説明

フレキシブル太陽電池モジュールの固定機構

【課題】モジュールと固定部材とを磁石を用いて強く固定しながら、モジュールと固定部材との相対的な位置ずれを、他の固定手段を併用することなく抑える。
【解決手段】モジュール1および固定部材2の一方は、表面から内部に窪んだ窪み部21と、窪み部21の底面21aが露出するように、底面21aに沿って設けられる磁性体22とを備えている。モジュール1および固定部材2の他方は、表面から突出するとともに、窪み部21に入り込んで、先端面31aが窪み部21の底面21aに面接触する突出部31と、突出部31に設けられる磁性体32とを備えている。磁性体22,32の少なくとも一方は、永久磁石である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル太陽電池モジュール(PV;Photovoltaic)と固定部材とを固定するフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への意識の高まりが世界的な広がりを見せている。このような中でも、二酸化炭素排出に伴う地球温暖化現象に対する危機感は深刻であり、クリーンエネルギーへの期待は益々高まってきている。中でも、太陽電池は、その資源(太陽光)が無限であること、無公害であることから、期待を持たれている。
【0003】
太陽電池をモジュール化した太陽電池モジュールは、一般に、建物の屋根等の設置面に固定部材を介して設置される。特に、近年では、太陽電池モジュールをフレキシブルに構成したフレキシブルPVも開発されている。フレキシブルPVは、建物の屋根や壁面のみならず、曲面にも固定部材を介して設置することが可能であることから、設置の自由度が高く、さらに持ち運びも容易であるという利点がある。
【0004】
上記の利点をさらに活かすためには、フレキシブルPVを簡易な方法で強く固定部材に固定することが求められる。この点、例えば特許文献1では、フレキシブルPVに複数の磁石を設けて、フレキシブルPVを撓ませながら、各磁石を順に固定部材としての屋根用金属板に引っ付けることにより、フレキシブルPVを端部から順次貼り付けるようにしている。このように磁石の磁力を用いることにより、フレキシブルPVを屋根用金属板に容易にかつ強く固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2662483号公報(請求項1、段落〔0011〕、〔0016〕、〔0034〕、図3等参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1の構成では、フレキシブルPVの磁石が接触する屋根用金属板の面がフラットであるため、フレキシブルPVに対して、横方向、すなわち、屋根用金属板の面に平行な方向に外力(例えばフレキシブルPVを引っ張る力)が加わったときに、フレキシブルPVが横方向に位置ずれしてしまう。このような位置ずれを無くすためには、他の固定手段(例えばフレキシブルPVと屋根用金属板とを固定するための両面テープ)を併用することが必要となるが、この場合には、上記他の固定手段を用いる分、固定時の作業性が低下する。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、モジュールと固定部材とを磁石を用いて強く固定しながら、モジュールと固定部材との相対的な位置ずれを、他の固定手段を併用することなく抑えることができ、これによって固定時の作業性を向上させることができるフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構は、フレキシブル太陽電池モジュールと固定部材とを固定するフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構であって、前記モジュールおよび前記固定部材の一方は、表面から内部に窪んだ窪み部と、前記窪み部の底面が露出するように、該底面に沿って設けられる第1の磁性体とを備えており、前記モジュールおよび前記固定部材の他方は、表面から突出するとともに、前記窪み部に入り込んで、先端面が前記窪み部の前記底面に面接触する突出部と、前記突出部に設けられる第2の磁性体とを備えており、前記第1の磁性体および前記第2の磁性体の少なくとも一方は、永久磁石であることを特徴としている。
【0009】
第1の磁性体と第2の磁性体とのうち、少なくとも一方は永久磁石であるので、突出部が窪み部に入り込んだときに、突出部の第2の磁性体と、窪み部の底面に沿う第1の磁性体とが磁力によって互いに引き付け合う。このような磁力による引き付けにより、モジュールと固定部材とを固定することができる。しかも、突出部の先端面と窪み部の底面とが面接触する構成により、点接触や線接触に比べて突出部と窪み部との接触面積が増大するため、磁力による固定が一段と強化され、モジュールと固定部材とを強く固定することができる。
【0010】
また、突出部が窪み部に入り込むことにより、モジュールに対して、横方向、つまり、突出部が窪み部に入り込む方向と垂直な方向に外力が加わった場合でも、窪み部の側面が突出部の横方向の移動を抑えるため、モジュールと固定部材とが相対的に位置ずれするのを抑えることができる。また、このように、モジュールの固定部材に対する固定と同時に、両者の横方向の相対的な位置ずれを抑えることができるので、モジュールの固定とは別に、モジュールの位置ずれを抑えるための他の固定手段(例えば両面テープ)を併用する必要がなくなる。したがって、そのような他の固定手段を用いる必要がない分、固定時の作業性を向上させることができる。
【0011】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構において、前記第1の磁性体は、さらに、前記窪み部の側面が露出するように、該側面に沿って設けられていてもよい。
【0012】
この構成では、突出部が窪み部に入り込む際に、突出部の第2の磁性体と、窪み部の底面に沿う第1の磁性体とが引き付け合う磁力(以下、第1の磁力とも称する)以外に、突出部の第2の磁性体と、窪み部の側面に沿う第1の磁性体とが引き付け合う磁力(以下、第2の磁力とも称する)が発生する。そして、この第2の磁力によって、突出部が窪み部の側面に引き付けられる。このような第2の磁力による引き付けは、突出部が窪み部に入り込む際の抵抗として働くため、第1の磁力が強い場合でも、突出部の先端面が窪み部の底面に勢いよく面接触することがなくなる。したがって、そのような勢いのある面接触による各部(突出部、窪み部)の破損を回避できるとともに、作業者がモジュールの固定時にモジュールと固定部材との間に指を挟んで怪我をするという事態を回避することができ、安全面に配慮した固定機構を実現することができる。
【0013】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構において、前記窪み部の側面は、前記窪み部の前記底面から離れるにしたがって前記窪み部の開口面積が増大するように、テーパー状に形成されていてもよい。
【0014】
この構成では、例えば突出部を傾けて、窪み部のテーパー状の側面に突出部の先端面の一部を一旦接触させた後、突出部を移動させることによって、窪み部の底面に突出部の先端面を面接触させることができる。つまり、突出部を窪み部に対して段階的に入り込ませることができる。これにより、突出部の先端面がいきなり窪み部の底面に勢いよく面接触するのを回避できる。その結果、そのような勢いのある面接触による各部(突出部、窪み部)の破損を回避できるとともに、作業者がモジュールの固定時にモジュールと固定部材との間に指を挟んで怪我をするという事態を回避でき、安全面に配慮した固定機構を実現することができる。
【0015】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構において、前記窪み部の前記底面は、該底面の中心側から周縁側に向かうにつれて、前記窪み部の深さが段階的に減少するように、互いに平行に位置する複数の平面部を連結して構成されており、前記複数の平面部のうち、該底面の中心に位置する平面部は、前記突出部の前記先端面と同一の大きさで同一形状で形成されている一方、他の平面部は、前記突出部の前記先端面よりも面積の小さい形状で形成されていてもよい。
【0016】
この構成では、例えば、窪み部の底面の中心以外に位置する平面部(第1の平面部とも称する)に突出部の先端面の一部を一旦面接触させた後、突出部を移動させることによって、窪み部の底面の中心に位置する平面部(第2の平面部とも称する)に突出部の先端面を面接触させることができる。ここで、第1の平面部の面積は、突出部の先端面の面積よりも小さいので、突出部は、第1の平面部に対しては、第2の平面部に面接触する場合よりも弱い力(磁力)で引っ付く。
【0017】
このように、突出部を第2の平面部に面接触させる前に、一旦、第1の平面部に弱い力で接触させることができるので、突出部の先端面がいきなり窪み部の第2の平面部に勢いよく面接触するのを回避することができる。これにより、そのような勢いのある面接触による各部(突出部、窪み部)の破損を回避できるとともに、作業者がモジュールの固定時にモジュールと固定部材との間に指を挟んで怪我をするという事態を回避することができ、安全面に配慮した固定機構を実現することができる。
【0018】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構において、前記窪み部の前記底面は、前記突出部の前記先端面と同一の大きさで同一形状で形成される第1の底面部と、前記先端面よりも小さい面積を持ち、前記第1の底面部よりも前記窪み部の深さが浅くなるように、前記第1の底面部と連結される第2の底面部とを有していてもよい。
【0019】
この構成では、例えば、窪み部の第2の底面部に突出部の先端面の一部を一旦接触させた後、突出部を移動させることによって、窪み部の第1の底面部に突出部の先端面を面接触させることができる。ここで、第2の底面部の面積は、突出部の先端面の面積よりも小さいので、突出部は、第2の底面部に対しては、第1の底面部に面接触する場合よりも弱い力(磁力)で引っ付く。
【0020】
このように、突出部を第1の底面部に面接触させる前に、一旦、第2の底面部に弱い力で接触させることができるので、突出部の先端面がいきなり窪み部の第1の底面部に勢いよく面接触するのを回避することができる。これにより、そのような勢いのある面接触による各部(突出部、窪み部)の破損を回避できるとともに、作業者がモジュールの固定時にモジュールと固定部材との間に指を挟んで怪我をするという事態を回避することができ、安全面に配慮した固定機構を実現することができる。
【0021】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構において、前記突出部の前記先端面および前記窪み部の前記第1の底面部には、一方が他方に相対的に入り込むことによって、前記先端面の前記第1の底面部に対する位置決めを行うための突出部側位置決め部および窪み部側位置決め部がそれぞれ設けられていてもよい。
【0022】
突出部側位置決め部および窪み部側位置決め部の一方が他方に相対的に入り込むことにより、突出部の先端面の第1の底面部に対する位置決めを適切に行うことができる。
【0023】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構において、前記突出部側位置決め部および前記窪み部側位置決め部は、それぞれ、稜線が現れるように複数の曲面を連結することによって形成されていてもよい。
【0024】
稜線が現れるように複数の曲面を連結することにより、稜線を含む部分が凹形状または凸形状となるので、互いに相対的に入り込む突出部側位置決め部および窪み部側位置決め部を容易に形成することができる。
【0025】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構において、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間の磁力により、前記突出部が前記窪み部に最も深く入り込んで固定された状態において、前記突出部は、前記先端面が前記窪み部の前記底面の一部と面接触する一方、前記底面の残りと間隙を介して対向してもよい。
【0026】
突出部が窪み部に最も深く入り込み、磁力によって固定された後(突出部の先端面が窪み部の底面の一部と面接触した後)、例えば、上記の間隙に取り外し用治具を挿入することで、磁力による固定を容易に解除することができる(突出部の先端面を窪み部の底面から容易に引き離すことができる)。したがって、固定の際の磁力が強い場合でも、モジュールおよび固定部材を損傷させることなく、その固定を解除することができる。
【0027】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構において、前記モジュールおよび前記固定部材の一方には、前記間隙に取り外し用治具を導くための空洞部が設けられていてもよい。
【0028】
この場合、モジュールまたは固定部材に設けられた空洞部を介して、取り外し用治具を上記間隙に導くことができるので、上記の取り外し用治具を用いて、突出部の先端面を窪み部の底面から確実に引き離すことができる。
【0029】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構は、前記窪み部の前記底面から前記突出部の前記先端面を引き離すための外力を、前記突出部に付与する外力付与部を有していてもよい。
【0030】
突出部が窪み部に入り込み、磁力によって固定された後(突出部の先端面が窪み部の底面の一部と面接触した後)、外力付与部によって突出部に外力を付与することにより、磁力による固定を解除することができる(突出部の先端面を窪み部の底面から引き離すことができる)。したがって、固定の際の磁力が強い場合でも、モジュールおよび固定部材を損傷させることなく、その固定を解除することができる。
【0031】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構において、前記外力付与部は、前記窪み部の前記底面を貫通して前記突出部の前記先端面と当接することにより、前記外力を付与してもよい。
【0032】
この構成では、外力付与部は、突出部の先端面に対して、窪み部の底面から引き離す方向の外力を直接付与することができるので、先端面を底面から容易に引き離して、磁力による固定を容易に解除することができる。
【0033】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構において、前記モジュールおよび前記固定部材の一方は、前記窪み部を少なくとも2つ備えており、前記モジュールおよび前記固定部材の他方は、前記窪み部に入り込む前記突出部を少なくとも2つ備えていてもよい。
【0034】
モジュールと固定部材とは、少なくとも2か所で、突出部が窪み部に入り込むことによって固定されるので、モジュールを少なくとも2か所で引っ張って、モジュールにテンションを与えながら、モジュールを固定することができる。したがって、モジュールを屋根以外の場所(例えば壁)に固定部材を介して設置する場合でも、撓みを生じさせることなく設置することができる。また、モジュールの運搬時の反りや撓みを軽減することもできる。
【0035】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構において、前記突出部は、該突出部よりもサイズの大きい剛体板を介して、前記モジュールに設けられていてもよい。
【0036】
モジュールを固定部材から取り外すときには、モジュールの突出部には、第1の磁性体および第2の磁性体が引き付け合う磁力が、モジュールの取り外しを妨げる方向の応力としてかかる。突出部にかかるこのような応力は、剛体板に伝達され、剛体板によって突出部よりも広い範囲に分散されるので、上記応力が突出部の位置に集中してかかることがなくなる。これにより、上記の応力によって、突出部が設けられたモジュールが損傷するのを回避することができる。
【0037】
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構において、前記モジュールは、光を受けて電力を発生する光電変換部を備えており、前記突出部は、前記モジュールにおける前記光電変換部への光入射側に設けられていてもよい。
【0038】
突出部がモジュールの受光面側(光電変換部への光入射側)に設けられていることにより、例えば建物の天井の光透過部に建物の内側から固定された固定部材に対して、その光透過部と受光面とが対向するようにモジュールを固定することができる。これにより、光透過部を透過した光をモジュールの光電変換部で受けて電力を取り出すことができる。つまり、建物の内側にモジュールを設置して電力を取り出すことができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、突出部が窪み部に入り込むと、突出部の第2の磁性体と、窪み部の底面に沿う第1の磁性体とが磁力によって互いに引き付け合うため、モジュールと固定部材とを強く固定することができる。また、突出部が窪み部に入り込むことにより、モジュールの固定部材に対する固定と同時に、両者の横方向の相対的な位置ずれを抑えることができる。さらに、モジュールの位置ずれを抑えるために他の固定手段(例えば両面テープ)を用いる必要がないため、固定時の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態1に係る固定機構に適用されるフレキシブル太陽電池モジュールの平面図および上記平面図におけるA−A’線矢視断面図である。
【図2】(a)は、上記モジュールの固定に関する構成を示す平面図および上記平面図におけるA−A’線矢視断面図である。(b)は、上記固定機構に適用される固定部材の概略の構成を示す平面図および上記平面図におけるA−A’線矢視断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、上記固定機構の主要部の構成を示すとともに、上記モジュールを上記固定部材に固定する手順を示す断面図である。
【図4】(a)は、上記モジュールの固定に関する他の構成を示す平面図および上記平面図におけるA−A’線矢視断面図である。(b)は、上記他のモジュールが固定される固定部材の構成を示す平面図および上記平面図におけるA−A’線矢視断面図である。
【図5】上記固定機構の他の構成を示す平面図である。
【図6】上記固定機構のさらに他の構成を示す平面図である。
【図7】上記固定機構のさらに他の構成を示す平面図である。
【図8】(a)は、上記モジュールの他の構成を示す平面図および上記平面図におけるA−A’線矢視断面図である。(b)は、上記固定部材の他の構成を示す平面図および上記平面図におけるA−A’線矢視断面図である。
【図9】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態2に係る固定機構の主要部の構成を示すとともに、上記固定機構のモジュールを固定部材に固定する手順を示す断面図である。
【図10】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態3に係る固定機構の主要部の構成を示すとともに、上記固定機構のモジュールを固定部材に固定する手順を示す断面図である。
【図11】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態4に係る固定機構の主要部の構成を示すとともに、上記固定機構のモジュールを固定部材に固定する手順を示す断面図である。
【図12】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態5に係る固定機構の主要部の構成を示すとともに、上記固定機構のモジュールを固定部材に固定する手順を示す断面図である。
【図13】(a)は、本発明の実施の形態6に係る固定機構の構成を示す断面図である。(b)は、上記固定機構の固定部材の平面図である。
【図14】(a)は、上記固定機構の他の構成を示す断面図である。(b)は、上記他の固定機構の固定部材の平面図である。
【図15】本発明の実施の形態7に係る固定機構に用いられる固定部材の構成を示す平面図および上記平面図におけるA−A’線矢視断面図である。
【図16】上記固定部材の他の構成を示す断面図である。
【図17】本発明の実施の形態8に係る固定機構に用いられるモジュールの平面図および上記平面図におけるA−A’線矢視断面図である。
【図18】上記モジュールの他の構成を示す平面図および上記平面図におけるA−A’線矢視断面図である。
【図19】上記モジュールのさらに他の構成を示す平面図および上記平面図におけるA−A’線矢視断面図である。
【図20】本発明の実施の形態9に係る固定機構の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下に示す各実施の形態において、同一の構成には同一の部材番号を付記し、重複する説明を省略することとする。
【0042】
〔実施の形態1〕
(モジュールの基本的な構成)
まず、本実施形態の固定機構に適用されるモジュールの基本的な構成について説明する。図1は、フレキシブル太陽電池モジュールとしてのモジュール1の平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図とを併せて示したものである。なお、上記の平面図では、便宜上、保護層15およびラミネート層16の図示を省略している。
【0043】
モジュール1は、可撓性支持体としての基板11上に、透明電極12と、発電層13と、対向電極14とを順に形成してこれらを保護層15で覆い、さらに全体をラミネート層16で封止することによって構成されており、その厚さは例えば1〜2mmとなっている。太陽電池の製造方法の詳細については、例えば特開2010−109207号公報(アモルファスシリコン方式)、特開2009−146625号公報(色素増感方式)、特開2010−177497号公報(有機薄膜方式)にて公知であるため、その説明を省略する。
【0044】
本実施形態では、透明電極12および対向電極14は、例えばITO(Indium Tin Oxide)の薄膜で形成されている。発電層13は、例えばアモルファスシリコンを用いて形成されており、光を受けて電力を発生する光電変換部を構成している。また、基板11、保護層15およびラミネート層16は、例えばポリイミド樹脂、EVA樹脂(Ethylene-Vinyl Acetate )、ETFE樹脂(Ethylene tetrafluoroethylene)でそれぞれ形成されている。なお、各構成部材は、上記の材料に限定されるわけではない。また、保護層15およびラミネート層16については、これらのうちの少なくとも一方が設けられればよい。保護層15およびラミネート層16の少なくとも一方は、光電変換部としての発電層13を保護するラミネート部51を構成している。樹脂からなる基板11上に各層を薄膜で形成し、全体を樹脂で覆うことにより、モジュール1は、全体としてフレキシブルに構成されている。
【0045】
1組の透明電極12、発電層13および対向電極14によって、太陽電池セルが構成されている。そして、隣り合う太陽電池セルが直列に接続される、つまり、隣り合う一方の太陽電池セルの透明電極12と他方の太陽電池セルの対向電極14とが電気的に接続されることにより、サブユニットが形成されている。さらに、複数のサブユニットは相互に直列または並列に接続されている。
【0046】
また、モジュール1には、光電変換部(発電層13)にて得られた電力を取り出すための電極19a・19bが2か所に形成されている。電極19a・19bは、正側または負側の電極にそれぞれ対応しており、例えば導電テープによって形成されている。モジュール内で直列接続された各太陽電池セルのうち、接続方向(直列接続された列方向)の一端に位置するセルの透明電極12上には、電極層17、配線層18および一方の電極19aがこの順で形成されている。また、上記接続方向の他端に位置するセルの透明電極12上には、電極層17が形成されており、他方の電極19bは、上記電極層17から引き出される配線層18上に形成されている。これらの電極層17および配線層18も、基板11上で上記の保護層15およびラミネート層16によって覆われている。
【0047】
上記のように、複数の太陽電池セルをつなぎ合わせてモジュール化することにより、各太陽電池セルにて得られる出力(電力)を足し合わせて、モジュール全体として大きな出力を得ることができる。
【0048】
なお、太陽電池としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、CIS(CuInS)、CIGS(Cu(In,Ga)Se)、CdTeなどを用いるものや、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池などがあるが、アモルファスシリコンや化合物系(例えばCIS)などの薄膜系の太陽電池では、太陽電池セル製造時に、直列接続されたサブユニットまでをパターニング等によって同時に製造することができる。モジュール封止の手法としては、例えば接着樹脂を介して保護用の防湿フィルムを基板11の両面からラミネートする方法などがある。
【0049】
なお、基板11は、上記したようなポリイミド等のプラスチック(プラスチックフィルム)で構成されてもよいし、薄膜金属(金属フィルム)で構成されてもよい。これらのフレキシブルな基板を用いた場合、例えば長尺状のフィルムにロール・ツー・ロール方式で太陽電池サブユニットを形成し、それを任意の場所でカットして相互に直列または並列接続して封止することによって、モジュール化することができる。また、基板11は、巻き取りが可能な薄型のガラス基板やセラミックス基板で構成されてもよい。
【0050】
(固定に関する構成について)
次に、モジュール1と固定部材2とを固定する固定機構Mの構成について説明する。図2(a)は、上記モジュール1の固定に関する構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図とを併せて示したものである。また、図2(b)は、上記固定部材2の概略の構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図とを併せて示したものである。
【0051】
固定部材2は、建物の屋根や壁などの設置面に固定されるものであり、全体として例えば板状に形成されている。この固定部材2は、窪み部21と、磁性体22(第1の磁性体)とを有している。窪み部21は、固定部材2の表面から内部に窪んで形成されており、底面21aと側面21bとを有して形成されている。本実施形態では、窪み部21は、一方向に伸びて溝状に形成されているとともに、固定部材2の両端付近の2か所に互いに平行に設けられている。窪み部21の底面21aの大きさは、後述する突出部31の先端面31aの大きさと同等か、これよりも大きく設定されている。
【0052】
磁性体22は、固定部材2において、窪み部21の底面21aが露出するように、底面21aに沿って設けられている。つまり、磁性体22は、窪み部21の底面21aに対して窪み部21の空間側に設けられているのではなく、窪み部21の空間とは反対側に設けられている。このとき、磁性体22の表面が窪み部21の底面21aを構成してもよいし、磁性体22の表面に保護シートが被せられる場合には、保護シートの表面が底面21aを構成してもよい。
【0053】
モジュール1は、上述した基本的な構成に加えて、さらに、突出部31と、この突出部31に設けられる磁性体32(第2の磁性体)とを有している。突出部31は、モジュール1のラミネート部51の表面から下方に(発電層13への光入射側とは反対側に)突出して形成されており、上記した固定部材2の窪み部21に入り込んで、窪み部21の底面21aに面接触する先端面31aを有している。本実施形態では、突出部31は、モジュール1の長辺方向の両端付近の2か所に(発電層13の受光領域外の2か所に)、短辺方向に伸びるように設けられている。なお、モジュール1の各突出部31の形成位置と、固定部材2の各窪み部21の形成位置とは対応している。突出部31は、例えば両面テープや接着剤によってラミネート部51に固定されている。
【0054】
本実施形態では、突出部31の全体が磁性体32で構成されているが、突出部31の少なくとも一部に磁性体32が設けられていればよい。したがって、突出部31は、磁性体32と、その表面を覆う保護シートとで構成されていてもよい。また、磁性体32は、突出部31の先端面31a側の先端部のみに設けられていてもよい。
【0055】
ここで、固定部材2の磁性体22およびモジュール1の磁性体32は、両方とも、強磁性体で構成されている。強磁性体としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケルやそれらを含む合金を考えることができる。なお、強磁性体の材料は、上記の材料に限定されるわけではない。
【0056】
また、本実施形態では、磁性体22・32の一方が永久磁石で構成されている。この永久磁石としては、例えばフェライト磁石(成分:BaO・6Fe、SrO・6Fe、磁束密度0.4Wb/m)、ネオジウム磁石(成分:NdFe14B、磁束密度1.2Wb/m)、サマリウム磁石(成分:SmCo、磁束密度1.2Wb/m)、プラセオジム磁石(PrCo)、サマリウム鉄窒素磁石などを用いることができる。このような永久磁石は、モジュール1のラミネート部51に直接接着、固定することで突出部31として用いられてもよいし、突出部31や固定部材2の所定の位置(例えば窪み部21の底面21aの下部)に固体形状のまま埋め込まれてもよい。また、永久磁石を粉末状にして樹脂中に分散させた後、これを成形して突出部31や固定部材2として用いても構わない(ボンド磁石)。
【0057】
なお、磁性体22・32は、両方とも永久磁石であってもよい。この場合は、磁性体22・32が近づいたときに互いに反発しないように、互いの極性を適切に設定する必要がある。例えば、磁性体22において、磁性体32との接触側(窪み部21の底面21a側)がN極で、磁性体32との非接触側(窪み部21の底面21aとは反対側)がS極となるように設定した場合、磁性体32は、磁性体22との接触側(突出部31の先端面31a側)がS極で、磁性体22との非接触側(突出部31の先端面31aとは反対側)がN極となるように設定されればよい。
【0058】
(モジュールの固定手順について)
次に、モジュール1の固定手順について説明する。図3(a)〜図3(c)は、固定機構Mの主要部の構成を示すとともに、モジュール1を固定部材2に固定する手順を示す断面図である。まず、図3(a)に示すように、突出部31が窪み部21に入り込むように、固定部材2に対するモジュール1の位置をおおまかに合わせる。なお、固定部材2は、予め、建物の屋根等の設置面に固定されているものとする。
【0059】
続いて、図3(b)に示すように、モジュール1を固定部材2に近づける。このとき、固定部材2に設けられた磁性体22と、モジュール1の突出部31に設けられた磁性体32とは、永久磁石によって生ずる磁力によって引き付け合い、この磁力によって、突出部31が窪み部21に入り込もうとする。
【0060】
そして、突出部31の窪み部21に対する位置を微調整しながら、モジュール1を固定部材2にさらに近づけると、モジュール1の重さに対して十分の磁力が働き、この磁力によって、図3(c)に示すように、突出部31が窪み部21にさらに入り込み、突出部31の先端面31aが窪み部21の底面21aに面接触する。この状態では、永久磁石の磁力によって、突出部31が窪み部21に固定されることになり、結果として、モジュール1が固定部材2に固定される。
【0061】
以上のように、固定部材2の磁性体22とモジュール1の磁性体32との少なくとも一方が永久磁石であるので、磁性体22・32が磁力によって互いに引き付け合う。この磁力による引き付けにより、突出部31を窪み部21に入り込ませて、モジュール1と固定部材2とを固定することができる。しかも、突出部31の先端面31aと窪み部21の底面21aとが面接触することで、点接触や線接触に比べて突出部31と窪み部21との接触面積が増大するため、磁力による固定が一段と強化されることになり、モジュール1と固定部材2とを強く固定することができる。
【0062】
また、突出部31が窪み部21に入り込むので、モジュール1に対して横方向、つまり、突出部31が窪み部21に入り込む方向と垂直な方向に何らかの外力(例えばモジュール1を引っ張る力)が加わった場合でも、窪み部21の側面21bが突出部31の横方向の移動を抑えるため、これによって、モジュール1と固定部材2とが横方向に相対的に位置ずれするのを抑えることができる。また、このようにモジュール1の固定と同時に相対的な位置ずれを抑えることができるので、モジュール1の固定とは別に、位置ずれを抑えるための両面テープなど、他の固定手段を併用する必要がなくなり、固定時の作業性を向上させることができる。
【0063】
また、図2(a)(b)で示したように、固定部材2には、窪み部21が2つ設けられており、モジュール1には、各窪み部21に入り込む突出部31が2つ設けられているので、モジュール1と固定部材2とは、各突出部31が各窪み部21に入り込むことによって2か所で固定される。これにより、モジュール1を2か所で引っ張って、モジュール1にテンションを与えながら、モジュール1を固定部材2に固定することができる。したがって、モジュール1を屋根以外の場所(例えば壁)に固定部材2を介して設置する場合でも、撓みを生じさせることなく設置することができる。また、運搬時のモジュール1の反りや撓みを軽減することもできる。
【0064】
なお、固定部材2に窪み部21を3つ以上設ける一方、モジュール1に、各窪み部21に入り込む突出部31を3つ以上設けるようにしてもよい。例えば、図4(a)は、モジュール1の固定に関する他の構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図とを併せて示したものである。また、図4(b)は、上記他のモジュール1が固定される固定部材2の構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図とを併せて示したものである。
【0065】
図4(b)に示すように、窪み部21は、板状の固定部材2の四隅に1つずつ、計4つ設けられていてもよい。そして、図4(a)に示すように、突出部31は、各窪み部21に入り込む形状で、モジュール1の四隅に1つずつ、計4つ設けられていてもよい。なお、各突出部31と各窪み部21との位置関係は対応している。
【0066】
図4(a)(b)の例では、モジュール1と固定部材2とは、各突出部31が各窪み部21に入り込むことによって、四隅の4か所で固定されるので、モジュール1を4か所で(4方向に)引っ張って固定部材2に固定することができ、モジュール1の反りや撓みを確実に軽減することができる。
【0067】
また、以上では、モジュール1と固定部材2とは、平面視で同じ大きさとしたが、異なる大きさであってもよい。例えば、図5は、固定機構Mの他の構成を示す平面図である。同図の構成では、1つのモジュール1に突出部31が6個設けられており、固定部材2には、窪み部21が18個(モジュール3枚分の数だけ)形成されている。各突出部31を対応する位置の窪み部21にそれぞれ入り込ませることにより、3枚のモジュール1を1つの固定部材2に同時に固定することができる。
【0068】
また、図6は、固定機構Mのさらに他の構成を示す平面図である。同図の構成では、1つのモジュール1に突出部31が4個設けられており、各固定部材2には、窪み部21が2個ずつ形成されている。各突出部31を対応する位置の窪み部21にそれぞれ入り込ませることにより、2つの固定部材2を用いて1枚のモジュール1を固定することができる。
【0069】
また、図7は、固定機構Mのさらに他の構成を示す平面図である。同図の構成では、1つのモジュール1に突出部31が4個設けられており、各固定部材2には、同じ大きさの窪み部21が直線状に6個ずつ形成されている。各突出部31を対応する位置の窪み部21にそれぞれ入り込ませることにより、2つの固定部材2を用いて3枚のモジュール1を固定することができる。
【0070】
ところで、以上では、モジュール1側に突出部31を設け、固定部材2側に窪み部21を設けた固定機構Mについて説明したが、この構成に限定されるわけではない。例えば、図8(a)は、モジュール1の他の構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図である。また、図8(b)は、固定部材2の他の構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図である。このように、モジュール1側に窪み部21と磁性体22とを設ける一方、固定部材2側に磁性体32を含む突出部31を設け、突出部31を窪み部21に入り込ませ、磁性体22・32の磁力により、モジュール1と固定部材2とを固定するようにしてもよい。
【0071】
〔実施の形態2〕
図9(a)〜図9(c)は、本実施形態の固定機構Mの主要部の構成を示すとともに、モジュール1を固定部材2に固定する手順を示す断面図である。本実施形態では、実施の形態1の構成において、固定部材2の磁性体22が、さらに、窪み部21の側面21bが露出するように、側面21bに沿って設けられている。このとき、磁性体22の表面が窪み部12の側面21bを構成していてもよいし、磁性体22の表面に保護シートを被せたときの保護シートの表面が窪み部21の側面21bを構成していてもよい。
【0072】
なお、本実施形態では、磁性体22は、窪み部21の底面21aおよび側面21bに沿うように連続して設けられているが、底面21に沿った位置と、側面21bに沿った位置とのそれぞれに対応して別々に設けられていてもよい。また、固定部材2の全体(窪み部21の空間を除く)が磁性体22で構成されていてもよい。
【0073】
モジュール1を図9(a)に示す位置から固定部材2に近づけると、突出部31の磁性体32と、窪み部21の底面21aに沿う磁性体22との磁力(以下、第1の磁力とも称する)によって、突出部31が窪み部21に入り込もうとする。このとき、図9(b)に示すように、突出部31の磁性体32と、窪み部21の側面21bに沿う磁性体22との磁力(以下、第2の磁力とも称する)によって、突出部31が窪み部21の側面21bに引き付けられる。そして、図9(c)に示すように、最終的には、第1の磁力によって、突出部31の先端面31aが窪み部21の底面21aに面接触する。
【0074】
このように、磁性体22を窪み部21の側面21bに沿ってさらに設けることにより、上記した第2の磁力が生じるとともに、その第2の磁力が、突出部31が窪み部21に入り込む際の抵抗として働くため、第1の磁力が強い場合でも、突出部31の先端面31aが窪み部21の底面21aに勢いよく面接触することがなくなる。したがって、そのような勢いのある面接触によって突出部31や窪み部21が破損するのを回避することができる。また、先端面31aと底面21aとが勢いよく面接触すると、作業者がモジュール1の固定時にモジュール1と固定部材2との間に指を挟んで怪我をするという事態も想定されるが、本実施形態では、勢いのある面接触を回避できるので、そのような怪我を未然に防止することができ、安全面に配慮した固定機構Mを実現することができる。
【0075】
〔実施の形態3〕
図10(a)〜図10(c)は、本実施形態の固定機構Mの主要部の構成を示すとともに、モジュール1を固定部材2に固定する手順を示す断面図である。本実施形態では、実施の形態2の構成において、固定部材2の窪み部21の側面21bは、窪み部21の底面21aから離れるにしたがって窪み部21の開口面積が増大するように、テーパー状に形成されている。
【0076】
この構成では、モジュール1を図10(a)に示す位置から固定部材2に近づけると、図10(b)に示すように、突出部31は傾いた状態で、窪み部21のテーパー状の側面21bと底面21aとの両方に接触する。そして、この状態でモジュール1を横方向にずらして突出部31を移動させると、図10(c)に示すように、磁性体22・32の磁力により、窪み部21の底面21aに突出部31の先端面31aを面接触させて、モジュール1と固定部材2とを固定することができる。
【0077】
このように、窪み部21の側面21bをテーパー状に形成することにより、突出部31をテーパー状の側面21bに一旦接触させて、窪み部21に対して段階的に入り込ませることができる。これにより、突出部31の先端面31aがいきなり窪み部21の底面21aに勢いよく面接触することがなくなる。その結果、そのような勢いのある面接触による突出部31や窪み部21の破損を回避できるとともに、作業者がモジュール1の固定時にモジュール1と固定部材2との間に指を挟んで怪我をする事態を回避できる。
【0078】
なお、本実施形態では、窪み部21の底面21aおよび側面21bの両方に沿って磁性体22が設けられる構成において、側面21bをテーパー形状にした例について説明したが、底面21aのみに沿って磁性体22を設ける実施の形態1の構成において、側面21bをテーパー状に形成してもよい。この場合でも、突出部31を側面21bに接触させて段階的に窪み部21に入り込ませることは可能であるので、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
〔実施の形態4〕
図11(a)〜図11(c)は、本実施形態の固定機構Mの主要部の構成を示すとともに、モジュール1を固定部材2に固定する手順を示す断面図である。本実施形態では、固定部材2の窪み部21の底面21aは、底面21aの中心側から周縁側に向かうにつれて、窪み部21の深さが段階的に減少するように、互いに平行に位置する複数の平面部21a・21aを連結して構成されている。そして、複数の平面部21a・21aのうち、底面21aの中心に位置する平面部21aは、突出部31の先端面31aと同一の大きさで同一形状で形成されている。一方、他の平面部21aは、突出部31の先端面31aよりも面積の小さい形状で形成されている。
【0080】
この構成では、モジュール1を図11(a)に示す位置から固定部材2に近づけると、図11(b)に示すように、まず、突出部31の先端面31aの一部が、窪み部21の平面部21aに面接触する。この状態でモジュール1を横方向にずらして突出部31を移動させると、図11(c)に示すように、磁性体22・32の磁力により、窪み部21の平面部21aに突出部31の先端面31aが面接触し、モジュール1と固定部材2とが固定される。
【0081】
ここで、平面部21aの面積は、突出部31の先端面31aの面積よりも小さいので、突出部31は、平面部21aに対しては、平面部21aに面接触する場合よりも弱い力(磁力)で引っ付く。このように、突出部31の先端面31aを平面部21aに面接触させる前に、平面部21aに弱い力で接触させることができるので、先端面31aがいきなり平面部21aに勢いよく面接触するのを回避することができる。その結果、そのような勢いのある面接触による突出部31や窪み部21の破損を回避できるとともに、作業者がモジュール1の固定時にモジュール1と固定部材2との間に指を挟んで怪我をする事態を回避できる。
【0082】
〔実施の形態5〕
図12(a)〜図12(c)は、本実施形態の固定機構Mの主要部の構成を示すとともに、モジュール1を固定部材2に固定する手順を示す断面図である。本実施形態では、固定部材2の窪み部21の底面21aは、第1の底面部21Aと、第2の底面部21Bとを連結して構成されている。第1の底面部21Aは、突出部31の先端面31aと同一の大きさで同一形状で形成されている。また、第2の底面部21Bは、突出部31の先端面31aよりも小さい面積を持ち、第1の底面部21Aよりも窪み部21の深さが浅くなるように、第1の底面部21Aと連結されている。
【0083】
また、窪み部21の第1の底面部21Aには、窪み部側位置決め部23が設けられている。窪み部側位置決め部23は、突出部31の先端面31a側に見て例えば凸となる形状で形成されている。このような窪み部側位置決め部23は、例えば、稜線が現れるように複数の曲面23a・23aを連結することによって形成されている。このとき、各曲面23a・23aは、突出部31の先端面31a側に見て例えば凹となる形状で形成されている。このように複数の曲面23a・23aを連結するという簡単な構成により、窪み部側位置決め部23を容易に形成することができる。
【0084】
一方、突出部31の先端面31aには、突出部側位置決め部33が設けられている。突出部側位置決め部33は、窪み部21の第1の底面部21A側に見て例えば凹となる形状で形成されている。このような突出部側位置決め部33は、例えば、稜線が現れるように複数の曲面33a・33aを連結することによって形成されている。このとき、各曲面33a・33aは、窪み部21の第1の底面部21A側に見て例えば凸となる形状で形成されている。このように複数の曲面33a・33aを連結するという簡単な構成により、突出部側位置決め部33を容易に形成することができる。
【0085】
次に、モジュール1の固定手順について説明する。モジュール1を図12(a)に示す位置から固定部材2に近づけると、図12(b)に示すように、まず、突出部31の先端面31aの一部が、窪み部21の第2の底面部21Bに接触する。この状態でモジュール1を横方向にずらして突出部31を移動させると、図12(c)に示すように、磁性体22・32の磁力により、窪み部21の第1の底面部21Aに突出部31の先端面31aが面接触し、モジュール1と固定部材2とが固定される。
【0086】
ここで、第2の底面部21Bの面積は、突出部31の先端面31aの面積よりも小さいので、突出部31は、第2の底面部21Bに対しては、第1の底面部21Aに面接触する場合よりも弱い力(磁力)で引っ付く。このように、突出部31の先端面31aを第1の底面部21Aに面接触させる前に、第2の底面部21Bに弱い力で接触させることができるので、先端面31aがいきなり第1の底面部21Aに勢いよく面接触するのを回避することができる。その結果、そのような勢いのある面接触による突出部31や窪み部21の破損を回避できるとともに、作業者がモジュール1の固定時にモジュール1と固定部材2との間に指を挟んで怪我をする事態を回避できる。
【0087】
また、図12(c)の状態では、突出部31の先端面31aが窪み部21の第1の底面部21Aに面接触すると同時に、凸形状の窪み部側位置決め部23が凹形状の突出部側位置決め部33に相対的に嵌る。これにより、先端面31aの第1の底面部21Aに対する位置決めを適切に行うことができる。
【0088】
なお、窪み部側位置決め部23は、突出部31の先端面31a側に見て凹となる形状で形成されていてもよく、突出部側位置決め部33は、窪み部21の第1の底面部21A側に見て凸となる形状で形成されていてもよい。要は、窪み部側位置決め部23および突出部側位置決め部33は、一方が他方に対して相対的に入り込むことにより、先端面31aの第1の底面部21Aに対する位置決めを行うことができる形状であればよい。
【0089】
また、窪み部側位置決め部23および突出部側位置決め部33の形状は、上記のように稜線を有する形状に限定されるわけではない。例えば、窪み部側位置決め部23は、第1の底面部21Aから突出部31の先端面31aの方向に突出する頂点を有する形状(例えば略三角錐形状、略円錐形状)であってもよく、突出部側位置決め部33は、このような形状の窪み部側位置決め部23が入り込む形状であってもよい。逆に、突出部側位置決め部33は、先端面31aから第1の底面部21Aの方向に突出する頂点を有する形状(例えば略三角錐形状、略円錐形状)であってもよく、窪み部側位置決め部23は、このような形状の突出部側位置決め部33が入り込む形状であってもよい。
【0090】
〔実施の形態6〕
本実施形態では、上述した各実施の形態の固定機構Mにおいて、磁力による固定を容易に解除できる構成について説明する。
【0091】
図13(a)は、本実施形態の固定機構Mの構成を示す断面図であり、図13(b)は、上記固定機構Mの固定部材2の平面図である。本実施形態の固定機構Mにおいては、磁性体22・32の間に働く磁力により、突出部31が窪み部21に最も深く入り込んで最終的に固定された状態において、突出部31は、先端面31aが窪み部21の底面21aの一部と面接触する一方、底面21aの残りと間隙Sを介して対向している。このような間隙Sを形成するため、底面21aの一部は、間隙Sに対応する段差を有するように階段状に形成されている。
【0092】
また、本実施形態では、固定部材2に空洞部24が形成されている。この空洞部24は、間隙Sに取り外し用治具61を導くための通路である。ここで、取り外し用治具61は、全体として棒状に形成されており、その先端は先細り形状になっている。これにより、取り外し用治具61を空洞部24に挿入し、間隙Sに向かって押し進めると、その先端部が間隙Sに入り込み、さらに押し進めることによって、突出部31の先端面31aと窪み部21の底面21aとの磁力による面接触を解除することができる。その結果、モジュール1と固定部材2との固定を解除することができる。
【0093】
このように、磁力によって突出部31が窪み部21に最終的に固定された状態において、突出部31の先端面31aが窪み部21の底面21aと間隙Sを介して対向する領域を持つことにより、間隙Sに取り外し用治具61を挿入して、突出部31の先端面31aを窪み部21の底面21a(特に面接触している部分)から容易に引き離すことができ、磁力による固定を容易に解除することができる。したがって、固定の際の磁力が強い場合でも、モジュール1および固定部材2を損傷させることなく、その固定を容易に解除することができる。
【0094】
また、固定部材2に上記の空洞部24が設けられているので、この空洞部24を介して取り外し用治具61を間隙Sに導くことができ、取り外し用治具61によって先端面31aを底面21aから確実に引き離し、固定を解除することができる。
【0095】
ところで、図14(a)は、固定機構Mの他の構成を示す断面図であり、図14(b)は、上記他の固定機構Mの固定部材2の平面図である。この固定機構Mでは、窪み部21の底面21aを形成する磁性体22を、円柱形の突出部31と同じ径の大径部と、突出部31よりも小さい径の小径部とを積み上げて構成することで、窪み部21の底面21aに段差を設けている。そして、最終的な固定状態において、突出部31の先端面31aが窪み部21の底面21aの一部と面接触する一方、底面21aの残りと間隙Sを介して対向するようにしている。なお、この構成では、上記の間隙Sは、突出部31の先端面31aに沿ってリング状に形成されることになる。
【0096】
また、図14(a)に示すように、モジュール1には、空洞部34が形成されている。この空洞部34は、間隙Sに取り外し用治具61を導くための通路であり、モジュール1を厚さ方向に対して斜めに貫通して設けられている。
【0097】
この構成においても、取り外し用治具61を空洞部34に挿入し、間隙Sに向かって押し進めて、その先端部を間隙Sに入り込ませることにより、先端面31aと底面21aとの磁力による面接触を容易に解除することができる。したがって、モジュール1側に空洞部34を設ける構成であっても、取り外し用治具61を用いて、モジュール1と固定部材2との固定を解除することができる。
【0098】
なお、モジュール1側に空洞部34を設ける場合は、取り外し用治具61を、空洞部34を介して間隙Sに導きやすくするために、図14(a)に示すように、窪み部21の側面21bをテーパー状に形成しておくことが望ましい。そして、テーパー状の側面21bに沿って取り外し用治具61が間隙Sに向かって進行するように、モジュール1において空洞部34を設ける位置を最適化しておくことが望ましい。
【0099】
〔実施の形態7〕
図15は、本実施形態の固定機構Mに用いられる固定部材2の構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図とを併せて示したものである。本実施形態の固定機構Mは、外力付与部71を有している。外力付与部71は、窪み部21の底面21aから突出部31の先端面31aを引き離すための外力を、突出部31に付与するものであり、例えばねじ部材で構成されている。
【0100】
本実施形態では、外力付与部71としてのねじ部材は、横方向(窪み部21の底面21aに沿う方向)から、固定部材2を貫通して設けられている。このため、窪み部21の側面21bは、テーパー状に形成されている。これにより、ねじ部材を回し進めて突出部31に外力を与えることにより、突出部31の先端面31aを窪み部21の底面21aから引き離すことができる。
【0101】
つまり、ねじ部材の外力は、突出部31に対して横方向から加わるため、窪み部21の側面21bをテーパー状に形成しておくことにより、外力によって突出部31を側面21bに当てたときに、この側面21bによって突出部31を押し上げることができる。これにより、先端面31aを底面21aから引き離すことができる。
【0102】
このように、外力付与部71としてのねじ部材により、突出部31に外力を付与することにより、突出部31が窪み部21に入り込んで磁力によって固定された後に、先端面31aを底面21aから引き離すことができ、磁力による固定を解除することができる。したがって、固定の際の磁力が強い場合でも、モジュール1および固定部材2を損傷させることなく、その固定を解除することができる。
【0103】
ところで、図16は、固定機構Mに用いられる固定部材2の他の構成を示す断面図である。同図に示すように、外力付与部71は、窪み部21の底面21aを例えば垂直方向に貫通するように、磁性体22および固定部材2を貫通して設けられていてもよい。この場合、外力付与部71としてのねじ部材を回し進めることにより、突出部31の先端面31aに対して直接外力を付与することができる。つまり、ねじ部材は、先端面31aに当接することにより、先端面31aに対して底面21aから引き離す方向の外力を直接付与することができる。これにより、外力によって先端面31aを底面21aから容易に引き離すことができ、固定の際の磁力が強い場合でも、磁力による固定を容易に解除することができる。その結果、モジュール1および固定部材2を損傷させることなく、その固定を容易に解除することができる。
【0104】
以上のことから、外力付与部71は、窪み部21の底面21aを貫通して突出部31の先端面31aと当接することにより、外力を付与する構成であってもよいと言える。
【0105】
〔実施の形態8〕
図17は、本実施形態の固定機構Mに用いられるモジュール1の平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図である。本実施形態のモジュール1は、剛体板81を有している。剛体板81は、モジュール1を補強するための補強板であり、金属またはプラスチックで構成されている。
【0106】
同図に示すように、剛体板81は、突出部31よりも大きいサイズで形成されており、モジュール1の面に沿って突出部31と同方向に伸びて形成されているとともに、各突出部31の個々に対応して設けられている。この剛体板81は、例えば両面テープや接着剤によってモジュール1のラミネート部51に固定されていてもよいし、発電層13のラミネート時に同時にラミネートされることで、モジュール1に設けられてもよい。突出部31は、上記の剛体板81を介してモジュール1に設けられている。
【0107】
モジュール1を固定部材2から取り外すときには、固定時の磁力がモジュール1の取り外しを妨げる方向の応力として働くが、この応力は、突出部31を介して剛体板81に伝達される。このとき、剛体板81は突出部31よりもサイズが大きいので、剛体板81に伝達された応力は、剛体板81によって突出部31よりも広い範囲に分散される。したがって、上記の応力がモジュール1において突出部31の位置に集中してかかることがなくなる。これにより、上記の応力によって、突出部31の位置でモジュール1が破断するなど、モジュール1が損傷するのを回避することができる。
【0108】
図18は、固定機構Mに用いられるモジュール1の他の構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図である。同図に示すように、突出部31がモジュール1の四隅に設けられる場合は、剛体板81も、突出部31よりも大きいサイズでモジュール1の四隅に設けられればよい。そして、各突出部31は、対応する位置の剛体板81を介してモジュール1に設けられればよい。図17および図18に示すように、各突出部31と各剛体板81とを1対1で設けることにより、各突出部31にかかる応力を、対応する剛体部81で確実に分散させることができる。
【0109】
また、図19は、固定機構Mに用いられるモジュール1のさらに他の構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図である。同図に示すように、剛体板81が突出部31よりもサイズの大きい形状であれば、複数の突出部31が1個の剛体板81を介してモジュール1に設けられるようにしてもよい。この場合でも、複数の突出部31にかかる応力を、1つの剛体部81で分散させることができる。
【0110】
〔実施の形態9〕
図20は、本実施形態の固定機構Mの構成を示す断面図である。以上の各実施の形態では、モジュール1の裏面側(発電層13への光入射側とは反対側)に突出部31を設けているが、図20に示すように、突出部31はモジュール1の表面側、すなわち、発電層13への光入射側(受光面側)に設けられていてもよい。
【0111】
この場合、建物の天井部の光透過部91(例えば太陽光が透過する透明ガラス)に、建物の内側から固定部材2を固定しておき、この固定部材2に窪み部21と磁性体22とを設けておけば、突出部31を窪み部21に入り込ませて、磁力によってモジュール1を固定部材2に固定することができる。
【0112】
このとき、光透過部91とモジュール1の受光面とが対向するので、光透過部91を透過した光をモジュール1の発電層13で受けて電力を取り出すことができる。つまり、建物の内側にモジュール1を設置して電力を取り出すことができる。
【0113】
なお、以上の各実施の形態で説明した構成を適宜組み合わせることによって、固定機構を構成することも勿論可能である。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明の固定機構は、例えば建物の屋根などの設置面に固定される固定部材に、フレキシブルな太陽電池モジュールを固定する場合に利用可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 モジュール(フレキシブル太陽電池モジュール)
2 接続部材
21 窪み部
21a 底面
21a平面部(底面)
21a平面部(底面)
21b 側面
21A 第1の底面部
21B 第2の底面部
22 磁性体(第1の磁性体)
23 窪み部側位置決め部
23a 曲面
24 空洞部
31 突出部
31a 先端面
32 磁性体(第2の磁性体)
33 突出部側位置決め部
33a 曲面
34 空洞部
61 取り外し用治具
71 外力付与部
81 剛体板
M 固定機構
S 間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル太陽電池モジュールと固定部材とを固定するフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構であって、
前記モジュールおよび前記固定部材の一方は、
表面から内部に窪んだ窪み部と、
前記窪み部の底面が露出するように、該底面に沿って設けられる第1の磁性体とを備えており、
前記モジュールおよび前記固定部材の他方は、
表面から突出するとともに、前記窪み部に入り込んで、先端面が前記窪み部の前記底面に面接触する突出部と、
前記突出部に設けられる第2の磁性体とを備えており、
前記第1の磁性体および前記第2の磁性体の少なくとも一方は、永久磁石であることを特徴とするフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項2】
前記第1の磁性体は、さらに、前記窪み部の側面が露出するように、該側面に沿って設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項3】
前記窪み部の側面は、前記窪み部の前記底面から離れるにしたがって前記窪み部の開口面積が増大するように、テーパー状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項4】
前記窪み部の前記底面は、該底面の中心側から周縁側に向かうにつれて、前記窪み部の深さが段階的に減少するように、互いに平行に位置する複数の平面部を連結して構成されており、
前記複数の平面部のうち、該底面の中心に位置する平面部は、前記突出部の前記先端面と同一の大きさで同一形状で形成されている一方、他の平面部は、前記突出部の前記先端面よりも面積の小さい形状で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項5】
前記窪み部の前記底面は、
前記突出部の前記先端面と同一の大きさで同一形状で形成される第1の底面部と、
前記先端面よりも小さい面積を持ち、前記第1の底面部よりも前記窪み部の深さが浅くなるように、前記第1の底面部と連結される第2の底面部とを有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項6】
前記突出部の前記先端面および前記窪み部の前記第1の底面部には、一方が他方に相対的に入り込むことによって、前記先端面の前記第1の底面部に対する位置決めを行うための突出部側位置決め部および窪み部側位置決め部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項7】
前記突出部側位置決め部および前記窪み部側位置決め部は、それぞれ、稜線が現れるように複数の曲面を連結することによって形成されていることを特徴とする請求項6に記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項8】
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間の磁力により、前記突出部が前記窪み部に最も深く入り込んで固定された状態において、前記突出部は、前記先端面が前記窪み部の前記底面の一部と面接触する一方、前記底面の残りと間隙を介して対向することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項9】
前記モジュールおよび前記固定部材の一方には、前記間隙に取り外し用治具を導くための空洞部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項10】
前記窪み部の前記底面から前記突出部の前記先端面を引き離すための外力を、前記突出部に付与する外力付与部を有していることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項11】
前記外力付与部は、前記窪み部の前記底面を貫通して前記突出部の前記先端面と当接することにより、前記外力を付与することを特徴とする請求項10に記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項12】
前記モジュールおよび前記固定部材の一方は、前記窪み部を少なくとも2つ備えており、
前記モジュールおよび前記固定部材の他方は、前記窪み部に入り込む前記突出部を少なくとも2つ備えていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項13】
前記突出部は、該突出部よりもサイズの大きい剛体板を介して、前記モジュールに設けられていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。
【請求項14】
前記モジュールは、光を受けて電力を発生する光電変換部を備えており、
前記突出部は、前記モジュールにおける前記光電変換部への光入射側に設けられていることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のフレキシブル太陽電池モジュールの固定機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−62454(P2013−62454A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201397(P2011−201397)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】