フラワーグリーティングカード
【課題】水を与えても、植物が生長し根が張り出しても栽培ポット部が変形や破損されることがなく、また、土の安定性も確保でき、根の張りかたも均等になり、植物が成長しても安定性のよいフラワーグリーティングカードを提供する。
【解決手段】略中央の折れ線31aにより分割された2枚の扉部31b,31cが上下に開閉可能なシート部31と、シート部31の内面に折り畳まれて収容され、シート部31の上側の扉部31cに側面に1面が貼付され、耐水性のある栽培ポット部32とを備え、栽培ポット部32は、底面がシート部の下側の扉部31bにスライド自在に配置されていること、栽培ポット部32を折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形させるための引き手部325を備えること、及び、引き手部325は、栽培ポット部32をポット状に開いた状態で保持する保持部325bを備えること、を特徴とする。
【解決手段】略中央の折れ線31aにより分割された2枚の扉部31b,31cが上下に開閉可能なシート部31と、シート部31の内面に折り畳まれて収容され、シート部31の上側の扉部31cに側面に1面が貼付され、耐水性のある栽培ポット部32とを備え、栽培ポット部32は、底面がシート部の下側の扉部31bにスライド自在に配置されていること、栽培ポット部32を折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形させるための引き手部325を備えること、及び、引き手部325は、栽培ポット部32をポット状に開いた状態で保持する保持部325bを備えること、を特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のフラワーグリーティングカードは、カード体を左右に開閉自在にして、カード体の中央の折れ線を挟んで内片を接着し、カード体と内片とで栽培ポットを形成して、その中に種子と土を入れて、植物を育てるようにしたものであった(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかし、上述した従来のカードは、カード体と内片とで栽培ポットを形成していたので、栽培時に与える水により、カード体と内片が変形したり、接着部分が剥がれてしまう可能性があった。この変形や接着部分が剥がれは、植物が生長し根が張り出すと顕著になる。 一方、栽培ポットの形状によって、底面が斜めになりチップ状の土に水を与えて膨らんだとき土の上面が水平にならず、植物の根の張りかたが片寄ってしまい正常な育成にとって、好ましいものではなかった。
また、栽培ポットは、折り畳み時の収容性をよくするため、カード体の中央近くにとりつけてあるため、栽培時に比較的高い位置になり、植物が成長すると不安定であった。
【特許文献1】実用新案登録第3105621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、水を与えても、植物が生長し根が張り出しても栽培ポット部が変形や破損されることがなく、また、土の安定性も確保でき、根の張りかたも均等になり、植物が成長しても安定性のよいフラワーグリーティングカードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、第1の発明は、内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードにおいて、略中央の折れ線により分割された2枚の扉部が上下に開閉可能なシート部と、前記シート部の内面に折り畳まれて収容され、前記シート部の上側の扉部に側面の少なくとも1面が貼付され、耐水性のある栽培ポット部と、を含むフラワーグリーティングカードを提供する。
【0006】
第2の発明は、第1の発明のフラワーグリーティングカードにおいて、前記栽培ポット部は、底面が前記シート部の下側の扉部にスライド自在に配置されていること、及び、前記栽培ポット部に設けられ、前記栽培ポット部を折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形させるための引き手部を備えること、を特徴とするフラワーグリーティングカードを提供する。
【0007】
第3の発明は、第1の発明のフラワーグリーティングカードにおいて、前記引き手部は、前記栽培ポット部をポット状に開いた状態で保持する保持部を備えること、を特徴とするフラワーグリーティングカードを提供する。
【0008】
第4の発明は、第1の発明のフラワーグリーティングカードにおいて、前記栽培ポット部は、前記シート部の下側の扉部に底面が貼付されていること、及び、前記シート部を開く動作に連動して、前記栽培ポット部が折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形すること、を特徴とするフラワーグリーティングカードを提供する。
【0009】
第5の発明は、内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードにおいて、略中央の折れ線により分割された2枚の扉部が上下に開閉可能なシート部と、前記シート部の内面に展開された状態で収容され、前記シート部の上側の扉部に側面の1面が貼付され、前記シート部の下側の扉部に底面が貼付された耐水性のある栽培ポット部とを備えていること、及び、前記栽培ポット部は、前記シート部を開いた状態で、箱状に組み立てること、を特徴するフラワーグリーティングカードを提供する。
【0010】
第6の発明は、内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードにおいて、略中央の折れ線により分割された2枚の扉部が左右に開閉可能なシート部と、前記シート部の内面に折り畳まれて収容され、前記シート部の扉部に側面の少なくとも1面が貼付され、耐水性のある栽培ポット部とを備えていること、及び、前記栽培ポット部は、前記シート部を開いた状態で、底面が前記シート部の下辺と同一平面上に配置されること、を含むフラワーグリーティングカードを提供する。
【0011】
第7の発明は、第1の発明のフラワーグリーティングカードにおいて、前記栽培ポット部は、前記シート部の左右の扉部に隣あう2つの側面が貼付されていること、及び、前記シート部を開く動作に連動して、前記栽培ポット部が折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形すること、を特徴とするフラワーグリーティングカードを提供する。
【0012】
第8の発明は、第1から第7のいずれか1つの発明のフラワーグリーティングカードにおいて、前記シート部の内面に装着され、種子及びその種子を栽培する土を備えること、を特徴とするフラワーグリーティングカードを提供する。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、シート部とは別の、耐水性のある栽培ポット部を用いているので、種子チップに水を与えても、水漏れや、変形のおそれがなくなった。また、十分な容積を確保できるので、土のバランスがよくなり、根がはれて生育がよくなる。栽培ポット部は、底面が下側の扉部に載っているか、貼付されているので、植物が成長しても、安定性がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、水を与えても、植物が生長し根が張り出しても栽培ポット部が変形や破損されることがなく、また、土の安定性も確保でき、根の張りかたも均等になり、植物が成長しても安定性のよいフラワーグリーティングカードを提供するという目的を、2枚の扉部31b,31cが上下に開閉可能なシート部31と、シート部31の内面に折り畳まれて収容され、シート部31の上側の扉部31cに側面に1面が貼付され、下側の扉部31bに底面が載っている、耐水性のある栽培ポット部32とを備えることによって実現する。
【実施例1】
【0015】
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例1を示す展開斜視図である。
この実施例1のフラワーグリーティングカード30は、シート部31と、栽培ポット部32とを備えている。
【0016】
シート部31は、略中央の折り加工で形成された折れ線31aにより分割された2枚の扉部31b,31cが、上下に開閉可能となっている。このシート部31は、普通紙、合成紙等の板紙や、合成樹脂やアルミニウム、木材等の板材を使用することができる。上側の扉部31cは、メッセージを記載する領域31c−1が設けられており、筆記適性を持たせる表面処理を施したり、筆記適性のよい紙を貼付するようにしてもよい。下側の扉部31bは、後述する引き手部325を挿入するスリット31b−1,31b−2が形成されている。また、シート部31は、様々な加工を施し、装飾してもよい。
【0017】
栽培ポット部32は、シート部31の内面に折り畳まれて収容されている。この栽培ポット部32は、内容器321と、支持枠322と、外容器323と、飾りグリップ部324と、引き手部325と、飾り受け皿部326等を備えている。
内容器321は、耐水性のある合成紙や合成樹脂で作製された逆四角錐状の容器であり、左右の対向する2面を折り線321a,321bで内側に折って、畳むことができる。
支持枠322は、断面が四角形の筒体を横に倒した形状であり、上面と下面に内容器321を受け入れる開口322a,322bを持ち、上面と下面を折り線322c,322dで上側に折って、畳むことができる。
【0018】
外容器323は、断面が四角形の筒体を立てた形状であり、シート部31の上側の扉部31cに背面が貼付されている。この外容器323は、底面がシート部31の下側の扉部31bにスライド自在に配置されており、左右の側面を折り線323a,323bで外側に折って、畳むことができる。
飾りグリップ部324は、外容器323の側面のスリット323cに取り付けられ、外容器323をコーヒーカップに見立てるための装飾部分である。
引き手部325は、外容器323の手前側に連設されており、内容器321、支持枠322及び外容器323を含む栽培ポットの部分を、折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形させるための部材である。この引き手部325は、その先端の部分を、折り線325aで折ることにより、ポット状に開いた状態で保持する保持部325bを形成することができる。
飾り受け皿部326は、受け皿の縁部分に見立てるための装飾部分であり、両端のジグザグ状の折り曲げ部326a,326bを伸ばすことにより、扉部31bから浮かせることができる。
【0019】
図2、図3は、実施例1のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。このフラワーグリーティングカード30は、扉部31b,31cが折り畳まれた状態で、図示しない樹脂袋に封入されている。このフラワーグリーティングカード30は、樹脂袋から取り出した状態で、図2の矢印Aのように、扉部31cを扉部31bと略90度の角度となるまで開く。このとき、扉部31cの領域31c−1に記載されたメッセージは、読むことができる状態となる。また、栽培ポット部32は、扉部31c側に折り畳まれた状態である。
【0020】
図3に示すように、栽培ポット32は、引き手部325を矢印B方向に引くことにより、内容器321、支持枠322及び外容器323を含む栽培ポットの部分も、矢印C方向に折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形する。
つぎに、引き手部325は、その先端の部分を、折り線325aで矢印Dのように折ることにより、保持部325bを扉部31bの下側に挿入し、ポット状の部分を開いた状態で保持することができる。
さらに、飾り受け皿部326は、両端の折り曲げ部326a,326bを矢印Eに示すように、上に伸ばすことにより、扉部31bから浮かせる。
【0021】
最後に、別に用意された種子チップ35を、袋35aから出して、栽培ポット32に入れる。ここで、種子チップ35は、種子及びその種子を栽培する土を固めた円盤状のチップである。この種子チップ35は、種子と土、必要であれば、肥料等を圧縮して成形したものである。この種子チップ35は、栽培ポット部32に入れて、水を与えると土が膨らみ、種子が数日で発芽する。種子は、その種類は問わないが、ハーブ類は育成が速く好適であり、また、直ぐに花が咲くものに限らない。種子チップ35は、割れたりした場合を考慮して、紙製や合成樹脂製の袋35aに入れておくことが好ましい。
【0022】
本実施例によれば、耐水性のある栽培ポット部32を用いているので、種子チップ35に水を与えても、水漏れや、変形のおそれがなくなった。また、十分な容積を確保できるので、土の安定性が図れ、根がはれて生育がよくなる。
【0023】
また、外容器323の背面がシート部31の上側の扉部31cに貼付され、外容器323の底面がシート部31の下側の扉部31bにスライド自在に配置されており、外容器323に引き手部325を設けたので、内容器321、支持枠322及び外容器323を含む栽培ポットの部分を、折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形させることができる。さらに、引き手部325の先端の部分を、折り線325aで折ることにより保持部325bを形成するので、ポット状に開いた状態で保持することができる。
さらに、栽培ポット部32は、底面が下側の扉部31bに載っているので、植物が成長しても、安定性がよい。
【実施例2】
【0024】
図4は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例2を開いた状態で示す斜視図である。
なお、以下に示す各実施例は、前述した実施例1と同様な機能を果たす部分には、末尾に統一した符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
実施例2のフラワーグリーティングカード40は、水平断面が四角形の筒型で、底面のある栽培ポット部42を用いたことを特徴としたものである。
栽培ポット部42は、底面がシート部41の下側の扉部41bに貼付されており、背面が上側の扉部41cに貼付されている。そして、この栽培ポット部42は、扉部41b,41cを閉じたときに、左右の側面に形成された折り線42a,42b,42c、42dと、前面に形成された折り線42eにより、折り畳むことができる。栽培ポット部42は、底面が下側の扉部41bに貼付されているので、植物が成長しても、安定性がよい。
また、この実施例では、種子チップ45を入れた袋45aは、シート部41の扉部41bの内面に装着されている。
【0025】
図5は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例2の変形例を開いた状態で示す斜視図である。
変形例のフラワーグリーティングカード40Aは、扉部41b,41cの間に、扉部41b,41cの開閉により、立ち上がった状態と折り畳んだ状態とに変形する飾りテーブル部46が形成されている。また、このフラワーグリーティングカード40Aは、扉部41cに飾り窓部41c−1が形成されている。その他の部分は、図2のフラワーグリーティングカード40と同じである。
【実施例3】
【0026】
図6は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例3を開いた状態で示す平面図である。
実施例3のフラワーグリーティングカード50は、シート部51の扉部51b,51cの間に、展開された栽培ポット部52が装着されている。この栽培ポット部52は、底面52a,前面52b,背面52c,左側面52d及び右側面52eと、前面52b,背面52c,左側面52d及び右側面52eの外側にそれぞれ連設された折り返し部52f,52g,52h,52iと、背面52c,右側面52e,前面52b及び左側面52dの間をそれぞれ接続する1/4円形の接続部52j,52k,52m,52nとを備えている。この栽培ポット部52は、底面52aがシート部51の下側の扉部51bに貼付されており、背面52cが上側の扉部51cに貼付されている(図6の斜線で示した部分)。
【0027】
図7〜図9は、実施例3のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。このフラワーグリーティングカード50は、図7の矢印Aに示すように、シート部51の扉部51cを上側に開くと、底面52aが扉部51bに付いたまま、背面52cが起き上がってくる。ここで、接続部52j,52k,52m,52nを内側に折り畳むように変形する。ついで、図8に示すように、折り返し部52f,52g,52h,52iを矢印Fに示すように、内側に折り返すと、図9に示すように、自立した栽培ポット部52が完成する。
【実施例4】
【0028】
図10は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例4を開いた状態で示す斜視図である。
実施例4のフラワーグリーティングカード60は、シート部61の扉部61b,61cが左右に開く形態である。この栽培ポット部62は、シート部61を開いた状態で、底面62aが扉部61b,61cの下辺と同一平面となるように配置されている。従って、栽培ポット部62は、底面62aがテーブル等に直接載るようになるので、植物が成長しても、安定性がよい。
また、この栽培ポット部62は、シート部61の左右の扉部61b,61cに、隣あう2つの側面62c,62eが貼付されており、他の2つの側面62b,62dには、折り線が形成されている。このため、シート部61を開く動作に連動して、栽培ポット部62が折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形する。
【0029】
また、実施例4は、種子65Aを入れた袋65aと、土を固めた土チップ65Bを入れた袋65bとを、別の袋65cに入れてある。
【実施例5】
【0030】
図11は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例5を開いた状態で示す斜視図である。
実施例5のフラワーグリーティングカード70は、シート部71の扉部71b,71cが左右に開く形態である点、シート部71を開いた状態で、底面72aが扉部71b,71cの下辺と同一平面となるように配置されている点が実施例4と同じである。
この栽培ポット部72は、シート部71の左側の扉部61bに、1つの側面72cが貼付されており、側面72cを挟む他の2つの側面72d,62eには、折り線が形成されている点が異なる。このため、シート部61を開いたあとに、栽培ポット部62を折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形させる。
【実施例6】
【0031】
図12は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例6を開いた状態で示す平面図である。
実施例6のフラワーグリーティングカード80は、シート部81の扉部81b,81cの間に、展開された栽培ポット部82が装着されている。この栽培ポット部82は、底面82aがシート部81の下側の扉部81bの折れ線81aより内側(中央寄り)に貼付されている(図11の斜線で示した部分)。
この栽培ポット部82は、正方形の底面82a,前面82b,背面82c,左側面82d及び右側面82eと、背面82c,右側面82e,前面82b及び左側面82dの間をそれぞれ接続する1/4円形の接続部82j,82k,82m,82nとを備えている。また、接続部82j,82k,82m,82nは、半径方向に形成された折り線H,I,Jで折り返して前面82b,背面82c,左側面82d及び右側面82eを斜めに立てた状態にすることができる。
これらの接続部82j,82k,82m,82nは、それぞれ中央で山折りされる折り線Hと、折り線Hの両側の対称な位置で谷折される折り線I,Jとが形成されている。また、これらの接続部82j,82k,82m,82nは、折り線Hと折り線I,Jとで囲まれる領域(細かいハッチングで示してある)の裏面側に、面ファスナー82pが設けられている。この面ファスナー82pは、接続部82j,82k,82m,82nを折った状態で接合して、栽培ポット部82を立てた状態に維持することができる。なお、面ファスナーは、接続部を保持できるものであれば、両面テープや接着剤等であってもよい。
【0032】
図13は、実施例6のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。このフラワーグリーティングカード80は、図13の矢印Aに示すように、シート部81の扉部81cを上側に開くと、底面82aが扉部81bに付いたままである。ここで、背面82c,右側面82e,前面82b及び左側面82dを矢印Gのように起き上げる。ついで、接続部82j,82k,82m,82nを内側に折り畳むように変形する。すると、裏面側に設けられた面ファスナー82pによって、接続部82j,82k,82m,82nを折った状態で接合して、立てた状態を維持することができ、自立した栽培ポット部82が完成する。
【0033】
図14は、実施例6のフラワーグリーティングカードの栽培ポット部の変形例を示す図である。変形例の栽培ポット部82Aは、展開状態で外形線が円形であり、自立させたときに花びらのようになり、デザイン性に優れている。
【実施例7】
【0034】
図15は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例7のシート部を示す平面図である。図16は、実施例7のフラワーグリーティングカードを開いた状態を示す斜視図である。実施例7のシート部91は、2枚の扉部91b,91cを開いた状態(図16の状態)で支持する支持部材となるサイドステイ部91dを備えている。このサイドステイ部91dは、扉部91cの両側の下端(折り線91a寄り)に、一体に形成されている。このサイドステイ部91dは、1/4の円の基部91d−1と、扉部91bに貼り合わせるために糊代部91d−2とを備えている。基部91d−1は、2枚の扉部91b,91cを折り畳んだときに折り曲げられる中央半径方向の折り筋91d−3と、2枚の扉部91b,91cを開いた状態(開いた角度が90度の状態)で、円弧状に内側に折り返して、開いた状態を維持するための折り筋91d−4が形成されている。
【0035】
図16に示すように、扉部91cは、矢印Aの方向に開き、扉部91bと略90度の角度となるまで開く。その後に、左右のサイドステイ部94は、折り筋91d−4を内側に折り返すことにより、扉部91cが扉部91bに対して、傾くことを防止することができる。このように、実施例7は、2枚の扉部91b,91cを開いた状態で支持するサイドステイ部91dを設けたので、シート部91を開いたときに、扉部91cが傾いて閉じてしまうことがない。なお、栽培ポット部は、図示を省略してあるが、前述した実施例のいずれの形態のものでも採用することができる。また、サイドステイ部は、片側1つであってもよい。
【0036】
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、実施例1の内容器は、逆円錐形であってもよい。
また、いずれの実施例でも、種子と土の入った袋と、フラワーグリーティングカードは、複数種類別々に展示しておき、顧客が自由に選択して組み合わせられるようにしてもよい。この場合には、種子と土の入った袋は、実施例2のように、フラワーグリーティングカードに貼り付ける必要はない。
実施例6の栽培ポット部は、シート部のデザインによって、扉部のいずれの位置の貼付してもよい。また、実施例7のサイドステイ部を着けることにより、どの位置でも栽培ポット部を自立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例1を示す展開斜視図である。
【図2】実施例1のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する。
【図3】実施例1のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する。
【図4】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例2を開いた状態で示す斜視図である。
【図5】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例2の変形例を開いた状態で示す斜視図である。
【図6】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例3を開いた状態で示す平面図である。
【図7】実施例3のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。
【図8】実施例3のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。
【図9】実施例3のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。
【図10】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例4を開いた状態で示す斜視図である。
【図11】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例5を開いた状態で示す斜視図である。
【図12】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例6を開いた状態で示す平面図である。
【図13】実施例6のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。
【図14】実施例6のフラワーグリーティングカードの栽培ポット部の変形例を示す図である。
【図15】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例7のシート部を示す平面図である。
【図16】実施例7のフラワーグリーティングカードを開いた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
30、40、50、60、70、80 フラワーグリーティングカード
31、41、51、61、71、81、91 シート部
32、42、52、62、72、82 栽培ポット部
35、45 種子チップ
65A 種子
65B 土チップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のフラワーグリーティングカードは、カード体を左右に開閉自在にして、カード体の中央の折れ線を挟んで内片を接着し、カード体と内片とで栽培ポットを形成して、その中に種子と土を入れて、植物を育てるようにしたものであった(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかし、上述した従来のカードは、カード体と内片とで栽培ポットを形成していたので、栽培時に与える水により、カード体と内片が変形したり、接着部分が剥がれてしまう可能性があった。この変形や接着部分が剥がれは、植物が生長し根が張り出すと顕著になる。 一方、栽培ポットの形状によって、底面が斜めになりチップ状の土に水を与えて膨らんだとき土の上面が水平にならず、植物の根の張りかたが片寄ってしまい正常な育成にとって、好ましいものではなかった。
また、栽培ポットは、折り畳み時の収容性をよくするため、カード体の中央近くにとりつけてあるため、栽培時に比較的高い位置になり、植物が成長すると不安定であった。
【特許文献1】実用新案登録第3105621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、水を与えても、植物が生長し根が張り出しても栽培ポット部が変形や破損されることがなく、また、土の安定性も確保でき、根の張りかたも均等になり、植物が成長しても安定性のよいフラワーグリーティングカードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、第1の発明は、内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードにおいて、略中央の折れ線により分割された2枚の扉部が上下に開閉可能なシート部と、前記シート部の内面に折り畳まれて収容され、前記シート部の上側の扉部に側面の少なくとも1面が貼付され、耐水性のある栽培ポット部と、を含むフラワーグリーティングカードを提供する。
【0006】
第2の発明は、第1の発明のフラワーグリーティングカードにおいて、前記栽培ポット部は、底面が前記シート部の下側の扉部にスライド自在に配置されていること、及び、前記栽培ポット部に設けられ、前記栽培ポット部を折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形させるための引き手部を備えること、を特徴とするフラワーグリーティングカードを提供する。
【0007】
第3の発明は、第1の発明のフラワーグリーティングカードにおいて、前記引き手部は、前記栽培ポット部をポット状に開いた状態で保持する保持部を備えること、を特徴とするフラワーグリーティングカードを提供する。
【0008】
第4の発明は、第1の発明のフラワーグリーティングカードにおいて、前記栽培ポット部は、前記シート部の下側の扉部に底面が貼付されていること、及び、前記シート部を開く動作に連動して、前記栽培ポット部が折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形すること、を特徴とするフラワーグリーティングカードを提供する。
【0009】
第5の発明は、内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードにおいて、略中央の折れ線により分割された2枚の扉部が上下に開閉可能なシート部と、前記シート部の内面に展開された状態で収容され、前記シート部の上側の扉部に側面の1面が貼付され、前記シート部の下側の扉部に底面が貼付された耐水性のある栽培ポット部とを備えていること、及び、前記栽培ポット部は、前記シート部を開いた状態で、箱状に組み立てること、を特徴するフラワーグリーティングカードを提供する。
【0010】
第6の発明は、内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードにおいて、略中央の折れ線により分割された2枚の扉部が左右に開閉可能なシート部と、前記シート部の内面に折り畳まれて収容され、前記シート部の扉部に側面の少なくとも1面が貼付され、耐水性のある栽培ポット部とを備えていること、及び、前記栽培ポット部は、前記シート部を開いた状態で、底面が前記シート部の下辺と同一平面上に配置されること、を含むフラワーグリーティングカードを提供する。
【0011】
第7の発明は、第1の発明のフラワーグリーティングカードにおいて、前記栽培ポット部は、前記シート部の左右の扉部に隣あう2つの側面が貼付されていること、及び、前記シート部を開く動作に連動して、前記栽培ポット部が折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形すること、を特徴とするフラワーグリーティングカードを提供する。
【0012】
第8の発明は、第1から第7のいずれか1つの発明のフラワーグリーティングカードにおいて、前記シート部の内面に装着され、種子及びその種子を栽培する土を備えること、を特徴とするフラワーグリーティングカードを提供する。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、シート部とは別の、耐水性のある栽培ポット部を用いているので、種子チップに水を与えても、水漏れや、変形のおそれがなくなった。また、十分な容積を確保できるので、土のバランスがよくなり、根がはれて生育がよくなる。栽培ポット部は、底面が下側の扉部に載っているか、貼付されているので、植物が成長しても、安定性がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、水を与えても、植物が生長し根が張り出しても栽培ポット部が変形や破損されることがなく、また、土の安定性も確保でき、根の張りかたも均等になり、植物が成長しても安定性のよいフラワーグリーティングカードを提供するという目的を、2枚の扉部31b,31cが上下に開閉可能なシート部31と、シート部31の内面に折り畳まれて収容され、シート部31の上側の扉部31cに側面に1面が貼付され、下側の扉部31bに底面が載っている、耐水性のある栽培ポット部32とを備えることによって実現する。
【実施例1】
【0015】
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例1を示す展開斜視図である。
この実施例1のフラワーグリーティングカード30は、シート部31と、栽培ポット部32とを備えている。
【0016】
シート部31は、略中央の折り加工で形成された折れ線31aにより分割された2枚の扉部31b,31cが、上下に開閉可能となっている。このシート部31は、普通紙、合成紙等の板紙や、合成樹脂やアルミニウム、木材等の板材を使用することができる。上側の扉部31cは、メッセージを記載する領域31c−1が設けられており、筆記適性を持たせる表面処理を施したり、筆記適性のよい紙を貼付するようにしてもよい。下側の扉部31bは、後述する引き手部325を挿入するスリット31b−1,31b−2が形成されている。また、シート部31は、様々な加工を施し、装飾してもよい。
【0017】
栽培ポット部32は、シート部31の内面に折り畳まれて収容されている。この栽培ポット部32は、内容器321と、支持枠322と、外容器323と、飾りグリップ部324と、引き手部325と、飾り受け皿部326等を備えている。
内容器321は、耐水性のある合成紙や合成樹脂で作製された逆四角錐状の容器であり、左右の対向する2面を折り線321a,321bで内側に折って、畳むことができる。
支持枠322は、断面が四角形の筒体を横に倒した形状であり、上面と下面に内容器321を受け入れる開口322a,322bを持ち、上面と下面を折り線322c,322dで上側に折って、畳むことができる。
【0018】
外容器323は、断面が四角形の筒体を立てた形状であり、シート部31の上側の扉部31cに背面が貼付されている。この外容器323は、底面がシート部31の下側の扉部31bにスライド自在に配置されており、左右の側面を折り線323a,323bで外側に折って、畳むことができる。
飾りグリップ部324は、外容器323の側面のスリット323cに取り付けられ、外容器323をコーヒーカップに見立てるための装飾部分である。
引き手部325は、外容器323の手前側に連設されており、内容器321、支持枠322及び外容器323を含む栽培ポットの部分を、折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形させるための部材である。この引き手部325は、その先端の部分を、折り線325aで折ることにより、ポット状に開いた状態で保持する保持部325bを形成することができる。
飾り受け皿部326は、受け皿の縁部分に見立てるための装飾部分であり、両端のジグザグ状の折り曲げ部326a,326bを伸ばすことにより、扉部31bから浮かせることができる。
【0019】
図2、図3は、実施例1のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。このフラワーグリーティングカード30は、扉部31b,31cが折り畳まれた状態で、図示しない樹脂袋に封入されている。このフラワーグリーティングカード30は、樹脂袋から取り出した状態で、図2の矢印Aのように、扉部31cを扉部31bと略90度の角度となるまで開く。このとき、扉部31cの領域31c−1に記載されたメッセージは、読むことができる状態となる。また、栽培ポット部32は、扉部31c側に折り畳まれた状態である。
【0020】
図3に示すように、栽培ポット32は、引き手部325を矢印B方向に引くことにより、内容器321、支持枠322及び外容器323を含む栽培ポットの部分も、矢印C方向に折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形する。
つぎに、引き手部325は、その先端の部分を、折り線325aで矢印Dのように折ることにより、保持部325bを扉部31bの下側に挿入し、ポット状の部分を開いた状態で保持することができる。
さらに、飾り受け皿部326は、両端の折り曲げ部326a,326bを矢印Eに示すように、上に伸ばすことにより、扉部31bから浮かせる。
【0021】
最後に、別に用意された種子チップ35を、袋35aから出して、栽培ポット32に入れる。ここで、種子チップ35は、種子及びその種子を栽培する土を固めた円盤状のチップである。この種子チップ35は、種子と土、必要であれば、肥料等を圧縮して成形したものである。この種子チップ35は、栽培ポット部32に入れて、水を与えると土が膨らみ、種子が数日で発芽する。種子は、その種類は問わないが、ハーブ類は育成が速く好適であり、また、直ぐに花が咲くものに限らない。種子チップ35は、割れたりした場合を考慮して、紙製や合成樹脂製の袋35aに入れておくことが好ましい。
【0022】
本実施例によれば、耐水性のある栽培ポット部32を用いているので、種子チップ35に水を与えても、水漏れや、変形のおそれがなくなった。また、十分な容積を確保できるので、土の安定性が図れ、根がはれて生育がよくなる。
【0023】
また、外容器323の背面がシート部31の上側の扉部31cに貼付され、外容器323の底面がシート部31の下側の扉部31bにスライド自在に配置されており、外容器323に引き手部325を設けたので、内容器321、支持枠322及び外容器323を含む栽培ポットの部分を、折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形させることができる。さらに、引き手部325の先端の部分を、折り線325aで折ることにより保持部325bを形成するので、ポット状に開いた状態で保持することができる。
さらに、栽培ポット部32は、底面が下側の扉部31bに載っているので、植物が成長しても、安定性がよい。
【実施例2】
【0024】
図4は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例2を開いた状態で示す斜視図である。
なお、以下に示す各実施例は、前述した実施例1と同様な機能を果たす部分には、末尾に統一した符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
実施例2のフラワーグリーティングカード40は、水平断面が四角形の筒型で、底面のある栽培ポット部42を用いたことを特徴としたものである。
栽培ポット部42は、底面がシート部41の下側の扉部41bに貼付されており、背面が上側の扉部41cに貼付されている。そして、この栽培ポット部42は、扉部41b,41cを閉じたときに、左右の側面に形成された折り線42a,42b,42c、42dと、前面に形成された折り線42eにより、折り畳むことができる。栽培ポット部42は、底面が下側の扉部41bに貼付されているので、植物が成長しても、安定性がよい。
また、この実施例では、種子チップ45を入れた袋45aは、シート部41の扉部41bの内面に装着されている。
【0025】
図5は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例2の変形例を開いた状態で示す斜視図である。
変形例のフラワーグリーティングカード40Aは、扉部41b,41cの間に、扉部41b,41cの開閉により、立ち上がった状態と折り畳んだ状態とに変形する飾りテーブル部46が形成されている。また、このフラワーグリーティングカード40Aは、扉部41cに飾り窓部41c−1が形成されている。その他の部分は、図2のフラワーグリーティングカード40と同じである。
【実施例3】
【0026】
図6は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例3を開いた状態で示す平面図である。
実施例3のフラワーグリーティングカード50は、シート部51の扉部51b,51cの間に、展開された栽培ポット部52が装着されている。この栽培ポット部52は、底面52a,前面52b,背面52c,左側面52d及び右側面52eと、前面52b,背面52c,左側面52d及び右側面52eの外側にそれぞれ連設された折り返し部52f,52g,52h,52iと、背面52c,右側面52e,前面52b及び左側面52dの間をそれぞれ接続する1/4円形の接続部52j,52k,52m,52nとを備えている。この栽培ポット部52は、底面52aがシート部51の下側の扉部51bに貼付されており、背面52cが上側の扉部51cに貼付されている(図6の斜線で示した部分)。
【0027】
図7〜図9は、実施例3のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。このフラワーグリーティングカード50は、図7の矢印Aに示すように、シート部51の扉部51cを上側に開くと、底面52aが扉部51bに付いたまま、背面52cが起き上がってくる。ここで、接続部52j,52k,52m,52nを内側に折り畳むように変形する。ついで、図8に示すように、折り返し部52f,52g,52h,52iを矢印Fに示すように、内側に折り返すと、図9に示すように、自立した栽培ポット部52が完成する。
【実施例4】
【0028】
図10は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例4を開いた状態で示す斜視図である。
実施例4のフラワーグリーティングカード60は、シート部61の扉部61b,61cが左右に開く形態である。この栽培ポット部62は、シート部61を開いた状態で、底面62aが扉部61b,61cの下辺と同一平面となるように配置されている。従って、栽培ポット部62は、底面62aがテーブル等に直接載るようになるので、植物が成長しても、安定性がよい。
また、この栽培ポット部62は、シート部61の左右の扉部61b,61cに、隣あう2つの側面62c,62eが貼付されており、他の2つの側面62b,62dには、折り線が形成されている。このため、シート部61を開く動作に連動して、栽培ポット部62が折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形する。
【0029】
また、実施例4は、種子65Aを入れた袋65aと、土を固めた土チップ65Bを入れた袋65bとを、別の袋65cに入れてある。
【実施例5】
【0030】
図11は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例5を開いた状態で示す斜視図である。
実施例5のフラワーグリーティングカード70は、シート部71の扉部71b,71cが左右に開く形態である点、シート部71を開いた状態で、底面72aが扉部71b,71cの下辺と同一平面となるように配置されている点が実施例4と同じである。
この栽培ポット部72は、シート部71の左側の扉部61bに、1つの側面72cが貼付されており、側面72cを挟む他の2つの側面72d,62eには、折り線が形成されている点が異なる。このため、シート部61を開いたあとに、栽培ポット部62を折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形させる。
【実施例6】
【0031】
図12は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例6を開いた状態で示す平面図である。
実施例6のフラワーグリーティングカード80は、シート部81の扉部81b,81cの間に、展開された栽培ポット部82が装着されている。この栽培ポット部82は、底面82aがシート部81の下側の扉部81bの折れ線81aより内側(中央寄り)に貼付されている(図11の斜線で示した部分)。
この栽培ポット部82は、正方形の底面82a,前面82b,背面82c,左側面82d及び右側面82eと、背面82c,右側面82e,前面82b及び左側面82dの間をそれぞれ接続する1/4円形の接続部82j,82k,82m,82nとを備えている。また、接続部82j,82k,82m,82nは、半径方向に形成された折り線H,I,Jで折り返して前面82b,背面82c,左側面82d及び右側面82eを斜めに立てた状態にすることができる。
これらの接続部82j,82k,82m,82nは、それぞれ中央で山折りされる折り線Hと、折り線Hの両側の対称な位置で谷折される折り線I,Jとが形成されている。また、これらの接続部82j,82k,82m,82nは、折り線Hと折り線I,Jとで囲まれる領域(細かいハッチングで示してある)の裏面側に、面ファスナー82pが設けられている。この面ファスナー82pは、接続部82j,82k,82m,82nを折った状態で接合して、栽培ポット部82を立てた状態に維持することができる。なお、面ファスナーは、接続部を保持できるものであれば、両面テープや接着剤等であってもよい。
【0032】
図13は、実施例6のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。このフラワーグリーティングカード80は、図13の矢印Aに示すように、シート部81の扉部81cを上側に開くと、底面82aが扉部81bに付いたままである。ここで、背面82c,右側面82e,前面82b及び左側面82dを矢印Gのように起き上げる。ついで、接続部82j,82k,82m,82nを内側に折り畳むように変形する。すると、裏面側に設けられた面ファスナー82pによって、接続部82j,82k,82m,82nを折った状態で接合して、立てた状態を維持することができ、自立した栽培ポット部82が完成する。
【0033】
図14は、実施例6のフラワーグリーティングカードの栽培ポット部の変形例を示す図である。変形例の栽培ポット部82Aは、展開状態で外形線が円形であり、自立させたときに花びらのようになり、デザイン性に優れている。
【実施例7】
【0034】
図15は、本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例7のシート部を示す平面図である。図16は、実施例7のフラワーグリーティングカードを開いた状態を示す斜視図である。実施例7のシート部91は、2枚の扉部91b,91cを開いた状態(図16の状態)で支持する支持部材となるサイドステイ部91dを備えている。このサイドステイ部91dは、扉部91cの両側の下端(折り線91a寄り)に、一体に形成されている。このサイドステイ部91dは、1/4の円の基部91d−1と、扉部91bに貼り合わせるために糊代部91d−2とを備えている。基部91d−1は、2枚の扉部91b,91cを折り畳んだときに折り曲げられる中央半径方向の折り筋91d−3と、2枚の扉部91b,91cを開いた状態(開いた角度が90度の状態)で、円弧状に内側に折り返して、開いた状態を維持するための折り筋91d−4が形成されている。
【0035】
図16に示すように、扉部91cは、矢印Aの方向に開き、扉部91bと略90度の角度となるまで開く。その後に、左右のサイドステイ部94は、折り筋91d−4を内側に折り返すことにより、扉部91cが扉部91bに対して、傾くことを防止することができる。このように、実施例7は、2枚の扉部91b,91cを開いた状態で支持するサイドステイ部91dを設けたので、シート部91を開いたときに、扉部91cが傾いて閉じてしまうことがない。なお、栽培ポット部は、図示を省略してあるが、前述した実施例のいずれの形態のものでも採用することができる。また、サイドステイ部は、片側1つであってもよい。
【0036】
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、実施例1の内容器は、逆円錐形であってもよい。
また、いずれの実施例でも、種子と土の入った袋と、フラワーグリーティングカードは、複数種類別々に展示しておき、顧客が自由に選択して組み合わせられるようにしてもよい。この場合には、種子と土の入った袋は、実施例2のように、フラワーグリーティングカードに貼り付ける必要はない。
実施例6の栽培ポット部は、シート部のデザインによって、扉部のいずれの位置の貼付してもよい。また、実施例7のサイドステイ部を着けることにより、どの位置でも栽培ポット部を自立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例1を示す展開斜視図である。
【図2】実施例1のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する。
【図3】実施例1のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する。
【図4】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例2を開いた状態で示す斜視図である。
【図5】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例2の変形例を開いた状態で示す斜視図である。
【図6】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例3を開いた状態で示す平面図である。
【図7】実施例3のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。
【図8】実施例3のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。
【図9】実施例3のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。
【図10】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例4を開いた状態で示す斜視図である。
【図11】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例5を開いた状態で示す斜視図である。
【図12】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例6を開いた状態で示す平面図である。
【図13】実施例6のフラワーグリーティングカードの使用方法を説明する図である。
【図14】実施例6のフラワーグリーティングカードの栽培ポット部の変形例を示す図である。
【図15】本発明によるフラワーグリーティングカードの実施例7のシート部を示す平面図である。
【図16】実施例7のフラワーグリーティングカードを開いた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
30、40、50、60、70、80 フラワーグリーティングカード
31、41、51、61、71、81、91 シート部
32、42、52、62、72、82 栽培ポット部
35、45 種子チップ
65A 種子
65B 土チップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードにおいて、
略中央の折れ線により分割された2枚の扉部が上下に開閉可能なシート部と、
前記シート部の内面に折り畳まれて収容され、前記シート部の上側の扉部に側面の少なくとも1面が貼付され、耐水性のある栽培ポット部と、
を含むフラワーグリーティングカード。
【請求項2】
請求項1に記載のフラワーグリーティングカードにおいて、
前記栽培ポット部は、底面が前記シート部の下側の扉部にスライド自在に配置されていること、及び、
前記栽培ポット部に設けられ、前記栽培ポット部を折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形させるための引き手部を備えること、
を特徴とするフラワーグリーティングカード。
【請求項3】
請求項1に記載のフラワーグリーティングカードにおいて、
前記引き手部は、前記栽培ポット部をポット状に開いた状態で保持する保持部を備えること、
を特徴とするフラワーグリーティングカード。
【請求項4】
請求項1に記載のフラワーグリーティングカードにおいて、
前記栽培ポット部は、前記シート部の下側の扉部に底面が貼付されていること、及び、
前記シート部を開く動作に連動して、前記栽培ポット部が折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形すること、
を特徴とするフラワーグリーティングカード。
【請求項5】
内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードにおいて、
略中央の折れ線により分割された2枚の扉部が上下に開閉可能なシート部と、
前記シート部の内面に展開された状態で収容され、前記シート部の上側の扉部に側面の1面が貼付され、前記シート部の下側の扉部に底面が貼付された耐水性のある栽培ポット部とを備えていること、及び、
前記栽培ポット部は、前記シート部を開いた状態で、箱状に組み立てること、
を特徴するフラワーグリーティングカード。
【請求項6】
内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードにおいて、
略中央の折れ線により分割された2枚の扉部が左右に開閉可能なシート部と、
前記シート部の内面に折り畳まれて収容され、前記シート部の扉部に側面の少なくとも1面が貼付され、耐水性のある栽培ポット部とを備えていること、及び、
前記栽培ポット部は、前記シート部を開いた状態で、底面が前記シート部の下辺と同一平面上に配置されること、
を含むフラワーグリーティングカード。
【請求項7】
請求項1に記載のフラワーグリーティングカードにおいて、
前記栽培ポット部は、前記シート部の左右の扉部に隣あう2つの側面が貼付されていること、及び、
前記シート部を開く動作に連動して、前記栽培ポット部が折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形すること、
を特徴とするフラワーグリーティングカード。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のフラワーグリーティングカードにおいて、
前記シート部の内面に装着され、種子及びその種子を栽培する土を備えること、
を特徴とするフラワーグリーティングカード。
【請求項1】
内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードにおいて、
略中央の折れ線により分割された2枚の扉部が上下に開閉可能なシート部と、
前記シート部の内面に折り畳まれて収容され、前記シート部の上側の扉部に側面の少なくとも1面が貼付され、耐水性のある栽培ポット部と、
を含むフラワーグリーティングカード。
【請求項2】
請求項1に記載のフラワーグリーティングカードにおいて、
前記栽培ポット部は、底面が前記シート部の下側の扉部にスライド自在に配置されていること、及び、
前記栽培ポット部に設けられ、前記栽培ポット部を折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形させるための引き手部を備えること、
を特徴とするフラワーグリーティングカード。
【請求項3】
請求項1に記載のフラワーグリーティングカードにおいて、
前記引き手部は、前記栽培ポット部をポット状に開いた状態で保持する保持部を備えること、
を特徴とするフラワーグリーティングカード。
【請求項4】
請求項1に記載のフラワーグリーティングカードにおいて、
前記栽培ポット部は、前記シート部の下側の扉部に底面が貼付されていること、及び、
前記シート部を開く動作に連動して、前記栽培ポット部が折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形すること、
を特徴とするフラワーグリーティングカード。
【請求項5】
内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードにおいて、
略中央の折れ線により分割された2枚の扉部が上下に開閉可能なシート部と、
前記シート部の内面に展開された状態で収容され、前記シート部の上側の扉部に側面の1面が貼付され、前記シート部の下側の扉部に底面が貼付された耐水性のある栽培ポット部とを備えていること、及び、
前記栽培ポット部は、前記シート部を開いた状態で、箱状に組み立てること、
を特徴するフラワーグリーティングカード。
【請求項6】
内面にメッセージを記載できると共に、植物の栽培ができるフラワーグリーティングカードにおいて、
略中央の折れ線により分割された2枚の扉部が左右に開閉可能なシート部と、
前記シート部の内面に折り畳まれて収容され、前記シート部の扉部に側面の少なくとも1面が貼付され、耐水性のある栽培ポット部とを備えていること、及び、
前記栽培ポット部は、前記シート部を開いた状態で、底面が前記シート部の下辺と同一平面上に配置されること、
を含むフラワーグリーティングカード。
【請求項7】
請求項1に記載のフラワーグリーティングカードにおいて、
前記栽培ポット部は、前記シート部の左右の扉部に隣あう2つの側面が貼付されていること、及び、
前記シート部を開く動作に連動して、前記栽培ポット部が折り畳んだ状態からポット状に開いた状態に変形すること、
を特徴とするフラワーグリーティングカード。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のフラワーグリーティングカードにおいて、
前記シート部の内面に装着され、種子及びその種子を栽培する土を備えること、
を特徴とするフラワーグリーティングカード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−82483(P2007−82483A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−276564(P2005−276564)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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