説明

フィットネスマシン

【課題】使用者がバランスボード上で実際に身体を動かし、その動きに応じて画面上に表示される移動体(たとえばボール、自転車など)をコース上で移動させながらバランス運動を行うことができるフィットネスマシンを提供する。
【解決手段】重量移動を検知する検知手段と、前記検知手段からの信号により指定の演算を実行する演算手段と、前記演算手段からの出力信号により所定の画面を表示する表示手段とを備え、前記表示手段は画面上に表示されるコースと、前記コース上を転がり移動する移動体とを表示する機能を有し、前記演算手段からの信号により、前記移動体をコース上で転がり移動できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者がバランスボード上で実際に身体を動かし、その動きに応じて画面上に表示される移動体(たとえばボール、自転車など)をコース上で移動させながらバランス運動を行うことができるフィットネスマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
音楽に合わせてステップを踏んでキー入力を行い、キャラクタをダンスさせたり、楽曲を演奏したりするタイプのゲーム機が関心を集めている(特許文献1)。これらのゲーム機は、プレーヤーがステップを踏んで全身運動を行うので、曲目によってはかなりのエネルギーを消費する。そのため、ストレスを発散して運動不足を解消し、楽しみながらダイエットができるという観点から、これをフィットネスマシンとして利用する人も多い。また、これとは別に身体の所定の部位の運動状態を検出する身体動作センシング装置等も開発されている(特許文献2)
【0003】
【特許文献1】特開2002−113142
【特許文献2】特開2001−198110
【0004】
しかしながら、前述のようなフィットネスマシンは、黙々とステップを踏んだりランニングやサイクリングを行う方式であるため運動量は多いものの、反射神経、バランス神経等を効果的に刺激する機能を備えていないという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、ジャイロセンサが内蔵されたバランスボード上に乗り、モニターに映し出される移動体(ボールや自転車など)のバランスを両足でコントロールしながら、画面上に表示されたコース上を転がして行くという新しい形式のフィットネスマシンを提供することにより、上記従来の問題点を解決することを目的とする。
本発明に係るフィットネスマシンによれば、上記従来型のフィットネスマシンでは達成することができなかったバランス感覚、反射神経を楽しみながら刺激することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術解決手段は、
重量の移動を検知する検知手段と、前記検知手段からの信号により指定の演算を実行する演算手段と、前記演算手段からの出力信号により所定の画面を表示する表示手段とを備え、前記表示手段は画面上に表示されるコースと、前記コース上を移動する移動体とを表示する機能を有し、前記演算手段からの信号により、前記移動体をコース上から外れぬように移動するべく構成したことを特徴とするフィットネスマシンである。
また、前記検知手段は、ジャイロセンサを内蔵したバランスボードであることを特徴とするフィットネスマシンである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の構成からなるフィットネスマシンによれば、従来のマシンでは達成できなかったバランス感覚、反射神経等を効果的に刺激することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、ジャイロセンサが内蔵されたバランスボード上に使用者が乗り、モニターに映し出される移動体のバランスを両足でコントロールしながら、画面上に表示されたコース上を転がして行くフィットネスマシンである。
【実施例】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明すると、図1は本発明に係るフィットネスマシンの斜視図、図2は本発明に係るフィットネスマシンのブロック図、図3は演算手段内で実行するプログラムのフローチャート、図4はフィットネスマシンのモニター画面に映し出される移動体とコースの説明図である。
【0010】
図1、図2において、1はジャイロセンサを内蔵した入力手段、2は演算手段、3はモニター(表示手段)であり、これらは図1に示すように一体に組み立てられている。
入力手段1は、本例では、ジャイロセンサを内蔵した略円形のバランスボードで構成されており、使用者がバランスボード上で体重移動をするとその状態を検知し、荷重状態を演算手段に入力できるようになっている。
演算手段2は入力手段1からの信号にもとづき、例えば、表示手段に表示された球体を表示画面のコース上で移動させるプログラムを内蔵している。
表示手段3は、たとえば、画面上にコースと移動体とを表示できる機能を有しており、前記演算手段からの出力に応じて移動体がコース上に沿って移動する様子を表示することができる。なお、表示手段は、必要に応じて、移動体とコースからなる画面以外にも、種々の画面を表示できるようになっている。
【0011】
上記構成からなるフィットネスマシンの作動を説明する。
まず、フィットネスマシンのスイッチをONにするとプログラムがスタートし(ステップ1)、次いで表示手段の画面上にフィットネスのメニューが表示される(ステップ2)。続いて表示メニューの中から使用者は自分のしたい運動を選択する(ステップ3)。なおステップ2、3は適宜省略することが可能である。このような状態で使用者がバランスボード上でバランスを取りながら体重移動すると(ステップ4)、その信号が演算手段に入力して演算され(ステップ5)、ステップ5の演算結果に基づいてメニュー選択した運動に対応した画面が表示され移動体の移動がコントロールされる(ステップ6)。なお、本例ではステップ6で画面上に表示される移動体は球体であり、この球体が体重移動に応じて画面のコース上を移動する。
【0012】
即ち、図4に示すように球体が画面上に表示されているコース上を通るようにバランスを取りながら体重移動することにより、フィットネス運動を行う。なお、バランスボードは、プログラミングにより適度の負荷がかかった状態としてあり、バランスボードを踏み、バランスを保つことで、両足、及び上半身の「遅筋」及び「速筋」の両方を鍛える効果を生むと同時に「反射神経」「バランス神経」を刺激し、脳の活性化をも促進することができる。
【0013】
以上、本発明に係るフィットネスマシンについて説明をしたが、表示手段に表示される画面は、球体とコースだけでなく、サイクリング、綱渡り、登山など同様の機能を達成できる他の画面を採用することも可能である。
さらにまた、本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいかなる形でも実施できる。そのため、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず限定的に解釈してはならない。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、フィットネスマシンとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るフィットネスマシンの斜視図である
【図2】本発明に係るフィットネスマシンのブロック図である。
【図3】本発明に係るフィットネスマシンのプログラムのフローチャートである。
【図4】本発明に係るフィットネスマシンのモニターに表示される画面に説明図である。
【符号の説明】
【0016】
1 入力手段
2 演算手段
3 表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量の移動を検知する検知手段と、前記検知手段からの信号により指定の演算を実行する演算手段と、前記演算手段からの出力信号により所定の画面を表示する表示手段とを備え、前記表示手段は画面上に表示されるコースと、前記コース上を移動する移動体とを表示する機能を有し、前記演算手段からの信号により、前記移動体をコース上から外れぬように移動するべく構成したことを特徴とするフィットネスマシン。
【請求項2】
前記検知手段は、ジャイロセンサを内蔵したバランスボードであることを特徴とする請求項1に記載のフィットネスマシン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−271574(P2006−271574A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−93453(P2005−93453)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)