説明

ブラシノステロイド生合成関連遺伝子

【課題】ブラシノステロイド生合成反応関連遺伝子を得ることを課題とする。
【解決手段】シロイヌナズナBPR2 cDNAのクローニングを行い、BPR1との同一性を調べ、43.3%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む、新規のブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)とブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同因子を得る。ブラシノステロイド生合成関連遺伝子がブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)またはブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同(homologous)因子であるブラシノステロイド生合成関連遺伝子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブラシノステロイド生合成関連遺伝子に関する。さらに詳しくは、ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)またはブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同(homologous)因子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブラシノステロイドの生合成に関わる酵素遺伝子を過剰発現させることにより、ブラシノステロイドの生合成能が増強された有用植物が得られることが確認されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。しかし、過剰発現させる酵素遺伝子の違いによって、表現型や蓄積するブラシノステロイドの種類および量が異なるため、効率的に有用植物を得ることは難しかった。
【0003】
そこで、本発明者らはシロイヌナズナにおいて、ブラシノステロイド生合成反応を触媒する複数の生合成酵素遺伝子を制御する調節因子(BPR1)を見出した。そして、本発明者らは、この発現量を制御することによって、ブラシノステロイドの生合成能を増強した有用植物や、形態形成が調節された植物が効率的に得られることについて先に出願している(特願2006−266334)。
【0004】
このような調節因子が、シロイヌナズナにおいて複数みつかれば、ブラシノステロイドの生合成能を増強した有用植物等をより効率的に得られると考えられる。また、シロイヌナズナ以外の他の植物においても、このような因子が存在すれば、同様に有用植物や、形態形成が調節された植物を効率的に得ることができると考えられる。
【0005】
しかし、他の植物においては、例えば、イネのブラシノライドとオーキシンで発現が顕著に促進される遺伝子(例えば、特許文献1参照)や、ブラシノステロイド感受性を高め、イネの成長および発生過程で機能する遺伝子(例えば、特許文献2参照)等が見出されているものの、ブラシノステロイドの生合成酵素遺伝子の発現調節に関わる遺伝子については知られていない。
【非特許文献1】Choe, S. Fujioka, S. Noguchi, T. Takatsuto, S. Yoshida, S. and Feldmann, K.A. (2001) Overexpression of DWARF4 in the brassinosteroid biosynthetic pathway results in increased vegetative growth and seed yield in Arabidopsis. Plant J. 26: 573−582.
【非特許文献2】Kim, T.W. Hwang, J.Y. Kim, Y.S. Joo, S.H. Chang, S.C. Lee, J.S. Takatsuto, S. and Kim, S.K. (2005) Arabidopsis CYP85A2, a cytochrome P450, mediates the Baeyer−Villiger oxidation of castasterone to brassinolide in brassinosteroid biosynthesis. Plant Cell. 17: 2397−2412.
【非特許文献3】Kim, G.T. Tsukaya, H. Saito, Y. and Uchimiya, H. (1999) Changes in the shapes of leaves and flowers upon overexpression of cytochrome P450 in Arabidopsis.Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 96: 9433−9437.
【特許文献1】特開2003−334085号公報
【特許文献2】WO2001/073036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はブラシノステロイド生合成関連遺伝子として、新規のブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)またはブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同因子を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、シロイヌナズナにおいて、ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)と同様に、ブラシノステロイド生合成反応を触媒する複数の酵素遺伝子を制御する新規のブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)を見出した。そして、これが調節因子(BPR1)と協調して働き、葉身、葉柄等の形態が変化した植物が得られることを確認した。また、本発明者らは、ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の遺伝子破壊変異を相補する因子をシロイヌナズナ以外の他の植物において見出し、本発明を完成するに至った。
これらのブラシノステロイド生合成関連遺伝子は、ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)のアミノ酸配列に43.3%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、協調的に働くことで同様の機能を発揮するため有用である。
【0008】
すなわち、本発明は次の(1)〜(17)に記載のブラシノステロイド生合成関連遺伝子等に関する。
(1)ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)のアミノ酸配列に43.3%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むブラシノステロイド生合成関連遺伝子。
(2)配列表配列番号6または配列番号42〜46のいずれかに記載のアミノ酸配列を含むブラシノステロイド生合成関連遺伝子。
(3)配列表配列番号5または配列番号37〜41のいずれかに記載の塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を含むブラシノステロイド生合成関連遺伝子。
(4)ブラシノステロイド生合成関連遺伝子がブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)またはブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同(homologous)因子である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のブラシノステロイド生合成関連遺伝子。
(5)上記(4)に記載のブラシノステロイド生合成関連遺伝子であるブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチド。
(6)ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)がブラシノステロイド生合成反応を触媒する酵素遺伝子を制御する調節因子である上記(5)に記載のポリヌクレオチド。
(7)制御される酵素遺伝子がCYP85A1およびCYP85A2である上記(6)に記載のポリヌクレオチド。
(8)上記(5)〜(7)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有するプラスミド。
(9)上記(5)〜(7)のいずれかに記載のポリヌクレオチドにより形質転換された植物。
(10)形質転換によって、葉身、葉柄のいずれか1つ以上の形態が変化した上記(9)に記載の植物。
(11)上記(9)または(10)に記載の植物とブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)をコードするポリヌクレオチドによって形質転換された植物とを交配することによって得られる、葉身、葉柄のいずれか1つ以上の形態が変化した植物。
(12)マメ科またはアブラナ科の植物である上記(9)〜(11)のいずれかに記載の植物。
(13)上記(5)〜(7)のいずれかに記載のポリヌクレオチドにより植物を形質転換し、該ポリヌクレオチドの発現によって、ブラシノステロイド生合成反応を触媒する酵素遺伝子を制御することにより、該植物の形態を変化させる方法。
(14)(a)または(b)のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(a)配列表配列番号6のアミノ酸配列。
(b)ブラシノステロイド生合成反応の調節をするタンパク質のアミノ酸配列であって、配列表配列番号6のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列。
(15)(a)または(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(a)配列表配列番号5の塩基配列。
(b)ブラシノステロイド生合成反応の調節をするタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列であって、配列表配列番号6のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列をコードする塩基配列。
(16)上記(4)に記載のブラシノステロイド生合成関連遺伝子であるブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同因子であって、LjBPR1、GmBPR1−1、GmBPR1−2、OsBPR1またはLeBPR1のいずれかである相同因子。
(17)ミヤコグサ、ダイズ、イネまたはトマトから選ばれる植物由来である上記(16)に記載の相同因子。
【発明の効果】
【0009】
本発明のブラシノステロイド生合成関連遺伝子である新規のブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)をブラシノステロイド生合成の調節因子(BPR1)と協調的に、またはブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同因子を単独で働かせることで、シロイヌナズナや他の植物(特にイネ、ダイズ、トマトなどの重要作物)において有用な植物を効率的に得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の「ブラシノステロイド生合成関連遺伝子」とは、ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)のアミノ酸配列に43.3%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むもののことをいう。この「43.3%以上の同一性を有するアミノ酸配列」には、例えば、配列表配列番号6または配列番号42〜46に記載のアミノ酸配列や、配列表配列番号5または配列番号37〜41に記載の塩基配列によってコードされるアミノ酸配列等が挙げられる。これらのアミノ酸配列とブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)のアミノ酸配列との同一性は表1に示した。
【0011】
本発明の「ブラシノステロイド生合成関連遺伝子」には、ブラシノステロイド生合成反応の調節因子、ブラシノステロイド生合成反応の調節因子の相同因子等が含まれる。これらの「ブラシノステロイド生合成関連遺伝子」は、公知の「ブラシノステロイド生合成反応の調節因子」と協調的に働くものであることが好ましい。
【0012】
ここで、「協調的に働く」とは、公知の「ブラシノステロイド生合成反応の調節因子」とともに、それぞれの機能がそのまままたは相乗的に作用することをいう。
例えば、ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1、BPR2)をともに働かせることで、ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)のブラシノステロイド生合成に関わる酵素であるCYP85A1、CYP90C1およびCYP90D1をコードする遺伝子の転写を制御する機能と、ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)の同様の酵素であるCYP85A1およびCYP85A2をコードする遺伝子の転写を制御する機能とがともに作用すること等が挙げられる。
【0013】
本発明の「ブラシノステロイド生合成関連遺伝子」のひとつである、「ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)」は、ブラシノステロイド生合成反応経路において、該反応を触媒する酵素遺伝子の転写活性を調節する因子である。
「ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)」は、シロイヌナズナのブラシノステロイド生合成反応経路において、酵素遺伝子CYP85A1およびCYP85A2をコードする遺伝子の発現を調節し、そのアミノ酸配列に、配列表配列番号6に記載のアミノ酸配列または配列表配列番号5にコードされるいずれかのアミノ酸配列を含むものであることが好ましい。
【0014】
本発明の「ポリヌクレオチド」とは、植物から抽出、単離した天然のポリヌクレオチドであってもよく、また、その塩基配列に従って、PCR等の公知の方法によって合成したものであってもよい。
【0015】
本発明の「プラスミド」とは、プラスミドに組み込んだ遺伝子を増幅するために、大腸菌に形質転換するプラスミドと、組み込んだ遺伝子を発現するために、リゾビウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobactor(旧名称Agrobacterium tumefaciens))を通じて植物に形質転換するプラスミドのいずれも含まれる。形質転換する対象に応じて、公知のベクターを用いることができる。
【0016】
本発明の「植物の形態を変化させる方法」とは、上記で作製したプラスミドをエレクトロポレーション法、パーティクルガン法等の公知の方法によってリゾビウム・ラジオバクターEHA101株等に導入した後、得られたリゾビウム・ラジオバクターの形質転換体を花序浸し法等の公知の方法によって植物に取り込むことにより行うことができる。
また、このような方法によって形態が変化した植物と、他のポリヌクレオチドを導入することによって形態が変化した植物とを交配することによっても行うことができる。
【0017】
本発明の「形態が変化した植物」とは、上記のような方法で形質転換された植物が、本発明のブラシノステロイド生合成反応の調節因子の発現によって、ブラシノステロイド生合成反応を触媒する酵素遺伝子を制御する、例えば、当該酵素遺伝子の転写を活性化または抑制することにより、該植物の形態が変化した植物のことをいう。
【0018】
本発明のタンパク質とは、植物から抽出、単離した天然のタンパク質であってもよく、また、そのアミノ酸配列や、それをコードする塩基配列に従って、公知の方法によって合成されたものであってもよい。
【0019】
本発明の「ブラシノステロイド生合成関連遺伝子」のひとつである、「ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同因子」は、ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の欠失変異を補う作用を有する因子のことをいう。
このような「ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同因子」は、そのアミノ酸配列に、配列表配列番号42〜46のいずれかに記載のアミノ酸配列または配列表配列番号37〜41にコードされるいずれかのアミノ酸配列を含むことが好ましい。例えば、ミヤコグサのLjBPR1、ダイズのGmBPR1−1、GmBPR1−2、イネのOsBPR1、トマトのLeBPR1等が挙げられる。
以下、本発明の詳細を実施例等で説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
<ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)の取得>
1.シロイヌナズナBPR2 cDNAのクローニング
日本DNAデータバンクのClustalWプログラムを用いて多重配列整列および近接結合法による系統樹を作成し、NJplotソフトウェアで表示することによってBPR1の系統樹解析を行った。その結果、アミノ酸レベルで49%の同一性を示すBPR1のパラログ遺伝子であるAt3g15050を見出し、BPR2と命名した。
培養土で栽培したシロイヌナズナの長角果からSV Total RNA Isolation System(プロメガ製)を用いてtotal RNAを抽出し、Superscript first−strand synthesis system for RT−PCR(インビトロジェン製)を用いてcDNAを得た。
これらのcDNAを鋳型にして、At3g15050ox_U1(配列表配列番号1)およびAt3g15050ox_L1(配列表配列番号2)のプライマーとKOD−plus(東洋紡製)を用いて94℃ 2分間の後、94℃ 15秒間次いで60℃ 30秒間さらに68℃ 1分間の保温を1サイクルとして10サイクルからなるPCR反応を行った。
【0021】
さらに、Gatewayテクノロジー(インビトロジェン製)を用いてクローニングするために、得られた反応物を鋳型にして、attB1(配列表配列番号3)およびattB2(配列表配列番号4)のプライマーとKOD−plusを用いて94℃ 2分間の後、94℃ 15秒間次いで55℃ 30秒間さらに68℃ 1分間の保温を1サイクルとして20サイクルからなるPCR反応を行い、attBアダプター配列を付加した。
【0022】
attBアダプター配列を付加したPCR産物をBPクロナーゼ(インビトロジェン製)によって、Gatewayテクノロジー対応のドナーベクターpDONR221(インビトロジェン製)にクローニングして、BPR2 cDNAを含むプラスミドpDONR221−AtBPR2を得た。pDONR221−AtBPR2のインサート部分についてABI PRISM 3100 Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムズ製)を用いてDNAシーケンスを行った結果、BPR2の塩基配列を配列番号5、その塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を配列番号6に示した。
【0023】
2.BPR2の大腸菌発現ベクターの構築
上記実施例1、1.において調製したシロイヌナズナcDNAを鋳型にして、At3g15050pET21a_U1(配列表配列番号7)および At3g15050pET21a_L1(配列表配列番号8)のプライマーとTaKaRa Ex Taq(タカラバイオ製)を用いて、94℃ 3分間の後、94℃ 30秒間次いで60℃ 30秒間さらに72℃ 1分間の保温を1サイクルとして25サイクルからなるPCR反応を行った。
反応物を電気泳動し、約0.9 kbの増幅断片を切り出し、GENECLEAN II Kit(キューバイオジーン製)を用いて精製した。そのcDNA断片はDNA Ligation Kit <Mighty Mix>(タカラバイオ製)を用いて、pGEM−T Easy Vector(プロメガ製)にクローニングした。得られたプラスミド(以下、pGEM−AtBPR2とする)のインサート部分についてABI PRISM 3100 Genetic Analyzerを用いてDNAシーケンスを行い、塩基配列を確認した。
【0024】
pGEM−AtBPR2を制限酵素EcoRIで消化し、約0.9 kbの断片を切り出し、精製した。一方、大腸菌発現用ベクターpET21a(ノバジェン製)も制限酵素EcoRIで消化した。これらをDNA Ligation Kit <Mighty Mix>(タカラバイオ製)を用いてライゲーションし、pET21−AtBPR2を得た。pET21−AtBPR2のインサート部分についてABI PRISM 3100 Genetic Analyzerを用いてDNAシーケンスを行い、配列を再度確認した。大腸菌Rosetta(DE3)株を、pET21−AtBPR2で形質転換し、発現ベクターを得た。
【0025】
3.BPR2とBPR1の同一性の確認
BPR2とBPR1のアミノ酸配列の同一性を、GENETYX(ゼネティックス製)を使用して調べ、結果を図1に示した。これらの同一性は49%であった。
【実施例2】
【0026】
<カルモジュリン結合アッセイ>
1mMのIPTGを添加した大腸菌Rosetta(DE3)株を28℃で4時間培養することでBPR2のT7融合タンパクを発現誘導した。培養終了後、遠心分離により集菌し、氷冷したリン酸緩衝液(pH7.3)で菌体を洗浄後、同緩衝液10mlに懸濁した。氷上において超音波処理により菌体を破砕した後、遠心分離し上清を回収し、0.45μmのメンブランフィルター(アドバンテック製)でろ過した。リン酸緩衝液で平衡化した100μlのカルモジュリンアガロースビーズ(シグマ製)と1mMのCaClまたは5mMのEGTAを添加した 500μlの粗タンパク質抽出液を混合し、4℃で一晩インキュベートした。
【0027】
遠心分離してカルモジュリンアガロースビーズを回収後、500μlのリン酸緩衝液で4回、最後に100μlで洗浄した。洗浄後のカルモジュリンアガロースビーズは50μlの4×SDSサンプル処理液(ノバジェン製)に懸濁し、100℃で3分間加熱して結合タンパクを溶出した。次にLaemmliの方法に従い、粗タンパク質抽出液、カルモジュリンアガロースビーズ未結合画分、最終洗浄画分、結合画分を、10%ポリアクリルアミドゲルを用いたSDS−PAGEによって分離した。
【0028】
電気泳動後、ポリアクリルアミドゲルからタンパク質を転写緩衝液(15.6mM Tris,120mM glycine,20% methanol,0.1% SDS)中でセミドライ型の転写装置(バイオ・ラッド製)を用いて20Vで30分間の条件でPVDF膜(バイオ・ラッド製)に転写した。転写後のPVDF膜をブロッティング溶液に浸し、室温で一晩振とうした。その後、TBST緩衝液で10000倍に希釈したアルカリホスファターゼ標識T7タグ抗体(T7・Tag AP Western Blot Kit, ノバジェン製)の溶液に浸して室温で30分間穏やかに振とうした。次いで転写膜をTBST溶液で2分間5回の洗浄後、アルカリホスファターゼの基質であるCDP−Starで処理し、化学発光検出した。その結果、図2に示すように、T7タグ融合タンパク質として大腸菌で発現させたBPR2はin vitroでカルシウムイオンの存在下でカルモジュリンと結合することがわかった。
【実施例3】
【0029】
<BPR2遺伝子の機能の解析>
1.BPR2の植物発現ベクターの構築
LRクロナーゼ(インビトロジェン製)を用いて、上記実施例1、1.において作製したpDONR221−AtBPR2のAtBPR2 cDNA部位をデスティネーションベクターpGWB2に組み換え、pGWB2−AtBPR2を得た。
【0030】
2.BPR2過剰発現体の作製
上記1.で作製したpGWB2−AtBPR2を、リゾビウム・ラジオバクターEHA101株にエレクトロポレーション法で導入した。形質転換リゾビウム・ラジオバクター EHA101株はハイグロマイシン(100mg/l)とカナマイシン(50mg/l)を含むLB寒天培地で28℃2日間培養した。生じたコロニーをハイグロマイシン(100mg/l)とカナマイシン(50mg/l)を含むLB液体培地で28℃一晩の前培養をした後、28℃で一晩の本培養を行った。シロイヌナズナの形質転換は花序浸し法(参考文献1参照)によって行った。得られたT1種子を表面殺菌し、ハイグロマイシン(40mg/l)とカルベニシリン(400mg/l)を含むMS培地に播種した。T2種子を回収し、ホモ個体を選抜した。
[参考文献1]
Clough, S.J. and Bent, A.F. (1998) Floral dip: a simplified method for Agrobacterium−mediated transformation of Arabidopsis thaliana. Plant J. 16: 735−743.
【0031】
3.BPR2遺伝子破壊変異体の単離
The Salk Institute Genome Analysis Laboratory(SIGnAL)のデータベース(http://signal.salk.edu/tabout.html)からBPR2遺伝子のエキソン領域にT−DNAが挿入したSALK_11140を見出した。The Arabidopsis Biological Resource Center(ABRC)からその種子を取り寄せ、At3g15050RT_U1(配列表配列番号9)および At3g15050RT_L1(配列表配列番号10)のプライマーを用いたRT−PCRによってBPR2遺伝子の発現が抑制されていることを確認した。
【0032】
4.BPR2過剰発現および破壊変異体の表現型解析
MS培地に野生型、GUS遺伝子発現植物体、上記2.で作製したBPR2過剰発現体、上記3.で単離したBPR2破壊変異体を播種した。発芽24日後の幼植物体を比較したところ、図3に示すようにBPR2過剰発現体はロゼット葉の上偏成長が見られた。
【0033】
5.ブラシノライド処理した野生型シロイヌナズナのロゼット葉の表現型解析
発芽14日目の野生型シロイヌナズナの葉柄の付け根を1μMのブラシノライドで6日間処理した後、13日間生育させた結果、図4で示すようにロゼット葉の上偏成長が見られた。これは図3で示したBPR2過剰発現体の表現型と類似しており、BPR2過剰発現体はブラシノライドの内生量が増加していることが示唆された。
【0034】
6.BPR2過剰発現・破壊変異体のブラシノステロイド生合成酵素遺伝子の発現解析
発芽20日後の野生型、GUS遺伝子発現植物体、上記2.で作製したBPR2過剰発現体、上記3.で単離したBPR2破壊変異体のロゼット葉から調製した上記実施例1、1.と同様の方法でcDNAを調整した。
RT−PCRにはDET2,CYP90B1(DWF4),CYP90A1(CPD),CYP72B1(BAS1),CYP90C1(ROT3),CYP90D1,CYP85A1,CYP85A2の各ブラシノステロイド生合成酵素遺伝子について、次の配列番号からなる特異的プライマーを使用した。
DET2:DET2_U1(配列番号11)およびDET2_L1(配列番号12)
CYP90B1(DWF4):CYP90B1_U1(配列番号13)およびCYP90B1_L1(配列番号14)
CYP90A1(CPD):CYP90A1_U1(配列番号15)およびCYP90A1_L1(配列番号16)
CYP90C1(ROT3):CYP90C1_U1(配列番号17)およびCYP90C1_L1(配列番号18)
CYP90D1:CYP90D1_U1(配列番号19)およびCYP90D1_L1(配列番号20)
CYP85A1:CYP85A1_U1(配列番号21)およびCYP85A1_L1(配列番号22)
CYP85A2:CYP85A2_U1(配列番号23)およびCYP85A2_L1(配列番号24)
CYP72B1(BAS1):CYP72B1_U1(配列番号25)およびCYP72B1_L1(配列番号26)
【0035】
TaKaRa Ex Taqを用いて、94℃ 3分間の後、94℃ 30秒間次いで55−62℃ 30秒間さらに72℃ 1分間の保温を1サイクルとしてPCR反応を行った。PCRサイクルは各々の遺伝子によって最適化した。内部標準として、コントロールのプライマーAtUBQ10_U1(配列表配列番号27)およびAtUBQ10_L1(配列表配列番号28)を使用した。その結果、図5に示すように、BPR2がブラシノステロイド生合成の後期反応に関わる酵素であるCYP85A1およびCYP85A2をコードする遺伝子の転写を正に制御していることが明らかとなった。
【0036】
7.BPR2過剰発現・破壊変異体のブラシノステロイド生合成酵素遺伝子の発現解析
シロイヌナズナのエコタイプColumbia−0の花、長角果、茎、二次葉、ロゼット葉、根から上記実施例1、1.と同様の方法でcDNAを調製した。このcDNAを鋳型にして、At3g15050RT_U1(配列表配列番号9)およびAt3g15050RT_L1(配列表配列番号10)のプライマーとTaKaRa Ex Taqを用いて94℃ 3分間の後、94℃ 30秒間次いで63℃ 30秒間さらに72℃ 1分間の保温を1サイクルとして28サイクルからなるPCR反応を行い、BPR2の発現解析を行った。その結果、図6に示すように、長角果、茎、根でBPR2遺伝子の転写物が高蓄積していた。
【実施例4】
【0037】
<ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1、BPR2)の協調性の検討>
BPR1とBPR2の協調的な機能の有無を確認するために、Atbpr1変異体とAtbpr2変異体を交配し、2重変異体を作製した。その結果、図7で示すように2重変異体は成長が遅延し、長角果が短縮した。したがって、BPR1とBPR2がシロイヌナズナの形態形成に関して協調的に機能することがわかった。
【0038】
実施例3より、新規の調節因子(BPR2)は、ブラシノステロイド生合成の後期反応を触媒する酵素(CYP85A1およびCYP85A2)の遺伝子発現を特異的に制御するブラシノステロイド生合成の調節因子であることが確認された。従って、これとブラシノステロイド生合成の後期反応を触媒する酵素(CYP90C1およびCYP85A1)の遺伝子発現を特異的に制御するBPR1を組み合わせることによって、複数の酵素遺伝子を制御することで、より効率的に有効な植物を得られることが示唆された。
【実施例5】
【0039】
<ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同因子の取得>
1.ミヤコグサ、ダイズ、イネ、トマトからのBPR1オルソログ遺伝子cDNAのクローニング
培養土で栽培したミヤコグサ、ダイズ、イネ、トマトの幼植物体から実施例1と同様の方法でcDNAを得た。
これらのcDNAを鋳型にして、実施例1と同様の方法で、次のプライマーを用いてPCR反応を行った。これらのプライマーは各植物のBPR1の全長cDNA配列を基にプライマー設計プログラム(GENETYX(ゼネティックス製))を使用して設計し、合成(インビトロジェン社)した。
ミヤコグサ:LjBPR1ox_U1(配列番号29)およびLjBPR1ox_L1(配列番号30)
ダイズ:GmBPR1ox_U1(配列番号31)およびGmBPR1ox_L2(配列番号32)
イネ:OsBPR1ox_U1(配列番号33)およびOsBPR1ox_L1(配列番号34)
トマト:LeBPR1ox_U1(配列番号35)およびLeBPR1ox_L1(配列番号36)
【0040】
attBアダプター配列を付加したPCR産物をそれぞれBPクロナーゼ(インビトロジェン製)によって、ドナーベクターpDONR221(インビトロジェン製)にクローニングした。これによって得られたプラスミド(pDONR221−LjBPR1、pDONR221−GmBPR1−1、pDONR221−GmBPR1−2、pDONR221−OsBPR1、pDONR221−LeBPR1とする)のインサート部分について実施例1と同様の方法でDNAシーケンスを行った。得られた配列を配列表配列番号37(以下、LjBPR1とする)、38(以下、GmBPR1−1とする)、39(以下、GmBPR1−2とする)、40(以下、OsBPR1とする)、41(以下、LeBPR1とする)に示した。また、これらの塩基配列から該当すると思われるアミノ酸配列を配列番号42、43、44、45、46に示した。
【0041】
2.BPR1と各植物種のBPR1相同因子の同一性の確認
BPR1とLjBPR1、GmBPR1−1、GmBPR1−2、OsBPR1またはLeBPR1のぞれぞれのアミノ酸配列の同一性を、GENETYX(ゼネティックス製)を使用して調べ、ぞれぞれの同一性を図8および表1に示した。その結果、これらの植物において43.3%以上の一定の配列同一性を有するブラシノステロイド生合成関連遺伝子が存在することが示唆された。
【0042】
【表1】

【0043】
3.LjBPR1、GmBPR1−1、GmBPR1−2、OsBPR1、LeBPR1の植物発現ベクターの構築
LRクロナーゼ(インビトロジェン製)を用いて、上記実施例5、1.で作製したpDONR221−LjBPR1、pDONR221−GmBPR1−1、 pDONR221−GmBPR1−2、pDONR221−OsBPR1、pDONR221−LeBPR1の各々のcDNA部位をデスティネーションベクターpGWB2に組み換えた。得られたLjBPR1、GmBPR1−1、GmBPR1−2、OsBPR1、LeBPR1の植物発現ベクターをpGWB2−LjBPR1、pGWB2−GmBPR1−1、pGWB2−GmBPR1−2、pGWB2−OsBPR1、pGWB2−LeBPR1とした。
【0044】
4.シロイヌナズナAtbpr1破壊変異体の形質転換
上記3.で作製したpGWB2−LjBPR1、pGWB2−GmBPR1−1、pGWB2−GmBPR1−2、pGWB2−OsBPR1、pGWB2−LeBPR1をそれぞれリゾビウム・ラジオバクターEHA101株にエレクトロポレーション法で導入した。形質転換リゾビウム・ラジオバクター EHA101株はハイグロマイシン(100mg/l)とカナマイシン(50mg/l)を含むLB寒天培地で28℃2日間培養した。生じたコロニーをハイグロマイシン(100mg/l)とカナマイシン(50mg/l)を含むLB液体培地で28℃ 一晩の前培養をした後、28℃で一晩の本培養を行った。AtBPR1遺伝子のプロモーター領域にT−DNAが挿入したSALK_041348ラインをThe Arabidopsis Biological Resource Center(ABRC)から取り寄せ、自殖後代からAtbpr1破壊変異体を取得した。シロイヌナズナAtbpr1破壊変異体の形質転換は花序浸し法(上記参考文献1参照)によって行った。得られたT1種子を表面殺菌し、ハイグロマイシン(40mg/l)とカルベニシリン(400mg/l)を含むMS培地に播種した。回収したT2種子をMS培地に播種した結果、図9に示すようにすべての形質転換体でAtbpr1破壊変異体の葉身と葉柄の長さが回復した。
【0045】
この結果より、ミヤコグサ、ダイズ、イネ、トマト等の植物由来の遺伝子が、シロイヌナズナのブラシノステロイド生合成の調節因子(BPR1)の遺伝子破壊変異を相補することが確認された。これらの遺伝子はブラシノステロイド生合成の調節因子(BPR1)と一定の配列同一性をもち、同等の機能を示すことから、ブラシノステロイド生合成関連遺伝子として有用であると示唆された。また、このようなブラシノステロイド生合成の調節因子が高等植物に普遍的に存在する可能性が示唆された。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のブラシノステロイド生合成関連遺伝子である新規のブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)またはブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同因子を利用することで、シロイヌナズナ、ミヤコグサ、ダイズ、イネ、トマト等において効率的に有用植物を得ることは、農業等の分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】BPR1とBPR2の同一性を示した図である(実施例1)。
【図2】BPR2のカルモジュリン結合アッセイの結果を示した図である(実施例2)。
【図3】BPR2過剰発現および破壊変異体の表現型解析の結果を示した図である(実施例3)。
【図4】ブラシノライド処理による野生型ロゼット葉の表現型解析の結果を示した図である(実施例3)。
【図5】ブラシノステロイド生合成酵素遺伝子の発現解析の結果を示した図である(実施例2)。
【図6】BPR2の器官別発現解析の結果を示した図である(実施例2)。
【図7】BPR1とBPR2の2重変異体の表現型解析の結果を示した図である(実施例4)。
【図8】BPR1とLjBPR1、GmBPR1−1、GmBPR1−2、OsBPR1またはLeBPR1とBPR2の同一性を示した図である(実施例5)。
【図9】LjBPR1、GmBPR1−1、GmBPR1−2、OsBPR1またはLeBPR1によるAtbpr1破壊変異体の相補の結果を示した図である(実施例5)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)のアミノ酸配列に43.3%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むブラシノステロイド生合成関連遺伝子。
【請求項2】
配列表配列番号6または配列番号42〜46のいずれかに記載のアミノ酸配列を含むブラシノステロイド生合成関連遺伝子。
【請求項3】
配列表配列番号5または配列番号37〜41のいずれかに記載の塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を含むブラシノステロイド生合成関連遺伝子。
【請求項4】
ブラシノステロイド生合成関連遺伝子がブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)またはブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同(homologous)因子である請求項1〜3のいずれかに記載のブラシノステロイド生合成関連遺伝子。
【請求項5】
請求項4に記載のブラシノステロイド生合成関連遺伝子であるブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチド。
【請求項6】
ブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR2)がブラシノステロイド生合成反応を触媒する酵素遺伝子を制御する調節因子である請求項5に記載のポリヌクレオチド。
【請求項7】
制御される酵素遺伝子がCYP85A1およびCYP85A2である請求項6に記載のポリヌクレオチド。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有するプラスミド。
【請求項9】
請求項5〜7のいずれかに記載のポリヌクレオチドにより形質転換された植物。
【請求項10】
形質転換によって、葉身、葉柄のいずれか1つ以上の形態が変化した請求項9に記載の植物。
【請求項11】
請求項9または10に記載の植物とブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)をコードするポリヌクレオチドによって形質転換された植物とを交配することによって得られる、葉身、葉柄のいずれか1つ以上の形態が変化した植物。
【請求項12】
マメ科またはアブラナ科の植物である請求項9〜11のいずれかに記載の植物。
【請求項13】
請求項5〜7のいずれかに記載のポリヌクレオチドにより植物を形質転換し、該ポリヌクレオチドの発現によって、ブラシノステロイド生合成反応を触媒する酵素遺伝子を制御することにより、該植物の形態を変化させる方法。
【請求項14】
(a)または(b)のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(a)配列表配列番号6のアミノ酸配列。
(b)ブラシノステロイド生合成反応の調節をするタンパク質のアミノ酸配列であって、配列表配列番号6のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列。
【請求項15】
(a)または(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(a)配列表配列番号5の塩基配列。
(b)ブラシノステロイド生合成反応の調節をするタンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列であって、配列表配列番号6のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸配列が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列をコードする塩基配列。
【請求項16】
請求項4に記載のブラシノステロイド生合成関連遺伝子であるブラシノステロイド生合成反応の調節因子(BPR1)の相同因子であって、LjBPR1、GmBPR1−1、GmBPR1−2、OsBPR1またはLeBPR1のいずれかである相同因子。
【請求項17】
ミヤコグサ、ダイズ、イネまたはトマトから選ばれる植物由来である請求項16に記載の相同因子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−301789(P2008−301789A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154194(P2007−154194)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】