説明

フィン・アンド・チューブ型熱交換器

【課題】フィンと伝熱管との接触熱抵抗を効果的に低減して、高い熱交換性能を発揮可能とすると共に、ろう付けによってフィンと伝熱管とを固定する際に、ろう付け不良の発生を有利に低減することが可能なフィン・アンド・チューブ型熱交換器を提供すること。
【解決手段】フィン12の組付けスリット16の周縁部に立設されたカラー部20を、その先端側に向かうに従って厚さが薄くなるようにして、先端薄肉化形状とすると共に、かかるカラー部20を組付けスリット16の内方に傾斜させて、カラー部20の先端部が、扁平多穴管14の表面に対して弾性的に当接するようにして、フィン・アンド・チューブ型熱交換器を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィン・アンド・チューブ型熱交換器に係り、特に、家庭用エアコンや自動車用エアコン等の空調機において好適に用いられるフィン・アンド・チューブ型熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、家庭用エアコンや自動車用エアコン、パッケージエアコン等の空調用機器の他、冷蔵庫、ヒートポンプ式給湯器等には、蒸発器又は凝縮器として作動する熱交換器が用いられており、その中でも、家庭用室内エアコンや業務用パッケージエアコンにおいては、伝熱管にフィンを組み付けてなる構造のフィン・アンド・チューブ型熱交換器が、最も一般的に用いられている。
【0003】
ところで、かかるフィン・アンド・チューブ型熱交換器は、一般に、複数のフィン(外面フィン)に対して垂直方向に伝熱管を差し込み、それら複数のフィンと伝熱管とを接合させた構造のものにおいて、実用化されてきている。そして、そのような構造とされた熱交換器においては、伝熱管内に冷媒を流通せしめる一方、伝熱管に対して垂直方向に、前記複数のフィンの間隙に熱交換流体としての空気を流すことによって、冷媒と空気との間で熱交換が行われるようになっているのである。
【0004】
そして、このようなフィン・アンド・チューブ型熱交換器を構成するフィンは、一般的に、アルミニウム又はアルミニウム合金製の板材から構成されている。また、フィン・アンド・チューブ型熱交換器で用いられる伝熱管の一つとして、扁平な形状の管内部を複数の隔壁にて複数の流路に分割してなる構造を有する扁平多穴管が、知られている。この扁平多穴管にあっては、その製造の容易性から、通常、アルミニウム若しくはアルミニウム合金を材質として、それをポートホール押出して得られるものが、一般的に用いられている。このように、熱交換器を構成するためのフィンや伝熱管を全てアルミニウム材料によって構成することによって、フィン・アンド・チューブ型熱交換器を効果的に小型、軽量化することが可能となるのであり、またコスト的にも、銅材質のものよりも安価となる利点を有している。
【0005】
ところで、そのようなフィン・アンド・チューブ型熱交換器におけるフィンと伝熱管の代表的な接合方法としては、フィンに設けられた取付け孔内に挿通された伝熱管を、機械拡管や液圧拡管等で拡管して、かかる取付け孔の内面と伝熱管の外周面とを密着させる拡管法や、フィンの取付け孔内に伝熱管を圧入して組み付けるカチコミ法と呼ばれる手法、更には、フィンの取付け孔内に挿通された伝熱管の外周面と取付け孔との間隙をロウ材によって埋めて、接合を行うろう付け法等が、よく知られている。このような接合方法のうち、伝熱管として扁平多穴管を用いたフィン・アンド・チューブ型熱交換器の場合には、機械拡管法を用いて拡管することが困難であるため、一般的に、カチコミ法や、ろう付け法が多く採用されている。
【0006】
例えば、特開2007−155181号公報(特許文献1)においては、平板状のフィンに設けられた嵌合溝の周辺に切り起こし部を設けると共に、かかるフィンの複数を一定のピッチで平行に積層し、前記嵌合溝に、内部を冷媒が流動する断面外周が扁平の伝熱管を略直角に挿入して、フィンと伝熱管とが密着接合されるように構成したフィン・アンド・チューブ式の熱交換器が、明らかにされている。このような熱交換器によれば、フィンのエッジで伝熱管の外面に塗布された表面剤を傷つけることなく組み立てることが出来ると共に、フィンと伝熱管との接触面積を、かかる切り起こし部によって増大させることにより、効率よく熱伝達率を向上させることが出来ることとなる。
【0007】
また、特開2010−156525号公報(特許文献2)においては、アルミニウム合金からなる板状フィンを所定の間隔で積層し、かかる板状フィンに設けた溝に、長軸方向に長手方向に沿って冷媒流路が設けられた扁平な伝熱管を嵌入し、該伝熱管の前縁部外面に設けたはんだ層を溶融させて、該はんだにより、前記伝熱管を前記板状フィンに固定した熱交換器が、明らかにされている。このような熱交換器によれば、製造が容易で、コストを低減することが可能となり、信頼性の高い熱交換器を得ることが出来るのである。
【0008】
しかしながら、上記の特許文献1にて明らかにされている熱交換器にあっては、嵌合溝の周辺に切り起こし部を形成して、フィンと伝熱管との接触面積を増大しているものの、フィンと伝熱管との間には、微視的には、隙間が存在しており、そのため、充分な伝熱性能、換言すれば充分な熱交換性能を発揮することが出来ないものであった。
【0009】
また、特許文献2にて明らかにされている熱交換器にあっては、フィンと伝熱管をろう付けにて固定する際に、ろう付け不良が発生する恐れを内在するものであった。例えば、フィンピッチが小さく(狭く)なると、ろう付けの際に、伝熱管とフィンとを接合するろう材(はんだ)が、伝熱管とフィンとの間の間隙だけでなく、隣り合うフィンとフィンとの間に入り込んでフィン同士がくっついてしまい、フィンピッチが乱れる現象が発生する恐れがある。そして、このようなろう付け不良が発生することによって、熱交換媒体である空気の通風抵抗が増大してしまい、フィン・アンド・チューブ型熱交換器の熱交換性能が低下してしまう問題を惹起するのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−155181号公報
【特許文献2】特開2010−156525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、空気調和機のフィン・アンド・チューブ型熱交換器において、フィンと伝熱管との間の接触熱抵抗を効果的に低減して、高い熱交換性能を発揮可能とすると共に、ろう付けによってフィンと伝熱管とを固定する際に、ろう付け不良の発生を有利に低減することが可能なフィン・アンド・チューブ型熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そして、本発明にあっては、かくの如き課題の解決のために、互いに所定距離を隔てて積層配置されるアルミニウム若しくはその合金からなる多数のプレート状のフィンにおいて、それらの対応する周縁部で開口するように、それぞれ設けられた側方開口空所形状の組付けスリットに対して、アルミニウム若しくはその合金からなる扁平多穴管を嵌め込んで、組み付けてなるフィン・アンド・チューブ型熱交換器にして、前記フィンの組付けスリットの周りに立設されたカラー部を、その先端側に向かって厚さが漸次減少するように構成して、先端薄肉化形状とすると共に、かかるカラー部を内方に傾斜させて、該カラー部の先端部が前記扁平多穴管の表面に弾性的に当接せしめられるように構成したことを特徴とするフィン・アンド・チューブ型熱交換器を、その要旨とするものである。
【0013】
また、かかる本発明に従うフィン・アンド・チューブ型熱交換器の望ましい態様の一つによれば、前記カラー部は、前記扁平多穴管の表面に対して5°〜20°の角度をもって傾斜させられることとなる。
【0014】
さらに、本発明に従うフィン・アンド・チューブ型熱交換器の別の望ましい態様の一つによれば、前記カラー部の先端薄肉化形状は、該カラー部のテーパ状しごき加工によって形成されることとなる。
【0015】
更にまた、本発明に従うフィン・アンド・チューブ型熱交換器の好ましい態様の一つによれば、前記組付けスリットは、U字形状において形成されることとなる。
【発明の効果】
【0016】
従って、このような本発明に従う構成とされたフィン・アンド・チューブ型熱交換器によれば、フィンに設けられた組付けスリットの周りに立設されたカラー部が、先端側に向かって厚さが漸次減少するように、即ち、先端薄肉化形状とされると共に、スリットの内方に向かって傾斜させられているところから、かかるカラー部にバネ性が効果的に付与されることとなり、以て、そのようなカラー部の先端部を、前記組付けスリット内に挿入され、組み付けられる扁平多穴管の表面に対して、弾性的に当接せしめることが可能となるのである。そして、これにより、フィンと扁平多穴管との接合をより強固に行うことが可能となると共に、フィンと扁平多穴管との間の接触熱抵抗を効果的に低減させて、フィン・アンド・チューブ型熱交換器の熱交換性能を、有利に高め得ることが出来るのである。
【0017】
しかも、そのようにカラー部にバネ性が付与されていることによって、フィンの組付けスリットの内面、換言すれば、カラー部の内面と扁平多穴管の外面との間の間隙が効果的に減少せしめられ得て、フィンと扁平多穴管とをろう付けする際に必要なろう材の量を有利に低減することが出来るといった効果も発揮されることとなる。その結果、フィンと扁平多穴管とをろう付けする際に、余分なろう材がフィンとフィンとの間に流出して、隣り合うフィンとフィンとがくっつき、フィンピッチが乱れてしまう等のろう付け不良が発生する恐れを、有利に回避乃至は解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に従うフィン・アンド・チューブ型熱交換器の一例を示す斜視説明図である。
【図2】図1に示されるフィン・アンド・チューブ型熱交換器を構成するフィンを示す斜視説明図である。
【図3】図2に示されるフィンの組付けスリット部を拡大して示す断面説明図である。
【図4】本発明に従うフィン・アンド・チューブ型熱交換器のフィンと扁平多穴管との接合部分を拡大して示す斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0020】
先ず、図1には、本発明に従うフィン・アンド・チューブ型熱交換器用の実施形態の一つが、斜視図の形態において概略的に示されている。そこにおいて、熱交換器10は、互いに平行に且つ一定距離を隔てて積層、配置された複数枚のフィン12に対して、1本の扁平多穴管14が、かかるフィン12に設けられたスリット状の組付けスリット16に挿入された後、ろう付けによって固着されて、形成されている。
【0021】
より詳細には、フィン12は、従来と同様に、アルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる金属材料にて形成された、図2にも示されているように、矩形の平面形状を呈した薄肉の板状フィンとされている。そして、かかるフィン12の略中央部位には、扁平多穴管14が組み付けられる組付けスリット16が、矩形形状のフィン12の一方の辺の端部から対向する他方の辺に向かって延びるU字状のスリットとして、形成されている。更に、かかる組付けスリット16の周りには、所定高さで立設するカラー部20が、フィン12と一体的に形成されている。なお、かかるフィン12の厚さ(t)は、組み付けられる扁平多穴管14の大きさや、求められる熱交換器10の性能等に応じて、適宜に決定されるものであるが、好ましい一例としては、0.080mm以上、0.120mm以下の厚さとされることとなる。
【0022】
そして、かかる組付けスリット16の周縁部に形成されているカラー部20は、先端部に向かうに従って厚さ(t)が次第に薄くなるようにされていると共に、組付けスリット16の開口部内方に向かって所定角度:θをもって傾斜するように、構成されている。即ち、図3に拡大して示される如く、先端部の厚さ:tbが、根本部の厚さ:ta(フィン12の厚さ:t)よりも薄くされ、更に、カラー部20の先端部の幅:bが、根本部の幅:aよりも小さく(狭く)されることによって、組付けスリット16の周縁部から立ち上がるカラー部20が、その先端に向かうに従って、組付けスリット16の内方に向かって角度:θをもって傾斜するようになっているのである。このように、カラー部20が、その先端に向かうに従って薄肉とされると共に、組付けスリット16の内方に向かって傾斜するように形成されていることによって、かかるカラー部20に有効なバネ特性が付与されているのである。
【0023】
なお、かかるカラー部20の先端部の厚さ:tbは、好ましくは、フィン12の厚さ:t(カラー部20の根本部の厚さ:ta)の30%程度までの厚さとされることとなる。これは、厚さを過度に薄くすると、バネ性が充分に得られなくなってしまうからである。また、カラー部20の傾斜角度:θは、好ましくは、5°以上、20°以下とされることとなる。このような範囲の角度とすることによって、バネ特性を良好に確保して、カラー部20を効果的に扁平多穴管14に対して、有利に弾性的に当接せしめることが可能となる。
【0024】
また、かかるカラー部20の先端部の幅:bと、根本部の幅:aは、上記した傾斜角度を与える範囲内のものとされることに加えて、以下のような大きさとされることが好ましい。即ち、カラー部20の根本部の幅:aは、カラー部20(組付けスリット16)内に挿入される扁平多穴管14の扁平部位の最大厚さからその20%増までの範囲内とされると共に、先端部の幅:bは、扁平多穴管14の扁平部位の最大厚さからその20%減までの範囲内とされることが好ましいのである。カラー部20の幅を、このような範囲内の大きさとすることによって、カラー部20の先端部を扁平多穴管14の表面に対して弾性的に当接せしめる作用を、より有利に発揮させることが出来るのである。
【0025】
さらに、かかるカラー部20の高さ:hは、一般に、0.2mm〜1.6mm程度、望ましくは0.4mm〜1.0mm程度とされることとなる。これは、カラー部20の高さが低すぎると、フィンピッチの乱れを防止する効果が低くなってしまうからであり、またカラー部20の高さが高すぎると、かかるカラー部20の先端部が、隣り合うフィン12のカラー部20の内面と扁平多穴管14の外面との隙間に入り込んでしまう恐れが惹起されるのである。
【0026】
ところで、このようなカラー部20が形成されたフィン12は、例えば、以下のような公知の加工方法によって有利に得ることが出来る。即ち、先ず、所定のアルミニウム若しくはアルミニウム合金からなるアルミニウム板材をプレス加工することによって、フィン12の外形形状とされ、更に、扁平多穴管14の外面形状に対応した組付けスリット16や、その組付けスリット部位の材料の切り起こしによって、かかる組付けスリット16の周縁部から所定高さで立設するカラー形成部が一体的に形成されたものが準備される。その後、そのようなカラー形成部に対して、しごき加工を施すことによって、その先端に向かうに従って薄肉となるカラー部20が形成されるのである。また、このしごき加工の際に使用するパンチやダイの両方に、所定のテーパー角度を設けておくことによって、カラー部20が組付けスリット16の内方に向かって所定角度:θをもって傾斜するようにされるのである。
【0027】
一方、扁平多穴管14は、アルミニウム若しくはアルミニウム合金からなる金属材料を用い、これにポートホール押出加工等の公知の加工方法を施すことによって、形成されることとなる。なお、ここでは、管軸方向に延びる7つの穴22が形成されてなる、扁平形状を呈する多穴管とされている。
【0028】
そして、そのような扁平多穴管14とフィン12を用いて、かかるフィン12の複数枚を、それぞれに形成された組付けスリット16を一致させた状態下において、互いに平行に且つ一定距離を隔てるように配置せしめ、その一致させた組付けスリット16内に、扁平多穴管14を嵌め込んで、それらを組み付けた後に、置きろう等の方法にてろう付け加工を施すことにより、目的とするフィン・アンド・チューブ型熱交換器10が製作されるのである。なお、ここでは図示しないが、扁平多穴管14のそれぞれの両端部には、所定のヘッダがそれぞれ接続されて、扁平多穴管14の7つの穴22、即ち、管軸方向に延びる冷媒が流通せしめられる7つの流路が、冷媒の入口側と出口側においてそれぞれまとめられて、フィン・アンド・チューブ型熱交換器10として構成されている。
【0029】
従って、このような本発明に従う構成とされたフィン・アンド・チューブ型熱交換器10によれば、フィン12の組付けスリット16周縁部から一体的に立設するカラー部20に対して、バネ特性が効果的に付与されていることによって、カラー部20の先端部を、組付けスリット16内に挿入されて、組み付けられる扁平多穴管14の表面に対して、弾性的に当接せしめることが可能となる(図4参照)。そして、これによって、フィン12と扁平多穴管14との接合をより強固に行うことが可能となると共に、フィン12と扁平多穴管14との間の接触熱抵抗を効果的に低減させ、フィン・アンド・チューブ型熱交換器10の熱交換性能を、有利に高め得ることが出来るのである。
【0030】
しかも、そこでは、カラー部20にバネ特性が付与されていることによって、カラー部20が扁平多穴管14に対して弾性的に当接、密着せしめられて、カラー部20の内面と扁平多穴管14の外面との間の間隙が効果的に減少せしめられ得ることとなるのであり、以て、フィン12と扁平多穴管14とをろう付けする際に必要なろう材の量を、有利に低減することが出来るといった効果も発揮されるのである。その結果、フィン12と扁平多穴管14とをろう付けする際に、隣り合うフィン同士がくっついてしまい、フィンピッチが乱れる等のろう付け不良が発生してしまう恐れを、有利に回避乃至は解消することが可能となる特徴が発揮されるのである。
【0031】
以上、本発明の代表的な実施形態の一つについて詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
【0032】
例えば、前述の実施形態においては、1枚のフィン12に対して1本の扁平多穴管14が組み付けられて、フィン・アンド・チューブ型熱交換器10が構成されていたが、1枚のフィン12に対して、2本或いはそれ以上の本数の扁平多穴管14が組み付けられてなるフィン・アンド・チューブ型熱交換器(10)とすることも、勿論可能である。
【0033】
また、フィン12と扁平多穴管14とをろう付けする方法として、置きろうによるろう付け方法を例示したが、そのような方法の他にも、例えば、アルミニウム板材の表面に予めろう材がクラッドされたもの、所謂ブレージングシートを用いて、フィン12を形成し、そのようなフィン12と扁平多穴管14とをろう付けする等、公知の各種のろう付け方法が採用可能であり、それら何れのろう付け方法においても、本発明の効果が、有利に発揮されることとなる。
【0034】
さらに、上記した実施形態においては、側方開口空所形状の組付けスリットとして、U字形状を呈する組付けスリット16を例示したが、このような形状の他にも、例えば、コの字形状やV字形状等、組付けられる扁平多穴管14の厚さや外面形状に対応した形状の組付けスリット形状とすることも可能である。
【0035】
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施されるものであり、またそのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
【符号の説明】
【0036】
10 熱交換器
12 フィン
14 扁平多穴管
16 組付けスリット
20 カラー部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに所定距離を隔てて積層配置されるアルミニウム若しくはその合金からなる多数のプレート状のフィンにおいて、それらの対応する周縁部で開口するように、それぞれ設けられた側方開口空所形状の組付けスリットに対して、アルミニウム若しくはその合金からなる扁平多穴管を嵌め込んで、組み付けてなるフィン・アンド・チューブ型熱交換器にして、
前記フィンの組付けスリットの周りに立設されたカラー部を、その先端側に向かって厚さが漸次減少するように構成して、先端薄肉化形状とすると共に、かかるカラー部を内方に傾斜させて、該カラー部の先端部が前記扁平多穴管の表面に弾性的に当接せしめられるように構成したことを特徴とするフィン・アンド・チューブ型熱交換器。
【請求項2】
前記カラー部が、前記扁平多穴管の表面に対して5°〜20°の角度をもって傾斜させられている請求項1に記載のフィン・アンド・チューブ型熱交換器。
【請求項3】
前記カラー部の先端薄肉化形状が、該カラー部のテーパ状しごき加工によって形成されている請求項1又は請求項2に記載のフィン・アンド・チューブ型熱交換器。
【請求項4】
前記組付けスリットが、U字形状において形成されている請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載のフィン・アンド・チューブ型熱交換器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−172892(P2012−172892A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34765(P2011−34765)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000002277)住友軽金属工業株式会社 (552)
【Fターム(参考)】