ブーツ形状保持体及び方法
【課題】ブーツを一定の形状に保持するとともに、その間においてブーツ内底部と外気と開放可能とすることにより、当該内底部からの悪臭を除去可能なブーツ形状保持体及び方法を提供する。
【解決手段】予め気体が封入されてなる上下方向に細長い短冊状の空気室11を幅方向へ所定の間隔をおいて列状に配置させたプラスチックシート10を幅方向へ丸めて連結することにより円筒状とされたブーツ形状保持体1を、ブーツの胴筒部21に嵌挿し、これに伴って互いに隣接する空気室11同士を圧迫させることにより、嵌挿されたブーツ形状保持体1に外接する胴筒部21へ膨張力を負荷する。
【解決手段】予め気体が封入されてなる上下方向に細長い短冊状の空気室11を幅方向へ所定の間隔をおいて列状に配置させたプラスチックシート10を幅方向へ丸めて連結することにより円筒状とされたブーツ形状保持体1を、ブーツの胴筒部21に嵌挿し、これに伴って互いに隣接する空気室11同士を圧迫させることにより、嵌挿されたブーツ形状保持体1に外接する胴筒部21へ膨張力を負荷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブーツを一定の形状に保持するためのブーツ形状保持体及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロングブーツ等を脱いで玄関等に置いた状態において、ブーツの胴筒部が容易に折り曲がってしまう。かかる状態で長時間放置しておくと、胴筒部における折れ曲がった箇所において皴が付き、さらには型崩れを起こしてしまう可能性もある。このため、ブーツを長時間に亘り使用しないときには、胴筒部が折れ曲がらないようにして保管する必要がある。
【0003】
従来においては、このようなブーツの胴筒部における折れ曲がりを防止するために、ブーツキーパーが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このブーツキーパーは、ブーツの胴筒部に嵌挿して胴筒部の形状を保持するものであって、胴筒部の足首関節付近に付いた皴を押し伸ばすための皴伸ばし部材を有している。また、特許文献2における開示技術では、圧縮空気注入・排出用バルブから空気を注入することにより、ブーツの胴筒部内において膨出可能な外形を備えた透明プラスチック製袋体により構成した形状保持具も提案されている。この特許文献2の開示技術では、圧縮空気の充填により袋体を膨出可能なので、これをブーツ胴筒部に嵌挿しておくことにより、ブーツは折れることなく、かつ自立して倒れることも無いため、その形状保持に大いに寄与することができる。
【0004】
ところで、足を嵌挿するかかとからつま先に至るまでのブーツ内底部は、足裏からの汗を吸収してしまう。かかるブーツを履いて歩き続けると摩擦が加わり、ブーツ内の温度が上昇し、汗による雑菌によって繁殖しやすい環境を作り出す原因となる。このような雑菌を繁殖させないようにするためには、内底部の湿気を放出しなければならない。
【0005】
しかしながら、この特許文献1の開示技術のブーツキーパーは、胴筒部より長い布袋を封入した柱状として構成している。このような構成からなるブーツキーパーをブーツの胴筒部に嵌挿すると、上述した内底部が外気から密閉された状態となる。特許文献2の開示技術も、袋体をブーツ胴筒部内で膨出させる構成としていることから、同様にブーツ内底部が外気から密閉された状態となる。
【0006】
その結果、ブーツ内底部における湿気を放出することができず、雑菌の繁殖の原因となり、悪臭を放つ原因ともなっていた。
【特許文献1】特開2005−6915号公報
【特許文献2】特開2002−223813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ブーツを一定の形状に保持するとともに、その間においてブーツ内底部と外気と開放可能とすることにより、当該内底部からの悪臭を除去可能なブーツ形状保持体及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願請求項1に係るブーツ形状保持体は、ブーツの胴筒部に嵌挿されることにより当該胴筒部の形状を保持するためのブーツ形状保持体において、互いに隔壁されてなるとともに上下端において互いに連結された上下方向に細長い短冊状の複数の空気室を幅方向へ列状に配置させて予め気体を封入させたプラスチックシートを、上記幅方向へ丸めて上記ブーツの胴筒部に嵌挿可能とさせていることを特徴とする。
【0009】
本願請求項2に係るブーツ形状保持体は、請求項1記載の発明において、上記プラスチックシートは、展開時において上端から下端にかけて幅が狭くなるように成形されてなることを特徴とする。
【0010】
本願請求項3に係るブーツ形状保持体は、請求項1又は2記載の発明において、上記プラスチックシートは、貫通穴が下部中央に形成されてなり、当該貫通穴を両側から挟むようにして下端へと延長された両側の空気室が当該貫通穴の下部において互いに連結されてなるとともに互いに隔壁されてなることを特徴とする。
【0011】
本願請求項4に係るブーツ形状保持体は、請求項3記載の発明において、上記貫通穴を両側から挟むようにして下端へと延長された両側の空気室の下辺は、展開時において水平方向に対して傾斜されてなることを特徴とする。
【0012】
本願請求項5に係るブーツ形状保持方法は、請求項3又は4記載のブーツ形状保持体における上記両側の空気室を、上記ブーツの踵部に押し当てることにより弾性収縮させつつ、当該ブーツ形状保持体を上記胴筒部に嵌挿し、上記弾性収縮させることによる気体に基づいて、外接する上記胴筒部への膨張力を負荷することを特徴とする。
【0013】
本願請求項6に係るブーツ形状保持体は、ブーツの胴筒部に嵌挿されることにより当該胴筒部の形状を保持するブーツ形状保持体において、予め気体が封入されてなる上下方向に細長い短冊状の複数の空気室を幅方向へ列状に配置させたプラスチックシートを、上記幅方向へ丸めて連結することにより円筒状とされ、これに伴って互いに隣接する上記空気室同士が圧迫されることにより、外接する上記胴筒部へ膨張力を負荷することを特徴とする。
【0014】
本願請求項7に係るブーツ形状保持体は、請求項6に係る発明において、上記空気室は、上記プラスチックシートの表面上に形成され、上記プラスチックシートは、上記空気室が形成されている表面が内壁側に位置するように上記幅方向に丸められていることを特徴とする。
【0015】
本願請求項8に係るブーツ形状保持方法は、予め気体が封入されてなる上下方向に細長い短冊状の空気室を幅方向へ所定の間隔をおいて列状に配置させたプラスチックシートを上記幅方向へ丸めて連結することにより円筒状とされたブーツ形状保持体を、ブーツの胴筒部に嵌挿し、これに伴って互いに隣接する上記空気室同士を圧迫させることにより、嵌挿された上記ブーツ形状保持体に外接する上記胴筒部へ膨張力を負荷することを特徴とする。
【0016】
本願請求項9に係るブーツ形状保持方法は、請求項3に係る発明において、上記空気室が形成されている表面が内壁側に位置するように上記幅方向に丸められているブーツ形状保持体を上記胴筒部に嵌挿することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上述した構成からなる本発明では、空気室同士の圧迫により、空気室は外側へ向けて押し出そうとする膨張力fが作用することになり、胴筒部には、常時外側に拡径しようとする力が働くことから、ブーツにおける胴筒部は折れることなく、かつ自立して倒れることも無いため、その形状保持に大いに寄与することが可能となる。また、円筒状に構成されていることにより、ブーツ内底部と外気と開放可能とすることにより、当該内底部からの悪臭を除去することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、ブーツを一定の形状に保持するためのブーツ形状保持体について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
第1の実施の形態
【0020】
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態としてのブーツ形状保持体1の斜視図を示している。このブーツ形状保持体1は、主としてプラスチックシート10を円筒状に丸めて連結することにより構成されている。
【0021】
このプラスチックシート10は、通気性のないポリエチレン等の熱可塑性樹脂シートである。ちなみに、この熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン以外に、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、塩化ビニル、ポリカーボネート等から適宜選択するようにしてもよい。
【0022】
このプラスチックシート10は、図2に示すように予め気体が封入されてなる上下方向yに細長い短冊状の空気室11を幅方向xへ列状に配置させている。この空気室11は、プラスチックシート10を長方形のシート2枚により構成し、これらを互いに重ね合わせて熱圧着を上下方向に施すことにより構成されるものであるが、これに限定されるものではなく、他のいかなる周知の方法によりこれを具体化するものであってもよい。また、この図2の例において、空気室11は、プラスチックシート10の表面10bにおいて形成されている。即ち、空気室11は、断面からみたときに表面上において凸状に突出された形となるように構成されている。
【0023】
このようなプラスチックシート10を作製した後、これを幅方向xに丸める。このとき、図1に示すように、空気室11が形成されているプラスチックシート10の表面10bが内壁側に位置するように幅方向xに丸められることになる。そして、この幅方向xの端部は互いに連結されることにより、筒状に構成され、上下方向に貫通する貫通孔13が形成されることになる。
【0024】
このとき、プラスチックシート10における裏面10aには、空気室11が形成されてなく、平滑な面で構成されている。このため、プラスチックシート10を丸める際には、この裏面10aが外側に、また空気室11が設けられた表面10bが内側になるようにして、容易に円筒状に構成することが可能となる。
【0025】
この筒状に構成されたブーツ形状保持体1を実際に使用する際には、例えば図3に示すように、ブーツ2における胴筒部21にこれを嵌挿する。その結果、ブーツ形状保持体1を構成する空気室11は、図4に示す水平断面図に示すように、隣接する他の空気室11との間で互いに圧迫されることになる。この空気室11同士の圧迫により、空気室11は外側へ向けて押し出そうとする膨張力fが作用することになる。ブーツ形状保持体1の外側は、嵌挿した胴筒部21の内壁面と外接しているが、空気室11間の圧迫に基づく膨張力fが当該胴筒部21に負荷されることになる。その結果、胴筒部21には、常時外側に拡径しようとする力が働くことから、ブーツ2における胴筒部21は折れることなく、かつ自立して倒れることも無いため、その形状保持に大いに寄与することが可能となる。特に本発明では、ブーツ形状保持体1を胴筒部21から突出させることなく嵌挿することも可能となり、特に展示品として陳列等を行う際において、自然に自立しているイメージを消費者に与えることも可能となる。
【0026】
なお空気室11同士の圧迫により、所望の膨張力fが作用するように、空気室11の容積、サイズ、位置、間隔、配置個数、形状等が予め調整されている。各空気室11とも、安定した膨張力fを発揮させるために、これらサイズ、容積等の各寸法は均等となるように調整されていることが望ましい。また、空気室11は、互いに独立した空間として構成されていてもよいし、互いに連続した空間として構成されていてもよい。空気室11間を互いに連続させる場合には、空気室間11を互いに連結するバイパス等を設けるようにしてもよい。
【0027】
ちなみに、図3(b)に示すように、ブーツ2の胴筒部21が流線型を描いた形状とされている場合もある。かかる形状からなる胴筒部21にブーツ形状保持体1を嵌挿すると図3(b)に示すように空気室11の気体は、胴筒部21における凹みが生じている部分からふくらみがある部分へと分散していくことになる。特にこの空気室11は上下方向に短冊状となるように構成されていることから、空気室11に封入されている気体は上下方向へ容易に移動し、分散可能となる。このような空気室11を設けることにより、胴筒部21の流線型に沿って気体を分散させて膨張力を発揮させることができる。その結果、胴筒部21を構成する革に対して局所的に余計な膨張力が負荷することがなくなることから、胴筒部21を構成する革にもやさしい形状保持を実現することが可能となる。
【0028】
ちなみに、このブーツ形状保持体1は、幅方向xに丸めて円筒状で構成することにより、貫通孔13が形成されている。このため、図3に示すように、ブーツ2における内底を含む空間としての内底部23が、この貫通孔13を介して外気へと開放されるようになる。このとき、ブーツ形状保持体1を胴筒部21へ嵌挿する際において、これをかかと部24に到達しない高さまで上げておくことが望ましい。これにより、内底部23の外気に対する開放性を向上させることが可能となる。
【0029】
これにより、ブーツ2における内底部23における湿気を放出することが可能となり、雑菌の繁殖を防止することができ、悪臭を抑えることが可能となる。
【0030】
なお上述した実施の形態においては、あくまで空気室11は、プラスチックシート10の表面10bにおいて空気室11を構成する場合を例にとり説明をしている。この空気室11の表面10bが内壁を構成するように筒状に折り曲げることにより、内側に突出する空気室11間の圧迫の度合いを向上させることが可能となり、これにより膨張力fを発揮させることが可能となる。
【0031】
但し、プラスチックシート10の表面10bにおいて空気室11を構成しなくてもよい。例えば、表面10bに形成されているか否かに関わらず、単に空気室11を単に連続して数珠繋ぎ状で構成するようにしてもよい。
【0032】
第2の実施の形態
【0033】
図5(a)は、本発明を適用した第2の実施の形態としてのブーツ形状保持体3の斜視図を示している。このブーツ形状保持体3は、予め気体が封入されてなるプラスチックシートを円筒状とした本体部30と、本体部30の下端からさらに下方に向けて突出された少なくとも1の突出部32とを備えている。この円筒状に構成された本体部30には、貫通孔31が設けられている。また、以下の説明においては、突出部32が2つに亘り形成されている場合を例にとり説明をするが、これに限定されるものではなく、いかなる本数、容積、形状で構成するようにしてもよい。
【0034】
このプラスチックシートは、通気性のないポリエチレン等の熱可塑性樹脂シートである。ちなみに、この熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン以外に、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、塩化ビニル、ポリカーボネート等から適宜選択するようにしてもよい。
【0035】
本体部30は、空気が封入されていることにより、定形性を保持することが可能となる。また、突出部32は、予め気体が封入されてなるとともに、少なくとも本体部30と突出部32との間で気体を送入出可能とされている構成とされている。即ち、この突出部32の内部空間と、本体部30の内部空間とは互いにつながっている状態とされている。
【0036】
突出部32は、上下に弾性収縮自在とされている。突出部32と本体部30とは内部空間が互いにつながっていることから、突出部32を底から押圧すると、図5(b)に示すように、突出部32自体が弾性収縮する。その結果、ブーツ形状保持体3の高さを低くすることができる。その間、突出部32における気体は、本体部30へと送入されることになる。なお、この本体部30並びに突出部32に封入しておく気体の量を調整しておくことにより、突出部32を押し込んで収縮させ、本体部30へと送入させた気体により膨張力fを作用させるようにしてもよい。
【0037】
特に本発明では、本体部30よりも容積が小さい突出部32を設けておくことにより、当該突出部32を容易に伸縮自在とした構成とすることができる。
【0038】
なお、本体部30並びに突出部32は、ウレタン等の定形性を有する弾性材料から構成されていてもよい。突出部32を本体部30よりも小さい断面積で構成することにより、これを押圧したときに容易に弾性収縮可能となる。
【0039】
この筒状に構成されたブーツ形状保持体3を実際に使用する際には、例えば図6(a)に示すように、ブーツ2における胴筒部21にこれを嵌挿する。本体部30は、空気が封入されており定形性を保持していることから、胴筒部21は、折れることなく、かつ自立して倒れることも無いため、その形状を直立させた状態で保持することが可能となる。仮にブーツ2が図6(b)に示すようにハーフブーツ等のような胴筒部21が短いものである場合には、ブーツ形状保持体3を胴筒部21に嵌挿した後、これを上から下へ押圧することにより、突出部32を収縮させる。これにより、ブーツ形状保持体3の高さを押し下げることが可能となり、胴筒部21の長さに合わせることが可能となる。
【0040】
このため、ブーツ2を展示品として陳列する際において、このブーツ形状保持体3を消費者の視界から見えなくすることにより、自然に自立しているイメージを与えることも可能となる。また、ブーツ2が、胴筒部21が長いロングブーツであっても、胴筒部21が短いハーフブーツ等であっても、即ちブーツの胴筒部の長さがいかなる長さで構成されていても、突出部32の伸縮自在に構成したブーツ形状保持体3により高さ調整を行うことで、消費者の視界から見えなくするように構成することが可能となる。
【0041】
ちなみに、このブーツ形状保持体3は、筒状で構成することにより、貫通孔31が形成されている。このため、図6に示すように、ブーツ2における内底を含む空間としての内底部23が、この貫通孔13を介して外気へと開放されるようになる。これにより、ブーツ2における内底部23における湿気を放出することが可能となり、雑菌の繁殖を防止することができ、悪臭を抑えることが可能となる。
【0042】
図7(a),(b)は、第1の実施の形態並びに第2の実施の形態の双方の技術的思想を取り込んだブーツ形状保持体7を示している。
【0043】
ブーツ形状保持体7は、予め気体が封入されてなる上下方向yに細長い短冊状の空気室11を幅方向xへ複数列に亘り配置させている。この空気室11は、プラスチックシート10を長方形のシート2枚により構成し、これらを互いに重ね合わせて熱圧着を上下方向に施すことにより構成されるものである。また、一部の空気室11については、突出部32に対応した長さの分だけ延長されている。また、これら各空気室11は互いに図示しないバイパスを介して連続しており、少なくとも一の空気送入口を介して全体に亘り空気を送入可能とされている。
【0044】
このような平面形状からなるプラスチックシート10を、幅方向xに丸めて円筒状で構成することにより、図7(b)に示すような形態のブーツ形状保持体7とすることが可能となる。
【0045】
このブーツ形状保持体7では、隣接する空気室11の圧迫により外側への膨張力を負荷させることが可能となる。また、これと同時に突出部32が設けられていることから、これを弾性収縮自在にすることにより、高さ調整も可能となる。さらに、突出部32を押し込んで収縮させ、本体部30へと送入させた気体により膨張力fを作用させるようにしてもよい。
【0046】
第3の実施の形態
【0047】
図8(a),(b)は、本発明を適用した第3の実施の形態としてのブーツ形状保持体4の斜視図を示している。このブーツ形状保持体4は、予め気体が封入されてなるプラスチックシートを円筒状とした本体部40と、本体部40の側壁面下部に設けられた貫通孔42a、又は本体部の側壁下端に形成された溝部42bとを備えている。ちなみに、この溝部42aや貫通孔42bは、いかなる形状で構成されていてもよく、またいかなる個数で構成されていてもよい。貫通孔42aは、円筒状とした本体部40における貫通孔41に対して連結されている。貫通孔42aが設けられる箇所は、少なくともブーツ2における内底部23の位置との関係において予め調整されているが、少なくとも下半分の何れかの位置において形成されていることが望ましい。本体部40は、空気が封入されていることにより、定形性を保持することが可能となる。
【0048】
この筒状に構成されたブーツ形状保持体3を実際に使用する際には、例えば図9(a),(b)に示すように、ブーツ2における胴筒部21にこれを嵌挿する。本体部40は、空気が封入されており定形性を保持していることから、胴筒部21は、折れることなく、かつ自立して倒れることも無いため、その形状保持に大いに寄与することが可能となる。
【0049】
図9(a)は、ブーツ2における内底を含む空間としての内底部23が、溝部42a、ならびに貫通孔41を介して外気へと開放されるようになる。これにより、ブーツ2における内底部23における湿気を放出することが可能となり、雑菌の繁殖を防止することができ、悪臭を抑えることが可能となる。なお、この溝部42aの形状としては、製造容易性の観点から矩形状又は当該矩形の角を丸めた形状で構成されていることが望ましい。
【0050】
図9(b)は、ブーツ2における内底を含む空間としての内底部23が、貫通孔42b、
ならびに貫通孔41を介して外気へと開放されるようになる。これにより、ブーツ2における内底部23における湿気を放出することが可能となり、雑菌の繁殖を防止することができ、悪臭を抑えることが可能となる。
【0051】
なお、少なくとも2つの溝部42aを構成することにより、第2の実施の形態における突出部32と同様の機能を発揮させるようにしてもよいことは勿論である。
【0052】
さらに本実施の形態においては、本体部40における側面には、少なくとも1の貫通小孔がさらに形成されていてもよい。ここでいう本体部40の側面は胴筒部21の内壁に対面するものであるが、当該側面において貫通小孔を多数形成させておくことにより、胴筒部21における通気性、換気性を向上させることが可能となる。
【0053】
なお、この第3の実施の形態においては、本体部30につき、プラスチックシートの代替として、ウレタン等の定形性を有する弾性材料から構成されていてもよいことは勿論である。
【0054】
第4の実施の形態
【0055】
図10は、本発明を適用した第4の実施の形態としてのブーツ形状保持体5の斜視図を示している。図11は、ブーツ形状保持体5の展開図を示している。
【0056】
このブーツ形状保持体5は、互いに隔壁されてなるとともに上下端において互いに連結された上下方向に細長い短冊状の複数の空気室51を幅方向へ列状に配置させたプラスチックシートからなる。
【0057】
このプラスチックシートは、ポリ塩化ビニル(PVC)等で構成されている。このこのときPVCの表面について艶消し処理が施されていると、これをブーツに挿入する際に摩擦を小さくすることができるため、望ましい。
【0058】
このプラスチックシートは、図11に示すように予め気体が封入されてなる上下方向yに細長い短冊状の空気室51を幅方向xへ列状に配置させている。この空気室11は、プラスチックシート10を長方形のシート2枚により構成し、これらを互いに重ね合わせて熱圧着を上下方向に施すことにより構成されるものであるが、これに限定されるものではなく、他のいかなる周知の方法によりこれを具体化するものであってもよい。
【0059】
図12は、図11におけるA−A´断面図を示す。隣接する空気室51間は互いに熱圧着52等により互いに隔壁されている。また各空気室51は、表面並びに裏面に対して突出された構成となっている。この空気室51における突出形状は、表裏ともに対称となるように調整されていることが望ましい。その理由として、図11に示すように、幅方向へ丸めてブーツの胴筒部に嵌挿する際に、当該胴筒部の内壁がこの膨らみを持たせた空気室51と接触することで、より円滑な挿入が可能となるためである。また、製作容易性を向上させることができることに加え、嵌挿時において空気室51の表面が胴筒部21の内壁との間で、周方向で一定間隔に隙間を空けることが可能となり、通気性をより向上させることが可能となる。
【0060】
また各空気室51は、上下端において互いに連結するように、熱圧着52が施される。その結果、ブーツ形状保持体5の上端には、x方向に向けて上端部空気室53が形成される。空気室51の幅方向のピッチは、いかなるものであってもよいが、図11の例では、展開時において50mmで構成した場合を想定している。また、各空気室51は互いに下端において連結された結果、それぞれ下端部空気室54、56が形成される。下端部空気室54、56も互いに熱圧着52を介して隔てられているが、これに限定されるものではなく、互いに隔てられていなくてもよい。
【0061】
ブーツ形状保持体5を構成するプラスチックシートは、さらに貫通穴57が下部中央に形成されている。この貫通孔57の存在により通気性を向上させることができ、内部の湿った空気や熱をこの貫通孔57を介して外部へ放出することが可能となる。この貫通穴57の周囲を覆うようにして下端部空気室56が形成されている。また下端部空気室54、56は、貫通穴57を両側から挟むようにして下端へと延長されていることになる。そして貫通穴57の下部において、下端部空気室54、56が互いに連結されている。但し、図11に示すように、この連結された下端部空気室54、56は、熱圧着58を介して互いに隔壁されている。
【0062】
プラスチックシートは、図11に示すように、展開時において上端から下端にかけて幅が狭くなるように成形されていてもよい。そのためには、各空気室51における何れか1以上は、上端から下端にかけて断面積が小さくなるように構成されていてもよい。図11の例では、プラスチックシートの展開時における上端の幅が345mmであり、下端の幅wが100〜300mmであるが、バランスを考慮すると165±10mm程度が望ましい。また、その他のサイズについては、図11に示すとおりである。
【0063】
貫通穴57を両側から挟むようにして下端へと延長された両側の下端部空気室54の下辺60は、展開時において水平方向に対して傾斜されていてもよい。
【0064】
このような図11に示す展開図からなるプラスチックシートから構成されるブーツ形状保持体5を幅方向へ丸めると、図10に示すように、上から下にかけて先細状となるように構成することが可能となる。その結果、このような先細状のブーツ形状保持体5をブーツ2における胴筒部21へ円滑に挿入することが可能となる。
【0065】
また、ブーツ形状保持体5を幅方向へ丸めるとその下端は、熱圧着58の部位において折り曲げられることになる。図13は、図10のD方向から見たブーツ形状保持体5の拡大図を示している。熱圧着58の部位において折り曲げられることにより、貫通穴57を容易にバランスよく作り出すことを可能としている。熱圧着の部位を貫通穴57の下部中央とすることにより、この貫通穴57をさらにバランスよく作り出すことが可能となる。
【0066】
また、下端部空気室54の下端は、先細状に構成されており、しかもその下辺60が水平方向に対して傾斜された状態で構成されている場合には、ブーツ形状保持体5を幅方向に丸めた場合において、図10に示すように下端を先鋭化させることができる。これにより、ブーツ2における胴筒部21へブーツ形状保持体5をより円滑に挿入することができる。また、このようなブーツ形状保持体5を胴筒部21へと挿入し、その後やや強く押し込んだ場合に、その下端部空気室54の下端は、ブーツ2の踵部に当り、化端部空気室54自身が弾性収縮することになる。そして、この下端部空気室54内の空気がその上に連結されている各空気室51や、上端部空気室53へと押し上げられる。この押し上げられた空気は、ブーツ形状保持体5に外接する胴筒部21への膨張力として負荷されることになり、胴筒部21の直立性を向上に寄与することが可能となる。
【0067】
特に、下端部空気室54の下端は、先細状に構成されており、しかもその下辺60が水平方向に対して傾斜された状態で構成されている場合には、当該下端がブーツ2の踵部に当たり、さらに押し下げられた場合に、下端部空気室54をよりスムーズに弾性収縮させることができる。その結果、ブーツ形状保持体5に外接する胴筒部21への膨張力の負荷をより効率的に行うことが可能となる。特にこの下端部空気室54の下端が先細かされていない場合には、これを上から押し潰そうとしたときに横方向に空気が逃げてしまい、連結されている各空気室51や、上端部空気室53へ空気を押し上げることが困難になる。本発明は、この下端部空気室54をうまく押し潰し、空気を各空気室51へと効率よく押し上げるために、上述した形状を採用している。
【0068】
ちなみに、このブーツ形状保持体5をブーツ2における胴筒部21内に嵌挿する際には、貫通穴57をつま先に向け、さらにx方向両端の空気室51がブーツ2におけるふくらはぎの部分に向けることが望ましい。その理由として、x方向両端の空気室51がふくらはぎの箇所で重ね合わさることにより、当該空気室51間が互いに圧迫されることになり、ちょうどふくらはぎの膨らんだ形状に応じて外側への膨張力を強くすることが可能となり、ひいてはブーツ2をふくらはぎの部分の再現性を向上させつつ美しく直立させることができるためである。
【0069】
また、本発明を適用したブーツ形状保持体5は、貫通穴57の周囲において下端部空気室56を設けている。このため、ブーツ形状保持体5を幅方向に折り曲げた場合において貫通穴57により構成される空気の穴を安定して作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態としてのブーツ形状保持体の斜視図である。
【図2】プラスチックシート上に配置させた空気室について説明するための図である。
【図3】筒状に構成されたブーツ形状保持体を実際にブーツにおける胴筒部に嵌挿した例を示す図である。
【図4】ブーツ形状保持体の水平断面図である。
【図5】本発明を適用した第2の実施の形態としてのブーツ形状保持体の斜視図である。
【図6】第2の実施の形態における他の例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態並びに第2の実施の形態の双方の技術的思想を取り込んだブーツ形状保持体の例を示す図である。
【図8】本発明を適用した第3の実施の形態としてのブーツ形状保持体の斜視図である。
【図9】第3の実施の形態におけるブーツ形状保持体を実際に胴筒部に嵌挿した例を示す図である。
【図10】本発明を適用した第4の実施の形態としてのブーツ形状保持体の斜視図である。
【図11】本発明を適用した第4の実施の形態としてのブーツ形状保持体の展開図である。
【図12】図11におけるA−A´断面図である。
【図13】図10のD方向から見たブーツ形状保持体の拡大図である。
【符号の説明】
【0071】
1 ブーツ形状保持体
2 ブーツ
10 プラスチックシート
11 空気室
13 貫通孔
21 胴筒部
23 内底部
24 かかと部
30 本体部
31 貫通孔
32 突出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブーツを一定の形状に保持するためのブーツ形状保持体及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロングブーツ等を脱いで玄関等に置いた状態において、ブーツの胴筒部が容易に折り曲がってしまう。かかる状態で長時間放置しておくと、胴筒部における折れ曲がった箇所において皴が付き、さらには型崩れを起こしてしまう可能性もある。このため、ブーツを長時間に亘り使用しないときには、胴筒部が折れ曲がらないようにして保管する必要がある。
【0003】
従来においては、このようなブーツの胴筒部における折れ曲がりを防止するために、ブーツキーパーが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このブーツキーパーは、ブーツの胴筒部に嵌挿して胴筒部の形状を保持するものであって、胴筒部の足首関節付近に付いた皴を押し伸ばすための皴伸ばし部材を有している。また、特許文献2における開示技術では、圧縮空気注入・排出用バルブから空気を注入することにより、ブーツの胴筒部内において膨出可能な外形を備えた透明プラスチック製袋体により構成した形状保持具も提案されている。この特許文献2の開示技術では、圧縮空気の充填により袋体を膨出可能なので、これをブーツ胴筒部に嵌挿しておくことにより、ブーツは折れることなく、かつ自立して倒れることも無いため、その形状保持に大いに寄与することができる。
【0004】
ところで、足を嵌挿するかかとからつま先に至るまでのブーツ内底部は、足裏からの汗を吸収してしまう。かかるブーツを履いて歩き続けると摩擦が加わり、ブーツ内の温度が上昇し、汗による雑菌によって繁殖しやすい環境を作り出す原因となる。このような雑菌を繁殖させないようにするためには、内底部の湿気を放出しなければならない。
【0005】
しかしながら、この特許文献1の開示技術のブーツキーパーは、胴筒部より長い布袋を封入した柱状として構成している。このような構成からなるブーツキーパーをブーツの胴筒部に嵌挿すると、上述した内底部が外気から密閉された状態となる。特許文献2の開示技術も、袋体をブーツ胴筒部内で膨出させる構成としていることから、同様にブーツ内底部が外気から密閉された状態となる。
【0006】
その結果、ブーツ内底部における湿気を放出することができず、雑菌の繁殖の原因となり、悪臭を放つ原因ともなっていた。
【特許文献1】特開2005−6915号公報
【特許文献2】特開2002−223813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ブーツを一定の形状に保持するとともに、その間においてブーツ内底部と外気と開放可能とすることにより、当該内底部からの悪臭を除去可能なブーツ形状保持体及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願請求項1に係るブーツ形状保持体は、ブーツの胴筒部に嵌挿されることにより当該胴筒部の形状を保持するためのブーツ形状保持体において、互いに隔壁されてなるとともに上下端において互いに連結された上下方向に細長い短冊状の複数の空気室を幅方向へ列状に配置させて予め気体を封入させたプラスチックシートを、上記幅方向へ丸めて上記ブーツの胴筒部に嵌挿可能とさせていることを特徴とする。
【0009】
本願請求項2に係るブーツ形状保持体は、請求項1記載の発明において、上記プラスチックシートは、展開時において上端から下端にかけて幅が狭くなるように成形されてなることを特徴とする。
【0010】
本願請求項3に係るブーツ形状保持体は、請求項1又は2記載の発明において、上記プラスチックシートは、貫通穴が下部中央に形成されてなり、当該貫通穴を両側から挟むようにして下端へと延長された両側の空気室が当該貫通穴の下部において互いに連結されてなるとともに互いに隔壁されてなることを特徴とする。
【0011】
本願請求項4に係るブーツ形状保持体は、請求項3記載の発明において、上記貫通穴を両側から挟むようにして下端へと延長された両側の空気室の下辺は、展開時において水平方向に対して傾斜されてなることを特徴とする。
【0012】
本願請求項5に係るブーツ形状保持方法は、請求項3又は4記載のブーツ形状保持体における上記両側の空気室を、上記ブーツの踵部に押し当てることにより弾性収縮させつつ、当該ブーツ形状保持体を上記胴筒部に嵌挿し、上記弾性収縮させることによる気体に基づいて、外接する上記胴筒部への膨張力を負荷することを特徴とする。
【0013】
本願請求項6に係るブーツ形状保持体は、ブーツの胴筒部に嵌挿されることにより当該胴筒部の形状を保持するブーツ形状保持体において、予め気体が封入されてなる上下方向に細長い短冊状の複数の空気室を幅方向へ列状に配置させたプラスチックシートを、上記幅方向へ丸めて連結することにより円筒状とされ、これに伴って互いに隣接する上記空気室同士が圧迫されることにより、外接する上記胴筒部へ膨張力を負荷することを特徴とする。
【0014】
本願請求項7に係るブーツ形状保持体は、請求項6に係る発明において、上記空気室は、上記プラスチックシートの表面上に形成され、上記プラスチックシートは、上記空気室が形成されている表面が内壁側に位置するように上記幅方向に丸められていることを特徴とする。
【0015】
本願請求項8に係るブーツ形状保持方法は、予め気体が封入されてなる上下方向に細長い短冊状の空気室を幅方向へ所定の間隔をおいて列状に配置させたプラスチックシートを上記幅方向へ丸めて連結することにより円筒状とされたブーツ形状保持体を、ブーツの胴筒部に嵌挿し、これに伴って互いに隣接する上記空気室同士を圧迫させることにより、嵌挿された上記ブーツ形状保持体に外接する上記胴筒部へ膨張力を負荷することを特徴とする。
【0016】
本願請求項9に係るブーツ形状保持方法は、請求項3に係る発明において、上記空気室が形成されている表面が内壁側に位置するように上記幅方向に丸められているブーツ形状保持体を上記胴筒部に嵌挿することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上述した構成からなる本発明では、空気室同士の圧迫により、空気室は外側へ向けて押し出そうとする膨張力fが作用することになり、胴筒部には、常時外側に拡径しようとする力が働くことから、ブーツにおける胴筒部は折れることなく、かつ自立して倒れることも無いため、その形状保持に大いに寄与することが可能となる。また、円筒状に構成されていることにより、ブーツ内底部と外気と開放可能とすることにより、当該内底部からの悪臭を除去することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、ブーツを一定の形状に保持するためのブーツ形状保持体について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
第1の実施の形態
【0020】
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態としてのブーツ形状保持体1の斜視図を示している。このブーツ形状保持体1は、主としてプラスチックシート10を円筒状に丸めて連結することにより構成されている。
【0021】
このプラスチックシート10は、通気性のないポリエチレン等の熱可塑性樹脂シートである。ちなみに、この熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン以外に、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、塩化ビニル、ポリカーボネート等から適宜選択するようにしてもよい。
【0022】
このプラスチックシート10は、図2に示すように予め気体が封入されてなる上下方向yに細長い短冊状の空気室11を幅方向xへ列状に配置させている。この空気室11は、プラスチックシート10を長方形のシート2枚により構成し、これらを互いに重ね合わせて熱圧着を上下方向に施すことにより構成されるものであるが、これに限定されるものではなく、他のいかなる周知の方法によりこれを具体化するものであってもよい。また、この図2の例において、空気室11は、プラスチックシート10の表面10bにおいて形成されている。即ち、空気室11は、断面からみたときに表面上において凸状に突出された形となるように構成されている。
【0023】
このようなプラスチックシート10を作製した後、これを幅方向xに丸める。このとき、図1に示すように、空気室11が形成されているプラスチックシート10の表面10bが内壁側に位置するように幅方向xに丸められることになる。そして、この幅方向xの端部は互いに連結されることにより、筒状に構成され、上下方向に貫通する貫通孔13が形成されることになる。
【0024】
このとき、プラスチックシート10における裏面10aには、空気室11が形成されてなく、平滑な面で構成されている。このため、プラスチックシート10を丸める際には、この裏面10aが外側に、また空気室11が設けられた表面10bが内側になるようにして、容易に円筒状に構成することが可能となる。
【0025】
この筒状に構成されたブーツ形状保持体1を実際に使用する際には、例えば図3に示すように、ブーツ2における胴筒部21にこれを嵌挿する。その結果、ブーツ形状保持体1を構成する空気室11は、図4に示す水平断面図に示すように、隣接する他の空気室11との間で互いに圧迫されることになる。この空気室11同士の圧迫により、空気室11は外側へ向けて押し出そうとする膨張力fが作用することになる。ブーツ形状保持体1の外側は、嵌挿した胴筒部21の内壁面と外接しているが、空気室11間の圧迫に基づく膨張力fが当該胴筒部21に負荷されることになる。その結果、胴筒部21には、常時外側に拡径しようとする力が働くことから、ブーツ2における胴筒部21は折れることなく、かつ自立して倒れることも無いため、その形状保持に大いに寄与することが可能となる。特に本発明では、ブーツ形状保持体1を胴筒部21から突出させることなく嵌挿することも可能となり、特に展示品として陳列等を行う際において、自然に自立しているイメージを消費者に与えることも可能となる。
【0026】
なお空気室11同士の圧迫により、所望の膨張力fが作用するように、空気室11の容積、サイズ、位置、間隔、配置個数、形状等が予め調整されている。各空気室11とも、安定した膨張力fを発揮させるために、これらサイズ、容積等の各寸法は均等となるように調整されていることが望ましい。また、空気室11は、互いに独立した空間として構成されていてもよいし、互いに連続した空間として構成されていてもよい。空気室11間を互いに連続させる場合には、空気室間11を互いに連結するバイパス等を設けるようにしてもよい。
【0027】
ちなみに、図3(b)に示すように、ブーツ2の胴筒部21が流線型を描いた形状とされている場合もある。かかる形状からなる胴筒部21にブーツ形状保持体1を嵌挿すると図3(b)に示すように空気室11の気体は、胴筒部21における凹みが生じている部分からふくらみがある部分へと分散していくことになる。特にこの空気室11は上下方向に短冊状となるように構成されていることから、空気室11に封入されている気体は上下方向へ容易に移動し、分散可能となる。このような空気室11を設けることにより、胴筒部21の流線型に沿って気体を分散させて膨張力を発揮させることができる。その結果、胴筒部21を構成する革に対して局所的に余計な膨張力が負荷することがなくなることから、胴筒部21を構成する革にもやさしい形状保持を実現することが可能となる。
【0028】
ちなみに、このブーツ形状保持体1は、幅方向xに丸めて円筒状で構成することにより、貫通孔13が形成されている。このため、図3に示すように、ブーツ2における内底を含む空間としての内底部23が、この貫通孔13を介して外気へと開放されるようになる。このとき、ブーツ形状保持体1を胴筒部21へ嵌挿する際において、これをかかと部24に到達しない高さまで上げておくことが望ましい。これにより、内底部23の外気に対する開放性を向上させることが可能となる。
【0029】
これにより、ブーツ2における内底部23における湿気を放出することが可能となり、雑菌の繁殖を防止することができ、悪臭を抑えることが可能となる。
【0030】
なお上述した実施の形態においては、あくまで空気室11は、プラスチックシート10の表面10bにおいて空気室11を構成する場合を例にとり説明をしている。この空気室11の表面10bが内壁を構成するように筒状に折り曲げることにより、内側に突出する空気室11間の圧迫の度合いを向上させることが可能となり、これにより膨張力fを発揮させることが可能となる。
【0031】
但し、プラスチックシート10の表面10bにおいて空気室11を構成しなくてもよい。例えば、表面10bに形成されているか否かに関わらず、単に空気室11を単に連続して数珠繋ぎ状で構成するようにしてもよい。
【0032】
第2の実施の形態
【0033】
図5(a)は、本発明を適用した第2の実施の形態としてのブーツ形状保持体3の斜視図を示している。このブーツ形状保持体3は、予め気体が封入されてなるプラスチックシートを円筒状とした本体部30と、本体部30の下端からさらに下方に向けて突出された少なくとも1の突出部32とを備えている。この円筒状に構成された本体部30には、貫通孔31が設けられている。また、以下の説明においては、突出部32が2つに亘り形成されている場合を例にとり説明をするが、これに限定されるものではなく、いかなる本数、容積、形状で構成するようにしてもよい。
【0034】
このプラスチックシートは、通気性のないポリエチレン等の熱可塑性樹脂シートである。ちなみに、この熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン以外に、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、塩化ビニル、ポリカーボネート等から適宜選択するようにしてもよい。
【0035】
本体部30は、空気が封入されていることにより、定形性を保持することが可能となる。また、突出部32は、予め気体が封入されてなるとともに、少なくとも本体部30と突出部32との間で気体を送入出可能とされている構成とされている。即ち、この突出部32の内部空間と、本体部30の内部空間とは互いにつながっている状態とされている。
【0036】
突出部32は、上下に弾性収縮自在とされている。突出部32と本体部30とは内部空間が互いにつながっていることから、突出部32を底から押圧すると、図5(b)に示すように、突出部32自体が弾性収縮する。その結果、ブーツ形状保持体3の高さを低くすることができる。その間、突出部32における気体は、本体部30へと送入されることになる。なお、この本体部30並びに突出部32に封入しておく気体の量を調整しておくことにより、突出部32を押し込んで収縮させ、本体部30へと送入させた気体により膨張力fを作用させるようにしてもよい。
【0037】
特に本発明では、本体部30よりも容積が小さい突出部32を設けておくことにより、当該突出部32を容易に伸縮自在とした構成とすることができる。
【0038】
なお、本体部30並びに突出部32は、ウレタン等の定形性を有する弾性材料から構成されていてもよい。突出部32を本体部30よりも小さい断面積で構成することにより、これを押圧したときに容易に弾性収縮可能となる。
【0039】
この筒状に構成されたブーツ形状保持体3を実際に使用する際には、例えば図6(a)に示すように、ブーツ2における胴筒部21にこれを嵌挿する。本体部30は、空気が封入されており定形性を保持していることから、胴筒部21は、折れることなく、かつ自立して倒れることも無いため、その形状を直立させた状態で保持することが可能となる。仮にブーツ2が図6(b)に示すようにハーフブーツ等のような胴筒部21が短いものである場合には、ブーツ形状保持体3を胴筒部21に嵌挿した後、これを上から下へ押圧することにより、突出部32を収縮させる。これにより、ブーツ形状保持体3の高さを押し下げることが可能となり、胴筒部21の長さに合わせることが可能となる。
【0040】
このため、ブーツ2を展示品として陳列する際において、このブーツ形状保持体3を消費者の視界から見えなくすることにより、自然に自立しているイメージを与えることも可能となる。また、ブーツ2が、胴筒部21が長いロングブーツであっても、胴筒部21が短いハーフブーツ等であっても、即ちブーツの胴筒部の長さがいかなる長さで構成されていても、突出部32の伸縮自在に構成したブーツ形状保持体3により高さ調整を行うことで、消費者の視界から見えなくするように構成することが可能となる。
【0041】
ちなみに、このブーツ形状保持体3は、筒状で構成することにより、貫通孔31が形成されている。このため、図6に示すように、ブーツ2における内底を含む空間としての内底部23が、この貫通孔13を介して外気へと開放されるようになる。これにより、ブーツ2における内底部23における湿気を放出することが可能となり、雑菌の繁殖を防止することができ、悪臭を抑えることが可能となる。
【0042】
図7(a),(b)は、第1の実施の形態並びに第2の実施の形態の双方の技術的思想を取り込んだブーツ形状保持体7を示している。
【0043】
ブーツ形状保持体7は、予め気体が封入されてなる上下方向yに細長い短冊状の空気室11を幅方向xへ複数列に亘り配置させている。この空気室11は、プラスチックシート10を長方形のシート2枚により構成し、これらを互いに重ね合わせて熱圧着を上下方向に施すことにより構成されるものである。また、一部の空気室11については、突出部32に対応した長さの分だけ延長されている。また、これら各空気室11は互いに図示しないバイパスを介して連続しており、少なくとも一の空気送入口を介して全体に亘り空気を送入可能とされている。
【0044】
このような平面形状からなるプラスチックシート10を、幅方向xに丸めて円筒状で構成することにより、図7(b)に示すような形態のブーツ形状保持体7とすることが可能となる。
【0045】
このブーツ形状保持体7では、隣接する空気室11の圧迫により外側への膨張力を負荷させることが可能となる。また、これと同時に突出部32が設けられていることから、これを弾性収縮自在にすることにより、高さ調整も可能となる。さらに、突出部32を押し込んで収縮させ、本体部30へと送入させた気体により膨張力fを作用させるようにしてもよい。
【0046】
第3の実施の形態
【0047】
図8(a),(b)は、本発明を適用した第3の実施の形態としてのブーツ形状保持体4の斜視図を示している。このブーツ形状保持体4は、予め気体が封入されてなるプラスチックシートを円筒状とした本体部40と、本体部40の側壁面下部に設けられた貫通孔42a、又は本体部の側壁下端に形成された溝部42bとを備えている。ちなみに、この溝部42aや貫通孔42bは、いかなる形状で構成されていてもよく、またいかなる個数で構成されていてもよい。貫通孔42aは、円筒状とした本体部40における貫通孔41に対して連結されている。貫通孔42aが設けられる箇所は、少なくともブーツ2における内底部23の位置との関係において予め調整されているが、少なくとも下半分の何れかの位置において形成されていることが望ましい。本体部40は、空気が封入されていることにより、定形性を保持することが可能となる。
【0048】
この筒状に構成されたブーツ形状保持体3を実際に使用する際には、例えば図9(a),(b)に示すように、ブーツ2における胴筒部21にこれを嵌挿する。本体部40は、空気が封入されており定形性を保持していることから、胴筒部21は、折れることなく、かつ自立して倒れることも無いため、その形状保持に大いに寄与することが可能となる。
【0049】
図9(a)は、ブーツ2における内底を含む空間としての内底部23が、溝部42a、ならびに貫通孔41を介して外気へと開放されるようになる。これにより、ブーツ2における内底部23における湿気を放出することが可能となり、雑菌の繁殖を防止することができ、悪臭を抑えることが可能となる。なお、この溝部42aの形状としては、製造容易性の観点から矩形状又は当該矩形の角を丸めた形状で構成されていることが望ましい。
【0050】
図9(b)は、ブーツ2における内底を含む空間としての内底部23が、貫通孔42b、
ならびに貫通孔41を介して外気へと開放されるようになる。これにより、ブーツ2における内底部23における湿気を放出することが可能となり、雑菌の繁殖を防止することができ、悪臭を抑えることが可能となる。
【0051】
なお、少なくとも2つの溝部42aを構成することにより、第2の実施の形態における突出部32と同様の機能を発揮させるようにしてもよいことは勿論である。
【0052】
さらに本実施の形態においては、本体部40における側面には、少なくとも1の貫通小孔がさらに形成されていてもよい。ここでいう本体部40の側面は胴筒部21の内壁に対面するものであるが、当該側面において貫通小孔を多数形成させておくことにより、胴筒部21における通気性、換気性を向上させることが可能となる。
【0053】
なお、この第3の実施の形態においては、本体部30につき、プラスチックシートの代替として、ウレタン等の定形性を有する弾性材料から構成されていてもよいことは勿論である。
【0054】
第4の実施の形態
【0055】
図10は、本発明を適用した第4の実施の形態としてのブーツ形状保持体5の斜視図を示している。図11は、ブーツ形状保持体5の展開図を示している。
【0056】
このブーツ形状保持体5は、互いに隔壁されてなるとともに上下端において互いに連結された上下方向に細長い短冊状の複数の空気室51を幅方向へ列状に配置させたプラスチックシートからなる。
【0057】
このプラスチックシートは、ポリ塩化ビニル(PVC)等で構成されている。このこのときPVCの表面について艶消し処理が施されていると、これをブーツに挿入する際に摩擦を小さくすることができるため、望ましい。
【0058】
このプラスチックシートは、図11に示すように予め気体が封入されてなる上下方向yに細長い短冊状の空気室51を幅方向xへ列状に配置させている。この空気室11は、プラスチックシート10を長方形のシート2枚により構成し、これらを互いに重ね合わせて熱圧着を上下方向に施すことにより構成されるものであるが、これに限定されるものではなく、他のいかなる周知の方法によりこれを具体化するものであってもよい。
【0059】
図12は、図11におけるA−A´断面図を示す。隣接する空気室51間は互いに熱圧着52等により互いに隔壁されている。また各空気室51は、表面並びに裏面に対して突出された構成となっている。この空気室51における突出形状は、表裏ともに対称となるように調整されていることが望ましい。その理由として、図11に示すように、幅方向へ丸めてブーツの胴筒部に嵌挿する際に、当該胴筒部の内壁がこの膨らみを持たせた空気室51と接触することで、より円滑な挿入が可能となるためである。また、製作容易性を向上させることができることに加え、嵌挿時において空気室51の表面が胴筒部21の内壁との間で、周方向で一定間隔に隙間を空けることが可能となり、通気性をより向上させることが可能となる。
【0060】
また各空気室51は、上下端において互いに連結するように、熱圧着52が施される。その結果、ブーツ形状保持体5の上端には、x方向に向けて上端部空気室53が形成される。空気室51の幅方向のピッチは、いかなるものであってもよいが、図11の例では、展開時において50mmで構成した場合を想定している。また、各空気室51は互いに下端において連結された結果、それぞれ下端部空気室54、56が形成される。下端部空気室54、56も互いに熱圧着52を介して隔てられているが、これに限定されるものではなく、互いに隔てられていなくてもよい。
【0061】
ブーツ形状保持体5を構成するプラスチックシートは、さらに貫通穴57が下部中央に形成されている。この貫通孔57の存在により通気性を向上させることができ、内部の湿った空気や熱をこの貫通孔57を介して外部へ放出することが可能となる。この貫通穴57の周囲を覆うようにして下端部空気室56が形成されている。また下端部空気室54、56は、貫通穴57を両側から挟むようにして下端へと延長されていることになる。そして貫通穴57の下部において、下端部空気室54、56が互いに連結されている。但し、図11に示すように、この連結された下端部空気室54、56は、熱圧着58を介して互いに隔壁されている。
【0062】
プラスチックシートは、図11に示すように、展開時において上端から下端にかけて幅が狭くなるように成形されていてもよい。そのためには、各空気室51における何れか1以上は、上端から下端にかけて断面積が小さくなるように構成されていてもよい。図11の例では、プラスチックシートの展開時における上端の幅が345mmであり、下端の幅wが100〜300mmであるが、バランスを考慮すると165±10mm程度が望ましい。また、その他のサイズについては、図11に示すとおりである。
【0063】
貫通穴57を両側から挟むようにして下端へと延長された両側の下端部空気室54の下辺60は、展開時において水平方向に対して傾斜されていてもよい。
【0064】
このような図11に示す展開図からなるプラスチックシートから構成されるブーツ形状保持体5を幅方向へ丸めると、図10に示すように、上から下にかけて先細状となるように構成することが可能となる。その結果、このような先細状のブーツ形状保持体5をブーツ2における胴筒部21へ円滑に挿入することが可能となる。
【0065】
また、ブーツ形状保持体5を幅方向へ丸めるとその下端は、熱圧着58の部位において折り曲げられることになる。図13は、図10のD方向から見たブーツ形状保持体5の拡大図を示している。熱圧着58の部位において折り曲げられることにより、貫通穴57を容易にバランスよく作り出すことを可能としている。熱圧着の部位を貫通穴57の下部中央とすることにより、この貫通穴57をさらにバランスよく作り出すことが可能となる。
【0066】
また、下端部空気室54の下端は、先細状に構成されており、しかもその下辺60が水平方向に対して傾斜された状態で構成されている場合には、ブーツ形状保持体5を幅方向に丸めた場合において、図10に示すように下端を先鋭化させることができる。これにより、ブーツ2における胴筒部21へブーツ形状保持体5をより円滑に挿入することができる。また、このようなブーツ形状保持体5を胴筒部21へと挿入し、その後やや強く押し込んだ場合に、その下端部空気室54の下端は、ブーツ2の踵部に当り、化端部空気室54自身が弾性収縮することになる。そして、この下端部空気室54内の空気がその上に連結されている各空気室51や、上端部空気室53へと押し上げられる。この押し上げられた空気は、ブーツ形状保持体5に外接する胴筒部21への膨張力として負荷されることになり、胴筒部21の直立性を向上に寄与することが可能となる。
【0067】
特に、下端部空気室54の下端は、先細状に構成されており、しかもその下辺60が水平方向に対して傾斜された状態で構成されている場合には、当該下端がブーツ2の踵部に当たり、さらに押し下げられた場合に、下端部空気室54をよりスムーズに弾性収縮させることができる。その結果、ブーツ形状保持体5に外接する胴筒部21への膨張力の負荷をより効率的に行うことが可能となる。特にこの下端部空気室54の下端が先細かされていない場合には、これを上から押し潰そうとしたときに横方向に空気が逃げてしまい、連結されている各空気室51や、上端部空気室53へ空気を押し上げることが困難になる。本発明は、この下端部空気室54をうまく押し潰し、空気を各空気室51へと効率よく押し上げるために、上述した形状を採用している。
【0068】
ちなみに、このブーツ形状保持体5をブーツ2における胴筒部21内に嵌挿する際には、貫通穴57をつま先に向け、さらにx方向両端の空気室51がブーツ2におけるふくらはぎの部分に向けることが望ましい。その理由として、x方向両端の空気室51がふくらはぎの箇所で重ね合わさることにより、当該空気室51間が互いに圧迫されることになり、ちょうどふくらはぎの膨らんだ形状に応じて外側への膨張力を強くすることが可能となり、ひいてはブーツ2をふくらはぎの部分の再現性を向上させつつ美しく直立させることができるためである。
【0069】
また、本発明を適用したブーツ形状保持体5は、貫通穴57の周囲において下端部空気室56を設けている。このため、ブーツ形状保持体5を幅方向に折り曲げた場合において貫通穴57により構成される空気の穴を安定して作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態としてのブーツ形状保持体の斜視図である。
【図2】プラスチックシート上に配置させた空気室について説明するための図である。
【図3】筒状に構成されたブーツ形状保持体を実際にブーツにおける胴筒部に嵌挿した例を示す図である。
【図4】ブーツ形状保持体の水平断面図である。
【図5】本発明を適用した第2の実施の形態としてのブーツ形状保持体の斜視図である。
【図6】第2の実施の形態における他の例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態並びに第2の実施の形態の双方の技術的思想を取り込んだブーツ形状保持体の例を示す図である。
【図8】本発明を適用した第3の実施の形態としてのブーツ形状保持体の斜視図である。
【図9】第3の実施の形態におけるブーツ形状保持体を実際に胴筒部に嵌挿した例を示す図である。
【図10】本発明を適用した第4の実施の形態としてのブーツ形状保持体の斜視図である。
【図11】本発明を適用した第4の実施の形態としてのブーツ形状保持体の展開図である。
【図12】図11におけるA−A´断面図である。
【図13】図10のD方向から見たブーツ形状保持体の拡大図である。
【符号の説明】
【0071】
1 ブーツ形状保持体
2 ブーツ
10 プラスチックシート
11 空気室
13 貫通孔
21 胴筒部
23 内底部
24 かかと部
30 本体部
31 貫通孔
32 突出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブーツの胴筒部に嵌挿されることにより当該胴筒部の形状を保持するためのブーツ形状保持体において、
互いに隔壁されてなるとともに上下端において互いに連結された上下方向に細長い短冊状の複数の空気室を幅方向へ列状に配置させて予め気体を封入させたプラスチックシートを、上記幅方向へ丸めて上記ブーツの胴筒部に嵌挿可能とさせていること
を特徴とするブーツ形状保持体。
【請求項2】
上記プラスチックシートは、展開時において上端から下端にかけて幅が狭くなるように成形されてなること
を特徴とする請求項1記載のブーツ形状保持体。
【請求項3】
上記プラスチックシートは、貫通穴が下部中央に形成されてなり、当該貫通穴を両側から挟むようにして下端へと延長された両側の空気室が当該貫通穴の下部において互いに連結されてなるとともに互いに隔壁されてなること
を特徴とする請求項1又は2記載のブーツ形状保持体。
【請求項4】
上記貫通穴を両側から挟むようにして下端へと延長された両側の空気室の下辺は、展開時において水平方向に対して傾斜されてなること
を特徴とする請求項3記載のブーツ形状保持体。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のブーツ形状保持体における上記両側の空気室を、上記ブーツの踵部に押し当てることにより弾性収縮させつつ、当該ブーツ形状保持体を上記胴筒部に嵌挿し、上記弾性収縮させることによる気体に基づいて、外接する上記胴筒部への膨張力を負荷すること
を特徴とするブーツ形状保持方法。
【請求項6】
ブーツの胴筒部に嵌挿されることにより当該胴筒部の形状を保持するブーツ形状保持体において、
予め気体が封入されてなる上下方向に細長い短冊状の複数の空気室を幅方向へ列状に配置させたプラスチックシートを、上記幅方向へ丸めて連結することにより円筒状とされ、
これに伴って互いに隣接する上記空気室同士が圧迫されることにより、外接する上記胴筒部へ膨張力を負荷すること
を特徴とするブーツ形状保持体。
【請求項7】
上記空気室は、上記プラスチックシートの表面上に形成され、
上記プラスチックシートは、上記空気室が形成されている表面が内壁側に位置するように上記幅方向に丸められていること
を特徴とする請求項6記載のブーツ形状保持体。
【請求項8】
予め気体が封入されてなる上下方向に細長い短冊状の空気室を幅方向へ所定の間隔をおいて列状に配置させたプラスチックシートを上記幅方向へ丸めて連結することにより円筒状とされたブーツ形状保持体を、ブーツの胴筒部に嵌挿し、
これに伴って互いに隣接する上記空気室同士を圧迫させることにより、嵌挿された上記ブーツ形状保持体に外接する上記胴筒部へ膨張力を負荷すること
を特徴とするブーツ形状保持方法。
【請求項9】
上記空気室が形成されている表面が内壁側に位置するように上記幅方向に丸められているブーツ形状保持体を上記胴筒部に嵌挿すること
を特徴とする請求項8記載のブーツ形状保持方法。
【請求項1】
ブーツの胴筒部に嵌挿されることにより当該胴筒部の形状を保持するためのブーツ形状保持体において、
互いに隔壁されてなるとともに上下端において互いに連結された上下方向に細長い短冊状の複数の空気室を幅方向へ列状に配置させて予め気体を封入させたプラスチックシートを、上記幅方向へ丸めて上記ブーツの胴筒部に嵌挿可能とさせていること
を特徴とするブーツ形状保持体。
【請求項2】
上記プラスチックシートは、展開時において上端から下端にかけて幅が狭くなるように成形されてなること
を特徴とする請求項1記載のブーツ形状保持体。
【請求項3】
上記プラスチックシートは、貫通穴が下部中央に形成されてなり、当該貫通穴を両側から挟むようにして下端へと延長された両側の空気室が当該貫通穴の下部において互いに連結されてなるとともに互いに隔壁されてなること
を特徴とする請求項1又は2記載のブーツ形状保持体。
【請求項4】
上記貫通穴を両側から挟むようにして下端へと延長された両側の空気室の下辺は、展開時において水平方向に対して傾斜されてなること
を特徴とする請求項3記載のブーツ形状保持体。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のブーツ形状保持体における上記両側の空気室を、上記ブーツの踵部に押し当てることにより弾性収縮させつつ、当該ブーツ形状保持体を上記胴筒部に嵌挿し、上記弾性収縮させることによる気体に基づいて、外接する上記胴筒部への膨張力を負荷すること
を特徴とするブーツ形状保持方法。
【請求項6】
ブーツの胴筒部に嵌挿されることにより当該胴筒部の形状を保持するブーツ形状保持体において、
予め気体が封入されてなる上下方向に細長い短冊状の複数の空気室を幅方向へ列状に配置させたプラスチックシートを、上記幅方向へ丸めて連結することにより円筒状とされ、
これに伴って互いに隣接する上記空気室同士が圧迫されることにより、外接する上記胴筒部へ膨張力を負荷すること
を特徴とするブーツ形状保持体。
【請求項7】
上記空気室は、上記プラスチックシートの表面上に形成され、
上記プラスチックシートは、上記空気室が形成されている表面が内壁側に位置するように上記幅方向に丸められていること
を特徴とする請求項6記載のブーツ形状保持体。
【請求項8】
予め気体が封入されてなる上下方向に細長い短冊状の空気室を幅方向へ所定の間隔をおいて列状に配置させたプラスチックシートを上記幅方向へ丸めて連結することにより円筒状とされたブーツ形状保持体を、ブーツの胴筒部に嵌挿し、
これに伴って互いに隣接する上記空気室同士を圧迫させることにより、嵌挿された上記ブーツ形状保持体に外接する上記胴筒部へ膨張力を負荷すること
を特徴とするブーツ形状保持方法。
【請求項9】
上記空気室が形成されている表面が内壁側に位置するように上記幅方向に丸められているブーツ形状保持体を上記胴筒部に嵌挿すること
を特徴とする請求項8記載のブーツ形状保持方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−272427(P2008−272427A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−161678(P2007−161678)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【特許番号】特許第4081504号(P4081504)
【特許公報発行日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(506292642)株式会社イネドビジネスファッションプランニング (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【特許番号】特許第4081504号(P4081504)
【特許公報発行日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(506292642)株式会社イネドビジネスファッションプランニング (12)
【Fターム(参考)】
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