フレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法
【課題】既設構造物の屋根上にとどまらず、どこへでも大量にユーザーが容易に取付け取外しでき、かつ耐久性に優れたフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を提供する。
【解決手段】長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュール1と、このフレキシブル太陽電池モジュール1を中空状態で密閉保持する保持部2であって、フレキシブル太陽電池モジュール1を密閉する本体部21、及びフレキシブル太陽電池モジュール1の上記長辺に沿って本体部21に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部2とを備える。ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管として、ペアの導管成型部23を設けた構造である。
【解決手段】長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュール1と、このフレキシブル太陽電池モジュール1を中空状態で密閉保持する保持部2であって、フレキシブル太陽電池モジュール1を密閉する本体部21、及びフレキシブル太陽電池モジュール1の上記長辺に沿って本体部21に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部2とを備える。ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管として、ペアの導管成型部23を設けた構造である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法に関し、特に取付けや取外しが容易で、耐久性に優れたフレキシブル太陽電池アセンブリ及びその設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー確保と環境保護の観点からクリーンなエネルギーの研究開発が進められており、クリーンエネルギー源の一つとして太陽電池が期待されている。太陽電池は、太陽光を利用して電力を発生させる太陽電池本体をモジュール化した太陽電池モジュールからなる。太陽電池のさらなる普及を考えると、既設構造物の屋根上にとどまらず、どこへでも大量にユーザーが容易に取付け取外しできることが望まれる。下から見て環境アピールができることを目的とした安価で年間発電量の高い太陽電池アセンブリの設置方法を提供しようとする背景がある。
【0003】
太陽電池モジュールとしては、大きく分けてフレキシブル太陽電池モジュールとリジッドな太陽電池モジュールが存在している。フレキシブル太陽電池は、薄膜太陽電池の例で代表され、現在フレキシブル太陽電池の主流となっている。薄膜太陽電池は、発電層が薄い太陽電池であり、ガラスパネルを使用した大型で厚みのあるものから、プラスチック樹脂フィルムを使用した小型で薄いものまで幅広く存在する。材料も無機物では、シリコン、アモルファスシリコンが使用され、シリコン以外の化合物を用いた有機物では、有機薄膜や色素増感有機物を使用したものが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2698200号公報
【特許文献2】特開2010−287598号公報
【特許文献3】特許第4325107号公報
【特許文献4】特開2010−050196号公報
【特許文献5】特開2006−339684号公報
【特許文献6】特開平08−288532号公報
【特許文献7】特開平11−46007号公報
【特許文献8】特許第3932029号公報
【特許文献9】特開2004−235188号公報
【特許文献10】特開2003−074157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術のフレキシブル太陽電池アセンブリは、屋根に設置することが前提として作られている。ガラスパネル型太陽電池の場合、屋根のような面に架台を介して設置する方式である。軽量なフレキシブル太陽電池の場合も屋根のような面に鋼板とともにボルト締めして設置する方式が主流のため、設置面積が、屋根のような面に限られ、大容量で設置するには限界があった。設置工事も専門の業者を必要とし、架台や鋼板等の材料費が増大し、設置工事自体も多くの工程と工事期間を要するという課題があった。一度設置すると、ユーザーが取外し困難であり、非常時等に移設できないという課題があった。
【0006】
設置工事の複雑さによって、太陽光発電システムの設置工事を含めた総額の価格が著しく上昇していた。特に日本での太陽光発電システムが普及しない一つの要因は初期費用が高価であることにある。よって、大きな価格上昇の要因である設置工事をできるだけ簡略化することを目指し、材料費を含めて総費用を削減するフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を提供することが求められている。また、特にフレキシブル太陽電池アセンブリで屋根のような面に接着して設置する場合、輻射熱の高温で接着面の空気膨張が生じて剥がれる不具合が生じる可能性が高かった。また、設置工事に専門の業者を必要とすることから、取付け取外しがユーザーでできないため、レンタルのようなビジネスモデルも生まれにくいという課題があった。また、屋根の上に設置し下から見えないため、設置したユーザーの立場から環境活動のアピールができないという課題があった。
【0007】
背景技術の場合は、止むを得ず壁面のような場所に設置して、目立つようにしていたが、一方の発電量という観点からは、大幅に劣化するという課題がある。太陽光発電においての発電量の性能について意識されにくいこととして、太陽電池モジュールが20℃での発電量を基準にしていることにある。一般的な太陽電池モジュールは、熱が高くなるほど、発電量が劣化することが知られている。代表的な結晶シリコン型のガラスパネルでは、夏の設置環境での発電量の劣化は約3割程度となる。これは、太陽電池の性能は20℃で規定されており、発電量は温度係数で一律に比例する特性なので夏の実設置環境では20℃より大幅に太陽電池単体の温度が上昇して一例として80℃以上等になってしまうからである。結晶シリコンの0.45の温度係数で60℃上昇しただけでも乗算計算上、27%の劣化が起こる。なお、薄いフィルム型でさえも背景技術では鋼板や屋根に接着していたため、輻射熱でガラスパネルと同様に発電量が劣化していた。このように屋根への設置は、面からの輻射熱でフレキシブル太陽電池モジュールの温度が上昇して、大幅に発電ロスが生じるという課題があった。
【0008】
フレキシブル太陽電池アセンブリは、安定的に長期的に空間に吊ることが難しいという課題がある。その理由は、背景技術のフレキシブル太陽電池アセンブリでは、空間に吊るとなるとフレキシブル太陽電池モジュールにかかる自重や風圧やボールや雹等の機械的負荷や塩害等に長期的に耐えるだけの耐久性がないためである。
【0009】
特許文献1や特許文献2では、屋根や壁面に網のようなネットを張って、フィルム型でないガラスパネルの太陽電池モジュールの4隅をネットに小さい固定金具で固定することが提案されている。根本的に屋根の面や壁の面に近距離で平行して設置して、風圧等の影響をできるだけ抑えた環境に限定されて適用する方法である。屋根の面や壁の輻射面との距離が近いため、放熱効果も乏しい。また、高重量の太陽電池モジュールと一体化されていない小さい金具で、ロープと部分的に固定するため、本方式でそのまま何もない空間に太陽電池モジュールを吊るとなると風圧で大きく揺れて一体化されていない小さい固定金具が外れたりする可能性が高い。また重量の重いガラスパネルの太陽電池モジュールを使用しており、高重量と風圧とが同時にかかった場合、屋根の面や壁の面でたわみがそれ以上たわまないため、なんとか屋根や壁に限定して成り立つものである。屋根の面や壁の面が、強度の保険となっていることが条件として大きく違う。よって、固定する位置が屋根や壁面に設置が限られてしまうという課題があった。
【0010】
特許文献3では、屋根やテント等にフレキシブル太陽電池モジュールを背面が膜体で受光面が網の膜構造体で保護することが提案されている。膜体と網を支持部材のついた支持枠へ巻きつけて支持部材突起に網を引っ掛けて張架固定することが提案されている。このような固定方法では、大量に設置することができない。また、特許文献3の固定方法では屋根やテントが風圧によるたわみのストッパ的役割になっており、屋根やテント以外の設置環境で設置するものではない。設置面に接しているため、放熱性もない設置方法である。また、屋根やテント等の狭い面積でのみなんとか強度を保持できるものであって、屋根以外の設置環境で屋根よりも長い距離で設置するものではない。なお、受光面が網の保護なので、塩害対策までできない。また、比較的小面積のフレキシブル太陽電池モジュールの製品例では、最初からフレキシブル太陽電池モジュールの4隅に鳩目の穴が空けられており、取外し容易にひもや結束バンド等であらゆるところに縛ったりして設置することもできるようになっているものも見られる。しかしながら、ひもや結束バンド等でフレキシブル太陽電池モジュールの4隅の局所的な部分が直接引っ張られるため、空間に浮かして設置した場合、強い風圧環境ではひもがほどけたり、結束バンドが切れたり、鳩目が破壊されたり、引っ張りにより発電層が破壊されたりする課題がある。結局、この場合も風圧で影響されない屋根や壁の面にぴたりと密着させて設置するしかなかった。
【0011】
特許文献4は、フレキシブル太陽電池モジュールに関するものであり、リジッドなアルミフレームにひもや結束バンド等で結ぶか、リジッドなアルミフレームに直接ボルト締めすることが提案されている。強度上、屋根や壁の面にぴたりと密着させて設置することが必要であり、とても風圧の高い空間に設置できるものではない。
【0012】
特許文献5では、太陽電池を四方のリジッドなフレームにひもで数箇所縫い合わせて固定することが提案されている。フレキシブル太陽電池モジュールを直接ひもで強く引っ張ることになり、風圧でひもがほどけたり、フレキシブル太陽電池モジュールの発電層が破壊される可能性がある。このため、風圧の高い空間に設置できるようなものではない。
【0013】
特許文献6は、リジッドなガラスパネルの太陽電池モジュールに関するものであり、2本のワイヤを張って、太陽電池モジュールにボルト止めした開ループのフックを小さなネジを外れ止めとして補強してワイヤに止めることが提案されている。しかも太陽電池モジュールの長辺方向間に短辺に固定したフックをつけてワイヤで吊る構造のため、強風で屋根のような小さな面積での設置程度の強度にはなんとか屋根がストッパとなって、耐えられるが、何もない空間に設置する強度はない。屋根だけで適用できる限定される実例である。また、長辺方向間に短辺に固定したフックをワイヤで吊るのは、太陽電池モジュールが破壊されやすいという課題がある。なお、ワイヤの張力調整機構として、ターンバックルやぜんまい巻取り方式のローラーのようなもので調整しようとしているが、ぜんまい巻取り方式の機構では、ぜんまいが高い風圧に十分耐えるだけの張力は得られないという課題があった。しかも釣具のリールのようにただ巻いているだけでは引張りでワイヤが抜けてしまうという課題があった。これは、確実な強度の高い閉ループでのワイヤの固定がされていないためである。しかも、ターンバックルの場合も片側が閉ループで、ワイヤを結びつけることになり、強度が得られないという課題があった。また、逆にターンバックルの片側が開ループのフックであり、固定が外れるという課題があった。
【0014】
特許文献7では、フレキシブル太陽電池モジュールを膜状のドーム屋根等に全面保護で設置することが提案されている。設置工事の過程に溶着する工程があり、設置工事工程が増えて設置費用が増大する課題があった。また、これは、膜状のドーム屋根等の膜状の屋根があるところに限定される設置方法であって、何もない空間に大量に吊ることができない。以上は、どれも屋根や壁に限定した設置例である。
【0015】
特許文献8は、富士電機システムズ社のフレキシブル太陽電池モジュールの使用を想定したもので、屋根や壁以外に設置できる一例を提案している。特許文献8の記載には、強風がでてきたときに取外す指示があるように風圧に耐えられるようにできていない。この理由は、フレキシブル太陽電池モジュール1枚あたりたった2点の局部的な支えで保持しているからである。これでは、強風により局部的な引張り力の集中により、ガイド部の破壊が起こるばかりか、繊細なフレキシブル太陽電池モジュールの発電部層の破壊も起こり得る。しかもガイド機構が2つの車輪で挟むような開ループのレール構造であり、実用上で脱線が起こる可能性もある。
【0016】
特許文献9は、富士電機システムズ社のフレキシブル太陽電池モジュールの使用を想定したもので、屋根や壁以外の池の南北の両岸にワイヤを用いて設置する一例を提案している。積極的に南北方向に設置して複雑な機構で傾斜角をつけることでワイヤの設置本数を増やしているため、材料費が多くかかるという課題がある。また、フレキシブル太陽電池モジュールを吊る固定具もフレキシブル太陽電池モジュール側とワイヤ側に完全に分離され、しかもフレキシブル太陽電池モジュール側が、取外し容易な開ループのフック形状となっている。このため、外れる可能性があるとともに部品点数が多くなり、材料費と加工費がさらにかかるという課題がある。なお、ワイヤ側固定金具もワイヤとの接続部分が短く局部的な固定となっており、導管も半円形状を上下圧着ボルト固定するものである。フレキシブル太陽電池モジュール側の固定金具も結局フレキシブル太陽電池モジュールと局部的なボルト固定となっている。このため、金属板を含まないフレキシブル太陽電池モジュールの場合は、風圧の高い環境では局部的な引張りの力で、固定部分の破壊が起こるばかりか、繊細なフレキシブル太陽電池モジュールが引きつれて発電部層の破壊が起こる課題がある。また、支柱とワイヤとの固定も不明である。フレキシブル太陽電池モジュールの破壊を起こす局部的な固定方法でかつ外れる開ループの固定方法であるため、風圧の高い環境ではとても設置できる強度のものではない。
【0017】
特許文献10では、ケーブル止め金具で張った2本のケーブルあるいはワイヤにフレキシブル太陽電池モジュールを入れる袋のついた膜材の架台を取付ける屋根以外の空間設置も想定した例が提案されている。しかしながら、ケーブル止め金具の製法が不明確であり、また、膜材の架台とケーブルとの詳細な結合方法が明確ではない。また、固定方法について明確に記述されていない。膜材の架台をケーブルに取付けるとなっているため、ひもや結束バンド等の通常の結束手段で局部的に取付けるものと見なしてよい。フレキシブル太陽電池モジュールの傾斜角調整もできないという課題がある。なお、架台の膜材は、かなり長いものとなり、途切れがないことから風圧をかなり受け、膜材の自重とともにかなりの耐久性が求められるものとなる。その対策として、架台の膜材に風圧を逃がす孔を複数空けているが、この孔は逆に架台の膜材が風圧により引きちぎれる課題が生まれる。なお、太陽電池モジュールを中に入れる袋は密閉されていないため、塩害等の化学的耐環境性は向上しない上に袋から飛び出す可能性もある。減衰ダンパーや耐風安定板をケーブルに取付ける付加的な発明もあるが、肝心なケーブルとの詳細な固定方法について不明確になっている。これら背景技術の共通点は、局部的な支持で、かつ不完全な閉ループのため、外れや繊細な薄膜のフレキシブル太陽電池モジュールの発電層の破壊等が起こりえるということである。
【0018】
また、年間発電量という1年のくくりで発電量を見ると、背景技術の屋根に設置する太陽電池ジュールの場合、屋根の角度の方向で固定するか、屋根の角度の方向とは異なる角度に変えるにしても傾斜角が南向きに平均的な30度近辺に固定して設置していた。このため、季節に応じて、傾斜角を調整することができなかった。季節によって、太陽光の日射角度も変わるため、この発電劣化も見逃せない要因となり、年間発電量の低下につながっていた。
【0019】
したがって、本発明の目的は、既設構造物の屋根上にとどまらず、どこへでも大量にユーザーが容易に取付け取外しでき、かつ耐久性に優れたフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記目的を達成するため、本発明に係るフレキシブル太陽電池アセンブリは、長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュールと、上記フレキシブル太陽電池モジュールを中空状態で密閉保持する保持部であって、上記フレキシブル太陽電池モジュールを密閉する本体部、及び上記フレキシブル太陽電池モジュールの上記長辺に沿って上記本体部に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部とを備えることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係るフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法は、長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュールと、上記フレキシブル太陽電池モジュールを中空状態で密閉保持する保持部であって、上記フレキシブル太陽電池モジュールを密閉する本体部、及び上記フレキシブル太陽電池モジュールの上記長辺に沿って上記本体部に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部とを備えるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法であって、
上記フレキシブル太陽電池アセンブリの上記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管に線状部材を通過させて、上記フレキシブル太陽電池アセンブリを固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、既設構造物の屋根上にとどまらず、どこへでも大量にユーザーが容易に取付け取外しでき、かつ耐久性に優れたフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を説明するための全体を示す斜めから見た俯瞰図であり、(b)は(a)のA部を中心として部分的に拡大した俯瞰図である。
【図2】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの別の設置方法を説明するための全体を示す斜めから見た俯瞰図であり、(b)は(a)のB部を中心として部分的に拡大した俯瞰図である。
【図3】(a)は本発明の第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のC部の部分拡大図である。
【図4】(a)は本発明の第2実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のD部の部分拡大図である。
【図5】(a)は本発明の第3実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のE部の部分拡大図である。
【図6】(a)は本発明の第4実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のF部の部分拡大図である。
【図7】(a)は本発明の第5実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のG部の部分拡大図である。
【図8】(a)は本発明の第6実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のH部の部分拡大図である。
【図9】(a)は本発明の第7実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のI部の部分拡大図である。
【図10】(a)は本発明の第8実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図である。
【図11】(a)は線状部材3の平面図であり、(b)はその長辺側の側面図であり、(c)はその短辺側の側面図である。
【図12】(a)は他の線状部材3の平面図であり、(b)はその長辺側の側面図であり、(c)はその短辺側の側面図である。
【図13】(a)は図11の線状部材3にストッパ31を取り付けた状態を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図であり、(c)は(a)のB−B線に沿った断面図である。
【図14】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第1実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図15】(a)は第1実施例の設置固定部4の傾斜角を大きくしたときの正面図であり、(b)はこの設置固定部4の傾斜角を小さくしたときの正面図である。
【図16】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第2実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図17】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第3実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図18】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第4実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図19】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第5実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図20】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第6実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図21】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第7実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図22】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第8実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
初めに、本発明の第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。図1(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を説明するための全体を示す斜めから見た俯瞰図であり、図1(b)は図1(a)のA部を中心として部分的に拡大した俯瞰図である。図2(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの別の設置方法を説明するための全体を示す斜めから見た俯瞰図であり、図2(b)は図2(a)のB部を中心として部分的に拡大した俯瞰図である。図3(a)は本発明の第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図3(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図3(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図3(d)は図3(c)のC部の部分拡大図である。
【0025】
まず本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリについて、説明する。本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、図3(a)乃至図3(d)に示すように、長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュール1と、このフレキシブル太陽電池モジュール1を中空状態で密閉保持する保持部2であって、フレキシブル太陽電池モジュール1を密閉する本体部21、及びフレキシブル太陽電池モジュール1の上記長辺に沿って本体部21に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部2とを備えるものである。本実施形態では、ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管の一例として、ペアの導管成型部23を設けた構造である。
【0026】
さらに詳細に説明すると、本実施形態で用いるフレキシブル太陽電池モジュール1は、メーカーや種類を問わないフレキシブルに曲がる薄いシート構造をしたフレキシブル太陽電池アセンブリの本体であり、以下ではフレキシブル太陽電池モジュール1と呼ぶことにする。
【0027】
保持部2は、フレキシブル太陽電池モジュール1を中空構造のシートの袋の中に入れて周辺全てを密閉保護するもので、上下から挟んで保持する本体部21と、フレキシブル太陽電池モジュール1を密閉した状態で本体部21の短辺側をそれぞれ溶着して設けられた溶着部22と、ペアの導管成型部23とを備えている。導管成型部23は、フレキシブル太陽電池モジュール1の長辺方向に2本以上の導管形状のものを一体成型した機構部品である。導管成型部23には、線状部材3が通されている。
【0028】
図11(a)は線状部材3の平面図であり、図11(b)はその長辺側の側面図であり、図11(c)はその短辺側の側面図である。図12(a)は他の線状部材3の平面図であり、図12(b)はその長辺側の側面図であり、図12(c)はその短辺側の側面図である。線状部材3はフレキシブルなロープやワイヤであり、図11に示すように両端3aを閉ループ状に加工したものや、図12に示すように線状部材3全体を閉ループ状に加工したものが考えられる。
【0029】
線状部材3の材質は問わないが、一般的には、強度の高い金属のワイヤか各種繊維を使用したロープが一般的である。なお、同じフレキシブルの縦横のネットとの違いは、ネットは、縦横の接続があるため、完全な閉ループの導管が接続できないことにある。扱いやすいフレキシブルな一直線の線状部材3を、フレキシブル太陽電池アセンブリの長辺の導管成型部23に通して吊ることに、新しい価値がある。ロープは帯状に平板になっていてもよい。重量を軽量化するためには、金属よりも繊維などの方が望ましいが、強度を上げるためには、素材がダイニーマのような軽量で強度の高い耐薬品性、耐光性の高いメンテナンスフリーのロープがさらに望ましい。風圧が少なく、吊るフレキシブル太陽電池アセンブリの数量が少ない場合は、ダイニーマのような高強度の素材であれば、釣り糸のような細い糸でも可能である。線状部材3の径は、材質と強度の要求で調整する。ただ、フレキシブル太陽電池アセンブリの数量が多くなると、ダイニーマの釣り糸でも強度が足りなくなるため、太いダイニーマロープが望ましくなる。形状としては、円芯形の通常のロープの他にもベルト形状のような平板な帯状のものでも可能である。また、線状部材3としてチェーンも材質を問わず使用可能である。チェーンは、金属やプラスチックが一般的だが、プラスチックは強度が弱いため、金属チェーンの方が強度上は望ましい。しかし、金属チェーンは、重量の点で望ましくないため、吊るフレキシブル太陽電池アセンブリの数量が少なく重量が軽い場合の条件付きで適用するのが望ましい。なお、後述する設置固定部4との連結を考慮すると、端末加工のない線状部材3でも使用できる。
【0030】
図11に示すような、線状部材3の両端をループ状に加工する方式には、アイ加工や圧縮止め加工がある。アイ加工とは、アイスプライス(編込差し)加工とも呼び、端部において、ストランドを半数に分けて、物を吊り上げるために強度高くループ状に互いに編みこむ加工である。なお、端部を折り返して、ループ状にして本体に沿わせて圧縮金具を巻きつけて圧縮する圧縮止め加工も適用可能である。圧縮止め加工は、ロック加工やクランプ加工とも呼ぶ。圧縮金具は、通常アルミ製のクランプ管が一般的で、先にワイヤやロープに通しておき、端部を折り返して重ねてクランプ管に2本を入れて、ペンチや金槌でつぶして圧着する。
【0031】
メーカーの作る丈夫なものは、専用のプレス機でクランプ管を圧縮し強度を上昇させる。設置のその場で、長さを調整して、圧縮止め加工ができる利点があるが、アイ加工に比べて強度が低くなる傾向がある。通常は設計した長さで強度の高いアイ加工を使用する。両端をアイ加工したワイヤやロープやベルトを各々スリングワイヤやスリングロープやスリングベルトとも呼ぶ。その加工法は、玉掛索としてクレーン等安全規則第219条及び労働安全衛生規則第475条に定められている。規定上では、端末ヒゲが12箇所以上あるのが玉掛索であるが、強度を必要としない場合、編みこみ回数を低くして端末ヒゲを少なくしてもよい。両端が、アイ加工されているワイヤまたはロープの強度を上げるためにさらにサービング加工を追加してもよい。サービング加工とは、さらにワイヤやロープを巻き足して強度を高める加工である。また、強度を高めるためにアイ部分に補強金具のシンプルを入れてもよい。
【0032】
アイ加工の代わりに端部にクランプ管付きのアイターミナルという金具で、ロータリースエージングマシンで強固に圧着したワイヤまたはロープも可能であるが、圧着なので強度は弱くなる。強度上から、アイターミナルを圧着せずにバビッドメタル(ホワイトメタル)または亜鉛等の合金または樹脂をアイターミナルのケーブル側に流し込み溶着する方法もある。恒久的なものは亜鉛を使用するのが一般的である。また、アイターミナルは、溶着して強度の高い太いものは、ワイヤソケットとも呼ばれる。ワイヤソケットは日本工業規格(JIS)で規定されており、この端末加工はソケット加工とも呼ばれ、ワイヤの固定方法としては最も確実で恒久的な長期耐久性の高いものである。ワイヤソケットはクローズド型(C型)のワイヤソケットとボルト締めのオープン型(O型)のワイヤソケットがある。ボルト締めのオープンのワイヤソケットでも強度が高いので、問題はない。
【0033】
線状部材3は、原則として、フレキシブルなロープやワイヤであるが、竿のような固形の棒状の両端に閉ループのリング構造が一体化された形状のものも可能である。しかし、長い距離で設置する場合には、固形の棒状のものは運搬や設置上の取扱いの点で長すぎて扱いにくいので、例外的に短距離で設置する場合等に使用は限定される。あくまで可能性を示した例外的な場合で、原則はワイヤやロープのような扱いやすいものを線状部材3として採用する。
【0034】
図12に示すような全体を閉ループ状に加工した線状部材3は、一本の長いロープをリング状に継ぎ編みこむロングスプライス加工や一本の長いストランドを連続して7周以上編みこむグラメット加工や長いワイヤを圧縮止め加工により長いリングにすることで得られる。強度上グラメット加工の方が望ましい。グラメット加工は、本エンドレス加工とも呼ばれる。以上のこれらのワイヤやロープは、専門のメーカーから入手可能である。なお、線状部材3は、設置固定部4間の距離と合うようにあらかじめ長さを決定してから製造するものとする。
【0035】
次に、このようなフレキシブル太陽電池アセンブリの製造方法について説明する。これらの実施形態は、構成の形状と一体成型が重要であって、材質自体や製法を問わないので、代表的な材質での製法の説明とする。材質や製法は、重量や強度との関係で選択されるが、本実施形態は軽量で強度のある材質や製法を選択することを優先する。
【0036】
フレキシブル太陽電池モジュール1の代表例として、特に薄膜太陽電池モジュールは、発電層が薄い太陽電池モジュールであり、発電層の基盤材料に固いガラスパネルを使用した厚みのあるものから、フレキシブルな金属フィルムやフレキシブルなプラスチック樹脂フィルムやフレキシブルなガラスを使用した薄いものまで幅広く存在する。発電層の基盤材料に製膜される発電材料も無機物では、シリコンやアモルファスシリコンを用いた薄膜太陽電池モジュールが存在し、シリコン以外の化合物を用いた有機物では、有機薄膜や色素増感有機物を使用した各々有機薄膜太陽電池モジュールや色素増感太陽電池モジュールの種類が存在する。背景技術の太陽電池モジュールと比較して発電層が約1/100程度の薄さであるのが特徴である。その分、フレキシブル太陽電池モジュール1の場合、発電層の薄膜が過度な引っ張り等の機械的負荷で剥がれやすい。
【0037】
本実施形態は、フレキシブル太陽電池モジュール1として、軽量で薄いフィルム型のフレキシブル太陽電池モジュール1の特性を有効に利用したフレキシブル太陽電池モジュール1に特化したものである。本実施形態には、リジッドなガラスパネル型の太陽電池モジュールは重量が劇的に重くなるため、重量と風圧に耐えられず、形状的に厚みがありすぎるため、対象外とする。ただし、本実施形態は、フィルム型と同様のプラスチック樹脂フィルムと同様なフレキシブルな性質を持つ薄いガラスパネルを使用したものは、フレキシブル太陽電池モジュール1の一種と見なし、本実施形態の対象内とする。すなわち、フレキシブル太陽電池モジュール1の定義としては、フレキシブルな薄いシート状の太陽電池モジュールであれば対象内とする。本実施形態は、フレキシブル太陽電池モジュール1に導管成型部23の機構的な一体成型を加えて自重や風圧や野球ボールや雹や塩害等から保護させるものであり、使用するフレキシブル太陽電池モジュール1は、メーカーや方式等は問わず、すべてのフレキシブル太陽電池モジュール1で適用可能である。空間に吊るため、より重量が軽く薄いフレキシブル太陽電池モジュール1ほど望ましい。
【0038】
薄すぎて強度が不足するものは、導管成型部23の厚みで補強できる。適用に望ましい代表的な薄いフレキシブル太陽電池モジュール1の例として、日本の富士電機システムズ社製FWAVEシリーズや米国のUnitedSolar社製Uni-Solarシリーズが代表的に挙げられる。前者は、繊細で壊れやすいのに対して、後者は強固で壊れにくいという非常に対照的な性質を持つため、両者に対応できる実施形態を網羅することで代表的な実施形態が網羅できる。ただし、繊細で壊れやすいタイプの方がフレキシブル太陽電池モジュール1としては原則的であり、強固で壊れにくいタイプの方は例外的なタイプと言える。よって、この代表的なフレキシブル太陽電池モジュール1の導管成型部23との一体成型方法について、具体的に実施形態を述べる。本実施形態は、屋根や壁以外の空間に橋渡しのように設置される環境条件を目的としてあらゆる機械的化学的保護を著しく強化する機構上の工夫を図るものである。このような条件では、屋根や壁に近距離で浮かして設置する場合と違って風圧がかかってもそれ以上屋根や壁でたわみが止まることがないため、まず自重と風圧対策の工夫が必要となる。
【0039】
また、風圧以外の条件としては、野球のボールや雹等のような固形物からの保護の工夫も必要である。また、化学的には、海岸付近に設置する場合の塩害対策の工夫も必要となる。富士電機システムズ社製FWAVEシリーズのフレキシブル太陽電池モジュールは、薄いプラスチックのエチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)のシートで両面から薄いプリント基板の正味のフレキシブル太陽電池セル本体が挟まれる構造になっている。このモジュールの特徴としては、軽く薄いことである。これが、荷重負荷を低減する利点となるが、逆に軽く薄いことで、モジュールに直接風圧がかかって、モジュール中央部が押されると、線状部材3の吊る力でモジュール短辺方向にモジュールが直接引っ張られて発電部の薄膜が電極と剥がれて破壊される危険性がある。フレキシブル太陽電池モジュールの例としては、典型的な強度の低い例である。
【0040】
本実施形態は、モジュールに直接風圧がかからないようにして、さらに線状部材3の吊る力がモジュールを直接引っ張らないような機構にしている。フレキシブル太陽電池アセンブリの長辺方向に2本以上の導管を一体成型するとともにフレキシブル太陽電池モジュール1全体を中空構造により密閉保護する導管成型部23を有するフレキシブル太陽電池アセンブリである。この実施形態として、図3に示すようにフレキシブル太陽電池モジュール1全体を中空構造の本体部21のシートの袋の中に入れて周辺すべてを完全に密閉してしまう機構が有効になる。導管の条件としては、完全な閉ループの導管でありかつ長辺方向に長い導管でありかつ可動部のまったくないリジッドな一体構造であるものとする。レールのような脱線の可能性のある構造も導管とは見なさない。
【0041】
完全密閉することにより、風圧以外の野球のボールや雹のような固形物からの保護と塩害からの化学的保護も同時に可能となる。この場合、フレキシブル太陽電池モジュール1を密閉した後に本体部21のシートの残りの短辺の周辺を溶着して、フレキシブル太陽電池モジュール1全体は、本体部21のシートに溶着しないことがポイントとなる。中空で上下から挟む力だけでフレキシブル太陽電池モジュール1全体が固定されていないということである。このような機構であれば、どのような力がかかっても本体部21のシートに直接引張りの力がかかることになり、フレキシブル太陽電池モジュール1に直接引張りの力がかからない。フレキシブル太陽電池モジュール1の一部でも接着等はしないからである。風圧がかかることで、本体部21のシートがまず直接曲がり、間接的にフレキシブル太陽電池モジュール1が曲がるだけである。フレキシブル太陽電池モジュール1は、もともと巻き取り型のプロジェクタースクリーンのように巻き取れるくらいのフレキシブル性を持つものなので、曲がるだけでは発電部の薄膜が破壊される危険性はない。
【0042】
また、本実施形態の大きなポイントとして、本体部21のシートを局部的に引っ張ることはしないことにある。具体的には、図2に示す通り、長辺方向に長い導管全体で長い線の支持で吊ることにある。ここで、線状部材3と導管は、長辺に長く接しているだけなので、風圧でたわんだ時に短辺方向には引っ張られるが、導管自体に長辺方向に引張りの力がかからない。これにより、風圧の力が長辺全体に分散してかかることで、短辺方向の引張りの力が長辺方向に平均的に分散されて、導管成型部23が風圧により直接破壊される可能性を著しく低減することになる。また、本実施形態の、導管成型部23の導管の構造の条件としては、一体成型による完全な閉ループの導管であることである。コの字のレールのような構造のものやコの字に開いた金具で圧着して部分的に導管を作るようなものでも自重プラス風圧で強度が不足するため、導管とは見なさない。
【0043】
なお、単純に中空密閉の保護構造にしているだけでなく、水平の一直線の線状部材3が通る前提となる導管を一体成型して組み合わせていることに新規性がある。全面保護と導管を両方兼ね備えている効果が高い。導管成型部23の材質として、中空構造の中にフレキシブル太陽電池モジュール1全体をすっぽり包むため、強度があり太陽光を遮断しない透明なものであれば材質を問わないが、一般的に太陽電池モジュールで使用されている同じ材質の耐環境性の高いETFEのシートで成型することが望ましい。本体部21のシートの厚みは、材質と強度の要求で調整する。全面中空一体成型が本実施形態のポイントであることから、溶着で一体成型ができるプラスチック樹脂シートを原則とする。また、他の種類の薄いプラスチック樹脂シートでも適用は可能であるが、ETFEのシート以外でもやはり融点が高く耐環境性の高いエンジニアリングプラスチックほど望ましい。
【0044】
ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、三フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・ポリ三フッ化塩化エチレン共重合体(ECTFE)等がある。
【0045】
具体的な詳細な機構は、第1の実施形態の図3に示すように2本以上の導管が一体化されている薄いベルト形状の中空構造の導管成型部23でフレキシブル太陽電池モジュール1を全体的に周りから挟み込む。そして、図3のようにフレキシブル太陽電池モジュール1より一回り大きい導管成型部23の短辺の図3の斜め格子のプラスチック樹脂同士の領域を上下で溶着し密閉する。ここで、フレキシブル太陽電池モジュール1にはいっさいの溶着はしないことが重要である。溶着してしまうとフレキシブル太陽電池モジュール1に風圧の力が伝導してしまうからである。図3で示すように四方が一体化成型され中空構造で囲まれることで、フレキシブル太陽電池モジュール1がはずれることはない。プラスチック樹脂の材質の場合、一般的なプラスチックの成型法で、フレキシブル太陽電池アセンブリの第1の実施形態の図3のように導管の形状のプラスチック樹脂を導管成型部23としてあらかじめ型にはめて成型するのが大量生産に向く標準的製法である。
【0046】
導管成型部23は、図3に示すようにフレキシブル太陽電池モジュール1を密閉する薄い中空構造の空間と2本以上の導管の空間を含む一体成型構造とする。図3では導管の穴は、説明の便宜上大き目の真円で描かれているが、楕円だろうが多角形だろうが形状やサイズは問わない。最低でも使用する線状部材3の両端が通る導管形状とサイズであればよい。なお、図が煩雑になるため図では示していないが、この導管は、フレキシブル太陽電池アセンブリの電線を通す導管を兼ねることが可能であるため、大き目のサイズにする。この場合、プラスとマイナスの電線を両側に分けてバランスをとることが望ましい。導管成型部23とフレキシブル太陽電池モジュール1との一体成型をする場合、導管成型部23周辺の結合面積や導管成型部23の厚さは、システムで必要とされる耐荷重と風圧荷重と野球ボールや雹等の衝撃荷重等で調整される。一体成型方式は、このフレキシブル太陽電池モジュール1の場合は、強度上からは周辺の面全体を溶着してフッ素樹脂のETFE同士を完全に一体化する。溶着は、一例として嶋倉工業製のフッ素樹脂シート溶着機を使用して加熱・冷却サイクルにより溶着する。強度を必要としない場合は、間隔をおいて部分溶着でもよいが、本実施形態のポイントは中空密閉化にあるため、溶着は、全体を溶着して完全に密閉することを原則とする。よって、完全防水構造にもなる。
【0047】
フレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用するストッパ31について、説明する。図13(a)は図11の線状部材3にストッパ31を取り付けた状態を示す平面図であり、図13(b)は図13(a)のA−A線に沿った断面図であり、図13(c)は図13(a)のB−B線に沿った断面図である。
【0048】
図13に示すように、ストッパ31は、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23が線状部材3から外れないようにするため、導管成型部23の長辺方向の両端の線状部材3に取付ける工事部品である。ストッパ31は、導管成型部23の径より長く線状部材3を上下から挟む2枚の板状金具310と、線状部材3を挟んだ状態で2枚の板状金具310を固定する固定部材311とを有する。固定部材311は、ペアのボルト及びナットで構成する。ボルトとナットで絞めて、線状部材3を圧力で固定する。
【0049】
これによって、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23が線状部材3から取付け取外し時に垂直になってぶらさがっても外れることがなくなる。ストッパ31は、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23の各々の前後の線状部材3に固定する。ストッパ31の構造は、線状部材3を導管の径より長い2枚の板状の金具で上下から挟んで、ボルト44とナット45で絞めて線状部材3を圧力で固定する。導管成型部23の径より長い2枚の板状金具310は、線状部材3の径に合わせて、中央に凹面状の溝がある構造を鋳造等で型をはめて形成する。線状部材3の通る経路を2枚の板状金具310で上下挟み、ボルトとナットで強く締めることで、線状部材3はストッパ31に固定される。線状部材3が垂直になっても、フレキシブル太陽電池アセンブリの軽い重量程度であれば、ストッパ31が導管成型部23の導管入り口で止まり、支えられる強度を持つ。
【0050】
なお、図12に示される、全長がリング状の線状部材3にストッパ31を取付ける場合も、同様にストッパ31は、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23の各々の前後の線状部材3に固定する。この場合、図示しないが、ストッパ31はリング状の片側の線状部材3だけに取付けることが望ましい。両側の線状部材3にストッパ31を取付けると、2本の線が均等なテンションにならない可能性があるからである。不均等なテンションになった場合、ストッパ31が外れやすくなる。よって、片側の線状部材3にだけストッパ31を取付ける。
【0051】
本実施形態では、特に対向する固定設置部4間のフレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23にすべて線状部材3を通してストッパ31で固定した後に、対岸からもう一方の対岸へ橋渡しすることになる。屋根や壁以外の何も周りにない高い空間に設置する過程において、クレーン等の大掛かりな道具を使用せずに橋渡しできる。この橋渡しの詳細手順を以下に説明する。まず、線状部材3を橋渡しの距離の分の複数のフレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23に全て通す。その後、図2のように、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23の各々の両側の線状部材3にストッパ31を取付ける。設置場所の固定設置部4へ線状部材3の片側の端部を連結し、岸から地上へもう一方の線状部材3の端部をゆっくりと下ろす。このとき、線状部材3のストッパ31の支えにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの各々は線状部材3に固定されて、線状部材3から抜け落ちなくなる。もう一方の対岸の固定設置部4へ別の1本の線状部材3の端部を仮連結しておいて、もう一方の端部に図17に示すカラビナのような取外し可能な連結器471を連結して地上まで降ろす。これは、橋渡し用の道具として利用する。岸の地上に一度降りて、その1本の線状部材3についた取外し可能な連結器471を最初に降ろしておいた線状部材3の2本以上の端部に仮連結する。対岸の固定設置部4へ戻り、仮連結しておいた線状部材3の地面側を地面から上に引き揚げる。引き揚げた線状部材3の端部を対岸の固定設置部4へ連結すれば、岸から対岸への橋渡しがこのように容易に確実にできることになる。取外し可能な連結器471と線状部材3だけを橋渡し用の道具として利用すればよいので、ユーザーがクレーン等の大掛かりな道具を特別に使用して引き揚げる必要がない。そして、ストッパ31は、導管成型部23と一体成型したフレキシブル太陽電池アセンブリが線状部材3から落ちないためのものになっていることである。
【0052】
図2(a)及び図2(b)に示すように、線状部材3にストッパ31を取り付けることにより、設置の際に線状部材3を傾けても、ストッパ31がフレキシブル太陽電池アセンブリの線状部材3の長手方向へのすり落ちが防止できるので、設置を円滑に進めることができる。また、設置が完了したフレキシブル太陽電池アセンブリにおいては、ストッパ31がフレキシブル太陽電池アセンブリの線状部材3の長手方向への移動を規制するので、隣接するフレキシブル太陽電池アセンブリ同士の接触や、フレキシブル太陽電池アセンブリの移動が防止される。
【0053】
フレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する固定設置部について、説明する。図14(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第1実施例の設置固定部4の一側面図であり、図14(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図14(c)は設置固定部4の他側面図である。図15(a)は第1実施例の設置固定部4の傾斜角を大きくしたときの正面図であり、図15(b)はこの設置固定部4の傾斜角を小さくしたときの正面図である。図16(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第2実施例の設置固定部4の一側面図であり、図16(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図16(c)は設置固定部4の他側面図である。図17(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第3実施例の設置固定部4の一側面図であり、図17(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図17(c)は設置固定部4の他側面図である。図18(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第4実施例の設置固定部4の一側面図であり、図18(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図18(c)は設置固定部4の他側面図である。図19(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第5実施例の設置固定部4の一側面図であり、図19(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図19(c)は設置固定部4の他側面図である。図20(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第6実施例の設置固定部4の一側面図であり、図20(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図20(c)は設置固定部4の他側面図である。図21(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第7実施例の設置固定部4の一側面図であり、図21(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図21(c)は設置固定部4の他側面図である。
【0054】
図14に示すように、第1実施例の固定設置部4は、アンカーボルト41、支柱基礎42、段移動可能な多段はしご状金具431、ボルト44、ナット45、及び固定用金具46を備えている。
【0055】
アンカーボルト41は、設置固定部4の柱となる工事部品である。支柱基礎42は、コンクリートやモルタル等でできた設置固定部4の土台となる工事部品である。段移動可能な多段はしご状金具431は、線状部材3の端部の閉ループ部を取付けるための多段に段移動可能ではしごの段が形成できる金具となる設置固定部4の工事部品である。ボルト44は、段移動可能な多段はしご状金具431にはしごの段として挿したり、固定用金具46に固定したりするボルトとなる設置固定部4の工事部品である。ナット45は、アンカーボルト41やボルト44の軸に挿入して締めるナットとなる設置固定部4の工事部品である。固定用金具46は、回転する段移動可能な多段はしご状金具431を固定するための金具となる設置固定部4の工事部品である。
【0056】
設置固定部4の条件について述べる。まず、設置固定部4の位置としては、対向した間に太陽光ができるだけ差す場所であり、風圧の影響を受けにくいできるだけ低い位置であることが望ましい。ただし、低いと言っても太陽光の輻射熱がでるような低い位置ではなく、放熱効果があるくらいの高さが十分あればよい。また、設置固定部4の形状の最低条件としては、線状部材3が人間の手で緊縛できる線状の固定物である。材質は問わないが、強度上は、強度の高い金属が望ましい。設置固定部4は、既設の線状の固定物でできるだけ代用させるとよい。なぜならば、設置材料と工事費用を低減できるからである。よって、屋根のような高い場所ではなく、身近にある窓やベランダの既設の手摺りや物干しの柱等をできるだけ代用させることを優先する。新規に設置する場合の設置固定部4の形状として最低条件として、アンカーボルト41が強度の高い代表的な安価な線状の固定物となる。ただ、アンカーボルト41のような線状のものは、線状部材3の端部の閉ループ部に通した場合、線状部材3の閉ループ部がボルト上部へ抜ける可能性がある。このため、設置固定部4としては、取外しに便利な取外し可能な強固な連結器を具備するとよい。
【0057】
左右の高さを変えてフレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を変更できる構造を具備させる。設置固定部4の支柱基礎42に複数の穴の空いた支柱を取付けて、複数の穴に取外し可能な連結器を取付ける。これにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜角度を調整できる。図示を省略するが、設置固定部4の形状として最低でも高さの異なる穴の空いた支柱にカラビナのような取外し可能な連結器を取付けることで、設置固定部4の連結位置の高さが調整できるようになる。これにより、線状部材3の取付けの高さが左右で変更できることで、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜角度を調整できるようになる。高さの異なる穴の空いた支柱の例としては、アンカーボルト41に複数の穴をドリルで空けたものでもいいし、鋳造で複数の穴の空いた柱を製造してもよい。柱の形は円柱である必要性はなく、柱状であれば多角柱でも板状の金具でも何でもよい。この柱を内側に傾斜させて、コンクリートやモルタルを流し込んで固めて立方体の型をとった支柱基礎42で固定する構造を取る。傾斜の理由は、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜により、高くなるほど内側の位置になるからである。
【0058】
図14(a)に示すように、設置固定部4の支柱基礎42に段移動可能な多段はしご状金具431を取付けて、段移動可能な多段はしご状金具431に高さを変えて取外し可能なボルト44を取付ける。これにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜角度を調整できる。図14の設置固定部4の段移動可能な多段はしご状金具431の高さ方向の複数のボルトの穴にボルト44を抜き差しして、はしごの段の高さを調整する。これにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を変更する。なお、傾斜を調整する場合には、設置固定部4の対向方向すなわち線状部材3に平行な方向を厳密に東西方向にすることで最大限に傾斜角の調整の効果が高まる。
【0059】
図15(a)は第1実施例の設置固定部4の傾斜角を大きくしたときの正面図であり、図15(b)はこの設置固定部4の傾斜角を小さくしたときの正面図である。設置固定部4の傾斜角の変更を説明する。ボルト44を挿す段移動可能な多段はしご状金具431のはしごの段の高さを調整することで、フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を変更することができる。
【0060】
設置固定部4の土台の構造としては、一般的な手摺り等の設置工事と同様にアンカーボルト41に通した段移動可能な多段はしご状金具431を立てて、コンクリートやモルタルを流し込んで固めて立方体の型をとった支柱基礎42で固定する構造を取るのが一例である。なお、図14では、アンカーボルト41と段移動可能な多段はしご状金具431を組み合わせて、支柱基礎42に固定設置する例である。アンカーボルト41を利用せずに段移動可能な多段はしご状金具431の下をアンカーボルト41のように長く伸ばして、支柱基礎42で固めて固定設置してもよい。これは、以降で説明する設置固定部4でも同様である。
【0061】
図14の設置固定部4の場合、フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角は、段々の不連続な高さ調整になってしまうため、大雑把な傾斜角の調整だけで細かい微調整ができない。図16に示す、第2実施例の設置固定部4では、支柱基礎42に固定用金具46を取付けて、段移動可能な多段はしご状金具431が回転するようにボルト44とナット45で固定用金具46に取付けている。これにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜角度を調整できる。図16の設置固定部4は、段移動可能な多段はしご状金具431が回転する機構を具備している。これにより、傾斜角の細かい微調整ができる。全体の機構は、左右の設置固定部4を一体化した構造をとる。左右の重量がまとまってかかる強度を上げるために、各部品の太さを太くした部品で対応することで対応可能となる。まず、固定金具46をアンカーボルト41の軸に通して支柱基礎42に固定し、固定した後に固定金具46のボルトの穴に段移動可能な多段はしご状金具431をボルト44とナット45で固定する。左右に線状部材3の端部の閉ループ部を連結するために段移動可能な多段はしご状金具431にボルト44を挿して、ナット45で固定する。ボルト44をピンで固定してもよく、これは時間をかけずに簡単に固定できる点でメリットがある。フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角の細かい微調整は、中央のボルト44のナット45を緩めて段移動可能な多段はしご状金具431を回転させて、要望の傾斜角でナット45を締めて固定する。
【0062】
なお、一例として固定金具46のボルト44の周辺に段移動可能な多段はしご状金具431の上辺と一致する線の目盛りを彫刻等で刻んでおくと調整の角度の目安になるため望ましい。目盛りは、最低でも年間の各傾斜角調整時期の最適傾斜角をあらかじめ計算しておいて複数刻んで置けばよい。分度器等を使用して、段移動可能な多段はしご状金具431の上辺の角度を測定しながら、年間の各傾斜角調整時期の最適傾斜角を刻印しておく。各傾斜角調整時期を固定してしまえば、設置時ではなく固定金具46の製造時にあらかじめ刻印しておいてもよい。
【0063】
図17に示す、第3実施例の設置固定部4では傾斜角を変更できる構造として、設置固定部4の支柱基礎42に多段はしご状金具432を取付けて、多段はしご状金具432に高さを変えてさらに取外し可能な連結器471を取付けている。多段はしご状金具432は、線状部材3の端部の閉ループ部を取外し可能な連結器471を介して取付けるための多段にはしごの段が形成されている金具となる設置固定部4の工事部品である。取外し可能な連結器471は、線状部材3の端部の閉ループ部を取外し可能に連結できるカラビナのような連結器となる設置固定部4の工事部品である。これにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜角度を調整できる。図17の設置固定部4では、線状部材3の端部の閉ループ部が取付けられるような段移動可能な多段はしご状金具431をアンカーボルト41で下部を固定している。カラビナのような取外し可能な連結器471を、高さに応じて着脱可能な構造としたものである。
【0064】
図14の設置固定部4と図17の設置固定部4との違いは、はしごの部分を抜き差しできるようにするか、はしごの部分を固定にして、カラビナのような取外し可能な連結器471を介して、線状部材3の端部の閉ループ部と結合できるかの違いである。段移動可能な多段はしご状金具431の穴は、線状部材3を固定するためのボルト44を通す穴で、穴の取付け高さを調整できることで、線状部材3の左右の高さを調整することが可能となる。その結果として、導管成型部23と一体となったフレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を調整できることになる。段移動可能な多段はしご状金具431の穴は、ボルト44とナット45で固定する。ネジを回す時間がかかるが、固定は確実である。ボルト44をピンで固定してもよく、これは時間をかけずに簡単に固定できる点でメリットがある。
【0065】
図18に示す第4実施例の設置固定部4では傾斜角を変更できる構造として、支柱基礎42にナット45を2個と取外し不可能な連結器472と取外し可能な連結器471を軸に取付けたアンカーボルト41を取付けて、ナット45の2個の高さを調整している。取外し可能な連結器471は、取外し不可能な連結器472と線状部材3の端部の閉ループ部を取外し可能に連結できるカラビナのような連結器となる設置固定部4の工事部品である。取外し不可能な連結器472は、アンカーボルト41の軸に挿入するシャックルのような設置固定部4の取外しが不可能な連結器となる設置固定部4の工事部品である。取外し不可能な連結器の高さを直接調整することで、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜角度を調整できる。
【0066】
図18の設置固定部4では、アンカーボルト41の軸に2つのナット45とU字型のシャックルのような取外し不可能な連結器472をあらかじめ通してアンカーボルト41を支柱基礎42に固定している。取外し不可能な連結器472としては、強度が高いシャックルが代表的であるが、アンカーの軸にぎりぎりはまるようなある程度強度の高い両側リング状の牽引器具であれば適用可能である。例えば、アンカーボルト41の軸径がぎりぎり入る短い両端アイ加工ワイヤやロープのアイ加工部分を、アンカーボルト41の軸に通してナット45の上下で挟んで位置を調整してもかまわない。アンカーボルト41の軸径がぎりぎり入るスイベルを、アンカーボルト41の軸に通してナット45の上下で挟んで位置を調整してもかまわない。スイベルとは、樽状の両側に回転する円形のリングがついた牽引器具である。また、アンカーボルト41の径に合う2つの穴があいた厚めの板状のものを、アンカーボルト41の軸に通してナット45の上下で挟んで位置を調整してもかまわない。この場合、アンカーボルト41に通さない方の穴は、カラビナ等の取外し可能な連結部471が通る大きな穴とする。取外し不可能な連結器472は、このようにいろいろな形態をとることが可能となる。図18の第4実施例の設置固定部4では、アンカーボルト41にシャックル等の取外し不可能な連結器472を装着する時にシャックルの両側に2つのナット45を入れて、シャックルの高さ位置をナット45のネジの回転で、調整できる。左右の設置固定部4の高さを変えることによって、フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜を調整できる。ここで、図18で一番下のナット45はアンカーボルト41の強度補強用のナットで、高さ調整用のナットとは用途の違うものであり強度を特に必要としなければなくてもよい。また、線状部材3の端部の閉ループ部を着脱可能とするために、シャックルにさらに追加でカラビナ等の取外し可能な連結器471を取付けたものにする。
【0067】
取外し可能な連結器471として、カラビナ以外に二重カンまたは外れ止めのスナップのついたスナップフックやターンバックル等の例がある。ターンバックルの場合は、設置固定部4の対抗の片側のみに取付けることでネジの調整により長さが調整できるようになる。線状部材3のテンションを最適に調整できる。ターンバックルの場合、両端が外れ止めのスナップがついたフックタイプかジョーボルトを挿して取外し可能なジョーボルトタイプが望ましい。これらの取外し可能な連結器471を使用した場合の長さを含めて、線状部材3の長さも精密に決定することになる。また、設置固定部4としては、片側のターンバックルで線状部材3のテンションを調整する手法がある。その他に、片側で2点または4点をアンカーボルト41で固定したウィンチで線状部材3の閉ループ部を引っ掛けて巻き取りウィンチのセルフロック機構で固定する構造でもよい。ウィンチとは、回転ドラムに歯車のついた巻き上げ器である。手動で歯車を回すもので十分である。線状部材3のテンションを調整できることで、線状部材3のテンションが高まり、風圧による線状部材3の上下の制動力が高まるので、フレキシブル太陽電池アセンブリへの上下の制動力が高まる。これにより、風圧によるフレキシブル太陽電池アセンブリの変形が少なくなる。
【0068】
図19の第5実施例の設置固定部4は、ウィンチに似た構造で安価に線状部材3の長さを調整できるようにしたものである。巻きつけ機構として、段移動可能な多段はしご状金具431の要求する高さのボルト44に線状部材3を最初に巻きつけてから、もう1本のボルト44に線状部材3の端部の閉ループ部を挿入して、設置固定部4に固定するものである。線状部材3を最初のボルト44に何回も巻きつけてから最終的に残りのボルト44で固定することにより、線状部材3を最適なテンションにすることが可能となる。
【0069】
図20の第6実施例の設置固定部4は、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺の幅に適合する位置の段移動可能な多段はしご状金具431のボルト44に線状部材3を最初に巻きつけてから、もう1本のボルト44に線状部材3の端部の閉ループ部を挿入して、設置固定部4に固定するものである。なお、図20では、説明のために線状部材3が実際よりもかなり太く描かれており、1回しか最初のボルト44に巻きつけられないように描いているが、実際は、何回も最初のボルト44に巻き付けることが可能である。第5実施例の設置固定部4と同様の原理で、線状部材3を最初のボルト44に何回も巻きつけてから最終的に残りのボルト44で固定することにより、線状部材3を最適なテンションにすることが可能となる。線状部材3の長さ調整用の巻きつけ機構として、追加の支柱でも調整可能である。
【0070】
図21の第7実施例の設置固定部4は、線状部材長さ調整用支柱48を立てて、その支柱に線状部材3を巻きつけてから、固定するものである。線状部材長さ調整用支柱48は、線状部材3を巻きつけることで、線状部材3の長さ調整用の巻きつけ機構の支柱となる設置固定部4の工事部品である。線状部材3を傷つけないために、線状部材長さ調整用支柱48としては、軸にネジの溝のないものが望ましい。形状は、柱状であれば鋳造で何でも可能であり、アンカーボルト41のようなもので代用可能である。
【0071】
図示しないが第8実施例の設置固定部は、図21のように線状部材長さ調整用支柱48を立てて、その支柱に線状部材3を巻きつけてから、図14に示される第1実施例の設置固定部4に線状部材3を固定するものである。なお、この応用として、線状部材長さ調整用支柱48を立てて、その支柱に線状部材3を巻きつけてから、図17の設置固定部4に線状部材3を固定することも考えられる。線状部材長さ調整用支柱48を立てて、その支柱に線状部材3を巻きつけてから、図18の第4実施例の設置固定部4に線状部材3を固定することも考えられる。
【0072】
なお、風圧対策として、フレキシブル太陽電池アセンブリは、短辺方向に通常南向きに傾斜をつけて設置することで風は傾斜方向に逃げやすくなる。1セットの複数のフレキシブル太陽電池アセンブリの列を設置したとすると、その隣の列は、隙間なく配置せずに風の逃げ道を空かせることが望ましい。これにより、フレキシブル太陽電池アセンブリにかかる風荷重を大幅に低減させることができるからである。傾斜させる場合、傾斜角が最大60度まで傾かせるとすると、隣が影にならない距離は、0度設置時換算で最低短辺の距離は隣同士で空ける必要性がある。それだけ空ければ、どんな傾斜でも十分風圧を逃がすことができる。
【0073】
本実施形態によれば、既設構造物の屋根上にとどまらず、どこへでも大量にユーザーが容易に取付け取外しでき、ユーザーによる傾斜角調整や変更が容易で、かつ耐久性に優れたフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を提供できる。
【0074】
すなわち、大容量の面積で屋根以外のあらゆる空間に設置することができる。設置面積の限界がなくなり、大容量の面積で屋根以外のあらゆる空間に設置することが可能となる。その理由は、背景技術のように屋根に設置することを目的とせずに身近なベランダや窓の既設の手摺り等に設置できるからである。また、新規に設置固定部を設置すれば、どこへでも設置できるからである。また、このさらに根拠となる補足情報として、フレキシブル太陽電池アセンブリは、単体の形状としては、高さ方向の四方の高い壁のない単なる水平に薄いシートであり、人間の居住空間とならず、建築基準法の建築物に該当しないため、建蔽率のしばりなく設置可能であることが言える。建築基準法の建築物の定義は、第6条1項の1〜4号になるが、基本方針は文字通り高さ方向に建つものであり、単体で壁面のないものは人間の居住空間とはならないため、建築物以外と見なされる。また、工作物としても単体で高さのある建つものであり、第88条1項の規定で6mを超える煙突、15mを超える柱、4mを超える広告塔、広告板、装飾塔、記念塔など、8mを超える高架水槽、サイロ、物見塔など、2mを超える擁壁となり、第88条2項の規定の観光用エレベーター、原動機を使用する回転遊戯施設など、3項の規定の製造施設、貯蔵施設、遊戯施設、第87条2項の規定のエレベーター、エスカレーターなどの昇降機になるが、単体で高さがほとんどない水平に薄いシートのため、工作物としても該当しない。
【0075】
設置工事に専門の業者を必要とせず、架台や鋼板等の材料費を必要とせず、ユーザーが多くの工程と工事期間を要せず設置することができる。設置固定部を新たに設置したと仮定しても、設置工事費はこれまでの工事と比較して節約される。その理由は、背景技術の屋根以外の既設の窓やベランダの手摺り等を設置固定部として流用できるので、新たな設置固定部の設置を節約でき、ユーザー自身で設置できるからである。たとえ設置固定部を新たに設置したと仮定しても、フレキシブル太陽電池アセンブリが多数まとまったものに対して設置固定部の材料として、最低で安価なアンカーボルト4本で設置することで済む。安価な材料と工事の単純化が図れることで、設置工事費が節約できるからである。
【0076】
目立つ空間に設置でき、設置したユーザーの立場から環境活動のアピールができる。その理由は、背景技術の場合は、屋根の上に設置するために下からは見えないが、本実施形態では屋根以外の空間に設置することで、下から見ても非常に目立つからである。
【0077】
ユーザーが取付け取外し可能であり、非常時等に別の家に移設することも容易である。その理由は、背景技術のように屋根に設置する場合、完全に固定してユーザーが取外し困難になるが、本実施形態では、ユーザーが窓やベランダ等の手摺り等の身近なところに接続した線状部材3を容易に取外し可能であるからである。
【0078】
レンタルのようなビジネスモデルが生まれやすくなることである。その理由は、背景技術の場合は、固定設置となることで工事費がかかるが、本実施形態では、ユーザーが容易に引っ掛けられる場所のどこへでも取付け取外しが可能となる。工事費がかからないため、フレキシブル太陽電池アセンブリとして貸し出しが可能となりやすいからである。
【0079】
温度上昇が抑えられ、発電量の劣化が大幅に低減できることである。その理由は、フレキシブル太陽電池アセンブリに薄いフィルム型のものを適用した場合、空間に設置される放熱効果で、フレキシブル太陽電池モジュールの温度が著しく低減して、発電量の損失が防げるからである。また、温度上昇による発電量の劣化の発生を考慮して、ユーザーが設置角度や方向を容易に変更できる。
【0080】
面接着時の温度によるフレキシブル太陽電池アセンブリの接着が剥がれる不具合がなくなることである。その理由は、面に接着せずに空間に浮かして設置するため接着の必要性がなくなるからである。屋根等の面に接した場所以外、例えば空中に懸架して設置することができる。
【0081】
フレキシブル太陽電池モジュールにかかる自重や風圧やボールや雹等の機械的負荷を低減するとともに塩害等の耐環境性を上昇させて、安定的に長期的に空間に吊ることができる。その理由は、フレキシブル太陽電池アセンブリの長辺方向に2本以上の一体成型した導管成型部により、線状部で長辺の長さに均等に吊り上げの力が分散して、部分的な機械的負荷がフレキシブル太陽電池モジュールにかかりにくいからである。線状部の引張り張力もフレキシブル太陽電池モジュールに伝導しないため、機械的負荷が低減されるからである。一般的に単純に吊るとなると、フレキシブル太陽電池モジュール自体を局部的に固定して引っ張って吊る場合がふつうであり、引張り張力でフレキシブル太陽電池モジュール自体を破壊する恐れがあるが、本実施形態では、線状部材が導管成型部と接しているだけなので、引張り張力が伝導しないからである。特にフィルム型のフレキシブル太陽電池モジュールは、引張り張力で薄膜構造が破壊されやすく、直接フレキシブル太陽電池モジュールを引っ張らない方がよい。本実施形態のように、長い導管成型部により力が伝導しないように対応できる。なお、フレキシブル太陽電池モジュール全体を中空的に完全密封するため、外部からの力は、優先的に導管成型部の短辺方向の引張り張力で吸収されて、直接フレキシブル太陽電池モジュールに引張り張力が伝導しない。また、全面保護により野球のボールや雹等による直接のフレキシブル太陽電池モジュールへの損傷のダメージが低減でき、モジュール面のこれらの損傷が低減されることから、塩害等の耐環境性も破壊されず保持される。
【0082】
フレキシブル太陽電池アセンブリを安定的に一度にたくさん空間に吊ることができる。フレキシブル太陽電池アセンブリを屋根や壁以外の何も周りにない高い空間に設置する過程においても、橋渡しをするのにワイヤを傾けてもフレキシブル太陽電池アセンブリがワイヤの低い方からすり落ちることがない。フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を容易に変更可能できる。これにより、年間発電量の低下を生じさせない。フレキシブル太陽電池アセンブリの岸から岸への橋渡しの空間設置距離によっても、ワイヤのテンションを調整するのに費用がかからない。
【0083】
さらに線状部材の付加機能や固定設置部の付加機能によって、以下の補助効果が増大する。第1の補助効果として、線状部材により、フレキシブル太陽電池アセンブリを一度にたくさん吊ることができる。その理由は、単純に人間が固縛するよりも線状部材の端部を完全に閉ループ状にすることで、設置固定部との連結が確実になり外れないからである。なお、線状部材の素材をダイニーマのような強度の高い素材を使用し太さを太くすることで、長距離で空間に大量に吊ることも可能となる。
【0084】
第2の補助効果として、フレキシブル太陽電池アセンブリを屋根や壁以外の何も周りにない高い空間に設置する過程において、設置場所の岸から対抗する岸へユーザーが大掛かりな道具を使用せずに容易に橋渡しさせることができることである。その理由は、ユーザーが特殊な道具を使用せずに線状部材を利用した次のような設置過程を実施することで可能になるからである。すなわち、まず、線状部材に橋渡しの距離の分のフレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部を通す。その後、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部の各々の両側の線状部材にストッパを取付ける。設置場所の固定設置部へ線状部材の端部を連結し、岸から地上へもう一方の線状部材の端部をゆっくりと下ろす。この時、線状部材のストッパの支えにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの各々は、線状部材に固定されて、線状部材から抜け落ちなくなる。もう一方の対岸の固定設置部へ別の1本の線状部材の片側を仮連結しておいて、もう一方の片側に取外し可能な連結器を連結して地上まで降ろす。岸の地上に一度降りて、その1本の線状部材の片側の取外し可能な連結器を最初に降ろしておいた線状部材の2本以上の端部に連結する。対岸の固定設置部へ戻り、仮連結しておいた線状部の地面側を地面から引き揚げる。引き上げた線状部材の端部を対岸の固定設置部へ連結すれば岸から対岸への橋渡しがこのように容易に確実にできることになる。取外し可能な連結器と線状部だけを道具として使用すればよいので、ユーザーがクレーン等の大掛かりな道具を使用して引き揚げる必要がない。
【0085】
第3の補助効果として、設置固定部の付加機能により、設置の耐久性も同時に保持しながら容易に取付け取外し可能となり、しかもフレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を容易に変更可能となることである。これにより、年間発電量が上昇することである。その理由は、強固な支柱基礎に埋めこんだ設置固定部に取外し可能な閉ループの連結構造を付加することで、線状部材の端部の閉ループ部との連結が強固になる。さらに左右の設置固定部の連結位置の高さを調整できることにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を容易に変更可能となるからである。さらに設置固定部の太さや厚みを厚くすることで、設置固定部側でも長距離で空間に大量に吊る強度も備えることができるからである。
【0086】
第4の補助効果として、設置固定部の付加機能により、特殊なターンバックルやウィンチ等の費用のかかる器具を使用せずに容易に線状部材の長さを調節して線状部材のテンションを高めることができる。その理由は、線状部材を一度別の棒状のものに巻きつけて長さを調整でき、設置固定部の取外し可能な閉ループ部の連結構造とつなぐ構造をとっているからである。
【0087】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第1実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図4(a)は本発明の第2実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図4(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図4(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図4(d)は図4(c)のD部の部分拡大図である。
【0088】
本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリにおいて、ペアの導管成型部23と本体部21との間にそれぞれ設けられたペアの懸垂部24を有するものである。すなわち、図4(c)や図4(d)に示すように、導管成型部23の方向が上部に折れ曲がった形状であらかじめ成型したものである。図3の場合と図4の場合での違いは、導管の部分が上になるようにあらかじめ成型されていないか成型されているかの形状の違いだけで、その他の成型方法は同じである。
ここで、折れ曲がる角度は問わないが、力のかかる方向である90度が好ましい。この理由は、もともと図3のように水平になっていてもフレキシブル太陽電池モジュール1の重量により、線状部材3により上部に吊られ導管成型部23の導管の部分が上に引っ張られて曲がる可能性がある。最初から図4のように力のかかる方向に折り曲げて成型しておいた方がプラスチックに無理な力がかかりにくいからである。また、面積も狭くなるので、太陽光発電の面積効率も少しよくなるからである。
【0089】
この第2実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様にて設置することができる。本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと同様な効果がもたらされる。さらに、本実施形態によれば最初から図4のように力のかかる方向に折り曲げて成型しているので、無理な力がかかりにくくできる。また、設置面積が狭くなるので、太陽光発電の面積効率も少しよくなる。
【0090】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第1実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図5(a)は本発明の第3実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図5(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図5(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図5(d)は図5(c)のE部の部分拡大図である。図22(a)は、本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用される、第8実施例の設置固定部4の一側面図であり、図22(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図22(c)は設置固定部4の他側面図である。
【0091】
本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリにおいて、保持部2の本体部21の一主表面、例えば下面、にフレキシブル太陽電池モジュール1の長辺に沿って配置された別の導管成型部25をさらに備えることを特徴とする。すなわち、図5(a)乃至図5(d)に示すように、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部の導管と対応する線状部材3の本数を増やして、フレキシブル太陽電池アセンブリへの上下からの風圧の影響を制動するものである。本実施形態では、導管成型部25の導管と対応する線状部材3の本数を1本増やしているが、フレキシブル太陽電池モジュール1の短辺が長い場合は、2本以上の追加とすることも考えられる。フレキシブル太陽電池モジュール1の短辺は50cm程度の短い物が多く、中央部が風圧で押されるため、中央部に1本追加するのが効果的である。導管成型部25の追加の導管の位置については、フレキシブル太陽電池モジュール1の長辺から等間隔の位置になっている方が強度上望ましい。表面に導管があると太陽光が減衰するので、下面に一体化させる。下面に導管を取付ける場合は、ピンと張った線状部材3での制動力が直接接するように線状部材3の両端が最低通る幅で、高さは線状部材3がぎりぎり通る長方形または楕円の導管の形状が好ましい。導管の取付け方法は、あらかじめ導管成型部の成型の型の段階から、一体化して成型しておく。または、導管成型部の長辺と同じ長さの導管を別に成型加工しておき、導管成型部の下面に溶着をして一体化を完了させておいてもよい。成型の型の段階から、一体化して成型した方が大量生産向きで強度も高いので望ましい。
【0092】
この第3実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様に必要な線状部材3を追加することにより、設置することができる。本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと同様な効果がもたらされる。さらに、本実施形態によれば導管成型部の導管と対応する線状部材3の本数を増やしているので、第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと比較して、フレキシブル太陽電池アセンブリへの上下からの風圧の影響を制動することができる。
【0093】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第1実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図6(a)は本発明の第4実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図6(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図6(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図6(d)は図6(c)のF部の部分拡大図である。
【0094】
本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリにおいて、保持部2の本体部21の一主表面に保護シートをさらに備えることを特徴とする。すなわち、図6(a)乃至図6(d)に示すように、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23の導管の各々最上部と最下部に水平に接するように、フレキシブル太陽電池モジュール1の上下面全体に保護シート26を設けている。この保護シート26は後から溶着により一体化してもよいが、型にはめてプラスチックの一体成型法であらかじめ成型するのが望ましい。第1実施形態によるフレキシブル太陽電池モジュール1は、完全な密閉保護はされているものの導管成型部23とフレキシブル太陽電池モジュール1が接している中空状態である。本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、完全に導管成型部23の保護シート26とフレキシブル太陽電池モジュール1が離れるので、フレキシブル太陽電池モジュール1が完全に浮いた中空状態が作れる。なお、図6で新たに追加した保護シートは図6(b)に示す側面図で紙面に垂直な方向を保護するだけで、図6(c)に示す側面図で紙面に垂直な方向までは保護しない方が、放熱上から望ましい。図6(c)に示す側面図で紙面に垂直な方向の風通しが放熱効果をもたらすからである。
【0095】
この第4実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様にて設置することができる。本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと同様な効果がもたらされる。さらに、本実施形態によればフレキシブル太陽電池アセンブリの上下面全体に設けられた保護シート26により、フレキシブル太陽電池アセンブリの耐環境性を高めることができる。さらに、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向に大幅にたわみにくくなることである。例えば、上部から風圧がかかって、短辺の中央部がたわもうとすると最下部の保護シート26のテンションで中央部がたわみにくくなるからである。さらに形状的にも風がたまりにくい形状に改善されるため、風圧が左右に逃げて風圧上からも中央部がたわみにくくなる。この点で、導管形状は、円形になっていると両端のラウンド効果で、風が両端に逃げやすくなる効果が大きく生まれる。さらにフレキシブル太陽電池モジュール1からの距離も離れていることから、雹のような鋭角なものが局所的に上から当たっても、フレキシブル太陽電池モジュール1に局所的な鋭角的な圧力が伝わらない利点もある。鋭角的な機械的圧力は、フレキシブル太陽電池モジュール1の局部的破壊をする可能性があり、これから保護できる効果は大きい。
【0096】
特にフレキシブル太陽電池モジュール1から距離を離して2層の保護シートによる保護をした場合は、形状的にも風圧を受けにくい。さらに風圧でフレキシブル太陽電池モジュール1が距離のある中空構造保護で曲がりにくい形状になる。これに加えて、雹等の鋭角的な機械的力が当たっても、フレキシブル太陽電池モジュール1に直接鋭角的な機械的力が伝わらない効果があり、耐環境性を上昇させて安定的に長期的に空間に吊ることができる。
【0097】
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第4実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図7(a)は本発明の第5実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図7(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図7(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図7(d)は図7(c)のG部の部分拡大図である。図22(a)は、本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用される、第8実施例の設置固定部4の一側面図であり、図22(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図22(c)は設置固定部4の他側面図である。
【0098】
本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、上述した第4実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリにおいて、別の保護シートをさらに備えることを特徴とする。すなわち、本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリでは、図7(c)や図7(d)に示すようにさらに筒状の保護シート27を設けたものである。この保護シート27は、図7(d)に示すように断面を円形としている。さらに、保護シート27としてラウンド形状がつぶれないようにする趣旨で、図7(c)に示すように保護シート27の最上部と最下部の内側に別の線状部材3を張っている。
【0099】
保護シート27により、フレキシブル太陽電池アセンブリの空力特性が高まり、風圧の影響をフレキシブル太陽電池モジュール1に著しく伝導させないようにできる。上述した第4実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと比較して、さらに空力特性を高めたラウンド形状となっている。保護シート27は、後から溶着により一体化してもよいが、型にはめてプラスチックの一体成型法であらかじめ成型するのが望ましい。本実施形態では、説明をわかりやすくするために円形にしているが、楕円でも十分な空力効果が得られ、必要以上に上下に高い形状とする必要性はなく、最小限が望ましい。これにより風圧の影響は、フレキシブル太陽電池アセンブリに対して以下のように低減される。まず、フレキシブル太陽電池アセンブリの側面からの風圧の影響は、隣同士のフレキシブル太陽電池アセンブリで風圧が遮断され、まず減衰する。ラウンド形状の空力特性により、さらに風圧が上下に逃げて減衰することになる。また、線状部材3のテンションにより、さらに風圧に対して負けない力を保有しているので、フレキシブル太陽電池モジュール1に無理な力がかかることはない。フレキシブル太陽電池アセンブリの正面からの風圧の影響は、筒状の中を風が通り抜けてしまうのでほとんど影響はでない。むしろ、この方向の風圧は、放熱効果を高める利点となり、発電量が増えることになる。フレキシブル太陽電池アセンブリの上面方向又は下面方向からの風圧は、まず、中央上部や中央下部の線状部材3のテンションが受け止めるため、フレキシブル太陽電池モジュール1の中央部が直接押されることがなくなる。よって、フレキシブル太陽電池モジュール1は曲がりさえもしない。空力特性的にもラウンド形状が風圧を側面に効果的に逃がし、風圧が減衰される。
【0100】
一方、UnitedSolar社製Uni-Solarシリーズのフレキシブル太陽電池モジュールは、繊細な富士電機システムズ社製とは全く対照的な強度の高いモジュールである。同様に薄いものであるが、表面はETFEで、裏面は、金属にゴム質の接着剤がついた構造で、表面と裏面とで、性質が異なる。裏面の接着剤はシールを剥がさない限り接着しないので、シールは剥がさないままにする。本実施形態を適用する場合の富士電機システムズ社製のものとの違いとしては、比較的厚い強度の高い金属板で補強されているため、風圧を受けても発電部の薄膜が破壊される危険性がないことである。通常、機械的引張りに弱いフレキシブル太陽電池モジュールであるが、これは例外的な強度の強い例である。重い金属板を含み、重量による荷重が増すため、本体部のシートの厚みを増すことや線状部材の径を太くする対策や金属板へのボルト締めで例外的処置を実施する違いがある。それ以外の材質や形状は、富士電機システムズ社製の場合と同じである。UnitedSolar社製の金属板はステンレスであるが、放熱を考慮するとステンレスにアルミを加えたフレキシブル太陽電池モジュールで本発明の実施形態へ適用することが望ましい。
【0101】
この第5実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様に必要な線状部材3を追加することにより、設置することができる。第5実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置の際は、図22に示す第8実施例の設置固定部4を用いることができる。第8実施例の設置固定部4は、図20に示す第6実施例の設置固定部4に、さらに段移動可能な多段はしご状金具431を垂直方向にも取付けた構造である。これにより、線状部材3を上下に追加で取付けることが可能となる。巻きつけ機構があるので、線状部材3の長さを調整できる。
【0102】
本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと同様な効果がもたらされる。さらに、フレキシブル太陽電池アセンブリの空力特性を高めることができるので、風圧の影響をフレキシブル太陽電池モジュールに伝導されにくくすることができる。空力特性のよいラウンド形状による3層目の保護シート27により、風圧の影響をさらに低減させることができる。
【0103】
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第1実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図8(a)は本発明の第6実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図8(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図8(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図8(d)は図8(c)のH部の部分拡大図である。
【0104】
本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリにおいて、保持部2の本体部21とフレキシブル太陽電池モジュール1とを貫通した状態で固定する固定部材5をさらに備えることを特徴としている。すなわち、図8(a)乃至図8(d)に示すように、本体部21とフレキシブル太陽電池モジュール1とを貫通するように、フレキシブル太陽電池アセンブリの長辺の数箇所に穴を空けて、上下からペアのボルト及びナットでボルト締めして固定したものである。数箇所の位置は、一般的には、図8(a)に示すようにフレキシブル太陽電池モジュール1の4隅の4箇所が望ましく、強度に応じてその間を増やしてボルト締めする。溶着かボルト締めの一者択一でもかまわないが、金属を含み重量が重いので、一者択一ではなく、溶着とボルト締めの両方で確実に固定することが品質上望ましいと言える。
【0105】
この第6実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様で設置することができる。本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと同様な効果がもたらされる。
【0106】
〔第7実施形態〕
次に、本発明の第7実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第2実施形態や第6実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図9(a)は本発明の第7実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図9(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図9(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図9(d)は図9(c)のI部の部分拡大図である。
【0107】
本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、上述した第6実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリにおいて、第2実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリのようなペアの導管成型部23と本体部21との間にそれぞれ設けられたペアの懸垂部24を有するものである。すなわち、図9(c)や図9(d)に示すように、導管成型部23の方向が上部に折れ曲がった形状であらかじめ成型したものである。
【0108】
この第7実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様にて設置することができる。本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと同様な効果がもたらされる。さらに、本実施形態によれば最初から図9のように力のかかる方向に折り曲げて成型しているので、無理な力がかかりにくくできる。また、設置面積が狭くなるので、太陽光発電の面積効率も少しよくなる。
【0109】
〔第8実施形態〕
次に、本発明の第8実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第1実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図10(a)は本発明の第8実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図10(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図10(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図である。
【0110】
UnitedSolar社製のフレキシブル太陽電池モジュールは、もともと耐環境性が高く、丈夫であるというフレキシブル太陽電池モジュールとしてはかなり例外的な特性を有している。本実施形態は、この例外的な強度の高いフレキシブル太陽電池モジュールの特性を生かしたものである。
【0111】
本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリは、長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュール1と、このフレキシブル太陽電池モジュール1を中空状態で密閉保持する保持部2であって、フレキシブル太陽電池モジュール1を密閉する薄いベルト形状の中空構造の本体部21、及びフレキシブル太陽電池モジュール1の上記長辺に沿って本体部21に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部2とを備えるものである。本実施形態では、ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管の一例として、保持部2の本体部21に固定され、保持部2の本体部21のフレキシブル太陽電池モジュール1の長辺に沿って間隔をおいて配置された複数のリング状部材6を用いたものである。このリング状部材6は、本体部21とフレキシブル太陽電池モジュール1とを貫通するように、フレキシブル太陽電池アセンブリの長辺の数箇所に穴を空けて、固定したものである。各リング状部材6はリング状部61を有しており、フレキシブル太陽電池アセンブリの長辺方向に沿って、複数のリング状部61に、線状部材3が通されている。ここで、リング状部材6としては、安価なアイボルトを使用している。図10(a)では、8本のアイボルトを使用した場合を示している。フレキシブル太陽電池アセンブリにドリルで穴を空けて、アイボルトを挿入しナットで締めて固定し、フレキシブル太陽電池モジュール1と一体化する。
【0112】
特別に鋳造で作る場合は、形状的には、できればアイボルトよりも長い導管の形状の方が線状部材3との接地の長さが長くなるので、線状部材3の制動力が働きやすくなる。長すぎても重量が重過ぎるので適度な長さにする。比較的厚い強度の高い金属板で補強されているUnitedSolar社製のフレキシブル太陽電池モジュールのようなもので、本実施形態は適用可能である。強固な閉ループの形状のついたボルトであれば、アイボルト以外でも適用可能である。例えば、アイ部分を上にせずにフレキシブル太陽電池モジュールの短辺方向に曲げて両脇にアイ部分を出してしまうことも考えられる。本実施形態では、8本のアイボルトを使用しているが、長辺が短いフレキシブル太陽電池モジュールの場合でたわみが少ない場合、最低4隅に設ける、すなわち4本のアイボルトを設けるものでもかまわない。
【0113】
この第8実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様にて設置することができる。本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、既設構造物の屋根上にとどまらず、どこへでも大量にユーザーが容易に取付け取外しでき、かつ耐久性に優れたフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を提供できる。
【0114】
以上好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
【0115】
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、新規な技術として以下のようにまとめられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
(付記1)長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュールと、上記フレキシブル太陽電池モジュールを中空状態で密閉保持する保持部であって、上記フレキシブル太陽電池モジュールを密閉する本体部、及び上記フレキシブル太陽電池モジュールの上記長辺に沿って上記本体部に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部とを備えることを特徴とするフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記2)上記保持部の上記本体部と上記フレキシブル太陽電池モジュールとを貫通した状態で固定する固定部材をさらに備えることを特徴とする、付記1に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記3)上記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管と上記本体部との間にそれぞれ設けられたペアの懸垂部をさらに備えることを特徴とする、付記1又は付記2に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記4)上記保持部の上記本体部の一主表面に上記フレキシブル太陽電池モジュールの長辺に沿って配置された別の導管をさらに備えることを特徴とする、付記1に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記5)上記保持部の上記本体部の一主表面に配置された保護シートをさらに備えることを特徴とする、付記1に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記6)上記フレキシブル太陽電池モジュール、上記保持部及び上記保護シートを収容する別の保護シートをさらに備えることを特徴とする、付記5に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記7)上記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管には、上記フレキシブル太陽電池モジュールの電線が通されることを特徴とする、付記1乃至付記6のいずれか一つに記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記8)上記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管には、上記フレキシブル太陽電池モジュールのプラスの電線とマイナスの電線が両側に分けて通されることを特徴とする、付記7に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記9)長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュールと、及び上記フレキシブル太陽電池モジュールを中空状態で密閉保持する保持部であって、上記フレキシブル太陽電池モジュールを密閉する本体部、及び上記フレキシブル太陽電池モジュールの上記長辺に沿って上記本体部に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部とを備えるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法であって、
上記フレキシブル太陽電池アセンブリの上記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管に線状部材を通過させて、上記フレキシブル太陽電池アセンブリを固定することを特徴とするフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
(付記10)上記フレキシブル太陽電池アセンブリのペアの長辺方向に貫く閉ループの導管に線状部材を通過させた状態で、上記線状部材の途中にストッパを固定したことを特徴とする、付記9に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
(付記11)上記フレキシブル太陽電池アセンブリを複数用意して、上記フレキシブル太陽電池モジュールの上記長辺方向に連なるように上記フレキシブル太陽電池アセンブリのペアの長辺方向に貫く閉ループの導管に線状部材を通過させて、上記複数のフレキシブル太陽電池アセンブリを固定することを特徴とする、付記9に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
(付記12)上記線状部材は、両端に閉ループ部を有しており、高さや角度の少なくとも一方が調整可能な設置固定部に固定されることを特徴とする、付記9乃至付記11の何れか一つに記載のフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
(付記13)上記フレキシブル太陽電池アセンブリが上記保持部の上記本体部の一主表面に上記フレキシブル太陽電池モジュールの長辺に沿って配置された別の導管をさらに備えており、上記設置固定部は、上記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を通過する線状部材と上記別の導管を通過する線状部材とを固定できる構造を備えていることを特徴とする、付記12に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
【符号の説明】
【0116】
1 フレキシブル太陽電池モジュール
21 本体部
22 溶着部
23、25 導管成型部
24 懸垂部
26、27 保護シート
3 線状部材
31 ストッパ
4 設置固定部
5 固定部材
6 リング状部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法に関し、特に取付けや取外しが容易で、耐久性に優れたフレキシブル太陽電池アセンブリ及びその設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー確保と環境保護の観点からクリーンなエネルギーの研究開発が進められており、クリーンエネルギー源の一つとして太陽電池が期待されている。太陽電池は、太陽光を利用して電力を発生させる太陽電池本体をモジュール化した太陽電池モジュールからなる。太陽電池のさらなる普及を考えると、既設構造物の屋根上にとどまらず、どこへでも大量にユーザーが容易に取付け取外しできることが望まれる。下から見て環境アピールができることを目的とした安価で年間発電量の高い太陽電池アセンブリの設置方法を提供しようとする背景がある。
【0003】
太陽電池モジュールとしては、大きく分けてフレキシブル太陽電池モジュールとリジッドな太陽電池モジュールが存在している。フレキシブル太陽電池は、薄膜太陽電池の例で代表され、現在フレキシブル太陽電池の主流となっている。薄膜太陽電池は、発電層が薄い太陽電池であり、ガラスパネルを使用した大型で厚みのあるものから、プラスチック樹脂フィルムを使用した小型で薄いものまで幅広く存在する。材料も無機物では、シリコン、アモルファスシリコンが使用され、シリコン以外の化合物を用いた有機物では、有機薄膜や色素増感有機物を使用したものが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2698200号公報
【特許文献2】特開2010−287598号公報
【特許文献3】特許第4325107号公報
【特許文献4】特開2010−050196号公報
【特許文献5】特開2006−339684号公報
【特許文献6】特開平08−288532号公報
【特許文献7】特開平11−46007号公報
【特許文献8】特許第3932029号公報
【特許文献9】特開2004−235188号公報
【特許文献10】特開2003−074157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術のフレキシブル太陽電池アセンブリは、屋根に設置することが前提として作られている。ガラスパネル型太陽電池の場合、屋根のような面に架台を介して設置する方式である。軽量なフレキシブル太陽電池の場合も屋根のような面に鋼板とともにボルト締めして設置する方式が主流のため、設置面積が、屋根のような面に限られ、大容量で設置するには限界があった。設置工事も専門の業者を必要とし、架台や鋼板等の材料費が増大し、設置工事自体も多くの工程と工事期間を要するという課題があった。一度設置すると、ユーザーが取外し困難であり、非常時等に移設できないという課題があった。
【0006】
設置工事の複雑さによって、太陽光発電システムの設置工事を含めた総額の価格が著しく上昇していた。特に日本での太陽光発電システムが普及しない一つの要因は初期費用が高価であることにある。よって、大きな価格上昇の要因である設置工事をできるだけ簡略化することを目指し、材料費を含めて総費用を削減するフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を提供することが求められている。また、特にフレキシブル太陽電池アセンブリで屋根のような面に接着して設置する場合、輻射熱の高温で接着面の空気膨張が生じて剥がれる不具合が生じる可能性が高かった。また、設置工事に専門の業者を必要とすることから、取付け取外しがユーザーでできないため、レンタルのようなビジネスモデルも生まれにくいという課題があった。また、屋根の上に設置し下から見えないため、設置したユーザーの立場から環境活動のアピールができないという課題があった。
【0007】
背景技術の場合は、止むを得ず壁面のような場所に設置して、目立つようにしていたが、一方の発電量という観点からは、大幅に劣化するという課題がある。太陽光発電においての発電量の性能について意識されにくいこととして、太陽電池モジュールが20℃での発電量を基準にしていることにある。一般的な太陽電池モジュールは、熱が高くなるほど、発電量が劣化することが知られている。代表的な結晶シリコン型のガラスパネルでは、夏の設置環境での発電量の劣化は約3割程度となる。これは、太陽電池の性能は20℃で規定されており、発電量は温度係数で一律に比例する特性なので夏の実設置環境では20℃より大幅に太陽電池単体の温度が上昇して一例として80℃以上等になってしまうからである。結晶シリコンの0.45の温度係数で60℃上昇しただけでも乗算計算上、27%の劣化が起こる。なお、薄いフィルム型でさえも背景技術では鋼板や屋根に接着していたため、輻射熱でガラスパネルと同様に発電量が劣化していた。このように屋根への設置は、面からの輻射熱でフレキシブル太陽電池モジュールの温度が上昇して、大幅に発電ロスが生じるという課題があった。
【0008】
フレキシブル太陽電池アセンブリは、安定的に長期的に空間に吊ることが難しいという課題がある。その理由は、背景技術のフレキシブル太陽電池アセンブリでは、空間に吊るとなるとフレキシブル太陽電池モジュールにかかる自重や風圧やボールや雹等の機械的負荷や塩害等に長期的に耐えるだけの耐久性がないためである。
【0009】
特許文献1や特許文献2では、屋根や壁面に網のようなネットを張って、フィルム型でないガラスパネルの太陽電池モジュールの4隅をネットに小さい固定金具で固定することが提案されている。根本的に屋根の面や壁の面に近距離で平行して設置して、風圧等の影響をできるだけ抑えた環境に限定されて適用する方法である。屋根の面や壁の輻射面との距離が近いため、放熱効果も乏しい。また、高重量の太陽電池モジュールと一体化されていない小さい金具で、ロープと部分的に固定するため、本方式でそのまま何もない空間に太陽電池モジュールを吊るとなると風圧で大きく揺れて一体化されていない小さい固定金具が外れたりする可能性が高い。また重量の重いガラスパネルの太陽電池モジュールを使用しており、高重量と風圧とが同時にかかった場合、屋根の面や壁の面でたわみがそれ以上たわまないため、なんとか屋根や壁に限定して成り立つものである。屋根の面や壁の面が、強度の保険となっていることが条件として大きく違う。よって、固定する位置が屋根や壁面に設置が限られてしまうという課題があった。
【0010】
特許文献3では、屋根やテント等にフレキシブル太陽電池モジュールを背面が膜体で受光面が網の膜構造体で保護することが提案されている。膜体と網を支持部材のついた支持枠へ巻きつけて支持部材突起に網を引っ掛けて張架固定することが提案されている。このような固定方法では、大量に設置することができない。また、特許文献3の固定方法では屋根やテントが風圧によるたわみのストッパ的役割になっており、屋根やテント以外の設置環境で設置するものではない。設置面に接しているため、放熱性もない設置方法である。また、屋根やテント等の狭い面積でのみなんとか強度を保持できるものであって、屋根以外の設置環境で屋根よりも長い距離で設置するものではない。なお、受光面が網の保護なので、塩害対策までできない。また、比較的小面積のフレキシブル太陽電池モジュールの製品例では、最初からフレキシブル太陽電池モジュールの4隅に鳩目の穴が空けられており、取外し容易にひもや結束バンド等であらゆるところに縛ったりして設置することもできるようになっているものも見られる。しかしながら、ひもや結束バンド等でフレキシブル太陽電池モジュールの4隅の局所的な部分が直接引っ張られるため、空間に浮かして設置した場合、強い風圧環境ではひもがほどけたり、結束バンドが切れたり、鳩目が破壊されたり、引っ張りにより発電層が破壊されたりする課題がある。結局、この場合も風圧で影響されない屋根や壁の面にぴたりと密着させて設置するしかなかった。
【0011】
特許文献4は、フレキシブル太陽電池モジュールに関するものであり、リジッドなアルミフレームにひもや結束バンド等で結ぶか、リジッドなアルミフレームに直接ボルト締めすることが提案されている。強度上、屋根や壁の面にぴたりと密着させて設置することが必要であり、とても風圧の高い空間に設置できるものではない。
【0012】
特許文献5では、太陽電池を四方のリジッドなフレームにひもで数箇所縫い合わせて固定することが提案されている。フレキシブル太陽電池モジュールを直接ひもで強く引っ張ることになり、風圧でひもがほどけたり、フレキシブル太陽電池モジュールの発電層が破壊される可能性がある。このため、風圧の高い空間に設置できるようなものではない。
【0013】
特許文献6は、リジッドなガラスパネルの太陽電池モジュールに関するものであり、2本のワイヤを張って、太陽電池モジュールにボルト止めした開ループのフックを小さなネジを外れ止めとして補強してワイヤに止めることが提案されている。しかも太陽電池モジュールの長辺方向間に短辺に固定したフックをつけてワイヤで吊る構造のため、強風で屋根のような小さな面積での設置程度の強度にはなんとか屋根がストッパとなって、耐えられるが、何もない空間に設置する強度はない。屋根だけで適用できる限定される実例である。また、長辺方向間に短辺に固定したフックをワイヤで吊るのは、太陽電池モジュールが破壊されやすいという課題がある。なお、ワイヤの張力調整機構として、ターンバックルやぜんまい巻取り方式のローラーのようなもので調整しようとしているが、ぜんまい巻取り方式の機構では、ぜんまいが高い風圧に十分耐えるだけの張力は得られないという課題があった。しかも釣具のリールのようにただ巻いているだけでは引張りでワイヤが抜けてしまうという課題があった。これは、確実な強度の高い閉ループでのワイヤの固定がされていないためである。しかも、ターンバックルの場合も片側が閉ループで、ワイヤを結びつけることになり、強度が得られないという課題があった。また、逆にターンバックルの片側が開ループのフックであり、固定が外れるという課題があった。
【0014】
特許文献7では、フレキシブル太陽電池モジュールを膜状のドーム屋根等に全面保護で設置することが提案されている。設置工事の過程に溶着する工程があり、設置工事工程が増えて設置費用が増大する課題があった。また、これは、膜状のドーム屋根等の膜状の屋根があるところに限定される設置方法であって、何もない空間に大量に吊ることができない。以上は、どれも屋根や壁に限定した設置例である。
【0015】
特許文献8は、富士電機システムズ社のフレキシブル太陽電池モジュールの使用を想定したもので、屋根や壁以外に設置できる一例を提案している。特許文献8の記載には、強風がでてきたときに取外す指示があるように風圧に耐えられるようにできていない。この理由は、フレキシブル太陽電池モジュール1枚あたりたった2点の局部的な支えで保持しているからである。これでは、強風により局部的な引張り力の集中により、ガイド部の破壊が起こるばかりか、繊細なフレキシブル太陽電池モジュールの発電部層の破壊も起こり得る。しかもガイド機構が2つの車輪で挟むような開ループのレール構造であり、実用上で脱線が起こる可能性もある。
【0016】
特許文献9は、富士電機システムズ社のフレキシブル太陽電池モジュールの使用を想定したもので、屋根や壁以外の池の南北の両岸にワイヤを用いて設置する一例を提案している。積極的に南北方向に設置して複雑な機構で傾斜角をつけることでワイヤの設置本数を増やしているため、材料費が多くかかるという課題がある。また、フレキシブル太陽電池モジュールを吊る固定具もフレキシブル太陽電池モジュール側とワイヤ側に完全に分離され、しかもフレキシブル太陽電池モジュール側が、取外し容易な開ループのフック形状となっている。このため、外れる可能性があるとともに部品点数が多くなり、材料費と加工費がさらにかかるという課題がある。なお、ワイヤ側固定金具もワイヤとの接続部分が短く局部的な固定となっており、導管も半円形状を上下圧着ボルト固定するものである。フレキシブル太陽電池モジュール側の固定金具も結局フレキシブル太陽電池モジュールと局部的なボルト固定となっている。このため、金属板を含まないフレキシブル太陽電池モジュールの場合は、風圧の高い環境では局部的な引張りの力で、固定部分の破壊が起こるばかりか、繊細なフレキシブル太陽電池モジュールが引きつれて発電部層の破壊が起こる課題がある。また、支柱とワイヤとの固定も不明である。フレキシブル太陽電池モジュールの破壊を起こす局部的な固定方法でかつ外れる開ループの固定方法であるため、風圧の高い環境ではとても設置できる強度のものではない。
【0017】
特許文献10では、ケーブル止め金具で張った2本のケーブルあるいはワイヤにフレキシブル太陽電池モジュールを入れる袋のついた膜材の架台を取付ける屋根以外の空間設置も想定した例が提案されている。しかしながら、ケーブル止め金具の製法が不明確であり、また、膜材の架台とケーブルとの詳細な結合方法が明確ではない。また、固定方法について明確に記述されていない。膜材の架台をケーブルに取付けるとなっているため、ひもや結束バンド等の通常の結束手段で局部的に取付けるものと見なしてよい。フレキシブル太陽電池モジュールの傾斜角調整もできないという課題がある。なお、架台の膜材は、かなり長いものとなり、途切れがないことから風圧をかなり受け、膜材の自重とともにかなりの耐久性が求められるものとなる。その対策として、架台の膜材に風圧を逃がす孔を複数空けているが、この孔は逆に架台の膜材が風圧により引きちぎれる課題が生まれる。なお、太陽電池モジュールを中に入れる袋は密閉されていないため、塩害等の化学的耐環境性は向上しない上に袋から飛び出す可能性もある。減衰ダンパーや耐風安定板をケーブルに取付ける付加的な発明もあるが、肝心なケーブルとの詳細な固定方法について不明確になっている。これら背景技術の共通点は、局部的な支持で、かつ不完全な閉ループのため、外れや繊細な薄膜のフレキシブル太陽電池モジュールの発電層の破壊等が起こりえるということである。
【0018】
また、年間発電量という1年のくくりで発電量を見ると、背景技術の屋根に設置する太陽電池ジュールの場合、屋根の角度の方向で固定するか、屋根の角度の方向とは異なる角度に変えるにしても傾斜角が南向きに平均的な30度近辺に固定して設置していた。このため、季節に応じて、傾斜角を調整することができなかった。季節によって、太陽光の日射角度も変わるため、この発電劣化も見逃せない要因となり、年間発電量の低下につながっていた。
【0019】
したがって、本発明の目的は、既設構造物の屋根上にとどまらず、どこへでも大量にユーザーが容易に取付け取外しでき、かつ耐久性に優れたフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記目的を達成するため、本発明に係るフレキシブル太陽電池アセンブリは、長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュールと、上記フレキシブル太陽電池モジュールを中空状態で密閉保持する保持部であって、上記フレキシブル太陽電池モジュールを密閉する本体部、及び上記フレキシブル太陽電池モジュールの上記長辺に沿って上記本体部に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部とを備えることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係るフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法は、長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュールと、上記フレキシブル太陽電池モジュールを中空状態で密閉保持する保持部であって、上記フレキシブル太陽電池モジュールを密閉する本体部、及び上記フレキシブル太陽電池モジュールの上記長辺に沿って上記本体部に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部とを備えるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法であって、
上記フレキシブル太陽電池アセンブリの上記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管に線状部材を通過させて、上記フレキシブル太陽電池アセンブリを固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、既設構造物の屋根上にとどまらず、どこへでも大量にユーザーが容易に取付け取外しでき、かつ耐久性に優れたフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を説明するための全体を示す斜めから見た俯瞰図であり、(b)は(a)のA部を中心として部分的に拡大した俯瞰図である。
【図2】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの別の設置方法を説明するための全体を示す斜めから見た俯瞰図であり、(b)は(a)のB部を中心として部分的に拡大した俯瞰図である。
【図3】(a)は本発明の第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のC部の部分拡大図である。
【図4】(a)は本発明の第2実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のD部の部分拡大図である。
【図5】(a)は本発明の第3実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のE部の部分拡大図である。
【図6】(a)は本発明の第4実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のF部の部分拡大図である。
【図7】(a)は本発明の第5実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のG部の部分拡大図である。
【図8】(a)は本発明の第6実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のH部の部分拡大図である。
【図9】(a)は本発明の第7実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、(d)は(c)のI部の部分拡大図である。
【図10】(a)は本発明の第8実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図である。
【図11】(a)は線状部材3の平面図であり、(b)はその長辺側の側面図であり、(c)はその短辺側の側面図である。
【図12】(a)は他の線状部材3の平面図であり、(b)はその長辺側の側面図であり、(c)はその短辺側の側面図である。
【図13】(a)は図11の線状部材3にストッパ31を取り付けた状態を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図であり、(c)は(a)のB−B線に沿った断面図である。
【図14】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第1実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図15】(a)は第1実施例の設置固定部4の傾斜角を大きくしたときの正面図であり、(b)はこの設置固定部4の傾斜角を小さくしたときの正面図である。
【図16】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第2実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図17】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第3実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図18】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第4実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図19】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第5実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図20】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第6実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図21】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第7実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【図22】(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第8実施例の設置固定部4の一側面図であり、(b)はこの設置固定部4の上面図であり、(c)は設置固定部4の他側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
初めに、本発明の第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。図1(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を説明するための全体を示す斜めから見た俯瞰図であり、図1(b)は図1(a)のA部を中心として部分的に拡大した俯瞰図である。図2(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの別の設置方法を説明するための全体を示す斜めから見た俯瞰図であり、図2(b)は図2(a)のB部を中心として部分的に拡大した俯瞰図である。図3(a)は本発明の第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図3(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図3(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図3(d)は図3(c)のC部の部分拡大図である。
【0025】
まず本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリについて、説明する。本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、図3(a)乃至図3(d)に示すように、長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュール1と、このフレキシブル太陽電池モジュール1を中空状態で密閉保持する保持部2であって、フレキシブル太陽電池モジュール1を密閉する本体部21、及びフレキシブル太陽電池モジュール1の上記長辺に沿って本体部21に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部2とを備えるものである。本実施形態では、ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管の一例として、ペアの導管成型部23を設けた構造である。
【0026】
さらに詳細に説明すると、本実施形態で用いるフレキシブル太陽電池モジュール1は、メーカーや種類を問わないフレキシブルに曲がる薄いシート構造をしたフレキシブル太陽電池アセンブリの本体であり、以下ではフレキシブル太陽電池モジュール1と呼ぶことにする。
【0027】
保持部2は、フレキシブル太陽電池モジュール1を中空構造のシートの袋の中に入れて周辺全てを密閉保護するもので、上下から挟んで保持する本体部21と、フレキシブル太陽電池モジュール1を密閉した状態で本体部21の短辺側をそれぞれ溶着して設けられた溶着部22と、ペアの導管成型部23とを備えている。導管成型部23は、フレキシブル太陽電池モジュール1の長辺方向に2本以上の導管形状のものを一体成型した機構部品である。導管成型部23には、線状部材3が通されている。
【0028】
図11(a)は線状部材3の平面図であり、図11(b)はその長辺側の側面図であり、図11(c)はその短辺側の側面図である。図12(a)は他の線状部材3の平面図であり、図12(b)はその長辺側の側面図であり、図12(c)はその短辺側の側面図である。線状部材3はフレキシブルなロープやワイヤであり、図11に示すように両端3aを閉ループ状に加工したものや、図12に示すように線状部材3全体を閉ループ状に加工したものが考えられる。
【0029】
線状部材3の材質は問わないが、一般的には、強度の高い金属のワイヤか各種繊維を使用したロープが一般的である。なお、同じフレキシブルの縦横のネットとの違いは、ネットは、縦横の接続があるため、完全な閉ループの導管が接続できないことにある。扱いやすいフレキシブルな一直線の線状部材3を、フレキシブル太陽電池アセンブリの長辺の導管成型部23に通して吊ることに、新しい価値がある。ロープは帯状に平板になっていてもよい。重量を軽量化するためには、金属よりも繊維などの方が望ましいが、強度を上げるためには、素材がダイニーマのような軽量で強度の高い耐薬品性、耐光性の高いメンテナンスフリーのロープがさらに望ましい。風圧が少なく、吊るフレキシブル太陽電池アセンブリの数量が少ない場合は、ダイニーマのような高強度の素材であれば、釣り糸のような細い糸でも可能である。線状部材3の径は、材質と強度の要求で調整する。ただ、フレキシブル太陽電池アセンブリの数量が多くなると、ダイニーマの釣り糸でも強度が足りなくなるため、太いダイニーマロープが望ましくなる。形状としては、円芯形の通常のロープの他にもベルト形状のような平板な帯状のものでも可能である。また、線状部材3としてチェーンも材質を問わず使用可能である。チェーンは、金属やプラスチックが一般的だが、プラスチックは強度が弱いため、金属チェーンの方が強度上は望ましい。しかし、金属チェーンは、重量の点で望ましくないため、吊るフレキシブル太陽電池アセンブリの数量が少なく重量が軽い場合の条件付きで適用するのが望ましい。なお、後述する設置固定部4との連結を考慮すると、端末加工のない線状部材3でも使用できる。
【0030】
図11に示すような、線状部材3の両端をループ状に加工する方式には、アイ加工や圧縮止め加工がある。アイ加工とは、アイスプライス(編込差し)加工とも呼び、端部において、ストランドを半数に分けて、物を吊り上げるために強度高くループ状に互いに編みこむ加工である。なお、端部を折り返して、ループ状にして本体に沿わせて圧縮金具を巻きつけて圧縮する圧縮止め加工も適用可能である。圧縮止め加工は、ロック加工やクランプ加工とも呼ぶ。圧縮金具は、通常アルミ製のクランプ管が一般的で、先にワイヤやロープに通しておき、端部を折り返して重ねてクランプ管に2本を入れて、ペンチや金槌でつぶして圧着する。
【0031】
メーカーの作る丈夫なものは、専用のプレス機でクランプ管を圧縮し強度を上昇させる。設置のその場で、長さを調整して、圧縮止め加工ができる利点があるが、アイ加工に比べて強度が低くなる傾向がある。通常は設計した長さで強度の高いアイ加工を使用する。両端をアイ加工したワイヤやロープやベルトを各々スリングワイヤやスリングロープやスリングベルトとも呼ぶ。その加工法は、玉掛索としてクレーン等安全規則第219条及び労働安全衛生規則第475条に定められている。規定上では、端末ヒゲが12箇所以上あるのが玉掛索であるが、強度を必要としない場合、編みこみ回数を低くして端末ヒゲを少なくしてもよい。両端が、アイ加工されているワイヤまたはロープの強度を上げるためにさらにサービング加工を追加してもよい。サービング加工とは、さらにワイヤやロープを巻き足して強度を高める加工である。また、強度を高めるためにアイ部分に補強金具のシンプルを入れてもよい。
【0032】
アイ加工の代わりに端部にクランプ管付きのアイターミナルという金具で、ロータリースエージングマシンで強固に圧着したワイヤまたはロープも可能であるが、圧着なので強度は弱くなる。強度上から、アイターミナルを圧着せずにバビッドメタル(ホワイトメタル)または亜鉛等の合金または樹脂をアイターミナルのケーブル側に流し込み溶着する方法もある。恒久的なものは亜鉛を使用するのが一般的である。また、アイターミナルは、溶着して強度の高い太いものは、ワイヤソケットとも呼ばれる。ワイヤソケットは日本工業規格(JIS)で規定されており、この端末加工はソケット加工とも呼ばれ、ワイヤの固定方法としては最も確実で恒久的な長期耐久性の高いものである。ワイヤソケットはクローズド型(C型)のワイヤソケットとボルト締めのオープン型(O型)のワイヤソケットがある。ボルト締めのオープンのワイヤソケットでも強度が高いので、問題はない。
【0033】
線状部材3は、原則として、フレキシブルなロープやワイヤであるが、竿のような固形の棒状の両端に閉ループのリング構造が一体化された形状のものも可能である。しかし、長い距離で設置する場合には、固形の棒状のものは運搬や設置上の取扱いの点で長すぎて扱いにくいので、例外的に短距離で設置する場合等に使用は限定される。あくまで可能性を示した例外的な場合で、原則はワイヤやロープのような扱いやすいものを線状部材3として採用する。
【0034】
図12に示すような全体を閉ループ状に加工した線状部材3は、一本の長いロープをリング状に継ぎ編みこむロングスプライス加工や一本の長いストランドを連続して7周以上編みこむグラメット加工や長いワイヤを圧縮止め加工により長いリングにすることで得られる。強度上グラメット加工の方が望ましい。グラメット加工は、本エンドレス加工とも呼ばれる。以上のこれらのワイヤやロープは、専門のメーカーから入手可能である。なお、線状部材3は、設置固定部4間の距離と合うようにあらかじめ長さを決定してから製造するものとする。
【0035】
次に、このようなフレキシブル太陽電池アセンブリの製造方法について説明する。これらの実施形態は、構成の形状と一体成型が重要であって、材質自体や製法を問わないので、代表的な材質での製法の説明とする。材質や製法は、重量や強度との関係で選択されるが、本実施形態は軽量で強度のある材質や製法を選択することを優先する。
【0036】
フレキシブル太陽電池モジュール1の代表例として、特に薄膜太陽電池モジュールは、発電層が薄い太陽電池モジュールであり、発電層の基盤材料に固いガラスパネルを使用した厚みのあるものから、フレキシブルな金属フィルムやフレキシブルなプラスチック樹脂フィルムやフレキシブルなガラスを使用した薄いものまで幅広く存在する。発電層の基盤材料に製膜される発電材料も無機物では、シリコンやアモルファスシリコンを用いた薄膜太陽電池モジュールが存在し、シリコン以外の化合物を用いた有機物では、有機薄膜や色素増感有機物を使用した各々有機薄膜太陽電池モジュールや色素増感太陽電池モジュールの種類が存在する。背景技術の太陽電池モジュールと比較して発電層が約1/100程度の薄さであるのが特徴である。その分、フレキシブル太陽電池モジュール1の場合、発電層の薄膜が過度な引っ張り等の機械的負荷で剥がれやすい。
【0037】
本実施形態は、フレキシブル太陽電池モジュール1として、軽量で薄いフィルム型のフレキシブル太陽電池モジュール1の特性を有効に利用したフレキシブル太陽電池モジュール1に特化したものである。本実施形態には、リジッドなガラスパネル型の太陽電池モジュールは重量が劇的に重くなるため、重量と風圧に耐えられず、形状的に厚みがありすぎるため、対象外とする。ただし、本実施形態は、フィルム型と同様のプラスチック樹脂フィルムと同様なフレキシブルな性質を持つ薄いガラスパネルを使用したものは、フレキシブル太陽電池モジュール1の一種と見なし、本実施形態の対象内とする。すなわち、フレキシブル太陽電池モジュール1の定義としては、フレキシブルな薄いシート状の太陽電池モジュールであれば対象内とする。本実施形態は、フレキシブル太陽電池モジュール1に導管成型部23の機構的な一体成型を加えて自重や風圧や野球ボールや雹や塩害等から保護させるものであり、使用するフレキシブル太陽電池モジュール1は、メーカーや方式等は問わず、すべてのフレキシブル太陽電池モジュール1で適用可能である。空間に吊るため、より重量が軽く薄いフレキシブル太陽電池モジュール1ほど望ましい。
【0038】
薄すぎて強度が不足するものは、導管成型部23の厚みで補強できる。適用に望ましい代表的な薄いフレキシブル太陽電池モジュール1の例として、日本の富士電機システムズ社製FWAVEシリーズや米国のUnitedSolar社製Uni-Solarシリーズが代表的に挙げられる。前者は、繊細で壊れやすいのに対して、後者は強固で壊れにくいという非常に対照的な性質を持つため、両者に対応できる実施形態を網羅することで代表的な実施形態が網羅できる。ただし、繊細で壊れやすいタイプの方がフレキシブル太陽電池モジュール1としては原則的であり、強固で壊れにくいタイプの方は例外的なタイプと言える。よって、この代表的なフレキシブル太陽電池モジュール1の導管成型部23との一体成型方法について、具体的に実施形態を述べる。本実施形態は、屋根や壁以外の空間に橋渡しのように設置される環境条件を目的としてあらゆる機械的化学的保護を著しく強化する機構上の工夫を図るものである。このような条件では、屋根や壁に近距離で浮かして設置する場合と違って風圧がかかってもそれ以上屋根や壁でたわみが止まることがないため、まず自重と風圧対策の工夫が必要となる。
【0039】
また、風圧以外の条件としては、野球のボールや雹等のような固形物からの保護の工夫も必要である。また、化学的には、海岸付近に設置する場合の塩害対策の工夫も必要となる。富士電機システムズ社製FWAVEシリーズのフレキシブル太陽電池モジュールは、薄いプラスチックのエチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)のシートで両面から薄いプリント基板の正味のフレキシブル太陽電池セル本体が挟まれる構造になっている。このモジュールの特徴としては、軽く薄いことである。これが、荷重負荷を低減する利点となるが、逆に軽く薄いことで、モジュールに直接風圧がかかって、モジュール中央部が押されると、線状部材3の吊る力でモジュール短辺方向にモジュールが直接引っ張られて発電部の薄膜が電極と剥がれて破壊される危険性がある。フレキシブル太陽電池モジュールの例としては、典型的な強度の低い例である。
【0040】
本実施形態は、モジュールに直接風圧がかからないようにして、さらに線状部材3の吊る力がモジュールを直接引っ張らないような機構にしている。フレキシブル太陽電池アセンブリの長辺方向に2本以上の導管を一体成型するとともにフレキシブル太陽電池モジュール1全体を中空構造により密閉保護する導管成型部23を有するフレキシブル太陽電池アセンブリである。この実施形態として、図3に示すようにフレキシブル太陽電池モジュール1全体を中空構造の本体部21のシートの袋の中に入れて周辺すべてを完全に密閉してしまう機構が有効になる。導管の条件としては、完全な閉ループの導管でありかつ長辺方向に長い導管でありかつ可動部のまったくないリジッドな一体構造であるものとする。レールのような脱線の可能性のある構造も導管とは見なさない。
【0041】
完全密閉することにより、風圧以外の野球のボールや雹のような固形物からの保護と塩害からの化学的保護も同時に可能となる。この場合、フレキシブル太陽電池モジュール1を密閉した後に本体部21のシートの残りの短辺の周辺を溶着して、フレキシブル太陽電池モジュール1全体は、本体部21のシートに溶着しないことがポイントとなる。中空で上下から挟む力だけでフレキシブル太陽電池モジュール1全体が固定されていないということである。このような機構であれば、どのような力がかかっても本体部21のシートに直接引張りの力がかかることになり、フレキシブル太陽電池モジュール1に直接引張りの力がかからない。フレキシブル太陽電池モジュール1の一部でも接着等はしないからである。風圧がかかることで、本体部21のシートがまず直接曲がり、間接的にフレキシブル太陽電池モジュール1が曲がるだけである。フレキシブル太陽電池モジュール1は、もともと巻き取り型のプロジェクタースクリーンのように巻き取れるくらいのフレキシブル性を持つものなので、曲がるだけでは発電部の薄膜が破壊される危険性はない。
【0042】
また、本実施形態の大きなポイントとして、本体部21のシートを局部的に引っ張ることはしないことにある。具体的には、図2に示す通り、長辺方向に長い導管全体で長い線の支持で吊ることにある。ここで、線状部材3と導管は、長辺に長く接しているだけなので、風圧でたわんだ時に短辺方向には引っ張られるが、導管自体に長辺方向に引張りの力がかからない。これにより、風圧の力が長辺全体に分散してかかることで、短辺方向の引張りの力が長辺方向に平均的に分散されて、導管成型部23が風圧により直接破壊される可能性を著しく低減することになる。また、本実施形態の、導管成型部23の導管の構造の条件としては、一体成型による完全な閉ループの導管であることである。コの字のレールのような構造のものやコの字に開いた金具で圧着して部分的に導管を作るようなものでも自重プラス風圧で強度が不足するため、導管とは見なさない。
【0043】
なお、単純に中空密閉の保護構造にしているだけでなく、水平の一直線の線状部材3が通る前提となる導管を一体成型して組み合わせていることに新規性がある。全面保護と導管を両方兼ね備えている効果が高い。導管成型部23の材質として、中空構造の中にフレキシブル太陽電池モジュール1全体をすっぽり包むため、強度があり太陽光を遮断しない透明なものであれば材質を問わないが、一般的に太陽電池モジュールで使用されている同じ材質の耐環境性の高いETFEのシートで成型することが望ましい。本体部21のシートの厚みは、材質と強度の要求で調整する。全面中空一体成型が本実施形態のポイントであることから、溶着で一体成型ができるプラスチック樹脂シートを原則とする。また、他の種類の薄いプラスチック樹脂シートでも適用は可能であるが、ETFEのシート以外でもやはり融点が高く耐環境性の高いエンジニアリングプラスチックほど望ましい。
【0044】
ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、三フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・ポリ三フッ化塩化エチレン共重合体(ECTFE)等がある。
【0045】
具体的な詳細な機構は、第1の実施形態の図3に示すように2本以上の導管が一体化されている薄いベルト形状の中空構造の導管成型部23でフレキシブル太陽電池モジュール1を全体的に周りから挟み込む。そして、図3のようにフレキシブル太陽電池モジュール1より一回り大きい導管成型部23の短辺の図3の斜め格子のプラスチック樹脂同士の領域を上下で溶着し密閉する。ここで、フレキシブル太陽電池モジュール1にはいっさいの溶着はしないことが重要である。溶着してしまうとフレキシブル太陽電池モジュール1に風圧の力が伝導してしまうからである。図3で示すように四方が一体化成型され中空構造で囲まれることで、フレキシブル太陽電池モジュール1がはずれることはない。プラスチック樹脂の材質の場合、一般的なプラスチックの成型法で、フレキシブル太陽電池アセンブリの第1の実施形態の図3のように導管の形状のプラスチック樹脂を導管成型部23としてあらかじめ型にはめて成型するのが大量生産に向く標準的製法である。
【0046】
導管成型部23は、図3に示すようにフレキシブル太陽電池モジュール1を密閉する薄い中空構造の空間と2本以上の導管の空間を含む一体成型構造とする。図3では導管の穴は、説明の便宜上大き目の真円で描かれているが、楕円だろうが多角形だろうが形状やサイズは問わない。最低でも使用する線状部材3の両端が通る導管形状とサイズであればよい。なお、図が煩雑になるため図では示していないが、この導管は、フレキシブル太陽電池アセンブリの電線を通す導管を兼ねることが可能であるため、大き目のサイズにする。この場合、プラスとマイナスの電線を両側に分けてバランスをとることが望ましい。導管成型部23とフレキシブル太陽電池モジュール1との一体成型をする場合、導管成型部23周辺の結合面積や導管成型部23の厚さは、システムで必要とされる耐荷重と風圧荷重と野球ボールや雹等の衝撃荷重等で調整される。一体成型方式は、このフレキシブル太陽電池モジュール1の場合は、強度上からは周辺の面全体を溶着してフッ素樹脂のETFE同士を完全に一体化する。溶着は、一例として嶋倉工業製のフッ素樹脂シート溶着機を使用して加熱・冷却サイクルにより溶着する。強度を必要としない場合は、間隔をおいて部分溶着でもよいが、本実施形態のポイントは中空密閉化にあるため、溶着は、全体を溶着して完全に密閉することを原則とする。よって、完全防水構造にもなる。
【0047】
フレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用するストッパ31について、説明する。図13(a)は図11の線状部材3にストッパ31を取り付けた状態を示す平面図であり、図13(b)は図13(a)のA−A線に沿った断面図であり、図13(c)は図13(a)のB−B線に沿った断面図である。
【0048】
図13に示すように、ストッパ31は、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23が線状部材3から外れないようにするため、導管成型部23の長辺方向の両端の線状部材3に取付ける工事部品である。ストッパ31は、導管成型部23の径より長く線状部材3を上下から挟む2枚の板状金具310と、線状部材3を挟んだ状態で2枚の板状金具310を固定する固定部材311とを有する。固定部材311は、ペアのボルト及びナットで構成する。ボルトとナットで絞めて、線状部材3を圧力で固定する。
【0049】
これによって、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23が線状部材3から取付け取外し時に垂直になってぶらさがっても外れることがなくなる。ストッパ31は、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23の各々の前後の線状部材3に固定する。ストッパ31の構造は、線状部材3を導管の径より長い2枚の板状の金具で上下から挟んで、ボルト44とナット45で絞めて線状部材3を圧力で固定する。導管成型部23の径より長い2枚の板状金具310は、線状部材3の径に合わせて、中央に凹面状の溝がある構造を鋳造等で型をはめて形成する。線状部材3の通る経路を2枚の板状金具310で上下挟み、ボルトとナットで強く締めることで、線状部材3はストッパ31に固定される。線状部材3が垂直になっても、フレキシブル太陽電池アセンブリの軽い重量程度であれば、ストッパ31が導管成型部23の導管入り口で止まり、支えられる強度を持つ。
【0050】
なお、図12に示される、全長がリング状の線状部材3にストッパ31を取付ける場合も、同様にストッパ31は、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23の各々の前後の線状部材3に固定する。この場合、図示しないが、ストッパ31はリング状の片側の線状部材3だけに取付けることが望ましい。両側の線状部材3にストッパ31を取付けると、2本の線が均等なテンションにならない可能性があるからである。不均等なテンションになった場合、ストッパ31が外れやすくなる。よって、片側の線状部材3にだけストッパ31を取付ける。
【0051】
本実施形態では、特に対向する固定設置部4間のフレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23にすべて線状部材3を通してストッパ31で固定した後に、対岸からもう一方の対岸へ橋渡しすることになる。屋根や壁以外の何も周りにない高い空間に設置する過程において、クレーン等の大掛かりな道具を使用せずに橋渡しできる。この橋渡しの詳細手順を以下に説明する。まず、線状部材3を橋渡しの距離の分の複数のフレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23に全て通す。その後、図2のように、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23の各々の両側の線状部材3にストッパ31を取付ける。設置場所の固定設置部4へ線状部材3の片側の端部を連結し、岸から地上へもう一方の線状部材3の端部をゆっくりと下ろす。このとき、線状部材3のストッパ31の支えにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの各々は線状部材3に固定されて、線状部材3から抜け落ちなくなる。もう一方の対岸の固定設置部4へ別の1本の線状部材3の端部を仮連結しておいて、もう一方の端部に図17に示すカラビナのような取外し可能な連結器471を連結して地上まで降ろす。これは、橋渡し用の道具として利用する。岸の地上に一度降りて、その1本の線状部材3についた取外し可能な連結器471を最初に降ろしておいた線状部材3の2本以上の端部に仮連結する。対岸の固定設置部4へ戻り、仮連結しておいた線状部材3の地面側を地面から上に引き揚げる。引き揚げた線状部材3の端部を対岸の固定設置部4へ連結すれば、岸から対岸への橋渡しがこのように容易に確実にできることになる。取外し可能な連結器471と線状部材3だけを橋渡し用の道具として利用すればよいので、ユーザーがクレーン等の大掛かりな道具を特別に使用して引き揚げる必要がない。そして、ストッパ31は、導管成型部23と一体成型したフレキシブル太陽電池アセンブリが線状部材3から落ちないためのものになっていることである。
【0052】
図2(a)及び図2(b)に示すように、線状部材3にストッパ31を取り付けることにより、設置の際に線状部材3を傾けても、ストッパ31がフレキシブル太陽電池アセンブリの線状部材3の長手方向へのすり落ちが防止できるので、設置を円滑に進めることができる。また、設置が完了したフレキシブル太陽電池アセンブリにおいては、ストッパ31がフレキシブル太陽電池アセンブリの線状部材3の長手方向への移動を規制するので、隣接するフレキシブル太陽電池アセンブリ同士の接触や、フレキシブル太陽電池アセンブリの移動が防止される。
【0053】
フレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する固定設置部について、説明する。図14(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第1実施例の設置固定部4の一側面図であり、図14(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図14(c)は設置固定部4の他側面図である。図15(a)は第1実施例の設置固定部4の傾斜角を大きくしたときの正面図であり、図15(b)はこの設置固定部4の傾斜角を小さくしたときの正面図である。図16(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第2実施例の設置固定部4の一側面図であり、図16(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図16(c)は設置固定部4の他側面図である。図17(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第3実施例の設置固定部4の一側面図であり、図17(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図17(c)は設置固定部4の他側面図である。図18(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第4実施例の設置固定部4の一側面図であり、図18(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図18(c)は設置固定部4の他側面図である。図19(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第5実施例の設置固定部4の一側面図であり、図19(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図19(c)は設置固定部4の他側面図である。図20(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第6実施例の設置固定部4の一側面図であり、図20(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図20(c)は設置固定部4の他側面図である。図21(a)は、本発明の実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用する、第7実施例の設置固定部4の一側面図であり、図21(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図21(c)は設置固定部4の他側面図である。
【0054】
図14に示すように、第1実施例の固定設置部4は、アンカーボルト41、支柱基礎42、段移動可能な多段はしご状金具431、ボルト44、ナット45、及び固定用金具46を備えている。
【0055】
アンカーボルト41は、設置固定部4の柱となる工事部品である。支柱基礎42は、コンクリートやモルタル等でできた設置固定部4の土台となる工事部品である。段移動可能な多段はしご状金具431は、線状部材3の端部の閉ループ部を取付けるための多段に段移動可能ではしごの段が形成できる金具となる設置固定部4の工事部品である。ボルト44は、段移動可能な多段はしご状金具431にはしごの段として挿したり、固定用金具46に固定したりするボルトとなる設置固定部4の工事部品である。ナット45は、アンカーボルト41やボルト44の軸に挿入して締めるナットとなる設置固定部4の工事部品である。固定用金具46は、回転する段移動可能な多段はしご状金具431を固定するための金具となる設置固定部4の工事部品である。
【0056】
設置固定部4の条件について述べる。まず、設置固定部4の位置としては、対向した間に太陽光ができるだけ差す場所であり、風圧の影響を受けにくいできるだけ低い位置であることが望ましい。ただし、低いと言っても太陽光の輻射熱がでるような低い位置ではなく、放熱効果があるくらいの高さが十分あればよい。また、設置固定部4の形状の最低条件としては、線状部材3が人間の手で緊縛できる線状の固定物である。材質は問わないが、強度上は、強度の高い金属が望ましい。設置固定部4は、既設の線状の固定物でできるだけ代用させるとよい。なぜならば、設置材料と工事費用を低減できるからである。よって、屋根のような高い場所ではなく、身近にある窓やベランダの既設の手摺りや物干しの柱等をできるだけ代用させることを優先する。新規に設置する場合の設置固定部4の形状として最低条件として、アンカーボルト41が強度の高い代表的な安価な線状の固定物となる。ただ、アンカーボルト41のような線状のものは、線状部材3の端部の閉ループ部に通した場合、線状部材3の閉ループ部がボルト上部へ抜ける可能性がある。このため、設置固定部4としては、取外しに便利な取外し可能な強固な連結器を具備するとよい。
【0057】
左右の高さを変えてフレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を変更できる構造を具備させる。設置固定部4の支柱基礎42に複数の穴の空いた支柱を取付けて、複数の穴に取外し可能な連結器を取付ける。これにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜角度を調整できる。図示を省略するが、設置固定部4の形状として最低でも高さの異なる穴の空いた支柱にカラビナのような取外し可能な連結器を取付けることで、設置固定部4の連結位置の高さが調整できるようになる。これにより、線状部材3の取付けの高さが左右で変更できることで、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜角度を調整できるようになる。高さの異なる穴の空いた支柱の例としては、アンカーボルト41に複数の穴をドリルで空けたものでもいいし、鋳造で複数の穴の空いた柱を製造してもよい。柱の形は円柱である必要性はなく、柱状であれば多角柱でも板状の金具でも何でもよい。この柱を内側に傾斜させて、コンクリートやモルタルを流し込んで固めて立方体の型をとった支柱基礎42で固定する構造を取る。傾斜の理由は、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜により、高くなるほど内側の位置になるからである。
【0058】
図14(a)に示すように、設置固定部4の支柱基礎42に段移動可能な多段はしご状金具431を取付けて、段移動可能な多段はしご状金具431に高さを変えて取外し可能なボルト44を取付ける。これにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜角度を調整できる。図14の設置固定部4の段移動可能な多段はしご状金具431の高さ方向の複数のボルトの穴にボルト44を抜き差しして、はしごの段の高さを調整する。これにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を変更する。なお、傾斜を調整する場合には、設置固定部4の対向方向すなわち線状部材3に平行な方向を厳密に東西方向にすることで最大限に傾斜角の調整の効果が高まる。
【0059】
図15(a)は第1実施例の設置固定部4の傾斜角を大きくしたときの正面図であり、図15(b)はこの設置固定部4の傾斜角を小さくしたときの正面図である。設置固定部4の傾斜角の変更を説明する。ボルト44を挿す段移動可能な多段はしご状金具431のはしごの段の高さを調整することで、フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を変更することができる。
【0060】
設置固定部4の土台の構造としては、一般的な手摺り等の設置工事と同様にアンカーボルト41に通した段移動可能な多段はしご状金具431を立てて、コンクリートやモルタルを流し込んで固めて立方体の型をとった支柱基礎42で固定する構造を取るのが一例である。なお、図14では、アンカーボルト41と段移動可能な多段はしご状金具431を組み合わせて、支柱基礎42に固定設置する例である。アンカーボルト41を利用せずに段移動可能な多段はしご状金具431の下をアンカーボルト41のように長く伸ばして、支柱基礎42で固めて固定設置してもよい。これは、以降で説明する設置固定部4でも同様である。
【0061】
図14の設置固定部4の場合、フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角は、段々の不連続な高さ調整になってしまうため、大雑把な傾斜角の調整だけで細かい微調整ができない。図16に示す、第2実施例の設置固定部4では、支柱基礎42に固定用金具46を取付けて、段移動可能な多段はしご状金具431が回転するようにボルト44とナット45で固定用金具46に取付けている。これにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜角度を調整できる。図16の設置固定部4は、段移動可能な多段はしご状金具431が回転する機構を具備している。これにより、傾斜角の細かい微調整ができる。全体の機構は、左右の設置固定部4を一体化した構造をとる。左右の重量がまとまってかかる強度を上げるために、各部品の太さを太くした部品で対応することで対応可能となる。まず、固定金具46をアンカーボルト41の軸に通して支柱基礎42に固定し、固定した後に固定金具46のボルトの穴に段移動可能な多段はしご状金具431をボルト44とナット45で固定する。左右に線状部材3の端部の閉ループ部を連結するために段移動可能な多段はしご状金具431にボルト44を挿して、ナット45で固定する。ボルト44をピンで固定してもよく、これは時間をかけずに簡単に固定できる点でメリットがある。フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角の細かい微調整は、中央のボルト44のナット45を緩めて段移動可能な多段はしご状金具431を回転させて、要望の傾斜角でナット45を締めて固定する。
【0062】
なお、一例として固定金具46のボルト44の周辺に段移動可能な多段はしご状金具431の上辺と一致する線の目盛りを彫刻等で刻んでおくと調整の角度の目安になるため望ましい。目盛りは、最低でも年間の各傾斜角調整時期の最適傾斜角をあらかじめ計算しておいて複数刻んで置けばよい。分度器等を使用して、段移動可能な多段はしご状金具431の上辺の角度を測定しながら、年間の各傾斜角調整時期の最適傾斜角を刻印しておく。各傾斜角調整時期を固定してしまえば、設置時ではなく固定金具46の製造時にあらかじめ刻印しておいてもよい。
【0063】
図17に示す、第3実施例の設置固定部4では傾斜角を変更できる構造として、設置固定部4の支柱基礎42に多段はしご状金具432を取付けて、多段はしご状金具432に高さを変えてさらに取外し可能な連結器471を取付けている。多段はしご状金具432は、線状部材3の端部の閉ループ部を取外し可能な連結器471を介して取付けるための多段にはしごの段が形成されている金具となる設置固定部4の工事部品である。取外し可能な連結器471は、線状部材3の端部の閉ループ部を取外し可能に連結できるカラビナのような連結器となる設置固定部4の工事部品である。これにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜角度を調整できる。図17の設置固定部4では、線状部材3の端部の閉ループ部が取付けられるような段移動可能な多段はしご状金具431をアンカーボルト41で下部を固定している。カラビナのような取外し可能な連結器471を、高さに応じて着脱可能な構造としたものである。
【0064】
図14の設置固定部4と図17の設置固定部4との違いは、はしごの部分を抜き差しできるようにするか、はしごの部分を固定にして、カラビナのような取外し可能な連結器471を介して、線状部材3の端部の閉ループ部と結合できるかの違いである。段移動可能な多段はしご状金具431の穴は、線状部材3を固定するためのボルト44を通す穴で、穴の取付け高さを調整できることで、線状部材3の左右の高さを調整することが可能となる。その結果として、導管成型部23と一体となったフレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を調整できることになる。段移動可能な多段はしご状金具431の穴は、ボルト44とナット45で固定する。ネジを回す時間がかかるが、固定は確実である。ボルト44をピンで固定してもよく、これは時間をかけずに簡単に固定できる点でメリットがある。
【0065】
図18に示す第4実施例の設置固定部4では傾斜角を変更できる構造として、支柱基礎42にナット45を2個と取外し不可能な連結器472と取外し可能な連結器471を軸に取付けたアンカーボルト41を取付けて、ナット45の2個の高さを調整している。取外し可能な連結器471は、取外し不可能な連結器472と線状部材3の端部の閉ループ部を取外し可能に連結できるカラビナのような連結器となる設置固定部4の工事部品である。取外し不可能な連結器472は、アンカーボルト41の軸に挿入するシャックルのような設置固定部4の取外しが不可能な連結器となる設置固定部4の工事部品である。取外し不可能な連結器の高さを直接調整することで、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向の傾斜角度を調整できる。
【0066】
図18の設置固定部4では、アンカーボルト41の軸に2つのナット45とU字型のシャックルのような取外し不可能な連結器472をあらかじめ通してアンカーボルト41を支柱基礎42に固定している。取外し不可能な連結器472としては、強度が高いシャックルが代表的であるが、アンカーの軸にぎりぎりはまるようなある程度強度の高い両側リング状の牽引器具であれば適用可能である。例えば、アンカーボルト41の軸径がぎりぎり入る短い両端アイ加工ワイヤやロープのアイ加工部分を、アンカーボルト41の軸に通してナット45の上下で挟んで位置を調整してもかまわない。アンカーボルト41の軸径がぎりぎり入るスイベルを、アンカーボルト41の軸に通してナット45の上下で挟んで位置を調整してもかまわない。スイベルとは、樽状の両側に回転する円形のリングがついた牽引器具である。また、アンカーボルト41の径に合う2つの穴があいた厚めの板状のものを、アンカーボルト41の軸に通してナット45の上下で挟んで位置を調整してもかまわない。この場合、アンカーボルト41に通さない方の穴は、カラビナ等の取外し可能な連結部471が通る大きな穴とする。取外し不可能な連結器472は、このようにいろいろな形態をとることが可能となる。図18の第4実施例の設置固定部4では、アンカーボルト41にシャックル等の取外し不可能な連結器472を装着する時にシャックルの両側に2つのナット45を入れて、シャックルの高さ位置をナット45のネジの回転で、調整できる。左右の設置固定部4の高さを変えることによって、フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜を調整できる。ここで、図18で一番下のナット45はアンカーボルト41の強度補強用のナットで、高さ調整用のナットとは用途の違うものであり強度を特に必要としなければなくてもよい。また、線状部材3の端部の閉ループ部を着脱可能とするために、シャックルにさらに追加でカラビナ等の取外し可能な連結器471を取付けたものにする。
【0067】
取外し可能な連結器471として、カラビナ以外に二重カンまたは外れ止めのスナップのついたスナップフックやターンバックル等の例がある。ターンバックルの場合は、設置固定部4の対抗の片側のみに取付けることでネジの調整により長さが調整できるようになる。線状部材3のテンションを最適に調整できる。ターンバックルの場合、両端が外れ止めのスナップがついたフックタイプかジョーボルトを挿して取外し可能なジョーボルトタイプが望ましい。これらの取外し可能な連結器471を使用した場合の長さを含めて、線状部材3の長さも精密に決定することになる。また、設置固定部4としては、片側のターンバックルで線状部材3のテンションを調整する手法がある。その他に、片側で2点または4点をアンカーボルト41で固定したウィンチで線状部材3の閉ループ部を引っ掛けて巻き取りウィンチのセルフロック機構で固定する構造でもよい。ウィンチとは、回転ドラムに歯車のついた巻き上げ器である。手動で歯車を回すもので十分である。線状部材3のテンションを調整できることで、線状部材3のテンションが高まり、風圧による線状部材3の上下の制動力が高まるので、フレキシブル太陽電池アセンブリへの上下の制動力が高まる。これにより、風圧によるフレキシブル太陽電池アセンブリの変形が少なくなる。
【0068】
図19の第5実施例の設置固定部4は、ウィンチに似た構造で安価に線状部材3の長さを調整できるようにしたものである。巻きつけ機構として、段移動可能な多段はしご状金具431の要求する高さのボルト44に線状部材3を最初に巻きつけてから、もう1本のボルト44に線状部材3の端部の閉ループ部を挿入して、設置固定部4に固定するものである。線状部材3を最初のボルト44に何回も巻きつけてから最終的に残りのボルト44で固定することにより、線状部材3を最適なテンションにすることが可能となる。
【0069】
図20の第6実施例の設置固定部4は、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺の幅に適合する位置の段移動可能な多段はしご状金具431のボルト44に線状部材3を最初に巻きつけてから、もう1本のボルト44に線状部材3の端部の閉ループ部を挿入して、設置固定部4に固定するものである。なお、図20では、説明のために線状部材3が実際よりもかなり太く描かれており、1回しか最初のボルト44に巻きつけられないように描いているが、実際は、何回も最初のボルト44に巻き付けることが可能である。第5実施例の設置固定部4と同様の原理で、線状部材3を最初のボルト44に何回も巻きつけてから最終的に残りのボルト44で固定することにより、線状部材3を最適なテンションにすることが可能となる。線状部材3の長さ調整用の巻きつけ機構として、追加の支柱でも調整可能である。
【0070】
図21の第7実施例の設置固定部4は、線状部材長さ調整用支柱48を立てて、その支柱に線状部材3を巻きつけてから、固定するものである。線状部材長さ調整用支柱48は、線状部材3を巻きつけることで、線状部材3の長さ調整用の巻きつけ機構の支柱となる設置固定部4の工事部品である。線状部材3を傷つけないために、線状部材長さ調整用支柱48としては、軸にネジの溝のないものが望ましい。形状は、柱状であれば鋳造で何でも可能であり、アンカーボルト41のようなもので代用可能である。
【0071】
図示しないが第8実施例の設置固定部は、図21のように線状部材長さ調整用支柱48を立てて、その支柱に線状部材3を巻きつけてから、図14に示される第1実施例の設置固定部4に線状部材3を固定するものである。なお、この応用として、線状部材長さ調整用支柱48を立てて、その支柱に線状部材3を巻きつけてから、図17の設置固定部4に線状部材3を固定することも考えられる。線状部材長さ調整用支柱48を立てて、その支柱に線状部材3を巻きつけてから、図18の第4実施例の設置固定部4に線状部材3を固定することも考えられる。
【0072】
なお、風圧対策として、フレキシブル太陽電池アセンブリは、短辺方向に通常南向きに傾斜をつけて設置することで風は傾斜方向に逃げやすくなる。1セットの複数のフレキシブル太陽電池アセンブリの列を設置したとすると、その隣の列は、隙間なく配置せずに風の逃げ道を空かせることが望ましい。これにより、フレキシブル太陽電池アセンブリにかかる風荷重を大幅に低減させることができるからである。傾斜させる場合、傾斜角が最大60度まで傾かせるとすると、隣が影にならない距離は、0度設置時換算で最低短辺の距離は隣同士で空ける必要性がある。それだけ空ければ、どんな傾斜でも十分風圧を逃がすことができる。
【0073】
本実施形態によれば、既設構造物の屋根上にとどまらず、どこへでも大量にユーザーが容易に取付け取外しでき、ユーザーによる傾斜角調整や変更が容易で、かつ耐久性に優れたフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を提供できる。
【0074】
すなわち、大容量の面積で屋根以外のあらゆる空間に設置することができる。設置面積の限界がなくなり、大容量の面積で屋根以外のあらゆる空間に設置することが可能となる。その理由は、背景技術のように屋根に設置することを目的とせずに身近なベランダや窓の既設の手摺り等に設置できるからである。また、新規に設置固定部を設置すれば、どこへでも設置できるからである。また、このさらに根拠となる補足情報として、フレキシブル太陽電池アセンブリは、単体の形状としては、高さ方向の四方の高い壁のない単なる水平に薄いシートであり、人間の居住空間とならず、建築基準法の建築物に該当しないため、建蔽率のしばりなく設置可能であることが言える。建築基準法の建築物の定義は、第6条1項の1〜4号になるが、基本方針は文字通り高さ方向に建つものであり、単体で壁面のないものは人間の居住空間とはならないため、建築物以外と見なされる。また、工作物としても単体で高さのある建つものであり、第88条1項の規定で6mを超える煙突、15mを超える柱、4mを超える広告塔、広告板、装飾塔、記念塔など、8mを超える高架水槽、サイロ、物見塔など、2mを超える擁壁となり、第88条2項の規定の観光用エレベーター、原動機を使用する回転遊戯施設など、3項の規定の製造施設、貯蔵施設、遊戯施設、第87条2項の規定のエレベーター、エスカレーターなどの昇降機になるが、単体で高さがほとんどない水平に薄いシートのため、工作物としても該当しない。
【0075】
設置工事に専門の業者を必要とせず、架台や鋼板等の材料費を必要とせず、ユーザーが多くの工程と工事期間を要せず設置することができる。設置固定部を新たに設置したと仮定しても、設置工事費はこれまでの工事と比較して節約される。その理由は、背景技術の屋根以外の既設の窓やベランダの手摺り等を設置固定部として流用できるので、新たな設置固定部の設置を節約でき、ユーザー自身で設置できるからである。たとえ設置固定部を新たに設置したと仮定しても、フレキシブル太陽電池アセンブリが多数まとまったものに対して設置固定部の材料として、最低で安価なアンカーボルト4本で設置することで済む。安価な材料と工事の単純化が図れることで、設置工事費が節約できるからである。
【0076】
目立つ空間に設置でき、設置したユーザーの立場から環境活動のアピールができる。その理由は、背景技術の場合は、屋根の上に設置するために下からは見えないが、本実施形態では屋根以外の空間に設置することで、下から見ても非常に目立つからである。
【0077】
ユーザーが取付け取外し可能であり、非常時等に別の家に移設することも容易である。その理由は、背景技術のように屋根に設置する場合、完全に固定してユーザーが取外し困難になるが、本実施形態では、ユーザーが窓やベランダ等の手摺り等の身近なところに接続した線状部材3を容易に取外し可能であるからである。
【0078】
レンタルのようなビジネスモデルが生まれやすくなることである。その理由は、背景技術の場合は、固定設置となることで工事費がかかるが、本実施形態では、ユーザーが容易に引っ掛けられる場所のどこへでも取付け取外しが可能となる。工事費がかからないため、フレキシブル太陽電池アセンブリとして貸し出しが可能となりやすいからである。
【0079】
温度上昇が抑えられ、発電量の劣化が大幅に低減できることである。その理由は、フレキシブル太陽電池アセンブリに薄いフィルム型のものを適用した場合、空間に設置される放熱効果で、フレキシブル太陽電池モジュールの温度が著しく低減して、発電量の損失が防げるからである。また、温度上昇による発電量の劣化の発生を考慮して、ユーザーが設置角度や方向を容易に変更できる。
【0080】
面接着時の温度によるフレキシブル太陽電池アセンブリの接着が剥がれる不具合がなくなることである。その理由は、面に接着せずに空間に浮かして設置するため接着の必要性がなくなるからである。屋根等の面に接した場所以外、例えば空中に懸架して設置することができる。
【0081】
フレキシブル太陽電池モジュールにかかる自重や風圧やボールや雹等の機械的負荷を低減するとともに塩害等の耐環境性を上昇させて、安定的に長期的に空間に吊ることができる。その理由は、フレキシブル太陽電池アセンブリの長辺方向に2本以上の一体成型した導管成型部により、線状部で長辺の長さに均等に吊り上げの力が分散して、部分的な機械的負荷がフレキシブル太陽電池モジュールにかかりにくいからである。線状部の引張り張力もフレキシブル太陽電池モジュールに伝導しないため、機械的負荷が低減されるからである。一般的に単純に吊るとなると、フレキシブル太陽電池モジュール自体を局部的に固定して引っ張って吊る場合がふつうであり、引張り張力でフレキシブル太陽電池モジュール自体を破壊する恐れがあるが、本実施形態では、線状部材が導管成型部と接しているだけなので、引張り張力が伝導しないからである。特にフィルム型のフレキシブル太陽電池モジュールは、引張り張力で薄膜構造が破壊されやすく、直接フレキシブル太陽電池モジュールを引っ張らない方がよい。本実施形態のように、長い導管成型部により力が伝導しないように対応できる。なお、フレキシブル太陽電池モジュール全体を中空的に完全密封するため、外部からの力は、優先的に導管成型部の短辺方向の引張り張力で吸収されて、直接フレキシブル太陽電池モジュールに引張り張力が伝導しない。また、全面保護により野球のボールや雹等による直接のフレキシブル太陽電池モジュールへの損傷のダメージが低減でき、モジュール面のこれらの損傷が低減されることから、塩害等の耐環境性も破壊されず保持される。
【0082】
フレキシブル太陽電池アセンブリを安定的に一度にたくさん空間に吊ることができる。フレキシブル太陽電池アセンブリを屋根や壁以外の何も周りにない高い空間に設置する過程においても、橋渡しをするのにワイヤを傾けてもフレキシブル太陽電池アセンブリがワイヤの低い方からすり落ちることがない。フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を容易に変更可能できる。これにより、年間発電量の低下を生じさせない。フレキシブル太陽電池アセンブリの岸から岸への橋渡しの空間設置距離によっても、ワイヤのテンションを調整するのに費用がかからない。
【0083】
さらに線状部材の付加機能や固定設置部の付加機能によって、以下の補助効果が増大する。第1の補助効果として、線状部材により、フレキシブル太陽電池アセンブリを一度にたくさん吊ることができる。その理由は、単純に人間が固縛するよりも線状部材の端部を完全に閉ループ状にすることで、設置固定部との連結が確実になり外れないからである。なお、線状部材の素材をダイニーマのような強度の高い素材を使用し太さを太くすることで、長距離で空間に大量に吊ることも可能となる。
【0084】
第2の補助効果として、フレキシブル太陽電池アセンブリを屋根や壁以外の何も周りにない高い空間に設置する過程において、設置場所の岸から対抗する岸へユーザーが大掛かりな道具を使用せずに容易に橋渡しさせることができることである。その理由は、ユーザーが特殊な道具を使用せずに線状部材を利用した次のような設置過程を実施することで可能になるからである。すなわち、まず、線状部材に橋渡しの距離の分のフレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部を通す。その後、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部の各々の両側の線状部材にストッパを取付ける。設置場所の固定設置部へ線状部材の端部を連結し、岸から地上へもう一方の線状部材の端部をゆっくりと下ろす。この時、線状部材のストッパの支えにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの各々は、線状部材に固定されて、線状部材から抜け落ちなくなる。もう一方の対岸の固定設置部へ別の1本の線状部材の片側を仮連結しておいて、もう一方の片側に取外し可能な連結器を連結して地上まで降ろす。岸の地上に一度降りて、その1本の線状部材の片側の取外し可能な連結器を最初に降ろしておいた線状部材の2本以上の端部に連結する。対岸の固定設置部へ戻り、仮連結しておいた線状部の地面側を地面から引き揚げる。引き上げた線状部材の端部を対岸の固定設置部へ連結すれば岸から対岸への橋渡しがこのように容易に確実にできることになる。取外し可能な連結器と線状部だけを道具として使用すればよいので、ユーザーがクレーン等の大掛かりな道具を使用して引き揚げる必要がない。
【0085】
第3の補助効果として、設置固定部の付加機能により、設置の耐久性も同時に保持しながら容易に取付け取外し可能となり、しかもフレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を容易に変更可能となることである。これにより、年間発電量が上昇することである。その理由は、強固な支柱基礎に埋めこんだ設置固定部に取外し可能な閉ループの連結構造を付加することで、線状部材の端部の閉ループ部との連結が強固になる。さらに左右の設置固定部の連結位置の高さを調整できることにより、フレキシブル太陽電池アセンブリの傾斜角を容易に変更可能となるからである。さらに設置固定部の太さや厚みを厚くすることで、設置固定部側でも長距離で空間に大量に吊る強度も備えることができるからである。
【0086】
第4の補助効果として、設置固定部の付加機能により、特殊なターンバックルやウィンチ等の費用のかかる器具を使用せずに容易に線状部材の長さを調節して線状部材のテンションを高めることができる。その理由は、線状部材を一度別の棒状のものに巻きつけて長さを調整でき、設置固定部の取外し可能な閉ループ部の連結構造とつなぐ構造をとっているからである。
【0087】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第1実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図4(a)は本発明の第2実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図4(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図4(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図4(d)は図4(c)のD部の部分拡大図である。
【0088】
本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリにおいて、ペアの導管成型部23と本体部21との間にそれぞれ設けられたペアの懸垂部24を有するものである。すなわち、図4(c)や図4(d)に示すように、導管成型部23の方向が上部に折れ曲がった形状であらかじめ成型したものである。図3の場合と図4の場合での違いは、導管の部分が上になるようにあらかじめ成型されていないか成型されているかの形状の違いだけで、その他の成型方法は同じである。
ここで、折れ曲がる角度は問わないが、力のかかる方向である90度が好ましい。この理由は、もともと図3のように水平になっていてもフレキシブル太陽電池モジュール1の重量により、線状部材3により上部に吊られ導管成型部23の導管の部分が上に引っ張られて曲がる可能性がある。最初から図4のように力のかかる方向に折り曲げて成型しておいた方がプラスチックに無理な力がかかりにくいからである。また、面積も狭くなるので、太陽光発電の面積効率も少しよくなるからである。
【0089】
この第2実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様にて設置することができる。本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと同様な効果がもたらされる。さらに、本実施形態によれば最初から図4のように力のかかる方向に折り曲げて成型しているので、無理な力がかかりにくくできる。また、設置面積が狭くなるので、太陽光発電の面積効率も少しよくなる。
【0090】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第1実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図5(a)は本発明の第3実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図5(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図5(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図5(d)は図5(c)のE部の部分拡大図である。図22(a)は、本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用される、第8実施例の設置固定部4の一側面図であり、図22(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図22(c)は設置固定部4の他側面図である。
【0091】
本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリにおいて、保持部2の本体部21の一主表面、例えば下面、にフレキシブル太陽電池モジュール1の長辺に沿って配置された別の導管成型部25をさらに備えることを特徴とする。すなわち、図5(a)乃至図5(d)に示すように、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部の導管と対応する線状部材3の本数を増やして、フレキシブル太陽電池アセンブリへの上下からの風圧の影響を制動するものである。本実施形態では、導管成型部25の導管と対応する線状部材3の本数を1本増やしているが、フレキシブル太陽電池モジュール1の短辺が長い場合は、2本以上の追加とすることも考えられる。フレキシブル太陽電池モジュール1の短辺は50cm程度の短い物が多く、中央部が風圧で押されるため、中央部に1本追加するのが効果的である。導管成型部25の追加の導管の位置については、フレキシブル太陽電池モジュール1の長辺から等間隔の位置になっている方が強度上望ましい。表面に導管があると太陽光が減衰するので、下面に一体化させる。下面に導管を取付ける場合は、ピンと張った線状部材3での制動力が直接接するように線状部材3の両端が最低通る幅で、高さは線状部材3がぎりぎり通る長方形または楕円の導管の形状が好ましい。導管の取付け方法は、あらかじめ導管成型部の成型の型の段階から、一体化して成型しておく。または、導管成型部の長辺と同じ長さの導管を別に成型加工しておき、導管成型部の下面に溶着をして一体化を完了させておいてもよい。成型の型の段階から、一体化して成型した方が大量生産向きで強度も高いので望ましい。
【0092】
この第3実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様に必要な線状部材3を追加することにより、設置することができる。本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと同様な効果がもたらされる。さらに、本実施形態によれば導管成型部の導管と対応する線状部材3の本数を増やしているので、第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと比較して、フレキシブル太陽電池アセンブリへの上下からの風圧の影響を制動することができる。
【0093】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第1実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図6(a)は本発明の第4実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図6(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図6(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図6(d)は図6(c)のF部の部分拡大図である。
【0094】
本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリにおいて、保持部2の本体部21の一主表面に保護シートをさらに備えることを特徴とする。すなわち、図6(a)乃至図6(d)に示すように、フレキシブル太陽電池アセンブリの導管成型部23の導管の各々最上部と最下部に水平に接するように、フレキシブル太陽電池モジュール1の上下面全体に保護シート26を設けている。この保護シート26は後から溶着により一体化してもよいが、型にはめてプラスチックの一体成型法であらかじめ成型するのが望ましい。第1実施形態によるフレキシブル太陽電池モジュール1は、完全な密閉保護はされているものの導管成型部23とフレキシブル太陽電池モジュール1が接している中空状態である。本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、完全に導管成型部23の保護シート26とフレキシブル太陽電池モジュール1が離れるので、フレキシブル太陽電池モジュール1が完全に浮いた中空状態が作れる。なお、図6で新たに追加した保護シートは図6(b)に示す側面図で紙面に垂直な方向を保護するだけで、図6(c)に示す側面図で紙面に垂直な方向までは保護しない方が、放熱上から望ましい。図6(c)に示す側面図で紙面に垂直な方向の風通しが放熱効果をもたらすからである。
【0095】
この第4実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様にて設置することができる。本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと同様な効果がもたらされる。さらに、本実施形態によればフレキシブル太陽電池アセンブリの上下面全体に設けられた保護シート26により、フレキシブル太陽電池アセンブリの耐環境性を高めることができる。さらに、フレキシブル太陽電池アセンブリの短辺方向に大幅にたわみにくくなることである。例えば、上部から風圧がかかって、短辺の中央部がたわもうとすると最下部の保護シート26のテンションで中央部がたわみにくくなるからである。さらに形状的にも風がたまりにくい形状に改善されるため、風圧が左右に逃げて風圧上からも中央部がたわみにくくなる。この点で、導管形状は、円形になっていると両端のラウンド効果で、風が両端に逃げやすくなる効果が大きく生まれる。さらにフレキシブル太陽電池モジュール1からの距離も離れていることから、雹のような鋭角なものが局所的に上から当たっても、フレキシブル太陽電池モジュール1に局所的な鋭角的な圧力が伝わらない利点もある。鋭角的な機械的圧力は、フレキシブル太陽電池モジュール1の局部的破壊をする可能性があり、これから保護できる効果は大きい。
【0096】
特にフレキシブル太陽電池モジュール1から距離を離して2層の保護シートによる保護をした場合は、形状的にも風圧を受けにくい。さらに風圧でフレキシブル太陽電池モジュール1が距離のある中空構造保護で曲がりにくい形状になる。これに加えて、雹等の鋭角的な機械的力が当たっても、フレキシブル太陽電池モジュール1に直接鋭角的な機械的力が伝わらない効果があり、耐環境性を上昇させて安定的に長期的に空間に吊ることができる。
【0097】
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第4実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図7(a)は本発明の第5実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図7(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図7(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図7(d)は図7(c)のG部の部分拡大図である。図22(a)は、本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置に使用される、第8実施例の設置固定部4の一側面図であり、図22(b)はこの設置固定部4の上面図であり、図22(c)は設置固定部4の他側面図である。
【0098】
本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、上述した第4実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリにおいて、別の保護シートをさらに備えることを特徴とする。すなわち、本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリでは、図7(c)や図7(d)に示すようにさらに筒状の保護シート27を設けたものである。この保護シート27は、図7(d)に示すように断面を円形としている。さらに、保護シート27としてラウンド形状がつぶれないようにする趣旨で、図7(c)に示すように保護シート27の最上部と最下部の内側に別の線状部材3を張っている。
【0099】
保護シート27により、フレキシブル太陽電池アセンブリの空力特性が高まり、風圧の影響をフレキシブル太陽電池モジュール1に著しく伝導させないようにできる。上述した第4実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと比較して、さらに空力特性を高めたラウンド形状となっている。保護シート27は、後から溶着により一体化してもよいが、型にはめてプラスチックの一体成型法であらかじめ成型するのが望ましい。本実施形態では、説明をわかりやすくするために円形にしているが、楕円でも十分な空力効果が得られ、必要以上に上下に高い形状とする必要性はなく、最小限が望ましい。これにより風圧の影響は、フレキシブル太陽電池アセンブリに対して以下のように低減される。まず、フレキシブル太陽電池アセンブリの側面からの風圧の影響は、隣同士のフレキシブル太陽電池アセンブリで風圧が遮断され、まず減衰する。ラウンド形状の空力特性により、さらに風圧が上下に逃げて減衰することになる。また、線状部材3のテンションにより、さらに風圧に対して負けない力を保有しているので、フレキシブル太陽電池モジュール1に無理な力がかかることはない。フレキシブル太陽電池アセンブリの正面からの風圧の影響は、筒状の中を風が通り抜けてしまうのでほとんど影響はでない。むしろ、この方向の風圧は、放熱効果を高める利点となり、発電量が増えることになる。フレキシブル太陽電池アセンブリの上面方向又は下面方向からの風圧は、まず、中央上部や中央下部の線状部材3のテンションが受け止めるため、フレキシブル太陽電池モジュール1の中央部が直接押されることがなくなる。よって、フレキシブル太陽電池モジュール1は曲がりさえもしない。空力特性的にもラウンド形状が風圧を側面に効果的に逃がし、風圧が減衰される。
【0100】
一方、UnitedSolar社製Uni-Solarシリーズのフレキシブル太陽電池モジュールは、繊細な富士電機システムズ社製とは全く対照的な強度の高いモジュールである。同様に薄いものであるが、表面はETFEで、裏面は、金属にゴム質の接着剤がついた構造で、表面と裏面とで、性質が異なる。裏面の接着剤はシールを剥がさない限り接着しないので、シールは剥がさないままにする。本実施形態を適用する場合の富士電機システムズ社製のものとの違いとしては、比較的厚い強度の高い金属板で補強されているため、風圧を受けても発電部の薄膜が破壊される危険性がないことである。通常、機械的引張りに弱いフレキシブル太陽電池モジュールであるが、これは例外的な強度の強い例である。重い金属板を含み、重量による荷重が増すため、本体部のシートの厚みを増すことや線状部材の径を太くする対策や金属板へのボルト締めで例外的処置を実施する違いがある。それ以外の材質や形状は、富士電機システムズ社製の場合と同じである。UnitedSolar社製の金属板はステンレスであるが、放熱を考慮するとステンレスにアルミを加えたフレキシブル太陽電池モジュールで本発明の実施形態へ適用することが望ましい。
【0101】
この第5実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様に必要な線状部材3を追加することにより、設置することができる。第5実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置の際は、図22に示す第8実施例の設置固定部4を用いることができる。第8実施例の設置固定部4は、図20に示す第6実施例の設置固定部4に、さらに段移動可能な多段はしご状金具431を垂直方向にも取付けた構造である。これにより、線状部材3を上下に追加で取付けることが可能となる。巻きつけ機構があるので、線状部材3の長さを調整できる。
【0102】
本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと同様な効果がもたらされる。さらに、フレキシブル太陽電池アセンブリの空力特性を高めることができるので、風圧の影響をフレキシブル太陽電池モジュールに伝導されにくくすることができる。空力特性のよいラウンド形状による3層目の保護シート27により、風圧の影響をさらに低減させることができる。
【0103】
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第1実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図8(a)は本発明の第6実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図8(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図8(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図8(d)は図8(c)のH部の部分拡大図である。
【0104】
本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリにおいて、保持部2の本体部21とフレキシブル太陽電池モジュール1とを貫通した状態で固定する固定部材5をさらに備えることを特徴としている。すなわち、図8(a)乃至図8(d)に示すように、本体部21とフレキシブル太陽電池モジュール1とを貫通するように、フレキシブル太陽電池アセンブリの長辺の数箇所に穴を空けて、上下からペアのボルト及びナットでボルト締めして固定したものである。数箇所の位置は、一般的には、図8(a)に示すようにフレキシブル太陽電池モジュール1の4隅の4箇所が望ましく、強度に応じてその間を増やしてボルト締めする。溶着かボルト締めの一者択一でもかまわないが、金属を含み重量が重いので、一者択一ではなく、溶着とボルト締めの両方で確実に固定することが品質上望ましいと言える。
【0105】
この第6実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様で設置することができる。本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと同様な効果がもたらされる。
【0106】
〔第7実施形態〕
次に、本発明の第7実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第2実施形態や第6実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図9(a)は本発明の第7実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図9(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図9(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図であり、図9(d)は図9(c)のI部の部分拡大図である。
【0107】
本実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリは、上述した第6実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリにおいて、第2実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリのようなペアの導管成型部23と本体部21との間にそれぞれ設けられたペアの懸垂部24を有するものである。すなわち、図9(c)や図9(d)に示すように、導管成型部23の方向が上部に折れ曲がった形状であらかじめ成型したものである。
【0108】
この第7実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様にて設置することができる。本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、上述した第1実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリと同様な効果がもたらされる。さらに、本実施形態によれば最初から図9のように力のかかる方向に折り曲げて成型しているので、無理な力がかかりにくくできる。また、設置面積が狭くなるので、太陽光発電の面積効率も少しよくなる。
【0109】
〔第8実施形態〕
次に、本発明の第8実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法について、説明する。第1実施形態と同様な要素については詳細な説明を省略する。図10(a)は本発明の第8実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリの平面図であり、図10(b)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの長辺側の側面図であり、図10(c)はこのフレキシブル太陽電池アセンブリの短辺側の側面図である。
【0110】
UnitedSolar社製のフレキシブル太陽電池モジュールは、もともと耐環境性が高く、丈夫であるというフレキシブル太陽電池モジュールとしてはかなり例外的な特性を有している。本実施形態は、この例外的な強度の高いフレキシブル太陽電池モジュールの特性を生かしたものである。
【0111】
本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリは、長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュール1と、このフレキシブル太陽電池モジュール1を中空状態で密閉保持する保持部2であって、フレキシブル太陽電池モジュール1を密閉する薄いベルト形状の中空構造の本体部21、及びフレキシブル太陽電池モジュール1の上記長辺に沿って本体部21に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部2とを備えるものである。本実施形態では、ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管の一例として、保持部2の本体部21に固定され、保持部2の本体部21のフレキシブル太陽電池モジュール1の長辺に沿って間隔をおいて配置された複数のリング状部材6を用いたものである。このリング状部材6は、本体部21とフレキシブル太陽電池モジュール1とを貫通するように、フレキシブル太陽電池アセンブリの長辺の数箇所に穴を空けて、固定したものである。各リング状部材6はリング状部61を有しており、フレキシブル太陽電池アセンブリの長辺方向に沿って、複数のリング状部61に、線状部材3が通されている。ここで、リング状部材6としては、安価なアイボルトを使用している。図10(a)では、8本のアイボルトを使用した場合を示している。フレキシブル太陽電池アセンブリにドリルで穴を空けて、アイボルトを挿入しナットで締めて固定し、フレキシブル太陽電池モジュール1と一体化する。
【0112】
特別に鋳造で作る場合は、形状的には、できればアイボルトよりも長い導管の形状の方が線状部材3との接地の長さが長くなるので、線状部材3の制動力が働きやすくなる。長すぎても重量が重過ぎるので適度な長さにする。比較的厚い強度の高い金属板で補強されているUnitedSolar社製のフレキシブル太陽電池モジュールのようなもので、本実施形態は適用可能である。強固な閉ループの形状のついたボルトであれば、アイボルト以外でも適用可能である。例えば、アイ部分を上にせずにフレキシブル太陽電池モジュールの短辺方向に曲げて両脇にアイ部分を出してしまうことも考えられる。本実施形態では、8本のアイボルトを使用しているが、長辺が短いフレキシブル太陽電池モジュールの場合でたわみが少ない場合、最低4隅に設ける、すなわち4本のアイボルトを設けるものでもかまわない。
【0113】
この第8実施形態によるフレキシブル太陽電池アセンブリも、図1や図2に示したような態様にて設置することができる。本実施形態のフレキシブル太陽電池アセンブリによれば、既設構造物の屋根上にとどまらず、どこへでも大量にユーザーが容易に取付け取外しでき、かつ耐久性に優れたフレキシブル太陽電池アセンブリ及びフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法を提供できる。
【0114】
以上好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
【0115】
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、新規な技術として以下のようにまとめられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
(付記1)長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュールと、上記フレキシブル太陽電池モジュールを中空状態で密閉保持する保持部であって、上記フレキシブル太陽電池モジュールを密閉する本体部、及び上記フレキシブル太陽電池モジュールの上記長辺に沿って上記本体部に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部とを備えることを特徴とするフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記2)上記保持部の上記本体部と上記フレキシブル太陽電池モジュールとを貫通した状態で固定する固定部材をさらに備えることを特徴とする、付記1に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記3)上記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管と上記本体部との間にそれぞれ設けられたペアの懸垂部をさらに備えることを特徴とする、付記1又は付記2に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記4)上記保持部の上記本体部の一主表面に上記フレキシブル太陽電池モジュールの長辺に沿って配置された別の導管をさらに備えることを特徴とする、付記1に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記5)上記保持部の上記本体部の一主表面に配置された保護シートをさらに備えることを特徴とする、付記1に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記6)上記フレキシブル太陽電池モジュール、上記保持部及び上記保護シートを収容する別の保護シートをさらに備えることを特徴とする、付記5に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記7)上記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管には、上記フレキシブル太陽電池モジュールの電線が通されることを特徴とする、付記1乃至付記6のいずれか一つに記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記8)上記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管には、上記フレキシブル太陽電池モジュールのプラスの電線とマイナスの電線が両側に分けて通されることを特徴とする、付記7に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
(付記9)長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュールと、及び上記フレキシブル太陽電池モジュールを中空状態で密閉保持する保持部であって、上記フレキシブル太陽電池モジュールを密閉する本体部、及び上記フレキシブル太陽電池モジュールの上記長辺に沿って上記本体部に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部とを備えるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法であって、
上記フレキシブル太陽電池アセンブリの上記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管に線状部材を通過させて、上記フレキシブル太陽電池アセンブリを固定することを特徴とするフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
(付記10)上記フレキシブル太陽電池アセンブリのペアの長辺方向に貫く閉ループの導管に線状部材を通過させた状態で、上記線状部材の途中にストッパを固定したことを特徴とする、付記9に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
(付記11)上記フレキシブル太陽電池アセンブリを複数用意して、上記フレキシブル太陽電池モジュールの上記長辺方向に連なるように上記フレキシブル太陽電池アセンブリのペアの長辺方向に貫く閉ループの導管に線状部材を通過させて、上記複数のフレキシブル太陽電池アセンブリを固定することを特徴とする、付記9に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
(付記12)上記線状部材は、両端に閉ループ部を有しており、高さや角度の少なくとも一方が調整可能な設置固定部に固定されることを特徴とする、付記9乃至付記11の何れか一つに記載のフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
(付記13)上記フレキシブル太陽電池アセンブリが上記保持部の上記本体部の一主表面に上記フレキシブル太陽電池モジュールの長辺に沿って配置された別の導管をさらに備えており、上記設置固定部は、上記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を通過する線状部材と上記別の導管を通過する線状部材とを固定できる構造を備えていることを特徴とする、付記12に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
【符号の説明】
【0116】
1 フレキシブル太陽電池モジュール
21 本体部
22 溶着部
23、25 導管成型部
24 懸垂部
26、27 保護シート
3 線状部材
31 ストッパ
4 設置固定部
5 固定部材
6 リング状部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュールと、前記フレキシブル太陽電池モジュールを中空状態で密閉保持する保持部であって、前記フレキシブル太陽電池モジュールを密閉する本体部、及び前記フレキシブル太陽電池モジュールの前記長辺に沿って前記本体部に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部とを備えることを特徴とするフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項2】
前記保持部の前記本体部と前記フレキシブル太陽電池モジュールとを貫通した状態で固定する固定部材をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項3】
前記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管と前記本体部との間にそれぞれ設けられたペアの懸垂部をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項4】
前記保持部の前記本体部の一主表面に前記フレキシブル太陽電池モジュールの長辺に沿って配置された別の導管をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項5】
前記保持部の前記本体部の一主表面に配置された保護シートをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項6】
前記フレキシブル太陽電池モジュール、前記保持部及び前記保護シートを収容する別の保護シートをさらに備えることを特徴とする、請求項5に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項7】
前記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管には、前記フレキシブル太陽電池モジュールの電線が通されることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項8】
前記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管には、前記フレキシブル太陽電池モジュールのプラスの電線とマイナスの電線が両側に分けて通されることを特徴とする、請求項7に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項9】
長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュールと、及び前記フレキシブル太陽電池モジュールを中空状態で密閉保持する保持部であって、前記フレキシブル太陽電池モジュールを密閉する本体部、及び前記フレキシブル太陽電池モジュールの前記長辺に沿って前記本体部に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部とを備えるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法であって、
前記フレキシブル太陽電池アセンブリの前記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管に線状部材を通過させて、前記フレキシブル太陽電池アセンブリを固定することを特徴とするフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
【請求項10】
前記フレキシブル太陽電池アセンブリのペアの長辺方向に貫く閉ループの導管に線状部材を通過させた状態で、前記線状部材の途中にストッパを固定したことを特徴とする、請求項9に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
【請求項1】
長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュールと、前記フレキシブル太陽電池モジュールを中空状態で密閉保持する保持部であって、前記フレキシブル太陽電池モジュールを密閉する本体部、及び前記フレキシブル太陽電池モジュールの前記長辺に沿って前記本体部に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部とを備えることを特徴とするフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項2】
前記保持部の前記本体部と前記フレキシブル太陽電池モジュールとを貫通した状態で固定する固定部材をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項3】
前記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管と前記本体部との間にそれぞれ設けられたペアの懸垂部をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項4】
前記保持部の前記本体部の一主表面に前記フレキシブル太陽電池モジュールの長辺に沿って配置された別の導管をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項5】
前記保持部の前記本体部の一主表面に配置された保護シートをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項6】
前記フレキシブル太陽電池モジュール、前記保持部及び前記保護シートを収容する別の保護シートをさらに備えることを特徴とする、請求項5に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項7】
前記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管には、前記フレキシブル太陽電池モジュールの電線が通されることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項8】
前記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管には、前記フレキシブル太陽電池モジュールのプラスの電線とマイナスの電線が両側に分けて通されることを特徴とする、請求項7に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリ。
【請求項9】
長辺及び短辺を有するほぼ矩形状のフレキシブル太陽電池モジュールと、及び前記フレキシブル太陽電池モジュールを中空状態で密閉保持する保持部であって、前記フレキシブル太陽電池モジュールを密閉する本体部、及び前記フレキシブル太陽電池モジュールの前記長辺に沿って前記本体部に設けられたペアの長辺方向に貫く閉ループの導管を有する保持部とを備えるフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法であって、
前記フレキシブル太陽電池アセンブリの前記ペアの長辺方向に貫く閉ループの導管に線状部材を通過させて、前記フレキシブル太陽電池アセンブリを固定することを特徴とするフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
【請求項10】
前記フレキシブル太陽電池アセンブリのペアの長辺方向に貫く閉ループの導管に線状部材を通過させた状態で、前記線状部材の途中にストッパを固定したことを特徴とする、請求項9に記載のフレキシブル太陽電池アセンブリの設置方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−80770(P2013−80770A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219113(P2011−219113)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]