説明

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法

【課題】プラズマの状態によらず、プラズマの均一性を容易に確保することができるプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供すること。
【解決手段】上部電極434および下部電極16との間に処理ガスのプラズマを生成してウエハWにプラズマエッチングを施すプラズマエッチング装置であって、上部電極434には高周波電源48および可変直流電源50が接続され、上部電極434は、電極板536と、電極板536を支持する一体構造の電極支持部材438とを有し、電極板536は、面内方向に所定の電気抵抗の分布が形成され、上部電極434の表面に所定の直流電界および高周波電界の分布を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板等の被処理基板にプラズマエッチング等のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいては、被処理基板である半導体ウエハに形成された所定の層に所定のパターンを形成するために、レジストをマスクとしてプラズマによりエッチングするプラズマエッチング処理が多用されている。
【0003】
このようなプラズマエッチングを行うためのプラズマエッチング装置としては、種々のものが用いられているが、その中でも容量結合型平行平板プラズマ処理装置が主流である。
【0004】
容量結合型平行平板プラズマエッチング装置は、チャンバ内に一対の平行平板電極(上部および下部電極)を配置し、処理ガスをチャンバ内に導入するとともに、電極の一方に高周波を印加して電極間に高周波電界を形成し、この高周波電界により処理ガスのプラズマを形成して半導体ウエハの所定の層に対してプラズマエッチングを施す。
【0005】
具体的には、上部電極にプラズマ形成用の高周波を印加してプラズマを形成し、下部電極にイオン引き込み用の高周波を印加することにより、適切なプラズマ状態を形成するプラズマエッチング装置が知られており、これにより、高選択比で再現性の高いエッチング処理が可能である。
【0006】
最近では、デザインルールの微細化につれてプラズマ処理に低圧化での高密度プラズマが要求されており、容量結合型プラズマ処理装置では、従来よりも格段に高い50MHz以上もの高周波数の高周波電力が印加されるようになってきている(例えば特許文献1)。
【0007】
しかしながら、上部電極に印加する高周波の周波数が高くなると、高周波電源から給電棒を通って電極背面に印加される高周波が表皮効果により電極表面を伝わって電極下面(プラズマ接触面)の中心部に集中し、電極下面の中心部の電界強度が外周部の電界強度よりも高くなって、生成されるプラズマの密度も電極中心部の方が電極外周部より高くなり、エッチング処理がセンターファーストとなる。
【0008】
この問題を解消するために、特許文献2では、上部電極の下面中央部を高抵抗部材で構成し、そこでより多くの高周波電力をジュール熱として消費させることで、上部電極の下面(プラズマ接触面)の電界強度を電極外周部よりも電極中心部で相対的に低下させる技術が提案されている。
【0009】
しかしながら、特許文献2の技術では、ジュール熱による高周波電力の消費(エネルギー損失)が多くなってしまう等の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−173993号公報
【特許文献2】特開2000−323456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、プラズマの状態によらず、プラズマの均一性を容易に確保することができるプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、任意のプラズマ分布を実現することができるプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点では、被処理基板が収容され、真空排気可能な処理容器と、処理容器内に対向して配置される第1電極および第2電極と、前記第1電極に高周波電力を印加する高周波電源と、前記第1電極に直流電圧を印加する直流電源と、前記処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給手段とを具備し、前記第1電極および前記第2電極との間に処理ガスのプラズマを生成して被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、前記第1電極は上部電極であり、前記第2電極は被処理基板を載置する下部電極であり、前記第1電極は、電極板と、前記電極板を支持する一体構造の電極支持部材とを有し、前記高周波電源および前記直流電源は前記電極支持部材に接続されており、前記第1電極の前記電極板は、面内方向に所定の電気抵抗の分布が形成され、前記第1電極の表面に所定の直流電界および高周波電界の分布を形成することを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
【0014】
本発明の第2の観点では、被処理基板が収容され、真空排気可能な処理容器と、処理容器内に対向して配置される第1電極および第2電極と、前記第1電極に高周波電力を印加する高周波電源と、前記第1電極に直流電圧を印加する直流電源と、前記処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給手段とを具備し、前記第1電極および前記第2電極との間に処理ガスのプラズマを生成して被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、前記第1電極は上部電極であり、前記第2電極は被処理基板を載置する下部電極であり、前記第1電極は、前記プラズマに臨むように配置された複数の電極板と、誘電体膜を介して前記複数の電極板を支持する一体構造の電極支持部材とを有し、前記複数の電極板は、それぞれスイッチを介して前記直流電源に接続され、前記直流電源からの直流電圧は前記複数の電極板に選択的に印加可能であることを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
【0015】
上記本発明の第1の観点に係るプラズマ処理装置において、前記誘電体膜は、前記直流電源からの直流電流は遮断し、前記高周波電源からの高周波は通過させることが好ましい。また、前記複数の電極板の外側に設けられた、リング状の補助電極をさらに有し、前記補助電極は、スイッチを介して前記直流電源に接続されている構成をとることができる。
【0016】
上記本発明の第1の観点または第2の観点に係るプラズマ装置において、前記直流電源からの印加電圧または印加電流または印加電力を制御する制御装置をさらに具備することができる。この制御装置は、前記プラズマ処理時には前記直流電源からの直流電圧を印加し、前記処理容器内部のクリーニング時には前記直流電源からの直流電圧の印加を停止するように制御する構成とすることができる。
【0017】
上記本発明の第1の観点または第2の観点に係るプラズマ装置において、前記第2電極にイオン引き込み用の高周波電力を印加するイオン引き込み用高周波電源をさらに具備してもよい。
【0018】
本発明の第3の観点では、被処理基板が収容され、真空排気可能な処理容器と、処理容器内に対向して配置される第1電極および第2電極と、前記第1電極に高周波電力を印加する高周波電源と、前記第1電極に直流電圧を印加する直流電源と、前記処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給手段とを具備し、前記第1電極は上部電極であり、前記第2電極は被処理基板を載置する下部電極であり、前記第1電極は、電極板と、前記電極板を支持する一体構造の電極支持部材とを有し、前記高周波電源および前記直流電源は前記電極支持部材に接続されているプラズマ処理装置を用いて、前記第1電極および前記第2電極との間に処理ガスのプラズマを生成して被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理方法であって、前記第1電極の前記電極板に、面内方向に所定の電気抵抗の分布を形成し、前記第1電極の表面に所定の直流電界および高周波電界の分布を形成することを特徴とするプラズマ処理方法を提供する。
【0019】
本発明の第4の観点では、被処理基板が収容され、真空排気可能な処理容器と、処理容器内に対向して配置される第1電極および第2電極と、前記第1電極に高周波電力を印加する高周波電源と、前記第1電極に直流電圧を印加する直流電源と、前記処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給手段とを具備し、前記第1電極は上部電極であり、前記第2電極は被処理基板を載置する下部電極であり、前記第1電極は、前記プラズマに臨むように配置された複数の電極板と、誘電体膜を介して前記複数の電極板を支持する一体構造の電極支持部材とを有し、前記複数の電極板は、それぞれスイッチを介して前記直流電源に接続されているプラズマ処理装置を用いて、前記第1電極および前記第2電極との間に処理ガスのプラズマを生成して被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理方法であって、前記直流電源からの直流電圧を前記複数の電極板に選択的に印加してプラズマ密度分布を制御することを特徴とするプラズマ処理方法を提供する。
【0020】
本発明の第3の観点および第4の観点に係るプラズマ処理方法において、前記プラズマ処理時には前記直流電源からの直流電圧を印加し、前記処理容器内のクリーニング時には前記直流電源からの直流電圧の印加を停止するようにすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上部電極である第1電極として、電極板と、前記電極板を支持する一体構造の電極支持部材とを有し、電極板として、面内方向に所定の電気抵抗の分布が形成されたものを用い、高周波電源からの高周波電力および直流電源からの直流電圧が印加されることにより第1電極の表面に所定の直流電界および高周波電界の分布を形成するので、形成されるプラズマの特性に応じて第1電極の抵抗分布を調整することにより、プラズマの均一化を図ることも、プラズマの分布制御を行うこともできる。
【0022】
また、上部電極である第1電極として、プラズマに臨むように配置された複数の電極板と、誘電体膜を介してこれら複数の電極板を支持する一体構造の電極支持部材とを有し、複数の電極板は、それぞれスイッチを介して前記直流電源に接続され、前記直流電源からの直流電圧は前記複数の電極板に選択的に印加可能であるものを用いたので、プラズマの密度分布の制御性を著しく高めることができ、プラズマ密度分布の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す概略断面図。
【図2】図1のプラズマエッチング装置の上部電極構造を説明するための模式図。
【図3】図1のプラズマエッチング装置において、上部電極へ直流電圧を印加する際に異常放電を抑制するための波形を示す図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す概略断面図。
【図5】図4のプラズマエッチング装置の上部電極構造を説明するための模式図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す概略断面図。
【図7】図6のプラズマエッチング装置の上部電極構造を説明するための模式図。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るプラズマエッチング装置の上部電極構造を説明するための模式図。
【図9】本発明の第5の実施形態に係るプラズマエッチング装置の上部電極構造を説明するための模式図。
【図10】図6のプラズマエッチング装置を用いて可変直流電源の電圧を変化させた場合の電子密度分布を示す図。
【図11】図6のプラズマエッチング装置を用いて可変直流電源の直流電圧を変化させた場合、および直流電圧を印加せずに可変コンデンサを変化させた場合の電子密度分布を示す図。
【図12】図6のプラズマエッチング装置を用いてArレスのガス組成で可変直流電源から直流電圧を印加してプラズマエッチングを行った場合の電子密度分布を示す図。
【図13】本発明の第6の実施形態に係るプラズマエッチング装置における上部電極構造を示す模式図。
【図14】本発明の第6の実施形態に係るプラズマエッチング装置における上部電極構造の変形例を示す模式図。
【図15】本発明の第7の実施形態に係るプラズマエッチング装置における上部電極構造を示す模式図。
【図16】本発明の第8の実施形態に係るプラズマエッチング装置における上部電極構造を示す模式図。
【図17】上部電極形状の変形例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明をプラズマエッチング装置に適用した実施形態について具体的に説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す概略断面図である。
【0025】
このプラズマエッチング装置は、容量結合型平行平板プラズマエッチング装置として構成されており、例えば表面が陽極酸化処理されたアルミニウムからなる略円筒状のチャンバ(処理容器)10を有している。このチャンバ10は保安接地されている。
【0026】
チャンバ10の底部には、セラミックス等からなる絶縁板12を介して円柱状のサセプタ支持台14が配置され、このサセプタ支持台14の上に例えばアルミニウムからなるサセプタ16が設けられている。
【0027】
サセプタ16の上面には、被処理基板である半導体ウエハWを静電力で吸着保持する静電チャック18が設けられており、この静電チャック18上に半導体ウエハWが載置される。この静電チャック18は、導電膜からなる電極20を一対の絶縁層または絶縁シートで挟んだ構造を有するものであり、電極20には直流電源22が電気的に接続されている。そして、直流電源22からの直流電圧により生じたクーロン力等の静電力により半導体ウエハWが静電チャック18に吸着保持される。
【0028】
静電チャック18(半導体ウエハW)の周囲でサセプタ16の上面には、エッチングの均一性を向上させるための、例えばシリコンからなる導電性のフォーカスリング(補正リング)24が配置されている。サセプタ16およびサセプタ支持台14の側面には、例えば石英からなる円筒状の内壁部材26が設けられている。
【0029】
サセプタ支持台14の内部には、冷媒室28が設けられている。この冷媒室には、外部に設けられた図示しないチラーユニットより配管30a,30bを介して所定温度の冷媒、例えば冷却水が循環供給され、冷媒の温度によってサセプタ上の半導体ウエハWの処理温度を制御することができる。
【0030】
さらに、図示しない伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス、例えばHeガスがガス供給ライン32を介して静電チャック18の上面と半導体ウエハWの裏面との間に供給される。
【0031】
下部電極であるサセプタ16の空間を隔てた上方には、サセプタ16と対向するように平行に上部電極34が設けられている。そして、上部および下部電極34,16間の空間がプラズマ生成空間となる。上部電極34は、下部電極であるサセプタ16上の半導体ウエハWと対向してプラズマ生成空間と接する面、つまり対向面を形成する。
【0032】
この上部電極34は、絶縁性遮蔽部材42を介して、チャンバ10の上部に支持されており、サセプタ16との対向面を構成しかつ多数の吐出孔37を有し、リング状に設けられた外側電極板36aと、この外側電極板36aの内側に設けられた円盤状をなす内側電極板36bと、これら外側電極板36aおよび内側電極板36bを着脱自在に支持し、導電性材料、例えば表面が陽極酸化処理されたアルミニウムからなる水冷構造の電極支持体38とによって構成されている。外側電極板36aと内側電極板36bとの間は隙間が形成されている。また、外側電極板36aと電極支持体38との間には、アルミニウムの陽極酸化皮膜等からなる薄い誘電体膜39が介在されている。外側電極板36aおよび内側電極板36bは、ジュール熱の少ない低抵抗の導電体または半導体、例えばシリコンやSiCで構成される。電極支持体38の内部には、ガス拡散室40が設けられ、このガス拡散室40からはガス吐出孔37に連通する多数のガス通流孔41が下方に延びている。
【0033】
電極支持体38にはガス拡散室40へ処理ガスを導くガス導入口62が形成されており、このガス導入口62にはガス供給管64が接続され、ガス供給管64には処理ガス供給源66が接続されている。ガス供給管64には、上流側から順にマスフローコントローラ(MFC)68および開閉バルブ70が設けられている。そして、処理ガス供給源66から、エッチングのための処理ガスとして、例えばCガスのようなフロロカーボンガス(C)がガス供給管64からガス拡散室40に至り、ガス通流孔41およびガス吐出孔37を介してシャワー状にプラズマ生成空間に吐出される。すなわち、上部電極34は処理ガスを供給するためのシャワーヘッドとして機能する。
【0034】
上部電極34には、整合器46および給電棒44を介して、第1の高周波電源48が電気的に接続されている。第1の高周波電源48は、13.56MHz以上の周波数、例えば60MHzの高周波電力を出力する。整合器46は、第1の高周波電源48の内部(または出力)インピーダンスに負荷インピーダンスを整合させるもので、チャンバ10内にプラズマが生成されている時に第1の高周波電源48の出力インピーダンスと負荷インピーダンスが見かけ上一致するように機能する。整合器46の出力端子は給電棒44の上端に接続されている。
【0035】
一方、上記上部電極34には、第1の高周波電源48の他、可変直流電源50が電気的に接続されている。可変直流電源50はバイポーラ電源で構成するのが好ましい。具体的には、この可変直流電源50は、ローパスフィルタ(LPF)58を介して上部電極34の電極支持体38に接続されており、リレー回路52により給電のオン・オフが可能となっている。ローパスフィルタ(LPF)58により、第1の高周波電源48からの高周波電力および後述する第2の高周波電源からの高周波電力がトラップされる。可変直流電源50の極性および電流・電圧ならびにリレー回路52のオン・オフはコントローラ51により制御されるようになっている。
【0036】
可変直流電源50からの直流電流は電極支持体38から内側電極板36bには流れるが、前記誘電体膜39の存在により外側電極板36aには流れないように構成されている。誘電体膜39は薄く形成されており、第1の高周波電源48からの高周波電流は外側電極板36aに流れる。なお、誘電体膜39としては、可変直流電源50からの直流電流は実質的に流れず、第1の高周波電源48からの高周波電流が流れるように材質および厚さが調整される。
【0037】
チャンバ10の側壁から上部電極34の高さ位置よりも上方に延びるように円筒状の接地導体10aが設けられており、この円筒状接地導体10aの天壁部分は筒状の絶縁部材44aにより上部給電棒44から電気的に絶縁されている。
【0038】
下部電極であるサセプタ16には、整合器88を介して第2の高周波電源90が電気的に接続されている。この第2の高周波電源90から下部電極16に高周波電力が供給されることにより、半導体ウエハW側にイオンが引き込まれる。第2の高周波電源90は、2〜27MHzの範囲内の周波数、例えば2MHzの高周波電力を出力する。整合器88は第2の高周波電源90の内部(または出力)インピーダンスに負荷インピーダンスを整合させるためのもので、チャンバ10内にプラズマが生成されている時に第2の高周波電源90の内部インピーダンスと負荷インピーダンスが見かけ上一致するように機能する。
【0039】
上部電極34には、第1の高周波電源48からの高周波電力(60MHz)は通さずに第2の高周波電源90からの高周波電力(2MHz)をグランドへ通すためのローパスフィルタ(LPF)92が電気的に接続されている。このローパスフィルタ(LPF)92は、好適にはLRフィルタまたはLCフィルタで構成されるが、1本の導線だけでも第1の高周波電源48からの高周波電力(60MHz)に対しては十分大きなリアクタンスを与えることができるので、それで済ますこともできる。一方、下部電極であるサセプタ16には、第1の高周波電源48からの高周波電力(60MHz)をグランドに通すためのハイパスフィルタ(HPF)94が電気的に接続されている。
【0040】
チャンバ10の底部には排気口80が設けられ、この排気口80に排気管82を介して排気装置84が接続されている。排気装置84は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、チャンバ10内を所望の真空度まで減圧可能となっている。また、チャンバ10の側壁には半導体ウエハWの搬入出口85が設けられており、この搬入出口85はゲートバルブ86により開閉可能となっている。また、チャンバ10の内壁に沿ってチャンバ10にエッチング副生物(デポ)が付着することを防止するためのデポシールド11が着脱自在に設けられている。すなわち、デポシールド11がチャンバ壁を構成している。また、デポシールド11は、内壁部材26の外周にも設けられている。チャンバ10の底部のチャンバ壁側のデポシールド11と内壁部材26側のデポシールド11との間には排気プレート83が設けられている。デポシールド11および排気プレート83としては、アルミニウム材にY等のセラミックスを被覆したものを好適に用いることができる。
【0041】
デポシールド11のチャンバ内壁を構成する部分のウエハWとほぼ同じ高さ部分には、グランドにDC的に接続された導電性部材(GNDブロック)91が設けられており、これにより後述するような異常放電防止効果を発揮する。
【0042】
プラズマエッチング装置の各構成部は、制御部(プロセスコントローラ)95に接続されて制御される構成となっている。また、制御部95には、工程管理者がプラズマエッチング装置を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、プラズマ処理装置の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース96が接続されている。
【0043】
さらに、制御部95には、プラズマエッチング装置で実行される各種処理を制御部95の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じてプラズマエッチング装置の各構成部に処理を実行させるためのプログラムすなわちレシピが格納された記憶部97が接続されている。レシピはハードディスクや半導体メモリーに記憶されていてもよいし、CDROM、DVD等の可搬性のコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体に収容された状態で記憶部97の所定位置にセットするようになっていてもよい。
【0044】
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース96からの指示等にて任意のレシピを記憶部97から呼び出して制御部95に実行させることで、制御部95の制御下で、プラズマエッチング装置での所望の処理が行われる。
【0045】
このように構成されるプラズマエッチング装置においてエッチング処理を行う際には、まず、ゲートバルブ86を開状態とし、搬入出口85を介してエッチング対象である半導体ウエハWをチャンバ10内に搬入し、サセプタ16上に載置する。そして、処理ガス供給源66からエッチングのための処理ガスを所定の流量でガス拡散室40へ供給し、ガス通流孔41およびガス吐出孔37を介してチャンバ10内へ供給しつつ、排気装置84によりチャンバ10内を排気し、その中の圧力を例えば0.1〜150Paの範囲内の設定値とする。ここで、処理ガスとしては、従来用いられている種々のものを採用することができ、例えばCガスのようなフロロカーボンガス(C)に代表されるハロゲン元素を含有するガスを好適に用いることができる。さらに、ArガスやOガス等の他のガスが含まれていてもよい。
【0046】
このようにチャンバ10内にエッチングガスを導入した状態で、第1の高周波電源48からプラズマ生成用の高周波電力(60MHz)を所定のパワーで上部電極34に印加してプラズマを着火・生成するとともに、第2の高周波電源90よりイオン引き込み用の高周波電力(2MHz)を所定のパワーで下部電極であるサセプタ16に印加する。そして、可変直流電源50から所定の直流電圧を上部電極34に印加する。さらに、静電チャック18のための直流電源22から直流電圧を静電チャック18の電極20に印加して、半導体ウエハWをサセプタ16に固定する。
【0047】
上部電極34の電極板36に形成されたガス吐出孔37から吐出された処理ガスは、上部電極34と下部電極であるサセプタ16間のグロー放電中でプラズマ化し、このプラズマで生成されるラジカルやイオンによって半導体ウエハWの被処理面がエッチングされる。
【0048】
本実施形態においては、図2に模式的に示すように、電極支持体38に第1の高周波電源48と可変直流電源50とを接続し、電極支持体38に支持される電極板を外側電極板36aと内側電極板36bとに分離し、外側電極板36aと電極支持体38との間に誘電体膜39を形成している。この誘電体膜39は可変直流電源50からの直流は遮断するが第1の高周波電源48からの高周波は通過するように構成されているから、高周波電流は外側電極板36aおよび内側電極板36bの両方に流れるが、直流電流は外側電極板36aには流れず、内側電極板36bのみに流れる。
【0049】
この場合、直流電力が印加される内側電極板36bでは、直流電圧により上部電極34側に厚いDCシースが形成され、このシース容量により高周波電力は入り込みにくくなり、直流電力が支配的なプラズマが形成される。一方、直流電流が流れない外側電極板36aにはDCシースは形成されず、高周波電力が支配的なプラズマが形成される。このように、自己整合的に、内側電極板36bに対応する部分は直流プラズマが支配的となり、外側電極板36aに対する部分は高周波プラズマが支配的となる。
【0050】
直流プラズマは、生成された段階では均一性が高いが、静電界でしかプラズマを形成することができないため、対向電極の間の空間にはプラズマが形成されるが対向電極の外側部分にはプラズマが形成されない。したがって、対向電極周辺部には外側への損失があるため、電極中央部のプラズマ密度が高くなる傾向にある。これに対して、高周波プラズマは、対向電極の外側の空間にも広がりやすく対向電極の外側にも高密度のプラズマを形成することができる。本実施形態では内側電極板36bに対応する部分に主に直流プラズマを形成し、外側電極板36aに対応する部分は主に高周波プラズマを形成するので、半導体ウエハのエッチングに際し、ウエハの中央部分のプラズマ密度(電子密度)を均一性の高いプラズマを実現できる直流電力で制御し、外周部分のプラズマ密度(電子密度)を対向電極の外側に広がりやすいプラズマを実現できる高周波電力で制御する。よって、第1の高周波電源48および可変直流電源50のパワーを制御することにより、どのような場合でも極めて均一性の高いプラズマを得ることができる。具体的には、例えば、Arガスを導入せずにプラズマを形成する場合、従来の高周波プラズマでは、中央部のプラズマ密度が低下する傾向にあり、プラズマ密度を十分に均一にすることができなかったが、本実施形態により、このような場合でもプラズマ密度の均一性を高くすることができる。また、第1の高周波電源48および可変直流電源50のパワーを制御することにより、所望のプラズマ密度分布を形成することも可能である。
【0051】
本実施形態においては、第1の高周波電源48から上部電極34に印加する高周波電力として、高い周波数領域(イオンが追従できない10MHz以上)のものを供給しているので、エッチングガスをエッチングに好ましい状態である励起状態とし、かつ高密度化することができ、より低圧の条件下でも高密度プラズマを形成することができる。
【0052】
また、可変直流電源50から供給される直流電力は、電子温度の高いプラズマを生成し、エッチングガスをエッチングにとって好ましい状態であるイオン化状態として高いプラズマ密度を実現することができる。
【0053】
また、内側電極板36bに対応する部分に直流が支配的なプラズマが形成されることにより以下のような効果を得ることもできる。
上部電極34表面の自己バイアス電圧Vdcを深くすることができ、上部電極34にポリマーが付着した場合でも、スパッタ作用を及ぼして上部電極34の表面を清浄化することができる。それとともに、半導体ウエハW上に最適な量のポリマーを供給してフォトレジスト膜の表面荒れを解消することができる。また、上部電極34自体をスパッタして電極材料自体を半導体ウエハW表面に供給するようにすることにより、フォトレジスト膜を強化することもできる。さらに、上述のように上部電極34側に形成されるプラズマシースの厚さが大きくなり、その分だけプラズマが扁平化される。これにより、半導体ウエハW上の実効レジデンスタイムが増加し、かつプラズマがウエハW上に集中して拡散が抑えられ解離空間が減少して、結果としてフロロカーボン系の処理ガスの解離が抑えられ、フォトレジスト膜をエッチングされ難くすることができる。
【0054】
ところで、上部電極34に直流電圧を印加すると、上部電極34に電子がたまり、チャンバ10の内壁との間等に異常放電が生じるおそれがある。このような異常放電を抑制するため、本実施形態ではDC的に接地されたパーツであるGNDブロック91をチャンバ壁側のデポシールド11に設けている。このGNDブロック91はプラズマ面に露出しており、デポシールド11の内部の導電部に電気的に接続されており、可変直流電源50から上部電極34に印加された直流電圧電流は、処理空間を経てGNDブロック91に到達し、デポシールド11を介して接地される。GNDブロック91は導電体であり、Si,SiC等のシリコン含有物質であることが望ましい。Cも好適に用いることができる。このGNDブロック91により、上記上部電極34にたまる電子を逃がすことができ、異常放電を防止することができる。GNDブロック91の突出長さは10mm以上であることが好ましい。上記GNDブロック91は、プラズマ形成領域に設けられていれば、その位置は図1の位置に限らない。
【0055】
なお、上記GNDブロック91は、プラズマ形成領域に設けられていれば、その位置は図1に限らず、例えばサセプタ16の周囲設ける等、サセプタ16側に設けてもよく、また上部電極34の外側にリング状に設ける等、上部電極34近傍に設けてもよい。
【0056】
また、異常放電を防止するために、上部電極34に直流電圧を印加する場合に、適宜の手段により直流電圧に重畳して図3に示すような極短い逆極性のパルスを周期的に与えて電子を中和する方法も有効である。
【0057】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す概略断面図である。なお、図4において、図1と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0058】
本実施形態では、実施形態1における上部電極34の代わりに、以下の構造を有する上部電極34′が設けられている。上部電極34′は、サセプタ16と所定の間隔をおいて対向配置されているリング状またはドーナツ状の外側上部電極34aと、この外側上部電極34aの半径方向内側に絶縁された状態で配置されている円板状の内側上部電極34bとで構成される。外側上部電極34aと内側上部電極34bとの間には、例えば0.25〜2.0mmの環状ギャップ(隙間)が形成され、このギャップに例えば石英からなる誘電体72が設けられる。外側上部電極34aとチャンバ10の側壁との間には、例えばアルミナ(Al)からなるリング形状の絶縁性遮蔽部材42が気密に取り付けられている。
【0059】
外側上部電極34aは、電極板136aと、この電極板136aを着脱可能に支持する導電材料、例えば表面が陽極酸化処理されたアルミニウムからなる電極支持体38aと、電極支持体38aおよび電極板136aとの間に介在されたアルミニウムの陽極酸化皮膜等からなる薄い誘電体膜39aとを有する。電極板136aは、ジュール熱の少ない低抵抗の導電体または半導体、例えばシリコンやSiCで構成されるのが好ましい。外側上部電極34aには、実施形態1と同様の整合器46、上部給電棒74、コネクタ98および給電筒100を介して、実施形態1と同様の第1の高周波電源48が電気的に接続されている。整合器46の出力端子は上部給電棒74の上端に接続されている。
【0060】
給電筒100は、円筒状または円錐状あるいはそれらに近い形状の導電板たとえばアルミニウム板または銅板からなり、下端が周回方向で連続的に外側上部電極34aに接続され、上端がコネクタ98によって上部給電棒74の下端部に電気的に接続されている。給電筒100の外側では、チャンバ10の側壁が上部電極34′の高さ位置よりも上方に延びて円筒状の接地導体10aを構成している。この円筒状接地導体10aの上端部は筒状の絶縁部材74aにより上部給電棒74から電気的に絶縁されている。かかる構成においては、コネクタ98からみた負荷回路において、給電筒100および外側上部電極34aと円筒状接地導体10aとで、給電筒100および外側上部電極34aを導波路とする同軸線路が形成される。
【0061】
内側上部電極34bは、多数のガスのガス吐出孔37bを有する電極板136bと、この電極板136bを着脱可能に支持する導電材料、例えば表面が陽極酸化処理されたアルミニウムからなる電極支持体38bとを有する。電極支持体38bの内部には、例えばOリングからなる環状隔壁部材43で分割された中心ガス拡散室40aと周辺ガス拡散室40bとが設けられている。中心ガス拡散室40aと周辺ガス拡散室40bからはガス吐出孔37bに連通する多数のガス通流孔41bが下方に延びている。そして、中心ガス拡散室40aとその下面に設けられている多数のガス通流孔41bおよびそれらに連通する多数のガス吐出孔37bとで中心シャワーヘッドが構成され、周辺ガス拡散室40bとその下面に設けられている多数のガス通流孔41bおよびそれらに連通する多数のガス吐出孔37bとで周辺シャワーヘッドが構成されている。
【0062】
2つのガス拡散室40a,40bには、共通の処理ガス供給源66から処理ガスが所望の流量比で供給されるようになっている。すなわち、処理ガス供給源66からのガス供給管64が途中で2つの分岐管64a,64bに分岐し、電極支持体38bに形成されたガス導入口62a,62bに接続され、ガス導入口62a,62bからの処理ガスがガス導入室40a、40bに至る。それぞれの分岐管64a,64bに流量制御弁71a,71bが設けられており、処理ガス供給源66からガス拡散室40a、40bまでの流路のコンダクタンスは等しいので、流量制御弁71a,71bにより中心ガス導入室40aと周辺ガス導入室40bとに供給する処理ガスの流量比を任意に調整することができる。ガス供給管64には実施形態1と同様マスフローコントローラ(MFC)68および開閉バルブ70が設けられている。このように、中心ガス拡散室40aと周辺ガス拡散室40bとに導入する処理ガスの流量比を調整することで、中心シャワーヘッドから吐出されるガスの流量Fと周辺シャワーヘッドから吐出されるガスの流量Fとの比率(F/F)を任意に調整することができるようになっている。なお、中心シャワーヘッドおよび周辺シャワーヘッドよりそれぞれ吐出させる処理ガスの単位面積当たりの流量を異ならせることも可能である。さらに中心シャワーヘッドおよび周辺シャワーヘッドよりそれぞれ吐出させる処理ガスのガス種またはガス混合比を独立または別個に選定することも可能である。
【0063】
内側上部電極34bの電極支持体38bには、整合器46、上部給電棒74、コネクタ98および下部給電棒76を介して実施形態1と同様の第1の高周波電源48が電気的に接続されている。
【0064】
一方、上記上部電極34′には、第1の実施形態と同様、可変直流電源50が接続されている。具体的には、可変直流電源50がローパスフィルタ(LPF)58を介して内側上部電極34bに接続されている。可変直流電源50の極性、電圧、電流ならびにリレー回路52のオン・オフは実施形態1と同様、コントローラ51により制御されるようになっている。
【0065】
このように構成されるプラズマエッチング装置においてエッチング処理を行う際には第1の実施形態と同様に、まず、エッチング対象である半導体ウエハWをチャンバ10内に搬入し、サセプタ16上に載置する。そして、エッチングのための処理ガスを処理ガス供給源66から所定の流量および流量比で中心ガス拡散室40aおよび周辺ガス拡散室40bに供給して、ガス吐出孔37bを介してチャンバ10内に吐出させるとともに、第1の実施形態と同様、排気装置84によりチャンバ10内を排気して設定圧力に維持する。
【0066】
このようにチャンバ10内にエッチングガスを導入した状態で、第1の高周波電源48からプラズマ生成用の高周波電力(60MHz)を所定のパワーで上部電極34′に印加してプラズマを着火・生成するとともに、第2の高周波電源90よりイオン引き込み用の高周波電力(2MHz)を所定のパワーで下部電極であるサセプタ16に印加する。そして、可変直流電源50から所定の電圧を内側上部電極34bに印加する。さらに、直流電源22から直流電圧を静電チャック18の電極20に印加して、半導体ウエハWをサセプタ16に固定する。
【0067】
内側上部電極34bのガス吐出孔37bから吐出されたエッチングガスは、高周波電力により生じた上部電極34と下部電極であるサセプタ16間のグロー放電中でプラズマ化し、このプラズマで生成されるラジカルやイオンによって半導体ウエハWの被処理面がエッチングされる。
【0068】
本実施形態においては、図5に模式的に示すように、上部電極34′を外側上部電極34aおよび内側上部電極34bに分離し、第1の高周波電源48を上部給電棒74および下部給電棒76および給電筒100の存在により外側上部電極34aおよび内側上部電極34bに接続し、可変直流電源50を内側上部電極34bにのみ接続している。そして外側上部電極34aの外側電極板136aと電極支持体38aとの間に誘電体膜39aを形成しており、この誘電体膜39aは可変直流電源50からの直流は遮断するが第1の高周波電源48からの高周波は通過するように構成されているから、高周波電流は外側電極板136aおよび内側電極板136bの両方に流れるが、直流電流は外側電極板136aには流れず、内側電極板136bのみに流れる。
【0069】
この場合、直流電力が印加される内側電極板136bの表面近傍では、直流電圧により厚いDCシースが形成され、このシース容量により高周波電力は入り込みにくくなり、直流電力が支配的なプラズマが形成される。一方、直流電流が流れない外側電極板136aにはDCシースは形成されず、高周波電力が支配的なプラズマが形成される。このように、自己整合的に、内側電極板136bに対応する部分は直流プラズマが支配的となり、外側電極板136aに対する部分は高周波プラズマが支配的となる。
【0070】
したがって、第1の実施形態と同様のメカニズムによりプラズマ密度の均一化を図ることができる。また、所望のプラズマ密度分布を形成することも可能である。
【0071】
また、上部電極34′において、半導体ウエハWと直に対向する内側上部電極34bをシャワーヘッド兼用型とし、中心シャワーヘッドと周辺シャワーヘッドとでガス吐出流量の比率を任意に調整することができるので、ガス分子またはラジカルの密度の空間分布を径方向で制御し、ラジカルベースによるエッチング特性の空間的な分布特性を任意に制御することもできる。
【0072】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態に係るプラズマエッチング装置を示す概略断面図である。なお、図6の装置は、基本構造が図4の装置と同じであり、図4と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0073】
本実施形態においては、下部給電棒76の途中に、キャパシタンスを可変調整することができる可変コンデンサ78が設けられている点、および外側上部電極34aにおいて、外側電極板136aと電極支持体38aとの間に誘電体膜が設けられていない点においてのみ第2の実施形態と異なっている。この可変コンデンサ78は、後述するように、外側電界強度と内側電界強度とのバランスを調整する機能を有する。
【0074】
本実施形態では、基本的に上記第1および第2の実施形態と同様にしてプラズマエッチングを行うが、図7に模式的に示すように、上部電極34′を外側上部電極34aおよび内側上部電極34bに分離し、第1の高周波電源48を上部給電棒74および下部給電棒76および給電筒100の存在により外側上部電極34aおよび内側上部電極34bに接続し、可変直流電源50を内側上部電極34bにのみ接続しており、下部給電棒76に可変コンデンサ78を設けているので、高周波電源48および可変直流電源50から給電した場合に、高周波電流は外側電極板136aおよび内側電極板136bの両方に流れるが、直流電流は可変コンデンサ78により遮断されて外側電極板136aには流れず、内側電極板136bのみに流れる。
【0075】
この場合、直流電力が印加される内側電極板136bの表面近傍では、同様に、直流電圧により厚いDCシースが形成され、このシース容量により高周波電力は入り込みにくくなり、直流電力が支配的なプラズマが形成される。一方、直流電流が流れない外側電極板136aにはDCシースは形成されず、高周波電力が支配的なプラズマが形成される。このように、内側電極板136bに対応する部分は直流プラズマが支配的となり、外側電極板136aに対する部分は高周波プラズマが支配的となる。
【0076】
したがって、第1の実施形態と同様のメカニズムによりプラズマ密度の均一化を図ることができる。また、所望のプラズマ密度分布を形成することも可能である。
【0077】
本実施形態の場合、内側電極板136bの表面近傍に厚いDCシースが形成されるため、通常、高周波電力はほとんど外側電極板136aに流れるが、可変直流電源50からの直流電力が比較的小さい場合等において、可変コンデンサ78のキャパシタンスを変化させることによって、高周波電力の外側電極板136aと内側電極板137bとの分配比をある程度調整することができる。つまり、可変コンデンサ78のキャパシタンスを変化させることにより、内側電極板136bへの給電ラインのインピーダンスまたはリアクタンスを増減させることができ、これにより、外側電極板136aへの給電ラインにおける電圧降下と内側電極板136bへの給電ラインにおける電圧降下との相対比率を変えることができ、ひいては外側電極板136aへの投入高周波電力と内側電極板136bへの投入高周波電力との比率を調整することができる。
【0078】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
本実施形態に係るプラズマエッチング装置は、その基本構成が図1に示す第1の実施形態のプラズマエッチング装置と同じであり、図8に模式的に示すように、一体ものの電極板136が電極支持体138に支持された構造を有し、かつ電極板136の外側部分236aを電気抵抗が高い材料で構成し、内側部分236bを電気抵抗が低い材料で構成している上部電極134を備えている点が異なっている。そして、第1の実施形態と同様、上部電極134の電極支持体138には、第1の高周波電源48と可変直流電源50が電気的に接続されている。
【0079】
電極板136の外側部分236aは、可変直流電源50からの直流電流が実質的に流れない程度の高抵抗であり、電極板136の内側部分236bは可変直流電源50からの直流電流が十分に流れる低抵抗である。このような抵抗差を形成するには、ドーピング技術、異種材料の貼り合わせ等種々の方法が適用可能である。
【0080】
本実施形態では、基本的に上記第1〜第3の実施形態と同様にしてプラズマエッチングを行うが、図8に模式的に示すように、電極支持体138に第1の高周波電源48と可変直流電源50とを接続し、電極支持体138に支持される電極板136として、外側部分236aが直流電流が実質的に流れない程度の高抵抗であり、内側部分236bが直流電流が十分流れる程度の低抵抗のものを用いるので、高周波電流は外側電極板236aおよび内側電極板236bの両方に流れるが、直流電流は外側電極板236aには流れず、内側電極板236bのみに流れる。
【0081】
この場合、直流電力が印加される電極板136の内側部分236bの表面近傍では、同様に、直流電圧により厚いDCシースが形成され、このシース容量により高周波電力は入り込みにくくなり、直流電力が支配的なプラズマが形成される。一方、直流電流が流れない外側部分236aにはDCシースは形成されず、高周波電力が支配的なプラズマが形成される。このように、内側部分236bに対応する部分は直流プラズマが支配的となり、外側部分236aに対する部分は高周波プラズマが支配的となる。
【0082】
したがって、第1の実施形態と同様のメカニズムによりプラズマ密度の均一化を図ることができる。また、所望のプラズマ密度分布を形成することも可能である。
【0083】
次に本発明の第5の実施形態について説明する。
図9に模式的に示した本実施形態に係るプラズマエッチング装置は、その基本構成が図6、7に示す第3の実施形態のプラズマエッチング装置とほとんど同じであり、下部給電棒76および可変コンデンサ78が設けられていない点においてのみ第3の実施形態と異なっている。したがって、図9において図6、7と同じものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0084】
本実施形態では、上部電極34´を外側上部電極34aおよび内側上部電極34bに分離し、第1の高周波電源48を上部給電棒74および給電筒100の存在により外側上部電極34aのみに接続し、可変直流電源50を内側上部電極34bにのみ接続している。第1高周波電源48からの高周波電流は外側電極板136aのみに流れ、可変直流電源50からの直流電流は内側電極板136bのみに流れる。
【0085】
この場合、直流電力が印加される内側電極板136bの表面近傍では、直流電力によるプラズマが形成され、一方、高周波電力が印加される外側電極板136aの表面近傍では、高周波電力によるプラズマが形成される。したがって、第1の実施形態と同様のメカニズムによりプラズマ密度の均一化を測ることができる。また、所望のプラズマ密度分布を形成することも可能である。さらに、外側電極板の表面近傍で高周波電力のみによるプラズマが形成され、内側電極板の表面近傍で直流電力のみによるプラズマが形成されるので、上述の第1〜4の実施形態と比べて、より制御性よくプラズマ密度の均一化、所望のプラズマ密度分布の形成を行うことができる。
【0086】
以上の第1〜第5の実施形態では、ほぼ同様のメカニズムでプラズマ密度の均一化を図ることができるが、このようなプラズマ密度制御を図6に示す第3の実施形態に係るプラズマエッチング装置で実際に行った結果について説明する。
【0087】
ここでは、図6の装置において、半導体ウエハをチャンバ内に装入してサセプタ上に載置し、処理ガスとしてCガスを8mL/min、Arガスを1000mL/min、Nガスを150mL/minの流量でチャンバ内に導入し、チャンバ内の圧力を6.7Paとし、上部電極に60MHzで1000Wの高周波電力を印加し、下部電極であるサセプタに2MHzで3000Wの高周波電力を印加するというビアのエッチング条件とし、可変直流電源の電圧を変化させた。可変コンデンサ(CPI)のステップ数は136と一定とした。その際の半導体ウエハ上方のプラズマの電子密度(プラズマ密度)の分布を測定した。その結果を図10に示す。なお、図10における直流電圧(DC)の値は絶対値で表されており、後述する図11、図12における直流電圧(DC)の値も絶対値で表されている。図10に示すように、印加する直流電圧の値に応じて半導体ウエハの中央部の電子密度が変化しており、直流電圧が300、450V程度で電子密度の均一性が特に高くなることが確認された。
【0088】
次に、図6の装置を用いて、同じ処理ガス組成で同じ圧力で、上部電極に60MHzで1200Wの高周波電力を印加し、下部電極であるサセプタに2MHzで2000Wの高周波電力を印加してプラズマエッチングを行うに際し、可変コンデンサ(CPI)のステップ数を136と一定にし、可変直流電源の電圧を変化させた場合と、可変直流電源から電圧を印加せずに可変コンデンサ(CPI)のステップ数を変化させた場合とでプラズマ密度の分布を測定した。図11にその結果を示す。図11の(a)は、可変直流電源の電圧を変化させた場合、(b)は可変コンデンサ(CPI)のステップ数を変化させた場合であり、両者の電子密度の均一性は同等であったが、直流電圧による電子密度の制御幅が大きく、プラズマ密度分布の自由度が高いことが確認された。
【0089】
次に、同じく図6の装置を用いて、Cガスを8mL/min、Arガスを0mL/min、Nガスを150mL/minのArレスの条件で、チャンバ内の圧力を6.7Paとし、上部電極に60MHzで1000Wの高周波電力を印加し、下部電極であるサセプタに2MHzで3000Wの高周波電力を印加して、可変直流電源の電圧を600V、900Vと変化させた。可変コンデンサ(CPI)のステップ数は136と一定とした。その際の半導体ウエハ上方のプラズマの電子密度(プラズマ密度)の分布を測定した。その結果を図12に示す。図12に示すように、直流電圧が900Vでほぼ均一な電子密度が得られた。このガス組成では直流電圧印加なしで可変コンデンサ(CPI)のみではプラズマの均一性が得られなかった。
【0090】
なお、上述の第1〜5の実施形態において、プラズマエッチングする際は、第1の高周波電源48から高周波電力を上部電極に、第2高周波電源90から高周波電力をサセプタ16に印加するとともに、可変直流電源50からの直流電圧を上部電極に印加していた。ここで、チャンバ内部をクリーニングする際は、第1の高周波電源48から高周波電力を上部電極に、第2高周波電源90から高周波電力をサセプタ16に印加し、可変直流電源50からの直流電圧は上部電極に印加しないのが好ましい。クリーニングする際は、リレー回路52をオフにすることが好ましい。
【0091】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
この実施形態のプラズマエッチング装置においては、図13に示すように、上部電極234は、電極支持体238の下に高周波電流は通すが直流電流は通さない程度の厚さの誘電体膜139を介してリング上の外側電極板336aとその内側に円盤状の内側電極板336bとが支持された構造を有しており、可変直流電源50からは外側電極板336aにも内側電極板336bにも直流電圧が印加可能となっており、スイッチ241および242により、これらへの直流電圧がオン・オフ可能となっている。すなわち、外側電極板336aおよび内側電極板336bのいずれかに直流電圧を印加することも、いずれにも直流電圧を印加することも、いずれにも直流電圧を印加しないことも自由に選択することができる。その他の構成は図1と全く同じである。
【0092】
このような構成によれば、プラズマエッチング時に、可変直流電源50から外側電極板336aにも内側電極板336bに直流電圧が印加でき、しかも独立にオン・オフできるので、プラズマ密度分布の制御性を著しく高めることができ、プラズマ密度分布の自由度を高めることができる。
【0093】
図14に示すように、上部電極234の外側に、さらにリング状の補助電極235を設け、この補助電極235に可変直流電源50を接続してスイッチ243によりオン・オフ可能とすることにより、上述のようにプラズマ密度分布の自由度を高めることができる他、補助電極235に直流電圧を印加することにより補助電極235を上部電極の一部として機能させることにより、さらにプラズマ密度の均一性を向上させることができる。
【0094】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
この実施形態のプラズマエッチング装置においては、図15に示すように、上部電極334は、電極支持体338の下に電気抵抗が異なる部位を有する電極板436が形成された構造を有している。具体的には、電極支持体338の最外側および中央部にそれぞれリング状および円板状をなす低抵抗部分436a、436bが配置され、これらの間に高抵抗部分436cが配置されている。低抵抗部分436a、436bは、可変直流電源50からの直流電流が十分に流れる程度の低抵抗であり、高抵抗部分436cは、第1の高周波電源48からの高周波電流は流れるが、可変直流電源50からの直流電流が実質的に流れない程度の高抵抗である。その他の構成は図1と全く同じである。
【0095】
このような構成によれば、プラズマエッチング時に、可変直流電源50から最外側および中央部分に直流電圧を印加することができ、上部電極334の下面に第4の実施形態の場合よりもきめ細かく高周波電界および直流電界の分布を形成することができ、よりプラズマ密度分布の制御性を高めることができる。
【0096】
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
この実施形態のプラズマエッチング装置においては、図16に示すように、上部電極434は、電極支持体438の下に電気抵抗を変化させた電極板536が形成された構造を有している。この電極板536は図16の下部に示しているように、中央部が低抵抗で外側に向かって徐々に高抵抗になるような電気抵抗のグラジエーションが形成されている。そして、最も抵抗の高い外側部分は第1の高周波電源48からの高周波電流は流れるが、可変直流電源50からの直流電流が実質的に流れない程度の高抵抗であり、中央部は可変直流電源50からの直流電源が十分に流れる程度の低抵抗である。その他の構成は図1と全く同じである。
【0097】
このような構成によれば、プラズマエッチング時に、第4の実施形態の場合と同様、第1の高周波電源48の高周波電流は電極板536の全ての部分に流れ、高抵抗の外側部分には可変直流電源50からの直流電流は実質的に流れない。また、外側部分と中央部分との間の電気抵抗が変化している部分は、その電気抵抗に応じる量の直流電流が流れる。これにより、電極板536の外側部分、中央部分、およびそれらの間の部分で高周波電界および直流電界の分布が形成され、第4の実施形態の場合よりもプラズマ密度分布の制御性を高めることができる。
【0098】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上部電極は必ずしも水平でなくても良く、図17に示すように、第1の実施形態における上部電極34として例えばテーパー状の外側電極板36a′部分を形成することもできる。これにより、プラズマの均一性をより高めることができる。もちろん、他の実施形態においても上部電極を同様の構造とすれば同様の効果が得られる。
【0099】
また、上記実施形態では上部電極にプラズマ形成用の高周波電力と直流電力を印加した場合について示したが、これらを下部電極に印加する場合にも適用可能である。
【0100】
さらに、本発明の範囲を逸脱しない限り、上記実施の形態の構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは上記実施の形態の構成要素を一部取り除いたものも本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0101】
10…チャンバ(処理容器)
16…サセプタ(下部電極)
34,34′,134,234,334,434…上部電極
36a,136a…外側電極板
36b,136b…内側電極板
39,39a,139…誘電体膜
46,88…整合器
48…第1の高周波電源
50…可変直流電源
51…コントローラ
66…処理ガス供給源
78…可変コンデンサ
84…排気装置
90…第2の高周波電源
136,436,536…電極板
236a…外側部分
236b…内側部分
W…半導体ウエハ(被処理基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板が収容され、真空排気可能な処理容器と、
処理容器内に対向して配置される第1電極および第2電極と、
前記第1電極に高周波電力を印加する高周波電源と、
前記第1電極に直流電圧を印加する直流電源と、
前記処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と
を具備し、前記第1電極および前記第2電極との間に処理ガスのプラズマを生成して被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、
前記第1電極は上部電極であり、前記第2電極は被処理基板を載置する下部電極であり、
前記第1電極は、電極板と、前記電極板を支持する一体構造の電極支持部材とを有し、
前記高周波電源および前記直流電源は前記電極支持部材に接続されており、
前記第1電極の前記電極板は、面内方向に所定の電気抵抗の分布が形成され、前記第1電極の表面に所定の直流電界および高周波電界の分布を形成することを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
被処理基板が収容され、真空排気可能な処理容器と、
処理容器内に対向して配置される第1電極および第2電極と、
前記第1電極に高周波電力を印加する高周波電源と、
前記第1電極に直流電圧を印加する直流電源と、
前記処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と
を具備し、前記第1電極および前記第2電極との間に処理ガスのプラズマを生成して被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、
前記第1電極は上部電極であり、前記第2電極は被処理基板を載置する下部電極であり、
前記第1電極は、前記プラズマに臨むように配置された複数の電極板と、誘電体膜を介して前記複数の電極板を支持する一体構造の電極支持部材とを有し、
前記複数の電極板は、それぞれスイッチを介して前記直流電源に接続され、前記直流電源からの直流電圧は前記複数の電極板に選択的に印加可能であることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記誘電体膜は、前記直流電源からの直流電流は遮断し、前記高周波電源からの高周波は通過させるものであることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記複数の電極板の外側に設けられた、リング状の補助電極をさらに有し、前記補助電極は、スイッチを介して前記直流電源に接続されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記直流電源からの印加電圧または印加電流または印加電力を制御する制御装置をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラズ処理装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記プラズマ処理時には前記直流電源からの直流電圧を印加し、前記処理容器内部のクリーニング時には前記直流電源からの直流電圧の印加を停止するように制御することを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記第2電極にイオン引き込み用の高周波電力を印加するイオン引き込み用高周波電源をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
被処理基板が収容され、真空排気可能な処理容器と、
処理容器内に対向して配置される第1電極および第2電極と、
前記第1電極に高周波電力を印加する高周波電源と、
前記第1電極に直流電圧を印加する直流電源と、
前記処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と
を具備し、
前記第1電極は上部電極であり、前記第2電極は被処理基板を載置する下部電極であり、
前記第1電極は、電極板と、前記電極板を支持する一体構造の電極支持部材とを有し、
前記高周波電源および前記直流電源は前記電極支持部材に接続されているプラズマ処理装置を用いて、前記第1電極および前記第2電極との間に処理ガスのプラズマを生成して被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理方法であって、
前記第1電極の前記電極板に、面内方向に所定の電気抵抗の分布を形成し、前記第1電極の表面に所定の直流電界および高周波電界の分布を形成することを特徴とするプラズマ処理方法。
【請求項9】
被処理基板が収容され、真空排気可能な処理容器と、
処理容器内に対向して配置される第1電極および第2電極と、
前記第1電極に高周波電力を印加する高周波電源と、
前記第1電極に直流電圧を印加する直流電源と、
前記処理容器内に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と
を具備し、
前記第1電極は上部電極であり、前記第2電極は被処理基板を載置する下部電極であり、
前記第1電極は、前記プラズマに臨むように配置された複数の電極板と、誘電体膜を介して前記複数の電極板を支持する一体構造の電極支持部材とを有し、
前記複数の電極板は、それぞれスイッチを介して前記直流電源に接続されているプラズマ処理装置を用いて、前記第1電極および前記第2電極との間に処理ガスのプラズマを生成して被処理基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理方法であって、
前記直流電源からの直流電圧を前記複数の電極板に選択的に印加してプラズマ密度分布を制御することを特徴とするプラズマ処理方法。
【請求項10】
前記プラズマ処理時には前記直流電源からの直流電圧を印加し、前記処理容器内部のクリーニング時には前記直流電源からの直流電圧の印加を停止することを特徴とする請求項8または請求項9に記載のプラズマ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−135838(P2010−135838A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35682(P2010−35682)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【分割の表示】特願2005−102953(P2005−102953)の分割
【原出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】