説明

ブーツ保型具及びブーツ保型具の製造方法

【課題】ブーツの形状保持機能が向上され、ブーツ内の消臭・殺菌効果を十分果たすことができ、さらには、使用後のブーツ内が汚れるおそれがないブーツ保型具を提供する。
【解決手段】ブーツ保型具5は、中央板部10と、係止片部12と、外形構成部20、40と、片部60と、差込み片部62a、62bとを有し、外形構成部20と外形構成部40とを中央板部10の表側と裏側に配置させて、差込み片部62a、62bを切込み部10b、10cに差し込むことにより、六角柱状に形成される。上面部30、50は、側面部22、42に対して折曲することにより側面部22、42の上面がカバーされる。ブーツ保型具5は、両面段ボールにより形成され、外側の面を構成するライナーには、梅の果実の種子を加熱して炭化したものを粉砕してなる梅種子炭化物が混入されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブーツの形状を保持させるブーツ保型具に関するものであり、特に、紙材により形成されたブーツ保型具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、靴としてのブーツの形状を保持するブーツ保型具が存在する。例えば、特許文献1の靴の形状保持具のように、矩形シートを中折れし、中折れ後の断面形状が略V字状をなすものや、特許文献2のブーツ用保持具のように、ブーツ用保持具の保持本体が楕円形状の円錐筒形状としたものが存在する。
【0003】
また、特許文献2のブーツ用保持具は、保持本体の内側に糊材により炭パウダーをコーティングした紙により形成することにより、ブーツ内の臭い、湿気、カビ、ダニを除去するとしている。
【特許文献1】実用新案登録第3144262号公報
【特許文献2】特開2002−282014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の靴の形状保持具においては、矩形シートを折り曲げて断面形状が略V字状をなすものであるので、ブーツの形状の保持機能が低いという問題があった。同様に、特許文献2に記載のブーツ用保持具においては、厚紙又はボール紙で形成さた保持本体を筒形状にしたものであるので、ブーツの形状の保持機能が十分でないという問題があった。
【0005】
さらに、特許文献2に記載のブーツ用保持具においては、炭パウダーが剥がれない用に、炭パウダーを糊材によりコーティングした面を保持本体の内側にしているが、炭パウダーをコーティングした面が内側となっているので、消臭・殺菌の効果が十分でないという問題があった。
【0006】
また、特許文献2に記載のブーツ用保持具においては、炭パウダーが糊材によりコーティングされているので、炭パウダーをコーティングした面を内側としても、振動等により炭パウダーが脱落するおそれがあり、特許文献2に記載のブーツ用保持具をブーツに使用した後のブーツ内に炭パウダーが残ってしまい、ブーツ内が汚れるおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、ブーツの形状保持機能が向上され、また、ブーツ内の消臭・殺菌効果を十分果たすことができ、さらには、使用後のブーツ内が汚れるおそれがないブーツ保型具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、ブーツにおける足挿入部に差し込んでブーツの形状を保持するブーツ保型具であって、ブーツ保型具が、1枚のシート状で段ボール材で、平板状を呈し、梅の果実の種子を加熱して炭化したものを粉砕してなる梅種子炭化物が混入された紙材からなる第1ライナーと、第1ライナーの一方の面に接着され、紙材を略波形形状に形成してなる中芯と、中芯の第1ライナー側とは反対側の面に接着された平板状の紙材からなる第2ライナーとを有する段ボール材により形成され、板状で縦長の中央板部と、中央板部の一方の側辺から折れ線を介して連設され、展開状態において略四角形状の第1外形構成部で、中央板部と第1外形構成部間の折れ線である第1折れ線の上端から斜め下方に形成された第2折れ線と、第1外形構成部の中央板部とは反対側の辺部の上端から斜め下方に形成された第3折れ線と、第2折れ線の端部と第3折れ線の端部の間に形成された第4折れ線と、第1外形構成部の上辺とで囲まれた略台形形状の第1上面部と、第1上面部よりも下方に設けられた第1側面部とに区画され、該第1側面部は、第2折れ線と第4折れ線の接続位置から下方に伸びた第5折れ線と、第3折れ線と第4折れ線の接続位置から下方に伸びた第6折れ線が形成されることにより、第1折れ線と第2折れ線と第5折れ線と第1外形構成部の下辺とに囲まれた第1側面構成部と、第5折れ線と第4折れ線と第6折れ線と第1外形構成部の下辺とに囲まれた第2側面構成部と、第6折れ線と第3折れ線と第1外形構成部の中央板部とは反対側の辺部と第1外形構成部の下辺とに囲まれた第3側面構成部とを有し、該第1上面部は、第2折れ線と第4折れ線の接続位置から上方に形成された第7折れ線と第3折れ線と第4折れ線の接続位置から上方に形成された第8折れ線とが形成されることにより、第2折れ線と第7折れ線と第1外形構成部の上辺とに囲まれた第1上面構成部と、第7折れ線と第4折れ線と第8折れ線と第1外形構成部の上辺とに囲まれた第2上面構成部と、第3折れ線と第8折れ線と第1外形構成部の上辺とに囲まれた第3上面構成部とを有する第1外形構成部と、第1外形構成部の中央板部と反対側の辺部から折れ線を介して連設され、展開状態において略四角形状の第2外形構成部で、第1外形構成部と第2外形構成部間の折れ線である第9折れ線の上端から斜め下方に形成された第10折れ線と、第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部の上端から斜め下方に形成された第11折れ線と、第10折れ線の端部と第11折れ線の端部の間に形成された第12折れ線と、第2外形構成部の上辺とで囲まれた略台形形状の第2上面部と、第2上面部よりも下方に設けられた第2側面部とに区画され、該第2側面部は、第10折れ線と第12折れ線の接続位置から下方に伸びた第13折れ線と、第11折れ線と第12折れ線の接続位置から下方に伸びた第14折れ線が形成されることにより、第9折れ線と第10折れ線と第13折れ線と第2外形構成部の下辺とに囲まれた第4側面構成部と、第13折れ線と第12折れ線と第14折れ線と第2外形構成部の下辺とに囲まれた第5側面構成部と、第14折れ線と第11折れ線と第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部と第2外形構成部の下辺とに囲まれた第6側面構成部とを有し、該第2上面部は、第10折れ線と第12折れ線の接続位置から上方に形成された第15折れ線と第11折れ線と第12折れ線の接続位置から上方に形成された第16折れ線とが形成されることにより、第10折れ線と第15折れ線と第2外形構成部の上辺とに囲まれた第4上面構成部と、第15折れ線と第12折れ線と第16折れ線と第2外形構成部の上辺とに囲まれた第5上面構成部と、第11折れ線と第16折れ線と第2外形構成部の上辺とに囲まれた第6上面構成部とを有する第2外形構成部と、第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部から突出して形成された差込み片部と、中央板部と第1外形構成部との境界線に沿って形成され、差込み片部を差し込むための差込み部と、を有し、ブーツ保型具の組立て状態において、第1外形構成部が中央板部の一方の面側に配置され、第2外形構成部が中央板部の他方の面側に配置され、第1ライナーが外側となるように、第1外形構成部と第2外形構成部を中央板部に対して巻回し、差込み片部を差込み部に挿通することにより、第1側面部と第2側面部とにおいて、隣接する側面構成部同士が側面構成部間の折れ線を介して鈍角をなして、第1側面構成部と第2側面構成部と第3側面構成部と第4側面構成部と第5側面構成部と第6側面構成部とで略六角柱状に形成され、第1上面構成部を第1側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第2上面構成部を第1側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第3上面構成部を第3側面構成部に対して中央板部側に折り曲げて、第1上面部を第1側面部に対して中央板部側に折り曲げることにより、第1側面部と中央板部間の上端の空間がカバーされ、第4上面構成部を第4側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第5上面構成部を第5側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第6上面構成部を第6側面構成部に対して中央板部側に折り曲げて、第2上面部を第2側面部に対して中央板部側に折り曲げることにより、第2側面部と中央板部間の上端の空間がカバーされることを特徴とする。
【0009】
第1の構成のブーツ保型具においては、中央板部の周りに第1側面部と第2側面部を設けた構成であり、第1側面部と第2側面部の内側に中央板部が設けられているので、ブーツ保型具を強固な構成とすることができ、これにより、ブーツの形状保持機能を向上させることができる。また、第1上面部と第2上面部とが中央板部に当接した状態となっているので、これにより第1側面部と第2側面部の形状が保持され、この点においても、ブーツ保型具を強固な構成とすることができ、これにより、ブーツの形状保持機能を向上させることができる。
【0010】
また、梅種子炭化物を混入した第1ライナーがブーツ保型具の外側に面しているので、ブーツ内の消臭・抗菌を効果的に行なうことができる。つまり、第1ライナーが外側に面していることから、ブーツの内側の面に近い位置に梅種子炭化物を配置させることができ、消臭・抗菌効果を高く得ることができる。
【0011】
また、梅種子炭化物は第1ライナー内に混入されているので、梅種子炭化物がライナーCから脱落するおそれが小さい。つまり、梅種子炭化物をライナーの表面にコーティングする場合と比べて、梅種子炭化物が脱落するおそれを防止でき、ブーツ保型具を使用した後のブーツ内に梅種子炭化物が残存するおそれを防止することができ、ブーツ保型具を使用後のブーツ内が汚れるおそれがない。
【0012】
また、第2には、上記第1の構成において、中央板部と第1外形構成部と第2外形構成部とが下方に行くほど幅が狭くなるテーパ状を呈することを特徴とする。よって、ブーツ保型具は下方にいくほど細くなるテーパ状となるので、ブーツ内への差込みが容易となる。
【0013】
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部における差込み片部が連設された部分を除く部分から縦長の片部が形成され、ブーツ保型具の組立て状態においては、該片部は、中央板部の上記他方の面に密接することを特徴とする。よって、第2外形構成部の端部においては、差込み片部が差込み部に挿通するとともに、片部が中央板部に密接するので、組立て状態のブーツ保型具をより強固にすることができる。
【0014】
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、中央板部の上辺からは切欠き又は切込みにより形成された係止手段が設けられた係止片部が突出して形成され、一対のブーツ保型具における係止片部の係止手段同士を係止することにより、一対のブーツ保型具を連結できることを特徴とする。よって、一足のブーツ100を容易に立設した状態に保つことができる。
【0015】
また、第5には、上記第1から第4までのいずれかの構成において、梅種子炭化物の粒径が、10〜40μmであることを特徴とする。
【0016】
また、第6には、ブーツ保型具の製造方法であって、古紙等のパルプ化材料をパルプ化するパルプ化工程で、パルプ化材料を調成前の紙繊維の状態にする調成前工程と、調成前工程で得られた紙繊維と、填料と、薬品と、梅の果実の種子を加熱して炭化したものを粉砕してなる梅種子炭化物を混合する調成工程と、を有するパルプ化工程と、パルプ化工程で得られたパルプを製紙して、梅種子炭化物が混入された紙を製造する製紙工程と、を有する紙製造工程と、段ボールを製造する段ボール製造工程で、紙製造工程において製造された紙を段ボールにおけるライナーに用いて段ボールを製造する段ボール製造工程と、段ボール製造工程において製造された段ボールを用いて、板状で縦長の中央板部と、中央板部の一方の側辺から折れ線を介して連設され、展開状態において略四角形状の第1外形構成部で、中央板部と第1外形構成部間の折れ線である第1折れ線の上端から斜め下方に形成された第2折れ線と、第1外形構成部の中央板部とは反対側の辺部の上端から斜め下方に形成された第3折れ線と、第2折れ線の端部と第3折れ線の端部の間に形成された第4折れ線と、第1外形構成部の上辺とで囲まれた略台形形状の第1上面部と、第1上面部よりも下方に設けられた第1側面部とに区画され、該第1側面部は、第2折れ線と第4折れ線の接続位置から下方に伸びた第5折れ線と、第3折れ線と第4折れ線の接続位置から下方に伸びた第6折れ線が形成されることにより、第1折れ線と第2折れ線と第5折れ線と第1外形構成部の下辺とに囲まれた第1側面構成部と、第5折れ線と第4折れ線と第6折れ線と第1外形構成部の下辺とに囲まれた第2側面構成部と、第6折れ線と第3折れ線と第1外形構成部の中央板部とは反対側の辺部と第1外形構成部の下辺とに囲まれた第3側面構成部とを有し、該第1上面部は、第2折れ線と第4折れ線の接続位置から上方に形成された第7折れ線と第3折れ線と第4折れ線の接続位置から上方に形成された第8折れ線とが形成されることにより、第2折れ線と第7折れ線と第1外形構成部の上辺とに囲まれた第1上面構成部と、第7折れ線と第4折れ線と第8折れ線と第1外形構成部の上辺とに囲まれた第2上面構成部と、第3折れ線と第8折れ線と第1外形構成部の上辺とに囲まれた第3上面構成部とを有する第1外形構成部と、第1外形構成部の中央板部と反対側の辺部から折れ線を介して連設され、展開状態において略四角形状の第2外形構成部で、第1外形構成部と第2外形構成部間の折れ線である第9折れ線の上端から斜め下方に形成された第10折れ線と、第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部の上端から斜め下方に形成された第11折れ線と、第10折れ線の端部と第11折れ線の端部の間に形成された第12折れ線と、第2外形構成部の上辺とで囲まれた略台形形状の第2上面部と、第2上面部よりも下方に設けられた第2側面部とに区画され、該第2側面部は、第10折れ線と第12折れ線の接続位置から下方に伸びた第13折れ線と、第11折れ線と第12折れ線の接続位置から下方に伸びた第14折れ線が形成されることにより、第9折れ線と第10折れ線と第13折れ線と第2外形構成部の下辺とに囲まれた第4側面構成部と、第13折れ線と第12折れ線と第14折れ線と第2外形構成部の下辺とに囲まれた第5側面構成部と、第14折れ線と第11折れ線と第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部と第2外形構成部の下辺とに囲まれた第6側面構成部とを有し、該第2上面部は、第10折れ線と第12折れ線の接続位置から上方に形成された第15折れ線と第11折れ線と第12折れ線の接続位置から上方に形成された第16折れ線とが形成されることにより、第10折れ線と第15折れ線と第2外形構成部の上辺とに囲まれた第4上面構成部と、第15折れ線と第12折れ線と第16折れ線と第2外形構成部の上辺とに囲まれた第5上面構成部と、第11折れ線と第16折れ線と第2外形構成部の上辺とに囲まれた第6上面構成部とを有する第2外形構成部と、第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部から突出して形成された差込み片部と、中央板部と第1外形構成部との境界線に沿って形成され、差込み片部を差し込むための差込み部と、を有するシート状のブランクを形成するブーツ保型具用ブランク形成工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
この第6の構成のブーツ保型具の製造方法により製造されたブーツ保型具においては、第1外形構成部が中央板部の一方の面側に配置され、第2外形構成部が中央板部の他方の面側に配置され、第1ライナーが外側となるように、第1外形構成部と第2外形構成部を中央板部に対して巻回し、差込み片部を差込み部に挿通することにより、第1側面部と第2側面部とにおいて、隣接する側面構成部同士が側面構成部間の折れ線を介して鈍角をなして、第1側面構成部と第2側面構成部と第3側面構成部と第4側面構成部と第5側面構成部と第6側面構成部とで略六角柱状に形成し、第1上面構成部を第1側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第2上面構成部を第1側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第3上面構成部を第3側面構成部に対して中央板部側に折り曲げて、第1上面部を第1側面部に対して中央板部側に折り曲げることにより、第1側面部と中央板部間の上端の空間をカバーし、第4上面構成部を第4側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第5上面構成部を第5側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第6上面構成部を第6側面構成部に対して中央板部側に折り曲げて、第2上面部を第2側面部に対して中央板部側に折り曲げることにより、第2側面部と中央板部間の上端の空間をカバーすることにより、ブーツ保型具が組み立てられる。
【0018】
ブーツ保型具においては、中央板部の周りに第1側面部と第2側面部を設けた構成であり、第1側面部と第2側面部の内側に中央板部が設けられているので、ブーツ保型具を強固な構成とすることができ、これにより、ブーツの形状保持機能を向上させることができる。また、第1上面部と第2上面部とが中央板部に当接した状態となっているので、これにより第1側面部と第2側面部の形状が保持され、この点においても、ブーツ保型具を強固な構成とすることができ、これにより、ブーツの形状保持機能を向上させることができる。
【0019】
また、梅種子炭化物を混入した第1ライナーがブーツ保型具の外側に面しているので、ブーツ内の消臭・抗菌を効果的に行なうことができる。つまり、第1ライナーが外側に面していることから、ブーツの内側の面に近い位置に梅種子炭化物を配置させることができ、消臭・抗菌効果を高く得ることができる。
【0020】
また、梅種子炭化物は第1ライナー内に混入されているので、梅種子炭化物がライナーCから脱落するおそれが小さい。つまり、梅種子炭化物をライナーの表面にコーティングする場合と比べて、梅種子炭化物が脱落するおそれを防止でき、ブーツ保型具を使用した後のブーツ内に梅種子炭化物が残存するおそれを防止することができ、ブーツ保型具を使用後のブーツ内が汚れるおそれがない。
【0021】
また、パルプ化工程における調整工程において、梅種子炭化物を混合するので、梅種子炭化物が混入された紙材を容易に製造することができる。
【0022】
また、第7には、上記第6の構成において、ブーツ保型具用ブランク形成工程において形成されたブーツ保型具用ブランクに対して、第1外形構成部が中央板部の一方の面側に配置され、第2外形構成部が中央板部の他方の面側に配置され、第1ライナーが外側となるように、第1外形構成部と第2外形構成部を中央板部に対して巻回し、差込み片部を差込み部に挿通することにより、第1側面部と第2側面部とにおいて、隣接する側面構成部同士が側面構成部間の折れ線を介して鈍角をなして、第1側面構成部と第2側面構成部と第3側面構成部と第4側面構成部と第5側面構成部と第6側面構成部とで略六角柱状に形成し、第1上面構成部を第1側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第2上面構成部を第1側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第3上面構成部を第3側面構成部に対して中央板部側に折り曲げて、第1上面部を第1側面部に対して中央板部側に折り曲げることにより、第1側面部と中央板部間の上端の空間をカバーし、第4上面構成部を第4側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第5上面構成部を第5側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第6上面構成部を第6側面構成部に対して中央板部側に折り曲げて、第2上面部を第2側面部に対して中央板部側に折り曲げることにより、第2側面部と中央板部間の上端の空間をカバーする組立て工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明に基づくブーツ保型具及びブーツ保型具の製造方法により製造されたブーツ保型具によれば、中央板部の周りに第1側面部と第2側面部を設けた構成であり、第1側面部と第2側面部の内側に中央板部が設けられているので、ブーツ保型具を強固な構成とすることができ、これにより、ブーツの形状保持機能を向上させることができる。また、第1上面部と第2上面部とが中央板部に当接した状態となっているので、これにより第1側面部と第2側面部の形状が保持され、この点においても、ブーツ保型具を強固な構成とすることができ、これにより、ブーツの形状保持機能を向上させることができる。
【0024】
また、梅種子炭化物を混入した第1ライナーがブーツ保型具の外側に面しているので、ブーツ内の消臭・抗菌を効果的に行なうことができる。つまり、第1ライナーが外側に面していることから、ブーツの内側の面に近い位置に梅種子炭化物を配置させることができ、消臭・抗菌効果を高く得ることができる。
【0025】
また、梅種子炭化物は第1ライナー内に混入されているので、梅種子炭化物がライナーCから脱落するおそれが小さい。つまり、梅種子炭化物をライナーの表面にコーティングする場合と比べて、梅種子炭化物が脱落するおそれを防止でき、ブーツ保型具を使用した後のブーツ内に梅種子炭化物が残存するおそれを防止することができ、ブーツ保型具を使用後のブーツ内が汚れるおそれがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明においては、ブーツの形状保持機能が十分であり、さらに、ブーツ内の消臭・殺菌効果が十分であるブーツ保型具を提供するという目的を以下のようにして実現した。
【0027】
本発明に基づくブーツ保型具5は、図1〜図10に示されるように構成され、テーパ状の中央板部10と、中央板部10の上端から連設された係止片部12と、中央板部10の側方の辺部である折れ線(第1折れ線)10aから連設され、中央板部10の一方の面に設けられた外形構成部(第1外形構成部)20と、外形構成部20における中央板部10とは反対側の辺部である折れ線(第9折れ線)22cから連設され、中央板部10の他方の面に設けられた外形構成部(第2外形構成部)40と、外形構成部40における外形構成部20とは反対側の辺部である折れ線42cから連設され、中央板部10の他方の面に圧接する片部60と、該折れ線42cから連設され、中央板部10と外形構成部20の境界線に沿って形成された切込み部10b、10cに差し込まれた差込み片部62a、62bとを有し、全体に下方にいくほど細くなる六角形状を呈している。ブーツ保型具5は、図9に示すように、1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール)により形成されている。なお、図面において、Y1−Y2方向は、X1−X2方向に直角な方向であり、Z1−Z2方向は、X1−X2方向及びY1−Y2方向に直角な方向である。
【0028】
ここで、ブーツ保型具5を構成するブランクは、図10に示すように、平板板状の板紙からなるライナー(第1ライナー)Aと、ライナーAの一方の面に接着され、紙(シート状部材)を略波状に形成してなる略波形形状の中芯Bと、中芯BのライナーA側とは反対側に接着され、梅の果実の種子を炭化して粉砕したもの(以下「梅種子炭化物」とする)が混入された平板状の板紙からなるライナー(第2ライナー)Cとを有するいわゆる両面段ボールである。ブーツ保型具5においては、ライナーCがブーツ保型具5の内側の面に露出して設けられている。ライナーCには梅種子炭化物Tが混入されているので、ライナーCは茶系の色を呈している。また、ライナーC全体の重量に対して10〜20重量%の梅種子炭化物が混入されている。該梅種子炭化物の量を紙材全体の重量に対して10%以上とするので、抗菌・消臭機能を十分得ることができ、また、20%以下とするので、紙の機能に支障を来すことがない。ライナーCの具体的な製造工程については後述する。なお、図9に示す展開図においては、ライナーC側が表れているものとして記載されている。
【0029】
ここで、ブーツ保型具5の構成を主として展開図である図9を使用して説明すると、中央板部10は、略台形形状を呈し、上端から下端にいくに従い幅狭となるテーパ状を呈している。中央板部10の上側領域には、円形の開口部10−1が形成されている。
【0030】
また、係止片部12は、中央板部10の上辺から折れ線を介して連設され、中央板部10の上辺から連設された略方形状の本体部14と、本体部14の中央板部10とは反対側の辺部から連設された略方形状の突出片部16とを有し、係止片部12における一方の側部においては、本体部14の辺部と突出片部16の辺部とが直線状をなし、他方の側部においては、突出片部16の辺部が本体部14の辺部よりも該一方の側部側にあって、本体部14と突出片部16間には、差込み用の切欠き18が形成されている。なお、切欠き18は、切込みであってもよい。
【0031】
また、外形構成部20は、中央板部10から折れ線10aを介して連設され、全体に台形形状(具体的には、等脚台形)を呈し、下端側が上端側よりも幅狭となっている。
【0032】
ここで、外形構成部20は、側面部(第1側面部)22と、上面部(第1上面部)30とを有していて、外形構成部20における上端の台形形状の領域が上面部30を構成し、上面部30以外の領域が側面部22を構成する。
【0033】
すなわち、外形構成部20の上端領域には、中央板部10と外形構成部20の境界線の上端から斜め下方に直線状に形成された折れ線(第2折れ線)30aと、折れ線30aの端部から外形構成部20の上辺に平行に形成された折れ線(第4折れ線)30bと、折れ線30bの他方の端部と外形構成部20と外形構成部40の境界線の上端とを結ぶ折れ線(第3折れ線)30cとが形成され、外形構成部20の上辺と折れ線30a、30b、30cにより囲まれた領域が上面部30を構成する。
【0034】
また、側面部22は、中央板部10から折れ線10aを介して形成された側面構成部(第1側面構成部)24と、側面構成部24の折れ線10aとは反対側の辺部である折れ線(第5折れ線)22aを介して側面構成部24から連設された側面構成部(第2側面構成部)26と、側面構成部26の折れ線22aとは反対側の辺部である折れ線(第6折れ線)22bを介して側面構成部26から連設された側面構成部(第3側面構成部)28とを有し、側面構成部24、26、28ともに下方にいくほど幅狭のテーパ状を呈している。なお、折れ線22aの上端は、折れ線30aと折れ線30bの接続位置に繋がっており、また、折れ線22bの上端は、折れ線30bと折れ線30cの接続位置に繋がっている。
【0035】
なお、中央板部10と外形構成部20の境界位置には、切込み部10bと切込み部10cとが形成されている。つまり、折れ線10aに沿って略コ字状の切込み部10bと切込み部10cとが設けられ、切込み部10bは上側に設けられ、切込み部10cは下側に設けられている。切込み部10bの切込み本体10b−1は折れ線10aと平行に折れ線10aよりもやや中央板部10側に設けられ、切込み本体10b−1の両端から伸びた切込み端部10b−2、10b−3は、折れ線10aを超えて側面構成部24にまで入り込んで形成されている。また、切込み本体10b−1の中央板部10側には帯状の切欠部10dが形成されている。同様に、切込み部10cの切込み本体10c−1は折れ線10aと平行に折れ線10aよりもやや中央板部10側に設けられ、切込み本体10c−1の両端から伸びた切込み端部10c−2、10c−3は、折れ線10aを超えて側面構成部24にまで入り込んで形成されている。また、切込み本体10c−1の中央板部10側には帯状の切欠部10eが形成されている。切込み部10bと切欠部10dとで上記「中央板部と第1外形構成部との境界線に沿って形成され、差込み片部を差し込むための差込み部」が形成され、同様に、切込み部10cと切欠部10eとで上記「中央板部と第1外形構成部との境界線に沿って形成され、差込み片部を差し込むための差込み部」が形成される。
【0036】
また、上面部30は、側面構成部24の上辺である折れ線30aを介して側面構成部24から連設された上面構成部(第1上面構成部)32と、側面構成部26の上辺である折れ線30bを介して側面構成部26から連設された上面構成部(第2上面構成部)34と、側面構成部28の上辺である折れ線30cを介して側面構成部28から連設された上面構成部(第3上面構成部)36とを有し、上面構成部32と上面構成部34とは折れ線(第7折れ線)30dを介して連設され、上面構成部34と上面構成部36とは折れ線(第8折れ線)30eを介して連設されている。折れ線30dと折れ線30e間の長さは、外形構成部20の上辺側にいくほど短くなるようにテーパ状を呈している。
【0037】
また、外形構成部40は、外形構成部20と同様の構成である。すなわち、外形構成部40は、外形構成部20の中央板部10とは反対側の辺部である折れ線22cを介して外形構成部20から連設され、全体に台形形状(具体的には、等脚台形)を呈し、下端側が上端側よりも幅狭となっている。
【0038】
ここで、外形構成部40は、側面部42と、上面部50とを有していて、外形構成部40における上端の台形形状の領域が上面部50を構成し、上面部50以外の領域が側面部42を構成する。
【0039】
すなわち、外形構成部40の上端領域には、外形構成部20と外形構成部40の境界線の上端から斜め下方に直線状に形成された折れ線(第10折れ線)50aと、折れ線50aの端部から外形構成部40の上辺に平行に形成された折れ線(第12折れ線)50bと、折れ線50bの他方の端部と外形構成部40と片部60の境界線の上端とを結ぶ折れ線(第11折れ線)50cとが形成され、外形構成部40の上辺と折れ線50a、50b、50cにより囲まれた領域が上面部50を構成する。
【0040】
また、側面部42は、外形構成部20から折れ線22cを介して形成された側面構成部(第4側面構成部)44と、側面構成部44の折れ線22aとは反対側の辺部である折れ線(第13折れ線)42aを介して側面部構成部44から連設された側面構成部(第5側面構成部)46と、側面構成部46の折れ線42aとは反対側の辺部である折れ線(第14折れ線)42bを介して側面構成部46から連設された側面構成部(第6側面構成部)48とを有し、側面構成部44、46、48ともに下方にいくほど幅狭のテーパ状を呈している。なお、折れ線42aの上端は、折れ線50aと折れ線50bの接続位置に繋がっており、また、折れ線42bの上端は、折れ線50bと折れ線50cの接続位置に繋がっている。
【0041】
また、上面部50は、側面構成部44の上辺である折れ線50aを介して側面構成部44から連設された上面構成部(第4上面構成部)52と、側面構成部46の上辺である折れ線50bを介して側面構成部46から連設された上面構成部(第5上面構成部)54と、側面構成部48の上辺である折れ線50cを介して側面構成部48から連設された上面構成部(第6上面構成部)56とを有し、上面構成部52と上面構成部54とは折れ線(第15折れ線)50dを介して連設され、上面構成部54と上面構成部56とは折れ線(第16折れ線)50eを介して連設されている。折れ線50dと折れ線50e間の長さは、外形構成部40の上辺側にいくほど短くなるようにテーパ状を呈している。
【0042】
また、片部60は、外形構成部40の外形構成部20とは反対側の辺部である折れ線42cを介して外形構成部40から連設され、該折れ線42cに沿って略台形形状(略帯状としてもよい)に形成されている。なお、厳密には、片部60は、略台形形状から差込み片部62a、62bの領域を除いた形状となっている。
【0043】
また、差込み片部62a、62bは、折れ線42cから連設され、略方形状を呈している。つまり、差込み片部62aは、側面構成部48の折れ線42cの上側の位置から折れ線42cを介して連設され、また、差込み片部62bは、側面構成部48の折れ線42cの下側の位置から折れ線42cを介して連設されている。
【0044】
上記の片部60と差込み片部62a、62bとは、片部60と差込み片部62a、62bを構成する略台形形状の部材に折れ線42c上に端部を有する略コ字状の切込み60a、60bを形成することにより形成されている。
【0045】
ブーツ保型具5の組立て状態においては、外形構成部20が中央板部10の背面側(X2側)に配置され、外形構成部40が中央板部10の正面側(X1側)に配置され、片部60は、中央板部10の正面側に密接していて、差込み片部62aは、切込み部10bに差し込まれ、差込み片部62bは、切込み部10cに差し込まれている。また、中央板部10における外形構成部20が連設された側とは反対側の端部は、外形構成部20と外形構成部40の境界位置に当接している。
【0046】
また、上面部30は、側面部22に対して折曲した状態となっていて、これにより、側面部22と中央板部10間の上方の空間がカバーされ、上面部30の先端は、中央板部10の背面側の面に当接している。同様に、上面部50は、側面部42に対して折曲した状態となっていて、これにより、側面部42と中央板部10間の上方の空間がカバーされ、上面部50の先端は、中央板部10の正面側の面に当接している。
【0047】
また、側面部22においては、隣接する側面構成部が鈍角をなし(つまり、側面構成部24と側面構成部26とが鈍角をなし、側面構成部26と側面構成部28とが鈍角をなす)、側面部42においては、隣接する側面構成部が鈍角をなし(つまり、側面構成部44と側面構成部46とが鈍角をなし、側面構成部46と側面構成部48とが鈍角をなす)、6つの側面構成部により下方にいくほど細くなる六角柱状に形成されている。
【0048】
また、ブーツ保型具5を組み立てた状態においては、側面部22、42、上面部30、50の外側の面は、ライナーCが設けられた面となっている。
【0049】
上記構成の紙製容器5の製造方法について説明する。全体の製造工程の流れとしては、図11に示すように、ブーツ保型具5を構成する段ボール材に使用する紙を製造し(S11、紙製造工程)、製造された紙により段ボール材を製造し(S12、段ボール製造工程)、製造された段ボール材を型抜きし(S13、型抜き工程)、型抜きした段ボール材を組み立てる(S14、組立て工程)。
【0050】
ここで、紙製造工程においては、ライナーAに使用する紙や、中芯Bに使用する紙は、従来と同様の方法で製造する。
【0051】
また、梅種子炭化物が混入されたライナーCの製造工程は、図12に示すように構成され、パルプ化工程(「パルプ製造工程」としてもよい)(S21)と製紙工程(S22)により構成され、パルプ化工程は、図13に示す各工程により構成される。
【0052】
すなわち、まず、古紙処理工程(S31)において、パルプ化材料としての古紙がパルパーに投入されて、古紙に付着していたインキ等の付着物や紙の繊維同士が離解され、その後、スクリーンによってゴミや塵が除去され、その後、デッカマシンに投入されて、古紙に含まれている合成糊料や界面活性剤等の薬剤を除去する。
【0053】
その後、古紙は、離解工程(S32)において、再びパルパーに投入されて付着物や紙の繊維同士が離解され、さらに、セブンファイナーやトップファイナーによりパルパーで離解されなかった繊維を離解する。
【0054】
その後、紙の繊維ごとに離解された古紙は、叩解工程(S33)において、リファイナーに投入され、紙の繊維を叩いたり潰したりして繊維同士を絡みやすくする。なお、上記古紙処理工程(S31)から叩解工程(S33)までの工程が「パルプ化材料を調成前の紙繊維の状態にする調成前工程」に当たる。
【0055】
その後、調成工程(S34)において、叩解された古紙(つまり、調成前の紙繊維(パルプ))と、填料と、染顔料と、薬品と、梅種子炭化物とをミキサーに投入して混合する。この場合の梅種子炭化物は、梅の果実の種子を加熱して炭化したものをパウダー状に粉砕したもの(粒径:10〜40μm(好適には、20〜30μm)であり、例えば、梅干しから果肉を除いた後の種子を加熱して炭化したものを粉砕したものを用いる。梅種子炭化物の量としては、叩解された古紙(つまり、紙繊維)の重量に対して10〜20%の重量とする。例えば、叩解された古紙100kgに対して10〜20kgの梅種子炭化物を投入する。なお、梅種子炭化物の量を紙繊維の重量の20%よりも多くすると、紙としての機能(例えば、紙の強度等)が十分でなく、また、10%よりも少なくすると、抗菌・消臭効果が十分でないので、上記のように10〜20%とするのが好適である。
【0056】
また、填料としては、天然又は合成白色顔料(例えば、白土(クレー、粘土)、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン)が挙げられ、紙の白色度・不透明度・地合・表面の平滑性を向上させ、印刷時のインキ抜けなどを防ぐために投入される。また、薬品としては、紙の強度を高める薬品として、デンプンやPAM(ポリアクリルアミド)が挙げられ、水に濡れたときの強度(湿潤紙力)を高める薬品として、湿潤紙力剤が挙げられる。
【0057】
以上のようにして、古紙処理工程と離解工程と叩解工程と調成工程とを経て、パルプが製造される。上記のパルプ化工程においては、従来のパルプ化工程と比べて、調成工程において梅種子炭化物を混入する点が異なるといえる。
【0058】
なお、上記のパルプ化工程においては、デッカマシンによる処理は省略してもよく、離解工程や叩解工程を省略してもよく、また、フローテーターにより泡にインキを吸着させる工程を設けてもよい。つまり、例えば、パルパー、フローテーター、スクリーン、調成の順にパルプ化を行ってもよい。
【0059】
また、上記は古紙からパルプ化する再生パルプの場合であるが、パルプ化材料としての木材片(チップ)から薬品を使って取り出した繊維を調成してパルプ化する化学パルプや、パルプ化材料としての木材片(チップ)をリファイナーですりつぶし、その後スクリーンで塵を取り漂白することにより得た繊維を調成してパルプ化する機械パルプによりパルプ化を行ってもよい。その場合にも、パルプ化工程の最後における調成工程において、得られた繊維と染料や顔料とを混合するとともに、上記調成の際に、梅種子炭化物を混合する。
【0060】
上記のようにパルプが製造されたら、製紙工程(「抄造工程」又は「抄紙工程」としてもよい)(S22)に移行し、製紙(「抄造」又は「抄紙」としてもよい)が行われる。この製紙工程は、従来の工程と同様の工程で行われる。すなわち、この製紙工程においては、ワイヤーパート、プレスパート、ドライパート、サイズプレス、カレンダーの順に処理が行われる。つまり、ワイヤーパートでは、網の上で繊維を絡み合わせながら水を切り紙層を形成し、プレスパートでは、紙層をフェルトの上に乗せて2本のロールの間を通して脱水し、ドライパートでは、蒸気で加熱した鉄製のドライヤーに紙を押しつけて乾燥させ、サイズプレスでは、紙の表面に薬品を塗布して印刷に適した紙にし、カレンダーでは、鉄製のロールの間に紙を通して紙の厚さの調成や紙の表面を滑らかにする。その後は、リールによる巻き取りを行い、ワインダーやカッターで断裁を行なう。上記ライナーCは板紙であるので、上記ワイヤーパートにおいては、紙層を多層に形成する。以上のようにして、ライナーC用の紙が製造される。製造されたライナーC用の紙においては、梅種子炭化物により全体が薄い茶色となっている。また、ライナーCにおいては、混入された多数の梅種子炭化物における少なくとも一部はライナーCの表面から露出した状態となっている。
【0061】
なお、カレンダーの前でドライパートの後に紙の表面を顔料等で塗工する塗工工程を設けてもよく、また、サイズプレスとカレンダーとの間にさらにドライパートを設けてもよい。また、リールで巻き取りを行なう前に、ペーパーマスターによる調湿工程を設けてもよい。
【0062】
なお、ライナーA用の紙や、中芯B用の紙も上記と同様の工程で製造するが、ライナーA用の紙の場合には、梅種子炭化物は混入されていないので、上記調成工程においては、梅種子炭化物は混入されない。また、中芯B用の紙の場合にも、上記調成工程においては梅種子炭化物は混入されず、また、中芯用の紙は薄く形成するので、上記ワイヤーパートにおいては、紙層は1層(単層)に形成される。
【0063】
上記のように、ライナーA用の紙と、中芯B用の紙と、ライナーC用の紙とを製造したら、それらの紙を使用して段ボール材を製造する(S12)。
【0064】
段ボール材の製造に際しては、従来と同様の方法により製造し、具体的には、コルゲータ(コルゲートマシン)により製造される。このコルゲータは通常のコルゲータと同様の構成であり、ライナーA用の紙を繰り出す手段と、中芯B用の紙を繰り出す手段と、ライナーC用の紙を繰り出す手段と、それぞれの紙を予熱する予熱ロールと、予熱された中芯B用の紙からコルゲート状の中芯を連続的に形成するための一組の歯形ロールと、形成された中芯の一方の面の頂部に接着剤を塗布する第1接着剤塗布手段と、接着剤が塗布された中芯BとライナーA用の紙とを歯形ロールの一方の上で連続的に貼り合わせて「シングルフェーサー」とよばれる片面ダンボール紙を形成するための圧着ロールを有する第1貼り合わせ手段と、形成された片面ダンボール紙の他方の面の頂部に接着剤を塗布する第2接着剤塗布手段と、接着剤を塗布された片面ダンボール紙とライナーC用の紙とを貼り合わせて「ダブルバッカー」とよばれる両面ダンボール紙を形成するとともに、接着剤を乾燥させ、走行の間に貼り付けを完了するように配置された第2貼り合わせ手段で、熱盤と多数の小さな圧着ロールを有する第2貼り合わせ手段などを有する。
【0065】
上記の構成のコルゲータによりライナーAと中芯BとライナーCとからなる段ボール材を製造する。
【0066】
段ボール材を製造したら、トムソン等の型抜き装置により図9に示す展開状態に段ボールの型抜きを行う(S13、型抜き工程)。なお、折れ線の箇所には、罫線を形成しておく。この型抜き工程がブーツ保型具用ブランク形成工程に当たる。
【0067】
段ボールの型抜きを行ったら、段ボールをブーツ保型具5の形状に組み立てる(S14、組立て工程)。
【0068】
組立てに当たっては、中央板部10におけるライナーCを正面側に向けた状態で、外形構成部20を中央板部10に対して中央板部10の背面側に折り曲げ、折れ線22a、22bに沿って側面部22を折り曲げて、該側面部22を中央板部10の背面側に位置させる(図14参照)。その後、外形構成部40を外形構成部20に対して折り曲げ、外形構成部40を中央板部10の正面側に位置させ、折れ線42a、42bに沿って側面部42を折り曲げる。つまり、中央板部10と外形構成部20と外形構成部40とは、上方から視認した場合に、左回りに巻回した状態となっている。
【0069】
その後、片部60を外形構成部40に対して内側に折り曲げて、片部60のライナーC側の面を中央板部10の正面側の面に接触した状態として、差込み片部62aを切込み部10bに差し込み、差込み片部62bを切込み部10cに差し込む。これにより、図15に示す態様となる。
【0070】
その後、上面部30を側面部22に対して内側に折曲して、側面部22と中央板部10間の上方の空間をカバーし、また、上面部50を側面部42に対して内側に折曲して、側面部42と中央板部10間の上方の空間をカバーする。以上のようにして、ブーツ保型具5を組み立てる。以上のようにして、紙製造工程(S11)と段ボール製造工程(S12)と型抜き工程(S13)と組立て工程(S14)を経てブーツ保型具5が製造される。
【0071】
なお、紙繊維の重量に対して10〜20%の重量の梅種子炭化物を混合するので、ブーツ保型具5を構成するライナーCにおいては、ライナーC全体の重量に対して9〜18重量%の梅種子炭化物が混入されていることになる。
【0072】
なお、上記型抜き工程(S13)において、切欠部10d内の片部や切欠部10e内の片部を残した状態にしておき、組立て工程(S14)において、それらの片部を除去した後に組み立てるようにしてもよい。
【0073】
次に、ブーツ保型具5の使用状態について説明する。ブーツ保型具5を使用する際には、図16に示すように、ブーツ100における足挿入部110に差し込んで使用する。すなわち、ブーツ100は、くるぶしよりも下の部分であるフット部102と、くるぶしよりも上の部分であるシャフト部104から構成され、それぞれの内側の空間が足挿入部110となるが、シャフト部104の上方からブーツ保型具5の足挿入部110内に差し込んで使用する。これにより、ブーツの形状保持、しわ伸ばしやブーツの倒れ防止を行なうことができる。なお、一足のブーツ100におけるそれぞれにブーツ保型具5を差し込んで、一対のブーツ保型具5の係止片部12をその切欠き18同士を係合させて連結させることにより一足のブーツ100を容易に立設した状態に保つことができる。
【0074】
なお、ブーツ保型具5は、上記のように1枚のブランクにより形成され、上記のように容易に組み立てることができるので、ブーツ保型具5の保管時や運搬時には、図9に示すような展開状態にしておき、ブーツ保型具5を使用する際に、組み立てるようにすればよい。
【0075】
上記構成のブーツ保型具5においては、中央板部10の周りに側面部22、42を設けた構成であり、側面部22、42の内側に中央板部10が設けられているので、ブーツ保型具5を強固な構成とすることができ、これにより、ブーツの形状保持機能を向上させることができる。また、上面部30、50が中央板部10に当接した状態となっているので、これにより側面部22、42の形状が保持され、この点においても、ブーツ保型具5を強固な構成とすることができ、これにより、ブーツの形状保持機能を向上させることができる。
【0076】
また、ブーツ保型具5の組立て状態においては、該片部60が中央板部10の正面側の面に密接するので、外形構成部40の端部においては、差込み片部62a、62bが切込み部10b、10cに挿通するとともに、片部60が中央板部10に密接するので、組立て状態のブーツ保型具5をより強固にすることができる。
【0077】
また、梅種子炭化物を混入したライナーCがブーツ保型具5の外側に面しており、また、混入された多数の梅種子炭化物における少なくとも一部はライナーCの表面から露出した状態となっているいるので、ブーツ内の消臭・抗菌を効果的に行なうことができる。つまり、ライナーCが外側に面していることから、ブーツの内側の面に近い位置に梅種子炭化物を配置させることができ、消臭・抗菌効果を高く得ることができる。特に、ブーツ内部ではブーツ内の空気は対流しないので、ブーツの内側の面に近い位置に梅種子炭化物を配置するのは効果的である。
【0078】
また、梅種子炭化物はライナーC内に混入されているので、梅種子炭化物がライナーCから脱落するおそれが小さい。つまり、梅種子炭化物をライナーCの表面にコーティングする場合と比べて、梅種子炭化物が脱落するおそれを防止でき、ブーツ保型具5を使用した後のブーツ内に梅種子炭化物が残存するおそれを防止することができ、ブーツ保型具5を使用後のブーツ内が汚れるおそれがない。
【0079】
また、ブーツ保型具5の製造に際して、ライナーC用の紙の製造段階におけるパルプ化工程の調成工程において、梅種子炭化物を投入するので、紙材の表面に梅種子炭化物を塗布する工程が必要ない。
【0080】
また、パルプの調成に際して、梅種子炭化物を混合するので、その分、紙パルプ資源を節約でき、製造コストを低減することができ、例えば、紙繊維の重量に対して10〜20%の重量の梅種子炭化物を混合させることにより、その分の紙繊維を節約することができる。また、梅種子炭化物を有効活用することができる。
【0081】
また、ブーツ保型具5においては、中央板部10と外形構成部20と外形構成部40とが下方にいくほど幅狭となるテーパ状に形成されているので、ブーツ保型具5は下方にいくほど細くなるテーパ状となるので、ブーツ内への差込みが容易となる。
【0082】
また、上記の説明においては、ブーツ保型具5の外側のライナーCに梅種子炭化物を混入したライナーを用いるものとして説明したが、内側のライナーAもライナーCと同様に梅種子炭化物が混入されたライナーとしてもよい。
【0083】
また、上記の説明では、ブーツ保型具5を構成するブランクは、ライナーAと中芯BとライナーCとからなる両面段ボールにより構成されるものとしたが、ライナーAの構成を省略して、片面段ボールとしてもよい。
【0084】
また、上記の説明では、梅種子炭化物が混入された紙を用いて段ボールを製造し、その段ボールを用いてブーツ保型具5を製造するものとして説明したが、段ボールを製造することなく、梅種子炭化物が混入された紙を用いて紙製容器を製造してもよい。例えば、梅種子炭化物が混入された板紙(厚紙)を製造し、該板紙によりブーツ保型具5を製造してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の前方斜視図である。
【図2】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の後方斜視図である。
【図3】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の正面図である。
【図4】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の背面図である。
【図5】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の平面図である。
【図6】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の底面図である。
【図7】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の右側面図である。
【図8】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の左側面図である。
【図9】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の展開図である。
【図10】本発明の実施例に基づくブーツ保型具を構成するブランクの断面図である。
【図11】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の製造工程を示すフローチャートだえる。
【図12】紙製造工程における工程を示すフローチャートである。
【図13】パルプ化工程における工程を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の組立て方法を示す斜視図である。
【図15】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の組立て方法を示す斜視図である。
【図16】本発明の実施例に基づくブーツ保型具の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0086】
5 ブーツ保型具
10 中央板部
10a、22a、22b、22c、30a、30b、30c、30d、30e、42a、42b、42c、50a、50b、50c、50d、50e 折れ線
12 係止片部
14 本体部
16 突出片部
18 切欠き
20、40 外形構成部
22、42 側面部
24、26、28、44、46、48 側面構成部
30、50 上面部
32、34、36、52、54、56 上面構成部
60 片部
62a、62b 差込み片部
100 ブーツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブーツにおける足挿入部に差し込んでブーツの形状を保持するブーツ保型具であって、
ブーツ保型具が、1枚のシート状で段ボール材で、平板状を呈し、梅の果実の種子を加熱して炭化したものを粉砕してなる梅種子炭化物が混入された紙材からなる第1ライナーと、第1ライナーの一方の面に接着され、紙材を略波形形状に形成してなる中芯と、中芯の第1ライナー側とは反対側の面に接着された平板状の紙材からなる第2ライナーとを有する段ボール材により形成され、
板状で縦長の中央板部と、
中央板部の一方の側辺から折れ線を介して連設され、展開状態において略四角形状の第1外形構成部で、中央板部と第1外形構成部間の折れ線である第1折れ線の上端から斜め下方に形成された第2折れ線と、第1外形構成部の中央板部とは反対側の辺部の上端から斜め下方に形成された第3折れ線と、第2折れ線の端部と第3折れ線の端部の間に形成された第4折れ線と、第1外形構成部の上辺とで囲まれた略台形形状の第1上面部と、第1上面部よりも下方に設けられた第1側面部とに区画され、該第1側面部は、第2折れ線と第4折れ線の接続位置から下方に伸びた第5折れ線と、第3折れ線と第4折れ線の接続位置から下方に伸びた第6折れ線が形成されることにより、第1折れ線と第2折れ線と第5折れ線と第1外形構成部の下辺とに囲まれた第1側面構成部と、第5折れ線と第4折れ線と第6折れ線と第1外形構成部の下辺とに囲まれた第2側面構成部と、第6折れ線と第3折れ線と第1外形構成部の中央板部とは反対側の辺部と第1外形構成部の下辺とに囲まれた第3側面構成部とを有し、該第1上面部は、第2折れ線と第4折れ線の接続位置から上方に形成された第7折れ線と第3折れ線と第4折れ線の接続位置から上方に形成された第8折れ線とが形成されることにより、第2折れ線と第7折れ線と第1外形構成部の上辺とに囲まれた第1上面構成部と、第7折れ線と第4折れ線と第8折れ線と第1外形構成部の上辺とに囲まれた第2上面構成部と、第3折れ線と第8折れ線と第1外形構成部の上辺とに囲まれた第3上面構成部とを有する第1外形構成部と、
第1外形構成部の中央板部と反対側の辺部から折れ線を介して連設され、展開状態において略四角形状の第2外形構成部で、第1外形構成部と第2外形構成部間の折れ線である第9折れ線の上端から斜め下方に形成された第10折れ線と、第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部の上端から斜め下方に形成された第11折れ線と、第10折れ線の端部と第11折れ線の端部の間に形成された第12折れ線と、第2外形構成部の上辺とで囲まれた略台形形状の第2上面部と、第2上面部よりも下方に設けられた第2側面部とに区画され、該第2側面部は、第10折れ線と第12折れ線の接続位置から下方に伸びた第13折れ線と、第11折れ線と第12折れ線の接続位置から下方に伸びた第14折れ線が形成されることにより、第9折れ線と第10折れ線と第13折れ線と第2外形構成部の下辺とに囲まれた第4側面構成部と、第13折れ線と第12折れ線と第14折れ線と第2外形構成部の下辺とに囲まれた第5側面構成部と、第14折れ線と第11折れ線と第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部と第2外形構成部の下辺とに囲まれた第6側面構成部とを有し、該第2上面部は、第10折れ線と第12折れ線の接続位置から上方に形成された第15折れ線と第11折れ線と第12折れ線の接続位置から上方に形成された第16折れ線とが形成されることにより、第10折れ線と第15折れ線と第2外形構成部の上辺とに囲まれた第4上面構成部と、第15折れ線と第12折れ線と第16折れ線と第2外形構成部の上辺とに囲まれた第5上面構成部と、第11折れ線と第16折れ線と第2外形構成部の上辺とに囲まれた第6上面構成部とを有する第2外形構成部と、
第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部から突出して形成された差込み片部と、
中央板部と第1外形構成部との境界線に沿って形成され、差込み片部を差し込むための差込み部と、
を有し、
ブーツ保型具の組立て状態において、第1外形構成部が中央板部の一方の面側に配置され、第2外形構成部が中央板部の他方の面側に配置され、第1ライナーが外側となるように、第1外形構成部と第2外形構成部を中央板部に対して巻回し、差込み片部を差込み部に挿通することにより、第1側面部と第2側面部とにおいて、隣接する側面構成部同士が側面構成部間の折れ線を介して鈍角をなして、第1側面構成部と第2側面構成部と第3側面構成部と第4側面構成部と第5側面構成部と第6側面構成部とで略六角柱状に形成され、
第1上面構成部を第1側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第2上面構成部を第1側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第3上面構成部を第3側面構成部に対して中央板部側に折り曲げて、第1上面部を第1側面部に対して中央板部側に折り曲げることにより、第1側面部と中央板部間の上端の空間がカバーされ、第4上面構成部を第4側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第5上面構成部を第5側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第6上面構成部を第6側面構成部に対して中央板部側に折り曲げて、第2上面部を第2側面部に対して中央板部側に折り曲げることにより、第2側面部と中央板部間の上端の空間がカバーされることを特徴とするブーツ保型具。
【請求項2】
中央板部と第1外形構成部と第2外形構成部とが下方に行くほど幅が狭くなるテーパ状を呈することを特徴とする請求項1に記載のブーツ保型具。
【請求項3】
第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部における差込み片部が連設された部分を除く部分から縦長の片部が形成され、ブーツ保型具の組立て状態においては、該片部は、中央板部の上記他方の面に密接することを特徴とする請求項1又は2に記載のブーツ保型具。
【請求項4】
中央板部の上辺からは切欠き又は切込みにより形成された係止手段が設けられた係止片部が突出して形成され、一対のブーツ保型具における係止片部の係止手段同士を係止することにより、一対のブーツ保型具を連結できることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のブーツ保型具。
【請求項5】
梅種子炭化物の粒径が、10〜40μmであることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載のブーツ保型具。
【請求項6】
ブーツ保型具の製造方法であって、
古紙等のパルプ化材料をパルプ化するパルプ化工程で、パルプ化材料を調成前の紙繊維の状態にする調成前工程と、調成前工程で得られた紙繊維と、填料と、薬品と、梅の果実の種子を加熱して炭化したものを粉砕してなる梅種子炭化物を混合する調成工程と、を有するパルプ化工程と、パルプ化工程で得られたパルプを製紙して、梅種子炭化物が混入された紙を製造する製紙工程と、を有する紙製造工程と、
段ボールを製造する段ボール製造工程で、紙製造工程において製造された紙を段ボールにおけるライナーに用いて段ボールを製造する段ボール製造工程と、
段ボール製造工程において製造された段ボールを用いて、板状で縦長の中央板部と、中央板部の一方の側辺から折れ線を介して連設され、展開状態において略四角形状の第1外形構成部で、中央板部と第1外形構成部間の折れ線である第1折れ線の上端から斜め下方に形成された第2折れ線と、第1外形構成部の中央板部とは反対側の辺部の上端から斜め下方に形成された第3折れ線と、第2折れ線の端部と第3折れ線の端部の間に形成された第4折れ線と、第1外形構成部の上辺とで囲まれた略台形形状の第1上面部と、第1上面部よりも下方に設けられた第1側面部とに区画され、該第1側面部は、第2折れ線と第4折れ線の接続位置から下方に伸びた第5折れ線と、第3折れ線と第4折れ線の接続位置から下方に伸びた第6折れ線が形成されることにより、第1折れ線と第2折れ線と第5折れ線と第1外形構成部の下辺とに囲まれた第1側面構成部と、第5折れ線と第4折れ線と第6折れ線と第1外形構成部の下辺とに囲まれた第2側面構成部と、第6折れ線と第3折れ線と第1外形構成部の中央板部とは反対側の辺部と第1外形構成部の下辺とに囲まれた第3側面構成部とを有し、該第1上面部は、第2折れ線と第4折れ線の接続位置から上方に形成された第7折れ線と第3折れ線と第4折れ線の接続位置から上方に形成された第8折れ線とが形成されることにより、第2折れ線と第7折れ線と第1外形構成部の上辺とに囲まれた第1上面構成部と、第7折れ線と第4折れ線と第8折れ線と第1外形構成部の上辺とに囲まれた第2上面構成部と、第3折れ線と第8折れ線と第1外形構成部の上辺とに囲まれた第3上面構成部とを有する第1外形構成部と、第1外形構成部の中央板部と反対側の辺部から折れ線を介して連設され、展開状態において略四角形状の第2外形構成部で、第1外形構成部と第2外形構成部間の折れ線である第9折れ線の上端から斜め下方に形成された第10折れ線と、第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部の上端から斜め下方に形成された第11折れ線と、第10折れ線の端部と第11折れ線の端部の間に形成された第12折れ線と、第2外形構成部の上辺とで囲まれた略台形形状の第2上面部と、第2上面部よりも下方に設けられた第2側面部とに区画され、該第2側面部は、第10折れ線と第12折れ線の接続位置から下方に伸びた第13折れ線と、第11折れ線と第12折れ線の接続位置から下方に伸びた第14折れ線が形成されることにより、第9折れ線と第10折れ線と第13折れ線と第2外形構成部の下辺とに囲まれた第4側面構成部と、第13折れ線と第12折れ線と第14折れ線と第2外形構成部の下辺とに囲まれた第5側面構成部と、第14折れ線と第11折れ線と第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部と第2外形構成部の下辺とに囲まれた第6側面構成部とを有し、該第2上面部は、第10折れ線と第12折れ線の接続位置から上方に形成された第15折れ線と第11折れ線と第12折れ線の接続位置から上方に形成された第16折れ線とが形成されることにより、第10折れ線と第15折れ線と第2外形構成部の上辺とに囲まれた第4上面構成部と、第15折れ線と第12折れ線と第16折れ線と第2外形構成部の上辺とに囲まれた第5上面構成部と、第11折れ線と第16折れ線と第2外形構成部の上辺とに囲まれた第6上面構成部とを有する第2外形構成部と、第2外形構成部の第1外形構成部とは反対側の辺部から突出して形成された差込み片部と、中央板部と第1外形構成部との境界線に沿って形成され、差込み片部を差し込むための差込み部と、を有するシート状のブランクを形成するブーツ保型具用ブランク形成工程と、
を有することを特徴とするブーツ保型具の製造方法。
【請求項7】
ブーツ保型具用ブランク形成工程において形成されたブーツ保型具用ブランクに対して、第1外形構成部が中央板部の一方の面側に配置され、第2外形構成部が中央板部の他方の面側に配置され、第1ライナーが外側となるように、第1外形構成部と第2外形構成部を中央板部に対して巻回し、差込み片部を差込み部に挿通することにより、第1側面部と第2側面部とにおいて、隣接する側面構成部同士が側面構成部間の折れ線を介して鈍角をなして、第1側面構成部と第2側面構成部と第3側面構成部と第4側面構成部と第5側面構成部と第6側面構成部とで略六角柱状に形成し、第1上面構成部を第1側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第2上面構成部を第1側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第3上面構成部を第3側面構成部に対して中央板部側に折り曲げて、第1上面部を第1側面部に対して中央板部側に折り曲げることにより、第1側面部と中央板部間の上端の空間をカバーし、第4上面構成部を第4側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第5上面構成部を第5側面構成部に対して中央板部側に折り曲げ、第6上面構成部を第6側面構成部に対して中央板部側に折り曲げて、第2上面部を第2側面部に対して中央板部側に折り曲げることにより、第2側面部と中央板部間の上端の空間をカバーする組立て工程を有することを特徴とする請求項6に記載のブーツ保型具の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−154948(P2010−154948A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334739(P2008−334739)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成20年10月7日〜11日 社団法人日本包装技術協会主催の「2008東京国際包装展(東京パック2008)」に出品
【出願人】(000129493)株式会社クラウン・パッケージ (21)
【Fターム(参考)】