説明

フランジツールに対するダイレクトドライブ可変圧着

カバー部品を構造部材に固定する圧着組立体が提供される。圧着組立体は、ハウジングと、ハウジング内に設けられ、第1の方向に回転可能な駆動シャフトと、駆動シャフトにしっかりと固定され、この駆動シャフトと一緒に回転可能な第1のローラとを有する。圧着組立体は、ハウジング内に設けられ、第2の方向に回転可能なスライドシャフトを更に有する。第2のローラがスライドシャフトにしっかりと固定され、この第2のローラは、このスライドシャフトと一緒に回転可能である。駆動機構体が駆動シャフト及びスライドシャフトに作動可能に結合され、駆動機構体は、カバー部品を構造部材に固定するよう第1及び第2のローラを回転させるように構成されている。結合機構体が駆動シャフト及びスライドシャフトに作動可能に結合され、結合機構体は、フランジの厚さのばらつきに順応するために第2のローラを第1のローラに近づけたりこれから遠ざけたりするよう駆動シャフトに対するスライドシャフトの運動を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の開口部に沿ってカバー部品を構造部材に固定する圧着組立体に関する。本発明は、第1のローラ、及び詳細には、構造部材の厚さのばらつきに順応するよう第1のローラに対して動く第2のローラを有する圧着組立体に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の一態様によれば、カバー部品を構造部材に固定する圧着組立体が、ハウジングと、ハウジング内に設けられ、第1の方向に回転可能な駆動シャフトと、駆動シャフトにしっかりと固定され、駆動シャフトと一緒に回転可能な第1のローラとを有する。スライドシャフトがハウジング内に設けられ、このスライドシャフトは、第2の方向に回転可能である。第2のローラがスライドシャフトにしっかりと固定され、この第2のローラは、スライドシャフトと一緒に回転可能である。駆動機構体が駆動シャフト及びスライドシャフトに作動可能に結合され、この駆動機構体は、カバー部品を構造部材に固定するよう第1及び第2のローラを回転させる。結合機構体が駆動シャフト及びスライドシャフトに作動可能に結合され、この結合機構体は、構造部材の厚さのばらつきに順応するために第2のローラを第1のローラに近づけたりこれから遠ざけたりするよう駆動シャフトに対するスライドシャフトの運動を可能にする。
【0003】
本発明の別の態様によれば、カバー部品を構造部材に固定する圧着組立体がハウジングと、ハウジング内に設けられ、第1の方向に回転可能な駆動シャフトと、駆動シャフトにしっかりと固定され、駆動シャフトと一緒に回転可能な第1のローラとを有する。スライドシャフトがハウジング内に設けられ、このスライドシャフトは、第2の方向に回転可能である。第2のローラがスライドシャフトにしっかりと固定され、この第2のローラは、スライドシャフトと一緒に回転可能である。スライダがハウジング内に設けられると共にスライドシャフトにしっかりと固定されている。このスライダは、第1のローラと第2のローラとの間の距離を設定するよう駆動シャフトに対して動くことができる。駆動機構体が駆動シャフトを第1の方向に回転させるよう駆動シャフトに作動可能に結合されている。結合機構体が第1の方向における駆動シャフトの回転に応答してスライドシャフトを第2の方向に回転させるよう駆動シャフトとスライドシャフトとの間に作動可能に結合されている。結合機構体は、構造部材の厚さのばらつきに順応するために圧着組立体の作動中、第2のローラを第1のローラに近づけたりこれから遠ざけたりすることができる。
【0004】
本発明の更に別の態様によれば、カバー部品を構造部材に固定する圧着組立体がハウジングと、ハウジング内に設けられ、第1の方向に回転可能な駆動シャフトと、駆動シャフトにしっかりと固定され、駆動シャフトと一緒に回転可能な第1のローラとを有する。スライドシャフトがハウジング内に設けられ、このスライドシャフトは、第2の方向に回転可能である。第2のローラがスライドシャフトにしっかりと固定され、この第2のローラは、スライドシャフトと一緒に回転可能である。駆動機構体がカバー部品を構造部材に固定するために第1及び第2のローラを回転させるよう駆動シャフト及びスライドシャフトに作動可能に結合されている。スライダがハウジング内に設けられると共にスライドシャフトにしっかりと固定されている。スライダは、第1のローラと第2のローラとの間の距離を設定するよう駆動シャフトに対して動くことができる。
【0005】
本発明の更に別の態様によれば、カバー部品を構造部材に固定する圧着組立体がハウジングと、ハウジング内に設けられ、第1の方向に回転可能な駆動シャフトと、駆動シャフトにしっかりと固定され、駆動シャフトと一緒に回転可能な第1のローラとを有する。スライドシャフトがハウジング内に設けられ、第2の方向に回転可能である。第2のローラがスライドシャフトにしっかりと固定され、この第2のローラは、スライドシャフトと一緒に回転可能である。駆動機構体がカバー部品を構造部材に固定するために第1及び第2のローラを回転させるようハンドル内に保持されると共に駆動シャフト及びスライドシャフトに作動可能に結合されている。ハウジングが駆動シャフトに対して360°回転することができるようにするために回り継手がハウジングと駆動シャフトの間に設けられている。
【0006】
本発明の内容は、添付の図面と関連して以下の詳細な説明を参照すると良好に理解できるので、本発明の内容の理解は容易でる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本体部分に設けられ、選択的に開閉するドアを備えた自動車の部分斜視図である。
【図2】ハウジングを含む圧着組立体の部分斜視図である。
【図3】圧着組立体の平面図である。
【図4】圧着組立体の断面図である。
【図5】ハンドル及び空気圧モータについて別の位置を有する圧着組立体の断面図である。
【図6】ハウジングを取り外した状態の圧着組立体の部分斜視図である。
【図7】圧着組立体のハウジングの拡大断面図である。
【図8】ハウジングがハンドルに対して旋回している状態を示す圧着組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照すると、自動車10は、乗員室16への出入口又は開口部14を備えた本体部分12を有している。ドア18が出入り開口部14を選択的に閉鎖するよう本体部分12に回動可能に結合されている。本体部分12は、出入り開口部14の周囲の少なくとも一部分に沿って本体部分12から外方に延びる構造部材20を有している。一実施形態では、構造部材20は、フランジである。しかしながら、構造部材20は、多くの構造体の任意のものであって良いことが解る。
【0009】
ドア18が開いているとき、開口部14の見た目に美しい外観を提供するようカバー部品22がフランジ20に固定されている。カバー部品22は、一般に、弾性外側コンポーネントの内部に成形された内部金属コンポーネントを有し、したがって、金属コンポーネントは、カバー部品22がフランジ20に固定されると目に見えないようになる。外側コンポーネントは、ドア18をこれに当てて閉じると、出入り開口部14をシールするために用いられるゴム状材料で作られている。
【0010】
全体として符号24で示された圧着組立体がカバー部品22をフランジ20上に圧着してカバー部品22をこのフランジに固定するために設けられている。具体的に説明すると、カバー部品22は、フランジ20の各側に圧着される互いに間隔をおいた脚部を有している。圧着組立体24は、カバー部品22をフランジ20上に位置決めした後、力をカバー部品22の各側に内方に加える。圧着組立体24は、カバー部品22をフランジ20の周りに締め付ける。
【0011】
図2〜図4を参照すると、圧着組立体24は、内側部分28を画定する全体が符号26で示されたハウジング又はヘッドを有している。一実施形態では、ハウジング26は、底部キャップ30、第1のコンパートメント32、第2のコンパートメント34及び頂部キャップ36を有している。底部キャップ30、第1のコンパートメント32、第2のコンパートメント34及び頂部キャップ36は、積み重ね形態で配置されており、これらは、内側部分28が底部キャップ30から頂部キャップ36まで連続して延びるよう形成されている。複数個の底部ねじ38が、ハウジング26を単一コンポーネントとして一緒にしっかりと固定するよう底部キャップ30、第1のコンパートメント32、第2のコンパートメント34及び頂部キャップ36の各々に螺合している。また、圧着組立体24のハウジング26を3つ以下又は5つ以上のコンポーネントで作っても良いことが解る。
【0012】
ハウジング26の頂部キャップ36は、一対の互いに間隔をおいた第1の端壁42と第2の端壁44との間に延びる先導面40を有している。先導面40を貫通して開口部46及びスロット48が設けられている。開口部46とスロット48は、ハウジング26の先導面40に沿って互いに間隔をおいて配置されている。しかしながら、先導面40は、別々の開口部46及びスロット48に代えて、単一の細長い開口部を備えても良い。
【0013】
圧着組立体24は、ハウジング26に結合されたハンドル50を有している。駆動機構体52がハンドル50内に収納されている。一実施形態では、駆動機構体52は、空気圧モータである。空気圧モータ52は、出力歯車54を含む伝動装置に作動可能に連結されている。空気圧モータ52は、空気ライン(図1に示されている)と連絡状態にある。空気ライン56は、空気源から圧縮空気を受け入れ、この圧縮空気をハンドル50に運ぶ。空気圧モータ52は、圧縮空気を受け入れ、この圧縮空気を出力歯車54の回転に変換する。トリガ58がハンドル50に結合されている。トリガ58の作動時、空気圧モータ52は、圧着組立体24の動力作動を開始するよう作動される。
【0014】
駆動機構体52は空気圧モータに限定されない。例えば、一実施形態では、駆動機構体52は、電気モータであっても良い。さらに、別の実施形態では、駆動機構体52は、バッテリであっても良く、この場合、圧着組立体24は、コードレス装置である。
【0015】
図5を参照すると、空気圧モータ又は駆動機構体52を収納したハンドル50をハウジング26に対して種々の作動位置に動かすことができ、それにより出入り開口部14に沿う種々のフランジ形態に対応することができる。図5に示された作動位置は、例示であり、ハウジング26に対するハンドル50及び空気圧モータ又は駆動機構体52の特定の位置は、図5に示されている特定の位置には限定されない。
【0016】
図6及び図7を参照すると、圧着組立体24は、出力歯車54に作動可能に連結されると共に頂部キャップ36の先導面40に沿って開口部46を貫通して延びる駆動シャフト60を有している。駆動歯車62が出力歯車54から間隔をおいた場所で駆動シャフト60にしっかりと固定されている。第1のローラ64がローラねじ65によって駆動シャフト60の一端部にしっかりと固定されている。ローラパッド66が第1のローラ64にしっかりと取り付けられている。空気圧モータ52の作動時、駆動シャフト60は、第1の方向に回転し、駆動歯車62及び第1のローラ64を押圧してこれらと一緒に回転する。一対の支持軸受68,70が駆動シャフト60に沿って設けられている。一方の支持軸受68は、駆動歯車62に隣接して位置決めされ、別の支持軸受70は、第1のローラ64に隣接して位置決めされている。
【0017】
圧着組立体24は、ハウジング26内に設けられると共に駆動シャフト60から間隔をおいて位置したスライドシャフト72を更に有している。スライドシャフト72は、頂部キャップ36の先導面40に沿って形成されたスロット48を貫通して延びている。第2のローラ74がローラねじ75によってスライドシャフト72にしっかりと固定されている。ローラパッド76が第2のローラ74にしっかりと取り付けられている。スライドシャフト72は、第1の回転軸線73を中心に回転する。スライドシャフト72は、この第1の方向とは逆の第2の方向に回転し、第2のローラ74をこのスライドシャフトと一緒に回転させる。スライドシャフト72は、第2のローラ74を第1のローラ64に近づけたり遠ざけたりするよう矢印A,Bの方向に動くことができる。一対の互いに間隔をおいたスラストワッシャ77,79がスライドシャフト72に沿って設けられている。
【0018】
全体が符号78で示された結合機構体が、スライドシャフト72を駆動シャフト60に作動可能に結合するために設けられている。結合機構体78は、駆動歯車62と噛み合い関係をなす被動歯車又は入力回転部材80を有し、一方向における駆動歯車62の回転により被動歯車80が逆方向に回転するように構成されている。被動歯車80は、被動シャフト82に沿ってしっかりと取り付けられている。支持軸受84が被動シャフト82の一端部を支持する。被動歯車80及び被動シャフト82は、第2の回転軸線85を中心に回転する。第2の回転軸線85は、スライドシャフト72の第1の回転軸線からオフセットしている。
【0019】
結合機構体78は、リング状の形態を備えた中間回転部材86を更に有している。中間回転部材86は、第1の組をなすリンク部材88によって被動歯車80に回転可能に結合されている。具体的に説明すると、第1の組をなすリンク部材88の各々は、被動歯車80に回転可能に結合された一端部及び中間回転部材86に回転可能に結合された反対側の端部を有している。中間回転部材86を被動歯車80に結合することにより、中間回転部材86は、第1の回転軸線73及び第2の回転軸線85からオフセットした軸線を中心に回転することができる。
【0020】
結合機構体78は、出力回転部材90を更に有し、この出力回転部材は、第2の組をなすリンク部材92によって中間回転部材86に回転可能に結合されている。具体的に説明すると、第2の組をなすリンク部材92の各々は、中間回転歯車86に回転可能に結合された一端部及び出力回転部材90に回転可能に結合された反対側の端部を有している。第2の組をなすリンク部材92により出力回転部材90を中間回転部材86に結合することにより、出力回転部材は、第1の回転軸線73を中心に回転することができる。スライドシャフト72は、出力回転部材90にしっかりと固定されている。その結果、スライドシャフト72は、第2の回転軸線85からオフセットした第1の回転軸線73を中心に回転することができる。この結果、結合機構体78は、被動シャフト82とスライドシャフト72が互いに異なる回転軸線回りに回転する場合であっても、被動シャフト82からスライドシャフト72へのトルク伝達を可能にする。かかる結合機構体は、シュミット(Schmidt)型継手と通称されている。
【0021】
圧着組立体24は、歯車26の頂部キャップ36内に設けられ、頂部キャップ36に対して矢印A,Bの方向に動くことができるスライダ94を更に有している。スライダ94は、頂面96及び底面98を有している。スライダ94は、頂面96及び底面98の分だけ互いに間隔をおいて位置した第1の側壁100及び第2の側壁102を更に有している。スライドシャフト72は、スライダ94にしっかりと固定され、スライダ94の頂面96及び底面98を貫通して延びている。調整ねじ104,106が各々、頂部キャップ36の第1の端壁42を貫通して延びていて、スライダ94とその第1の側壁100で螺合している。その結果、調整ねじ104,106の調整により、スライダ94は、ハウジング26に対して動く。スライダ94の運動により、第2のローラ74を第1のローラ60に近づけたりこれから遠ざけたりするような矢印A又はBの方向における駆動シャフト60に対するスライドシャフト72の直線運動が生じる。スライドシャフト72のこの直線運動は、結合機構体78の構成により可能になる。アクセスねじ108,110(図2に示されている)が、それぞれの調整ねじ104,106の一端部に螺着され、これへのアクセスを可能にしている。アクセスねじ108,110は、第2のローラ74の調節が望ましい場合に取り外される。スライダ94は、頂面96及び底面98に沿って形成され、この頂面と底面との間に延びる細長いシャフトスロット112を有している。駆動シャフト60は、細長いシャフトスロット112内に受け入れられる。細長いシャフトスロット112は、駆動シャフト60に対するスライダ94の運動を可能にする。
【0022】
圧着組立体24は、第2のローラ74を第1のローラ64に向かって押圧するようスライダ94を図7に示された矢印Aの方向に付勢する付勢部材114,116を有している。各付勢部材114,116は、スライダ94内にその第2の側壁102で受け入れられる。ばね案内ねじ118,120は、頂部キャップ36に螺合し、スライダ94内に延びて付勢部材114,116を定位置に保持している。ばね案内ねじ118,120を既存の付勢部材114,116から加わる圧力が、これらよりも大きな又は小さな付勢部材114,116への交換を容易にするよう一時的に取り外し可能である。圧着組立体24は、多種多様な作動環境で使用可能なので、空気圧モータ52に送り出される圧力が時期によって又は場所によって一定のままであるという保証はない。したがって、圧着組立体24により、ユーザは、付勢部材114,116により加わる圧力の大きさを求めることによって、圧力のかかるばらつきに取り組むことができる。
【0023】
動作原理を説明すると、ユーザは、先ず最初に、フランジ20に沿う圧着組立体24の保持を保証するようフランジ20の最小厚さを定める。ユーザは、ピッチとも呼ばれている第1のローラ64と第2のローラ74との間の距離を調節し、開始位置にある圧着組立体24がフランジ20の周りにぴったりと嵌まるようにする。ピッチを調節するため、ユーザは、アクセスねじ108,110を取り外して調整ねじ104,106にアクセスする。ユーザは、調整ねじ104,106を調整してスライダ94が矢印A又は矢印Bの方向に動くようにする。スライダ94の運動により、第2のローラ74は、第1のローラ64に近づくか遠ざかるかのいずれかを行う。所望のピッチがいったん達成されると、フランジ20から遠ざかる圧着組立体24の作動は、トリガ58を握って空気圧モータ52を作動させることにより始まる。空気圧モータ52により、駆動シャフト60を介する第1の方向における第1のローラ64の回転が生じる。それと同時に、第2のローラ74は、結合機構体78及びスライドシャフト72を介して第2の方向に回転する。次に、圧着組立体24を45°の角度をなしてフランジ20に至らせ、ついには、第1のローラ64及び第2のローラ74がカバー部品22に接触し、圧着組立体24がこのカバー部品上で転動するようになる。圧着組立体24をフランジ20に対して90°回転させ、この圧着組立体は、カバー部品22をフランジ20に固定しながら出入り開口部14に沿って動く。圧着組立体24は、最終的には、45°まで回転して戻され、圧着組立体24は、転動してカバー部品22から離れる。次に、トリガ58を解除して第1のローラ64及び第2のローラ74の回転を停止させる。
【0024】
圧着組立体24を出入り開口部14に沿って動かしてカバー部品22をフランジ20の長さに沿って圧着すると、結合機構体78は、圧着組立体24の作動を停止させないで、圧着組立体24をフランジ20の厚さのばらつきに合わせて調節することができる。フランジ20の厚さがその長さに沿う1つ又は2つ以上の箇所で増大する場合、第2のローラ74は、幅のばらつきに順応するよう第1のローラ64から遠ざかることができる。この機能は、結合機構体78により提供され、この結合機構体は、スライドシャフト72が圧着組立体24の作動中、浮動し、即ち、駆動シャフト60に近づいたりこれから遠ざかったりすることができるようにする。それと同時に、付勢部材114,116は、第2のローラ74を第1のローラ60に向かって付勢して圧着組立体24とカバー部品22の締まり嵌め状態を生じさせる。さらに、フランジ20の厚さがその長さに沿う1つ又は2つ以上の箇所で減少する場合、付勢部材114,116は、第2のローラ74を第1のローラ64に向かって付勢して圧着組立体24とカバー部品22の同じ締まり嵌め状態を生じさせる。
【0025】
付勢部材114,116により提供される圧力を調節するため、先ず最初に、第1のローラ64及び第2のローラ74をローラねじ65,75の取り外しによりそれぞれの駆動シャフト60及びスライドシャフト72から取り外す。次に、複数本の底部ねじ38を弛めて頂部キャップ36を取り外すことができるようにする。ばね案内ねじ118,120を取り外し、スライダ94を頂部キャップ36から取り外す。すると、ユーザは、既存の付勢部材114,116を低圧力又は高圧力用の交換用付勢部材114,116で置き換えることができる。
【0026】
図8を参照すると、別の実施形態では、圧着組立体24のハウジング26は、圧着組立体24の作動中、追加の融通性をもたらすようハンドル50に対して旋回することができる。圧着組立体24は、駆動シャフト60とハウジング26との間に設けられた玉軸受けを含む回り継手122を有している。回り継手122により、ハウジング26は、駆動シャフト60に対して360°回転することができる。
【0027】
本発明を例示的に説明した。用いた用語は、本発明を限定するものではなく、性質上説明のための用語である。上述の教示に照らして本発明の多くの改造及び変形が可能である。したがって、本発明は、上述の説明ではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で実施できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー部品を構造部材に固定する圧着組立体であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、第1の方向に回転可能な駆動シャフトと、
前記駆動シャフトにしっかりと固定され、該駆動シャフトと一緒に回転可能な第1のローラと、
前記ハウジング内に設けられ、第2の方向に回転可能なスライドシャフトと、
前記スライドシャフトにしっかりと固定され、該スライドシャフトと一緒に回転可能な第2のローラと、
前記駆動シャフト及び前記スライドシャフトに作動可能に結合され、前記カバー部品を前記構造部材に固定するよう前記第1及び前記第2のローラを回転させる駆動機構体と、
前記駆動シャフト及び前記スライドシャフトに作動可能に結合され、前記構造部材の厚さのばらつきに順応するために前記第2のローラを前記第1のローラに近づけたりこれから遠ざけたりするよう前記駆動シャフトに対する前記スライドシャフトの運動を可能にする結合機構体と、を備えている、
ことを特徴とする圧着組立体。
【請求項2】
前記駆動機構体に作動可能に結合されると共に前記駆動シャフトと一緒に前記第1の方向に回転可能に前記駆動シャフトにしっかりと固定された駆動歯車を有する、
請求項1記載の圧着組立体。
【請求項3】
前記結合機構体は、前記駆動歯車と噛み合い可能であると共に前記スライドシャフトに作動可能に結合された被動歯車を含む、
請求項2記載の圧着組立体。
【請求項4】
前記結合機構体は、前記スライドシャフトにしっかりと固定されると共に前記被動歯車に作動可能に結合された出力回転歯車を含む、
請求項3記載の圧着組立体。
【請求項5】
前記結合機構体は、前記被動歯車と前記出力回転歯車との間に作動可能に結合された中間回転歯車を含む、
請求項4記載の圧着組立体。
【請求項6】
前記結合機構体は、前記中間回転歯車を前記被動歯車の回転に応答して回転させるよう各々一端部が前記被動歯車に回転可能に結合され、反対側の端部が前記中間回転歯車に回転可能に結合された第1の組をなすリンク部材を含む、
請求項5記載の圧着組立体。
【請求項7】
前記結合機構体は、前記出力回転歯車を前記中間回転歯車の回転に応答して回転させるよう各々一端部が前記中間回転歯車に回転可能に結合され、反対側の端部が前記出力回転歯車に回転可能に結合された第2の組をなすリンク部材を含む、
請求項6記載の圧着組立体。
【請求項8】
前記スライドシャフトにしっかりと固定され、前記第1のローラと前記第2のローラとの間の距離を設定するよう前記駆動シャフトに対して前記スライドシャフトと一緒に動くことができるスライダを有する、
請求項3記載の圧着組立体。
【請求項9】
前記スライダに結合され、前記第1及び前記第2のローラと前記カバー部品との締まり嵌めを保証するよう前記第2のローラを前記第1のローラに向かって押圧する少なくとも1つの付勢部材を有する、
請求項8記載の圧着組立体。
【請求項10】
前記ハウジングにしっかりと固定されると共に前記駆動機構体を前記ハウジング内に保持するハンドルを有し、前記ハンドルは、種々の構造部材の形態に対応するよう前記ハウジングに対して種々の作動位置に動くことができる、
請求項1記載の圧着組立体。
【請求項11】
カバー部品を構造部材に固定する圧着組立体であって、
ハウジングを有し、
前記ハウジング内に設けられ、第1の方向に回転可能な駆動シャフトを有し、
前記駆動シャフトにしっかりと固定され、該駆動シャフトと一緒に回転可能な第1のローラを有し、
前記ハウジング内に設けられ、第2の方向に回転可能なスライドシャフトを有し、
前記スライドシャフトにしっかりと固定され、該スライドシャフトと一緒に回転可能な第2のローラを有し、
前記ハウジング内に設けられると共に前記スライドシャフトにしっかりと固定されたスライダを有し、前記スライダは、前記第1のローラと前記第2のローラとの間の距離を設定するよう前記駆動シャフトに対して動くことができ、
前記駆動シャフトに作動可能に結合され、前記駆動シャフトを前記第1の方向に回転させる駆動機構体を備え、
前記駆動シャフトと前記スライドシャフトとの間に作動可能に結合され、前記第1の方向における前記駆動シャフトの回転に応答して前記スライドシャフトを前記第2の方向に回転させる結合機構体を有し、前記結合機構体は、前記構造部材の厚さのばらつきに順応するために前記圧着組立体の作動中、前記第2のローラを前記第1のローラに近づけたりこれから遠ざけたりすることができる、
ことを特徴とする圧着組立体。
【請求項12】
前記スライドシャフトは、第1の回転軸線回りに回転する、
請求項11記載の圧着組立体。
【請求項13】
前記被動歯車は、前記第1の回転軸線からオフセットした第2の回転軸線回りに回転する、
請求項12記載の圧着組立体。
【請求項14】
前記第1及び前記第2のローラと前記カバー部品との締まり嵌めを保証するよう前記第2のローラを前記第1のローラに向かって押圧するために一端部が前記スライダに直接連結されると共に反対側の端部が前記ハウジングに直接連結された少なくとも1つの付勢部材を有する、
請求項11記載の圧着組立体。
【請求項15】
カバー部品を構造部材に固定する圧着組立体であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、第1の方向に回転可能な駆動シャフトと、
前記駆動シャフトにしっかりと固定され、該駆動シャフトと一緒に回転可能な第1のローラと、
前記ハウジング内に設けられ、第2の方向に回転可能なスライドシャフトと、
前記スライドシャフトにしっかりと固定され、該スライドシャフトと一緒に回転可能な第2のローラと、
前記駆動シャフト及び前記スライドシャフトに作動可能に結合され、前記カバー部品を前記構造部材に固定するよう前記第1及び前記第2のローラを回転させる駆動機構体と、
前記ハウジング内に設けられると共に前記スライドシャフトにしっかりと固定されたスライダとを有し、前記スライダは、前記第1のローラと前記第2のローラとの間の距離を設定するよう前記駆動シャフトに対して動くことができる、
ことを特徴とする圧着組立体。
【請求項16】
前記駆動シャフトにしっかりと固定されると共に前記駆動機構体に作動可能に結合された駆動歯車を有する、
請求項15記載の圧着組立体。
【請求項17】
前記駆動歯車と噛み合い関係にある被動歯車を有する、
請求項16記載の圧着組立体。
【請求項18】
前記スライドシャフトは、第1の回転軸線回りに回転可能である、
請求項17記載の圧着組立体。
【請求項19】
前記被動歯車にしっかりと固定された被動シャフトを有し、前記被動シャフトは、前記第1の回転軸線からオフセットした第2の回転軸線回りに回転可能である、
請求項18記載の圧着組立体。
【請求項20】
前記第1及び前記第2のローラと前記カバー部品との締まり嵌めを保証するよう前記第2のローラを前記第1のローラに向かって押圧するために一端部が前記スライダに直接連結されると共に反対側の端部が前記ハウジングに直接連結された少なくとも1つの付勢部材を有する、
請求項15記載の圧着組立体。
【請求項21】
カバー部品を構造部材に固定する圧着組立体であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、第1の方向に回転可能な駆動シャフトと、
前記駆動シャフトにしっかりと固定され、該駆動シャフトと一緒に回転可能な第1のローラと、
前記ハウジング内に設けられ、第2の方向に回転可能なスライドシャフトと、
前記スライドシャフトにしっかりと固定され、該スライドシャフトと一緒に回転可能な第2のローラと、
ハンドル内に保持されると共に前記駆動シャフト及び前記スライドシャフトに作動可能に結合され、前記カバー部品を前記構造部材に固定するよう前記第1及び前記第2のローラを回転させる駆動機構体と、
前記ハウジングと前記駆動シャフトの間に設けられ、前記ハウジングが前記駆動シャフトに対して360°回転することができるようにする回り継手とを有する、
ことを特徴とする圧着組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−506317(P2012−506317A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516933(P2011−516933)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/CA2009/000887
【国際公開番号】WO2010/003221
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(501241575)マグナ インターナショナル インコーポレイテッド (28)