出するファクシミリ情報抽出部と、ファクシミリ画像データを所望の画像ファイル形式に変換することにより画像ファイルデータを生成する画像データ変換部と、通信I/F部で取得された当該ファクシミリ呼の通信日時と、ファクシミリ情報抽出部で取得された送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報と、画像データ変換部で生成された画像ファイルデータとを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積するファクシミリ情報蓄積部と、ファクシミリ情報蓄積部に蓄積されている各ファクシミリ情報から所望のファクシミリ呼に関するファクシミリ情報を検索出力するファクシミリ情報管理部とを備えている。
【0008】
この際、通信I/F部で、内線側ファクシミリ端末ごとに設けられてそれぞれ対応する内線側ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行う複数の内線側ポートと、これら内線側ポートに対応して設けられ網側ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行う網側ポートとを有し、網側ファクシミリ端末のうち送信元となるファクシミリ端末とのファクシミリ通信時に、当該送信元ファクシミリ端末を接続した網側ポートのポート識別情報と、当該送信元ファクシミリ端末から通知された当該送信元ファクシミリ端末に固有の端末識別情報とを固有情報としてそれぞれ取得し、属性情報に、内線側ファクシミリ端末が接続される通信I/F部の内線側ポートを示すポート識別情報と、網側ファクシミリ端末の端末識別情報とを含み、ファクシミリ情報抽出部で、通信I/F部で取得されたポート識別情報の網側ポートと対応する内線側ポートのポート識別情報に基づき当該送信先ファクシミリ端末の属性情報を属性情報記憶部から抽出するとともに、通信I/F部で取得された端末識別情報に基づき送信元ファクシミリ端末の属性情報を属性情報記憶部から抽出するようにしてもよい。
【0009】
また、通信I/F部で、内線側ファクシミリ端末ごとに設けられてそれぞれ対応する内線側ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行う複数の内線側ポートと、これら内線側ポートに対応して設けられ網側ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行う網側ポートとを有し、内線側ファクシミリ端末のうち送信元となるファクシミリ端末とのファクシミリ通信時に、当該送信元ファクシミリ端末を接続した内線側ポートのポート識別情報と、当該送信元ファクシミリ端末から通知された当該送信先ファクシミリ端末の電話番号とを固有情報としてそれぞれ取得し、属性情報に、内線側ファクシミリ端末が接続される通信I/F部の内線側ポートを示すポート識別情報と、網側ファクシミリ端末の電話番号とを含み、ファクシミリ情報抽出部で、通信I/F部で取得されたポート識別情報に基づき当該送信元ファクシミリ端末の属性情報を属性情報記憶部から抽出するとともに、通信I/F部で取得された電話番号に基づき送信先ファクシミリ端末の属性情報を属性情報記憶部から抽出するようにしてもよい。
【0010】
また、予め定められた文字データあるいは図形パターンと関連付けられた付加情報を記憶する付加情報記憶部と、画像ファイルデータから特定の文字データあるいは図形パターンを認識し、この認識結果に対応する付加情報を付加情報記憶部から取得する画像データ認識部とをさらに備え、ファクシミリ情報抽出部で、通信日時と、送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報と、画像ファイルデータと、画像データ認識部で取得された付加情報とを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積するようにしてもよい。
【0011】
また、通信I/F部で、内線回線と網側回線とを直接接続するバイパス回線を有し、任意の内線側ファクシミリ端末が接続されている内線回線と、この内線回線に対応する網側回線とを、バイパス回線を介して直接接続するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明にかかるファクシミリ情報共有方法は、ファクシミリ端末で送受信されるファクシミリ呼から、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報を取得して蓄積するファクシミリ情報共有装置で用いられるファクシミリ情報共有方法であって、当該ファクシミリ情報共有装置の通信I/F部により、内線回線を介して接続される内線側ファクシミリ端末、および交換機を介して接続される網側ファクシミリ端末のうち、任意のファクシミリ呼の送信元ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行うことにより、当該ファクシミリ呼に関する通信日時と、送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報と、ファクシミリ画像データとを取得し、当該ファクシミリ呼の当該送信先ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行うことにより、ファクシミリ画像データを当該送信先ファクシミリ端末へ転送するステップと、当該ファクシミリ情報共有装置の属性情報記憶部により、内線側および網側ファクシミリ端末に関する属性情報を記憶するステップと、当該ファクシミリ情報共有装置のファクシミリ情報抽出部により、送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報に基づいて、属性情報記憶部から当該ファクシミリ端末の属性情報を抽出するステップと、当該ファクシミリ情報共有装置の画像データ変換部により、ファクシミリ画像データを所望の画像ファイル形式に変換することにより画像ファイルデータを生成するステップと、当該ファクシミリ情報共有装置のファクシミリ情報蓄積部により、通信I/F部で取得された当該ファクシミリ呼の通信日時と、ファクシミリ情報抽出部で取得された送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報と、画像データ変換部で生成された画像ファイルデータとを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積するステップと、当該ファクシミリ情報共有装置のファクシミリ情報管理部により、ファクシミリ情報蓄積部に蓄積されている各ファクシミリ情報から所望のファクシミリ呼に関するファクシミリ情報を検索出力するステップとを備えている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ファクシミリ情報共有装置において、内線回線を介して接続されたファクシミリ端末でのファクシミリ呼ごとに、通信日時と、送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報と、画像ファイルデータとが関連付けて一元的に蓄積・管理することができる。このため、操作環境の異なる新たなファクシミリ端末や装置を必要とすることなく、普段から使い慣れているファクシミリ端末を用いて、これらファクシミリ呼のファクシミリ情報に関する、属性情報や通信日時をキーワードとした検索表示、通信日時による時系列一覧表示、属性情報や通信日時とした分類表示、所望のファクシミリ呼の画像ファイルデータの閲覧等が可能となる。これにより、ファクシミリ通信に関する各種ファクシミリ情報を複数の利用者間で誤りなく容易に共有することができる。
【0014】
また、本実施の形態によれば、ファクシミリ情報共有装置により、ファクシミリ呼が発生するごとに当該ファクシミリ情報を電子データにより自動的に蓄積することができる。このため、送受信された全てのファクシミリに関するファクシミリ情報を漏れなく蓄積、管理することが可能となる。したがって、記録用紙だけを用いる場合と比較して、記録用紙の散逸や未読等を防止することができる。また、任意のキーワードを含むファクシミリ情報のファクシミリ呼だけを抽出し、そのファクシミリ情報だけを蓄積、管理することも可能である。
さらには、イントラネット等のネットワークにファクシミリ情報共有装置を接続することにより、ファクシミリ情報を任意の端末から遠隔で検索し閲覧することも可能となり、関連部門の担当者間でリアルタイムにファクシミリ情報を共有できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
このファクシミリ情報共有装置10Aは、ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行う通信機能を有する情報処理装置からなり、当該ファクシミリ情報共有装置10Aの利用者が利用する内線側ファクシミリ端末FA1〜FAnと接続するとともに、電気通信事業者の公衆網や企業等のプライベート網などの通信網20に設けられた交換機21を介して相手側利用者が利用する網側ファクシミリ端末FB1〜FBmと接続し、これらファクシミリ端末間で送受信されたファクシミリ呼ごとに当該ファクシミリ情報を蓄積し提供する機能を有している。
【0017】
本実施の形態は、ファクシミリ情報共有装置10Aにおいて、通信I/F部により、内線回線を介して接続される内線側ファクシミリ端末、および交換機を介して接続される網側ファクシミリ端末のうち、任意のファクシミリ呼の送信元ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行うことにより、当該ファクシミリ呼に関する通信日時と、送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報と、ファクシミリ画像データとを取得し、当該ファクシミリ呼の当該送信先ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行うことにより、ファクシミリ画像データを当該送信先ファクシミリ端末へ転送し、属性情報記憶部により、内線側および網側ファクシミリ端末に関する属性情報を記憶し、ファクシミリ情報抽出部により、送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報に基づいて、属性情報記憶部から当該ファクシミリ端末の属性情報を抽出し、画像データ変換部により、ファクシミリ画像データを所望の画像ファイル形式に変換することにより画像ファイルデータを生成し、ファクシミリ情報蓄積部により、通信I/F部で取得された当該ファクシミリ呼の通信日時と、ファクシミリ情報抽出部で取得された送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報と、画像データ変換部で生成された画像ファイルデータとを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積し、ファクシミリ情報管理部により、ファクシミリ情報蓄積部に蓄積されている各ファクシミリ情報から所望のファクシミリ呼に関するファクシミリ情報を検索出力する。
【0018】
次に、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置の構成について詳細に説明する。
このファクシミリ情報共有装置10Aには、主な機能部として、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)11、ファクシミリ情報抽出部12、画像データ変換部13、ファクシミリ情報蓄積部14、ファクシミリ情報管理部15、属性情報記憶部16、および入出力インターフェース部(以下、入出力I/F部という)17が設けられており、これら機能部間で内部バスBを介して各種情報を相互にやり取りすることができる。
【0019】
内線側ファクシミリ端末FA1〜FAnは、内線回線23を介して通信I/F部11内の端末側インターフェース部(以下、端末側I/F部という)11Aに接続されている。また、網側ファクシミリ端末FB1〜FBmは、通信網20の交換機21および網側回線22を介して通信I/F部11内の網側インターフェース部(以下、網側I/F部という)11Bに接続されている。なお、本発明でいう内線回線とは、ファクシミリ情報共有装置10と内線側ファクシミリ端末FA1〜FAnと間のみを接続する、ファクシミリ情報共有装置10に固有の回線であり、例えば構内交換機などの電話交換システムの内線回線とは異なる。
【0020】
網側ファクシミリ端末FB1〜FBmが公衆網からなる通信網20に接続されている場合、網側ファクシミリ端末FB1〜FBmは、通信網20に設置された電気通信事業者の交換機を介してファクシミリ情報共有装置10Aに接続される。また、網側ファクシミリ端末FB1〜FBmがプライベート網からなる通信網20に接続されている場合、網側ファクシミリ端末FB1〜FBmは、通信網20に設置された構内交換機(PBX)を介してファクシミリ情報共有装置10Aに接続される。以下では、電気通信事業者の交換機と構内交換機(PBX)とを総称して交換機21と称する。
【0021】
任意の網側ファクシミリ端末FB1〜FBmから内線側ファクシミリ端末FA1〜FAnのいずれかに宛ててファクシミリ通信が発呼されると、ファクシミリ情報共有装置10Aは、交換機21と網側I/F部11Bとの間で、例えばG3ファクシミリのITU−T.30等のファクシミリプロトコルに従ってファクシミリ通信を確立させ、送信元ファクシミリ端末から送信されるファクシミリ画像データを受信する。
【0022】
このとき、ファクシミリ情報共有装置10Aは、当該ファクシミリ呼の通信日時と、送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報とを取得するとともに、受信したファクシミリ画像データを画像ファイルデータに変換し、これら通信日時、属性情報、および画像ファイルデータを当該ファクシミリ呼と関連付けて一元的にファクシミリ情報蓄積部14に蓄積する。また、ファクシミリ情報共有装置10Aは、送信先ファクシミリ端末と内線側I/F部11Aとの間でファクシミリ送受信プロトコルに従ってファクシミリ通信を確立させ、送信元ファクシミリ端末から送られてきたファクシミリ画像データを送信先ファクシミリ端末に転送する。
【0023】
また、任意の内線側ファクシミリ端末FA1〜FAnから網側ファクシミリ端末FB1〜FBmのいずれかに宛ててファクシミリ通信が発呼されると、ファクシミリ情報共有装置10Aは、送信元ファクシミリ端末と内線側I/F部11Aとの間でファクシミリプロトコルに従ってファクシミリ通信を確立させ、送信元ファクシミリ端末から送信されるファクシミリ画像データを受信する。
【0024】
このとき、ファクシミリ情報共有装置10Aは、当該ファクシミリ呼の通信日時と、送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報とを取得するとともに、受信したファクシミリ画像データを画像ファイルデータに変換し、これら通信日時、属性情報、および画像ファイルデータを当該ファクシミリ呼と関連付けて一元的にファクシミリ情報蓄積部14に蓄積する。また、ファクシミリ情報共有装置10Aは、交換機21を介して送信先ファクシミリ端末と網側I/F部11Bとの間でファクシミリ送受信プロトコルに従ってファクシミリ通信を確立させ、送信元ファクシミリ端末から送られてきたファクシミリ画像データを送信先ファクシミリ端末に転送する。
【0025】
また、内線側ファクシミリ端末FA1〜FAn間でファクシミリ通信を行う場合、例えば内線側ファクシミリ端末FA1から内線側ファクシミリ端末FA2にファクシミリ通信が発呼されると、ファクシミリ端末FA1から内線側I/F部11A、網側I/F部11B、交換機21、網側I/F部11B、内線側I/F部11A、ファクシミリ端末FA2という経路でファクシミリ通信が行われる。この場合、ファクシミリ端末FA1から交換機21までのファクシミリ通信は、内線側ファクシミリ端末から交換機21を介した網側ファクシミリ端末宛てへのファクシミリ呼と同等の処理動作を行えばよく、交換機21で折り返して内線側ファクシミリ端末FA2までのファクシミリ通信は、網側ファクシミリ端末から交換機21を介した内線側ファクシミリ端末宛てのファクシミリ呼と見なすことができる。
【0026】
このようにしてファクシミリ情報蓄積部14には、ファクシミリ呼ごとに、当該ファクシミリ呼に関する通信日時、送信元端末属性情報、送信先端末属性情報などのファクシミリ通信情報とファクシミリ画像データとがファクシミリ情報として蓄積される。これら蓄積されたファクシミリ情報は、ファクシミリ情報管理部15のデータベース機能により、通信時系列毎に並べて閲覧したり、特定のキーワードに該当するファクシミリ情報を検索して閲覧し、さらには分類して一覧表示することができる。また、任意のファクシミリ情報を変更する必要がある場合は、当該ファクシミリ情報を選択してその内容を修正することができる。
【0027】
次に、本発明の第1の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置を構成する各機能部について詳細に説明する。
通信I/F部11は、内線側ファクシミリ端末FA1〜FAnおよび網側ファクシミリ端末FB1〜FBmとの間でファクシミリ通信を行う機能を有しており、内線側I/F部11Aと網側I/F部11Bとが設けられている。
内線側I/F部11Aは、内線回線23を介して内線側ファクシミリ端末FA1〜FAnと接続する機能と、これら内線側ファクシミリ端末FA1〜FAnとの間でファクシミリ通信を行う機能とを有している。網側I/F部11Bは、網側回線22、交換機21、および通信網20を介して網側ファクシミリ端末FB1〜FBmと接続する機能と、これら網側ファクシミリ端末FB1〜FBmとの間でファクシミリ通信を行う機能とを有している。
【0028】
また、これら内線側I/F部11Aと内線側I/F部11Aは、共通の機能として、任意のファクシミリ呼の送信元ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行うことにより、当該ファクシミリ呼に関する通信日時と、送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報と、ファクシミリ画像データとを取得する機能と、当該ファクシミリ呼の当該送信先ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行うことにより、ファクシミリ画像データを当該送信先ファクシミリ端末へ転送する機能とを有している。
【0029】
ファクシミリ情報抽出部12は、通信I/F部11で取得された送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報に基づいて当該ファクシミリ通信の送信元ファクシミリ端末の属性情報を取得する機能を有している。
画像データ変換部13は、通信I/F部11で送信元ファクシミリ端末から受信されたファクシミリ画像データを、TIFFフォーマットやPDFフォーマット等のコンピュータ等の情報処理装置で扱うことのできるデジタル画像フォーマットからなる画像ファイルデータに変換する機能を有している。
【0030】
ファクシミリ情報蓄積部14は、通信I/F部で取得された当該ファクシミリ呼の通信日時と、ファクシミリ情報抽出部12で取得された送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報と、画像データ変換部13で生成された画像ファイルデータとを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積する機能を有している。
ファクシミリ情報管理部15は、ファクシミリ情報蓄積部14に蓄積されているファクシミリ情報をデータベースで管理する機能と、通信時系列や指定入力されたキーワードに基づきファクシミリ情報蓄積部14に蓄積されているファクシミリ情報を検索して閲覧し、さらには分類して一覧表示する機能と、ファクシミリ情報蓄積部14に蓄積されている任意のファクシミリ情報を選択してその内容を修正する機能とを有している。
【0031】
属性情報記憶部16は、内線側および網側ファクシミリ端末に関する属性情報を記憶する機能を有している。この属性情報には、内線側および網側ファクシミリ端末ごとに、当該ファクシミリ端末の接続ポート番号、当該ファクシミリ端末に固有の端末識別情報、当該ファクシミリ端末の電話番号、当該ファクシミリ端末を管理する部署、当該ファクシミリ端末の用途などの各種情報が組として登録されている。
入出力I/F部17は、イントラネットやデータ通信ケーブルを介して外部装置とデータ通信を行うことにより、検索キーワードなどを含むファクシミリ情報管理部15に対する検索・閲覧指示を受信する機能と、当該指示に応じたファクシミリ情報管理部15での検索・閲覧処理により得られたファクシミリ情報を送信する機能とを有している。
【0032】
これら機能部のうち、通信I/F部11および入出力I/F部17は、専用の通信回路から構成される。また、ファクシミリ情報抽出部12、画像データ変換部13、およびファクシミリ情報管理部15は、CPUおよび周辺回路を有し、プログラムを読み込んで実行することにより各種機能部を実現する演算処理部から構成される。また、ファクシミリ情報蓄積部14および属性情報記憶部16は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置から構成される。
【0033】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図2〜図6を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置に関する動作について説明する。図2は、通信I/F部の構成を示すブロック図である。図3は、ファクシミリ端末属性情報の構成例である。図4は、ファクシミリ通信情報の構成例である。図5は、ファクシミリ情報共有装置の動作を示すシーケンス図である。図6は、ファクシミリ情報共有装置の他の動作を示すシーケンス図である。
【0034】
[ファクシミリ端末特定動作]
まず、図2を参照して、ファクシミリ情報抽出部12における、送信先ファクシミリ端末および送信元ファクシミリ端末を特定する動作について説明する。
図2に示すように、通信I/F部11の網側I/F部11Bおよび内線側I/F部11Aは、内線側ファクシミリ端末FA1〜FAnの数に対応してn個のポートをそれぞれ有している。これらポートは、基本的に、網側ポートPB1と内線側ポートPA1、網側ポートPB2と内線側ポートPA2、網側ポートPBnと内線側ポートPAnが、それぞれ1対1に接続された構成となっている。例えば、網側ポートPB1と内線側ポートPA1とに同じ電話番号を割り付ける構成となっており、交換機21からファクシミリ端末FA1に割り付けられた回線は、網側ポートPB1および内線側ポートPA1を経由して、ファクシミリ端末FA1に接続されている。
【0035】
したがって、網側ファクシミリ端末から内線側ファクシミリ端末にファクシミリ送信する場合、当該ファクシミリ呼の着信を検出した網側ポートを判定することにより、送信先である内線側ファクシミリ端末を特定することができる。また、内線側ファクシミリ端末から任意のファクシミリ端末にファクシミリ送信する場合、当該ファクシミリ呼の着信を検出した内線側ポートを判定することにより、送信元である内線側ファクシミリ端末を特定することができる。
【0036】
例えば、網側ファクシミリ端末から内線側ファクシミリ端末にファクシミリ送信する場合、ファクシミリ間で通信を確立するためのT.30ファクシミリプロトコルにおけるフェーズB(ネゴシエーション手順)において、ファクシミリ端末に設定されている識別情報である端末識別情報を、当該ファクシミリ通信で受信した通信制御情報から網側I/F部で取得する。したがって、各ファクシミリ端末に規定の端末識別情報を予め設定しておくことにより、送信元ファクシミリ端末の端末識別情報を取得し、送信元ファクシミリ端末を特定することができる。
【0037】
また、内線側ファクシミリ端末から任意のファクシミリ端末にファクシミリ送信する場合については、送信元ファクシミリから発呼されたファクシミリ呼の電話番号を内線側I/F部11Aで取得することにより、送信先ファクシミリ端末を特定することができる。また、内線側ファクシミリ端末と内線側I/F部11Aとの間でのITU−T.30ファクシミリプロトコル通信において、内線側ファクシミリ端末の端末識別情報を取得することもできることから、この端末識別情報を用いてファクシミリ端末を特定してもよい。
【0038】
[ファクシミリ端末属性情報抽出動作]
続いて、図3を参照して、ファクシミリ情報抽出部12における、送信先ファクシミリ端末および送信元ファクシミリ端末の属性情報を抽出する動作について説明する。
図3のファクシミリ端末属性情報は、内線側ファクシミリ端末を特定するためのポート番号、送信元となる網側ファクシミリ端末を特定するための端末識別情報、送信先となる網側ファクシミリ端末を特定するための電話番号、および、特定したファクシミリ端末の電話番号、ファクシミリ端末を管理する部署、ファクシミリ端末の用途等で構成されている。
【0039】
このうち、電話番号は、送信先となる網側ファクシミリ端末を特定するための元情報であり、かつ、抽出するファクシミリ情報でもある。また、ポート番号は、内線側ファクシミリ端末と対応付けられているものであり、網側ファクシミリ端末との対応付けはできないため、網側ファクシミリ端末を特定する情報としては登録されていない。さらに、一般的に、ファクシミリ端末は、特定の部署等に固定的に設置されており、また特定の用途に限定することも可能であるため、ファクシミリ端末を管理する部署、ファクシミリ端末の用途等をファクシミリ端末の属性情報として扱うことが可能である。
【0040】
ファクシミリ端末を特定した後、ファクシミリ情報抽出部12は、このファクシミリ端末属性情報を参照して、特定したファクシミリ端末の属性情報を抽出する。具体的には、網側I/F部11Bで取得した端末識別情報に基づき、ファクシミリ端末属性情報から送信元ファクシミリ端末の電話番号等の送信元情報を抽出し、判定した着信ポート番号から、送信先ファクシミリ端末の電話番号等の送信先情報を抽出する。また、内線側I/F部11Aで取得した送信先ファクシミリ端末の電話番号から、送信元ファクシミリ端末の電話番号等の送信先情報を、また、判定した端末側の着信ポート番号から、送信元ファクシミリ端末の電話番号等の送信元情報を抽出する。なお、この例では、抽出するファクシミリ情報として、電話番号、ファクシミリ端末を管理する部署、ファクシミリ端末の用途等と示したが、ファクシミリ情報として管理する必要のある他の情報を含めてもよい。
【0041】
[ファクシミリ情報蓄積・管理動作]
次に、図4を参照して、ファクシミリ情報蓄積部14およびファクシミリ情報管理部15における、ファクシミリ情報を蓄積・管理する動作について説明する。
図4のファクシミリ情報には、ファクシミリ呼ごとに、ファクシミリ番号、ファクシミリ受信日時(通信日時)、ファクシミリ送信日時(通信日時)、送信元ファクシミリ端末の電話番号、ファクシミリ端末名、部署、用途、送信先ファクシミリ端末の電話番号、ファクシミリ端末名、部署、用途、画像ファイルデータ名が、登録されている。なお、ファクシミリ番号は、例えば、ファクシミリ呼ごとにシーケンシャルに割り振られた番号であり、また、ファクシミリ端末名は、ファクシミリ端末を識別するために固有に付与されている名称であり、端末識別情報と同一でもよい。
【0042】
ファクシミリ情報管理部15は、外部装置やファクシミリ情報共有装置10Aに設けられたキーボードなどの操作入力部(図示せず)から入力された指示に応じて、ファクシミリ情報蓄積部14に蓄積されているファクシミリ情報を検索し、得られた検索結果をファクシミリ情報共有装置10Aに設けられた画面表示部へ表示出力する。
【0043】
この際、ファクシミリ情報管理部15は、ファクシミリ情報蓄積部14に蓄積されているファクシミリ情報を当該ファクシミリ情報の項目ごとに分類して表示する。例えば、特定の部署から送信されたファクシミリ呼だけを抽出して一覧表示したり、特定の用途のファクシミリ端末に送信されたファクシミリ呼だけを抽出して一覧表示したり、特定の時刻間で送受信されたファクシミリ呼だけを抽出して時系列の順に並べて一覧表示したりする。また、送受信されたファクシミリ画像は、該当する画像ファイルデータを表示することにより、閲覧することができる。
【0044】
さらには、ファクシミリ情報共有装置10Aをイントラネット等のデータ通信網に接続することにより、リアルタイムに複数の利用者や関係機関において同一のファクシミリ情報を検索し閲覧でき、ファクシミリ情報を共有することもできる。例えば、入出力I/F部17に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部装置から入力された指示に応じて、ファクシミリ情報管理部15により、ファクシミリ情報蓄積部14に蓄積されているファクシミリ情報を検索し、得られた検索結果を上記外部装置へ出力すればよい。
【0045】
[ファクシミリ通信動作]
次に、図5を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置のファクシミリ通信動作について説明する。
ここでは、ファクシミリ情報共有装置10Aにより、網側ファクシミリ端末FB2から内線側ファクシミリ端末FA1へのファクシミリ呼に応答し、ファクシミリ情報の抽出、画像データ変換、情報蓄積を行い、送信先である内線側ファクシミリ端末FA1へ当該ファクシミリ画像データを転送する場合を例として説明する。
【0046】
網側I/F部11Bは、交換機21を介した網側ファクシミリ端末FB2からのファクシミリ呼の検出に応じてファクシミリ通信を開始し(ステップ100)、当該ファクシミリ通信を開始した時刻を装置内部の計時機能(図示せず)から通信時刻(受信時刻)として取得し(ステップ101)、当該ファクシミリ通信を開始した網側ポートの番号を着信ポート番号として取得する(ステップ102)。
【0047】
続いて、網側I/F部11Bは、送信元ファクシミリ端末FB2との間でファクシミリプロトコル(フェーズB)通信を行い(ステップ103)、これに応じて送信元ファクシミリ端末FB2から通知されたファクシミリ制御情報に基づいて送信元ファクシミリ端末FB2に固有の端末識別情報(リモートID)を取得する(ステップ104)。
【0048】
その後、網側I/F部11Bは、送信元ファクシミリ端末FB2との間でファクシミリデータ通信を行うことにより(ステップ105)、送信元ファクシミリ端末FB2からのファクシミリ画像データを取得し(ステップ106)、一連のファクシミリ通信を終了する(ステップ107)。
【0049】
一方、ファクシミリ情報抽出部12は、網側I/F部11Bにより取得した着信ポート番号に基づいて、当該着信ポート(網側ポート)に対応する内線側ポートに接続されている送信先ファクシミリ端末FA1の属性情報を属性情報記憶部16から抽出し(ステップ110)、網側I/F部11Bにより取得した端末識別情報に基づいて、送信元ファクシミリ端末FB2の属性情報を属性情報記憶部16から抽出する(ステップ111)。
また、画像データ変換部13は、網側I/F部11Bにより受信したファクシミリ画像データを、TIFFフォーマットやPDFフォーマットのデジタル画像フォーマットに変化し画像ファイルデータを生成する(ステップ112)。
【0050】
ファクシミリ情報蓄積部14は、網側I/F部11Bにより取得した通信時刻と、ファクシミリ情報抽出部12で抽出した送信先ファクシミリ端末の属性情報、および送信元ファクシミリ端末の属性情報と、画像データ変換部13で生成された画像ファイルデータとを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積する(ステップ113)。
これにより、図4のファクシミリ情報のうち、例えばファクシミリ番号「0001」のようなファクシミリ情報が蓄積される。
【0051】
その後、内線側I/F部11Aは、網側I/F部11Bにより取得した当該ファクシミリ呼のファクシミリ制御情報に基づいて、当該ファクシミリ呼の着信ポート(網側ポート)に対応する内線側I/F部11Aの内線側ポートにより、当該ファクシミリ呼の送信先ファクシミリ端末FA1との間でファクシミリ通信を開始し(ステップ120)、送信先ファクシミリ端末FA1との間でファクシミリプロトコル(フェーズB)通信を行う(ステップ121)。
【0052】
続いて、内線側I/F部11Aは、送信先ファクシミリ端末FA1との間でファクシミリデータ通信を行うことにより、網側I/F部11Bで受信したファクシミリ画像データを送信先ファクシミリ端末FA1へ送信し(ステップ122)、一連のファクシミリ通信を終了する(ステップ123)。
これにより、送信元となる網側ファクシミリ端末FB2から送信されたファクシミリ画像データが送信先となる内線側ファクシミリ端末FA1へ転送される。
【0053】
次に、図6を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置の他のファクシミリ通信動作について説明する。
ここでは、ファクシミリ情報共有装置10Aにより、内線側ファクシミリ端末FA2から網側ファクシミリ端末FB1へのファクシミリ呼に応答し、ファクシミリ情報の抽出、画像データ変換、情報蓄積を行い、送信先である網側ファクシミリ端末FB1へ当該ファクシミリ画像データを転送する場合を例として説明する。
【0054】
内線側I/F部11Aは、内線側ファクシミリ端末FA2からのファクシミリ呼の検出に応じてファクシミリ通信を開始し(ステップ200)、当該ファクシミリ通信を開始した時刻を装置内部の計時機能(図示せず)から通信時刻(受信時刻)として取得し(ステップ201)、当該ファクシミリ通信開始時に送信元ファクシミリ端末から通知された送信先電話番号を取得するとともに(ステップ202)、当該ファクシミリ通信を開始した内線側ポートの番号を着信ポート番号として取得する(ステップ203)。
【0055】
続いて、内線側I/F部11Aは、送信元ファクシミリ端末FA2との間でファクシミリプロトコル(フェーズB)通信を行い(ステップ204)、これに応じて送信元ファクシミリ端末FA2から通知されたファクシミリ制御情報に基づいて送信元ファクシミリ端末FA2に固有の端末識別情報(リモートID)を取得する(ステップ205)。
【0056】
その後、内線側I/F部11Aは、送信元ファクシミリ端末FA2との間でファクシミリデータ通信を行うことにより(ステップ206)、送信元ファクシミリ端末FA2からのファクシミリ画像データを取得し(ステップ207)、一連のファクシミリ通信を終了する(ステップ208)。
【0057】
一方、ファクシミリ情報抽出部12は、内線側I/F部11Aにより取得した送信先電話番号に基づいて、送信先ファクシミリ端末FB1の属性情報を属性情報記憶部16から抽出し(ステップ210)、内線側I/F部11Aにより取得した着信ポート番号に基づいて、当該着信ポート(内線側ポート)に接続されている送信元ファクシミリ端末FA2の属性情報を属性情報記憶部16から抽出する(ステップ211)。
また、画像データ変換部13は、内線側I/F部11Aにより受信したファクシミリ画像データを、TIFFフォーマットやPDFフォーマットのデジタル画像フォーマットに変化し画像ファイルデータを生成する(ステップ212)。
【0058】
ファクシミリ情報蓄積部14は、内線側I/F部11Aにより取得した通信時刻と、ファクシミリ情報抽出部12で抽出した送信先ファクシミリ端末の属性情報、および送信元ファクシミリ端末の属性情報と、画像データ変換部13で生成された画像ファイルデータとを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積する(ステップ213)。
これにより、図4のファクシミリ情報のうち、例えばファクシミリ番号「0002」のようなファクシミリ情報が蓄積される。
【0059】
その後、網側I/F部11Bは、内線側I/F部11Aにより取得した当該ファクシミリ呼のファクシミリ制御情報に基づいて、当該ファクシミリ呼の着信ポート(内線側ポート)に対応する網側I/F部11Bの網側ポートにより、当該ファクシミリ呼の送信先ファクシミリ端末FB1との間でファクシミリ通信を開始し(ステップ220)、送信先ファクシミリ端末FB1との間でファクシミリプロトコル(フェーズB)通信を行う(ステップ221)。
【0060】
続いて、網側I/F部11Bは、送信先ファクシミリ端末FB1との間でファクシミリデータ通信を行うことにより、内線側I/F部11Aで受信したファクシミリ画像データを送信先ファクシミリ端末FB1へ送信し(ステップ222)、一連のファクシミリ通信を終了する(ステップ223)。
これにより、送信元となる内線側ファクシミリ端末FA2から送信されたファクシミリ画像データが送信先となる網側ファクシミリ端末FB1へ転送される。
【0061】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態によれば、ファクシミリ情報共有装置において、内線回線を介して接続されたファクシミリ端末でのファクシミリ呼ごとに、通信日時と、送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報と、画像ファイルデータとを関連付けて一元的に蓄積・管理することができる。このため、操作環境の異なる新たなファクシミリ端末や装置を必要とすることなく、普段から使い慣れているファクシミリ端末を用いて、これらファクシミリ呼のファクシミリ情報に関する、属性情報や通信日時をキーワードとした検索表示、通信日時による時系列一覧表示、属性情報や通信日時とした分類表示、所望のファクシミリ呼の画像ファイルデータの閲覧等が可能となる。これにより、ファクシミリ通信に関する各種ファクシミリ情報を複数の利用者間で誤りなく容易に共有することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、ファクシミリ情報共有装置により、ファクシミリ呼が発生するごとに当該ファクシミリ情報を電子データにより自動的に蓄積することができる。このため、送受信された全てのファクシミリに関するファクシミリ情報を漏れなく蓄積、管理することが可能となる。したがって、記録用紙のみを用いる場合と比較して、記録用紙の散逸や未読等を防止することができる。また、任意のキーワードを含むファクシミリ情報のファクシミリ呼だけを抽出し、そのファクシミリ情報だけを蓄積、管理することも可能である。
【0063】
さらには、イントラネット等のネットワークにファクシミリ情報共有装置を接続することにより、ファクシミリ情報を任意の端末から遠隔で検索し閲覧することも可能となり、関連部門の担当者間でリアルタイムにファクシミリ情報を共有できる利点がある。
【0064】
また、本実施の形態では、送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報を抽出する具体例として、通信I/F部により、網側ファクシミリ端末のうち送信元となるファクシミリ端末とのファクシミリ通信時に、当該送信元ファクシミリ端末を接続した網側ポートのポート識別情報と、当該送信元ファクシミリ端末から通知された当該送信元ファクシミリ端末に固有の端末識別情報とを固有情報としてそれぞれ取得し、ファクシミリ情報抽出部により、通信I/F部で取得されたポート識別情報の網側ポートと対応する内線側ポートのポート識別情報に基づき当該送信先ファクシミリ端末の属性情報を属性情報記憶部から抽出するとともに、通信I/F部で取得された端末識別情報に基づき送信元ファクシミリ端末の属性情報を属性情報記憶部から抽出している。
このため、極めて簡素な処理で、送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報を正確に抽出することが可能となる。
【0065】
また、本実施の形態では、送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報を抽出する他の具体例として、通信I/F部により、内線側ファクシミリ端末のうち送信元となるファクシミリ端末とのファクシミリ通信時に、当該送信元ファクシミリ端末を接続した内線側ポートのポート識別情報と、当該送信元ファクシミリ端末から通知された当該送信先ファクシミリ端末の電話番号とを固有情報としてそれぞれ取得し、ファクシミリ情報抽出部により、通信I/F部で取得されたポート識別情報に基づき当該送信元ファクシミリ端末の属性情報を属性情報記憶部から抽出するとともに、通信I/F部で取得された電話番号に基づき送信先ファクシミリ端末の属性情報を属性情報記憶部から抽出している。
このため、極めて簡素な処理で、送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報を正確に抽出することが可能となる。
【0066】
なお、本実施例では、各ファクシミリ端末に端末識別情報が登録されている場合について説明したが、端末識別情報が登録されていないファクシミリ端末からのファクシミリ呼がファクシミリ情報共有装置10Aに着信した場合、送信元ファクシミリ端末の識別ができない。このため、このような登録外のファクシミリ端末については、例えば送信元情報として「部外ファクシミリ」などの名称をファクシミリ情報に登録すればよい。また、ナンバーディスプレイ機能が有効な場合、着信時に交換機側から通知された送信元電話番号を元にしてファクシミリ情報を抽出することも可能である。
【0067】
[第2の実施の形態]
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置について説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置の構成を示すブロック図であり、図1と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第1の実施の形態では、ファクシミリ通信で受信したファクシミリ画像データを画像ファイルデータとして蓄積する場合を例として説明した。本実施の形態では、画像ファイルデータを文字認識処理もしくはパターン認識処理して取得した認識結果をファクシミリ情報の一部としてファクシミリ情報蓄積部に蓄積する場合について説明する。
【0068】
本実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置10Bは、第1の実施の形態(図1参照)と比較して、画像データ認識部18と付加情報記憶部19とが追加されている。
画像データ認識部18は、OCR(Optical Character Recognition)部とOMR(Optical Mark Reader)部のうち、少なくともいずれか一方を含んでいる。OCR部は、対象となる特定の形状を文字データに読み替えて文字として認識する機能を有し、OMR部は、対象となる特定の形状を図形パターンとして認識する機能を有している。
【0069】
付加情報記憶部19は、画像データ認識部18で認識された認識結果と付加情報とを対応付けて記憶する機能を有している。
画像データ認識部18は、演算処理部から構成され、付加情報記憶部19は、記憶装置から構成されている。
本実施の形態における他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0070】
[第2の実施の形態の動作]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置の動作について説明する。
本実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置の動作は、第1の実施の形態の動作(図5,図6参照)とほぼ同様であり、ファクシミリ情報蓄積部14へファクシミリ情報を蓄積する点において相違する。
【0071】
すなわち、図5の場合、ステップ112において、画像データ変換部13が、網側I/F部11Bで受信したファクシミリ画像データを画像ファイルデータに変換した後、画像データ認識部18は、画像データ変換部13で生成された画像ファイルデータを、OCR/OMR処理することにより、当該画像ファイルデータから文字データや図形パターンを読み取る。
その後、ステップ113において、ファクシミリ情報蓄積部14は、網側I/F部11Bにより取得した通信時刻と、ファクシミリ情報抽出部12で抽出した送信先ファクシミリ端末の属性情報、および送信元ファクシミリ端末の属性情報と、画像データ変換部13で生成された画像ファイルデータと、画像データ認識部18で得られた画像認識結果情報とを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積する。
【0072】
また、図6の場合、ステップ212において、画像データ変換部13が、網側I/F部11Bで受信したファクシミリ画像データを画像ファイルデータに変換した後、画像データ認識部18は、画像データ変換部13で生成された画像ファイルデータを、OCR/OMR処理することにより、当該画像ファイルデータから文字データやパターンを読み取り、その認識結果に対応する付加情報を付加情報記憶部19から取得する。
【0073】
その後、ステップ213において、ファクシミリ情報蓄積部14は、内線側I/F部11Aにより取得した通信時刻と、ファクシミリ情報抽出部12で抽出した送信先ファクシミリ端末の属性情報、および送信元ファクシミリ端末の属性情報と、画像データ変換部13で生成された画像ファイルデータと、画像データ認識部18で得られた付加情報とを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積する。
【0074】
したがって、ファクシミリ通信で通知する付加情報が定型化されている場合、固定された様式のファクシミリ送信用紙を用い、OMR部でパターン認識することにより付加情報を抽出することが可能である。ファクシミリ送信用紙の決まった位置に、決まった情報項目と、チェックボックスを記載した部分を設けておき、送信するときは、伝達したい情報を意味する所定の情報項目のチェックボックスにチェックを行い、ファクシミリ画像データとして送信する。
【0075】
ファクシミリ情報共有装置10Bは、受信したファクシミリ画像データを画像データ変換部13により画像ファイルデータに変換し、この画像ファイルデータから画像データ認識部18のOMR機能により、チェックされたチェックボックスの位置を読み取り、付加情報記憶部19を参照して、その位置のチェックボックスに該当する付加情報を認識する。この付加情報は、認識結果情報として、通信時刻、属性情報、画像ファイルデータとともに、ファクシミリ情報蓄積部14に蓄積される。
【0076】
また、ファクシミリ通信で通知する付加情報が定型化されておらず、任意の情報を付加する場合、ファクシミリ送信用紙に任意の文字情報を記入し、ファクシミリ画像データとして送信する。
ファクシミリ情報共有装置10Bは、受信したファクシミリ画像データを画像データ変換部13により画像ファイルデータに変換し、この画像ファイルデータから画像データ認識部18のOCR機能により、任意の文字情報を文字データとして読み取り、付加情報記憶部19を参照して、その文字データに該当する付加情報を認識する。この付加情報は、認識結果情報として、通信時刻、属性情報、画像ファイルデータとともに、ファクシミリ情報蓄積部14に蓄積される。
【0077】
画像データ認識部18により付加情報を抽出する場合、付加情報を記載したファクシミリ送信用紙は、1頁目に送信するなどのように規定しておくと、無条件にファクシミリ情報共有装置10Bが受信した最初の頁だけを画像データ認識部18で認識処理すればよく、処理時間の短縮が図られる。
【0078】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態によれば、多数の項目をファクシミリ情報として設定することが可能となり、詳細なファクシミリ情報の分類が可能となる。また、予め定められたファクシミリ端末の用途以外の用途でファクシミリ端末を利用する場合などにおいて、第1の実施の形態で得られたファクシミリ情報に付加する情報として用いることも可能である。
【0079】
[第3の実施の形態]
次に、図8を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置について説明する。図8は、本発明の第3の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置の構成を示すブロック図であり、図1と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第1の実施の形態では、送信元ファクシミリ端末からのファクシミリ呼のすべてについて、そのファクシミリ情報を蓄積する場合について説明した。本実施の形態では、送信元ファクシミリ端末からのファクシミリ呼のうち、蓄積の必要がないファクシミリ呼については、送信元ファクシミリ端末と送信先ファクシミリ端末とをバイパス接続する場合について説明する。
【0080】
本実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置10Cは、第1の実施の形態(図1参照)と比較して、バイパス回線11Cが追加されている。このバイパス回線11Cは、通信I/F部11の内線側I/F部11Aと網側I/F部11Bに設けられたポートのうち、対応する内線側ポートと網側ポートとを直接接続する機能を有している。また、これらポートは、接続した内線回線23あるいは網側回線22をバイパス回線11C側に切り替える機能を有している。本実施の形態における他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0081】
[第3の実施の形態の動作]
次に、本発明の第3の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置の動作について説明する。
本実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置の動作は、ファクシミリ呼のファクシミリ情報を取得する場合、第1の実施の形態の動作(図5,図6参照)とほぼ同様である。
一方、ファクシミリ呼のファクシミリ情報を蓄積する必要がない場合、通信I/F部11は、内線側I/F部11Aと網側I/F部11Bに設けられた、対応する内線側ポートと網側ポートとにそれぞれ接続されている内線回線23と網側回線22とを、バイパス回線11C側へそれぞれ切り替えておく。これにより、内線回線23と網側回線22とが接続され、送信元ファクシミリ端末と送信先ファクシミリ端末との間で、直接、ファクシミリ通信が行われる。
【0082】
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態によれば、必要な時に、必要なファクシミリ端末間で送受信されるファクシミリ情報を蓄積、管理することが可能となり、ファクシミリ情報共有装置の柔軟な運用が可能となる。
【0083】
[その他の実施の形態]
以上の各実施の形態では、通信網20が電話網やF網からなり、交換機21を介して網側ファクシミリ端末をファクシミリ情報共有装置10(10A,10B,10C)に接続する構成について説明したが、これに限定されるものではなく、通信網20としてインターネットに代表されるデータ通信網を用い、このデータ通信網を介して網側ファクシミリ端末をファクシミリ情報共有装置10に接続する構成であっても、前述と同様に本発明を適用でき、前述と同様の効果を得ることができる。
【0084】
また、以上の各実施の形態において、任意のファクシミリ呼のファクシミリ情報を蓄積した場合、ファクシミリ情報共有装置10から対応する利用者へ電子メールで通知してもよい。具体的には、ファクシミリ端末属性情報に、内線側ファクシミリ端末ごとに利用者のメールアドレスを登録しておき、例えばファクシミリ蓄積部14やその他の機能部により、新たなファクシミリ情報を蓄積した時点で、造成情報記憶部16から送信先となる内線側ファクシミリ端末に対応するメールアドレスを読み出し、入出力I/F部17から利用者へ、新たなファクシミリ情報の蓄積を通知すればよい。
これにより、ファクシミリ呼の受信に応じて、新たなファクシミリ情報の蓄積が対応する利用者へ自動的に通知されるため、利用者はより迅速にファクシミリ情報を閲覧することが可能となる。
【0085】
また、本発明は前述した各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置の構成を示すブロック図である。
【図2】通信I/F部の構成を示すブロック図である。
【図3】ファクシミリ端末属性情報の構成例である。
【図4】ファクシミリ情報の構成例である。
【図5】ファクシミリ情報共有装置の動作を示すシーケンス図である。
【図6】ファクシミリ情報共有装置の他の動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態にかかるファクシミリ情報共有装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0087】
10,10A,10B,10C…ファクシミリ情報共有装置、11…通信I/F部、11A…内線側I/F部、11B…網側I/F部、11C…バイパス回線、12…ファクシミリ情報抽出部、13…画像データ変換部、14…ファクシミリ情報蓄積部、15…ファクシミリ情報管理部、16…属性情報記憶部、17…入出力I/F部、18…画像データ認識部、19…付加情報記憶部、20…通信網、21…交換機、22…網側回線、23…内線回線、FA1,FA2〜FAn…内線側ファクシミリ端末、FB1,FB2〜FBm…網側ファクシミリ端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリ端末で送受信されるファクシミリ呼から、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報を取得して蓄積するファクシミリ情報共有装置であって、
内線回線を介して接続される内線側ファクシミリ端末、および交換機を介して接続される網側ファクシミリ端末のうち、任意のファクシミリ呼の送信元ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行うことにより、当該ファクシミリ呼に関する通信日時と、送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報と、ファクシミリ画像データとを取得し、当該ファクシミリ呼の当該送信先ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行うことにより、前記ファクシミリ画像データを当該送信先ファクシミリ端末へ転送する通信I/F部と、
内線側および網側ファクシミリ端末に関する属性情報を記憶する属性情報記憶部と、
前記送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報に基づいて、前記属性情報記憶部から当該ファクシミリ端末の属性情報を抽出するファクシミリ情報抽出部と、
前記ファクシミリ画像データを所望の画像ファイル形式に変換することにより画像ファイルデータを生成する画像データ変換部と、
前記通信I/F部で取得された当該ファクシミリ呼の通信日時と、前記ファクシミリ情報抽出部で取得された送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報と、前記画像データ変換部で生成された画像ファイルデータとを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積するファクシミリ情報蓄積部と、
前記ファクシミリ情報蓄積部に蓄積されている各ファクシミリ情報から所望のファクシミリ呼に関するファクシミリ情報を検索出力するファクシミリ情報管理部と
を備えるファクシミリ情報共有装置。
【請求項2】
請求項1に記載のファクシミリ情報共有装置において、
前記通信I/F部は、前記内線側ファクシミリ端末ごとに設けられてそれぞれ対応する内線側ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行う複数の内線側ポートと、これら内線側ポートに対応して設けられ前記網側ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行う網側ポートとを有し、前記網側ファクシミリ端末のうち送信元となるファクシミリ端末とのファクシミリ通信時に、当該送信元ファクシミリ端末を接続した網側ポートのポート識別情報と、当該送信元ファクシミリ端末から通知された当該送信元ファクシミリ端末に固有の端末識別情報とを前記固有情報としてそれぞれ取得し、
前記属性情報は、前記内線側ファクシミリ端末が接続される前記通信I/F部の内線側ポートを示すポート識別情報と、前記網側ファクシミリ端末の端末識別情報とを含み、
前記ファクシミリ情報抽出部は、前記通信I/F部で取得されたポート識別情報の網側ポートと対応する内線側ポートのポート識別情報に基づき当該送信先ファクシミリ端末の属性情報を前記属性情報記憶部から抽出するとともに、前記通信I/F部で取得された端末識別情報に基づき送信元ファクシミリ端末の属性情報を前記属性情報記憶部から抽出する
ことを特徴とするファクシミリ情報共有装置。
【請求項3】
請求項1に記載のファクシミリ情報共有装置において、
前記通信I/F部は、前記内線側ファクシミリ端末ごとに設けられてそれぞれ対応する内線側ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行う複数の内線側ポートと、これら内線側ポートに対応して設けられ前記網側ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行う網側ポートとを有し、前記内線側ファクシミリ端末のうち送信元となるファクシミリ端末とのファクシミリ通信時に、当該送信元ファクシミリ端末を接続した内線側ポートのポート識別情報と、当該送信元ファクシミリ端末から通知された当該送信先ファクシミリ端末の電話番号とを前記固有情報としてそれぞれ取得し、
前記属性情報は、前記内線側ファクシミリ端末が接続される前記通信I/F部の内線側ポートを示すポート識別情報と、前記網側ファクシミリ端末の電話番号とを含み、
前記ファクシミリ情報抽出部は、前記通信I/F部で取得されたポート識別情報に基づき当該送信元ファクシミリ端末の属性情報を前記属性情報記憶部から抽出するとともに、前記通信I/F部で取得された電話番号に基づき送信先ファクシミリ端末の属性情報を前記属性情報記憶部から抽出する
ことを特徴とするファクシミリ情報共有装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のファクシミリ情報共有装置において、
予め定められた文字データあるいは図形パターンと関連付けられた付加情報を記憶する付加情報記憶部と、
前記画像ファイルデータから特定の文字データあるいは図形パターンを認識し、この認識結果に対応する付加情報を前記付加情報記憶部から取得する画像データ認識部と
をさらに備え、
前記ファクシミリ情報抽出部は、前記通信日時と、前記送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報と、前記画像ファイルデータと、前記画像データ認識部で取得された付加情報とを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積する
ことを特徴とするファクシミリ情報共有装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のファクシミリ情報共有装置において、
前記通信I/F部は、前記内線回線と前記網側回線とを直接接続するバイパス回線を有し、任意の内線側ファクシミリ端末が接続されている内線回線と、この内線回線に対応する網側回線とを、前記バイパス回線を介して直接接続する
ことを特徴とするファクシミリ情報共有装置。
【請求項6】
ファクシミリ端末で送受信されるファクシミリ呼から、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報を取得して蓄積するファクシミリ情報共有装置で用いられるファクシミリ情報共有方法であって、
当該ファクシミリ情報共有装置の通信I/F部により、内線回線を介して接続される内線側ファクシミリ端末、および交換機を介して接続される網側ファクシミリ端末のうち、任意のファクシミリ呼の送信元ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行うことにより、当該ファクシミリ呼に関する通信日時と、送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報と、ファクシミリ画像データとを取得し、当該ファクシミリ呼の当該送信先ファクシミリ端末とファクシミリ通信を行うことにより、前記ファクシミリ画像データを当該送信先ファクシミリ端末へ転送するステップと、
当該ファクシミリ情報共有装置の属性情報記憶部により、内線側および網側ファクシミリ端末に関する属性情報を記憶するステップと、
当該ファクシミリ情報共有装置のファクシミリ情報抽出部により、前記送信元および送信先ファクシミリ端末の固有情報に基づいて、前記属性情報記憶部から当該ファクシミリ端末の属性情報を抽出するステップと、
当該ファクシミリ情報共有装置の画像データ変換部により、前記ファクシミリ画像データを所望の画像ファイル形式に変換することにより画像ファイルデータを生成するステップと、
当該ファクシミリ情報共有装置のファクシミリ情報蓄積部により、前記通信I/F部で取得された当該ファクシミリ呼の通信日時と、前記ファクシミリ情報抽出部で取得された送信元および送信先ファクシミリ端末の属性情報と、前記画像データ変換部で生成された画像ファイルデータとを、当該ファクシミリ呼のファクシミリ情報として蓄積するステップと、
当該ファクシミリ情報共有装置のファクシミリ情報管理部により、前記ファクシミリ情報蓄積部に蓄積されている各ファクシミリ情報から所望のファクシミリ呼に関するファクシミリ情報を検索出力するステップと
を備えるファクシミリ情報共有方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−81801(P2009−81801A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251110(P2007−251110)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000102739)エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 (265)
【Fターム(参考)】