説明

プラスチック原料液の調合装置

【課題】光学物品の製造コストを低下させることができるとともに品質の良好な光学物品を製造することができるプラスチック原料液の調合装置を提供すること。
【解決手段】2種類の原材料L1,L2をそれぞれ収納する原材料収納容器11,12と、これらの原材料収納容器11,12からそれぞれ移送された原材料L1,L2を混合してプラスチック原料液を調合する混合部13と、この混合部13で調合された原材料L1,L2の混合比を検出する検出部14とを備えた。混合比が許容範囲内であれば、品質の良好な眼鏡用プラスチックレンズを製造することができ、混合比が許容範囲外である場合には、プラスチック原料液Lの成形型21への注入作業を中止することで、重合工程以後の作業を実施しなくてもよいから、製造コストの低下を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ異なる複数の原材料を調合してプラスチック原料液を調合するプラスチック原料液の調合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡用プラスチックレンズを製造するために、互いに一対の成形型を対向配置し、これらの成形型の周面にテープを貼付し、このテープを貫通したノズルからプラスチック原料液を注入するレンズ成形方法が知られている。
このレンズ成形方法で使用されるプラスチック原料液は、複数種類の原材料を混合して調合される。プラスチック原料液から眼鏡用プラスチックレンズを製造する従来例として、ポリイソシアネートとポリオールとをそれぞれ別に脱気し、ポリイソシアネートとポリオールとを所定割合で連続的に混合し、この混合したプラスチック原料液を成形型の内部に注入する方法がある(特許文献1)。
【0003】
また、他の従来例として、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物とを所定割合で混合し、この混合したプラスチック原料液を複数のレンズ型に注入し、これらのレンズ型を同一の重合炉に入れて複数の眼鏡用プラスチックレンズを重合し、これらの複数の眼鏡用プラスチックレンズのうち任意の枚数の眼鏡用プラスチックレンズを取り出して水浴中で染色し、その任意の枚数のレンズの染色濃度により、重合して得られた複数の眼鏡用プラスチックレンズの全てが所望の物性を有しているか否かを判定する方法(特許文献2)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−212732号公報
【特許文献2】特開2006−65036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
異なる原材料を複数混合してプラスチック原料液とする作業において、原材料の計量ミス、その他の人為的なミスが生じることがある。これらの原材料の混合比が規定の範囲から外れると、眼鏡用プラスチックレンズの基本物性が低下し、本来のレンズ性能を得ることができない。
特許文献1で示される従来例では、原材料であるポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物とが所定割合で混合されたプラスチック原料液を成形型に注入して眼鏡用プラスチックレンズが得られているが、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物との混合比率が正しい範囲であるか否かの検証方法までも提示されていない。
【0006】
この点、特許文献2で示される従来例では、混合比が正しい範囲にあるか否かの検証方法が提示されている。つまり、特許文献2は、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物とを含む組成物が好ましい組成範囲内にある場合のレンズと、好ましい組成範囲を逸脱した場合のレンズとでは、染色濃度が異なることに着目し、重合して得られた複数の眼鏡用プラスチックレンズを水浴中で染色し、それらのレンズの染色濃度により、眼鏡用プラスチックレンズが所望の物性を有しているか否かを判定する構成を採用し、この構成により、不良品を出荷前に見つけることができるという効果を奏することができる。
しかし、特許文献2では、不良品の発見のために、プラスチック原料液を複数のレンズ型に注入し、これらのレンズ型を同一の重合炉に入れて眼鏡用プラスチックレンズを重合してレンズを製造する工程まで実施しなければならない。レンズ製造後に不良品が発見された場合には、レンズの重合という無駄な製造工程をも実施することになり、製造コストが高いものとなる。
【0007】
本発明の目的は、光学物品の製造コストを低下させることができるとともに品質の良好な光学物品を製造することができるプラスチック原料液の調合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のプラスチック原料液の調合装置は、成形型にプラスチック原料液を注入して光学物品を製造するためにそれぞれ異なる複数の原材料を混合してプラスチック原料液を調合する装置であって、前記複数の原材料をそれぞれ収納する原材料収納容器と、これらの原材料収納容器からそれぞれ移送された原材料を混合して前記プラスチック原料液を調合する混合部と、この混合部で調合された前記原材料の混合比を検出する検出部とを備えることを特徴とする。
【0009】
この構成の発明では、予め、複数の原材料をそれぞれ原材料収納容器に収納しておき、これらの原材料収納容器から各原材料を混合部に移送し、この混合部で複数の原材料を混合してプラスチック原料液を調合する。この混合部で調合されたプラスチック原料液は検出部で原材料の混合比が検出される。この検出部で原材料の混合比が検出された結果、混合比が許容範囲内である場合には、このプラスチック原料液を成形型に注入して光学物品を製造し、混合比が許容範囲外である場合には、このプラスチック原料液を成形型に注入することを中止し、必要に応じて、各原材料の混合比を調整する。
本発明では、原材料収納容器からそれぞれ移送された原材料を混合部で混合してプラスチック原料液を調合し、この混合部で調合されたプラスチック原料液の原材料の混合比を検出部で検出するから、混合比が許容範囲内であれば、品質の良好な光学物品を製造することができ、混合比が許容範囲外である場合には、プラスチック原料液の成形型への注入作業を中止することで、重合工程以後の作業を実施しなくてもすむことになり、製造コストの低下を図ることができる。
【0010】
ここで、本発明では、前記混合部は、前記原材料を連続して混合する構成が好ましい。
この構成の発明では、原材料を連続して混合することで、プラスチック原料液の混合比が一定となりやすいので、その後実施される検出部での検出を正確に行うことができる。しかも、混合と検出とをインラインにより実施することができるので、この点からも、製造効率が向上し、製造コストの低下を図ることができる。
【0011】
前記検出部は、前記プラスチック原料液の吸光度又は透過率を検出する構成が好ましい。
この構成の発明は、原材料の種類によって吸光度又は透過率が相違することに着目したものである。使用する光の波長は、紫外線、可視光線、赤外線のいずれでも可能であり、使用する原料によって、混合比の検出が一番行いやすい波長を選ぶことが望ましい。この際、ラインの一部を透光性部材で構成し、この透光性部材の内部に流通するプラスチック原料液に光を照射し、この照射光のうちプラスチック原料液を透過する光を検出することで、吸光度又は透過率を検出する。
そのため、本発明では、検出のためにプラスチック原料液に検出器具が接触することに起因して検出器具に付着した材料が誤ってプラスチック原料液に混入することを防止することができるから、光学物品の品質の維持を図ることができる。また、ライン中を流れる原料液の混合比を連続的に確認することが可能となり、混合比がずれた場合に、直ちに検出が可能である。
【0012】
前記検出部は、前記プラスチック原料液の屈折率を検出する構成が好ましい。
この構成の発明は、原材料の種類によって屈折率が相違することに着目したもので、屈折率を計測する機器、例えば、屈折計や示差屈折計をプラスチック原料液が流通するラインに取り付けて原材料の混合比を検出する。
そのため、本発明では、屈折計や示差屈折計という比較的入手可能で測定精度の高い器具で原材料の混合比を検出することができるから、製造コストを低いものにできる。また、ライン中を流れる原料の混合比を連続的に確認することが可能となり、混合比がずれた場合に、直ちに検出が可能である。
【0013】
前記複数の原材料のうち一部に染料が添加されている構成が好ましい。
この構成の発明では、複数の原材料のうち一部に染料が添加されることで、当該一部の原材料と他の原材料との吸光度又は透過率差を大きくすることができるため、原材料の混合比を正確に検出することができる。
【0014】
前記複数の原材料のうち一部に紫外線吸収剤が添加されている構成が好ましい。
この構成の発明では、複数の原材料のうち一部に紫外線吸収剤が添加されることで、当該一部の原材料と他の原材料との特に紫外線領域における吸光度又は透過率差を大きくすることができるため、原材料の混合比を正確に検出することができる。
【0015】
前記複数の原材料のうち一部がポリイソ(チオ)シアネート化合物を含む組成物であり、他の少なくとも一部がポリチオール化合物を含む組成物である構成が好ましい。
この構成の発明では、ポリイソ(チオ)シアネート化合物を含む組成物とポリチオール化合物を含む組成物とを有するプラスチック原料液から品質の良好な光学物品を製造することができるとともに、製造コストを低下させることができる。
【0016】
前記複数の原材料のうち一部がエピスルフィド化合物を含む組成物であり、他の少なくとも一部がポリチオール化合物を含む組成物である構成が好ましい。
この構成の発明では、エピスルフィド化合物を含む組成物とポリチオール化合物を含む組成物とを有するプラスチック原料液から品質の良好な光学物品を製造することができるとともに、製造コストを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態にかかるプラスチック原料液の調合装置を含む製造装置の概略構成図。
【図2】(A)(B)はそれぞれ混合部の一例を示す概略構成図。
【図3】(A)〜(C)はそれぞれ検出部の一例を示す概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には本実施形態にかかるプラスチック原料液の調合装置を含む製造装置の概略構成が示されている。
図1において、製造装置は、それぞれ異なる2種類の原材料L1,L2を調合してプラスチック原料液Lを調合する調合装置1と、この調合装置1で調合したプラスチック原料液Lを注入して光学物品としての眼鏡用プラスチックレンズを製造する成形装置2とを備えている。
【0019】
調合装置1は、原材料L1を収納する原材料収納容器11と原材料L2を収納する原材料収納容器12と、これらの原材料収納容器11,12からそれぞれ移送された原材料L1,L2を混合してプラスチック原料液Lを調合する混合部13と、この混合部13で混合されて調合された原材料L1,L2の混合比を検出する検出部14とを備える。
原材料収納容器11と混合部13とを接続するライン11Lには原材料L1を原材料収納容器11から混合部13へ移送するポンプ151が設けられ、原材料収納容器12と混合部13とを接続するライン12Lには原材料L2を原材料収納容器12から混合部13へ移送するポンプ152が設けられている。
【0020】
成形装置2は、プラスチック原料液を注入する成形型21と、この成形型21に検出部14からプラスチック原料液を移送するポンプ22とを有する。
成形型21は、一対の平面略円板状のガラス型211,212と、これらのガラス型211,212の外周縁部に貼付されたテープ213とを備えている。このテープ213はノズル214の先端部が貫通され、このノズル214はポンプ22で移送されたプラスチック原料液を成形型21の内部に吐出する。
このポンプ22と、調合装置1のポンプ151,152とは制御装置3と接続されており、この制御装置3は、検出部14からの信号を受けてポンプ22,151,152の駆動を制御する。
【0021】
制御装置3は、検出部14で検出される原材料L1,L2の混合比が許容範囲内である場合には、このプラスチック原料液Lを成形型21に注入するようにポンプ22を駆動制御するとともに、原材料L1,L2を混合部13に送るようにポンプ151,152を駆動制御し、混合比が許容範囲外である場合には、このプラスチック原料液Lを成形型21に注入することがないようにポンプ22の駆動を停止するとともに、原材料L1,L2を混合部13に送らないようにポンプ151,152の駆動を停止する。
【0022】
混合比が許容範囲外である場合には、制御装置3は必要に応じて警報を表示するものとしてもよい。この警報としては、警報音や図示しないディスプレイ、例えば、パソコンで異常を示す表示をする。さらに、混合比が許容範囲外である場合には、制御装置3は、原材料L1,L2を混合部13に送らないようにポンプ151,152の駆動を停止する代わりに、混合比が許容範囲内になるようにポンプ151,152の駆動状態(吐出量)を変えるように制御するものでもよい。例えば、原材料L1が原材料L2より多いと検出部14で検出されたなら、原材料L1の混合部13への吐出量を少なくするようにポンプ151の駆動を制御するともに原材料L2の混合部13への吐出量を多くするようにポンプ152の駆動を制御する。
【0023】
混合部13は種々の構造を採用することができるが、例えば、図2(A)(B)に示される構造のものを採用することができる。
図2(A)には混合部13をスタティックミキサーから構成した例が示されている。
図2(A)において、混合部13は、集合管131と、この集合管131に接続されるミキサー管132とを有する。
集合管131は、ライン11Lの端部と接続される端部131Aとライン12Lの端部と接続される端部131Bと、ライン11Lから移送される原材料L1とライン12Lから移送される原材料L2とを合流させる合流空間131Cとを有する。
ミキサー管132は、集合管131と一端が接続されるとともに他端が検出部14に接続される管部132Aと、この管部132Aの内部に取り付けられる複数のフィン132Bとを有する。これらの複数のフィン132Bは板をねじ曲げた構造であり、集合管131から送られる原材料L1と原材料L2とを分割、転換、反転させることで混合しプラスチック原料液Lを調合する。
【0024】
図2(B)には混合部13をダイナミックミキサーから構成した例が示されている。
図2(B)において、混合部13は、集合管131と、この集合管131に接続されるミキサー管133とを有する。
ミキサー管133は、集合管131と一端が接続されるとともに他端が検出部14に接続される管部133Aと、この管部133Aの内部に回転自在に取り付けられるスクリュー部133Bと、このスクリュー部133Bを回転駆動するモータ133Cとを有する。このモータ133Cによってスクリュー部133Bを回転することで、集合管131から送られる原材料L1と原材料L2と混合しプラスチック原料液Lを調合する。
【0025】
検出部14は種々の構造を採用することができるが、例えば、図3(A)〜(C)に示される構造のものを採用することができる。
図3(A)には検出部14として吸光度を検出する構成の例が示されている。
図3(A)において、検出部14は、一端がミキサー管132と接続され他端がノズル214と連通する透光性の連通管141と、この連通管141の内部を流通するプラスチック原料液Lの吸光度を検出する吸光度検出器142とを備える。
吸光度検出器142は分光光度計であり、連通管141を挟んで対向配置された光照射部142Aと、この光照射部142Aで照射された光であって連通管141を透過した光を受光する受光部142Bとを有する。
ここで、原材料L1の吸光度をX1、原材料L2の吸光度をX2とし、原材料L1と原材料L2との混合比を1:αとした際のプラスチック原料液Lの吸光度Xは
X=(X1+αL2)/(1+α)となる。
このXの値を中心とし、その上下に所定の数値を加えて前述の許容範囲を設定する。
【0026】
図3(B)(C)には検出部14としてプラスチック原料液Lの屈折率を検出する構成の例が示されている。
図3(B)において、検出部14は、一端がミキサー管132と接続され他端がノズル214と連通する連通管143と、この連通管143の内部を流通するプラスチック原料液Lの吸光度を検出する屈折計144とを備える。
屈折計144は、その先端側の検出部が連通管143を貫通して管内部に露出される。
ここで、原材料L1の屈折率をY1、原材料L2の屈折率をY2とし、原材料L1と原材料L2との混合比を1:αとした際のプラスチック原料液Lの屈折率Yは
Y=(Y1+αY2)/(1+α)となる。
このYの値を中心とし、その上下に所定の数値を加えて前述の許容範囲を設定する。
【0027】
図3(C)において、検出部14は、連通管143と、この連通管143の内部を流通するプラスチック原料液Lの吸光度を検出する示差屈折計145とを備える。
示差屈折計145は、連通管143の内部流体と参照流体とをそれぞれ導入するフローセル145Aと、このフローセル145Aに測定光を照射する光源145Bと、この光源145Bから照射してフローセル145Aを透過した光をフローセル145Aに反射するミラー145Cと、フローセル145Aを透過した反射光を受光する受光センサ145Dとを有する。光源145Bとフローセル145Aとの間にはレンズ145E及びスリット145Fが配置される。フローセル145Aは、その内部に連通管143の内部流体と参照流体とを仕切る隔壁145Xが設けられ、ミラー145Cから反射した測定光は隔壁145Xを通過することにより連通管143の内部流体と参照流体との屈折率差に応じて屈折し、受光センサ145Dに照射される。
【0028】
原材料L1と原材料L2とは種々の材料を用いることができる。例えば、原材料L1として、ポリイソ(チオ)シアネート化合物を含む組成物を用いることができ、原材料L2としてポリチオール化合物を含む組成物を用いることができる。又は、原材料L1としてエピスルフィド化合物を含む組成物を用いることができ、原材料L2としてポリチオール化合物を含む組成物を用いることができる。さらに、原材料L1,L2のうち一方、例えば、原材料L1に染料と紫外線吸収剤との少なくとも一方を添加する。染料と紫外線吸収剤との添加量は原材料L1,L2の添加量に比べて微量のため、原材料L1,L2の混合比に大きな影響を与えるものではない。
【0029】
ここで、ポリイソシアネート化合物の具体例としては、1,2−ジイソシアナトベンゼン、1,3−ジイソシアナトベンゼン、1,4−ジイソシアナトベンゼン、2,4−ジイソシアナトトルエン、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(2−メチルフェニルイソシアネート)、ビベンジル−4,4’−ジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルイソシアネート)、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカンが挙げられる。
【0030】
また、キシリレンジイソシアネート、テトラクロロ−m−キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3,8−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5.2.1、02、6]−デカン、3,9−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5.2.1.02、6]−デカン、4,8−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5.2.1、02、6]−デカン、4,9−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロ[5.2.1、02、6]−デカン、ダイマー酸ジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物及びそれらの化合物のアロファネート変性体、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン、1,4−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリック型ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット化反応物、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト生成物、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソシアヌレート変性体等が挙げられる。
なお、イソシアネートで例示したが、イソチオシアネートであってもよい。
これらのポリイソシアネート化合物、ポリイソチオシアネート化合物を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0031】
ポリチオール化合物としては、以下に示す種々の化合物、および、これらの化合物の1つ又は複数を採用したものを挙げることができる。例えば、以下のようなものが挙げられる。1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2,5−トリメルカプト−4−チアペンタン、3,3−ジメルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−2,4−ジチアペンタン、3−メルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−2,4−ジチアペンタン、3−メルカプトメチルチオ−1,7−ジメルカプト−2,6−ジチアヘプタン、3,6−ジメルカプトメチル−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、3,7−ジメルカプトメチル−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、4,6−ジメルカプトメチル−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、3−メルカプトメチル−1,6−ジメルカプト−2,5−ジチアヘキサン、3−メルカプトメチルチオ−1,5−ジメルカプト−2−チアペンタン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,4,8,11−テトラメルカプト−2,6,10−トリチアウンデカン、1,4,9,12−テトラメルカプト−2,6,7,11−テトラチアドデカン、2,3−ジチア−1,4−ブタンジチオール、2,3,5,6−テトラチア−1,7−ヘプタンジチオール、2,3,5,6,8,9−ヘキサチア−1,10−デカンジチオール、4,5−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチオラン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−ビス(メルカプトメチルチオ)メチル−1,3−ジチエタン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン等が挙げられる。
【0032】
また、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプトフェノール、3,4−ジメルカプト−2−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン等が挙げられる。
【0033】
さらに、構造内にメルカプト基を2個以上有する化合物としては、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラキス(メルカプトメチル)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等の芳香族ポリチオール、1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン等、およびこれらの核アルキル化物等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳香族ポリチオール化合物、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピル)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、4−メルカプトメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタンジチオール、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、ビス(1,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド等、およびこれらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン酸のエステル、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−チオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族ポリチオール化合物などが挙げられる。
【0034】
エピスルフィド化合物としては、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)トリスルフィド、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)スルフィド等のエピスルフィド類が挙げられる。
【0035】
染料としてブルーイング用染料を例示できる。このブルーイング用染料は、眼鏡用プラスチックレンズ用材料自体に添加することにより黄色さを打ち消し、眼鏡用プラスチックレンズの透明感を維持するような青色又は紫色の染料である。ブルーイング用染料としては、特に制限はないが、油溶染料、中でもアントラキノンバイオレット系油溶染料、又はアントラキノンブルー系油溶染料が好ましい。これらの油溶染料の具体例としては、C.I.ソルベントバイオレット 13、C.I.ソルベントバイオレット 14、C.I.ソルベントブルー 11、C.I.ソルベントブルー12等が挙げられる。
【0036】
紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を例示できる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ・tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ・tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、1.6−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ヘキサン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等を例示することができる。
【0037】
次に、本実施形態の製造装置を用いて眼鏡用プラスチックレンズを製造する方法について説明する。
まず、眼鏡用プラスチックレンズの原材料L1,L2を選定するとともに、その混合比を選定する。この混合比に対応した許容範囲を制御装置3に設定する。さらに、原材料L1を原材料収納容器11に収納し、原材料L2を原材料収納容器12に収納しておく。なお、原材料収納容器11に染料と紫外線吸収剤との少なくとも一方を収納する。
この状態で、制御装置3によって、ポンプ151,152,22を作動させる。すると、原材料収納容器11,12に収納された原材料L1,L2は混合部13に移送され、この混合部13で混合されてプラスチック原料液Lが調合される。混合部13では、集合管131に原材料L1と原材料L2とが集まり、スタティックミキサーやダイナミックミキサーによって十分に混合されてプラスチック原料液Lが調合される。
このプラスチック原料液Lは検出部14を通って成形装置2に送られる。この成形装置2では、ポンプ22によってプラスチック原料液が成形型21の内部空間に注入される。
【0038】
ここで、検出部14で検出された混合比の信号は制御装置3に送られる。制御装置3では、検出部14から送られた混合比の信号が許容範囲内の場合は、ポンプ151,152,22を引き続き同じ状態で作動させる。
これに対して、制御装置3で混合比が許容範囲外であると判断した場合には、原材料L1,L2を混合部13に送らないようにあるいは許容範囲内となるようにポンプ151,152の駆動を制御するとともにポンプ22の駆動を停止して成形型21にプラスチック原料液Lの注入を中止する。
【0039】
従って、本実施形態では、次の作用効果を奏することができる。
(1)2種類の原材料L1,L2をそれぞれ収納する原材料収納容器11,12と、これらの原材料収納容器11,12からそれぞれ移送された原材料L1,L2を混合してプラスチック原料液を調合する混合部13と、この混合部13で調合された原材料L1,L2の混合比を検出する検出部14とを備えて調合装置を構成したから、混合比が許容範囲内であれば、品質の良好な眼鏡用プラスチックレンズを製造することができ、混合比が許容範囲外である場合には、プラスチック原料液Lの成形型21への注入作業を中止することで、重合工程以後の作業を実施しなくてもよいから、製造コストの低下を図ることができる。
(2)混合部13と検出部14とは1つのライン上に配置されているから、混合と検出とがインラインで実施されることになり、この点からも、製造効率が向上して製造コストの低下を図ることができる。
【0040】
(3)原材料L1,L2はポンプ151,152によって混合部13に連続して混合されるから、プラスチック原料液Lの混合比が一定となりやすくなり、検出部14での検出の精度を高いものにできる。
【0041】
(4)検出部14を、プラスチック原料液Lの吸光度を検出する構成とすれば、非接触でプラスチック原料液Lの検出を行うことができるから、眼鏡用プラスチックレンズに異物が混入することに伴う品質の低下を防止することができる。
(5)検出部14を、プラスチック原料液Lの屈折率を検出する構成とすれば、比較的入手可能で測定精度の高い器具を採用することが可能であるから、製造コストを低いものにできる。
【0042】
(6)原材料L1に染料や紫外線吸収剤が添加されているから、原材料L1と原材料L2との透過率差を大きくすることができるため、原材料L1,L2の混合比を正確に検出することができる。
【0043】
(7)混合部13をスタティックミキサーから構成すれば、混合部13に可動部分がないことから、メンテナンスが容易となる、
(8)混合部13をダイナミックミキサーから構成すれば、原材料L1,L2の混合をより短時間かつ正確に行うことができる。
【0044】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、2種類の原材料L1,L2を混合してプラスチック原料液Lを調合したが、本発明では、3種類以上の原材料を混合してプラスチック原料液Lを調合するものでもよい。さらに、原材料も前記実施形態のものに限定されるものではない。
また、本発明では、検出部14を構成するにあたり、連通管141、143にかえてサブタンクを用いてもよい。
さらに、インラインで混合部13と検出部14とを設けたが、必ずしもインラインの構成にすることを要しない。
【0045】
さらに、光学物品を眼鏡用プラスチックレンズとした場合について説明したが、成形型21を利用して製造される光学物品であれば、その具体的な構成は問わない。例えば、カメラ用のレンズを製造する場合についても本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、眼鏡用プラスチックレンズ、カメラ用レンズ、その他の光学物品の製造に利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…調合装置、2…成形装置、3…制御装置、11,12…原材料収納容器、13…混合部、14…検出部、L1,L2…原材料、L…プラスチック原料液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形型にプラスチック原料液を注入して光学物品を製造するためにそれぞれ異なる複数の原材料を混合してプラスチック原料液を調合する装置であって、
前記複数の原材料をそれぞれ収納する原材料収納容器と、これらの原材料収納容器からそれぞれ移送された原材料を混合して前記プラスチック原料液を調合する混合部と、この混合部で調合された前記原材料の混合比を検出する検出部とを備える
ことを特徴とするプラスチック原料液の調合装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたプラスチック原料液の調合装置において、
前記混合部は、前記原材料を連続して混合する
ことを特徴とするプラスチック原料液の調合装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたプラスチック原料液の調合装置において、
前記検出部は、前記プラスチック原料液の吸光度又は透過率を検出する
ことを特徴とするプラスチック原料液の調合装置。
【請求項4】
請求項2に記載されたプラスチック原料液の調合装置において、
前記検出部は、前記プラスチック原料液の屈折率を検出する
ことを特徴とするプラスチック原料液の調合装置。
【請求項5】
請求項2又は請求項3に記載されたプラスチック原料液の調合装置において、
前記複数の原材料のうち一部に染料が添加されている
ことを特徴とするプラスチック原料液の調合装置。
【請求項6】
請求項2又は請求項3に記載されたプラスチック原料液の調合装置において、
前記複数の原材料のうち一部に紫外線吸収剤が添加されている
ことを特徴とするプラスチック原料液の調合装置。
【請求項7】
請求項2から請求項5のいずれかに記載されたプラスチック原料液の調合装置において、
前記複数の原材料のうち一部がポリイソ(チオ)シアネート化合物を含む組成物であり、他の少なくとも一部がポリチオール化合物を含む組成物である
ことを特徴とするプラスチック原料液の調合装置。
【請求項8】
請求項2から請求項5のいずれかに記載されたプラスチック原料液の調合装置において、
前記複数の原材料のうち一部がエピスルフィド化合物を含む組成物であり、他の少なくとも一部がポリチオール化合物を含む組成物である
ことを特徴とするプラスチック原料液の調合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−214754(P2010−214754A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64017(P2009−64017)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】