説明

フィスカルユニットおよびプリンタ

【課題】機能別に分けた基板を組み合わせることにより、各種のプリンタに共通して使用でき、フィスカルメモリに記憶されているフィスカルデータの改ざんを防止することができるフィスカルユニットおよびフィスカルユニットを有するプリンタを提供する。
【解決手段】フィスカルユニット20は、フィスカルメモリ100が実装された第1基板としてのフィスカルメモリ基板10と、フィスカルメモリ100とは異なる別の部品が実装された第2基板としてのインターフェース基板200と、第1基板と第2基板を保持するカバー部材300を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィスカルユニットおよびフィスカルユニットを有するプリンタに関し、特にフィスカルメモリを有しておりフィスカルメモリの改ざんを防止することができ、各種プリンタに共通して使用できるフィスカルユニットおよびフィスカルユニットを有するプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
小売業などで用いられる会計用のプリンタは、フィスカルメモリを有しており、このフィスカルメモリに記憶されているフィスカルデータが改ざんできない構成とすることが、法律(フィスカル法)で要求されている。このため、フィスカルメモリは樹脂で覆って固定することが要求されている。
【0003】
従来、この種のプリンタでは、CPU(中央処理装置)、フィスカルメモリ、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、コネクタなどが、1枚の基板上に実装されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−76030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載されているでは、1枚の基板上に必要とするすべての部品が実装されている構造なので、プリンタの種類が異なると、そのプリンタの種類毎に専用の基板を準備しなければならない。このため、専用の基板は汎用性に欠けるばかりでなくコスト高になってしまう。
【0005】
また、フィスカルメモリに記録されているフィスカルデータが改ざんされないようにするために、フィスカルメモリは、他の部品とは別にして保護することが求められている。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解消するために、機能別に分けた基板を組み合わせることにより、各種のプリンタに共通して使用でき、フィスカルメモリに記憶されているフィスカルデータの改ざんを防止することができるフィスカルユニットおよびフィスカルユニットを有するプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解消するために、本発明の態様にかかるフィスカルユニットは、フィスカルデータを記憶するフィスカルメモリを有するフィスカルユニットであって、
前記フィスカルメモリが実装された第1基板と、
前記フィスカルメモリとは異なる別の部品が実装された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板を保持するカバー部材と、を備えることを特徴とする。この態様によると、機能別に分けた第1基板と第2基板を組み合わせることにより、第2基板は各種のプリンタに共通して使用でき、第2基板とは別の第1基板を保護すればフィスカルメモリに記憶されているフィスカルデータの改ざんを防止することができる。
【0008】
本発明のフィスカルユニットは、好ましくは前記カバー部材は、前記第1基板を挿入して保持する保持部と、前記第2基板を保持する収容空間を有することを特徴とする。この態様によると、カバー部材は、第1基板と第2基板を別々に保持できる。
【0009】
本発明の他の態様にかかるフィスカルユニットは、好ましくは前記保持部内には、前記第1基板が挿入して保持された状態で封止剤を用いて固定されており、前記第1基板の前記フィスカルメモリが前記保持部内において前記封止剤により覆われている。この態様によると、第1基板のフィスカルメモリは封止剤により覆った状態で、第1基板は保持部内で確実に固定でき、フィスカルメモリのフィスカルデータの改ざんを防止できる。
【0010】
本発明の他の態様にかかるフィスカルユニットは、好ましくは前記保持部は、前記第1基板の第1面と第2面を覆っており、前記保持部と前記第1基板の前記第1面と前記第2面との間に前記封止剤が満たされていることを特徴とする。この態様によると、第1基板の第1面と第2面とフィスカルメモリは、封止剤により覆った状態で、第1基板は保持部内で確実に固定できる。
【0011】
本発明の他の態様にかかるフィスカルユニットは、好ましくは前記第1基板に対面する前記保持部の内面には、突起部が形成されていることを特徴とする。この態様によると、封止剤と第1基板を保持部内から抜き出すことが困難になり、フィスカルメモリのフィスカルデータの改ざんを防止できる。
【0012】
本発明の他の態様にかかるフィスカルユニットは、好ましくは前記突起部は前記封止剤である樹脂により覆われていることを特徴とする。この態様によると、突起部の存在により、封止剤と第1基板を破壊の痕跡を残さない状態では封止剤と第1基板を保持部内から抜き出すことが困難になり、フィスカルメモリのフィスカルデータの改ざんを防止できる。
【0013】
本発明の他の態様にかかるフィスカルユニットは、好ましくは前記突起部は、前記第1基板を挿入するための前記保持部の開口部に近い位置に形成されていることを特徴とする。この態様によると、突起部が保持部の開口部に近い位置に存在していることにより、封止剤と第1基板を保持部内から抜き出すことがさらに困難になる。
【0014】
本発明の他の態様にかかるフィスカルユニットは、好ましくは前記第1基板に配置されて、前記第1基板が前記保持部に挿入された状態で、前記第1基板が前記保持部に接触するのを防止して電気絶縁性を確保する接触防止部を備えていることを特徴とする。この態様によると、フィスカルユニットが金属製のものであっても、フィスカルユニットの保持部と第1基板の各部品や回路配線パターンなどの導体物との間の電気絶縁性を確保できる。また、保持部を薄型化できる。
【0015】
本発明の他の態様にかかるフィスカルユニットは、好ましくは前記第1基板と前記第2基板は、前記カバー部材において間隔をおいて平行に配置されていることを特徴とする。この態様によると、第1基板と第2基板は平行に配置できるので、第1基板と第2基板の電気的な接続が容易であり、フィスカルユニットの薄型化が図れる。
【0016】
本発明の他の態様にかかるフィスカルユニットは、好ましくは前記第2基板は、ホストコンピュータからのデータを受け取り、前記第1基板の前記フィスカルメモリとの間でデータのやりとりを行い、プリンタ側の基板にデータを送るインターフェース基板であることを特徴とする。この態様によると、第2基板は、各種のプリンタに共通して使用することができる。
【0017】
本発明の態様にかかるフィスカルユニットを有するプリンタは、フィスカルデータを記憶するフィスカルメモリを備えるフィスカルユニットを有するプリンタであって、
前記フィスカルユニットは、
前記フィスカルメモリが実装された第1基板と、
前記フィスカルメモリとは異なる別の部品が実装された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板を保持するカバー部材と、を備えることを特徴とする。この態様によると、機能別に分けた第1基板と第2基板を組み合わせることにより、第2基板は各種のプリンタに共通して使用でき、第2基板とは別の第1基板を保護すればフィスカルメモリに記憶されているフィスカルデータの改ざんを防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のフィスカルユニットによれば、機能別に分けた第1基板と第2基板を組み合わせることにより、第2基板は各種のプリンタに共通して使用でき、第2基板とは別の第1基板を保護すればフィスカルメモリに記憶されているフィスカルデータの改ざんを防止することができる。
【0019】
本発明のフィスカルユニットを有するプリンタによれば、機能別に分けた第1基板と第2基板を組み合わせることにより、第2基板は各種のプリンタに共通して使用でき、第2基板とは別の第1基板を保護すればフィスカルメモリに記憶されているフィスカルデータの改ざんを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明のフィスカルユニットおよびフィスカルユニットを有するプリンタの好ましい実施形態を示す分解斜視図である。図2は、本発明のフィスカルユニットおよびフィスカルユニットを有するプリンタの好ましい実施形態を別示す斜視図である。
【0022】
図1と図2に示すプリンタ1は、フィスカルユニット20を有している。このフィスカルユニット20は、フィスカルメモリ基板10を備えており、図2に示すように、フィスカルメモリ基板10はフィスカルメモリ100を実装している。このプリンタ1は、フィスカルプリンタとも呼ばれ、販売取引の際には販売取引に関するフィスカルデータ(フィスカル情報ともいう)をモニタリングして記憶するために使用される。フィスカルメモリ基板10はフィスカル基板ともいう。
【0023】
フィスカルメモリ100に記憶されているフィスカルデータが改ざんできないようにするために、フィスカルメモリ100はフィスカルユニット20から簡単に取り外しできない構成とすることが、法律(フィスカル法)で要求されている。会計上のフィスカル法(フィスカルデータ、フィスカル情報)の内容は、国によって異なっている。
【0024】
まず、図1〜図3を参照して、プリンタ1の構造について説明する。図3は、本体2の後部5の下部にフィスカルユニット20が装着されている状態を示すプリンタ1の側面図である。
【0025】
図1と図2に示すプリンタ1は、本体2と下部カバー3を有している。プリンタ1は、例えば顧客に渡すフィスカルレシートや、小売業者用のレシートの控えであるジャーナルを印刷して排出したり、1日毎の合計を記憶したり、レシートの商品品目毎に合計額を加算する。
【0026】
図1に示す本体2の前部4は、例えばフィスカルレシートやジャーナルを排出する。本体2の後部5の下部には、長方形状の開口部6が設けられている。
【0027】
図3に示すように、フィスカルユニット20が、後部5の開口部6に対応して本体2に対して着脱可能に装着されるようになっている。このフィスカルユニット20はフィスカルモジュールと呼ぶこともできる。
【0028】
図2に示すように、このフィスカルユニット20は、第1基板としてのフィスカルメモリ基板10と、第2基板であるインターフェース基板200と、金属製のカバー部材300を有している。フィスカルメモリ基板10とインターフェース基板200は、カバー部材300によりY方向に沿って平行に保持されている。図2に示す例では、フィスカルメモリ基板10とインターフェース基板200は共に長方形あるいは正方形の回路基板である。図示例では、インターフェース基板200側に実装される部品数がフィスカルメモリ基板10に実装される部品数に比べて多いことから、インターフェース基板200がフィスカルメモリ基板10に比べて大きい。
【0029】
次に、図4と図5を参照して、フィスカルユニット20のフィスカルメモリ基板10とインターフェース基板200と金属製のカバー部材300の構造について、詳しく説明する。
【0030】
図4は、カバー部材300とフィスカルメモリ基板10を第1方向から示す斜視図であり、図5は、カバー部材300とフィスカルメモリ基板10を第1方向とは反対の第2方向から示す斜視図である。カバー部材300は、基板のホルダーとも呼ぶことができる。
【0031】
まず、カバー部材300について説明する。図4と図5に示すように、カバー部材300は、例えば鉄板などの金属板を折り曲げることにより箱形に形成されており、側面部301,302,303,304と、底面部305を有している。
【0032】
側面部301,302,303,304は、底面部305の4辺から90度立ち上げて形成されている。側面部301と側面部302は対向して配置され、側面部303と側面部304は対向して配置されている。側面部301と側面部302の面積は、側面部303と側面部304の面積に比べて大きい。
【0033】
図4に示すように、4つの側面部301,302,303,304と底面部305は、収容空間320を形成している。この収容空間320の開口部321には、図2に示すインターフェース基板200の挿入端部側が挿入して保持されるようになっている。
【0034】
カバー部材300の収容空間320内には、保持部410が、フィスカルメモリ基板10を挿入して保持するために設けられている。
【0035】
側面部303は取り付け片部306を有し、側面部304は取り付け片部307を有している。取り付け片部306,307は、側面部303と側面部304からそれぞれ90度外側に向けて折り曲げて形成されている。取り付け片部306,307は、それぞれボルトを挿入するための穴308を有している。
【0036】
図2に示すように、このフィスカルユニット20のカバー部材300は、ボルト310を穴308に通してボルト310を本体2の雌ネジ311にねじ込むことで、本体310の開口部6に対応して後部5に対して着脱可能に固定することができる。図4に示すカバー部材300の開口部321の大きさは、例えば図2に示す本体2の開口部6の大きさに対応している。
【0037】
このようにしてフィスカルユニット20が本体2に対して固定された状態では、図3に示すように、フィスカルメモリ基板10の一部分とインターフェース基板200の一部分が、本体2内に位置決めされる。
【0038】
次に、図4と図5に示すフィスカルメモリ基板10を保持するための保持部410について説明する。
【0039】
カバー部材300の保持部410は、収容空間であるスペース441を有しており、フィスカルメモリ基板10がスペース441内に挿入される。カバー部材300の保持部410は、フィスカルメモリ基板10とフィスカルメモリ100および回路上機能する部品を保護するための保護装置である。
【0040】
この保持部410は、ケースあるいはポケット部とも言うことができ、保持部410は、カバー部材300の収容空間320内において、側面部302の内面330側に設けられている。
【0041】
保持部410は、側面部302の内面330と、側面部411と、側面部412,413と、底面部414により形成されている薄型の容器である。側面部302の内面330と側面部411と側面部412,413は、長方形状の開口部440を形成している。
【0042】
図6は、保持部410を示す平面図である。図4と図6に示す開口部440の長さLは、フィスカルメモリ基板100の長さMよりもやや大きく、開口部440の幅Dは、フィスカルメモリ基板100の厚みNよりも大きく設定されている。
【0043】
図4と図6に示すように、側面部302の内面330と側面部411の内面491には、それぞれ複数の突起部450が突出して形成されている。内面330の各突起部450と内面491の各突起部450は、例えば互いに対面する位置に形成されている。
【0044】
内面330の各突起部450は、好ましくは内面330において開口部440側に近い位置において間隔を空けて並べて形成されている。内面491の突起部450は、好ましくは内面491において開口部440側に近い位置において間隔を空けて並べて形成されている。つまり、各突起部450は、好ましくは保持部410の開口部440に近い位置であって、底面部414からは離れた位置に形成されている。各突起部450は図示例では例えば円形断面を有する。
【0045】
次に、図2に示すフィスカルメモリ基板10の形状例と、インターフェース基板200の形状例について説明する。
【0046】
図2に示すように、フィスカルメモリ基板10とインターフェース基板200は、フィスカルユニット20のカバー部材300に対して挿入して保持される。
【0047】
フィスカルメモリ基板10は、図4と図5に示すように保持部410内のスペース441内に挿入して保持される。インターフェース基板200は、図2と図3に示すようにカバー部材300の収容空間320内に挿入して保持される。フィスカルメモリ基板10はインターフェース基板200に対して平行になるように保持されている。
【0048】
図4と図5に示すように、フィスカルメモリ基板10は、第1面10Aと第2面10Bを有している。
【0049】
図4に例示するように、フィスカルメモリ基板10の第1面10Aには、CPLD11と、例えばその他の回路上機能する部品100M、100Nなどが実装されている。
【0050】
図5に例示するように、フィスカルメモリ100とその他の回路上機能する電子部品100Hとコネクタ100Tが実装されている。
【0051】
図4に示すCPLD11は、図2のインターフェース基板200に実装されたメインCPUと、図5に示すフィスカルメモリ100に電気的に接続されている。このCPLD11は、プログラム可能な論理回路を書き込んだデバイスであり、フィスカルメモリ100への書き込み/読み出しを制御する。また、CPLD11はデータの改ざんの防止の機能を持っている。
【0052】
フィスカルメモリ100は、売り上げに対する税金のデータを記録して、改ざん防止のために、ワンタイムROMと呼ばれる1つのアドレスに1度しか書き込みできないタイプのメモリを使用する。
【0053】
図5に示すコネクタ100Tは、フレキシブルフラットケーブル100Fの一端部側に電気的に接続され、別のコネクタ100Gは、フレキシブルフラットケーブル100Fの他端部側に電気的に接続されている。コネクタ100Gは、図2に示すようにインターフェース基板200側に対して電気的かつ機械的に接続される。これにより、フィスカルメモリ基板10の回路とインターフェース基板200の回路は、フレキシブルフラットケーブル100Fを通じて電気的に接続されている。
【0054】
図7は、フィスカルメモリ基板10の第1面10Aと第2面10Bを示しており、特に第1面10Aと第2面10Bにおける接触防止部150,160の配置例を示している。
【0055】
図7に示すように、フィスカルメモリ基板10の第1面10Aには、ほぼ四隅の位置に電気絶縁性を有する接触防止部150が搭載されている。これらの4つの接触防止部150は、図4に示すフィスカルメモリ基板10の第1面10Aと側面部411の内面491との間に電気絶縁用の空間を確保することで、第1面10AのCPLD11とその他の回路上機能する部品100M、100Nなどと側面部411の内面491との電気的な接触を無くして電気絶縁性を確保する。
【0056】
この接触防止部150は、フィスカルメモリ基板10の第1面10Aに搭載されて回路上機能する部品、例えばコンデンサやダイオードなどであっても良いし、フィスカルメモリ基板10の第1面10Aに搭載されて回路上機能しないダミー部品であっても良い。
【0057】
また、図5と図7に示すように、フィスカルメモリ基板10の第2面10Bには、ほぼ四隅の位置に電気絶縁性を有する接触防止部160が搭載されている。これらの4つの接触防止部160は、図5に示すフィスカルメモリ基板10の第2面10Bと内面330との間に電気絶縁用の空間を確保することで、第2面10Bのフィスカルメモリ100などと内面330の内面との間の電気的な接触を無くして電気絶縁性を確保する。
【0058】
この接触防止部160は、フィスカルメモリ基板10の第2面10Bに搭載されて回路上機能する部品、例えばコンデンサやダイオードなどであっても良いし、フィスカルメモリ基板10の第2面10Bに搭載されて回路上機能しないダミー部品であっても良い。接触防止部150,160は、図示例では互いに対応する位置に位置決めされている。
【0059】
このように、接触防止部150,160は、フィスカルメモリ基板10の第1面10Aと第2面10Bと、保持部410の内面330,491との間に機械的な間隔を設定することで、金属製の保持部410に対する電気的絶縁を確保できる。
【0060】
接触防止部150の第1面10Aにおける実装高さ(搭載高さ)は、フィスカルメモリ基板10に実装されているCPLD11と、例えばその他の回路上機能する部品100M、100Nなどの第1面10Aにおける実装高さ(搭載高さ)よりも大きく設定されている。これにより、各部品が側面部411の内面491に対して電気的に接触するのを確実に防げる。
【0061】
接触防止部160の第2面10Bにおける実装高さ(搭載高さ)は、フィスカルメモリ基板10に実装されているフィスカルメモリ100や他の部品100Hなどの第2面10Bにおける実装高さ(搭載高さ)よりも大きく設定されている。これにより、各部品が保持部410の側面部330に対して電気的に接触するのを確実に防げる。
【0062】
図2に示すインターフェース基板200は、コネクタC1,C2,C3とメインCPU(中央処理装置)とメモリなどを実装している。インターフェース基板200のコネクタC3は、プリンタ1の本体2内に配置されているメイン基板500に対して電気的かつ機械的に接続することができる。また、インターフェース基板200は、コネクタC1,C2を用いてホストコンピュータ(HOST)700に対して電気的に接続される。
【0063】
次に、フィスカルメモリ基板10が、カバー部材300の保持部410のスペース441内に挿入して保持されてしかも固定されるフィスカルユニットの製造方法を説明する。
【0064】
図8に示すように、カバー部材300の保持部410のスペース441内には、封止剤560が、封止剤供給部550からシリンジ551を通じて供給される。これにより、図9と図10に示すように、所定量の封止剤560が保持部410のスペース441内に充填される。この際に、保持部410内には複数の突起部450があるが、封止剤560の充填には支障がない。封止剤560としては、例えばエポキシ樹脂のような樹脂を採用することができる。
【0065】
次に、図9に示すように、フィスカルメモリ基板10が、E方向に沿って保持部410のスペース441内に挿入される。図11と図12に示すように、フィスカルメモリ基板10は、その一部分を除いて保持部410のスペース441内に収容して保持される。図12に示すように、フィスカルメモリ基板10の第1面10Aの各部品と第2面10Bの各部品は封止剤560により覆われることで封止される。
【0066】
これにより、図12(B)に示すように、第1面10A側のCLPD11と第2面10B側のフィスカルメモリ100は、封止剤560により覆われることで確実に封止される。保持部410のスペース441内に充填される封止剤560の量としては、封止剤560が、フィスカルメモリ基板10の第1面10Aの各部品と第2面10Bの各部品および各突起部450を覆うことができ、しかも第1面10Aと第2面10Bと保持部410の間を充填できる量である。
【0067】
ところで、図12(A)と図12(B)に示すように、フィスカルメモリ基板10の第1面10Aには、ほぼ四隅の位置に接触防止部150が搭載され、フィスカルメモリ基板10の第2面10Bには、ほぼ四隅の位置に接触防止部160が搭載されている。このことから、4つの接触防止部150は、図12に示すフィスカルメモリ基板10の第1面10Aと側面部411の内面491との間の電気的な接触を無くして電気絶縁性を確保すると共に、フィスカルメモリ基板10の第2面10Bと内面330との間の電気的な接触を無くして電気絶縁性を確保できる。
【0068】
また、図12(A)と図12(B)に示すように、保持部410内には複数の突起部450が予め設けられているが、封止剤560が各突起部450を覆うようにして保持部410内に充填されている。これにより、封止剤560が固まって、フィスカルメモリ基板10が保持部410内で固定された後に、仮にフィスカルメモリ100内のフィスカルデータを改ざんしようとする者が、フィスカルメモリ基板10を図11のZ方向に持ち上げて保持部410内から引き抜こうとしても、複数の突起部450は封止剤560が持ち上がるのを防ぐストッパーの役目を果たす。従って、フィスカルメモリ基板10自体やフィスカルメモリ基板10を覆っている封止剤560に痕跡を残さずには、フィスカルユニット20の保持部410内からフィスカルメモリ基板10を取り出すことができない。このため、フィスカルメモリ100の改ざんを確実に防止することができる。
【0069】
以上のように、フィスカルメモリ基板10は、フィスカルユニット20のカバー部材300の保持部410から容易には抜くことができないので、フィスカルメモリ基板10のフィスカルメモリ100に記憶されているフィスカルデータの改ざんを、確実に防止することができる。
【0070】
フィスカルメモリ基板10は封止剤560により固定されしかも突起部450により抜き出し難くしていることから、仮に、フィスカルメモリ基板10が、カバー部材300の保持部410から無理やり抜き取れたとしても、フィスカルメモリ基板10のフィスカルメモリ100と覆っている封止剤560には破損の痕跡が残ることから、この場合には、例えばフィスカルメモリ100のフィスカルデータを改ざんしたものとみなすことができる。
【0071】
上述した例では、図9に示すように先に封止剤560が保持部410内に注入されて、その後保持部410内にフィスカルメモリ基板10が挿入されるようにしている。このように先に封止剤560を保持部410内に入れた後に、保持部410内にフィスカルメモリ基板10を挿入するので、封止剤560は保持部410の内面とフィスカルメモリ基板10の各部品の間に確実に充填でき、封止剤560はフィスカルメモリ基板10の各部品と突起部450を確実に覆うことができる。逆に、保持部410内にフィスカルメモリ基板10を挿入した後に、封止剤560を保持部410内に注入してもよいが、この場合には保持部410の内面とフィスカルメモリ基板10の間に封止剤560をゆっくりと注入しなければならないので、封止剤560の注入に時間がかかってしまう。
【0072】
また、フィスカルメモリ基板10は接触防止部150,160を有しており、フィスカルメモリ基板10をカバー部材300内に挿入して固定する際に、フィスカルメモリ基板10をカバー部材300に対して別途電気絶縁するための別部品を作成する必要がない。このことから、フィスカルユニット20の構造を簡単化でき、保持部410をできる限りフィスカルメモリ基板10の厚みに近づけることができるので、フィスカルユニット20の薄型化が図れる。
【0073】
接触防止部150,160をフィスカルメモリ基板10に対して実装する工程だけを追加的に行えば済むので、フィスカルメモリ基板を絶縁処理のための余分な製造工程が不要となる。
【0074】
接触防止部150,160がフィスカルメモリ基板10に実装されていることにより、フィスカルメモリ基板10と保持部410の間には、確実に空間が形成でき、この空間に樹脂などの封止剤を容易にしかも確実に充填することができる。
【0075】
フィスカルメモリ基板10の第1面と第2面には、それぞれ高さのある部品がバランス良く配置されており、フィスカルメモリ基板10は狭いスペースの保持部410内に挿入されても、フィスカルメモリ基板10の各部品と金属製の保持部410との間の電気絶縁性を確保できる。
【0076】
図13は、フィスカルユニット20とプリンタ1の本体2側の回路構成例を示している。図13において、フィスカルユニット20は、すでに説明したように、第1基板としてのフィスカルメモリ基板10と、第2基板としてのインターフェース基板200を有している。
【0077】
図13に示すように、フィスカルメモリ基板10は、フィスカルメモリ100とその他にCPLD11を実装している。
【0078】
インターフェース基板200は、フィスカルメモリ100とは別の部品であるコネクタC1,C2,C3と、通信IC(集積回路)21と、メインCPU22と、ROM23と、RAM24と、RTC25と、サブCPU26と、EJメモリ27を実装している。
【0079】
このように、フィスカルメモリ基板10は、フィスカルメモリ100を実装しており、フィスカルメモリ100とは別の部品はインターフェース基板200において分けて実装しておく。これにより、機能別に分けたフィスカルメモリ基板10と、インターフェース基板200を組み合わせることにより、インターフェース基板200は各種のプリンタに共通して使用できる。すなわち、フィスカルメモリ基板10に実装されているフィスカルメモリ100には、プリンタの機種やプリンタが使用される国毎に異なるフィスカルデータが記憶されるので、フィスカルメモリ基板10を変えれば、フィスカルユニット20は、各種のプリンタに共通して使用できる。
【0080】
図13に示すように、コネクタC1,C2はHOSTコンピュータ700と通信IC21とを接続しており、コネクタC1は、通常使用時にHOSTコンピュータ700とコマンドやデータの送受信を行う。コネクタC2は、政府の調査官がフィスカルメモリ100のデータを読み出す時のみに使う。
【0081】
通信IC21は、メインCPU22に接続されており、通信IC21は、HOSTコンピュータ700とのデータ送受信を行う。メインCPU22は、フィスカルユニット20の全体を制御する。メインCPU22は、コネクタC1,C2のどちらから送信されたかは、送られてきたコマンドを解析して判断する。
【0082】
図13に示すように、ROM23と、RAM24と、RTC25と、サブCPU26は、メインCPU22に接続されている。ROM23には、フィスカルユニット20全体を制御するファームウェアが格納されている。RAM24は、データの一時記憶を行う。RTC25は、リアルタイムクロックであり、年月日時間をカウントするICである。
【0083】
図13に示すEJメモリ27は、電子ジャーナルメモリであり、売上データを記録する。サブCPU26は、EJメモリ27の書き込み/読み出しを制御し、データの改ざんの防止も行う。コネクタC3は、プリンタ1の本体のメイン基板500に対してメインCPU22を接続して、メインCPU22とのデータ送受信を行う。
【0084】
図13に示すように、CPLD11は、メインCPU22に接続されている。このCPLD11は、プログラム可能な論理回路を書き込んだデバイスであり、フィスカルメモリ100への書き込み/読み出しを制御する。また、CPLD11はデータの改ざんの防止の機能を持っている。フィスカルメモリ100は、売り上げに対する税金のデータを記録して、改ざん防止のために、ワンタイムROM2と呼ばれる1つのアドレスに1度しか書き込みできないタイプのメモリを使用する。
【0085】
プリンタ1のメイン基板500は、プリンタメカニズム1Mの動作を制御する。
【0086】
次に、図14を参照して、顧客がプリンタ1を通常使用する場合について、そのプリンタ1の動作手順例について説明する。
【0087】
図14に示すように、ステップS1では、HOSTコンピュータ700からデータが送信され、ステップS2では、そのデータをコネクタC1から通信IC21を通じてメインCPU22に受信する。ステップS3では、メインCPU22が、送信されてきたコマンドとデータを解析する。
【0088】
ステップS3におけるコマンドとデータの解析の結果、データがステップS10の税金データである場合には、ステップS11において、メインCPU22がCPLD11に対して書き込み要求を送信する。ステップS12では、CPLD11がメインCPU22に対して書き込み許可を送信する。
【0089】
図14に示すように、ステップS13では、メインCPU22がCPLD11に対して書き込みデータを送信して、ステップS14では、CPLD11がフィスカルメモリ100に対してデータを書き込む。ステップS15では、フィスカルメモリ100に対するデータの書き込みが終了していないときにはステップS13に戻り、フィスカルメモリ100に対するデータの書き込みが終了するとステップS2に戻る。
【0090】
また、ステップS3におけるコマンドとデータの解析の結果、データがステップS20の売上データである場合には、ステップS21において、メインCPU22がサブCPU26に対して書き込み要求を送信する。ステップS22では、サブCPU26がメインCPU22に対して書き込み許可を送信する。
【0091】
図14に示すように、ステップS23では、メインCPU22がサブCPU26に対して書き込みデータを送信する。ステップS24では、書き込みデータを取り込み、ステップS25では書き込みデータの取り込みが終了しなければステップS23に戻り、終了したらステップS26に移る。
【0092】
ステップS26では、サブCPU26が書き込みデータをイメージデータに変換して、ステップS27では、サブCPU26がEJメモリ27に対してデータの書き込みを行い、ステップS2に戻る。
【0093】
さらに、ステップS3におけるコマンドとデータの解析の結果、データがステップS30の売上データである場合には、ステップS31において、メインCPU22がコネクタC3に印刷データを送信する。
【0094】
図14に示すように、ステップS32では、メイン基板500は、コネクタC3から印刷データを受信する。ステップS33では、メイン基板500からプリンタメカニズム1Mに印刷データが送信され、ステップS34では印刷媒体に対して印刷を行う。ステップS35では、印刷データが終了したら、ステップS2に戻る。
【0095】
次に、図15を参照して、例えば政府の調査官がプリンタ1を使用する場合について、そのプリンタ1の動作手順例について説明する。
【0096】
ステップS101では、HOSTコンピュータ700からデータが送信され、ステップS102では、そのデータをコネクタC2から通信IC21を通じてメインCPU22に受信する。ステップS103では、メインCPU22が、送信されてきたコマンドとデータを解析する。
【0097】
ステップS103におけるコマンドとデータの解析の結果、データがステップS110の税金データである場合には、ステップS111において、メインCPU22がCPLD11に対して読み出し要求を送信する。ステップS112では、CPLD11がメインCPU22に対して読み出し許可を送信する。
【0098】
ステップS113では、フィスカルメモリ100がCPLD11に対してデータを読み出して、ステップS114では、CPLD11がメインCPU22に対して読み出しデータを送信する。
【0099】
ステップS115では、読み出しデータが終了しなければステップS113に戻り、読み出しデータが終了すれば、ステップS116に移り、メインCPU22からコネクタC2に対して読み出しデータを送信して、ステップS117では、コネクタC2からHOSTコンピュータ700に読み出しデータを送信して、ステップS102に戻る。
【0100】
ステップS103におけるコマンドとデータの解析の結果、データがステップS120の売上データである場合には、ステップS121において、メインCPU22がサブCPU26に対して読み出し要求を送信する。ステップS122では、サブCPU26がメインCPU22に対して読み出し許可を送信する。
【0101】
ステップS123では、EJメモリ27がサブCPU26に対して読み出しデータを送信して、ステップS124では、読み出しデータを取り込む。ステップS125では、読み出しデータが終了していないときにステップS123に戻る。
【0102】
ステップS125において読み出しデータが終了したら、ステップS126ではサブCPU26がメインCPU22に対して読み出しデータ送信を行い、ステップS116に移り、メインCPU22からコネクタC2に対して読み出しデータを送信して、ステップS117では、コネクタC2からHOSTコンピュータ700に読み出しデータを送信して、ステップS102に戻る。
【0103】
本発明の実施形態では、フィスカルユニット20はフィスカルデータを記憶するフィスカルメモリ100を有する。このフィスカルユニット20は、フィスカルメモリ100が実装された第1基板としてのフィスカルメモリ基板10と、フィスカルメモリ100とは異なる別の部品が実装された第2基板としてのインターフェース基板200と、第1基板と第2基板を保持するカバー部材300を備える。
【0104】
これにより、フィスカルメモリ基板10は、フィスカルメモリ100を実装しており、フィスカルメモリ100とは別の部品はインターフェース基板200に分けて実装しておくことにより、機能別に分けたフィスカルメモリ基板10と、インターフェース基板200を組み合わせることにより、インターフェース基板200は各種のプリンタに共通して使用できる。すなわち、フィスカルメモリ基板10に実装されているフィスカルメモリ100には、プリンタの機種やプリンタが使用される国毎に異なるフィスカルデータが記憶されるので、フィスカルメモリ基板10を変えれば、フィスカルユニット20は、各種のプリンタに共通して使用できる。
【0105】
また、フィスカルメモリ100を搭載しているフィスカルメモリ基板10は、インターフェース基板200とは別にして、カバー部材300において固定することができるので、フィスカルメモリ100のフィスカルデータが改ざんできないようにすることができる。
【0106】
本発明の実施形態では、カバー部材300は、第1基板であるフィスカルメモリ基板10を挿入して保持する保持部410と、第2基板であるインターフェース基板200を保持する収容空間320を有する。これにより、カバー部材300は、フィスカルメモリ基板10とインターフェース基板200を別々に保持できる。
【0107】
本発明の実施形態では、保持部410内には、第1基板であるフィスカルメモリ基板10を挿入して保持状態で封止剤560を用いて固定されており、第1基板のフィスカルメモリ100が保持部410内において封止剤560により覆われている。これにより、フィスカルメモリ100は封止剤410により覆った状態で、フィスカルメモリ基板10は保持部410内で確実に固定できる。
【0108】
本発明の実施形態では、保持部410は、第1基板であるフィスカルメモリ基板10の第1面10Aと第2面10Bを覆っており、保持部410と第1基板の第1面10Aと第2面10Bとの間に封止剤560が満たされている。これにより、フィスカルメモリ基板10の第1面10Aと第2面10Bとフィスカルメモリ100は封止剤410により覆った状態で、フィスカルメモリ基板10は保持部410内で確実に固定できる。
【0109】
本発明の実施形態では、フィスカルメモリ基板10に対面する保持部410の内面には、突起部450が形成されている。これにより、封止剤560とフィスカルメモリ基板10を保持部410内から抜き出すことが困難になり、フィスカルメモリ100のフィスカルデータの改ざんを防止できる。
【0110】
本発明の実施形態では、突起部450は封止剤560である樹脂により覆われている。これにより、突起部450の存在により、封止剤560とフィスカルメモリ基板10を破壊の痕跡を残さない状態では封止剤560とフィスカルメモリ基板10を保持部410内から抜き出すことが困難になり、フィスカルメモリ100のフィスカルデータの改ざんを防止できる。
【0111】
本発明の実施形態では、突起部450は、フィスカルメモリ基板10を挿入するための保持部410の開口部に近い位置に形成されている。これにより、突起部450が保持部410の開口部に近い位置に存在していることにより、封止剤560とフィスカルメモリ基板10を保持部410内から抜き出すことがさらに困難になる。
【0112】
本発明の実施形態では、フィスカルメモリ基板10に配置されて、フィスカルメモリ基板10が保持部410に挿入された状態で、フィスカルメモリ基板10が保持部410に接触するのを防止して電気絶縁性を確保する接触防止部150,160を備えている。これにより、フィスカルユニット20が金属製のものであっても、フィスカルユニット20の保持部410とフィスカルメモリ基板10の各部品や回路配線パターンなどの導体物との間の電気絶縁性を確保できる。また、保持部410を薄型化できる。
【0113】
本発明の実施形態では、第1基板であるフィスカルメモリ基板10と第2基板であるインターフェース基板200は、カバー部材300において間隔をおいて平行に配置されている。これにより、フィスカルメモリ基板10とインターフェース基板200は平行に配置できるので、フィスカルメモリ基板10とインターフェース基板200の電気的な接続が容易であり、フィスカルユニット20の薄型化が図れる。
【0114】
本発明の実施形態では、第2基板は、ホストコンピュータ700からのデータを受け取り、プリンタ1側のメイン基板500にデータを送り、第1基板の前記フィスカルメモリ100との間でデータのやりとりを行うインターフェース基板200である。これにより、インターフェース基板200は、各種のプリンタに共通して使用することができる。
【0115】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形例を採用できる。
【0116】
封止剤560は、例えばエポキシ樹脂などの樹脂以外の電気絶縁性を有する材料を使用することも可能である。フィスカルメモリ基板とインターフェース基板は、カバー部材において平行ではなくそれ以外の形態で保持されるようにしても良い。
【0117】
突起部450は、内面330と側面部411においてそれぞれ例えば4つ点状に形成されているが、突起部450の形成個数や形状に特に限定されるものではない。例えば図13に示すように、突起部450Tは、開口部440に沿って線状に形成されている。
【0118】
突起部が形成されているのは、開口部440側に近い位置であるが、これに限らず他の位置であっても良い。
【0119】
また、接触防止部150,160は、例えば回路上機能する部品や、回路上機能しないダミー部品を使用できるが、この他に電気絶縁性を有する他の種類の部品あるいは突起を設けることができる。
【0120】
接触防止部は、フィスカルメモリ基板の両面に設けている。しかし、フィスカルメモリやその他の回路上機能する部品がフィスカルメモリ基板の一方の面に設けられており、他方の面には部品と回路配線パターンなどの導電物が形成されていない場合には、例えば接触防止部が、少なくともその一方の面に配置する。すなわち、接触防止部はフィスカルメモリ基板の片面だけに設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明のフィスカルユニットおよびフィスカルユニットを有するプリンタの好ましい実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明のフィスカルユニットおよびフィスカルユニットを有するプリンタの好ましい実施形態を示す斜視図である。
【図3】本体の後部の下部にフィスカルユニットが装着されている状態を示すプリンタの側面図である。
【図4】金属製のカバー部材とフィスカルメモリ基板を第1方向から示す斜視図である。
【図5】金属製のカバー部材とフィスカルメモリ基板を第2方向から示す斜視図である。
【図6】封止剤が充填される前の保持部を示す平面図である。
【図7】フィスカルメモリ基板の第1面と第2面における接触防止部の配置例を示す図である。
【図8】封止剤が充填される状態を示す斜視図である。
【図9】封止剤が充填された後の保持部を示す斜視図である。
【図10】封止剤が充填された後の保持部を示す図である。
【図11】フィスカルメモリ基板が保持部に挿入して保持された状態を示す斜視図である。
【図12】フィスカルメモリ基板が保持部に挿入して保持された状態を示す図である。
【図13】フィスカルユニットとプリンタの本体側の回路構成例を示す図である。
【図14】顧客がプリンタを通常使用する場合について、そのプリンタの動作手順例を示す図である。
【図15】政府の調査官がプリンタを使用する場合について、そのプリンタの動作手順例を示す図である。
【符号の説明】
【0122】
1 プリンタ 2 プリンタの本体
10 フィスカルメモリ基板(第1基板)
10A フィスカルメモリ基板の第1面
10B フィスカルメモリ基板の第2面 20 フィスカルユニット
100 フィスカルメモリ 150 接触防止部
160 接触防止部
200 インターフェース基板(第2基板) 300 カバー部材
410 保持部 441 保持部のスペース
560 封止剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィスカルデータを記憶するフィスカルメモリを有するフィスカルユニットであって、
前記フィスカルメモリが実装された第1基板と、
前記フィスカルメモリとは異なる別の部品が実装された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板を保持するカバー部材と、を備えることを特徴とするフィスカルユニット。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記第1基板を挿入して保持する保持部と、前記第2基板を保持する収容空間を有することを特徴とする請求項1に記載のフィスカルユニット。
【請求項3】
前記保持部内には、前記第1基板が挿入して保持された状態で封止剤を用いて固定されており、前記第1基板の前記フィスカルメモリが前記保持部内において前記封止剤により覆われていることを特徴とする請求項2に記載のフィスカルユニット。
【請求項4】
前記保持部は、前記第1基板の第1面と第2面を覆っており、前記保持部と前記第1基板の前記第1面と前記第2面との間に前記封止剤が満たされていることを特徴とする請求項3に記載のフィスカルユニット。
【請求項5】
前記第1基板に対面する前記保持部の内面には、突起部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のフィスカルユニット。
【請求項6】
前記突起部は前記封止剤である樹脂により覆われていることを特徴とする請求項5に記載のフィスカルユニット。
【請求項7】
前記突起部は、前記第1基板を挿入するための前記保持部の開口部に近い位置に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のフィスカルユニット。
【請求項8】
前記第1基板に配置されて、前記第1基板が前記保持部に挿入された状態で、前記第1基板が前記保持部に接触するのを防止して電気絶縁性を確保する接触防止部を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のフィスカルユニット。
【請求項9】
前記第1基板と前記第2基板は、前記カバー部材において間隔をおいて平行に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のフィスカルユニット。
【請求項10】
前記第2基板は、ホストコンピュータからのデータを受け取り、前記第1基板の前記フィスカルメモリとの間でデータのやりとりを行い、プリンタ側の基板にデータを送るインターフェース基板であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のフィスカルユニット。
【請求項11】
フィスカルデータを記憶するフィスカルメモリを備えるフィスカルユニットを有するプリンタであって、
前記フィスカルユニットは、
前記フィスカルメモリが実装された第1基板と、
前記フィスカルメモリとは異なる別の部品が実装された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板を保持するカバー部材と、を備えることを特徴とするフィスカルユニットを有するプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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